バラシクロビルは、2000年から発売されている「バルトレックス」という抗ウイルス薬のジェネリック医薬品になります。 抗ウイルス薬はウイルス感染症の治療に用いられるお薬の事で、バラシクロビルはウイルスの中でも「ヘルペスウイルス」の感染に対して用いられます。 ヘルペスウイルスは口唇ヘルペスや帯状疱疹、水痘(みずぼうそう)など多くの疾患の原因となるウイルスです。 バラシクロビルはヘルペスウイルスに対してどのように効くのでしょうか。 また他の抗ウイルス薬と比べてどのような特徴を持っているのでしょうか。 ここではバラシクロビルの効果・副作用や特徴を紹介し、どのような作用機序を持つお薬でどのような方に向いているお薬なのかについてお話ししていきます。 1.バラシクロビルの特徴 まずはバラシクロビルの特徴について、かんたんに紹介します。 バラシクロビルは• 水痘・帯状疱疹の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV の増殖を抑える作用を持つお薬になります。 同じ抗ウイルス薬であるゾビラックス(一般名:アシクロビル)を改良したお薬であり、高額な先発品のバルトレックスと比べると薬価は安く設定されています。 バラシクロビルはヘルペスウイルスの中でもHSV1、HSV2、VZVに感染した場合に有効な治療薬になります。 バラシクロビルはヘルペスウイルスを「殺す」お薬ではなく、「増殖を抑える」お薬になります。 そのためヘルペスウイルスが増殖しきった状態で投与してもあまり効果は得られません。 ウイルスが増殖しきっていない発症初期に投与する事で高い効果が期待できるお薬になります。 抗ヘルペス薬にもいくつか種類がありますが、バラシクロビルは古い抗ヘルペス薬である「ゾビラックス(一般名:アシクロビル)」を改良したお薬です。 バラシクロビルはアシクロビルの「プロドラッグ」になります。 プロドラッグというのは、体内に吸収され、代謝される事によってはじめて作用を発揮する工夫がされたお薬です。 プロドラッグは代謝されてから薬効が出てくるため、効果が欲しい部位に集中的に効いてくれ、余計な部位では作用しないという利点があり、これは効果を必要部位に集中させ、副作用を少なくする事が期待できます。 実際、バラシクロビルは胃腸内においてはほとんど活性を持ちませんが、胃腸から体内に吸収されるとアシクロビルに変換され、薬効を発揮しだします。 簡単に言えばバラシクロビルは「アシクロビル」という古い抗ヘルペス薬を、より効果的に効くように、より副作用が少なくなるように工夫したお薬だと言っても良いでしょう。 安全性は高く副作用も多くはありません。 アシクロビルも副作用が多いお薬ではありませんが、プロドラッグであるバラシクロビルは更に副作用も軽減されており、安全性にも優れるお薬になります。 またバラシクロビルはジェネリック医薬品であり薬価は安く設定されています。 これは結構重要で、先発品の「バルトレックス」は高額なお薬ですのでバラシクロビルにする事で経済的負担は大分軽くなります。 以上からバラシクロビルの特徴として次のようなことが挙げられます。 【バラシクロビルの特徴】 ・HSV1、HSV2、VZVの増殖を抑える抗ウイルス薬である ・ウイルスを殺すのではなく、増殖を抑える作用を持つ ・発症初期に飲まないと高い効果は得られない ・アシクロビルの改良薬(プロドラッグ)である ・ジェネリック医薬品であり薬価が安い スポンサーリンク 2.バラシクロビルはどのような疾患に用いるのか バラシクロビルはどのような疾患に用いられるのでしょうか。 添付文書には次のように記載されています。 【効能又は効果】 単純疱疹、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制、帯状疱疹、水痘、性器ヘルペスの再発抑制 バラシクロビルはヘルペスウイルスの増殖を抑えるお薬ですので、ヘルペスウイルス感染症に用いられるお薬になります。 しかしヘルペスウイルスの感染であれば何でも効くわけではありません。 実はヘルペスウイルスには多くのタイプがあり、• 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV :水痘・帯状疱疹• エブスタイン・バーウイルス(EBV :伝染性単核球症• サイトメガロウイルス(CMV :サイトメガロウイルス感染症• ヒトヘルペスウイルス6(HHV6):突発性発疹• ヒトヘルペスウイルス7(HHV7):突発性発疹• ヒトヘルペスウイルス8(HHV8):カポジ肉腫 などに分類されます。 このヘルペスウイルス属のうち、バラシクロビルが効くのは、• 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV :水痘・帯状疱疹 の3種類だけです。 そのためこれらのヘルペスウイルス感染と考えられる時にバラシクロビルは用いられます。 ではバラシクロビルはこれらの疾患に対してどのくらいの効果があるのでしょうか。 バラシクロビルはジェネリック医薬品ですので有効性に対する詳しい調査は行われていません。 しかし先発品の「バルトレックス」では行われており、有効率は、• 単純疱疹に対する改善率は99. 帯状疱疹に対する改善率は97. 同じ主成分からなるバラシクロビルもこれと同程度の有効率があると考えられます。 またバルトレックスを投与してから疼痛が生じるするまでの期間を調査したところ中央値は「35日」と報告されており、更に帯状疱疹後神経痛(PHN)に移行した率は24. 3.バラシクロビルの作用機序 バラシクロビルはどのような作用機序によってヘルペスウイルスの増殖を抑えるのでしょうか。 バラシクロビルは抗ウイルス薬であり、ウイルスの中でも一部のヘルペスウイルス感染に効果のあるお薬です。 ではこの作用はどのようにしてもたらされているのでしょうか。 バラシクロビルが効くのはヘルペスウイルス属の中でも、• 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV の3種類になります。 これらのウイルスは私たちの身体の細胞内に侵入すると(これを「感染」と呼びます)、感染細胞中でチミジンキナーゼ(TK)という酵素を産生します。 チミジンキナーゼはヘルペスウイルスのDNA合成に関わっている酵素で、ウイルスが産生したチミジンキナーゼはウイルスのDNAをどんどん合成するため、ウイルスがどんどん増殖してしまいます。 これを食い止めるのがバラシクロビルです。 バラシクロビルはチミジンキナーゼと反応し、バラシクロビル三リン酸(ACV-TP)という物質になります。 このバラシクロビル三リン酸がウイルスのDNAに取り込まれると、ウイルスはDNAを複製できなくなってしまうのです。 この結果、ウイルスは増殖できなくなるというわけです。 このようにバラシクロビルはウイルス性のチミジンキナーゼが存在している「ウイルス感染細胞」にだけ作用するため、正常な細胞には毒性を示さずに効果を得る事が出来ます。 難しく書きましたが簡単に言えば、ウイルスのDNAに作用する事でウイルスの増殖を抑える作用があるという事です。 スポンサーリンク 4.バラシクロビルの副作用 バラシクロビルにはどのような副作用があるのでしょうか。 またその頻度はどのくらいなのでしょうか。 バラシクロビルはウイルスをやっつける目的で投与されます。 となれば、「ウイルスをやっつけるという事は身体にも害があるのではないか」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。 しかしバラシクロビルは安全性の高いお薬であり、副作用が生じる頻度は多くはありません。 もちろん注意すべき副作用はありますが、総合的に見れば安全に使えるお薬と言っても良いでしょう。 バラシクロビルはジェネリック医薬品ですので副作用発生率に対する詳しい調査は行われていません。 しかし先発品の「バルトレックス」では行われており、副作用発生率は1. 同じ主成分からなるバラシクロビルもこれと同程度の副作用発生率だと考えられます。 生じうる副作用としては、• 肝機能障害• 腎機能障害• 腹痛、嘔気 などが報告されています。 頻度は稀ですが重篤な副作用としては、• アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血管浮腫など)• 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、• 播種性血管内凝固症候群(DIC)、血小板減少性紫斑病• 急性腎不全• 精神神経症状(意識障害、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症など)• 中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS)• 呼吸抑制、無呼吸• 間質性肺炎• 肝炎、肝機能障害、黄疸• 急性膵炎 などが報告されており、使用中に異変を感じた場合はすぐに主治医に報告する必要があります。 また副作用ではありませんが、ヘルペスウイルスはバラシクロビルに耐性を形成する可能性があります。 これは、バラシクロビルに抵抗力を持つヘルペスウイルスが現れてしまうという事です。 耐性形成はヘルペスウイルスがチミジンキナーゼやDNAポリメラーゼ(DNAを合成する酵素)を変化させることで、バラシクロビルが作用できないようにしてしまう事で生じると考えられています。 長期間バラシクロビルを投与していると、ヘルペスウイルスが耐性を獲得してしまう可能性があります。 バラシクロビルを投与しても改善が乏しい場合は耐性化している可能性がありますので、効果が乏しい時は漫然と投与を続けるのではなく、別の治療法への切り替えも検討する必要があります。 5.バラシクロビルの用法・用量と剤形 バラシクロビルには、 バラシクロビル錠 500mg バラシクロビル顆粒50% 50g(瓶) といった剤型があります。 またバラシクロビルの使い方は、使用する疾患によって異なってきます。 成人においては、 【単純疱疹】 通常、成人には1回500mgを1日2回経口投与する。 【造血幹細胞移植における単純疱疹の発症抑制】 通常、成人には1回500mgを1日2回、造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。 【帯状疱疹】 通常、成人には1回1000mgを1日3回経口投与する。 【水痘】 通常、成人には1回1000mgを1日3回経口投与する。 【性器ヘルペスの再発抑制】 通常、成人には1回500mgを1日1回経口投与する。 となっています。 小児においては体重によって使用する量が異なっており、体重が40kg未満の場合には顆粒しか適応がありません。 【単純疱疹】 (錠剤):通常、体重40kg以上の小児には1回500mgを1日2回経口投与する。 (顆粒):通常、体重10kg未満の小児には体重1kg当たり1回25mgを1日3回、体重10kg以上の小児には体重1kg当たり1 回25mgを1日2回経口投与する。 ただし、1回最高用量は500mgとする。 【造血幹細胞移植における単純疱疹の発症抑制】 (錠剤):通常、体重40kg以上の小児には1回500mgを1日2回、造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。 (顆粒):通常、体重10kg未満の小児には体重1kg当たり1回25mgを1日3回、体重10kg以上の小児には体重1kg当たり1回25mgを1日2回、造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。 ただし、1回最高用量は500mgとする。 【帯状疱疹】 (錠剤):通常、体重40kg以上の小児には1回1000mgを1日3回経口投与する。 (顆粒):通常、小児には体重1kg当たり1回25mgを1日3回経口投与する。 ただし、1回最高用量は1000mgとする。 【水痘】 (錠剤):通常、体重40kg以上の小児には1回1000mgを1日3回経口投与する。 (顆粒):通常、小児には体重1kg当たり1回25mgを1日3回経口投与する。 ただし、1回最高用量は1000mgとする。 【性器ヘルペスの再発抑制】 (錠剤・顆粒):通常、体重40kg以上の小児には1回500mgを1日1回経口投与する。 となっています。 注意点として小児の性器ヘルペスの再発抑制に用いる場合は、お子様の体重が40kg以上でなければ投与できません。 これは性器ヘルペスにかかる年齢を考えると(中学生以降)、これくらいの体重がある事が普通だからです。 6.バラシクロビルが向いている人は? 以上から考えて、バラシクロビルが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。 バラシクロビルの特徴をおさらいすると、 【バラシクロビルの特徴】 ・HSV1、HSV2、VZVの増殖を抑える抗ウイルス薬である ・ウイルスを殺すのではなく、増殖を抑える作用を持つ ・発症初期に飲まないと高い効果は得られない ・アシクロビルの改良薬(プロドラッグ)である ・ジェネリック医薬品であり薬価が安い というものでした。 バラシクロビルは、• 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV に感染している時に検討されるお薬になります。 長い歴史を持っているゾビラックス(一般名:アシクロビル)の改良薬であるため安心して使えるお薬です。 またこれは多くの抗ウイルス薬に共通する事ですが、耐性化には注意しないといけません。 ウイルスは変異する事があり、これによってバラシクロビルが効かない菌が出現する事もあります。 このような状態でバラシクロビルの投与を続けていても意味はありません。 バラシクロビルを投与しても改善が乏しい場合は、耐性化の可能性も考えて治療方針を再検討する必要があります。 またジェネリック医薬品であるバラシクロビルは先発品と比べて薬価が安いというメリットがあり、これは結構大きいメリットになります。 バルトレックスはとても高額で、1錠400円ほどします。 1日に6錠服用するのであれは2,400円かかる事になり、これは決して安くはありません(もちろん保険適応であれば全額を患者さんが出すわけではありません)。 対してバラシクロビルは先発品の半額ほどに設定されており、経済的に大分安く処方してもらう事が出来ます。 7.ヘルペス感染に効果がある市販薬は? バラシクロビルは病院で処方してもらうしかありませんが、同様の成分を持つお薬で薬局で購入できるものもあります。 始めてのヘルペス感染の場合は、病院を受診し医師に診断をしてもらう事をお勧めしますが、何度も再発している方や病院を受診できないような場合は、このような市販薬を検討しても良いでしょう。 カテゴリー• 247•
次の>抗ヘルペスウイルス薬 価格 50%1g:169. 6円/g 製薬会社• 製造販売元: 効能・効果 用法・容量 効能・効果• 単純疱疹• 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制• 帯状疱疹• 性器ヘルペスの再発抑制 用法・用量• [成人]• 単純疱疹• 通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制• 通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。 帯状疱疹• 通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。 通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。 性器ヘルペスの再発抑制• 通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。 [小児]• 単純疱疹• 通常、体重10kg未満の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回、体重10kg以上の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日2回経口投与する。 ただし、1回最高用量は500mgとする。 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制• 通常、体重10kg未満の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回、体重10kg以上の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。 ただし、1回最高用量は500mgとする。 帯状疱疹• 通常、小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回経口投与する。 ただし、1回最高用量は1000mgとする。 通常、小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回経口投与する。 ただし、1回最高用量は1000mgとする。 性器ヘルペスの再発抑制• 通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。 禁忌 【禁忌】 次の患者には投与しないこと• 本剤の成分あるいはアシクロビルに対し過敏症の既往歴のある患者 副作用 次のような症状がまれにあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血管浮腫等) 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、播種性血管内凝固症候群(DIC)、血小板減少性紫斑病 急性腎不全 精神神経症状 意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 呼吸抑制、無呼吸 間質性肺炎 肝炎、肝機能障害、黄疸 急性膵炎 注意 次の患者には慎重に投与すること 腎障害のある患者[精神神経症状等があらわれやすい。 (「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)] 高齢者[精神神経症状等があらわれやすい。 (「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」、「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照)] 各効能・効果に対し設定された用法・用量で投与した場合、本剤投与時のアシクロビル曝露は、アシクロビル経口製剤投与時よりも高いことから、副作用の発現に留意すること(「重要な基本的注意7. 」及び「薬物動態」の項参照)。 本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること。 なお、目安として、帯状疱疹の治療においては皮疹出現後5日以内に、また、水痘の治療においては皮疹出現後2日以内に投与を開始することが望ましい。 単純疱疹の治療においては、本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。 ただし、初発型性器ヘルペスは重症化する場合があるため、本剤を10日間まで使用可能とする。 成人の水痘の治療においては本剤を5~7日間、小児の水痘の治療においては本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。 帯状疱疹の治療においては、本剤を7日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。 本剤による性器ヘルペスの再発抑制療法は、性器ヘルペスの発症を繰り返す患者(免疫正常患者においては、おおむね年6回以上の頻度で再発する者)に対して行うこと。 また、本剤を1年間投与後、投与継続の必要性について検討することが推奨される。 本剤の活性代謝物であるアシクロビルの曝露量が増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い。 腎障害のある患者又は腎機能が低下している患者、高齢者においては、本剤の投与間隔及び投与量を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。 なお、一般に精神神経症状は本剤の投与中止により回復する。 (「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「過量投与」の項参照) 腎障害のある患者又は腎機能が低下している患者、高齢者、水痘患者等の脱水症状をおこしやすいと考えられる患者では、本剤の投与中は適切な水分補給を行うこと(「高齢者への投与」の項参照)。 水痘の治療において、悪性腫瘍、自己免疫性疾患などの免疫機能の低下した患者に対する有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)。 水痘の治療における本剤の使用経験は少ないため、本剤を水痘の治療に用いる場合には、治療上の有益性と危険性を勘案して投与すること。 意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。 なお、腎機能障害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、患者の状態によっては従事させないよう注意すること(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)。 免疫正常患者において、性器ヘルペスの再発抑制に本剤を使用している際に再発が認められた場合には、1回500mg1日1回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法・用量)から1回500mg1日2回投与(単純疱疹の治療に対する用法・用量)に変更すること。 治癒後は必要に応じ1回500mg1日1回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法・用量)の再開を考慮すること。 また、再発抑制に対して本剤を投与しているにもかかわらず頻回に再発を繰り返すような患者に対しては、症状に応じて1回250mg1日2回又は1回1000mg1日1回投与に変更することを考慮すること。 腎障害のある患者又は腎機能の低下している患者、高齢者では、精神神経系の副作用があらわれやすいので、投与間隔を延長するなど注意すること。 なお、本剤の投与量及び投与間隔の目安は下表のとおりである。 また、血液透析日には透析後に投与すること。 なお、腎障害を有する小児患者における本剤の投与量、投与間隔調節の目安は確立していない。 なお、肝障害のある患者での臨床使用経験は限られている。 性器ヘルペスの再発抑制に対する本剤の投与により、セックスパートナーへの感染を抑制することが認められている。 ただし、本剤投与中もセックスパートナーへの感染リスクがあるため、コンドームの使用等が推奨される。 本剤は、活性代謝物のアシクロビルに変換された後、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高いアシクロビルの血中濃度が持続するおそれがあるので、投与間隔を調節し、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。 また、本剤の投与中は適切な水分補給を行うこと。 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 ] 本剤による性器ヘルペス再発抑制療法中に妊娠し、その後も本療法を続けた場合の安全性は確立していない。 授乳婦への投与は慎重に行うこと。 [本剤投与後、活性代謝物のアシクロビルがヒト乳汁中へ移行することが報告されている(「薬物動態」の項参照)。 ] 低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(低出生体重児、新生児に対しては使用経験がなく、乳児に対しては使用経験が少ない)。 [動物実験(ラット)でバラシクロビルを経口投与したときの活性代謝物であるアシクロビルの曝露量は、成熟動物に比べて幼若動物で大きいことが報告されている。 ] バラシクロビルはアシクロビルのL-バリルエステルであり、経口投与後、主に肝初回通過効果によりアシクロビルに加水分解され、アシクロビルとして抗ウイルス作用を発現する。 プロドラッグ化により経口吸収性が改善され、アシクロビル経口製剤より高いAUCが得られる。 なお、バラシクロビルの消化管吸収にはペプチドトランスポーター(PEPT1)の関与が示唆されている。 吸収 血漿中濃度 6例の健康成人にバラシクロビル500mg又は1000mgを単回経口投与した場合、その活性代謝物であるアシクロビルに主に肝臓において速やかに代謝され、血漿中アシクロビル濃度推移及び薬物動態パラメータは下記の通りであった。 また、バラシクロビル500mgを1日2回(12時間毎)又は1000mgを1日3回(8時間毎)6日間反復経口投与した場合、数回の投与で血漿中アシクロビル濃度は定常状態に達し、トラフ濃度の平均はそれぞれ0. 22~0. 94~1. 83 1. 63 12. 77 2. 41 1000mg 6 5. 08 2. 61 22. 73 3. 27 また、12例の健康成人にバラシクロビル500mg(顆粒剤1g又は錠剤1錠)を単回経口投与した場合、その活性代謝物である血漿中アシクロビル濃度の推移及び薬物動態パラメータは下記の通りであった。 両製剤は生物学的に同等である。 73 1. 38 12. 04 3. 53 錠剤1錠 12 3. 01 1. 43 11. 51 3. 71 バイオアベイラビリティ(外国人における成績) 健康成人にバラシクロビル1000mgを単回経口投与した場合のアシクロビルの生物学的利用率は54. 2%であった。 食事の影響(外国人における成績) 食事により血漿中アシクロビルの最高血漿中濃度到達時間は僅かに遅延したが、AUCに有意な差を認めなかった。 吸収過程における相互作用( in situでの成績) バラシクロビルの吸収過程にはPEPT1の関与が報告されている。 ラット小腸にバラシクロビル0. ヒトにこれらの薬剤の臨床用量を併用投与したときの相互作用は不明である。 代謝・排泄(錠剤での成績) 6例の健康成人にバラシクロビル1000mgを単回経口投与した場合、主な排泄経路は尿中であり、24時間以内の尿中に未変化体、アシクロビル及び9-カルボキシメトキシメチルグアニン(既知のアシクロビルの代謝物)がそれぞれ投与量の0. 4%、43. 1%及び5. 0%排泄された。 ラットにおいて、バラシクロビルの加水分解活性は肝、腎、胃及び小腸粘膜に認められ、特に肝で高い活性を示した。 ヒト肝においても高い加水分解活性が認められた。 In vitroにおいて、本剤の活性代謝物であるアシクロビルは、OAT1又はOAT2、MATE1及びMATE2-Kの基質であった。 その他 血漿蛋白結合率( in vitro) バラシクロビル:13. 5~17. 9%、アシクロビル(活性代謝物):22~33% 乳汁移行(外国人における成績) バラシクロビル500mg経口投与後、アシクロビルの乳汁中Cmaxは、母体血清中Cmaxの0. 5~2. 3倍(中央値:1. 4)を示し、アシクロビルの乳汁中AUCは、母体血清中AUCの1. 4~2. 6倍(中央値:2. 2)を示した。 腎機能障害者における薬物動態 透析患者(クレアチニンクリアランス値平均0. また、4時間の透析により血漿中のアシクロビルは約70%が除去された。 22 2. 00(1. 00-4. 00) 22. 0 249. 09 注)中央値(範囲) 肝機能障害者における薬物動態(外国人における成績) 健康成人及び肝機能障害者にバラシクロビル1000mgを単回経口投与した場合、アシクロビルの薬物動態パラメータに大きな違いは認められず、バラシクロビルは肝機能障害者においても十分にアシクロビルへ加水分解された。 この結果から、肝障害のある患者における用量調節は必要ないと考えられる。 24 1. 50(0. 50-2. 50) 2. 36 17. 45 * 1. 01(0. 75-2. 50) 2. 39 23. 32 1. 50(0. 75-3. 05) 2. 40 22. 21 1. 50(1. 00-2. 00) 2. 30 19. この変化は高齢者での加齢に伴う腎機能低下によると考えられた。 投与5日目の血漿中アシクロビル濃度に反復投与による蓄積性は認められなかった。 46 1. 03(1. 00-4. 08) 16. 99 1. 一般名同一薬剤リスト• アスペンジャパン株式会社 薬剤一覧•
次のContents• 先発1社、後発5社が販売しています 2017年7月現在、バラシクロビル顆粒は以下の通り 先発1社、後発5社が販売しています。 バラシクロビル顆粒「MEEK」(後発:小林化工、 薬価:240. バラシクロビル顆粒「アスペン」(後発【 AG】:アスペンジャパン、 薬価:240. バラシクロビル顆粒「トーワ」(後発:東和薬品、 薬価:240. バラシクロビル顆粒「日医工」(後発:日医工、 薬価:240. バラシクロビル顆粒「明治」(後発:Meiji Seikaファルマ、 薬価:240. バラシクロビルは先発・後発含めて 薬価が高い! 帯状疱疹の患者さんに先発の錠剤を6錠分3で7日分とかで渡すと 「 えっ?こんなに高いの?」って顔をされませんか? そのため、うちの薬局では錠剤の後発品(東和)のみ採用しています。 地味に アスペンジャパンがAG出してる グラクソスミスクライン(GSK)のAGといえばアスペンですよね。 バルトレックスだけでなく、 イミグラン錠やパキシル錠のAGもアスペンジャパンは販売しています。 アスペンジャパンウェブサイト• 棚卸しのために返品してしまったけど、つい先日までうちの薬局にもバラシクロビル顆粒「MEEK」の在庫がありました。 小さい包装を販売してくれるメーカーは大好きです。 正直なところ、顆粒に関しては東和薬品のアピールポイントが少ないと感じました。 実際に味見してみた パッケージは 東和の粉薬でお馴染みの『 正方形アルミの包装』です。 顆粒の 見た目はアレロック顆粒のように丸くて小さい真っ白な顆粒です。 勇気を出して1gを口の中に・・・ 無味! 無味というよりも、 口の中で溶けない顆粒という方がインパクトがあって印象に残っています。 水不溶性ポリマーでコーティングして、苦みをマスキングしているんだって! 今まで味見をしたお薬の中では ムコスタ顆粒も同じように無味で、口の中で味わっても溶けない顆粒なので、同様のコーティングがされていると思われます。 口の中で 長時間味わっているとコーティングが少し溶けるのか、 わずかな苦みを感じるような感じないような・・・という味でした。 無味で口の中でほとんど溶けないので「 中間!」の評価としました。 原薬が苦いらしいので 上手に苦みをマスキングできていると思います。 ただ、 もう一歩進んで差別化した商品を販売してほしいと思うやくちちです。 他社とのこんな差別化はいかが? どこかのメーカーさんで採用してくれないかな~? 42包の包装なんてどうですか? バラシクロビルが顆粒で処方されるケースは大きく分けて2つのパターンだと思います。 (大きな)錠剤が飲めない人 特に 嚥下困難な高齢者に処方されるパターン 上の画像を見ても分かる通り バルトレックスは錠剤が大きいですよね。 (長径:18. 5mm、短径:7. 3mm ) バラシクロビルは先発品・後発品共に薬価が高いので 在庫が極力残らない方法で調剤したいと 小さな薬局は考えます。 今日も読んでいただきありがとうございました。 1回の処方=1箱で対応可能って素敵だと思う。 スポンサードリンク 味見ページのまとめ 味見のまとめページを作ってみたのでよかったら見てね~ 薬剤師ときどき父(やくちち)• やくちちブログの過去記事紹介よかったら見てね~ 【やくちちがオススメする『薬剤師になったら読む本』Best3!】 薬剤師になったら色々な本を読むといいんじゃないかな?って思います。 やくちちのお勧めは・・・• えっ………• なかなかヤバイ会社💦💦💦• 2013年発売の1冊 糖尿病食事療法のための食品交換表 Amazonの売り上げランキング(医療関係)の上位にひっそりといる一冊 薬剤師もこういうので勉強したほうがいいのかな?.
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