2月10日の朝のテレビのニュースでは、 世界全体の死者数が2月8日に一気に89人増え、881人となり、 2002年から流行した「SARS」の774人を大きく上回ったと報道していました。 歴史に残る大きな感染病になった新型コロナウイルスですが、この正式名称が何かふと気になり調べてみたら、 世界三大通信社の1つAFP通信からの「AFPBB News」に関連する情報が載っていたので、その中身をかいつまんで、ご紹介します。 「コロナウイルス病」の英語表記を略した「COVID(コビッド)」と、感染が報告された2019年を組み合わせた形です。 この正式名称が付くまでは、 世界保健機関(WHO)では、暫定的に 「2019-nCoV」という公式名称を付けていました。 正式名称と同じように、 「2019」は、このウイルスが最初に特定された2019年を意味しており、 「nCoV」はこのウイルスが属するコロナウイルスの新型を示していました。 病名の命名に基準はあるの? 特に病名の命名基準のようなものは設けられていないようですが、 2015年にWHOはより命名に関する指針を発表しています。 病名に最初に発症した地名を入れるのは禁止• 病名に最初に発症した動物名を入れるのは禁止• 病名に過度の恐怖をあおり立てる用語を入れるのは禁止 禁止事項が多くて、 「これじゃなんの病気か後から振り返って分からなくなる~!」という声が上がりそうですが、これには深い理由があります。 1つ1つ簡単にみていきましょう。 過去に地名を付けた病名として、コンゴ民主共和国のエボラ川から発症した エボラ(Ebola)熱や、ウガンダのZika forest(ジカ森林)から発症した ジカ(Zika)熱があります。 このように病名に地名を入れたことで、とても分かりやすい病名になった反面、地名に汚名を着せることになってしまい、その土地のイメージダウン、住民を傷付けることにつながったという失敗事例があります。 既に一般的な病名として病院でも使われている 「中東呼吸器症候群(MERS)」や 「スペイン風邪」についても、同じ理由で改名した方がよいという意見が出ているようですね。 このような背景の中、今回の新型コロナウイルスについても、中国・湖北、省武漢という地名や、中国国民に汚名を着せることがないよう、 WHOおよび国際ウイルス分類委員会(ICTV)のコロナウイルスに関する専門家の間で、検討を進めているとのことです。 最初、カリフォルニア州南部とテキサス州で豚から人に感染した 「豚インフルエンザ」といわれた、H1N1型インフルエンザがいい例ですね。 この時は、豚肉を食べる人がめっきり減ることになり、養豚業界は大きな打撃を受けることになってしまいました。 今後この病気にかかった人に余計な恐怖心を駆り立てないようにするためですね。 これらの禁止事項についてWHOは、 「ある病名が特定の宗教または民族グループのメンバーに対する反感を招き、渡航や商取引において不当な障壁を生み出したり、食用動物の不必要な殺処分を引き起こしているのを目にしてきた」 と述べています。 なるほど、病原菌で名前を付ければ、名称がカブることもなく、まさにその病気の根源そのものですからね。 そうなると、今暫定に公式名称となっている、 「2019-nCoV」でいいんじゃないかという気もしますね… SARSの正式名称は? 2002当時に新型コロナウイルスと恐れられた「SARS」の正式名称について、振り返ってみます。 SARSは 「 Severe Acute Respiratory Syndrome」の略で、日本語名では「重症急性呼吸器症候群」となります。 地名、動物名は使われていませんが、「重症:Severe」という言葉が使われています。 ですが、「重症:Severe」は、医療業界で重症度を示す表現で、「軽度:mild」、「中等度:moderate」「高度(重度)severe」とされており、 これは「未知」や「致死的」といった「過度の恐怖をあおり立てる用語」には当てはまらないと思うので、セーフでしょう。 この病気は、2002年に中国南部の広東省で発生し、重症な非定型性肺炎の世界的規模の感染症となり、2003年に「SARS」と命名されましたが、 当時としてはうまいネーミングだったのではないでしょうか? いや~、この「SARS」のときも、人類滅亡の危機とかいろいろと騒がれましたね。 このときは32の地域と国にわたり 8,000人を超える症例が報告され、冒頭でも話した通り、 全世界で774人の死者を出しました。 このような新型コロナウィルス、今後もいくつも出てくるかと思うと、本当に怖い病気です… まとめ いかがでしたか? 調べてみて、病名に名前を付けるのは、とても慎重な配慮が必要だということが分かりました。 それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!.
次の2月10日の朝のテレビのニュースでは、 世界全体の死者数が2月8日に一気に89人増え、881人となり、 2002年から流行した「SARS」の774人を大きく上回ったと報道していました。 歴史に残る大きな感染病になった新型コロナウイルスですが、この正式名称が何かふと気になり調べてみたら、 世界三大通信社の1つAFP通信からの「AFPBB News」に関連する情報が載っていたので、その中身をかいつまんで、ご紹介します。 「コロナウイルス病」の英語表記を略した「COVID(コビッド)」と、感染が報告された2019年を組み合わせた形です。 この正式名称が付くまでは、 世界保健機関(WHO)では、暫定的に 「2019-nCoV」という公式名称を付けていました。 正式名称と同じように、 「2019」は、このウイルスが最初に特定された2019年を意味しており、 「nCoV」はこのウイルスが属するコロナウイルスの新型を示していました。 病名の命名に基準はあるの? 特に病名の命名基準のようなものは設けられていないようですが、 2015年にWHOはより命名に関する指針を発表しています。 病名に最初に発症した地名を入れるのは禁止• 病名に最初に発症した動物名を入れるのは禁止• 病名に過度の恐怖をあおり立てる用語を入れるのは禁止 禁止事項が多くて、 「これじゃなんの病気か後から振り返って分からなくなる~!」という声が上がりそうですが、これには深い理由があります。 1つ1つ簡単にみていきましょう。 過去に地名を付けた病名として、コンゴ民主共和国のエボラ川から発症した エボラ(Ebola)熱や、ウガンダのZika forest(ジカ森林)から発症した ジカ(Zika)熱があります。 このように病名に地名を入れたことで、とても分かりやすい病名になった反面、地名に汚名を着せることになってしまい、その土地のイメージダウン、住民を傷付けることにつながったという失敗事例があります。 既に一般的な病名として病院でも使われている 「中東呼吸器症候群(MERS)」や 「スペイン風邪」についても、同じ理由で改名した方がよいという意見が出ているようですね。 このような背景の中、今回の新型コロナウイルスについても、中国・湖北、省武漢という地名や、中国国民に汚名を着せることがないよう、 WHOおよび国際ウイルス分類委員会(ICTV)のコロナウイルスに関する専門家の間で、検討を進めているとのことです。 最初、カリフォルニア州南部とテキサス州で豚から人に感染した 「豚インフルエンザ」といわれた、H1N1型インフルエンザがいい例ですね。 この時は、豚肉を食べる人がめっきり減ることになり、養豚業界は大きな打撃を受けることになってしまいました。 今後この病気にかかった人に余計な恐怖心を駆り立てないようにするためですね。 これらの禁止事項についてWHOは、 「ある病名が特定の宗教または民族グループのメンバーに対する反感を招き、渡航や商取引において不当な障壁を生み出したり、食用動物の不必要な殺処分を引き起こしているのを目にしてきた」 と述べています。 なるほど、病原菌で名前を付ければ、名称がカブることもなく、まさにその病気の根源そのものですからね。 そうなると、今暫定に公式名称となっている、 「2019-nCoV」でいいんじゃないかという気もしますね… SARSの正式名称は? 2002当時に新型コロナウイルスと恐れられた「SARS」の正式名称について、振り返ってみます。 SARSは 「 Severe Acute Respiratory Syndrome」の略で、日本語名では「重症急性呼吸器症候群」となります。 地名、動物名は使われていませんが、「重症:Severe」という言葉が使われています。 ですが、「重症:Severe」は、医療業界で重症度を示す表現で、「軽度:mild」、「中等度:moderate」「高度(重度)severe」とされており、 これは「未知」や「致死的」といった「過度の恐怖をあおり立てる用語」には当てはまらないと思うので、セーフでしょう。 この病気は、2002年に中国南部の広東省で発生し、重症な非定型性肺炎の世界的規模の感染症となり、2003年に「SARS」と命名されましたが、 当時としてはうまいネーミングだったのではないでしょうか? いや~、この「SARS」のときも、人類滅亡の危機とかいろいろと騒がれましたね。 このときは32の地域と国にわたり 8,000人を超える症例が報告され、冒頭でも話した通り、 全世界で774人の死者を出しました。 このような新型コロナウィルス、今後もいくつも出てくるかと思うと、本当に怖い病気です… まとめ いかがでしたか? 調べてみて、病名に名前を付けるのは、とても慎重な配慮が必要だということが分かりました。 それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!.
次のContents• 「COVID-19」になるまで ウイルスが出始めた頃、研究者及び中国国内では「武漢ウイルス」と呼ばれていました。 コロナウイルスと名前が付けられてからは 「武漢コロナウイルス」「中国コロナウイルス」と世界中で呼ばれるようになり、世界保健機関(WHO)は暫定的に「2019-nCoV」と命名しました。 そして 2月11日に世界保健機関(WHO)は新しいコロナウイルスの正式名称を「COVID-19」と宣言しました。 「COVID-19」はウイルス名ではない 「COVID-19(2019年新型コロナウイルスによる急性呼吸器疾患)」は病原体である「SARS-CoV-2(2019年新型コロナウイルス)」によって発症する疾患です。 ・Corona(コロナ) ・Coronavirus(コロナヴァイラス) ・武漢コロナウイルス ・中国コロナウイルス ・COVID-19(コヴィッド ナインティーン) 海外では上記のように呼ばれます。 口語ではCorona(コロナ)と呼ばれる事が多く、記述ではCoronavirus(コロナヴァイラス)と書かれる事が多くあります。 呼び方によっては人種差別になる 気をつけなければならないのが、コロナウイルスに地名を入れてしまうと人種差別となってしまう可能性もある事です。 アメリカの大統領であるドナルド・トランプさんを含めアメリカの政治家はCOVID-19と呼ぶのを止めて「中国コロナウイルス・武漢コロナウイルス・中国風邪」と呼んでいますが、人種差別と捉えられたりするなど問題となっています。 世界保健機関はウイルスが発生した中国中部の都市である武漢に言及しないようにと公表しています。 WHOの局長によると「名前は地理的位置、動物、個人または人々のグループを指すべきではない」と言っていますし、コレらの用語を入れる事によって人々に過度の恐怖とパニックを引き起こすという科学的根拠も含まれているそうです。 名前に用語を入れてはいけない理由 ウイルス名に地名を入れた場合…今後ウイルス名に入った地名の場所は汚い場所扱いされてしまう可能性がある ウイルス名に動物を入れた場合…動物の大量虐殺になる可能性がある 過去に豚インフルエンザ・鳥インフルエンザという名前から人々が動物の大量虐殺に至った事などもあります。 動物の名前が付く事によって、誤った動物の名前を付けてしまった場合は無意味にその動物が大量虐殺されてしまう可能性も十分にあります。 こういった事を避けるためにもウイルスの名前に用語を入れないようにしなければなりません。 WHOのガイドライン 世界保健機関が以下のようなガイドラインを出しています。 Diseases are often given common names by people outside of the scientific community. Once disease names are established in common usage through the Internet and social media, they are difficult to change, even if an inappropriate name is being used. Therefore, it is important that whoever first reports on a newly identified human disease uses an appropriate name that is scientifically sound and socially acceptable. 病気の名前は、インターネットやソーシャルメディアを介して一般的な用法で確立されると、たとえ不適切な名前が使用されていても、変更することが困難です。 したがって、新しく特定された人間の病気について最初に報告する人は誰でも、科学的に健全で社会的に受け入れられる適切な名前を使用することが重要です。 出典: まとめ 海外では「コロナウイルス」は以下のように呼ばれます ・Corona(コロナ) ・Coronavirus(コロナヴァイラス) ・武漢コロナウイルス ・中国コロナウイルス ・COVID-19(コヴィッド ナインティーン) 世界では上記のように呼ばれますが、我々はウイルスに地名を付けて呼ぶのではなく、正式名称またはコロナウイルスと呼ぶようにする必要があります。 地名で呼ぶ事によって多くの方が人種差別を感じたり、傷付く事があります。 今では既に中国や日本だけの問題ではなく世界的問題となってしまったために世界で協力してコロナウィルス、正式名称COVID-19が早く収束することを心から願って共に闘っていく必要があるでしょう。
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