悪性 リンパ腫 余命。 悪性リンパ腫のステージごとの生存率と余命

悪性リンパ腫生存率について解説しております

悪性 リンパ腫 余命

PCNSL primary central nervous system lymphoma 大まかなこと• 60から80歳代の 高齢者に多く発生します• 発生率は増加の傾向にあります• 悪性のBリンパ球が脳の中で勢いよく増えます• 専門医はPCNSLと呼びます• 欧米では免疫力が落ちた患者さん(エイズなど)での脳のリンパ腫の発生が多いのですが,日本ではとても稀です• 症状は知能低下(認知症)や麻痺などが多いです• 片方の目の視力が急に低下する眼内リンパ腫(ブドウ膜炎)は初発症状として多いものです,その後に脳に発生します• 亜急性,つまり 数日から何週間単位で進行するものが多いです• 一度症状が出たら 悪化するのは早いと考えなければなりません• 治すためには1日も早く治療を開始することが大切です 世界標準の治療法は, 生検術(病理診断),メソトレキセートを基材とした併用化学療法です• その後に全脳照射を加えるか,さらに大量化学療法を行うかは意見が分かれます• 残念ながらいずれの治療法を選択しても 再発率や死亡率は高いものです 検査と診断は 単純CT(左側の画像)で腫瘍の部分が少しだけ高吸収値域を示す(ちょっと白っぽくなる)のが大きな特徴で,この所見をもってグリオーマとの区別をします。 周囲に黒っぽい部分がありますが,これは脳の腫れで脳浮腫と言います。 右側のCTは造影剤を入れたものでよりはっきり移ります。 MRI検査で,はっきりわかります• MRI造影剤を入れると均一に増強(真っ白になる)されて,周囲には脳の腫れ(脳浮腫)がみられます• できやすい場所は側脳室の周囲・大脳脳基底核・小脳など 脳の深いところ(深部白質)です• 脳の中に2個以上のリンパ腫が同時にできる 多発例というのもしばしばあります• 脳ではない 体のどこかに発生したリンパ腫が脳に転移したものかもしれません• 脳にだけできたのか,体のどこかに原発巣があるのかを区別するのはとてもむずいかしいです• 全身を調べるのには ガリウムシンチという検査が用いられます• ペット FDG-PETという検査もあります• 膠芽腫や転移性脳腫瘍よりFDG-PETの取り込みが高いのですが,確定診断には至りませんし,この検査を予約していると治療開始までの時間がかかってしまうという欠点があります• 骨を刺して検査する骨髄穿刺をして全身のリンパ球に異常がないか調べます• CTとMRIが終わって リンパ腫が疑われたら,急いですぐに「定位脳手術」か「小さな開頭手術」 でちょびっとだけ腫瘍をとります(生検術)• 脳原発のものはほとんどがnon-Hodgkinリンパ腫 NHL で, B 細胞性リンパ腫(大細胞型)が約80~90%を占めます• 病理組織学的には,異型性の高いリンパ球の腫瘍細胞が,血管周囲に集まりさらに深く周囲の脳実質内に浸潤しています• ですから, 手術でとりきれることはありませんし,開頭手術だけでは再発します• ステロイドという薬を使うと一時期に症状がよくなって,MRIをみると消えてしまうことがあります• しかし,その場合も数週から数ヶ月後に再発します• 病理組織を確認する手術の前に ステロイドを使うと病気が判らなくなってしまうので,生検術の前に使用してはいけません• 硬膜(髄膜)から発生するモルト・リンパ腫は髄膜腫と間違えやすいです 治療 2018年時点の標準治療は, MTX メトトレキサート を基材とした化学療法 全脳照射30グレイ/15分割を加えるかどうかは個別判断• 進行が早いので治療はとても急がなければなりません• 開頭手術でたくさん腫瘍組織をとるのは意味がありません,時間を失うのと,摘出してもまたすぐに大きくなってしまうからです• そうしないと治らなかったり,治っても後遺症が大きくなります• 状態の良い患者さんでは,導入化学療法から治療を開始します• 放射線療法(全脳照射)は有効で,照射だけで消失して治ることがあります• 日本では1日線量2. 0グレイですが,1. 8グレイにした方がいいという意見も多いです• しかし,高齢者の脳に広く 放射線治療をすると脳の萎縮がきて何ヶ月か後には認知障害になることが多いです• 全脳照射を加えるかどうかには議論があり,患者さんも迷います• でも逆に, 全脳照射しないで,この治療が良いという確かな選択肢もありません• 他に臨床試験が進んでいるのは,リツキサンを併用する,全脳照射の線量を落とす,大量化学療法の方法を変える,維持化学療法をする,などの方向性があります• 結論は出ていません• 70歳以上の高齢者では,開頭手術をしない,化学療法をしない,局所放射線治療のみに止めるなど,無理な治療を選択しないことも多いです 治療の順番(地固め療法までを行うことが多いです) 1 導入化学療法:どれか一つ• MTX大量化学療法• それにリツキサンを加える• さらにアルキル化剤などを加える強化併用化学療法を行う 2 地固め療法:どれか一つ• 30グレイの全脳照射• 残存腫瘍への局所放射線治療• 自己幹細胞移植 ASCT を使う大量化学療法 3 維持療法• アルキル化剤による長期外来化学療法 化学療法 (制がん剤治療)• 新しい治療の方向性は , 化学療法を主体にして治すことです• 化学療法は強いものを使うので専門施設(がん化学療法の専門家がいるところ)でしか行なえません• 脳のリンパ腫だと診断されたら 血液腫瘍内科(白血病やリンパ腫を専門に治療する内科)に移していただきましょう• 60歳以上には放射線治療による認知障害が強く出るので化学療法だけにするという考えもあります• この20年くらいは, MTX メトトレキサート の大量化学療法が基本でした• その後 30グレイくらいの全脳照射が生存率においてはよい成績をあげてきました• 平均的な生存期間(生存期間中央値)は3年以上になると報告されています 若い患者さんのリンパ腫です。 左が診断時MRIで,黄色の矢印でみれる3ヶ所に同時にリンパ腫が発生しています。 定位生検術後にすぐにMTX化学療法を3コースしたら,真ん中の画像になりました。 ほとんど消失しているのですが,矢印の先にぼーっと少し残っているのでCR(消失)とはいいません。 その後に全脳照射30グレイをしたら右の画像になり治りました。 これは順調な治療経過の例です。 2010年以降は,さまざまな併用化学療法が提案されていて,結論は出ていません• CD20陽性のB細胞リンパ腫に対するリツキシマブ rituximab(商品名リツキサン)という抗体が化学療法と併用できるようになりました• 欧米ではリツキシマブを使用する報告が多いです• シクロフォスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾロンを使うCHOP療法などに併用されています(R-CHOP)• 髄液内への抗がん剤の注入は一般的ではありません• MTX大量化学療法の後で,血液幹細胞移植を用いた 地固め化学療法や維持化学療法を行った方が再発率が低いとの報告が増えています• この大量化学療法と幹細胞移植を用いてリンパ腫が消失した場合には,全脳照射を行わないという取り組みもありますが,放射線治療をしない治療が確立されているわけではありません• 併用化学療法の最新のものに関しては,下の方の文献情報に書いています 予後• 最初にできた場所とは違う脳の部分に再発することが多いです• 再発率は高く,治療後にある程度の寛解期が得られるのは半数くらいの患者さんです• 再治療はもちろん難しくなりますが,化学療法を行ったり局所照射を追加したりして抑えることも可能です• 患者さんのPS 一般状態が悪くなった時には,緩和ケアを選択します• 文献上では,臨床試験された患者さんの母集団によって生命予後が全く違ってきます• 過去の放射線治療だけを行なった場合で,生存期間は15か月前後でした• 最近の化学療法を加えた治療法ではもっと伸びて生存期間中央値は40ヶ月以上になっています• 70歳以上の高齢者では,全脳照射もつらく,大量化学療法も制限されるので5年生存割合は2割以下になります• 70歳以上の高齢者の生存期間中央値は,1970年代で6ヶ月,2010年代で7ヶ月とも言われます• リンパ腫は高齢者に増えているのですが,完全に治せる確率は低く,放射線治療でも化学療法でも無理な治療はしないほうがいいでしょう 日本で行われている臨床試験 照射前大量メトトレキサート療法+放射線治療と 照射前大量メトトレキサート療法+テモゾロミド併用放射線治療+テモゾロミド維持療法とのランダム化比較試験(JCOG1114、PCNSL-TMZ-P3) 2018年,この試験は一般募集されています。 試験参加医療機関を受診して希望すれば被験者になれます。 現行のMTX化学療法と全脳照射に,更にテモゾロマイドという抗がん剤を加えるという試みです。 再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)に対する多施設共同非盲検非対照試験 2018年1月,この試験は一般募集されています。 Tirabrutinib ONO-4059という BTK阻害剤です。 臨床第1相から早期の第2相ですから,どの程度投与できるか効果がありそうかどうかという毒性試験に近いレベルの早期試験です。 再発/難治性の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)を対象としたニボルマブの単群,2コホート,非盲検非対照第2相試験 2018年1月,この試験は一般募集されています。 再発例にオプジーボを使用する試験です。 臨床第2相で,効果がありそうかどうかをみる試験です。 リンパ腫を疑ったら数日中には定位脳手術(ちょっとだけ腫瘍をつまんで病理検査をする)をします。 そして病理で確認したらすぐに化学療法を開始します。 患者さんが外来に初めて訪れてから,すぐに生検手術して,ステロイド治療あるいは化学療法開始までを手術後1週間くらいにした方がいいと考えています 矢印の所を定位脳手術で取りました。 病理の結果がリンパ腫と確定されましたから,MTX化学療法をしてから放射線をあてたら,右側のMRIのように腫瘍は消えました。 患者さんの症状は良くなって退院したのですがーー。 左から,1回目の再発,2回目の再発,3回目の再発です。 再発するたびになんとか治療はできるのですが, 違った場所に再発してきてだんだん治療が効かなくなってくることが多いです。 このような現象から,脳のリンパ腫は脳に発生するのではなくて,体のどこかに原発巣があるのではないかという考えもあります。 もちろん、こんな再発をしないで治ってしまう患者さんも多いです。 40グレイの全脳照射だけだと脳萎縮と認知機能低下が生じる 1990年代に放射線治療をした古い例です。 定位生検術の後で全部の脳に40グレイという線量を照射しました。 左から2番目の写真で腫瘍は消えています。 でも,6ヶ月後の3番目の写真では脳がやせてきています( 脳萎縮)。 患者さんの精神機能は著しく低下しました(いわゆる認知障害)。 4番目の写真は治療後8ヶ月目のものですが,すでに左側に小さな再発が見られます。 全部の脳にあてる放射線の量はできる限り少ない方がいいのです。 2017年時点では30グレイというのが標準的線量です。 開頭手術だけでは治らない 開頭手術で全部取ったといわれて紹介された例です。 でも右側の写真ではほんの少し残っているようです。 この後で化学療法と放射線治療をしました。 開頭腫瘍摘出術をすると化学療法の開始の時期が遅れますし,それを待っている間にも再発してしまうことがあります。 また,手術でたくさんとっても治る確率が高くなる病気ではないので,利益はとても少ないと言えます。 定位脳手術では取りそこなうことがあるから,小さな開頭手術をするにしても,生検術(ほんの少しだけ腫瘍をつまんで病理診断)するだけです。 積極的な腫瘍摘出はしません。 かなり広がった例でも治療ができる かなり広範囲に急速に広がった例です。 脳の他の悪性腫瘍,例えば膠芽腫や転移性脳腫瘍ですとこれだけ広がれば治る見込みがありません。 でもリンパ腫は化学療法と放射線治療で治る見込みがある治療をすることができます。 諦めないで急いで治療を開始してください。 2016 WHO分類 lymphomas• Diffuse large B-cell lymphoma of the CNS PCNSL 中枢神経原発リンパ腫• Immunodefficiency-associated CNS lymphoma• Low-grade B-cell lymphoma of the CNS• Anaplastic large cell lymphoma, ALK-positive• Anaplastic large cell lymphoma, ALK-negative• PCNSLを除けばそれぞれ臨床的な特徴もあります。 例えば,血管内大細胞型B細胞性リンパ腫 IVL は脳梗塞のような症状で発症します。 また一方で, 硬膜モルトリンパ腫はMRI診断では髄膜腫と間違えられるものです。 原発性眼内リンパ腫 PIOL primary intraocular lymphoma はPCNSLの一部分症として認知されているので,全身のリンパ腫とはせずPCNSLと診断します。 ブスルファンとの併用において認められます。 日本からの大量化学療法と幹細胞移植の報告 Kondo E: High-Dose Chemotherapy with Autologous Stem Cell Transplantation in Primary Central Nervous System Lymphoma: Data From the Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation Registry. Biol Blood Marrow Transplant. 2019 102例のPCNSLの患者さんが治療され,upfrontとsalvageで大量化学療法が用いられたのですが,OS, PFSに差はなかったとのことです。 Thiotepaを含むレジメンの方が有用性が高いと強調されています。 70歳以上の高齢者の生存期間はこの40年間で改善されていない Mendez JS: The elderly left behind — changes in survival trends of primary central nervous system lymphoma over the past four decades. Neuro Oncol. 2017 70歳以上の高齢者の生存期間中央値は,1970年代で6ヶ月,2010年代で7ヶ月だそうです 地固め療法としての全脳照射と幹細胞移植 Ferreri AJM, et al. : Whole-brain radiotherapy or autologous stem-cell transplantation as consolidation strategies after high-dose methotrexate-based chemoimmunotherapy in patients with primary CNS lymphoma: results of the second randomisation of the International Extranodal Lymphoma Study Group-32 phase 2 trial. Lancet Haematol. 幹細胞移植で2例の化学療法死がありました。 この効果はほぼ同等であり, 全脳照射による認知機能低下を考えて治療法を選択するべきだと結論しています。 血液幹細胞移植を用いる大量化学療法 Illerhaus G, et al. : High-dose chemotherapy with autologous haemopoietic stem cell transplantation for newly diagnosed primary CNS lymphoma: a prospective, single-arm, phase 2 trial. Lancet Haematol, 2016 ドイツで行われた多施設共同研究です。 それから,リツキシマブ,シタラビン,チオテパを2コース投与します。 腫瘍が消失しなかった患者さん non-CR のみに放射線治療が加えられました。 チオテーパとBCNUの大量化学療法は若い患者さんには有効な選択肢であると結論しています。 またCR完全寛解導入が77%でできているのですが,5年無増悪生存割合がまだわかっていません。 再発率が予想より高いという結果が出るのかもしれないです。 MATRixレジメン:シタラビン,チオテパ,リツキシマブを加える Ferreri AJ: Chemoimmunotherapy with methotrexate, cytarabine, thiotepa, and rituximab MATRix regimen in patients with primary CNS lymphoma: results of the first randomisation of the International Extranodal Lymphoma Study Group-32 IELSG32 phase 2 trial. Lancet Haematol. 2016 MTXにシタラビンを加える,さらにリツキシマブを加える,そしてさらにチオテパを加える3群が試されました。 その後に放射線治療あるいは自己幹細胞移植が加えられています。 219例の患者さんが登録されCR割合がprimary endopointでした。 70歳までの患者さんではMATRixは有望性のある治療法だと結論しています。 テモゾロマイドを維持療法として使う Glass J: Phase I and II Study of Induction Chemotherapy With Methotrexate, Rituximab, and Temozolomide, Followed By Whole-Brain Radiotherapy and Postirradiation Temozolomide for Primary CNS Lymphoma: NRG Oncology RTOG 0227. J Clin Oncol. 2016 MTXとリツキシマブにテモゾロマイドを加えた導入化学療法,全脳照射による地固め,その後に1年までくらいテモゾロマイド維持化学療法が行われました。 53例の第2相試験であり信頼性は高くはありません。 血液幹細胞移植を用いる大量化学療法 Omuro A, et al. : R-MPV followed by high-dose chemotherapy with TBC and autologous stem-cell transplant for newly diagnosed primary CNS lymphoma. Blood 125: 1403-1410, 2015 Sloan-Ketteringからの報告です。 リツキシマブ,メトトレキサート MTX 3. 年齢中央値57歳と若く,KPSは80と良好な母集団です。 無増悪生存期間中央値 PFS と全生存期間中央値 OS は45ヶ月を越えました。 認知機能が保たれ神経毒性のない治療であると結論されています。 テモゾロマイドの効果:60歳以上の患者さんでの試験 Omuro A: Methotrexate and temozolomide versus methotrexate, procarbazine, vincristine, and cytarabine for primary CNS lymphoma in an elderly population: an intergroup ANOCEF-GOELAMS randomised phase 2 trial. Lancet Haematol. 2015 MTXにプロカルバジン,ビンクリスチン,シタラビンを加えるか,テモゾロマイドを加えるかが,60歳以上の98例の患者さんで試されました。 放射線治療は行われていません。 FPS中央値は3剤を加えると9. 5ヶ月,テモゾロマイドでは6. 1ヶ月でした。 多剤併用化学療法をテモゾロマイド単独に置き換えることはできず,おそらく,いずれも再発(再燃)まで数ヶ月しかないということです。 メソトレキセート大量化学療法にリツキサンを加えた方が良い Gregory G, et al. : Rituximab is associated with improved survival for aggressive B cell CNS lymphoma. Neuro Oncol 15: 1068-1073, 2013 オーストラリアの4つの大きな施設からの報告です。 120例のB細胞脳リンパ腫の治療を分析すると,メソトレキセート大量化学療法にリツキサン rituximabを加えた例で生存期間が長かったとのことです。 全脳照射の線量を23. 4 Gyに落とす Morris PG, et al: Rituximab, methotrexate, procarbazine, and vincristine followed by consolidation reduced-dose whole-brain radiotherapy and cytarabine in newly diagnosed primary CNS lymphoma: final results and long-term outcome. J Clin Oncol 31:3971-3979, 2013 MTX,リツキサン,プロカルバジン,ビンクリスチンの化学療法後に,腫瘍が消失した例 CRでは,地固めとして23. 4グレイの全脳照射と更にシタラビンが使用されました。 腫瘍が消失しない場合には,標準的な45グレイ? が提案されました。 中央年齢60歳,52人の患者さんで,31人 60%)がCRになりました。 7年です。 全体52人での生存期間中央値は6. 6年でした。 「解説』45グレイってどこの標準なんでしょうね。 はっきり言えることは, 導入化学療法で腫瘍が消失する例では,全脳照射の線量を落とせる可能性があるということです。 でもやはり化学療法では40%ほどが完全寛解(腫瘍消失)に至りません。 全脳照射を行わないで大量化学療法をする Rubenstein JL, et al. : Intensive chemotherapy and immunotherapy in patients with newly diagnosed primary CNS lymphoma: CALGB 50202 Alliance 50202. J Clin Oncol 3:3061-3068, 2013 導入化学療法はMTX, テモゾロマイド,リツキサンです。 その後に,地固め大量化学療法として,エトポシドとシタラビンが使用されました。 全脳照射はしません。 57でした。 「解説」控えめに見るのが当然ですから,半数くらいが2年以内に再発すると考えたほうがいいでしょう。 脳リンパ腫の手術 外科手術の役割は確実な病理診断を得るために組織をとるということであり,定位脳手術で生検をするべき。 開頭手術で腫瘍をたくさん取る debulking という手術のメリットは証明されていない。 内照射という脳の内部から放射線をあてるような特殊な状況下では生検術以外の手術もあるかもしれない。 Liu B-L, et al. Limited role of surgery in the management of primary central nervous system lymphoma Review , Oncol Rep 22: 439-449, 2009 解説:脳外科の先生は大きな腫瘍を見つけると開頭手術を勧めがちです。 理由は,腫瘍を取ってみないと診断がつかないから治療方針が立たない。 生検術だと病理診断を間違うことがあるからたくさん取るために開頭する。 腫瘍が大きいから脳の腫れと圧迫をとるために緊急の開頭手術をしなければならない。 これらの理由は多くの場合,本当ではありませんので安易に開頭手術を受けてはいけません。 MTXとリツキサンを使った化学療法 Shah GD, et al. Combined immunochemotherapy with reduced whole-brain radiotherapy for newly diagnosed primary CNS lymphoma. J Clin Oncol 25: 4730-4735, 2007 30人(年令中央値57歳)のリンパ腫の患者さんに,5コースから7コースのR-MPV リツキシマブ,メトトレキサート,プロカルバジン,ビンクリスチン)化学療法が投与されました。 腫瘍の完全に消えた CR 患者さんは23. 4グレイの全脳照射を受けて,腫瘍が完全に消えなかった患者さんは45グレイの全脳照射を受けました。 放射線治療のあとでさらに2コースの大量のシタラビンが投与されています。 MPV化学療法にリツキシマブを加えると,好中球減少が顕著になるとのことです。 この23. 4グレイの全脳照射は認知機能を落とさなかったそうです。 約6割の患者さんで治療後に再発などなくて2年が経過するという良好な結果です。 MTXを基剤とした併用化学療法にリツキサンを加えると腫瘍が消失する割合(奏功率)が明らかに上がるようです。 全部の脳にあてる放射線治療の量が後遺症としての認知障害(痴呆)を決めますから,この化学療法を使えば放射線の量を減らすことができるであろうと推定されています。 日本では一般的にMTX大量化学療法の後は,30グレイの全脳照射ですからそれよりも少ないです。 MTXが効かない時,血液幹細胞救援を用いた化学療法 Soussain C, et al. : Intensive chemotherapy followed by hematopoietic stem-cell rescue for refractory and recurrent primary CNS lymphoma: Societe Francaise de Greffe de Moelle Osseuse-Therapie Cellulaire. J Clin Oncol 26: 2512-2518, 2008 MTX大量化学療法に抵抗性のリンパ腫患者さん43人(年令23-65歳)になされた治療です。 まず,チオテーパとシタラビンを2コースの化学療法がされます。 治療関連死が3人でした。 さらに27人の患者さんでは,チオテパ,ブスルファン,シクロフォスファミドを使う大量化学療法と血液幹細胞救援が追加されました。 この27人の患者さんの内の26人で腫瘍がいったんは消えました complete remission。 生存期間中央値は大量化学療法を受けれた患者さんで58. この結果は,血液幹細胞救援と大量化学療法が脳のリンパ腫にかなり有効であることを示してます。 しかし,対象となった患者さんの年令の中央値が52歳であって,かなり若い患者さんでの成功例が多いと理解しなければなりません。 脳のリンパ腫の発生年令はもっと高い所に平均値があります。 MTX化学療法が効かない患者さんには用いる価値のある,けれどもきつい化学療法です。 大阪大学 平賀先生の有名な論文 Hiraga S, Arita N, Ohnishi T, et al. : Rapid infusion of high-dose methotrexate resulting in enhanced penetration into cerebrospinal fluid and intensified tumor response in primary central nervous system lymphomas. J Neurosurg 91: 221-230, 1999 古い文献です。 メトトレキサート MTX という薬剤の大量療法とその後で30Gyの全脳照射をする治療法が書かれています。 この論文の治療成績を確認するために,兵庫医大の有田憲生先生が全国共同研究をしました。 メトトレキサート(メソトレキセート)だけで認知機能障害は生じるか Fliessbach K, et al. Neuropsychological outcome after chemotherapy for primary CNS lymphoma: a prospective study. Neurology 64: 1184-1188, 2005 MTXメトトレキサートを基剤とした化学療法だけで,放射線治療なしで治療を受けて,生存した23人の患者さんの認知機能(知能)と生存の質 QOL を調査した研究です。 前向き研究prospective studyです。 治療後に22人の患者さんでは,認知機能は同じか治療前より改善していたとのことです。 8人で脳の白質に異常がみられたのですが,これは認知機能の低下との関連はありませんでした。 MTXを基剤とした多剤併用化学療法のみで治療された場合には,顕著な認知機能障害は起こらないと結論されています。 確かに成人ではMTXの大量化学療法のみでは認知機能は落ちないのかもしれません。 問題は,放射線治療とMTXの併用がなされた時ですが,この時は認知機能は落ちます。 脳のリンパ腫を化学療法単独で治すことは難しいので,結局のところ放射線治療との併用がされることが多いのです。 放射線治療を先にして,後でMTXを使うと白質脳症がより高度になります。 中枢神経原発リンパ腫 PCNSLの定義 初発時に中枢神経系外(眼窩内を除く)にはリンパ腫病巣を認めない、かつ他臓器リンパ腫由来の転移性中枢神経リンパ腫は含まないとされるので,リンパ腫の既往歴がないこと,さらに全身検索を一応しないと診断はできない。 60歳以上の高齢者が3分の2を占め,欧米とは異なり日本ではエイズに合併する例は稀である。 なぜPCNSLが中枢神経から外に転移することが稀なのかの理由は不明。 PCNSLが再発しやすいのは髄液中にリンパ腫細が胞存在し,抗がん剤の静脈投与や全脳照射では髄液中に浮遊する腫瘍細胞を根絶できないためとする意見もある。 しかし実際に,MRIで脊髄表面あるいは大脳脳溝に播種をみることは稀であり, その意味においては頻度はとても低いと言える。 髄液細胞診 CSF cytomorphologyでの偽陽性や偽陰性は多く,確実な診断は必ずしも容易ではない。 偽陽性になる場合には,髄液中に反応性に出たリンパ球を悪性リンパ腫細胞と誤認することである。 一方,偽陰性となる場合には,採取した髄液量が少なくて陽性にならないこと,細胞診の前にステロイドを使用してしまった場合(一時的にも腫瘍細胞が消失する)である。 髄液から十分な細胞数が採取できて,多量のリンパ腫細胞が確認できた場合と,免疫組織染色やCDR3 PCRが可能であれば確診ができる。 診断の不確実性からしても,髄液播種が予後因子となるか否かに関しては議論がある。 しかし,少なくとも治療開始前に,髄液細胞診と脊髄のMRIを行なう努力はすべきである。 予防的に髄液内へMTXの注入をする治療プロトコールもあるが一般的ではない。 脳室内にチューブ・リザーパーを留置するか腰椎穿刺を繰り返し行なわなければならいこと,髄膜炎併発の危険性,放射線治療と併用すれば白質脳症のリスクが高まるためである。 十分な診断と治療開始時期の遅れの間のジレンマ 診断価値の高い単純CTに始まり,MRI,増強MRI,脊髄MRI,定位生検術(凍結標本HE,免疫組織染色による確定診断),眼科診断,血液検査(LDH, IL2-R ,,胸腹部増強CT,ガリウムシンチ,髄液細胞診, FDG-PET,血液内科での骨髄穿刺など必要な治療前検査をあげればきりがないのかもしれない。 さらに加えて,生命予後が不良な悪性疾患であり,治療侵襲が高い化学療法を行なうので,患者さんと家族への病態説明と治療法選択のインフォームドコンセントには予想以上に時間をとられる。 しかし,PCNSLの病勢の悪化は時として極めて早いので,十分な検査を行うことと,患者さんの機能予後を守るということは,しばしば背反する。 PCNSLを疑った場合に最も大切なことは,画像上で類似する膠芽腫や転移性脳腫瘍よりも,PCNSLの増大速度が速いことを念頭におくことである。 膠芽腫と同様なタイムテーブルで検査と治療計画をしてはならない。 特に,脳幹部,視床,大脳基底核,脳梁,海馬などを侵すリンパ腫が,急速に症状を悪化させる場合には,それらの部位に不可逆的な脳組織破壊をもたらしていると想像した方がよいし,また事実,化学療法が奏効しても高次脳機能障害をはじめとする神経脱落症状を残すことが多い。 開頭腫瘍摘出術 radical removal もこの意味においては術後補助療法の開始を遅らせる要因となり,腫瘍摘出割合と予後が関連しないことを考えても,患者さんには何の利益ももたらさない有害な手段といえるかもしれない。 PCNSLを疑った場合には,できれば即刻,CT or MRI guideの定位生検術をするべきであろうし,開頭としても低侵襲な小開頭によるopen biopsyがよい。 ステロイドはリンパ腫細胞に対してcytocidal effectが強い。 病勢の進行が早いので症状悪化を食い止めようと,ステロイドを投与して時間稼ぎをしようとすれば,一時的にではあるが病巣の壊死を招き,生検術をしても確定病理診断できないという結果にもなる。 あえてあげれば,病理診断のための生検術(臨時あるいは緊急手術)をできる限り早い日程で決定すること,それと同時にPCNSLの仮定診断のもとに患者さん側への説明と化学療法の開始を準備しながら,必須の諸検査を間に立てていくことであろう。 症状の増悪が早ければ生検術の直後からのステロイドの投与開始はやむを得ない。

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悪性リンパ腫の芸能人/有名人13人!症状や原因・生存率・余命も解説【2020最新版】

悪性 リンパ腫 余命

ホジキンリンパ腫と、非ホジキンリンパ腫では予後に大きな差があります。 悪性リンパ腫を発症した日本人の割合は、ホジキンリンパ腫10%、非ホジキンリンパ腫が90%です。 予後予測では予後不良因子が多い ほど 、予後不良になる確率が高くなります。 ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、それぞれの予後不良因子について解説していきます。 ホジキンリンパ腫の予後不良因子 ホジキンリンパ腫が発症した進行期において、以下の 「 ホジキンリンパ腫の国際予後スコア 」 に当てはまる項目が多い ほど 予後が悪くなる傾向にあります。 ホジキンリンパ腫の国際予後スコア (1) 年齢45歳以上 (2) 男性 (3) アルブミンの値が4. 0g / dL未満 (4) ヘモグロビンの値が10. 非ホジキンリンパ腫の予後不良因子 非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫と比較すると予後が悪くなる可能性が高いです。 病気の 進行度合いにより、予後不良因子が多くなります。 特 に月単位で進行する中等度悪性リンパ腫と、週単位で進行する高悪性度リンパ腫の場合では予後が悪い傾向にあります。 以下は中等度・高悪性度の非ホジキンリンパ腫で化学療法を受けた 方 を対象とした「非ホジキンリンパ腫の国際予後スコア」です。 3は身の回りのある程度のことはできるが、日中の50%はベッドで安静にしている状態です。 4は身の回り の こと が できず、終日ベッドで安静にしている状態です。 上記予後スコアのうち、3個以上当てはまる場合には予後が悪くなる確率が非常に高いです。 予後不良因子が多い程、5年生存率は低くなります。 予後不良因子に当てはまる項目がある場合には、再発予防の ため に 、 退院後も定期的に抗がん剤投与が必要となります。 また定期検診として、CT検査や血液検査を受ける必要があります。

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悪性リンパ腫の予後と5年生存率~医学的な病状の見通し~

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この記事の目次• 悪性リンパ腫とは 悪性リンパ腫とは、 血液のがんの1つで、白血球の1つであるリンパ球ががん化して増殖し、リンパ組織に溜まって、塊を作る病気です。 血液の中に白血球が含まれていることは皆さんご存知だと思います。 その白血球の中にはリンパ球というものがあり、体内に侵入してきた異物を除去する役割を担っています。 そのリンパ球ががん化して、異常増殖し、リンパ節に溜まり、さらに全身の中でリンパ球が集まる脾臓、扁桃、脳、消化管、生殖器、乳腺、甲状腺、皮膚でも増えていきます。 悪性リンパ腫は10万人に10人が発症する病気で、女性よりも男性がやや多いことがわかっています。 悪性リンパ腫は2種類 悪性リンパ腫は大きく2つの種類に分けることができます。 笠井信輔 生年月日:1963年4月12日 出身:東京都世田谷区 身長:170cm 所属:オールラウンド 血液型:A型(-) 活動:フリーアナウンサー 元フジテレビアナウンサーで現在はフリーで活動している笠井信輔さんは、2019年に悪性リンパ腫であることが判明しました。 フジテレビを退社してフリーアナウンサーになってからわずか2ヶ月のことでした。 2019年9月末でフジテレビを退社し10月からフリーになって、12月上旬には悪性リンパ腫と告知されたそうです。 退社準備で重い荷物を持った時に腰痛がひどく、さらに体重が減ってきていることが気になって、病院を受診したら、悪性リンパ腫であることと診断されています。 悪性リンパ腫の中でも予後が悪いタイプ『びまん性大細胞型B細胞リンパ腫』とのことですが、闘病中の様子をブログで発信していて、現在も闘病中です。 2.高倉健さん 時天空慶晃 生年月日:1979年9月10日 出身:モンゴルのウランバートル 身長:186cm 所属:時津風部屋 活動:元大相撲力士 モンゴル出身で東小結まで昇進した時天空関は、現役中の2016年に悪性リンパ腫で闘病していることが公表されました。 時天空関は2015年の7月ごろから右わき腹に痛みを感じていて、名古屋場所後には「あばらのひび」と診断されます。 しかし、9月場所の終盤には夜も眠れないほどの痛みとなり、都内の病院で再検査をしたところ、悪性リンパ腫であることが判明しました。 治療を続けながら土俵に戻ることを目指していましたが、2016年8月に現役引退を発表して、真垣親方として後進の指導に当たっていました。 引退会見の時には腫瘍は小さくなったことを公言していましたが、その後は病状が悪化し、2016年の11月場所からは療養に専念しています。 2017年1月30日に呼吸困難で救急搬送され、翌日に亡くなっています。 4.石ノ森章太郎さん 都啓一 生年月日:1971年10月6日 出身:兵庫県伊丹市 身長:170cm 血液型:B型 活動:ミュージシャン SOPHIAやRayflowerのキーボードのを担当したり、楽曲提供などを行っているミュージシャンの都啓一さんは、2010年3月21日に悪性リンパ腫を患っていることをブログで公表します。 悪性リンパ腫の中でも、「ろ胞性悪性リンパ腫」というタイプのもので、4月10日のライブを最後に療養生活に入ります。 2010年11月には悪性リンパ腫を克服したことをブログで公表し、その後は精力的に音楽活動を続けています。 そして抗がん剤の治療が始まり本格的な悪性リンパ腫との闘いが始まりました。 この時にもさまざまな検査をしてPET検査もしました。 今日その時録ったPETの画像を改めて見たのですが本当にいろんな所にガンの反応がありお腹には大きな反応がありました。 医師にも完全にガンが無くならないかもと言われていた事もあり今日のPET検査の結果は本当にどうなるのか?緊張しました。 そして結果は、びっくりするぐらいガンがなくなっていました! 引用: インタビューによると、既に症状はステージ4まで進行しており、脊髄等に転移していたとのことですので、寛解したのは運が良かったのかもしれません。 都さんの症例は、同じ悪性リンパ腫の人に勇気を与えるものかもしれませんね。 6.内藤武敏さん 大谷直子 生年月日:1950年4月3日 出身:東京都墨田区 身長:154cm 所属:フロム・ファーストプロダクション 血液型:A型 活動:女優 女優の大谷直子さんは、2007年に悪性リンパ腫を発症します。 診断時は余命3ヶ月と告知され、がん細胞が骨にまで転移していて、背骨が圧迫骨折していて、体重は33キロまで減っていてたそうです。 抗がん剤治療が始まり、抗がん剤の副作用で正常な判断ができなくなっているところに詐欺に引っかかり、400万円の被害に逢ったこともありました。 しかし、幸運にも抗がん剤がよく効いたため、悪性リンパ腫は無事寛解します。 しかし、体力はなかなか戻らず、寛解後はすぐには女優として復帰できず、寛解から復帰までに4年かかっています。 渡利璃穏 生年月日:1991年9月19日 出身:島根県松江市 身長:163cm 所属:アイシンAW 活動:元レスリング選手 2016年のリオオリンピック女子レスリングの75kg級代表である渡利璃穏さんは、リオオリンピック後の2016年11月24日に悪性リンパ腫で闘病中であることがわかりました。 オリンピック前の7月に異常が見つかり、オリンピック後の9月に悪性リンパ腫のホジキンリンパ腫であると診断されたそうです。 リオオリンピックは悪性リンパ腫を抱えながらの出場だったことになります。 その後、闘病生活を続け、2018年には全日本選抜選手権で68キロ級で優勝し、世界選手権にも出場しています。 しかし、悪性リンパ腫による長期のブランクで調整がうまくいかないことなどから、2019年11月に現役を引退する意向を示しています。 3.愛華みれさん 松来未祐 生年月日:1977年9月14日 出身:広島県呉市 身長:151cm 所属:81プロデュース 血液型:A型 活動:声優 声優の松来美祐さんは、2013年ごろから体調がすぐれず、39度の熱が出たりしていたとのことです。 2015年には首にしこりができ、深刻な体調不良が続いたため、病院で検査を受けますが、原因が特定できませんでした。 彼女自身、病気で療養して、仕事が減らされることが怖かったようです。 同年6月30日には急性肺炎で救急搬送され、末期の悪性リンパ腫であり、抗がん剤治療を開始します。 一度は退院できたものの、くも膜下出血を併発するなどして、10月27日に死去しました。 家族の意向で病名が公表され、病名が「慢性活動性EBウイルス感染症」で、最終的な死因が「悪性リンパ腫」だったとのことです。 悪性リンパ腫の症状 リンパ節のしこり 悪性リンパ腫は、リンパ節などでがん化したリンパ球が溜まっていく病気です。 そのため、リンパ節にしこりができます。 悪性リンパ腫でしこりができる場所は、主に次の3つです。 ・貧血 ・浮腫 ・しびれ ・気道閉塞(呼吸不全) ・麻痺 ・血流障害 消化器をしこりが圧迫してくると、腹痛や吐き気、血便などの症状がみられることもあります。 悪性リンパ腫の原因 悪性リンパ腫の原因は、まだ解明されていません。 ただ、可能性として推測されている原因はあります。 遺伝子の異常 悪性リンパ腫の細胞の中には、染色体異常があるものがあります。 そのため、染色体異常に伴う遺伝子の異常が、悪性リンパ腫の発症に関わっていると考えられています。 なぜ、染色体異常が起こるのか?その原因についてですが、加齢、慢性の炎症、放射線や化学物質への曝露が考えられていますが、まだよくわかっていません。 細菌やウイルス 悪性リンパ腫は細菌やウイルスへの感染も原因の1つではないかと言われています。 ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は、成人T細胞白血病リンパ腫の原因になることがあります。 また、EBウイルスも悪性リンパ腫の原因と言われるウイルスです。 さらに、胃の中のピロリ菌を除去すると、しこりが小さくなることがあるので、悪性リンパ腫は感染と深い関係があるのではないかと言われています。 免疫不全・免疫異常 悪性リンパ腫は、免疫機能のリンパ球ががん化して異常増殖する病気です。 そのため、免疫不全や免疫異常が原因になることもあるのです。 関節リウマチなどの自己免疫疾患は悪性リンパ腫の原因になると言われていますし、免疫不全を引き起こす薬剤(メトトレキサート=免疫抑制剤)も悪性リンパ腫のリスクを上げるとされています。 悪性リンパ腫の生存率や余命 悪性リンパ腫はがんの中でも手術療法がないがんです。 リンパ球のがんなので、「手術をしてがん化した部分を取ってしまえば良い」というわけにはいきません。 そのため、悪性リンパ腫では抗がん剤や放射線療法の治療法が選択されます。 悪性リンパ腫の生存率や余命についてですが、ホジキンリンパ腫か非ホジキンリンパ腫かによって変わります。 6% ・全症例=68. 3% 出典: これを見ると、早期発見して正しい治療を受けることができれば、余命は5年以上ある人が多いことがわかります。 ただ、病状がどのくらい進行しているか、また抗がん剤が効きやすいタイプかどうかなどで生存率・余命は変わってきます。 先ほどご紹介した悪性リンパ腫になった芸能人・有名人の中にも、悪性リンパ腫の治療を行って寛解状態になり、元気に日常生活を送っている人もいます。 まとめ 悪性リンパ腫の基礎知識や悪性リンパ腫になった芸能人・有名人、悪性リンパ腫の症状や原因、生存率や余命などをまとめましたが、いかがでしたか? 悪性リンパ腫の5年生存率や余命などを考えると、できるだけ早く治療を始める必要がある病気です。 そのため、もし首やわきの下、脚の付け根などにしこりができたら、早く医療機関を受診して、きちんと検査を受けるようにしましょう。

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