人類が滅亡した遥か未来。 人は迫りくる終わりを克服するため、自らを肉・骨・魂に分割し、種の存続を試みた。 長い時が流れ、地球には人間の形をした宝石の生命体が誕生する。 可憐で繊細な彼らは、自分たちを狙う月からの使者と日夜激しい戦いを繰り返していた。 敵の目的も自らの正体も分からぬままに……。 優しくて悲しい世界の秘密。 閉ざされた真実に触れるとき、ある者は仲間を求め、またある者は日常を守ろうとする。 果たして彼らは、それぞれの理想を成し遂げることができるのか。 個人的には主人公の成長から目が離せません!(途中からもはや別人に!?) どこか懐かしいのに、読むたび新鮮な気持ちになれる不思議な作品です!• 購入済み ここ10年で一番新しく美しい ライプー 2017年11月21日 他とそっくりな漫画を探せと言われても難しい。 ある程度似たようなテーマは絞れるが、 この作品を構成する組み合わせには到底近づけない。 自分の中ではここ10年で一番新しい漫画だった。 ブックライブだけで既に900冊以上は購入している。 正直漫画に対する熱が薄れていたときに素晴らしい作品に出合 えてよかった。 アニメは原作を表現できてない描写もあるけれど、 それ以上に加点式で満点を超える出来栄えだった。 何よりアニメのおかげで原作を知れたので感謝しかない。 願わくばフォスたちにはハッピーエンドを迎えて欲しい。
次のゴーストの念から解放されたらしいカンゴームがもうエクメアに夢中になってます 完全恋愛脳です ラピスラズリやフォスと組んで助けていたのはゴースト、アンタークみたいな顔にさせてたのもゴーストのせい 確かにカンゴームはフォスに振り回されていて気の毒でしたが以前の話を読んだ限りそこまで悩んでいた様子なんてわからなかったし冬に流氷に飛び込むかと迷ってた過去は取ってつけたような印象しかしませんでした 対して主人公のフォスの扱いが更にもうどうにもならないこの展開 ラピスの天才全く生かせず悪いところで昔の考え無しなフォスが垣間見え悪手に継ぐ悪手です 正直エクメアカンゴームのイチャイチャ描写に作者の筆が乗ってしまっているのを感じます このカプに割いてるページを少しでも月に来た宝石たちがいかに月の生活に馴染んでいったのかに少しでも割り当てて欲しかった 特にパパラチア…彼シンシャの水銀塗れになって月の技術でも厳しい容体らしいですが本当にどうなったんですか…? とにかく読者が知りたいことと作者の描きたいもののズレが生じている 結末が気になるので最後まで読みますが宝石の国が萌え駄目作品となるのだけは回避して欲しいです ネタバレになります。 前巻に引き続き超展開&鬱展開の目白押し。 かわいかったころのフォスを返して。 先人のレビュー通りカンゴームのイチャイチャ描写がかなり多いですが、私はフォスとの対比を強調するためにこういう構成にしたのだと思います。 重圧から解き放たれ恋愛と自由を謳歌するカンゴームに対し、一人で悩み苦しみ抱え込んで行動を起こすも全て失敗、解決どころかひたすらに焦燥と孤立を深めるフォス。 救いたい仲間からは完全に敵視され、埋められた挙げ句忘れられる。 最終ページで金剛に向かって叫ぶフォスの表情に、憎しみ以外の感情を見出す事はできませんでした。 誰よりも金剛を慕っていたあの頃はもう戻って来ないのですね。 こんなに可愛そうな主人公はそういないでしょう。 この先の展開は全く読めませんが、願わくばフォスに幸福のあらんことを。 相変わらずの美しい装丁。 唐突な展開も相変わらず。 さて、内容について。 フォスは『個体』としてどんどん複雑化している。 個人的には『七宝』になるかと思ったけどならなかった。 フォスの孤独や不幸さを対比、強調するようにカンゴームは満たされていく。 そしてそれは仲間 宝石、月人とも の支持を得て、またフォスは孤独になっていく。 悩み、崩れ、砕かれる様が読んでいて本当に痛々しい。 でも、その様子はまるで『にんげん』のようだと思った。 悩む時も迷う時も、人は孤独だ。 宝石、月人、アドミラビリス。 この3種が文化的に揃っている月側の、『にんげん』ぽい描写が目立つ気がした。 組織だったり、慣習だったり儀式だったり。 人間がしている普通が、この物語の中で異端的なものとして描かれる。 そして、それが日常となっていく様子も。 ただ、順応できる者ばかりではない。 まるで人間の社会と同じように脱落していく者も現れる。 この物語における『幸福』とは何なのか、ジェードの台詞に考えさせられた。 ラストでのフォスは、本当に痛々しくて見ていられないほどだった。 最初の天真爛漫で可愛かったフォスからして、それは果たして成長なのだろうか。 物語もラストが近いと思われるが、静かに成り行きを見守りたい。 そう感じさせた内容だった。 すごい怖い。 何が怖いかって フォス以外のほとんどの者たちは「なんかいい感じ」になっているから 一番ショックだったのはシンシャが仲間に囲まれて幸せそうにしてるシーン。 最初は、シンシャに仕事を見つけてあげたい。 ですがシンシャはもう、封ぜられるフォスを庇うこともしません。 アンタークを助けたい。 彼を取り戻すことは、月人の科学を以ってしても不可能と分かってしまいました。 今のフォスの幸せは?望みは? 「皆が楽に生きれるように」なんて欺瞞は、カンゴームによって 早々に断じられます。 「いない仲間の為に、近くにいる仲間を雑に扱うな」 大事な思い出を失って、失ったことさえも忘れて、挙句には仲間からも忘れられて。 それでも良心を捨て切れない。 無垢なアドミラビリスを犠牲にできないし、金剛はまだ自分を好きなはずだと 考える自分の身勝手さに涙する。 そうやってもがき苦悩し生きるフォスの訴えに、金剛は応えようとしました。 月人でも他の宝石でもなく、フォスこそが金剛を起動させられる事。 そこに、この作品の一貫したテーマを感じてなりません。 どうか彼に、私たち人間の末裔に救いがありますように。
次の第七十九話『二百二十年』 前回から、なんと 二百二十年が経過しています。 目覚めたイエローに気が付く月人。 しかし、イエローは高所から落下し、砕けてしまいます。 その連絡は、月人からアメシストのエイティ・フォーにいきます。 彼は科学者のような出で立ちで、彼だけでなく他の宝石たちもカンゴームのことを『姫』と呼ぶようになっていました。 イエローのもとに駆け付けると、すでにカンゴームがいました。 イエローは目を覚ますとカンゴームの名前を呼びますが、彼はその呼ばれ方を最近はあまりされていていないので、反応が遅いです。 イエローは庭園まで散歩しようとして誤って落ちたようで、カンゴームも心配そうにしています。 しかし次の瞬間、イエローは『飛べないなんて、今日は体が重たい』と発言し、カンゴームとアメシストは思わず顔を合わせます。 詳しい事情をアメシストが聞こうとすると、イエローは『俺はイエローダイヤモンドだった』と暗い表情を作り、何やら様子がおかしいです。 その後、アメシストが調べたところ、 イエローは自分を月人だと思い込んでいることが判明します。 その時は本来のように明るいのですが、自分が宝石であると分かると塞ぎ込んでしまいます。 その症状は日に日に悪化し、回復の見込みがありません。 主な原因はパパラチアのことですが、他の宝石たちが月人社会に順応する中、自分だけが環境変化についていけていないことも影響していました。 ダイアは、いっそイエローを月人にできないかと提案します。 月人になりたいと思ったことは、カンゴームもアメシストもあります。 そうすれば宝石の体からくる制限から解き放たれることになりますが、その方法が分かりません。 アメシストは自分のインクルージョンで実験しようとしますが、バルバタが止めます。 バルバタにとってアメシストたちは優秀な生徒であり、別の提案をします。 二百二十年前に中断した砂から宝石を再生する事業の中に記憶の追跡があり、あれから少し分かったことがありました。 バルバタは自分の代わりにやらないかと提案すると、アメシストはそれを引き受けます。 そして、それにはエクメアの許可が必要であり、説得するのはカンゴームの役目です。 場面は変わり、エクメアとカンゴームは向き合い、空中で何かを指ではじき合っています。 おそらく、将棋のようなボードゲームではないかと推測されます。 エクメアはカンゴームのお願いを退け、千日目で勝敗数が同数になるようにわざとゲームに負けますが、カンゴームがそのことに気が付いていました。 そして泣き落としにかかり、エクメアは基礎研究だけを許可します。 カンゴームは自分の冷たくて重たい体に飽きていましたが、エクメアは呆れおらず、カンゴームは『ばか』と嬉しそうに言います。 場面は変わり、地球。 金剛におはようと声を掛けるユークレース。 彼は 八万三百二十二回目となるお願いをしますが、それでも金剛はすまないと言って祈ってくれません。 ユークレースは今日も月人は来ないと断言。 お願いもこれでおしまいだとして、今年は自分も冬眠することを伝えます。 金剛は冬の当番として起きているといい、ユークレースも他の宝石たちのもとに向かいます。 一人になると、金剛はフォスの欠片を集め、組み立てます。 金剛は宝石たちがフォスのことを忘れるのに二百二十年も待ったのです。 フォスはまだまだ継ぎはぎだらけのような体ですが起き上がり、自分のために祈ってほしいと懇願します。 金剛はその言葉に従って祈りを始めますが、やはり途中でやめてしまいます。 フォスはたまらず 『祈れ』と金剛に飛び掛かりますが、その執念はすさまじく、あの金剛が怯えているように見えました。 スポンサーリンク 最後に 二百二十年という歳月を一瞬で過ぎ去らせるのは本作ならではの手法ですね。 そして、月にいる宝石たちが月人の生活にすっかり染まってしまったことに、なんだか寂しさを覚えてしまいました。 決して彼らが悪いわけではないのですが、もはや地球の宝石たちとどこで妥協点を作るのかが想像つきません。 そして最後に、フォスの狂気のようなものが見えて、恐ろしくなりました。 似ているものでいうと『新ゲッターロボ』というか。 (通じますかね?) ますます今後の展開が分からなくなってきたので、一ミリたりとも目が離せません。 ちなみに、来月号は単行本作業のため休載です。 最新10巻は8月発売予定ということで、単行本派の方にも、もう少しで届くかと思うと嬉しいです。
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