喪服と言っても、色々な種類があります。 素材はもちろん、 袖丈やスカート丈にも違いがあり、どれを選べば良いか悩んでいる方も多いです。 「そもそもマナーに詳しくないし、喪服はそれ程着る機会がないから、 どれを選んでも同じ。 」と思ってはいませんか? 確かになかには 「喪服は黒い服を着れば良い。 」と思っている人も多いのですが、見る人が見れば、 喪服の装いマナーの違いは一目瞭然。 冠婚葬祭の場面では、 しっかりとマナーを守りたいものですね。 そこで今回は、 季節やマナーに合った喪服の ワンピーススタイルの選び方を7つ解説します。 喪服の袖丈やスカート丈の長さの理由、そして 喪服マナーに沿ったワンピースの選び方を、出来る限り 詳しく記載していきます。 喪服を購入する際の参考にして下さい。 参列する立場、そして 季節や年齢を考慮しながら喪服を選んでください。 肌寒い時期の喪服スタイル 【 初春~初夏・初秋~初冬の喪服 】 ・ 少し肌寒い時期の法事法要の際は、 5分袖や7分袖のワンピース喪服が最適な装いです。 もちろん、長袖でも構いませんが、 上にジャケットを羽織る為、暑過ぎると感じる事もあります。 特に女性の場合、 手伝いに入らなくてはいけない場合もあります。 動く事を前提に喪服を選ぶ事が大切です。 ご自身が、 ジャケットを脱いで丁度良いと感じる温度、また動きやすいと感じる袖丈の物を選ぶ必要があります。 それでも5分袖、7分袖のどちらかで迷う場合は、 ジャケットを脱ぐ機会の有無で選ぶと良いです。 【 法事法要の喪服 】 ・ 肌の露出を極力控えるのがマナーです。 ジャケットを脱ぐ可能性がある場合は7分袖、ジャケットを脱ぐ可能性がない場合は5分袖を選択してください。 どちらの袖丈でも失礼には当たりませんが、 長袖のジャケットやカーディガン(黒)を、必ず持参して列席して下さいね。 暑い時期の喪服スタイルをチェック 暑い時期の喪服スタイルは、一番悩みます。 ただでさえ暑い時期に、長袖の喪服を着用するなんて考えたくもないかもしれませんね。 【 暑い時期(初夏~初秋)の法事法要 】 この暑い時期の法事法要には、 半袖(3分袖)~5分袖のワンピースが最適です。 半袖の喪服は、マナー違反じゃないの?とお考えになる方もいらっしゃるでしょうが、 実は半袖でも大丈夫です。 但し、お通夜や葬儀告別式と言った人の目が多い場所、 年忌法要で読経をあげてもらう場所では、 ジャケット(又はカーディガン)の着用が必須です。 また 近親者の方は、参列者よりも軽装と言う訳にはいきません。 軽い素材、 通気性の良い素材のジャケットを着用するようにして下さい。 最近では、袖が シースルー素材で作られた通気性のよいワンピースも販売されていますから、暑い時期を想像しながら、ご自身が快適だと思う袖丈のスタイルを選ぶことを、おすすめします。 寒い時期の喪服スタイルを確認 【 寒い時期(初冬~初春)の法事法要 】 長袖の喪服で参列します。 ほとんどの方が馴染みのあるスタイルですね。 もちろん、 7分袖の物でも構いません。 最近は、 オールシーズン対応可能な喪服も多く販売されていますから、ご自身が使いやすいと思う袖丈、また素材の物を選んでください。 上に羽織るジャケットも同様に、 首元の開きが少ない物を選ぶとマナーとしても安心です。 ノーカラージャケットやスタンドカラーのジャケット、もしくは 首元までしっかり閉まるジャケットは、肌の露出も控えめになり、 上品な装いに仕上がります。 もしも冬用の喪服を一着購入しようとお考えの場合は、 ウール素材の物がおすすめです。 喪服は、膝下5cmのワンピース フォーマルの装いで大切な スカート丈について記載していきます。 膝下約5cmの物を選ぶのが一般的です。 この長さは、 正座した時やお辞儀をした時でも膝が隠れ、肌の露出を避けられる丈になります。 膝より上の脚が見えてしまうと、 下品な印象を与えてしまいますから、必ず膝下丈の物を選んで下さい。 この丈のワンピースは、 年齢を問わず着回しが効きます。 喪服を着用する場は、 お洒落を楽しむ場所ではありませんから、出来る限りシンプルな物を選びます。 また、現在の体型よりワンサイズアップ、もしくは 少し大きめのワンピースを購入しておくと、 少々の体型変化にも対応出来ます。 ふくらはぎ丈のワンピースをチェックしてみよう この丈は、 年齢が高くならないと、なかなか候補には挙がらない長さのワンピースですが、意外と活用出来ます。 特に、 30代後半で喪服を新調しようとお考えの場合、また 親族と言う立場で参列しなくてはならない場合は、この長さの丈がピッタリです。 参列者に膝下5cm丈の方が多いのも、この理由の1つで、 喪主やご遺族より格を上げない為の礼儀となっています。 ですから、 親族と言う立場、また 今後参列する機会が多くなりそうな年齢の場合は、この丈のワンピースの喪服を選んでおくと安心です。 Aラインのシルエットや 裾がフレアになっているシルエット、どちらも素敵です。 ご自身の10年後を想像しながら、 長く愛用出来るシルエットを決めてください。 もしもご遺族が膝下5cm程度のワンピースを着用していた場合でも、 この丈は失礼には当たりませんから、ご心配なく。 くるぶし丈のワンピースは年齢・地域に合わせて では、 少し注意が必要なロング丈を見ていきます。 特に近隣近所との関係が密接な地域、 高齢者が多い地方では、ロング丈の喪服が当たり前です。 ご遺族と言った立場ではなくても、故人と親しい間柄にあった方達ばかりですから、弔意を表す意味も込めて、 ロング丈を着用しています。 もしも参列する地域が、このような場所であれば、 ロング丈のワンピースを候補に入れてみてください。 分からない場合は、一緒に参列する方やご両親に連絡して、 どの丈を選べば良いか確認すると安心です。 年齢的に、格式を重んじた装いが必要となってきますから、周りとの調和を考えた喪服を選ぶようにします。 想像したくはありませんが、 喪主と言う立場でしたら、 ロング丈のワンピース、もしくは 着物の着用がマナーです。 突然の訃報・年忌法要の場合も知っておこう 死は突然訪れるものですから、 急遽参列する場合もあります。 また、 三回忌以降の年忌法要では、 略喪服での列席も可能です。 【 突然のお通夜や、三回忌法要での略喪服 】 上記のような場合は、黒がある場合は 黒のワンピースを。 お持ちでない場合は 紺やダークグレー等の黒に近い色合いの 地味なワンピースを選んで着用します。 体のラインが出ない、 少しゆったりとした長袖のワンピースが宜しいですが、もしも袖丈が短いワンピースしかお持ちでない場合は、 同色のジャケットやカーディガンを着用して参列して下さい。 その際、ご自身が着用している洋服が黒に近い色合いの物でしたら、 そのまま訪問しても構いません。 もちろんスーツでも大丈夫です。 華美でないデザインの物、光沢のないダーク系の色合い、 肌の露出が少ないワンピースを選んで、故人とご遺族に会いに行って下さい。 大人になったら把握しておきたい、 女性の喪服マナーについてお伝えしました。 失礼のない喪服ワンピースを探せるよう、詳細に解説しました。 基本、 「喪服ワンピース」や 「ブラックフォーマル」と言った記載があれば、どのスタイルでも大丈夫ですが、その場合は、 色(黒の濃さ)と素材を気にしながら選んで下さい。 あまり 低価な喪服を購入すると、参列した時に恥ずかしい思いをするかも知れません。 法事法要は、黒一色の場ですから、 喪服の「黒色の差」に気付く事が多いのです。 出来るだけ、深い黒色、そして シワになりにくい素材の物を選んで、長く愛用出来る喪服を見つけてください。 故人との関係、そして年齢や季節、 ご自身の10年後を想像しながら選ぶ事で、 最適な一着を見つける事が出来ます。 まとめ 女性が喪服を準備する時に、意識したい7つのスタイルとマナー ・肌寒い時期の法事法要では、5分袖や7分袖のワンピース喪服が最適 ・暑い時期の喪服には、半袖から5分袖のワンピース。 上着を準備して ・寒い時期の喪服は長袖のワンピースを。 首元がしまったスタイルで ・スカートは、膝下5cm以上の正座をしても、膝が隠れる長さを選ぶ ・親族の立場で参列する場合には、ふくらはぎ丈のワンピースをチェック ・くるぶし丈のワンピースは礼服として最高位。 60代以降や親族に ・突然の訃報・年忌法要では、黒の他濃紺やダークグレーでも大丈夫.
次の50代ともなると、葬儀に参列する回数も多くなり喪服の出番も増えてきます。 女性のフォーマルマナーやしきたりというのはとくに厳しく周囲の視線も気になるところ。 常識ある女性が着る喪服選びには、どんなことに気をつけるとよいのでしょう。 フォーマルマナーを教える立場となる50代 今までは、弔事の席でのマナーやしきたりを教えてもらう立場であったかもしれません。 しかし、50代ともなると今度は教える立場へと変わっていきます。 また、50代の女性なら喪主・喪主の妻・遺族となる可能性も高くりますので、正喪服が必要になる機会も増えるでしょう。 主催者側の立場である遺族は、弔問客に対して失礼にならないよう正喪服の着用が望ましいとされています。 準喪服にあたる喪服しかもっていないという女性は、正喪服を1着用意しておくと安心ですね。 正喪服とは 正喪服には、おもに和装・洋装があります。 喪主とその配偶者・遺族など主催する側の立場や、亡くなった方に近い親族の方が葬儀や通夜などに参列するときに着用するもっとも格式ある装いが正喪服です。 和装の「正喪服」 喪主・喪主の妻の場合は、正式な和装喪服が必要になってきます。 黒無地染め抜きの五つ紋の入った着物と黒無地丸帯、黒草履に白衿の長襦袢、白足袋が一般的です。 和装喪服は、地域によるしきたりやマナーなど、文化の違いが出やすい服装です。 実際のところは、家族や親戚の年配の方に確認してみるとよいでしょう。 洋装の「正喪服」 黒無地のワンピーススーツ、アンサンブルで、光沢があるものや透ける素材は避けましょう。 夏でも長袖で、首元が詰まったデザイン、スカート丈はひざ下からくるぶしまでと肌の露出を控えます。 50代女性の喪服は品格のあるものを選ぶ 50代になった大人の女性なら、安っぽさ感じさせる喪服は、もっとも避けるべきでしょう。 しかし、高価な喪服が必ずしも厳粛な場にふさわしい装いとは限りません。 格が高い喪服というのは、無地で深く濃い黒色。 遺族側でも着られる喪服を選ぶ際は生地の素材や織り、色・デザインにもこだわって選ぶことも大切です。 女性らしい品格の決め手は「黒」 上質な喪服は、黒の色合いが濃いほど品格があがります。 そのため、黒色の濃さはとても重要で、濃染加工の技術はブラックフォーマルには欠かせないものとなってきました。 濃染加工とは、染め上がった生地に低屈折率の樹脂被膜を形成させて光の透過率を上げるもの。 そのため濃染加工された喪服は光の反射が抑えられ濃い黒色に見えます。 品格ある「黒」は大人の女性らしさと、落ち着いた印象を与える漆黒の喪服を選びましょう。 ロング丈のスカート・ジャケット スカートやジャケットの丈が短いと、若すぎる印象を与え浮いてしまうことも。 落ち着いた雰囲気が出せるロングスカートやロング丈のジャケットがおすすめです。 年齢が現れやすい部分をカバーする喪服を選ぶ 50代の女性ですと、年齢が出やすい部分が気になりはじめるころです。 気になる女性は、年齢が現れやすい部分をカバーしてくれる喪服を選ぶとよいでしょう。 また、長く着ることを考えて、ジャストサイズよりもゆとりを持たせたサイズやゆったりしたデザインのものを選びましょう。 機能性・着心地も大切 窮屈なものや、動きづらく着心地が悪いと感じる喪服は避けましょう。 着脱のしやすさも重要です。 ワンピースの場合、後ろファスナーだと一人で着替えるのは大変です。 前開きファスナーなど、脱いだり着たりしやすいタイプを選ぶと便利です。 フリルで気になる首元をカバー 年齢が現れやすいのが首元。 気になる女性は、首元にフリルなどがあるデザインを選ぶとカバーできます。 また、襟元から下へ流れるような切り替えのあるデザインは、気になる首元から視線を外してくれるメリットも。 50代の女性におすすめの喪服 ベスト5 50代の女性は、喪主、あるいは喪主の配偶者や遺族など、主催者側の立場になる可能性もでてきます。 そんなときに慌てないように、正喪服を一着用意しておくことが大切。 大人の女性にふさわしい5つの喪服をご紹介いたします。
次の単に服を着るのではなく、知識を備えることにより、ますます愉しくなるのがフォーマルウェア。 今回は「喪服の成り立ち」について。 お葬式や弔事で着られている喪服のルーツを探ります。 喪服は遺族だけが着る服だった! 今日、喪服はお葬式や法事など弔事の際に着る服として定着しています。 しかし、元々は亡くなった方の遺族だけが、喪中に着用する服でした。 元々は弔問客は喪服ではなく、普段着で参列していました。 その後、弔問客のスタイルに変化が起きます。 明治時代には男性が紋付やフロックコート、ダークスーツを着用し、後には女性が黒紋付を着用するようになりました。 こうして、遺族と弔問客の服装の区別がなくなり、「葬式に参加するための服」=「喪服」という観念が定着し始めたのです。 喪服は昔、白かった!? 現在では喪服=「黒」というイメージが定着していますが、初めから黒かったわけではなく、遠い昔、喪服は「白」だったそうです。 それが、奈良時代には薄墨色、室町時代には白に戻り、明治時代に入りやっと現在の黒色の喪服が定着するようになったと言われています。 喪服が「白」から「黒」に変わるまでのきっかけには、いくつかの説があります。 ひとつは「欧米化政策説」。 欧米化がさかんになった明治時代、明治天皇の嫡母・英照皇太后の葬儀が行なわれました。 この世界各国から国賓が参加する儀式で、列強に笑われないよう、西洋の葬礼に倣って黒い喪服を導入したと言われています。 もうひとつは、「戦争に伴う実用説」。 日清・日露戦争が激しくなってきた頃、戦死した人を弔うための葬儀が頻繁に行なわれました。 そのため、汚れが目立ちやすい従来の白い喪服に代わり、黒い喪服を着用するようになったと言われています。 これらがきっかけとなり、現在の黒い喪服のスタイルが確立し、人々に定着してきました。 その名残は、結婚式で親族の既婚女性が黒留袖を着る習慣に残っています。 亡くなった人に白装束を着せ、親族が白い喪服を着て故人を弔うことも、嫁入りの際に白無垢に身を包むことも、こうした意味が含まれているからだそうです。 一見、正反対に思える慶弔にはこうした共通点がたくさん見受けられます。 ちなみに、花嫁さんが白無垢を着ることは、生家における娘の死を表し、嫁ぎ先での再生を意味するそうです。 また、婚礼での「お色直し」とは新婦が新しい家に入り、その家の色に染めかえられた事を表すものでした。 ですから、本来は一度着替えるだけで、何度も着替えることはしません。 もちろん、新郎は「お色直し」はしませんでした。 今回の豆知識は、「喪服の成り立ち」についてご紹介しました。 喪服も社会の動向によって、様変わりしているんですね!最近では、葬儀のスタイルも多様化していますので、これからますます変化が見られるかもしれません。 宇宙葬が身近になれば、次の喪服は宇宙服かも…! 単に服を着るのではなく、知識を備えることにより、ますます愉しくなるのがフォーマルウェア。 第5回では、前回の「喪服の成り立ち」に続き、実際の場面でどのような装いをしたらよいか、レディースの喪服の選び方についてご紹介します。 チャートで見る正・準・略喪服 「喪の装い」は、弔事の種類や出席する時の立場によって異なり、正喪服・準喪服・略喪服に分かれます。 このチャートからみると、「準喪服」はどんなシーンでも幅広く着られるウェアということがおわかり頂けると思います。 それでは、続いてそれぞれの喪服の具体的な装いをご紹介します。 略喪服は、急な弔問や通夜、三回忌移以降の法事で着用します。 ワンピース、スーツ、アンサンブルに加えて、同素材・単品同士のコーディネイトやパンツスタイル等。 色は、黒以外にグレーや紺でもよく、無地感覚の水玉・ストライプ・チェック・小紋タイプでも差し障りありません。 ただ、袖なしのスタイル等露出のあるデザインは不向きです。 襟の開いたものであれば、スカーフ等で胸元を隠せば問題ありません。 正・準喪服に比べて制約が少ないので、華美にならないよう気をつけましょう。 このように、喪服には、立場や状況に応じて、格式に違いがあることがお分かり頂けたと思います。 では、実際に喪服を選ぶときには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか? テーラードカラーやウィングカラーのような襟元がカチッとしたものやタイトなラインのスカート等、シャープな印象のものを選ぶとよいでしょう。 Aラインやフレアの入ったスカートでもお薦めです。 ウエスト周りが楽な上、すっきりとした印象を与えます。 また、最近ではホテル等で行なわれる「お別れの会」や「故人を偲ぶ会」で着られる一般的なスーツのテイストに近いタイプにも関心が高まっています。 また、リボン等の着脱可能なパーツがついたものやコサージュは、雰囲気を変えられ、長く着回しができるのでお薦めです。 今回ご紹介した着用ルールは、日本フォーマル協会の規定をふまえたものですが、最近では、袖なしやスカート丈が短めのワンピースなど、今まであまり見受けられなかったデザインも人気が出てきています。 最低限の気配りは大事にしながらも、ご自分に似うもの、着てみたいデザインを選ばれる方が増えているようです。 ぜひ一度、フォーマル売場に足を運ばれてはいかがでしょうか?.
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