春ごろから、まっすぐ歩いているつもりでも、右か左に寄ってしまうことが多々あります。 気付かないうちに歩道から車道の方に行ってしまうこともあり、交通事故が心配です。 これとは別に6月ごろ、頭痛が続いて頭部のCTスキャンを撮りましたが異常はなく、頭痛は自然と治まりました。 まっすぐ歩けないのは、老化で平衡感覚が鈍くなっているのか、運動神経に異常があるからでしょうか。 つまり、運動失調を起こす原因には頭の中の異常で生じるもの(大脳性、小脳性)や、平衡機能の障害(前庭性、脊髄性)や、足腰の筋肉の異常が考えられます。 他にふらつく感覚がしても、実際にはふらついていない場合(心因性)がありますが、今回のご相談では実際に車道の方にはみ出しているので、何らかの機能異常があるものと思われます。 また、膝関節や股関節、足腰の筋肉や腰に痛みはありませんでしょうか? うまく力が入れられず、よろよろしているのかもしれません。 頭の中の障害や神経機能の障害では、その原因によって特徴的な歩行障害が見られます。 足を突っ張って動かす歩行(痙性(けいせい)歩行)、片足が動かない歩行(麻痺(まひ)歩行)、ちょこちょこ歩くような歩行(パーキンソン歩行)、お酒に酔ったようなふらついた歩行(酩酊(めいてい)歩行)、つま先が上がらないような歩行(鶏歩(けいほ)歩行)などがあります。 今回のご相談では、どのような歩行状態でまっすぐ歩けないのかを見せていただく必要があり、必要に応じて神経学的な検査や頭部MRI検査、三半規管、足腰の機能検査などが必要になると思われます。 まずは、かかりつけ医にご相談され、適切な専門科へご紹介いただくことをお勧めします。
次の平衡感覚がおかしくなる原因は? 日頃当たり前のように、まっすぐ歩けているのは筋力があるからだけでしょうか? もちろん、筋力がなければ立つこともできませんので筋力の力もあります。 しかし、体では筋力だけではなく、まっすぐに歩けるような仕組みがなされているかです。 目で物の位置をキヤッチして、動かそうとする筋肉が神経を通して脳に伝える。 この位置にあるから、体をその位置に合うように体を動かす。 体を動かすと、耳の中にある三半規管や前庭感覚器、耳石器がバランス感覚や体の動く速度を認識します。 三半規管の中には、3本の管がありリンパ液の中に浸かっています。 体が前向き、後ろ向き、斜めなど(頭の位置を中心として)になると、リンパ液が動きます。 そのリンパ液の流れを三半規管や耳石器が神経を介して、脳へ伝達します。 耳といえば音を捉えるだけの感覚器官のように思えますが、音だけではありません。 平衡感覚を保っている耳、目、神経、脳に障害があると平衡感覚がおかしくなります。 スポンサーリンク 考えられる病気 メニエール病 耳なり、 耳閉感、吐き気、動悸とともに、目がグルグル回る強い回転性のめまいが10分以上起こるなどの症状が出ます。 回転性めまいが治っても、フワフワ浮いた感じのめまいが数時間以上続くこともあります。 めまい発作を繰り返していくと、常時耳鳴りがして難聴となり補聴器が必要となる場合が多いです。 耳の中にあるリンパ液は異なる2種類のリンパ液がうまく調合されています。 その リンパ液の1種がストレスなどで過剰に増え、リンパ液が内耳圧をあげ、音や平衡感覚を伝達できなくなる事が原因として考えられます。 耳鼻科受診を受診しましょう(めまい専門の外来もあります)。 ステロイドなどの内服治療が行われることが多いですが、残念ながら治らない場合もあります。 たまりすぎているリンパ液を減らす、内リンパ嚢開放術などの治療もあります。 医師と相談して治療を進めて下さい。 関連記事: 良性発作的頭位めまい症 1分程度の回転性めまいや浮動感が起こります。 美容院でシャンプーをした時やベッドから、起きようとした際によく起こることがあり、吐き気を伴うことがあります。 頭部外傷、内耳内の感染、加齢、耳の内耳にある耳石が剥がれ三半規管に入り、刺激をするなどが原因としてあげられます。 こちらも耳鼻科受診を受診しましょう。 三週間ほどで耳石は再生し自然治癒する場合もあります。 吐き気や不安感を抑える内服薬治療や、耳石を元の位置に戻す理学療法治療もあります。 関連記事: スポンサーリンク 脳梗塞 脳梗塞にはほとんど前兆がありません。 しかし、 前兆として一過性脳虚血を起こす場合があります。 症状としては、片側の手足や顔の麻痺、言語障害、視力障害、めまいなどがあります。 原因は• 動脈硬化・・・頸部にある頸動脈など太い血管にできた血栓が流れて詰まる。 心房細動・・・不整脈により心臓に血栓ができて脳の動脈に流れて詰まる。 一過性ではなく突発性の割合が高い。 血圧低下・・・動脈硬化で脳の動脈が狭くなっている状態で、急に血圧が低下すると脳血流が悪くなり、一時的に意識消失などもみられます。 脳外科や循環器内科を受診してください。 CTやMRI、エコーで頸動脈や心臓の状態を確認、心臓疾患である心房細動の有無確認が行われます。 内科的治療としては、抗血栓薬、脂質や高血圧の内服治療があり、外科的治療としては、バイパス手術、頸動脈内膜剥離術などがあります。 関連記事: まとめ 平衡感覚がおかしい原因は耳や脳が主な疾患です。 そのほかに低血圧、低体温や運動不足で脳へ酸素をうまく運べない血流障害もあります。 耳の内耳には有毛細胞があり、リンパ液の振動で音の強弱や高低に反応して分類し、聴神経へ伝達して脳で認識できるようにする信号があります。 自律神経の調整がコントロールできないと、筋肉の緊張や神経伝達がうまくいかないばかりか、体全体が血流酸素不足になり、聴神経や視神経が影響を受け難聴や耳鳴り、めまいが起こってきます。 生活リズムの改善と食生活の見直し、適度な運動、リラックス、オンとオフのスイッチを入れてよく眠ることが大切です。 めまいを軽減させる運動メニューもあります。 症状がない時に是非お試しください。
次の寝ている状態や座っている状態で急に立ち上がると頭がふらつき場合には、「起立性低血圧」という病名がつきます。 これは寝ている状態の場合、血圧が低く、心臓機能が活発でないので、急に立ち上がった場合は、脳に血液が十分いかないから起立性低血圧が起こります・ 姿勢を変えていないのに頭がふらつく場合には、脳で栄養(ブドウ糖他、各種ミネラルなどの神経伝達物質)が不足しているか耳や目の病気の可能性があります。 頭がふらついて意識を失う、頭がふらついて転倒するなど二次的な事故を起こすことがあります。 特に骨粗鬆症(骨密度が低下している)と診断されている人やお年寄りでは骨折する可能性が高いので注意が必要です。 ・脳の病気 ・耳の病気 ・目の病気 があります。 この場合には専門医にかかって、病気の診断をしてもらう必要があります。 薬の副作用によって頭がふらつく場合もあります。 特に高血圧の患者さんの場合は血圧降下剤が合わなかったりするとふらついたりする場合があります。 その他精神安定剤や、糖尿病の血糖降下剤、狭心症の治療薬などもその原因となりえます。 また日常生活に問題があって頭がふらつく場合があります。 ・過労による脳の栄養不足 ・ PCやスマホ、タブレット端末を長時間見続けることによる眼精疲労 ・睡眠不足などです。 漢方ではこの状態を「未病」と呼びます。 未病に対して漢方薬は体全体のバランスを整えて、「調子のいい状態にする」ことができます。 疲労回復には体力と疲労の回復に効果のある漢方薬があります。 代表的なものが高麗紅参です。 漢方では「目には五臓六腑の精気集まり、その力によって物をよく見ることができる」との考え方から、肝臓に注目します。 眼精疲労に関しては肝虚血を直すことが重要である都考えられています。 また、眼精疲労に対するツボ押しもあります。 そのために肝臓や脳に対する牡蠣エキスなどの栄養剤も有用です。 頭のふらつき、ふわふわ、めまいで長期間悩まれている患者さんは、ぜひ漢方薬に詳しい薬剤師などの専門家にご相談ください。
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