2020年2月25日更新 2020年2月28日より新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにてロードショー 登場人物も観客もまとめて出口のない袋小路に追い込んでいく、容赦のない語り口 本作はヴィクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」の映画化ではない。 あの有名な小説・映画・ミュージカルと同じタイトルなのは、同じ場所が舞台だからだという。 本家「レミゼ」で孤児の娘コゼットが悪辣な宿屋でこき使われていたモンフェルメイユだが、長らく交通の便が悪かったこともあって、今では貧困層や移民がひしめく犯罪多発地域になっているという。 そしてこの町で生まれ育った監督は、自分たちを取り囲むリアルを映し出すためにこの映画を作ったそうだ。 映画はサッカーのワールドカップ優勝に沸く2018年のパリから始まる。 モンフェルメイユの住民たちも街に繰り出し、お祭り騒ぎに飛び込んでいく。 出自がフランスでなかろうが、何教徒であろうが関係ない。 サッカー最高! フランス万歳! しかし浮かれた熱狂が過ぎ去ると問題だらけの日常が戻ってくる。 物語が動き出すきっかけは、本来なら喜劇としか言いようがないバカげた事件だ。 近隣にテントを張っていたサーカス団が、悪ガキにライオンの子供を盗まれたと怒鳴り込んできたのだ。 ただのイタズラ騒ぎのはずが地元のギャングのメンツ問題に発展し、場を収めるために警察がライオン捜しに奔走するハメに陥るのだ。 本作には、善悪の基準で切り分けられるキャラクターは誰ひとり登場しない。 町を我が物顔で仕切るギャングも、傍若無人に振る舞う警察も、見方によっては決して悪を成したいわけではいない。 しかし環境が彼らの怒りや憎しみを増幅し、不運と悪意と愚かさとが連鎖反応を起こすことで、事態は誰も望んでいない落とし穴へと転げ落ちていくのである。 実際、切羽詰まった苛烈な現実を突きつけられたわれわれ観客に「ああ無情」などと嘆息している余裕はない。 監督の容赦のない語り口は、登場人物も観客もまとめて出口のない袋小路に追い込んでいく。
次の2018年にイギリスBBCによってドラマ化されたヴィクトル・ユゴーの名作『レ・ミゼラブル』がました。 大作映画のような壮大さで視聴者を圧倒したほか、ミュージカルで上演されることも多い同作を 「歌なし」にした点でも注目されました。 そして時は流れて2020年3月15日、 NHK総合で吹き替え版の放送がスタートします! 全8回に渡って地上波放送されることになったのです~! 【『レ・ミゼラブル』ってどんなお話なの?】 『レ・ミゼラブル』の舞台は、フランス革命の影響が残るフランス・パリ。 1本のパンを盗んだたことで19年間監獄生活を送ることになった主人公ジャン・ヴァルジャンを軸に、彼に関わったレ・ミゼラブル(悲惨な人々の意)の姿が描かれています。 【母になる以前のフォンテーヌが描かれる!】 『レ・ミゼラブル』といえばミュージカルのイメージが大きいですが、BBC製作のドラマ『レ・ミゼラブル』最大の特徴は、歌が出てこないところ。 ストーリーに重きを置いた重厚で濃密な作品となっていて、コゼットが生まれる前のファンテーヌの人生や、彼女がなぜシングルマザーとして生きることになったのかなど、 あまり知られることのなかったお話が描かれています。 今回NHK総合で放送がスタートする吹き替え版でジャン・バルジャンの声を担当するのは『名探偵コナン』白鳥警部の声などで知られる 井上和彦さん。 ファンテーヌは映画『スター・ウォーズ』シリーズでレイの声を務めた 永宝千晶さん、ジャン・バルジャンを追う刑事ジャベールは海外映画やドラマで多数吹き替えを担当している 坂詰貴之さんが担当しています。 声優陣も豪華なので、ますます期待が高まる~! 吹替版は2020年3月15日午後11時からNHK総合で放送開始です。 まだ観たことがないという人はもちろん、ケーブルテレビなどですでに視聴した方も、新たな気持ちで鑑賞してみてはいかがでしょうか。
次の『レ・ミゼラブル』 2012 は2012年に公開されたアメリカ・イギリスで合作されたミュージカル映画。 1862年に発表された ヴィクトル・ユーゴーの小説『レ・ミゼラブル』をもとにしたミュージカルを映画化したものです。 キャストには主役のヒュー・ジャックマンをはじめ、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、エディ・レッドメインなど主役級の豪華俳優陣が集結。 1998年版ではジャン・バルジャンとジャベールの関係に焦点が絞られている関係で、劇中にジャベールが身投げをするシーンで映画は終わります。 ちなみに2012版ではジャベールが身投げをしてからも続きます。 『レ・ミゼラブル』 2012 2012年版もヴィクトル・ユーゴーの小説『レ・ミゼラブル』を原作にしていますが、 2012年版はミュージカル化されたものをもとにして製作されています。 つまり、ミュージカルの映画化作品。 そのため原作とは多少違った部分があります。 監獄から出た時、すでに46歳となったバルジャンは人間社会に対して憎悪を抱いていたが、司教との出会い、そして慈愛により生まれ変わる。 以来、マドレーヌと名乗り、産業で成功し、人望を集めて市長となった。 マドレーヌ市長の正体がジャン・バルジャンであると知り、彼を監獄へ送り込もうと執拗に追い掛け回す。 自分の信念が崩壊してしまったジャベールは投身自殺をする。 コゼットという娘がいるが、テナルディエ夫婦に預けている。 工場を解雇されると貧困にあえぎ、売春に走る。 胸の病気を患い、27歳という若さで死んでしまう。 テナルディエ夫婦に預けられていたが、酷い待遇を受けていた。 ファンティーヌから託されたジャン・バルジャンにより引き取られ、美しい女性に成長していく。 暴動による瀕死状態をジャン・バルジャンにより救われる。 命の危機を脱したあと、コゼットと結婚式をあげた。 そのため、日本語吹替はなく、全て英語。 なかにはセリフが歌で吹替がないため、敬遠する人もいるかもしれませんが、それはもったいない! セリフが歌でも十分楽しめますし、本作ではその歌こそが見どころとなっています。 なんといっても 出演者の圧倒的な歌唱力。 感情のこもった抜群の歌唱に惹きこまれます。 なかでもアカデミー賞、ゴールデングローブ賞で助演女優賞を受賞した アン・ハサウェイの演技力と歌唱力はともに圧巻。 ファンティーヌ役として出演したアン・ハサウェイは冒頭部分にしか出ていないのですが、大きな存在感を見せ、自らの境遇を嘆いたシーンが印象に残りました。 助演女優賞を2つも受賞した理由がよく分かりますし、納得します。 『レ・ミゼラブル』 2012 では豪華キャストの圧倒的な歌唱力に注目! 極太な人間ドラマ 『レ・ミゼラブル』 2012 は 極太な人間ドラマが描かれています。 過酷な運命をたどり、愛に生きたジャン・バルジャンの生涯をはじめ、貧困にあえぎ、病で死去するという悲しい運命をたどったファンティーヌ。 宿敵だったジャン・バルジャンに助けられ、自分の絶対的信念が崩壊し、投身自殺をしてしまうという最期になったジャベール。 他にも革命で散った青年たちやコゼットとマリウスの愛が描かれ、 観終わったあとは深い感慨を得ることができます。 それは映画の制作陣が素晴らしかったこともありますが、 やはり無視できないのは原作の素晴らしさ。 原作を読んでいなくても十分楽しめますが、できれば原作を読んでから観るのがおすすめ。 映画では個々のエピソードがほとんどカットされています。 そのため原作を読んでからのほうが登場人物のバックグラウンドがよく分かり、映画をより楽しむことができます。 感慨も一味増すでしょう。 映画レビューサイトでのレビューをいくつかまとめると、 ・「力強く心に響いて、もう感動の嵐」 ・「スケールが違いすぎる。 素晴らしい時間だった」 ・「最高の作品。 ラストシーンは涙が止まらない」 など絶賛の嵐。 低評価な声としては 「歌が多すぎる」というものがありました。 しかし、 「全く抵抗なく観れる」という声も多くあるので、ここは評価が割れるところなのでしょう。 日本のレビューサイトの点数では 5点満点中4. 0と高評価。 ミュージカル映画として高い評価を得ました。 『レ・ミゼラブル』 2012 のまとめ.
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