アジサイ、大輪だと見ごたえがあります アジサイの花の大きさは品種によってある程度決まっていますが、 お手入れの方法が良いと、大きな花を咲かせることができます。 通常のお手入れよりもやや難しいのですが、 大きなアジサイの花を見ると、苦労が吹き飛ぶはずです。 大きいアジサイを咲かせるコツ アジサイの花を固有種の大きさよりも大きく咲かせるためには、 それだけ樹にエネルギーが必要です。 株がしっかりと健康に育っていることが大前提になります。 通常の水やり、施肥、剪定を適切な時期に行います。 それに加え、育てる枝や花芽を限定し、栄養分が集中するようにします。 そのためには、通常のアジサイの剪定に加えて、 間引き剪定や芽かきが必要になってきます。 生育過程で剪定と芽かきが上手く調和した時にはじめて、 固有種よりも大きな花を咲かせることができます。 大きな花を咲かせる剪定 地植えの花後の剪定 鉢植えの花後の剪定 ・花後の剪定 アジサイは花が終わったとき、 花よりも2節下を切り取って花後の剪定を行います。 大きな花を咲かせたいときには、 来年咲かせる花の数を考慮して剪定を行います。 来年花を咲かせる本数は、今年咲いた花の数と同じか、 2~3割増しまでにするのが効果的です。 花数が多いと、どうしても一つ一つの花は小さくなります。 残す枝は、今年地際から伸びた枝を中心に、勢いのある枝も残します。 残す枝はできるだけ間隔を広くし、株の風通しをよくしておきます。 ・冬の剪定 晩秋になって落葉したら、冬の剪定を行います。 枝咲に太くて丸みのある芽がついています。 これが、翌年に咲く花の芽です。 よく見ると花芽がついていても細くて弱々しい枝があります。 そういった脆弱な枝についた花芽は、 大きな花が咲かないので枝の根元から切り取ってしまいます。 大きな花を咲かせる芽かきの方法 ・夏の芽かき 通常のお手入れでは芽かきはあまり行いませんが、 大きな花を咲かせたいときには芽かきを行います。 花後の剪定を行った後、新しい芽が出てきます。 この時にできるだけ早く、 翌年に咲かせる花の数より少し多い芽を残して芽かきを行います。 残すのは、元気が良くて太くてしっかりとした芽です。 残す芽の数は、翌年咲かせる花よりも10~30%多くします。 生育途中で発育が悪くなったり、 病害虫や風で傷んでしまう芽が出ても良いように多めに残しておくのです。 残しておく芽を選んだら、それ以外の芽は根元から摘み取ります。 芽かきはできるだけ早い時期に行い、 花芽ができる9月までにしっかりとした枝に育てます。 ・春の芽かき 春になると新梢が伸び始めます。 全ての新梢を残していると、栄養分がそこにとられてしまい、 今までの管理が無駄になってしまいます。 地際から出る芽の中で、勢いの良い芽は翌年のために残しておきます。 花芽のしっかりとした芽は残し、弱々しい芽は切り取ってしまいます。
次の紫陽花の剪定 紫陽花はとっても生命力が強いので、挿し木で簡単に増やせるんですよね。 そしてそのまま、紫陽花の自由にまかせて伸びたいように好きなだけほっておくと、ものすごく巨大化します。 つまり、庭に地植えした紫陽花は、毎年マメに剪定していかないと、とんでもなく大きくなりすぎて、こんもりとした紫陽花の葉っぱの中がいったいどうなっているのか、怖くて見たくなくなるんですよ。 って、これは私のことなのですが。 写真ではわかりにくいのですが、この紫陽花は私の背丈をはるかに超えているので、2Mくらいはあると思われます。 昨年は、花の部分を摘み取って剪定したのですが、今年この紫陽花の花が咲いたのは9月になってから。 上の写真は10月上旬に撮ったものですが、紫陽花の向こう側に柿の実のオレンジ色がわかるでしょうか。 季節はすっかり秋なのに、紫陽花が生き生きと咲いている風景もなんだか不思議なものでした。 紫陽花の木質化 巨大化した紫陽花を一回り小さくするのは、なかなか難しい。 来年も紫陽花の花を楽しむためには、花芽を残して剪定しなければならないので、切る部分は紫陽花の花から2~3節目まで。 しかし、紫陽花は脇芽がどんどん出てくるので、来年はさらに一回り大きな紫陽花になっちゃんですよね。 今年は、思い切ってバッサリと紫陽花を切ることにしました。 あまりにも葉っぱの中が密集していて、風通しが悪そうだったので。 植物がなにかしら病気になる原因のひとつは、風通しの悪さなんです。 来年は紫陽花の花が咲かなくてもいいので、決断しました。 そうして、ほぼ葉っぱを落とした紫陽花。 紫陽花の枝はほとんどが木質化していました。 びっくり! 中心部の太い部分は、直径10cm近くはあると思われます。 ここだけみると、とても紫陽花とは思えない。 立派な木ですよね。 古い枝は、皮がぽろぽろと剥がれ落ち、中にはダンゴ虫たちが越冬の準備をしていたんですよね。 いやぁ、申し訳ない。 突然住処を丸裸にされて、いい迷惑だったよね。 思い切ってここまで丸裸にしちゃいました。 古い枝はスカスカで、触っただけで簡単に折れてしまうので、そういう枝はすべて撤去しました。 でもね、枝からはちゃんと脇芽が出てきてるんですよ。 来年は花は咲かないだろうけど、どんな樹形になるか楽しみです。 庭への気持ちをリセットする 紫陽花の剪定をしているうちに、何かが吹っ切れたような感じになりました。 父が遺した庭を、私は同じようにやらなくてもいいんだ!という気持が、突如沸きあがってきたのです。 どこか父に遠慮して、残せる花や木はできる限り残してみようと思っていましたが、「もういいんだよ」と自分の心の中の声が聞こえてきたような気がしました。 自分で何もしないで、業者任せに手のかからない庭に作り替えることも可能でしょう。 しかし、それでは自分の想いもなにひとつ反映されない庭になってしまう。 父が亡くなってから1年以上かけて、自分であちこち庭木をいじってきたからこそ、ここはこうしたい、あの部分はこうしたいという思いがどんどん膨らんできました。 「おまえの好きなようにしていいんだよ」 もし今父に聞いたら、絶対にこう言うと思います。 でもそれは、「自分の想いを込めて好きなようにしていい」という意味だったんだ・・・ということに気付いたのです。 雑草だらけで嫌だ。 落ち葉がたくさんあって嫌だ。 毛虫が大量発生して嫌だ。 だからとっとと庭の木を切って、コンクリートを流したり平板ブロックを敷いて、なるべく手のかからない庭にしたい! 昨年はそんな気持ちだけが前を歩いていました。 もしも昨年、庭を業者任せに造り替えていたら、私はなんの思い入れのない庭を、その後も自分で手入れして維持管理することは絶対無理だったでしょう。 紫陽花をバッサリ剪定したことで、気持ちに踏ん切りがつき、いままでのモヤモヤがリセットできました。 手をかければかけただけ、愛情が沸く。 子どもも庭木も一緒ですね。 我が家の庭も、急がずゆっくり愛情をこめて育てていきたい。 この日から2年後、紫陽花の剪定の仕方についてまとめました。
次のアジサイの花が終わったサインは? アジサイは、花が咲き終わって枯れたら、早めに切り戻すのが基本です。 この写真のように、まわりの萼片がたれて見栄えが悪くなったら、花が終わったサインなので、切り戻しましょう。 アジサイの花後の剪定!どこを切る? 咲き終わったアジサイの花の、剪定する位置は、アジサイの花から2~3節目のすぐ下です。 殺菌した清潔な剪定バサミを使いましょう! 剪定する位置が大事! あえて枯れた花を剪定せずに、そのままにして育てた株がこちらです。 よく見ると、古い花の3節下の部分から、新しい芽が伸びて、今年の花をつけることがわかりますね。 つまりアジサイは、短く切り過ぎると花芽にならず、葉芽になってしまうので、「枯れた花の2〜3節下すぐを切る」というのがとっても大事なんです! 咲き終わったアジサイを剪定をすると…新芽が! アジサイの花を剪定して処理すると、すぐに、切り口のすぐ下の葉の付け根から、新しい芽が伸びてきます。 咲き終わったアジサイを剪定をすることで、翌年も花が咲く! 咲き終わって枯れたアジサイを剪定することで、夏に新芽がどんどんと生長して、秋の始め頃には、その先端に、花芽をつけますよ。 アジサイの品種や目的によって剪定方法や時期が違う! これまで、基本の剪定を紹介しましたが、剪定の仕方は、品種や株の状態、植え場所、目的などによっても異なります。 大株のアジサイの花が終わったら? スペースがある場合には、どんどんと大株に仕立てるのも楽しいものですね。 大株のアジサイの場合は、先ほど説明した、基本の剪定の方法で、花後はなるべく早く切り戻します。 この写真は梅雨の終わり、剪定後の様子。 これからどんどん大きく育ちます。 小さく仕立て直したいときのアジサイの剪定 アジサイを育てていると、株が大きくなり過ぎたり、株姿が乱れたりすることがあります。 その場合には、花後に思いきって、株全体の3分の1ほどまで短く切り戻しましょう。 花芽がつかないので、翌年の花は咲きませんが、再来年には再び見事な花を咲かせてくれますです。 アナベルの花が終わったら?いつ剪定する? コンパクトな株姿が愛らしくて人気の、西洋アジサイのひとつ、アナベル。 ほかのアジサイが秋に翌年の花芽をつけるのと違って、アナベルは年が変わってから、初春に伸びた新芽に花芽がつきます。 そのため、アナベルは冬になってから剪定しても間に合います。 時間の経過とともに、純白の花姿から、しだいに緑色に変わる姿を堪能できますよ。 アジサイの花が終わったら、剪定をして来年も咲かせよう! フローリスト編集部ライター陣 OZEKI:出版社誠文堂新光社にて2005年に編集局に配属以降、主に雑誌、花や園芸文化の書籍編集を中心に担当しています。 有田焼の江戸園芸鉢に夢中! モルモリカ(森田裕子@OfficeWani): ガーデニング・プレゼンター。 出版社編集部にて園芸雑誌の編集に携わった後独立。 出版、広告など、さまざまな媒体で園芸記事を企画・執筆&撮影。 似て非なるものが気になる道具フェチ。 facebook. yagame) 本業は東京都瑞穂町郷土資料館の学芸員。 日々、郷土史に興味をかきたてられるかたわら、国立科学博物館の特別研究生として、ラン科植物の菌根菌について、研究活動を行っている。 趣味は園芸・山歩き・写真撮影……そして与太話。 knowm:植物好きの編集者。 賃貸マンションのベランダをジャングルにして、 酒の肴にしています。 休みの日には植物園や園芸店をうろうろ。
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