そもそも「蒙古斑」って? 蒙古斑とは、 「黄色人種」と呼ばれるアジア人(日本人を含む)の幼児に多くに見られる、青いアザのことを言います。 日本人では約90%の幼児に蒙古斑が見られるといわれており、 生まれてから約1週間~1ヶ月頃までの間に出現することが多いです。 蒙古斑ができるメカニズム 蒙古斑のもととなっているのは、シミやそばかすなどにも大きく関係している 「メラノサイト」というものです。 大人が持っているメラノサイトは、お肌の浅い部分にあるものなのですが、それは胎児期にメラノサイトが、お肌の深い部分(真皮)から浅い部分へと移動したからです。 ところが、この メラノサイトの移動が何らかの理由でうまくいかないと、真皮にとどまったままになってしまいます。 この、 真皮にとどまってしまったメラノサイトが、蒙古斑の犯人なのです。 蒙古斑が出来やすい部位 蒙古斑が現れやすいのは、 お尻や腰です。 というのも、 メラノサイトはお尻や腰の周辺で活発に働くという特徴があるからです。 現れ方も赤ちゃんによって違い、 面積の広い蒙古斑が1か所に現れることもあれば、小さめの蒙古斑があちこちに現れることもあります。 蒙古斑は消える 蒙古斑は 成長と共に徐々に消えていきます。 平均すると、3~5歳で消えてしまう子供が多いのですが、遅くても10歳までには消えるので、特に治療を受ける必要はありません。 背中や足にできた蒙古斑は? では、通常の場合とは違う、背中や足にできた蒙古斑の場合はどうなるのでしょうか。 このような、 お尻や腰周辺ではないところにできた蒙古斑のことを、「異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)」と言います。 異所性蒙古斑の場合も、成長と共に徐々に消えていくことが多いのですが、 通常の蒙古斑と比べると消えにくい傾向があります。 子供としては、異所性蒙古斑があることが理由で、 集団生活の中で周りの目を気にしてしまうこともあるようです。 異所性蒙古斑の治療 異所性蒙古斑は、 レーザー治療を受けることで薄くすることが可能です。 ただ、レーザー照射時には「バチン」とゴムで弾かれたような強い痛みを感じる恐れがあるので、 子供の場合は全身麻酔をしてから治療を行う場合がほとんどです。 そのため、 数日間は入院する必要があります。 健康保険は使える? 異所性蒙古斑の場合は、 健康保険が適用される場合が多いです。 そのため、医療機関や治療法などによっても変わる場合はありますが、健康保険を使って治療を受けることができます。 つまり、 自己負担額は3割までとなります。 あまり気にしすぎないで! ここまで、背中や足にできた蒙古斑が消えない理由や、蒙古斑の対処法などについてお話しさせていただきました。 親御さんとしては、見た目が見た目ですから、「虐待を疑われてしまったらどうしよう…」などと感じてしまって、どうしても蒙古斑が気になってしまうかもしれません。 ですが、 通常の蒙古斑にしても異所性蒙古斑にしても、いずれは薄くなって目立たなくなるものです。 また、心配であれば、専門家に相談したり、必要な治療を受けたりすることも可能なので、あまり気にしすぎないようにしてくださいね。
次の異所性蒙古斑について 6ヶ月の息子がいます。 背中、お尻、足首、肩に蒙古斑がたくさんあります。 特に背中からお尻にかけてはすごい数の蒙古斑で、背中の半分以上が蒙古斑といった感じです。 皮膚科や小児科で相談した のですが、異所性蒙古斑で特に問題はないし、 そのうち消えていくものや薄くなるものだから 小学生ぐらいまでは様子を見るようにと言われました。 でも本当に消えたり目立たないぐらい薄くなるものかと 不安でたまりません。 幼稚園や小学校に行った時にプールとかで上半身裸になったりしますよね。 これが原因でいじめられないかとか、周りに虐待してると思われないかとか いろいろ考えてしまいます。 レーザー治療というものもあると聞きましたが思っているよりすごく 大変な治療とのことでした。 実際に産まれた時に異所性蒙古斑がたくさんあったのに消えてしまった方とかいらっしゃいますか? また、何歳頃から薄くなりましたか? 教えてください。 すいません。 消えたという立場でなく治療中の息子がいるのですが、息子は生まれつき右足全体に蒙古斑があって、すぐに小児科の先生が整形外科を紹介して下さいました。 3ヵ月頃から治療を始めました。 3ヵ月毎に通院していて、今は1歳半になり今度から全身麻酔になります。 1 歳すぎたら暴れたりでちゃんと治療できないので麻酔だそうです。 うちの子は体重が軽いのでいままでは麻酔はしてません。 毎回おお泣きでその日は火傷状態になるので塗り薬に包帯をします。 水ぶくれがひどい数日は包帯をしています。 子はつらいですが、記憶の残らないうちに治療できればと思っています。 治療費も安いので。 お尻以外は消えにくいそうなので、治療をするなら早いうちにと言われました。 通院されている赤ちゃんは結構多いですよ。 小学生になった時に気にせずプールに入って欲しいし、大人になってもあったらコンプレックスになると思うので治療しています。 けっこうな大きさで、産まれた当初は心配でしたが、蒙古斑そのものの大きさは成長しても変わらないので、赤ちゃんの時大きくみえても、成長するとかなり小さくなったように感じます。 薄くはなりましたが、十二歳になった今も残っています。 でも、うちでは「他の子供にはない、あなただけの印だよ。 かっこいいね!!」 と小さい頃から話しかけていたので、いつもとっても誇らしげに蒙古斑を眺めていました。 薄くなってきたら、消えてしまうんじゃないかと逆に不安がっているくらいですよ。 本人がコンプレックスに感じていなければ、いじめられることはないと思いますよ!!.
次のなぜ蒙古斑ができるの?原因は? なぜかというと、メラノサイトが関係しているため なぜ蒙古斑ができるかというと、それは「メラノサイト」という細胞が関係しています。 私たちの皮膚は、表皮、真皮、皮下組織という三層構造になっていて、一番外側の表皮にメラノサイトが存在しています。 メラノサイトは、人間の肌や髪の毛、瞳の色を決める重要な要素となっているうえ、紫外線を浴びると「メラニン色素」を産出して、肌を守ろうとする働きをしています。 メラニン色素には黒と黄色の2色があり、人種によって肌の色が違うのは、この2色の割合が違うためです。 赤ちゃんがママのおなかの中にいるときに、メラノサイトは皮膚の奥の方の層である真皮から皮膚の表面に近い表皮のほうに移動してきます。 このとき、何らかの理由でメラノサイトの一部が真皮にとどまって増えてしまうことがあります。 それが、皮膚の深いところにあるため、青っぽく見えるというわけです。 蒙古斑は日本人特有って本当? 日本人だけにできるわけではありません 普通は、メラノサイトが存在するのは表皮だけで、真皮には存在しません。 ところが、日本人などの黄色人種は、真皮にメラノサイトがとどまってメラニンを産出するため、蒙古斑ができます。 こうした蒙古斑ができるメカニズムについては、実はまだよくわかっていません。 蒙古斑の「蒙古」というのはモンゴルのことなので、名前の通りモンゴル人の赤ちゃんにも見られますし、その他のアジア系民族の赤ちゃんにも見られるので、日本人だけに特有というわけでないのです。 蒙古斑がなくても大丈夫? ない場合もあるので、心配いりません 日本人の赤ちゃんなら誰でもあると思われていますが、中にはほとんど蒙古斑がない赤ちゃんもいます。 蒙古斑の出方や大きさ、色や形はさまざまなので、色がごく薄いとかほとんどない、という場合でもまったく問題ありません。 蒙古斑はお尻以外にもできる?肩・背中・足にもできるの? 蒙古斑は、おもにお尻や腰から背中にかけてできますが、ときには肩や手足、胸やおなかなどにできることもあります。 これを「異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)」といいます。 通常の蒙古斑は成長するにつれてほとんどが消えてしまうのですが、肩や手足などにできた異所性蒙古斑の中には、消えにくいものもあります。 足にできた異所性蒙古斑 異所性蒙古斑は、足や手、肩や腕、胸やおなかなどいろいろな部位にできます。 手にできた異所性蒙古斑 異所性蒙古斑の中でも、範囲が狭い、色が薄いなどの場合は、自然に消えることもあります。 腕にできた異所性蒙古斑 色が濃いめの異所性蒙古斑でも、レーザー治療でかなり薄くすることが期待できます。 蒙古斑はいつ消える? いつまで残るかは、個人差あり 蒙古斑がいつ消えるかは、個人差があります。 お尻や腰、背中にできた通常の蒙古斑なら、2~3歳過ぎからだんだん薄くなっていって、ほとんどが小学校に入るころまで、遅くても12歳ぐらいまでには目立たなくなるか消えるでしょう。 ただ、通常の蒙古斑や異所性蒙古斑の中には、成長しても残ってしまうものがあります。 それでも、色は薄くなっていきますし、健康面で問題はなく病気につながる心配もありません。 服で隠れてしまう場所にあるなら、気にしなくていいでしょう。 蒙古斑は大人になっても残る?蒙古斑が残っていても大丈夫? 大人になっても消えないものはわずか 異所性蒙古斑は消えないものも多いのですが、通常の蒙古斑でも、約3%の割合で大人になっても残るものがあります。 これは「持続性蒙古斑(じぞくせいもうこはん)」と呼ばれ、大きさは直径2㎝くらいの円形のことが多いでしょう。 この場合も異所性蒙古斑と同じく、放っておいても悪性化する心配はありません。 蒙古斑は治療できるの?治療方法は? 蒙古斑は放っておいても心配のないものですが、目立つ場所にあって色が濃いなど気になるときは、傷あとが残らないレーザーによる治療で目立たなくできます。 レーザー治療とは、レーザー光線を当てて、異所性蒙古斑の原因となっているメラニン色素の細胞を壊す治療法です。 異所性蒙古斑はレーザーでの治療効果が期待できますし、一般に皮膚が薄い幼少期ほど良い結果になることが多く、保険もきくというメリットがあります。 ただし、レーザー治療はどこの病院でも受けられるというわけではありません。 まずは、近くの皮膚科に問い合わせてみて、レーザー治療を行っていない場合は治療が受けられる病院を紹介してもらうといいでしょう。 病院が見つかったら、レーザー治療の詳細やいつごろから治療を始めるのがいいのか、期間や費用はどれくらいかなど、医師の説明をしっかり聞いて。 よく相談したうえで、治療を受けるかどうか決めるようにしましょう。 レーザー治療の費用や回数 レーザー治療の費用は病院によっても違いますが、ほぼ保険が適用されるため、1回の照射で数千円から1万円くらいまでが多いようです。 レーザー治療を行う回数は、異所性蒙古斑の大きさや色の濃さで違ってきます。 1回で済むこともあれば、数回の照射が必要なことも。 費用や回数については、よく確認しておきましょう。 レーザーによる治療は、時期が早いほど効果が高いと言われています。 ただ、異所性蒙古斑の場合でもだんだん色が薄くなり、ほとんど目立たなくなることもあります。 そのため、医師によって赤ちゃんのうちの治療をすすめる場合と、10歳ごろまで様子を見るよう提案する場合があるようです。 また、レーザー治療を受けるには、麻酔が必要です。 多くは局所麻酔ですみますが、範囲が広い場合などは全身麻酔が必要になることもあります。 いずれにしても、費用や回数だけでなく、麻酔をするリスクについてもよく説明を聞くことが大切です。 蒙古斑のレーザー治療前 肩から腕にかけてできた異所性蒙古斑。 面積が広い、色が濃いなどの場合は消えないことがありますが、早期のレーザー治療が効果的です。 蒙古斑のレーザー治療後 肩から腕にかけて目立っていた異所性蒙古斑ですが、数回のレーザー治療で写真のように薄くなり、目立たなくなりました。
次の