更新日:2019年7月31日 イヌマキの害虫「キオビエダシャク」に注意 庭などにイヌマキを植栽しているご家庭では、葉を食い荒らす害虫「キオビエダシャク」に 十分注意して下さい。 大量発生すると薬剤による防除が必要な場合もあります。 キオビエダシャクとは キオビエダシャクの幼虫は頭、尻及び側面がオレンジ色で、他の部分は灰色と黒色のまだら模様をした シャクトリムシで、マキ科のイヌマキとラカンマキ、ナギの葉を食害します。 その他の樹木や人体に影響はありません。 イヌマキの木を揺すると、幼虫が糸を吐いて垂れ下がってきます。 成虫は、全体的に濃い紺色で、羽に黄色の帯がある美しい蛾(ガ)で、昼間飛び回ります。 キオビエダシャク成虫 キオビエダシャク幼虫 防除方法 幼虫の発生が少ない場合は、木を揺すって落ちた虫を捕殺します。 幼虫が大量発生しているときは、薬剤散布が効果的です。 ただし、薬剤散布は幼虫には効果がありますが、 成虫、卵及びサナギには効果がありません。 薬剤は次のいずれかを使用して行ってください。 薬剤散布にあたって注意すべきこと• 1 薬剤散布を行う前には、あらかじめ近所の方にも連絡し、また、周辺の農作物や通行人等に飛散しないように注意しましょう。 2 薬剤散布は、風がないときに、日中の暑い時間を避け、朝夕の涼しい時間帯に行い、薬剤がムラなく葉の裏にもかかるようにしましょう。 (幼虫は葉の裏にもいます。 3 薬剤の使用にあたっては、ラベルの説明書を必ず読んで、記載内容に従って正しく使用しましょう。 4 薬剤の希釈倍数を間違えないように注意しましょう。 (決められた希釈倍数より濃い濃度での散布はできません。 5 薬剤散布を行う際は、薬剤が体に付着しないようにマスク、手袋、帽子、長靴、雨合羽などを着用しましょう。 6 薬剤散布後はただちにうがい、洗眼を行い、また手足等を石鹸で洗い、衣類は下着まで着替えましょう。 自分で薬剤散布ができない場合 自分で薬剤散布ができない場合は、以下の団体にご相談されると、薬剤散布をしてもらえる造園業者を紹介してもらえます。 ただし、業者による薬剤散布は有料となります。 一般社団法人鹿児島県造園建設業協会(電話099-251-0180)• 鹿児島県造園事業協同組合(電話099-244-2478)• 一般社団法人日本造園組合連合会鹿児島支部(電話099-298-9850) 噴霧器の貸し出しについて 薬剤散布を町内会等で共同で行う場合や、散布が広域になる場合は、市が保有する電動式噴霧器や動力噴霧器(背負い式、据置式)の防除機器を貸し出しています。 貸し出しを希望される場合は、谷山農林課、各農林事務所にお尋ね下さい。 (本庁・桜島農林事務所・東桜島農林事務所では、貸し出しは行っておりません。 ) くわしいことについては、最寄の下記事務所へお問い合わせください。 鹿児島市生産流通課(電話099-216-1340)• 鹿児島市農政総務課吉野農林事務所(電話099-243-8746)• 鹿児島市農政総務課伊敷農林事務所(電話099-229-2017)• 鹿児島市農政総務課吉田農林事務所(電話099-294-1217)• 鹿児島市農政総務課松元農林事務所(電話099-278-5429)• 鹿児島市農政総務課郡山農林事務所(電話099-298-4861)• 鹿児島市谷山農林課(電話099-269-8484)• 鹿児島市谷山農林課喜入農林事務所(電話099-345-3761)• 鹿児島市公園緑化課(電話099-216-1368)• 鹿児島市環境衛生課(電話099-216-1300).
次の1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。 投稿者:崎也 - 読んでいてかなり読みごたえのある一冊でしたし、不快な害虫に対する偏見や苦手意識を取っ払ってくれただけじゃなく、不快な害虫のいない快適な生活空間を作っていく参考になりましたし、アース製薬の虫ケア用品にはお世話になっているので、購入しました。 何回読んでも飽きがこないし、アース製薬の虫ケア用品を買い揃えようかなと考えています。 害虫の素顔だけじゃなく、有吉先生はじめ生物研究課の皆さんのお仕事に関心や興味が持てる一冊です。 このレビューは役に立ちましたか? 1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。 ペットの飼育では、様々な文献で飼育方法がみつかるだろうが、害虫の飼育方法はなかなか文献が少ないようである。 しかし大学など、研究機関では飼育が必要になるため、お互い助け合って飼育するのだろう。 個体を分け合ったりなどするようだ。 ヒアリが話題になっていたが、マダニと蚊の対策も早急にする必要があろう。 そんな害虫を飼うなどとは思うが、そこらへんの個体を捕まえると感染したものであるリスクがあるため、純粋な個体が必要なようだ。 スズメバチは危険すぎて飼育できないとのこと。 駆除現場で実験するようだ。 このレビューは役に立ちましたか? 紙の本 好きじゃなくても詳しくはなれる。 投稿者: 銀の皿 - 著者は製薬会社の生物研究科所属。 「虫ケア」商品の研究のための「害虫」飼育が仕事。 本書は「図鑑」の形で虫ごとの形になっているが、著者の経験したことが中心の読み物のでもある。 美術系出身だという著者のイラストも沢山あり、「害虫」しか登場しないが気持ちよく読めた。 それぞれの虫の紹介欄には基礎情報として和名や種類が載っている。 これは普通だが、その他に飼育個体数、飼育の難度が入っているところが本書らしい。 説明文にはそれぞれの虫の特徴や飼育の苦労、会社での裏話など。 飼育方法も「プラケースの中に・・・」と具体的。 人間の健康ブームで一時期餌に混ぜていた物が品薄となって飼育危機(!)になった話はなかなか笑えないが面白かった。 もともと虫が好きではなかったし、今でもきっと「好き」というほどではないのだろう。 でもこんな本にまとめられるぐらい詳しくはなってしまうものなのだな、と妙に感慨深い。 投稿者: melon - アース製薬で実験用の害虫を飼育する仕事をしている著者が、飼育の難易度などを図鑑形式で紹介している本である。 ペットの飼育では、様々な文献で飼育方法がみつかるだろうが、害虫の飼育方法はなかなか文献が少ないようである。 しかし大学など、研究機関では飼育が必要になるため、お互い助け合って飼育するのだろう。 個体を分け合ったりなどするようだ。 ヒアリが話題になっていたが、マダニと蚊の対策も早急にする必要があろう。 そんな害虫を飼うなどとは思うが、そこらへんの個体を捕まえると感染したものであるリスクがあるため、純粋な個体が必要なようだ。 スズメバチは危険すぎて飼育できないとのこと。 駆除現場で実験するようだ。 著者は害虫駆除の一般薬を開発・販売するアース製薬に勤務する女性である。 彼女の仕事は何かといえば、研究開発に用いる害虫を飼育・調達すること。 薬品を販売するには、効能を証明するデータがいる。 これを元に厚生労働省に申請し、認可を得て市場に出すわけである。 「来年の夏に売り出そう」と思ったら、逆算してそれまでにこれこれの試験をしておかなければならないというのがある。 実験部門から、「幼齢期のクロゴキブリを来週中に300匹」とか「薬剤耐性のチャバネゴキブリ、雌だけで200匹」とか要請を受けて、虫を供給するのが彼女たち飼育部門の人々の役割なのだが、得てしてこの依頼が、ぎりぎりに来る。 そんな無茶な!という大量の虫の要望にもなるべく応えられるように、使用されそうな害虫を、常日頃から十分量で飼育しておくのが腕の見せ所である。 そんな業務の中で得られた害虫たちの生態や特徴などを「楽しく」まとめたのが本書である。 タイトル通り害虫図鑑で、ゴキブリ、カメムシ、クモ、アリ、ハチ、蚊、ムカデなど、日本の代表的な害虫が数ページずつ紹介されている。 害虫というと嫌われ者の代表のようで、生命力も強くて飼育も楽だろうと思われそうなところだが、結構大変なのである。 ちょっとした温度の違いで羽化の時期が変わってしまうもの、放っておくと共食いしてしまうので分けなければならないもの、飼育は可能でも繁殖させることが難しいもの。 閉じ込めておくと、自分の臭いが臭すぎて死んでしまうカメムシや、カツオ節に安価なサバ節やアジ節が混ざっていただけでいつも通りには増えないイガなんて話を聞くと、なるほど「きらいになれない」憎めない奴らなのである。 おもしろいことに、著者はこの職に就くまで、大の虫嫌い。 どうしてアース製薬の採用試験を受けたかといえば、地元の優良企業の正社員枠だったからという理由。 入社当初はハエが夢に出てきてうなされたほどの彼女が、どうやって害虫飼育エキスパートになっていくのか、挿入されるコラムもおもしろい。 研究所育ちの虫たちは、基本、病原体を持たない。 そのため、一部の虫たちは、制作会社の依頼を受けて、ドラマなどに出演することもあるそうである。 ドラマのシーンにゴキブリやハエが出てくることがあったら、エンドクレジットをチェックすると「アース製薬」の名前があるかもしれない。 虫の本だが、写真などはなく、全編、表紙と同じイラストレーターのイラストなので、虫嫌いの人でも抵抗なく読めそうである。 「害虫」とはいうが、彼らは彼らとして暮らしてきて、ヒトと虫たちとの生活環境が重なる中で、忌み嫌われるようになってしまったものたちも多い。 とはいえ、病原体を媒介するものやアレルギーの原因となるもの、家屋を侵食するものなどもいるわけで、そうしたものはやはり避けなければならないだろう。 彼らの生態を知ることが、うまく「住み分けて」いくことの一助になるようにも思う。
次の害虫と人間の歴史、昆虫研究の歴史を通じ、自然と人間、自然と社会の関係を問いかける。 昆虫研究がその時代の文化や政治の影響を強く受けてきている様が紹介されており、興味深いものがある。 とくに戦争の影響の大きさには驚かされる。 当農業環境技術研究所の前身である 「農業技術研究所」、さらにはその前身で日本最初の国の農業研究機関であった 「農事試験場」 で行われていた 「昆虫研究」 についても、何か所かで触れられている。 研究の流れを中心に、一部を紹介する。 虫による農業被害は原因が明確のように思えるが、害虫という概念が生じたのは近代になってからであり、江戸時代までは虫害は神罰やたたりと考えられていた。 その結果、防除は神頼みであり、「虫送り」 といった宗教的な方法が行われていたという。 西洋においても、虫は自然発生するという 「虫の自然発生説」 が信じられており、それが否定されたのは17世紀になってからである。 近代になって害虫は排除の対象となり、政府の方針として大規模な根絶が進められることになる。 こうした動きを支えたのが、明治期以降、政府によって整備された科学研究体制であり、1893年(明治26年)の農事試験場(当時は農商務省)の設立は中でも重要であった。 農事試験場に昆虫部が設立されたのは1899年(明治32年)であり、同時に農芸化学部、病理部なども設立されている。 いずれも現農業環境技術研究所の現在の 「研究領域」 のルーツである。 昆虫部における研究は、当初は分類を中心とした基礎的、博物学的な研究が中心で、いわば牧歌的であったという。 おおらかで、逆に言えば直接防除技術に結びつくものではなかった。 しかし、その後の戦争が、昆虫研究を大きく規定することになる。 明治期以降、日本は一貫してコメの輸入国であったが、第一次世界大戦によって輸入が打撃を受けたのを契機に、政府は食糧増産に力を入れるようになる。 そして、農林省は全国規模の害虫研究プロジェクトを開始し、それまでの基礎的(牧歌的)な研究から転換、食糧増産に結びつかないような研究は農事試験場でやるべきではないとして、分類学の研究を禁止さえしてしまう。 戦争と害虫(研究)の深い関係はそれだけではない。 毒ガスと殺虫剤も、因縁ともいえそうな関係にある。 第一次世界大戦で世界の化学工業を牽引(けんいん)していたドイツと戦うこととなった国は、独自に化学工業を育成する必要があった。 日本の化学工業も、第一次世界大戦の影響を受けて発達する。 クロルピクリンは、もともと第一次世界大戦で毒ガスとして用いられたが、シラミや貯蔵穀物の害虫駆除に有効であることがわかり、殺虫剤に転用される。 日本では鈴木梅太郎、山本亮といった農芸化学者が開発に携わる。 青酸は逆に、殺虫剤として使われていたのが毒ガスへと転用されることになるが、青酸殺虫剤 「サイローム」 を開発したのは陸軍であった。 陸軍は毒ガス戦に備えて化学工業を自前で確保する方針を進め、毒ガスの 「平時用途」 の一つとして青酸殺虫剤に目を付けた。 そして、「サイローム」 の開発には、農事試験場の研究者たちも積極的にかかわっていたという。 こうした農薬と戦争の関係について、有吉佐和子は 「複合汚染」 の中で毒ガスと農薬、火薬と肥料などのつながりを論じており、殺虫剤は毒ガスと同じ危険な物質だから使うべきでないという主張を支持するレトリックとして使われるようになった。 その後の「害虫防除」にとって、不幸な話である。 戦争は、衛生害虫の研究にも大きな影響を及ぼした。 戦争を進めるためには(昆虫の媒介する)熱帯病の克服が急務であったため、米国でも日本でも、農業害虫を研究してきた昆虫学者たちが熱帯病を媒介する衛生昆虫の研究に動員され、衛生昆虫学が進歩した。 スイスで開発されたDDTは、米国で軍事用として大量生産され、1945年からは農業用にも利用されるようになる。 こうした状況を、著者は(戦争による)応用昆虫学の再編と呼ぶ。 国家の大規模予算の投入により科学者たちの研究体制、分野、研究内容も変容する。 その結果、新しい殺虫剤が生まれて、害虫をより効率的、大規模に制御することが可能となり、自然と人間の関係も変容していく。 「戦争とは自然と人間との関係を大きく組みかえる営み」 と著者はいう。 戦後まもない1947年、GHQはDDTを全国の農業試験場に配布し、ほ場試験を命じる。 そして、国や府県の農事試験場では、「薬剤試験」 がその主要な業務となり、害虫担当の職員は膨大(ぼうだい)な試験に日夜追われていたという。 薬剤の多用は殺虫剤抵抗性を発生させ、カーソンの「沈黙の春」で指摘されたように生態系のバランスが崩れ、やがて化学殺虫剤だけに頼らない、総合防除という考え方に進んでいくことになる。 (余談になるが、終戦直後、農業技術研究所の昆虫研究が「薬剤試験」一辺倒であったことは、昆虫科内でさまざまな矛盾を生んだ。 その結果、研究の方向(基礎か応用かなど)に関して激しい議論が行われ、農業技術研究所の昆虫研究は方向を転換していくことになる。 ) 目次.
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