概要 主人公であるとその妹・の血の繋がった家族のこと。 また、炭治郎が見た『血の記憶』に出てくる竈門家の先祖もこのグループに入ることがある。 炭焼き職人 炭焼き職人の家系であり、家長は代々伝わる耳飾りを付けている。 火に関わる仕事をしているため怪我や災いが起きないように毎年にはヒノカミ様にを奉納する。 この神楽と耳飾りの継承と途切れさせないことはであるらしいが、炭十郎の病死によってその詳細は不明なままである。 鬼による襲撃 幸せが壊れるときには いつも…血のにおいがする 家長の炭十郎が病死した年の雪深い冬の日、長男の炭治郎が正月に向けて家族を養うために麓の村に炭を売りに出掛けた。 売り終わった後には日が暮れていたことから山小屋で暮らす三郎おじさんにが出るから山小屋で休むよう諭されて一晩泊りることとなった。 翌朝に家帰った炭治郎の目に飛び込んできたのは惨殺され、血塗れとなった家族の姿だった。 禰豆子は末っ子の六太を、母の葵枝は次女の花子を、そして次男の竹雄は三男の茂を庇うような状態だった。 長女の禰豆子は辛うじて生き残っていたが鬼に変えられてしまい、鬼の討伐のために派遣されたのから家族の仇を討ち、妹を人間に戻すための道を示され、炭治郎は母と弟妹たちの墓を作り、禰豆子と共に。 そして炭治郎は家族たちを殺し、禰豆子を鬼に変えた鬼の首魁、との戦いに身を投じていく。 死後も家族を見守る 炭治郎や禰豆子が危機に瀕する時や意識を失っている時、鬼舞辻に惨殺された母や弟妹たちが炭治郎と禰豆子を見守り、語り掛けることがある。 特に母親の葵枝は炭治郎に 「置き去りにしてごめんね、炭治郎。 禰豆子を頼むわね」と語り掛け、炭治郎がに追い詰められていた際は禰豆子には 「お兄ちゃんを助けるの、今の禰豆子ならできる。 頑張って。 お願い禰豆子、お兄ちゃんまで死んでしまうわよ」と涙ながらに訴え、・爆血を扱える切っ掛けを与えている。 大正の竈門家 すみれ 赤ん坊 名前不明 炭吉達の娘、炭治郎達との直接的な関係は不明。 産まれたばかりのすみれの下のきょうだい。 母と弟妹たちは生きているがこの作中でも炭十郎が既に故人のため、炭治郎は形見のピアスを付けている。 人気店らしく、炭治郎は朝3時に起床し、パンを千個ほど作ってから朝起きられない禰豆子を抱えて通学している。 タグとしての竈門家 上述の鬼舞辻による襲撃によりの二人きりになってしまった竈門家。 ピクシブでは襲撃以前の幸せな頃の作品、の作品などにつけられる。 炭治郎と禰豆子のみだとのコンビタグが存在している。 関連タグ これから先はの重大なネタバレが含まれます 本誌派以外の者(特にアニメやコミックでこれからを楽しみにしている人達)は閲覧注意.
次の「霞の呼吸」を極めた「霞柱」である彼は、物語初登場時(単行本6巻)からしばらくのあいだは、何を考えているのかわからないような、冷たい印象を読者に与えることだろう。 だがそれにはそれなりのわけがあり、無一郎は、かつて双子の兄(有一郎)を鬼に殺され、自らも瀕死の重傷を負ったためにショックで記憶を失っているのだ。 さらにその後遺症だろうか、鬼殺隊入隊後も、新しく経験したことを次から次へとすぐに忘れてしまうらしい。 『鬼滅の刃(14)』表紙 これはなかなか難しいキャラクター設定であるといえるだろう。 なぜならば、単なる記憶喪失ならまだしも、現在進行形で次々と記憶をなくしていくというキャラが、どうやって鬼殺隊の剣士の仕事を継続できるというのだろうか。 それ以前に、日常生活すらままならないのではないのか。 つまり、日々経験する瑣末(さまつ)なことは忘れてしまうが、鬼を殺すために必要な情報だけは忘れない、ということだろう。 だから彼は、「お館様」を敬う気持ちや鬼殺隊の使命、そして、「霞の呼吸」や日々鍛錬して身につけた剣技を忘れることはないのだ。 というよりも、隠れ里を急襲した上弦の鬼との戦いの最中に、彼は失われた記憶(=自分)を取り戻し、さらには剣士としてひと回りもふた回りも大きく成長するのだった(そして炭治郎がいっていたことが、かつて亡父がいっていたことと同じだということも思い出す)。 この、「成長する余地がまだある(あった)」というところが、時透無一郎の魅力を、他の「柱」たちのそれとはまたひと味違うものにしているのは間違いないだろう。 なぜならば、他の「柱」たちの多くは人間としても剣士としてもすでに成熟しており、彼(彼女)らが炭治郎のがんばりを見て何かに気づかされることはあっても、それは成長ではあるまい。 これは少年漫画のヒーローとして、極めて重要な要素のひとつである。 要するに、(よりわかりやすくいえば)無一郎が自分を取り戻した瞬間から、読者はみな彼のことを応援せざるをえないだろう、ということだ(それを「キャラが立つ」といいかえてもいい)。 さて、この時透無一郎だが、物語が進むにつれ、実は上弦の壱・黒死牟の子孫だったということがわかる。 黒死牟は、もともと「月の呼吸」を使う鬼狩りのひとりでありながら、自らの心の闇(と鬼舞辻󠄀無惨の悪魔の囁き)に負けて鬼になった戦国時代の剣士である。 「継承」がある種のテーマである本作において、このふたりのキャラクター設定は何を意味するのだろうか。 それはたぶん、この世には血のつながりよりも強いものがある、ということではないだろうか。 その証拠に、鬼殺隊と上弦の鬼との最終決戦の場になった無限城の一角で、無一郎は黒死牟に冷たくこう言い放つ。 「何百年も経ってたら お前の血も細胞も 俺の中には ひとかけらも残ってないよ」。 だから、俺はあくまでも鬼殺隊の一員として、先人たちから受け継いだ技をもって、人に害をなすお前を倒す、というわけだ。
次の炭治郎は、初めての経験だった。 これほど強い人達に会うことも。 特に強いのは、身体中に傷をつけて自分の目の前で血を流している男。 それに白い蛇を首に巻いている、口を包帯で隠している男。 その二人からは敵意ではなく、殺意と言ったほうがいいか。 物怖じはしない、と言えば嘘になる。 初めてそれほどの殺意を身に浴びたので、当然だろう。 そして……この目の前にいる人達からは、殺意や憎しみだけではなく、悲しみの匂いがする。 自分が鬼になったという自覚がなかった炭治郎。 今ここで初めて、鬼として扱われたことによって、鬼という生物がどれほど哀れな存在かを知った。 これほど強い人達、柱の全員が鬼である自分を憎しみを持って、悲しみを持って接するほど。 炭治郎は生まれて初めて、絶望的な悲しみを背負った匂いを嗅いだ。 自分の血を嗅いだ鬼は総じて、襲いかかってくるか、完全に酔っ払ってふらふらになるかのどちらかであった。 他にもあるが、全て自分の血を嗅いで鬼特有の反応をしていたはずだ。 しかし目の前の、まだ少年に見える鬼はどうだ。 特殊な稀血の匂いで酩酊することなく、正気を失った目もしておらず……。 ただ不死川の目を見つめたまま、涙を流している。 その目から感じ取れる感情は、憐れみのようなものであった。 「おまえェ……! 何泣いてやがる……!!」 不死川は戸惑いを隠そうとしながらそう言うが、普段の不死川を知る人物なら動揺しているのはわかる。 鬼だとわかっていても、12歳や13歳そこらの少年の姿をした者が泣く姿は、弟や妹が居た不死川からしたら居心地が悪い。 鬼の気配も気薄なので、うっかり頭を撫でそうなのを我慢する。 「……貴方から、とても憎しみ匂いがします。 貴方だけじゃなく、柱の皆さん全員から」 涙を拭わずに人間の少年のような鬼は続ける。 「憎しみだけじゃない。 怒り、悲しみ……そして、覚悟の匂いが。 だけど全員の奥底にあるのは、慈悲深い優しい匂い」 「匂いだとォ? 何言ってやがる……?」 匂いで感情がわかるとでも言うのか? それがこの鬼の、血鬼術なのか? そう思っていると、いきなり鬼が自身の服の裾を引きちぎった。 不死川は唐突な行動に警戒し、疑い深く睨む。 そして一歩、不死川に近づいてきた。 やはり口では何を言おうと、鬼は鬼……! ついに我慢できずに襲いかかってきた! そんなことを思ったのだが、鬼は驚くことに自分がつけた刀傷に服の切れ端を巻きつけていく。 誰がどう見ても、それは治療行為であった。 巻きつけ終わり、鬼は不死川の顔を下から見上げながら言う。 「血の匂いなんかよりも、貴方の悲しみや覚悟の匂いの方が強くて……襲う気なんて、全く起きませんよ」 年相応の笑顔を見せた鬼。 普通の鬼のような狂気に塗れた笑みではなく……純粋な、眩しい笑顔。 鬼がするような顔とは、到底思えなかった。 「実弥。 気は済んだかな?」 「っ! はっ……勝手な行動をしてしまい、申し訳ありません」 鬼の行動に呆然としていた不死川だったが、お館様に話しかけられ膝をついた。 「いいんだ。 予想していたことだからね。 炭治郎が実弥の血の匂いに耐えられない、ということは無いとは思っていたけど、それも試したかった。 むしろお礼を言うよ、実弥」 「……勿体無いお言葉」 自分が勝手な行動を取るというのも、お見通しだったということ。 やはりお館様には敵わない。 「他のみんなも、これで炭治郎が理性を保った鬼ということがわかったかな?」 確認するようにお館様が柱のみんなを見渡す。 返事はないが、皆一様に頷いた。 「うん、ありがとう」 その後、不死川が元の位置に戻り、会議を仕切り直した。 「炭治郎の紹介がまだ途中だったね。 炭治郎は、太陽を克服している」 「……は?」 誰がそう呟いたのか、わからない。 しかしそのことを知らなかった者が、全員心の中で思ったことでもあった。 「よもや、それは本当なのですか!?」 「百聞は一見に如かず。 炭治郎、外に出てもらってもいいかな」 「はい」 鬼である炭治郎は日の光を何も恐れることなく、柱の皆が並んでいるところまで出る。 そこはもちろん屋根などなく、日の光が当たっている。 しかし……鬼である炭治郎の身体は何事もなく、日光焼けなど一切始まらない。 完全に、完璧に日光を克服していた。 その様を見て、今日何度目かわからないほどの衝撃が柱の皆に走る。 いづれそういう鬼が出てくるかもしれない、と恐れていたが、まさかこうもいきなり現れるとは。 しかもその鬼が理性を保っており、人を襲わず、上弦の弐を倒すほどの実力者とは、誰が思っていただろうか。 もう何に驚けばいいのか、柱の皆はわからなくなってきた。 「千年間、太陽を克服する鬼は出てこなかった。 だけど今、炭治郎が克服した」 お館様がそう言うと、柱の皆に緊張が走る。 鬼と鬼殺隊の戦いが始まって、千年。 その中で一度も起きなかったことが、今起きている。 「えっと……きぶつじむざんって、誰ですか?」 「あっ……!」 その小さな声は柱の中で唯一の女性、緑と桜色の髪を三つ編みに結っている女性から放たれた。 鬼である炭治郎が、その名を言ってしまった。 鬼は例外なく鬼舞辻から呪いをかけられいて、名前を言うと呪いが発動して死んでしまう。 それを危惧した恋柱が顔をサッと青く染めて小さく声を発したが……特に何も起こらなかった。 「? なんですか?」 「え、えっと、なんでもないですぅ……」 (ああぁぁぁ……! 恥ずかしいわぁ、私ったら。 そうよね、太陽を克服するくらいなら、鬼舞辻の呪いなんて外せて当然よね! だけどあの炭治郎って子、不思議そうに私を見つめる顔が可愛いわぁ……! キュンとしちゃう!) 「鬼舞辻無惨ってのは、鬼の始祖。 全ての鬼が、その鬼舞辻無惨から生まれるんだ。 鬼舞辻無惨の血を人間に与えられることによって、鬼は増えていく」 「そうなんですか……じゃあ、俺が会った鬼がそうかもしれません。 とても濃厚な血の匂いをしていて……上弦の弐という鬼よりも人を殺した数が多いと、匂いでわかりました」 これほど驚愕の情報が多い柱合会議が、今まであっただろうか。 まさか炭治郎が、現代の柱が遭遇したこともない鬼舞辻無惨と出会っていたとは。 「その時の話を、聞かせてくれるかな」 「はい、わかりました」 炭治郎は数日前、鬼舞辻無惨が家に来た時のことを話す。 濃厚な血の匂いをした者が家に来たので、斧を持って対峙したこと。 自分の耳飾りを見て目の色を変え、攻撃を仕掛けてきたこと。 斧を用いて自分の家に代々伝わるヒノカミ神楽で対応して……首を斧で落としたこと。 そして人の名前らしき言葉を叫び、空間に襖が現れその奥に消えていったこと。 その時にかすり傷を負い、そこからおそらく鬼舞辻無惨の血が入って鬼になったこと……。 やはりその話を聞いて、柱の皆は驚きが隠せない。 鬼舞辻無惨と一対一で戦い、かすり傷しか受けなかった戦闘力。 その時に炭治郎が日輪刀を持っていたら、鬼舞辻無惨を殺せたかもしれないという事実。 「首を斬ったんだね? 炭治郎が持っていた斧で?」 「はい、そうです」 「そうか……私が考えていた通り、鬼舞辻無惨は頸を斬っただけでは死なないようだね。 やはり日光しか、無惨を殺す手立てはないようだ」 顎に手を当ててそう言うお館様に、煉獄杏寿郎が声を上げる。 「恐れ入ります! なぜそうなるのでしょうか!? 鬼の少年は斧を使っていたから頸を斬っても死ななかったのであって、日輪刀を用いれば死ぬ可能性はあるのでは!?」 「炭治郎が使っていた斧を調べたところ、日輪刀と同じ素材が使われていたんだ」 「よもや!? まさかそんなことが!?」 「炭治郎、あの斧はどこで手に入れたのかな?」 「確か、街に行った時に古いお店で買ったんです。 昔に作った斧ということで安かったんですけど、すごい丈夫だから」 持つところが木だったら炭治郎の握力で握り潰してしまうから、街に降りた時に買ったのだ。 金属の斧はなかなか見つからなかったが、古い店に一つだけ置いてあった。 全て金属で作られているので普通の人が使うには重く、見た目も錆が多く汚いので、とても安く買えたのだ。 「今は日輪刀の素材が取れる山は産屋敷家が全て買い取っているけど、昔はそうじゃなかった。 だからおそらく炭治郎が持っていた斧は、その時に作られた斧だろうね」 「そうなんですか……」 炭治郎は自分が使っていた斧の素材など気にしなかったが、お館様や柱の皆は違う。 日輪刀と同じ素材で鬼を斬ったということは、本来なら鬼は死ぬはず。 それなのに鬼舞辻無惨は死ななかった。 つまり、頸の弱点は克服しているということだ。 鬼殺隊にとって、喉から手が出るほど価値がある情報であった。 「ということなんだ、みんな。 今後、日光を克服した鬼である炭治郎を無惨が狙ってくる。 つまり、ここ数年で大きな戦いが起こる可能性が非常に高い。 今の情報を活かして、作戦を立てたいと思う」 お館様の言葉に、「御意」と柱の皆が答える。 「そして、炭治郎。 君は今後、無惨に狙われることになる。 だから君と、そして君の家族を鬼殺隊で守りたいと思う。 鬼であるが人を襲わない理性を持っており、人を想って泣ける心を持っている。 そして強さに関しても鬼舞辻無惨を撃退し、上弦の弐を単独討伐している、申し分ないだろう。 「うん、考えておいてほしい」 「……わかりました」 その言葉を最後に、今回の柱合会議の議題は終わった。 お館様の後ろの襖から姿を現したときは相当焦ったが、よく見るとただの鬼。 しかも人間の気配に近い鬼で、鬼になったばかりで弱い。 お館様に止められてハッとする。 お館様が何の考えもなしにただの鬼をこの屋敷に連れてくるわけがない。 話を聞くべきだと判断した。 不死川や伊黒はそれでも殺意を持っていたが。 そしてその後の話を聞くに……地味だと思っていた鬼が、ド派手にド派手。 理性を保っており、人を一切喰わない? 上弦の弐を単独討伐? 鬼舞辻無惨を本来ならば殺していて、かすり傷しか負わずに撃退? そして極め付けは、太陽を克服だと? その形からは全く想像出来ないような、ド派手な野郎だった。 元忍である俺様が、ここまで相手のことを見抜けなかったのは初めてだ。 鬼になる前から鬼舞辻無惨を撃退出来るほどの実力を持っているにも関わらず、それを柱の誰にも悟らせないような気配。 なんとも面白い野郎だ、竈門炭治郎。 次話はコチラです。
次の