親潮「そろそろですね」 提督「あぁ。 向こうからの連絡だと、もう着いてもおかしくないはずだが……」 親潮「それにしても相手方の鎮守府、いくら何でも酷過ぎませんか?」 提督「確かに俺もそう思った。 ブラック鎮守府ほどでは無いにしろ、バリバリの実力主義で少しでも戦果を稼げなかったら余所に追い出すだなんてなぁ……」 提督(仕事の一環で向こうの鎮守府を何度か訪れた時、どの艦娘もフラフラだったからな。 恐らくブラックの基準スレスレで活動させているんだろう) 親潮「きっと心身共に疲れているでしょうから、私達で支えてあげないといけませんね!」 提督「そうだな」 コンコンコン 親潮「……来たみたいです」 提督「あぁ。 どうぞ」 ガチャ ジョンストン「……失礼します」 提督「……!」 親潮「……!」 提督(案の定、やつれた顔をしてるな……) 親潮(目が死んでる……) ジョンストン「フレッチャー級USSジョンストンよ……全ての弾が尽きるまで、艦隊を守る為に全力を尽くすわ……」 提督「……よろしく頼む。 とはいえ、いきなり出撃しろとは言わない。 まずはここの雰囲気に慣れてもらうことが先だ」 提督「来てもらったばかりで悪いが、早速君の部屋に案内する。 親潮、頼めるか?」 親潮「はい!」 ジョンストン「Thanks……はぁ……」 提督(……これは重症だな) 親潮(余程辛いことがあったのかな……) SSWiki : スレ立 タイトル レス 06-29 14:04 30 06-29 13:45 9 06-29 10:59 21 06-29 08:01 10 06-29 03:47 11 06-29 03:42 16 06-29 03:33 27 06-29 01:47 17 06-29 01:34 14 06-28 23:55 67 06-28 23:40 17 06-28 23:22 17 06-28 22:43 37 06-28 22:06 12 06-28 21:59 3 06-28 21:44 21 06-28 21:34 24 06-28 21:10 72 06-28 19:39 34 06-28 18:29 16 25337674;男の娘「ねーちゃ、今日もおなにー教えて!」 おね「しょうがねぇな」;34,24185253;【リトバス安価】恭介「人気投票に納得がいかない。 」理樹「ええっ?」その2;423,25337540;【安価】神童「なに!?円堂選手が痴漢で逮捕だと!?」;10,25327539;【タイムパラドクスゴーストライター】アイノイツキ「消えたキリスト」;19,25331640;西住みほ「早く来ないかなぁ」安価;14,24665556;【安価・コンマ】ピチュー「転生したらピチューだったけど進化も出来るようになった」;359,25306906;R-18 安価とコンマでダンジョンタワー攻略 Part3;74,25253072;【ガンダムSEED】俺「安価でC. E世界で戦う」PHASE-08;522,25112685;【モバマス安価】幸子「Pさんに構ってあげます!」2ndSeason;598,24245302;とあるシリーズ(禁書目録&超電磁砲)SS雑談スレpart22;461,25120471;【安価】八神太一「はぁ... アイドル? プロデューサー? ちょっと暇で」;85,25295115;両儀式「どうだ、トウコ。
次の親潮「そろそろですね」 提督「あぁ。 向こうからの連絡だと、もう着いてもおかしくないはずだが……」 親潮「それにしても相手方の鎮守府、いくら何でも酷過ぎませんか?」 提督「確かに俺もそう思った。 ブラック鎮守府ほどでは無いにしろ、バリバリの実力主義で少しでも戦果を稼げなかったら余所に追い出すだなんてなぁ……」 提督(仕事の一環で向こうの鎮守府を何度か訪れた時、どの艦娘もフラフラだったからな。 恐らくブラックの基準スレスレで活動させているんだろう) 親潮「きっと心身共に疲れているでしょうから、私達で支えてあげないといけませんね!」 提督「そうだな」 コンコンコン 親潮「……来たみたいです」 提督「あぁ。 どうぞ」 ガチャ ジョンストン「……失礼します」 提督「……!」 親潮「……!」 提督(案の定、やつれた顔をしてるな……) 親潮(目が死んでる……) ジョンストン「フレッチャー級USSジョンストンよ……全ての弾が尽きるまで、艦隊を守る為に全力を尽くすわ……」 提督「……よろしく頼む。 とはいえ、いきなり出撃しろとは言わない。 まずはここの雰囲気に慣れてもらうことが先だ」 提督「来てもらったばかりで悪いが、早速君の部屋に案内する。 深海棲艦「アアアアアッ!?」ゴボゴボ… 親潮「やった!これで……」 旗風「いえ、まだです!」 空母棲姫「ヴヴ……マダダ……!」 ジョンストン「あ……」 ジョンストン(し、仕留めきれなかった……あたし、また……!) 親潮「司令!夜戦突入の許可を!」 提督『分かった!だが絶対に無理だけはするな!』 親潮「了解!」 ジョンストン「……!」 ジョンストン(そ、そうだ……まだNight battleがあったんだ……!今度は必ず……!) ジョンストン「……も、More Shells!」ズドドドドッ! 空母棲姫「ガアアアアッ!?」 旗風「今ので大破まで追い込みました!」 ジョンストン(大破……?それじゃダメ!絶対に撃沈しなきゃいけないのに……!) 深海棲艦「グッ……コノォッ!」ズドドドドッ! 旗風「きゃあっ!?」 ジョンストン(でも、まだチャンスはある……!) 提督『どうした!?』 親潮「ざ、残党の攻撃が激しすぎて……!」 提督『仕方がない、ここは撤退する!』 ジョンストン「なっ!?」 親潮「分かりました!皆さん、急いでここから離脱します!」 ジョンストン「ちょ、ちょっと待って!?まだあいつらを全員仕留めて無いのに!」 親潮「今は攻撃より安全の方が重要です!」 ジョンストン「だ、だけど……!」 深海棲艦「逃ガスカ……!」ズドドドドッ! ジョンストン「くぁぁ……っ!?」 旗風「ジョンストンさん!」 親潮「しまっ……ジョンストンさんが中破しました!」 提督『何だって!?』 ジョンストン「う、ぁ……」ガクガク ジョンストン(やっちゃった……!私のせいで、自軍に損害が……!) 親潮「こうなったら引き摺ってでも連れて帰ります!」ガシッ ジョンストン「あっ……」 親潮「死にたくなければ急いで下さい!」 ジョンストン「……っ!」 バシャシャシャシャ…! 申し訳ありません……」 ジョンストン「………」 ジョンストン(どうしよう……あたし、また役立たずの無能扱いされて……ここを追い出されて……)ガクガク 提督「いや、親潮達が無事で何よりだよ」 ジョンストン「……え?」 提督「今回は敵勢力の実力を見余った俺のミスだ。 本当にすまなかった!」ペコッ 親潮「し、司令!?そんな、私達の実力不足が原因で……」アセアセ ジョンストン「……ちょ、ちょっと待ってよ」 提督「うぐっ、本当にすまない……次の出撃では同じミスを犯さないようにするから……」 ジョンストン「そうじゃなくて……責めないの?」 提督「……責める?どういうことだ?」 ジョンストン「だって、あたし達は敵を沈めるどころか、こっちが傷ついて帰って来たのよ?なのに貴方は、それを咎めず謝罪するなんて……」 提督(……なるほど。 だからジョンストンはさっきまで、必要以上に敵を沈めることばかり考えていたのか) 親潮「ジョンストンさん……」 提督「……少なくとも、俺は戦果より皆の命や安全を優先している。 皆が危険だと思ったら、迷わず撤退する。 例え周りから臆病者のレッテルを張られたとしても」 ジョンストン「……!」 提督「って、皆を戦場に送り出している奴が言っても説得力無いよな……すまない。 せめて俺も前線に出ることが出来れば……」 親潮「いえ、それこそ仕方ないですよ!私達は元々、深海棲艦と戦う為に生み出されましたし、司令の指示があるお陰で私達はまともに動けるんです!適材適所ですから!」アセアセ 提督「……ありがとうな」 ジョンストン「………」 提督「とにかく、今日はゆっくり入渠して体を休めてほしい」 親潮達「はい!」 ジョンストン「………」 親潮「ジョンストンさん、行きましょう。 司令自ら仰ってましたが、戦果を稼ぐことよりも私達の安全を重視してくれるんです」 親潮「それだけじゃなく、出撃後は必ず休暇を与えて下さって……出撃時以外は、皆リラックスしているんですよ?」 ジョンストン「………」 親潮「……ジョンストンさんがいた鎮守府は、過酷な環境だったんですか?」 ジョンストン「……えぇ。 出撃すれば敵の全滅は最低条件。 味方が少しでも被弾したり、敵を少しでも仕留め損なったら……」 親潮「……激しく叱責された、と」 ジョンストン「………」コクリ 親潮「やっぱり……一応、ブラック鎮守府の基準を満たしてはいないみたいですけど、居心地が悪いことには変わりありませんね」 ジョンストン「だから、かな……さっき貴方の提督が自分のミスを謝罪した時は、本当に驚いたもの」 親潮「司令、いつも『自分が未熟だから艦娘に辛い思いをさせてしまう』と悩んでましたから……いや、ちょっと待って下さい。 『貴方の提督』?」 ジョンストン「だって、左手の薬指に……」スッ 親潮「あっ……そうでした。 私、この前ケッコンカッコカリしまして……」モジモジ ジョンストン「……単なる戦力の向上の為、という訳では無さそうね」 親潮「……はい。 司令が『君にはずっと支えられてきた。 どうだ?この前の出撃の疲れは取れたか?」 ジョンストン「……えぇ。 お陰様で」 提督「なら良かった。 でも、例え体の傷が治っても、疲労感が残っていたらすぐに言ってほしい」 ジョンストン「どうして?損傷が無くなったのなら、すぐにでも出撃出来るのに……」 提督「心の疲れはバケツや入渠でどうにかなるものじゃない。 皆には、出撃の辛さを引きずって欲しくないんだ」 ジョンストン「それって、次の出撃でミスが増えるから?」 提督「確かにそれもあるけど、それ以上に……出来る限り、皆には出撃以外の時は普通の人間と同じ生活を送ってもらいたいからな」 ジョンストン「……!」 提督「艦娘は深海棲艦と戦う為の存在とは言っても、心は普通の人間と変わらない。 だからこそ、一部の鎮守府のように皆を武器として扱うのは……嫌なんだ」 ジョンストン「………」 提督「ま、俺個人の考えに過ぎないんだけどさ。 でも、そのスタンスを変えるつもりは無いんだ」 ジョンストン「……物好きなのね。 あたし達のような恐ろしい兵器のことを、そんな風に考えるなんて」 提督「そう言うなよ。 いや、俺が物好きかはともかく、皆は嬉しい時は喜び、悲しい時は泣いて、楽しいことがあれば笑う……ほら、立派な人間じゃないか」 ジョンストン「………」 提督「ただ、この話を大本営のお偉いさん達に話したら大笑いされたっけなぁ。 各自解散して休憩ー!」 艦娘達「はい!」 ジョンストン「えっ、嘘……」 提督「ん?どうした?」 ジョンストン「たったこれだけ!?まだまだ時間はあるのに、もう終えるだなんて……」 提督「いくら演習と言えども、無理をさせて想定外の事故が起こったら大変だからな」 ジョンストン「だけど……」 提督「焦らなくて良いさ。 ここは君が元々いた鎮守府とは違って、戦果を稼ぐことを強制するつもりは無い」 提督「かといって、出撃で失敗したとしても皆を責めるつもりも無い。 それは皆に指示を出す俺の責任だからな」 ジョンストン「………」 提督「……あまり自分を追い詰めるようなことを考えるな」ポンッ ジョンストン「んっ……」 提督「敵を倒すことより、生きて帰ることの方が何十倍も重要なんだ。 最悪、勝てないと思ったら敵前逃亡しても良い」ナデナデ 提督「もちろん国を守る組織である以上、出撃を避けることは出来ないが……それでも、国民だけじゃなく皆の命も凄く大切なんだ」ナデナデ ジョンストン「………」 提督「こんなこと、大本営のお偉いさん達に言ったら怒鳴られるだろうけど……」ナデナデ ジョンストン「………」 提督「……あっ、す、すまん!つい手を……セクハラだったよな?嫌だったよな?本当にすまない!」 ジョンストン「……ううん、別に、気にしてないから」 ジョンストン(……提督の手、あったかかった。 どんな提督も、あたし達を兵器としか見ていなくて……」 親潮「………」 ジョンストン「だけど、ここは違う。 誰もが生き生きとしていて、戦う時でも……上手く言えないけど、活力に満ち溢れているというか……」 親潮「……それは間違いなく、司令のお陰です」 ジョンストン「やっぱりそうよね……提督からあんなに優しくされたこと、今まで一度も無かったもの」 ジョンストン「本当に、あたしの中の今までの常識が破壊されてばかりだわ。 しかも、新しく入ってくる常識は……あたしにとって、嬉しいことばかりで……」 親潮「ふふっ、そうでしょう?」 ジョンストン「……何で親潮が胸を張ってるのよ」 親潮「だって奥さんですから!と言っても、まだカッコカリですけどね……えへへっ」 ジョンストン「………」 ジョンストン(あたしも、最初からこの鎮守府で活動していれば……親潮達のように、辛い思いをしなくて済んだのに……) ジョンストン(それだけじゃない。 提督にも、もっと遠慮なく撫でてもらったり……って、何を考えてるのあたし!)フルフル 親潮「……ジョンストンさん?」 ジョンストン「……負けないわよ、親潮。 すぐに追いついてみせるわ!貴女はあたしのライバルだからね!」 親潮「あ……はいっ!とはいえ、私だって簡単には追いつかせませんよ?」 ジョンストン(提督は焦るなって言ってたけど、やっぱり提督の力になりたいもの。 ジョンストン「Open fire!」ズドン! 提督「………」 提督(二人とも、凄いな……親潮はもちろん、ジョンストンも短期間でメキメキ実力を付けてきている) 提督(それにどことなく、最近のジョンストンは初対面の時よりも元気だ。 ここの雰囲気に慣れてくれた結果だろうか) 親潮「司令!」タタタッ ジョンストン「貴方ー!」タタタッ 提督「お疲れさん。 二人とも、随分強くなってきたなぁ」 親潮「司令のお陰ですよ」ニコッ 提督「そんなことないさ。 親潮達の努力の成果だって」 ジョンストン「これなら戦闘でも十分役に立てるわよね?」 提督「あぁ。 でも、無理はするなよ?実力を過信するのは危険だからな?」 ジョンストン「もうっ、分かってるわよ。 提督と親潮は恋人同士だし、それくらい……普通よね。 うん……) ジョンストン(だから、あたしの胸が痛いのは気のせい……気のせいに決まってる。 だって、しょうがないでしょ……?) ジョンストン(前の提督と比べて拍子抜けするくらい優しくされて、普段の生活でもあたしのことを労わってくれて……) ジョンストン(出撃や演習で良い結果を残せば褒めてくれるし、失敗しても無事に帰って来てくれたと心配してくれる……) ジョンストン(心が弱ってる時に、こんなことされちゃったら……そ、そういう気持ちを抱いちゃって当然じゃない……!) ジョンストン「……っ」ズキッ ジョンストン(でも、それはダメ。 提督には……あの人には、親潮がいる。 あたしがここに来る前から、想いを通じ合った人がいる……) ジョンストン(そんな中に、あたしが割り込んで想いを断ち切るだなんて……許されることじゃない) ジョンストン(だけど……日に日に、提督への気持ちは強くなっていく一方で……我慢しようとしても、心が提督を求めて……) ジョンストン「親潮さえ、いなければ……」ボソッ ジョンストン「……ハッ!?」 ジョンストン(あたし、今、何を言って……!仮にも提督と一緒にあたしを気遣ってくれた相手に、何てことを……!) ジョンストン「………」 ジョンストン(頭では分かってる。 友人が大本営から大規模作戦を任されたのは良いが、所属している艦娘だけでは戦力的に厳しいらしい」 提督「だから俺の鎮守府からも、何人か助っ人を出して欲しいと頼まれてな」 親潮「でも、それならどうして司令は……うちは大本営から作戦を任されなかったんですか?」 提督「……多分、うちの戦果だと戦力が不安だと思われたんだろう」 親潮「あー……」 提督「そこで親潮を含む、うちの練度上位組の何人かを向こうに送ろうかと思う」 提督「相手については心配いらない。 向こうと俺は昔からの友人だし、艦娘にも俺と同じように接してくれるはずだ」 提督「それにあくまでも出張だから、作戦が終わればここに戻って来られる。 本当にすまないが、頼めないか?」 親潮「………」 提督「どうしても嫌なら、他の艦娘で代役を立てるが……」 ジョンストン(お願い、親潮……出張に行って……!) 親潮「……いえ、行きます」 ジョンストン「あ……!」パァッ 提督「ありがとう。 助かるよ」 親潮「いえ、司令にはいつもお世話になっていますから。 何より恋人として、司令のお力になれるなら頑張ろうと思えます!」 親潮「ただ、鎮守府に帰って来た時は……出張していた分、沢山甘えさせて下さいね?」 提督「それくらいならお安い御用だ!」 ジョンストン「………」 ジョンストン(親潮がいなくなるということは、提督に堂々とアピール出来るチャンスってことよね……) ジョンストン(ごめん、親潮……貴女がいない間の時間、存分に利用させてもらうわ。 いつもすまないな、秘書艦を名乗り出てくれた上に、こんなことまでしてもらって……」 ジョンストン「気にしないで。 あたしを拾ってくれた恩返しみたいなものだから」 提督(その言い方だと捨て犬や捨て猫みたいだな……) 提督「それじゃ、いただきます。 はむっ……うん、美味い!」 ジョンストン「ふふっ、良かった」ニコッ ジョンストン(まずは胃袋から掴む!親潮は確か和食が得意って言ってたから、あたしは洋食で勝負よ!) 提督「手が止まらない……!本当に美味いな、これ……!」 ジョンストン「だってあたしの手作りだもの」 提督「えっ!?そうだったのか……何だか申し訳無いな。 ただでさえ秘書艦としてサポートしてもらっているのに……」 ジョンストン「だから気にしないでって言ってるでしょ?あたしがしたくてしてることなんだから!」 提督「そ、そうか……」モグモグ 提督(親潮の料理とはまた違った美味さがある。 皆どんどん強くなってきてるわね」 提督「あぁ。 指示している立場から見ても、みるみる動きが良くなっていくのが分かる。 その分、慢心しないか心配だけどな……」 ジョンストン「大丈夫よ。 普段からあれだけ『安全第一』だとか『少しでも危ないなら即撤退』と言ってるんだし」 提督「だと良いけどな……はぁ……」 ジョンストン「……無理してない?」 提督「え?」 ジョンストン「だって、今……暗い顔してたから」 提督「……あぁ、違う違う。 今回も無事に演習を終えられて良かったなって」 ジョンストン「本当?」ジー 提督「本当だって……」 提督(ず、随分と顔が近……くも無いか。 頑張って背伸びしてるのがちょっと微笑ましい) 提督(それに、今の溜息の理由を話すのもなぁ……まさか『親潮に会えなくて寂しい』なんて、恥ずかしくて言えないって) ジョンストン「なら良いけど……」 ジョンストン(嘘ね。 貴方があたし達の為にいつも頑張ってくれてるのは知ってるもの」 提督「ありがとうな……」 提督(ジョンストンがいつもいてくれるお陰か、俺も寂しさを感じなくて……いや、全く感じないというのは無理だな) 提督(けど、それでも……誰かが隣にいてくれるというのは、やはり心が安らぐな。 決して彼女を親潮の代わりと見ている訳じゃないが) ジョンストン「……やっぱり、親潮がいなくて寂しい?」 提督「っ!?」ギクッ ジョンストン「………」ジー 提督「そ、そんなこと無いぞ?いくら恋人とはいえ、ずっと依存しているようでは親潮に迷惑がかかるからな!」 ジョンストン「………」ジー 提督「……すまん。 正直に言うと、少し寂しい。 だけど、仕事に私情を挟んでミスするようなことはしないよう努めるから」 ジョンストン「……そっか。 でも大丈夫……あたしがいるから。 愚痴でも弱音でも、何でも受け止めるから!」 提督「いや、そういう訳にはいかないだろ。 よっぽどあいつと熱々なんだなって」ニヤニヤ 親潮「うぅ……」カァッ 友提督「……ごめんな?俺があいつに無理言ったばっかりに」 親潮「……いえ、私が司令と話し合い、自分の意志で出張に行くと決めた結果ですから。 友提督さんが責任を感じることはありません」 友提督「そう言ってもらえると気が楽になるけど……」 親潮「ところで、この作戦は後どれくらい続くんですか?」 友提督「そうだな……今の進行具合だと二、三ヶ月くらいか?奴らの強さ次第で多少前後すると思うけど」 親潮(後二、三ヶ月……先は遠いけど、司令の為に頑張らないと……!ただ……) 親潮(司令が心配なんです。 それほどに俺は寂しさを感じていたらしい) 提督(でも、ジョンストンと話している時だけは……寂しさを感じずに済んだ) 提督(これって、まさか……いや、そんな訳ないよな?俺には親潮がいるんだ。 他の女性をそういう目で見るなんてことは……) 提督「………」スタスタ 提督(しかし、このタイミングでジョンストンは俺を自室に呼び出した。 何やら大事な話があるらしく、一人で来て欲しいと言っていたが……) 提督(本当は、恋人に黙って他の女性と二人きりになるのは不味いと思うが、彼女は事情が事情だからな……) 提督(もしかして、前の鎮守府で虐待を受けていたとか……?あの様子はただ事では無かった。 提督として、ちゃんと話を聞かないと……) 提督「………」コンコンコン 「……提督?」 提督「あぁ。 約束通り、一人で来た」 「……Thanks。 鍵は開いてるから、中に入って?」 提督「分かった。 お邪魔します」ガチャ 提督「………」キョロキョロ 提督(親潮の部屋と比べても、それほど違いは無いな……家具の種類が違うくらいか) ジョンストン「………」 提督(おっと。 部屋を見回している場合じゃない。 ジョンストンの話を聞かないと……!) 提督「……それで、話とは何だ?」 ジョンストン「……うん。 あのね……?」 提督「………」 提督(どんな話でも驚くな。 彼女は恐らく、俺に一定の信頼を置いてくれているからこそ話してくれるんだ) 提督(だからこそ、彼女の話を真剣に受け止めないといけない。 そして……真剣に考えないといけない) ジョンストン「……あたしが前にいた鎮守府のことは、もう知ってるわよね?」 提督「……あぁ」 ジョンストン「バリバリの実力主義で、冷血な提督で……ずっとストレスを感じ続けていたわ」 ジョンストン「どんなに頑張っても、結果が伴わなければ罵倒され、役立たず扱い……そんな毎日で、あたしの心は潰れそうになった」 提督「………」 ジョンストン「でも、そんな時……あたしはここに追放された。 けど、結果的にそれは正解だったの」 ジョンストン「戦うことよりも、あたし達のことを大切にしてくれる提督……貴方と出会えたことが、あたしの人生を変えたわ」 提督「………」 ジョンストン「親潮達もお互いに思いやっているし、あたしはここに追放されて良かった。 心の底から嬉しかった」 ジョンストン「でも、一番嬉しかったのはね……?」スッ… 提督「……ん?」 ジョンストン「………」 提督(お、おい。 俺の頬を両手で掴んで何を……まさか!いや待て!まだそうと決まった訳じゃ……でも彼女の顔がどんどん近づいてきて……) ジョンストン「……んっ」チュッ 提督「……っ!」 ジョンストン「……ふぅ」 提督「じょ、ジョンストン……?何を……」 ジョンストン「……提督」 ジョンストン「………」 提督「だ、だが、俺には親潮が……」 ジョンストン「分かってる。 そんなこと……分かってる、けど……!仕方ないじゃない……!」 提督「……!?」 ジョンストン「あんなに温かく迎え入れられて……人として、大切に扱ってもらって……」 ジョンストン「それに加えて、優しく労わってもらえたら……好きになるに決まってるでしょ!?」 ジョンストン「貴方はあたしに人の温もりを与えてくれた!優しさで冷え切った心を溶かしてくれた!」 ジョンストン「貴方が親潮と付き合ってることなんて関係無い!どうしてくれるの!?あたしの心はもう、貴方のことで一杯なのよ!?」 ジョンストン「もう、我慢出来ないよ……!この気持ち、どうすれば良いのよ……!」ジワッ ジョンストン「いっそ、恋人以外には冷たい態度だったら良かったのに……貴方はあたし達にも平等に接してくれた……」ポロポロ ジョンストン「でも、好きになることは許されない……ずっとこの気持ちを抑えてきたけど、もう無理なのよ……!」ポロポロ 提督「……ジョンストン」 ジョンストン「提督……貴方が好き……好きなの……!親潮よりも、もっと……!」ポロポロ 提督「………」 ジョンストン「どうしても、ダメなの……?」ポロポロ 提督「………」 ジョンストン「黙って無いで、何か言ってよ……!振るなら、あたしが貴方を憎むくらい……こっぴどく振ってよ……!」ポロポロ 提督「………」 ジョンストン「ねぇってばぁ……!」ポロポロ 提督「………」 ジョンストン「……こういう時、否定も肯定もされないって……凄く、残酷なことなのよ……?貴方だって、分かってるでしょ……?」ポロポロ 提督「……それ、は」 ジョンストン「でも……貴方が否定しないってことは、まだチャンスがあるってことよね……?」スルッ… 提督「……っ!?」 ジョンストン「ねぇ、あたしを……抱いて?」 提督「な、何を言って……」 ジョンストン「親潮よりも、あたしを見て……!」ギュッ 提督「うっ……」 提督(親潮よりも大きい胸の感触が、ダイレクトに伝わって……) ジョンストン「あたしの気持ちを受け入れる気が無いのなら、今すぐあたしを引き剥がして?」 ジョンストン「でないと、あたし……貴方が受け入れてくれたって、思い込んじゃうわよ……?」 提督「……ジョン、ストン」 ジョンストン「……貴方だって、寂しいんでしょ?親潮と会えなくて……」 提督「……!」 ジョンストン「だったら、親潮を捨てて……あたしを愛して?あたしは貴方の傍から絶対に離れたりしないわ」 ジョンストン「いつ帰って来るかも分からない出張で、貴方に寂しい思いをさせたりはしない……!」 提督「う、ぅ……」 ジョンストン「……んっ」チュッ 提督「んむっ……」 ジョンストン「んはぁ……ねぇ、しよ……?親潮のことなんか忘れて、あたしを見て……?あたしを愛して……?」スリスリ 提督「………」 提督(俺は……親潮がいない寂しさを、ジョンストンで埋めようとしていた) 提督(だが、たった今……彼女の気持ちを聞いて、俺はそれが間違い……いや、とんでもない誤解だと気づいた) 提督(確かに彼女に親潮を重ねて見ていたことは否定出来ない。 それほどまでに、俺は親潮と離ればなれになってしまったことが辛かった) 提督(でも、それ以上に……彼女を気にかけていたのも事実であり、いつしか仲間以上の意識を抱いてしまっていた) 提督(かつて彼女が所属していた鎮守府の実情は当然把握していた。 だからこそ、俺は彼女を元気付けようと頑張った) 提督(それがあろうことか、恋人を差し置いて……彼女に特別な意識を抱いてしまうことになってしまうなんて) 提督(だけど、それを否定したくても……出来なかった。 彼女の真っ直ぐな告白は、俺の心に入り込んできた) 提督(数ヶ月間とはいえ、彼女と二人きりで過ごした時間……そして、辛い思いをした彼女を労わる気持ち……) 提督(この二つが、俺の中で彼女の存在を大きくしてしまった。 貴方が親潮よりも、あたしを選んでくれたことが……」 提督「………」 ジョンストン「ふふっ……痛かったけど、貴方が初めての相手で良かったわ」ニコッ 提督「……ジョンストン」 ジョンストン「何?」 提督「今更言い訳する気は無い。 やってしまったことの責任は取る。 貴女が恋人より仕事を選んでくれたお陰で……) ジョンストン(こうして、あたしは提督と一つになることが出来た。 流石じゃない!」スリスリ 親潮「………」イラッ 提督「お、おい。 その、あまり司令を困らせるのは……」イライラ ジョンストン「あ、ごめんなさい。 だって、私はこの数ヶ月間……司令と会えず、ずっと寂しさに耐える日々だった) 親潮(自惚れじゃなければ、司令もきっと……私と会えなくて、寂しがってくれていた……と思いたい) 親潮(だったら、私のやるべきことは決まっている。 司令に甘える為、そしてお人好しな司令の代わりに……私がガツンと言う) 親潮(これ以上司令の負担になるようなことはやめてほしい、と。 こちらも少し……いや、かなりイラついているので、言い方は辛辣になるかもしれない) 親潮(だけど、久々に司令と会えたのに……ずっと邪魔され続けてきたのだから、それくらいは許してほしい) コンコンコン 親潮「どうぞ。 鍵は開いています」 ジョンストン「突然呼び出してどうしたの?」ガチャ 親潮「……心当たりはありませんか?」 ジョンストン「質問に質問で返さないの」 親潮「………」イラッ ジョンストン「ま、そうね。 心当たりなら……あるわ」 親潮「……そうですか。 なら、言わなくても……分かりますよね?」 ジョンストン「そうやって言外に意味を含ませるのはやめた方が良いわよ。 言いたいことがあるならハッキリ言いなさい」 親潮「………」ピキッ ジョンストン「………」 親潮「……えぇ。 なら言わせてもらいます。 それはもう直球で。 ジョンストンさん、これ以上司令に迷惑をかけるのはやめて下さい」 ジョンストン「へぇ……」 親潮「な、何ですか……」 ジョンストン「いや、直球と言う割には回りくどく言ってきたなって」 親潮「どういう意味ですか?」 ジョンストン「貴女の言いたいことって、そんな社交辞令みたいなことじゃないでしょ?」 親潮「っ!」 ジョンストン「………」 親潮「……もしかして、喧嘩を売っているつもりですか?」 ジョンストン「貴女がそう捉えるならそうじゃないかしら」 親潮「……分かりました。 なら遠慮なく言わせてもらいます。 私の司令とイチャつくのはやめて下さい」 ジョンストン「やっと本音が出たわね」 親潮「貴女が言えと言ったんでしょう」 ジョンストン「ま、確かにね。 でも……ふふっ」 親潮「……何がおかしいんですか」 ジョンストン「だって、あれだけ提督を放りっぱなしにしておいて、未だに恋人面してるのがおかしくって……」クスクス 親潮「こ、恋人面……?」ピキピキッ ジョンストン「ねぇ、親潮。 提督を見ていて、何か気づかない?」 親潮「………」 ジョンストン「この前、貴女が鎮守府に帰って来た時……提督の態度が少し余所余所しく感じなかった?」 親潮「っ!?な、何を言って……」ズキッ ジョンストン「まるで自分とは同じ空間にいるのが気まずいかのような……」 親潮「やめて下さい!司令と私は恋人同士なんですよ!?そんなはずありません!あり得ません!」 ジョンストン「……まだ分からない?」 親潮「だから何がですか!」 ジョンストン「私ね、提督のことが好きなの」 親潮「え……」 ジョンストン「それもLikeじゃなく、Loveの方でね」 親潮「い、いきなり何を……」 ジョンストン「いいから聞きなさい。 良い機会だから話しておくわ。 私はここに来て、提督と過ごす内に……彼に惹かれたの」 親潮「……!」 ジョンストン「だって、心が弱ってる所をあんなに優しくしてもらったのよ?前の提督や鎮守府とは何もかもが違う」 ジョンストン「彼には貴女がいることだって分かってた。 けど、それでもあたしは彼のことが好きでたまらなくなったの」 親潮「………」 ジョンストン「だから我慢した。 ずっと我慢した。 どうして親潮なの?あたしじゃダメなの?そう思いながら……自分の気持ちに蓋をし続けた」 親潮「……やめて」 ジョンストン「でも、絶妙なタイミングで貴女は出張に行った。 大事な彼よりも仕事を取って、この鎮守府に彼を置き去りにした」 親潮「もう、やめて……」 ジョンストン「あたしにとっては願っても無いチャンス到来だった訳。 秘書艦として彼を傍でずっと支えたわ。 薄情な貴女の代わりにね」 親潮「それ以上、言わないで……」 ジョンストン「で、彼は貴女と会えない寂しさで精神的に参っちゃってたから……あたしは言ったの。 貴方のことが好きだって」 親潮「お願いだから、やめて……!」 ジョンストン「続けて言ったわ。 貴方のことを置いていった親潮とは違って、あたしは貴方の傍にいるって。 親潮じゃなくて、あたしを選んでって……!」 ジョンストン「するとね?彼は悩んだ末にあたしを選んでくれた。 あたしのことを押し倒してくれた。 その後は……」 親潮「や、やめ……」 パシーンッ! ジョンストン「………」 親潮「はぁはぁ……っ!」 ジョンストン「……痛いじゃない」 親潮「どうして……どうしてぇっ……!」パシーンッ! ジョンストン「………」 親潮「私の恋人だと知っていながら……どうして司令を……っ!」パシーンッ! ジョンストン「………」 親潮「この、泥棒猫ぉっ!よくも、よくも私の司令を……っ!」パシーンッ! ジョンストン「………」 親潮「はぁっ、はぁっ……!」 ジョンストン「……言いたいことはそれだけ?」 親潮「なっ……!?」 ジョンストン「泥棒猫だなんて、よくもまぁそんなことが言えるわね。 大事な恋人を置き去りにして、寂しい思いをさせた癖に」 親潮「それは司令からの指示で仕方なく……!」 ジョンストン「断ることも出来たはずよね?実際に提督も『嫌なら他で代役を立てる』と言ってたじゃない」 ジョンストン「本当に提督のことが大切なら、迷わず『離れたくない』と言うところでしょ?あたしなら間違いなくそうしてるわ」 親潮「……っ」ギリッ ジョンストン「大好きな恋人と数ヶ月間も離ればなれになったら、愛想が尽きてしまってもおかしくないわよね」 ジョンストン「増して貴女の場合、体の繋がりさえ無かったらしいじゃない。 そんなことで本当に提督を好きだなんて言えるの?」 親潮「……ッ!」パシーンッ! ジョンストン「………」 親潮「今すぐ出て行って!私の視界から失せなさいっ!」 ジョンストン「……はぁ。 分かったわよ。 自分から呼び出しといて……」 親潮「いいから出て行って!」 ジョンストン「………」スタスタ 親潮「っ、ぁ……」ヘナヘナ 親潮「どうして……どうして、こんなことに……」ジワッ 親潮(私が司令を置いて行ったから?仕事を優先したから?体の繋がりさえ無かったから?)ポロポロ 親潮(あの泥棒猫が言っていたことは、結果的に全部正しかったとでも言うの?そんなことって……!)ポロポロ 親潮「ぐすっ……うあぁっ……司令……しれぇ……!」ポロポロ 親潮(ごめんなさい……!寂しい思いをさせて、ごめんなさい……!)ポロポロ 親潮「うわぁぁぁぁっ……しれぇっ……捨てないでぇ……!嫌……嫌ぁっ……!」ポロポロ 親潮(だからお願いします……!私を捨てないで……!私は、本当に司令のことを愛しているのに……!)ポロポロ 親潮(それを、あんな泥棒猫に盗られてしまうだなんて……嘘だと言って……お願いだからぁ……!)ポロポロ 親潮「えぐっ、いやぁぁぁぁっ……しれぇ……うぐっ、うああああっ……!」ポロポロ ジョンストン「………」 ジョンストン(完全にマジ泣きモードに入ってるわね。 てっきりあたしから『司令を取り返す!』と燃えるのかと思ったけど……) ジョンストン(この調子なら無理そうね。 でも、貴女が悪いのよ?あたしというライバルがいる状況で、恋人を置き去りにしたんだから) ジョンストン(しかも、その恋人は貴女と離ればなれになって悲しそうにしてたんだから……むしろ彼を元気付けたあたしに感謝してほしいくらいよ) ジョンストン「……っ」ズキッ! ジョンストン(痛た、まだヒリヒリするわね……後で提督に頼んで頬を撫でてもらおうかしら。 一人は最愛の人、もう一人は……心の底から憎い泥棒猫) 親潮(この先でどんなことをしているかなんて、想像もしたくない。 きっと、一目見た瞬間……私の頭が怒りで染まるだろうから) 親潮「………」キランッ… 親潮(だけど、それももう終わり。 私は考えた……三日三晩、一睡もせずに考え抜いた) 親潮(どうやったら最愛の人ともう一度やり直せるのか。 どうやったら泥棒猫から最愛の人を引き離せるのか) 親潮(最愛の人の心はもう、泥棒猫に掴まれてしまっている。 だから私が無理矢理引き離そうとしても、きっと失敗する) 親潮(だったら……取るべき手段は一つだけ。 簡単で、確実な方法がある) 親潮「……ここがあの泥棒猫の部屋ですね」 親潮(最愛の人の心が盗られてしまったのなら、盗人を排除してしまえば良い) 親潮(そうすれば、盗まれた心は……私の手元に戻って来る。 そしてまた私を見てくれる) 親潮(私はまた、最愛の人と……司令と結ばれることが出来る。 同時に泥棒猫とも永久に引き離せる) 親潮(左手には司令から貰った指輪がある。 これがある限り、私と司令が恋人だった証が消えることは無い) 親潮(そして右手に持っている物で、泥棒猫を二度と戻れない場所へ叩き落してしまえば良い) 親潮「……司令。 今、行きますから……また、私の恋人になって下さいね……?ふふっ……」ハイライトオフ 秋雲「どーよ!自信作なんだけど!」フンス 提督「………」 ジョンストン「………」ニヤニヤ 親潮「………」イライラ 提督「何だよこれ。 俺がただのクズ男になってるじゃないか……」 秋雲「いや、だって修羅場モノなら男と女のどっちかは酷い奴にしないとね~。 今回は男女ペアで酷い奴になってるけど」 親潮「で、どうして私はひたすら不遇なヒロインになってるの?ねぇ?」ジトー 秋雲「いや、まぁ……ノリで」 親潮「ノリ!?そんな理由で貴方は姉を不幸にしたの!?」 ジョンストン「………」ニヤニヤ 親潮「そしてジョンストンさんはいつまで本を見てニヤついてるんですか!」 ジョンストン「えっ?いや別に『本の中であたしと提督が恋人になってて嬉しい』だなんて思ってないわよ?」ニヤニヤ 親潮「語るに落ちましたね」ジトー 秋雲「で、この本のアダルト版を次のコミケで」 提督「却下っ!!」 秋雲「ありゃりゃんりゃん。 やっぱし~?」 提督「当たり前だろう!?お前一度肖像権について調べてみろ!」 ジョンストン「ねぇ秋雲。 この本三冊貰って良い?保存用、観賞用、布教用にするから!」ニヤニヤ 親潮「いい加減ニヤつくのをやめて下さい!」 秋雲「良いよ~。 後でコピーして渡すから」 提督「だからやめろって言ってるだろ!」 ジョンストン「なら早くあたしと付き合ってよ」 親潮「それについてはジョンストンさんと同意見です。 私とお付き合いして下さい!」 提督「前から散々言ってるじゃないか。 俺には心に決めた人がいるって」 秋雲「とか言いつつ全然指輪渡さないよね」 提督「いや、だってまだ練度足りてないし……」 ジョンストン・親潮「「なら私が先に練度の限界まで辿り着けば」」 提督「だから無理だって。 俺、重婚する気無いし。 二人とも、そーゆーのに興味無さそうだったから。 で、どんな本書いて欲しいの?」 ルイージ「あたしが那珂ちゃんから提督を寝取る本!」 秋雲「えっ」 旗風「私も同じ物を……」 秋雲「えっ」 ルイージ「あっ!ついでにあたしと旗風さんはピアノの天才ってことにして!」 旗風「そして那珂さんはヒトカラが大好きという設定で……」 秋雲「………」 秋雲(そのチョイス絶対狙ってるよね。 何がとは言わないけど色々と分かっててやってるよね).
次の就役直後のUSSジョンストン。 1943年10月27日シアトルにて撮影。 基本情報 建造所 運用者 艦種 級名 艦歴 起工 進水 就役 その後 に戦没 要目 2,700トン 376ft 6in(114. 76m) 最大幅 39ft 8in(12. 1m) 17ft 9in(5. 艦名はで活躍した ()大尉に因む。 本艦はジョンストンの名を持つ初めての艦でもあった。 ジョンストンは1944年10月25日に発生したで戦艦を含む強力な艦隊()を相手に果敢な戦闘を行ったことで知られる。 この海戦で、ジョンストンは第十戦隊( 、、、、)の集中砲火を浴びて沈没した。 ジョンストンの就役式典におけるエヴァンズ艦長。 伊176撃沈 [ ] で哨戒任務中だった3月28日、ジョンストンはを砲撃した。 海岸沿いの監視塔1棟といくつかの、とを砲撃した。 2日後、ジョンストンは南東のモリリカ川河口部へ入り、その地域に激しい砲撃を浴びせた。 その後、ブーゲンビル島沖合で対潜哨戒任務に加わった。 5月16日、北方にて哨戒中の駆逐艦 () USS Franks, DD-554 、 () USS Haggard, DD-555 、ジョンストン は、哨戒機から「敵潜水艦発見」の報告をうけ、対潜掃蕩をおこなう。 これはブカ島輸送(もぐら輸送)のため行動中のの であった。 各艦は協同して攻撃を実施、翌朝になり浮遊物を発見した。 これが伊176潜水艦の最期であったと認定されている。 グアムの戦い [ ] ソロモン諸島での3か月の哨戒任務の後、ジョンストンはに参加する準備のためマーシャル諸島へ向かった。 7月21日、砲撃のため戦艦 USS Pennsylvania, BB-38 と会合。 ジョンストンは7月29日までに4,000発以上の砲弾を発射した。 ジョンストンの正確な砲撃は敵の重砲陣地を沈黙させ、多くの掩蔽壕や建物を破壊した。 ジョンストンは続いてで航空支援を行うを護衛した。 フィリピンの戦い [ ] で補給の後、ジョンストンはでと上空のを確保する護衛空母群を護衛するために10月12日に出撃した。 10月20日からは上陸部隊への砲撃支援を行ったほか、物資輸送を行う敵の車列を撃破した。 ジョンストンは少将の旗艦 USS Fanshaw Bay, CVE-70 以下護衛空母6隻、駆逐艦2隻、4隻と共に 第77. 3任務群(通称「 タフィ3」)を構成した。 タフィ3は少将の第77. 4任務集団に属する3つの護衛空母部隊の1つであった。 サマール島沖海戦 [ ] 1944年10月25日の夜明け後、上空警戒機の1機が中将率いる日本の中央艦隊 が接近中であるという警報を発した。 「タフィ3」に真っすぐ向かっていたのは、第二艦隊司令長官海軍中将(旗艦大和) が指揮する第一遊撃部隊(通称 栗田艦隊または 栗田部隊 )であった。 この日の第一遊撃部隊は、戦艦4隻(第一戦隊〈 、〉、第三戦隊〈、〉)、 6隻(第五戦隊〈 、 〉、第七戦隊〈、、、〉)、 二個水雷戦隊(第二水雷戦隊〔軽巡洋艦〈〉、第2駆逐隊〈、〉 、第31駆逐隊〈、〉 、第32駆逐隊〈、〉、島風型駆逐艦〈〉〕、 第十戦隊〔軽巡洋艦〈〉、第17駆逐隊 〈、、〉、第4駆逐隊〈〉 〕)という合計23隻の艦隊編成であった。 スプレイグ少将は「どの艦にせよ、5分間の大口径砲をくらって生き延びる艦はいそうになかった」と回想する。 ジョンストンの砲術士官であったロバート・C・ヘーゲン大尉は後に「我々はを持たないのような気分だった」 と述べている。 ジョンストンをふくめ7隻の駆逐艦は米軍護衛空母6隻と日本艦隊の間をジグザグ航行しつつ、護衛空母を隠すため2,500ヤード(2,300m)以上前方にを展開した。 砲弾が降り注ぐ中で煙幕を張るタフィ3の駆逐艦。 栗田長官ふくめ第一遊撃部隊は、目標が低速のアメリカ軍護衛空母群だったにもかかわらず、敵を高速を発揮する正規空母機動部隊と誤認した。 まず戦艦で射撃を実施、高速の巡洋艦を突出させて敵空母に有効な打撃をあたえ、第二水雷戦隊と第十戦隊の投入は見合わせることにした。 米空母群はスコールに逃げ込み、警戒の駆逐艦は煙幕を展開して退却を掩護した。 米空母群が見えなくなったので、栗田艦隊の戦艦群はアメリカ側駆逐艦(日本側は巡洋艦と艦隊型駆逐艦と誤認)に目標を定めた。 最初の20分間、敵の大型艦が持つ大口径砲はジョンストンのの射程外から攻撃していたため反撃できなかった。 ジョンストンにむけ主砲弾を放ったのは、大和と長門と思われる。 命令を待つことなく、エヴァンズ中佐は陣形から離れると攻撃をかけるべく栗田艦隊にむけ真っすぐ突き進むように命じた。 東側にはさらに3隻の巡洋艦と数隻の駆逐艦が現れた。 距離が10マイル内に縮まるとすぐに、ジョンストンは一番近くにいた重巡洋艦を砲撃した。 また重巡洋艦もジョンストンかと思われる艦から砲撃された。 羽黒側は「敵巡洋艦、敵駆逐艦」(駆逐艦と護衛駆逐艦の誤認)と交戦し、駆逐艦に対して0715に距離1万2100mで三斉射を放ち、命中弾を観測したが煙幕で見失った。 第七戦隊司令官少将座乗の熊野は煙幕を出入りする巡洋艦と駆逐艦(ジョンストン等の誤認)を砲撃しようとしたが、効果的な射撃はできなかった。 の射程内に入り込む5分間、ジョンストンは200発以上の弾を敵に発射し、それから水雷士官ジャック・K・ベックデル大尉の指揮の下で魚雷攻撃を敢行する。 ジョンストンは10本の魚雷を全て発射すると 、反転し濃い煙幕の向こうへ退避した。 大和は主砲と副砲を併用して「〇七二五敵大巡一隻撃沈」を記録するが、これは煙幕に入ったジョンストンを「巡洋艦撃沈」と誤認したと思われる。 午前7時24分、ジョンストンの発射した魚雷1本が熊野の艦首部分に命中した。 艦首を失った熊野は最大速力14ノットとなり、落伍した。 第七戦隊司令官は旗艦を熊野から重巡に変更した。 健在の重巡4隻(第五戦隊〈羽黒、鳥海〉 、第七戦隊〈筑摩、利根〉 )はアメリカ軍駆逐艦や空襲に対処しつつ、ひきつづき米空母群を追撃した。 第五戦隊は大型巡洋艦(ジョンストンと推定)と交戦しつつ米空母群を追撃した。 この頃、ジョンストンには大和主砲46㎝砲弾と大和副砲の15. 5㎝砲弾 、あるいは羽黒の20㎝砲弾がふりそそいでいた。 6インチ(約16㎝)砲弾が後部煙突に1発、艦橋に2発が命中し 、続いて戦艦からの14インチ(36㎝)砲弾3発も被弾した。 ジョンストンの先任将校は「まるで子犬がトラックにひきつぶされるようであった」と回想している。 日本側の砲弾はだったので駆逐艦の薄い装甲に命中しても突き抜けてしまい爆発しなかったが、ジョンストンも「損傷なし」というわけにはいかなかった。 14インチ砲弾は左舷の機関歯車と、後部にそれぞれ命中し左舷推進軸が停止した。 この損傷により速力は17ノットに低下した。 さらに操舵機と5インチ砲3基への動力が失われ、は役に立たなくなった。 低く垂れこめたが現れたため、ジョンストンは逃げ込んで数分間応急修理と復旧作業を行った。 艦橋内は死傷者が横たわり血の海となっていた。 エヴァンズ中佐は破片によって上半身が傷だらけになり、さらに左手の指2本を失ったが、傷口を自らで覆うと駆け付けた救護班に対し、自身に構わず他の負傷者を看るように命じ指揮を継続した。 7時50分、スプレイグ少将は駆逐艦に対して魚雷攻撃を命じた。 ジョンストンは機関に損傷を受けていたが、他の駆逐艦を砲撃で援護しつづけた。 煙幕から現れた時、危うく USS Heermann, DD-532 と衝突しそうになった。 8時20分、煙幕から抜け出たジョンストンは左舷方向わずか7,000ヤード(6,400m)の距離に金剛を発見し、それに向かって45発の5インチ砲弾を浴びせかけ上部構造物に複数の命中を記録した。 金剛からの主砲による反撃は全て外れた。 つづいてジョンストンは敵巡洋艦に砲撃されている護衛空母 USS Gambier Bay, CVE-73 を確認し、砲撃をガンビア・ベイから遠ざけるべく巡洋艦に攻撃をかけ、重巡洋艦に対して4発の命中を記録した。 米空母群に接近した第五戦隊(羽黒、鳥海)の周辺には着色された巨大な水柱が立ち 、この頃に被弾した鳥海は落伍した。 さらに、ジョンストンは日本のが護衛空母群へ急速に接近しつつあるのを視認し、阻止を試みる。 この水雷戦隊は、第十戦隊司令官少将が指揮する軽巡洋艦(第十戦隊旗艦)と第17駆逐隊司令大佐指揮下の陽炎型駆逐艦4隻(浦風、磯風、雪風、野分)であった。 0848、木村司令官は「空母二隻 我ヨリノ方位二一〇度二〇,〇〇〇米 我空母二隻ニ突撃ス」と報告し、各艦に魚雷戦の準備を命じた。 第十戦隊が魚雷を発射する前、ジョンストンは先頭の軽巡洋艦と交戦し12発の命中弾 を観測して進路を妨害すると 、後続する陽炎型駆逐艦(第17駆逐隊司令駆逐艦)と戦って命中弾を観測した。 矢矧はジョンストンに対してまずを発射し 、続いてジョンストンの行動を魚雷発射とみて右舷側に回避行動をとった。 第十戦隊の右側への回避行動は第二水雷戦隊(司令官少将)の進撃を妨げる結果となり 、二水戦は空母群への射点につくことができなくなった。 前述のように、ジョンストンは既に魚雷を撃ち尽くしていたが第十戦隊(矢矧)は「ジョンストンが魚雷を発射した」 と誤認したのである。 旗艦が回避行動をとったのをみて、後続の第17駆逐隊も矢矧同様に右側へ回避行動をとった。 態勢を立て直した矢矧は0905に魚雷7本を発射、つづいて敵駆逐艦に砲撃をくわえ0900に爆発し0915に沈没したと記録している。 この駆逐艦は USS Samuel B. Roberts, DE-413 であった。 交戦中、矢矧の右舷士官室にジョンストンの主砲1発が命中した。 第17駆逐隊は0915から0923までに距離1万メートルで魚雷約20本(浦風4、磯風8、雪風4、野分推定4)を発射したが 、命中しないか 、艦砲射撃や艦載機の銃撃で爆破された。 第十戦隊は「エンタープライズ型空母撃沈1、沈没確実1、駆逐艦撃沈3」を報告した。 ジョンストンは被弾によって2番砲が破壊され、3番砲直下にも命中弾を受けた。 動力が失われているため揚弾機は使えず、1発あたり54ポンド(24. 5kg)ある砲弾を乗員が弾薬庫から人力で担ぎ上げた。 艦橋は40mm機関砲用即応弾庫への被弾によってもたらされた火災と爆発によって惨状をさらしていた。 ジョンストンの艦尾に移り指揮を継続していたエヴァンズ中佐は、手動で舵を動かす乗員たちへ開け放ったハッチ越しに命令を叫んでいた。 主砲塔の一つでは、一人の砲手が「もっと砲弾を!もっと砲弾を!」と叫んでいた。 いまだジョンストンは、生き残っている5隻の護衛空母に日本の巡洋艦と駆逐艦が到達するのを防ぐため戦っていた。 奮闘するジョンストンにも9時30分までには最期の時が訪れようとしていた。 ヒーアマンは護衛空母を守りながら南へ撤退し、護衛空母ガンビア・ベイと駆逐艦 USS Hoel, DD-533 の2隻は既に海面上になく 、サミュエル・B・ロバーツは矢矧にとどめをさされて沈没した。 米空母群に魚雷を発射したあとの第十戦隊は、再びジョンストンに狙いを定めた。 矢矧はを撃ちこんだ。 0930の時点でジョンストンは沈没しかかっており、乗組員の一部は脱出しつつあった。 矢矧はジョンストンを砲撃したあと、麾下駆逐艦にジョンストンを砲撃で処分するよう命じた。 第17駆逐隊(浦風、磯風、雪風、野分)はジョンストンを包囲すると 、集中砲火を浴びせた。 同時刻、栗田部隊から落伍していた重巡洋艦も距離18km先に日本側水雷戦隊(第十戦隊)と米軍防空巡洋艦らしき1隻との交戦を目撃、12. 4kmに接近して20㎝砲40発を発射した。 鈴谷側は、至近弾により目標の傾斜が増大するのを確認した。 9時45分にエヴァンズ艦長は総員退艦を令し、10時10分にジョンストンは転覆した。 一隻の日本の駆逐艦が接近し、炎上するジョンストンの艦体に止めの砲撃を加えた。 ジョンストンの生存者は、その駆逐艦が爆雷や機銃で彼らを殺傷するのではないかと心配し、実際に艦橋にいる艦長が対空砲の方を向いて何かを指示するのが見えた。 だが生存者の予想に反し、艦長は漂流する生存者に向き直ると直立不動の姿勢で彼らに敬礼を送った。 また、その駆逐艦が通り過ぎる際に1人の乗員が何かを投げていった。 誰かが手榴弾だと叫んだが、生存者の一人であったクリント・カーター(5番砲班長)が漂うその物体に近寄ってみたところで製造されたトマトの缶詰であり、3年前の日米開戦直前に日本へ輸出されたものであった。 日本側の証言にも、駆逐艦の寺内正道艦長(中佐)が咄嗟にジョンストンに対し発砲した機銃手(照準調整のため2射したのみで命中せず)に向け「酷いことをするな」と怒鳴り、攻撃中止を命じたことが伝えられている。 雪風艦橋にいた柴田正(雪風砲術長)は「艦橋にいた我々は敵勇者の最後を弔って挙手の礼を捧げた」と回想している。 雪風はジョンストンの兵が救命ボートを下しているすぐ傍をすれ違い、田口康生(雪風航海長)は「お互いの顔まで見えた」と語った。 そして多くのジョンストンの生存者が生涯忘れられない光景を目にした。 日本の駆逐艦の艦橋で、ひとりの士官が直前まで仇敵だったジョンストンが波間に沈んでいくのをじっと見ていた。 その誇り高き船が姿を消した時、この日本の士官は手を帽子のひさしにあてて直立の姿勢をとった. 敬礼したのだ。 There on the bridge-wing of the Japanese destroyer, an officer stood watching as Johnston, his mortal enemy of just moments before, slipped beneath the waves. As the noble ship went down, this Japanese officer lifted a hand to the visor of his cap and stood motionless for a moment. salutin. " — トマス・J・カトラー『The Battle of Leyte Gulf 23-26 October 1944』 第17駆逐隊をふくめ日本艦隊は去っていったものの、2隻の救命ボートと2隻の筏に分乗したジョンストンの生存者は長時間の過酷な漂流を強いられることになった。 友軍のが彼らを発見したものの、通報した位置が間違っていたため救助隊が全く異なる場所を捜索していたからであった。 漂流中、ジョンストンの生存者はの襲撃や衰弱、体温より低い夜間の海水温によるといった脅威に耐えねばならず、途中で力尽きる者もいた。 自軍の生存者を探す日本の駆逐艦が接近してきたことが一度あったが、のにおける厳しい扱いの噂を聞いていたため息をひそめてやり過ごした。 生き残った者はジョンストンの沈没から3日後の早朝に(LCI)に発見され、救助のうえでに収容された。 ジョンストンの全乗員327名のうち生還したものは141名だった。 186名が戦死した。 そのうち約50名は戦闘によって命を落とし、45名が負傷により漂流中に死亡、艦長エヴァンズ中佐を含む残り92名は退艦したものの行方不明となった。 受章等 [ ] ジョンストンは生涯で合計6個の ()を受章し、ジョンストンを含む第77. 3任務群はサマール島沖における勇敢な戦いから ()を受章した。 また戦死したエヴァンズ中佐はを授けられた。 提督は、著書『ニミッツの太平洋海戦史』でジョンストンを含めた米軍駆逐艦を以下のように評している。 およそ古今の海戦史上、スプレーグ隊のちっぽけな護衛隊の各艦のように、強大な相手に立ち向かって一歩も退かず、勇敢に英雄的に、その任務を完全に果たした海軍艦艇は断じてないであろう。 残骸の発見 [ ] 、氏が設立したが、でフレッチャー級駆逐艦の残骸を発見した旨発表した。 記録された沈没位置、外観上の特徴 直前に沈没した同型艦「ホーエル」は迷彩塗装が施されていたが、ジョンストンは単色だった から、ジョンストンのものであると推定している。 残骸はフィリピン海の水深6220メートルの海底にあり、史上最も深い位置で発見された船ということになる。 参考文献 [ ]• 『 砲術艦長黛治夫 海軍常識を覆した鬼才の生涯』〈光人社NF文庫〉、1996年6月(原著1988年)。 『日本水雷戦史』図書出版社、1986年3月。 駆逐艦雪風手記編集委員会『 激動の昭和・世界奇跡の駆逐艦 雪風』駆逐艦雪風手記刊行会、1999年9月。 佐藤清夫『駆逐艦「野分」物語 若き航海長の太平洋海戦記』光人社NF文庫、2004年1月(原著1997年)。 重本俊一,他『陽炎型駆逐艦』光人社、2014年10月。 、E・B・ポッター『ニミッツの太平洋海戦史』、1962年12月。 戦史室『戦史叢書 海軍捷号作戦 2 フィリピン沖海戦』第56巻、、1972年6月。 防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書 潜水艦史』第98巻、朝雲新聞社、1979年6月。 著、大前敏一訳『Leyte レイテ 連合艦隊の最期・カミカゼ出撃』第5巻、出版局〈第二次世界大戦ブックス〉、1971年3月。 Dictionary of American Naval Fighting Ships. 23 July 2015. 2018年4月13日閲覧。 この記述には、内でとなっている記述を含む。 Cutler, Thomas J. 1994. The Battle of Leyte Gulf 23-26 October 1944. Harpercollins. Cox, Robert Jon 2010. The Battle Off Samar: Taffy III at Leyte Gulf 5th Edition. Agogeebic Press, LLC. Hornfischer, James D. 2004. The Last Stand of the Tin Can Sailors 1st Edition. Bantam Books. Kevin, McDonald 2015. Tin Can Sailors Save The Day! 1st Edition. Paloma Books. (防衛省防衛研究所)• 『昭和19年10月1日~昭和19年10月31日 捷号作戦戦時日誌 4 第10戦隊』。 Ref. C08030039400。 『昭和19年10月22日~昭和19年10月28日 第17駆逐隊戦闘詳報』。 Ref. C08030589300。 『昭和18年2月1日~昭和19年10月31日 第17駆逐隊戦時日誌戦闘詳報 4 』。 Ref. C08030146600。 『昭和19年10月22日~昭和19年10月28日 軍艦矢矧捷1号作戦戦闘詳報 1 』。 Ref. C08030577600。 『昭和19年10月22日~昭和19年10月28日 軍艦矢矧捷1号作戦戦闘詳報 2 』。 Ref. C08030577700。 『昭和19年10月22日~昭和19年10月28日 軍艦矢矧捷1号作戦戦闘詳報 3 』。 Ref. C08030577800。 脚注 [ ] [] 注釈 [ ]• 『戦史叢書98巻』 1979 478頁「付録第二、日本海軍潜水艦喪失状況一覧表」では「伊176の撃沈はハガードとフランクスの爆雷攻撃」とし、ジョンストンの艦名は記載されていない。 連合軍側は栗田艦隊のことを「中央隊」 と呼称する。 第一戦隊司令官中将座乗。 この日の大和は第二艦隊旗艦と第一戦隊旗艦を兼ねる。 第五戦隊旗艦だった重巡は前日の空襲で損傷、戦場を離脱。 第五戦隊司令官は羽黒に将旗を掲げていた。 10月23日、米潜水艦の襲撃で所属していた第四戦隊が壊滅 、健在の鳥海は第五戦隊の指揮下に入っていた。 第2駆逐隊所属の駆逐艦は 、損傷と戦艦救助のため別動中。 第31駆逐隊所属の駆逐艦とは 、重巡を護衛して別動中。 第17駆逐隊所属の駆逐艦は 、損傷と戦艦救助のため別働中。 第4駆逐隊所属の駆逐艦野分は、本作戦では第17駆逐隊司令の指揮下で行動。 、、は第一遊撃部隊第三部隊 西村部隊 に所属して別働。 「」に出てくる、少年がで巨漢を倒したという話になぞらえたもの。 重巡洋艦鈴谷はアメリカ軍機の爆撃により機関部に損傷を受け、最大発揮速力23ノットに低下していた。 サマール沖海戦開始直後、アメリカの護衛空母群は日本戦艦の主砲弾が着色弾であり、水柱が各種の色で染まっていたと記録している。 ホワイトプレーンズ乗組員は「彼等はテクニカラーで射撃している」と叫んだという。 一連の交戦において、ジョンストンの矢矧に対する砲撃は、矢矧士官室に1発命中。 出典 [ ]• navsource. org. 2018年12月2日閲覧。 , pp. 137-138勇敢なタフィ隊の駆逐艦• 292-294日本駆逐艦の雷撃• 3 0925より0934まで 「艦首駆逐艦我ニ對シ砲撃 我砲戰ヲ開始ス/我主砲彈命中ス/今左九〇度ニ傾斜シツヽアリ 五五七号 /左九〇度ノ鳥海ニ對シ「我矢矧」」• , p. 141aジョンストンの終末• , pp. 342a-344駆逐艦の第二次反撃• 478付録、伊176• , pp. 338-345付記、米軍の戦闘状況• , p. 338. マッキンタイヤー『Leyte』 1976 24頁など。 , pp. 284-285突然の遭遇• , p. 298-301突如、米空母と遭遇• , p. 336サマール沖海戦• , pp. 119-123水平線上に栗田艦隊• 木俣滋郎『日本水雷戦史』513-514頁• 木俣滋郎『日本水雷戦史』509-510頁• 木俣滋郎『日本水雷戦史』515-516頁• 木俣滋郎『日本水雷戦史』509-510頁• 木俣滋郎『日本水雷戦史』515-516頁• , p. 297挿図第28、Y12索敵配備• , pp. 249-250. , p. 126. , p. 339. , p. 340. , pp. 127-128栗田中将判断を誤る• , pp. 517-518• , pp. 302-303. 304. 341. , p. 128. , p. 288. , p. 255. 316-317. , p. , p. 129. 256. , pp. 315-317第七戦隊の進撃、「熊野、鈴谷」の落伍• , pp. 317-319第五戦隊の進撃開始• , p. 319「筑摩」と「利根」の進撃• , p. 257. 289. , p. 131. , p. 48-49. , p. 50-52. , p. 342b. , p. 134. , p. 291. , p. 福田弘『サイパン・レイテ海戦記』287頁• , pp. 262-263. , pp. 522a-523米空母に魚雷発射 十月二十五日• , p. , pp. 332b-334米空母群を追跡、駆逐艦に阻止される• 333. 2「敵砲撃ノ弾着近トナル 主砲之ニ對シ砲撃開始ス/敵空母飛行機発進中/再ビ弾着近トナル屡挟叉サル 一ハ士官室ニ命中ス/魚雷発射用意 敵空母二隻ハエンタープライズ型」• 344. 293. 1「〇八四九| | | |左三〇度驅逐艦ニ對シ高角砲打始ム」• 1「〇八五〇|矢| |旗|我群稍右ニ廻避ス|敵駆逐艦魚雷発射スルヲ認ム」• , pp. 520-521. , p. 523aサマール島海戦陣形図 2• 334. 265. , p. 522b. 523b. 11-12「〇九一五|浦風 四本 磯風 八本 雪風 四本 野分 発射本数不明 ノ順ニ発射 以下略 」• , pp. 260-262. , p. 266. 141b. 524. , p. 337. 12「〇九三〇|敵艦 五五七号 大火災航行不能乗員ハ海中ニ飛込ツツアリ 以下略 」• , p. 341. 334-337. 26「 司令官 10S|二五日〇九三七 10S|砲撃ニ依リ駆逐艦ヲ處分セヨ|〃 信号 」• 9 昭和19年10月25日項• 329-330「鈴谷、熊野」の行動• , p. 348. , p. 63-64. 320頁、440頁• 235• 453頁• , p. 243. , p. 65-78. , p. GeekWire. 2019年11月1日閲覧。 関連項目 [ ]• 外部リンク [ ]• 第二次世界大戦でアメリカ駆逐艦が戦闘で負ったダメージに関する詳細なレポート。
次の