「ウイルス感染による鼻炎と同様に、花粉によるアレルギー性鼻炎でも『鼻づまり』と『鼻みず』は同時に発症することが多いので、症状を混同してしまうことも多いのですが、 鼻づまりと鼻みずは病気の仕組みが異なるのでそれぞれに個別の対処が必要です」(近藤先生) そして鼻づまりのもっとも一般的な原因といわれているのが、 鼻の粘膜の腫れによるものだとか。 アレルギー性鼻炎、風邪、ウィルス感染症などにかかると、鼻の粘膜に炎症が生じ、血管の拡張が起こります。 その結果、 鼻の粘膜が膨張し鼻腔が塞がれることで、鼻づまりが引き起こされるのです。 そして鼻づまりになると、残念なことに 味覚が低下します。 風邪を引くと食べ物の味が分かりにくくなるのは、味覚が麻痺したからではなく、鼻が詰まってにおい物質が嗅上皮に届きにくくなり、においが分かりづらくなった結果、味が分かりにくくなるということだそう。 Netter, Atlas of Human Anatomy 4th Edition, Saunders, 2006, P. 37 鼻づまりを一時的に解消する3つの方法 年度末や新年度、お花見などでお食事やお酒を楽しむ機会も増えるのに、鼻づまりになっては美味しさも半減し、とても残念です。 しかしさらに残念なことが。 それは 飲酒で鼻づまりが悪化するということ。 アルコールとアレルギー性鼻炎の関係に関する研究結果によると、アルコールには血管拡張作用があることが判明しています。 つまり、アルコールの摂取は鼻の粘膜が膨張し鼻腔が塞がれることで引き起こる鼻づまりを誘因し、さらには悪化をさせてしまうというのです。 Alcohol alters sensory processing to respiratory stimuli in healthy men and women during wakefulness. Eckert DJ et al. Sleep 2010; 33: 1389-95. Warming of feet elevates nasal mucosal surface temperature and reduces the early response to nasal challenge with allergen, Assanasen P et al. Konno A, et al. Auris Nasus Larynx 1982; 9: 81-90.
次の鼻づまりの正体 鼻づまりって昼間は大丈夫でも夜寝る前に悪化することが多いですよね。 鼻が詰まって眠れない 時に勘違いしがちなのが鼻づまりは鼻水がつまっているものではなく「鼻づまりは鼻の奥にたまった鼻水が全部できってしまえば治るもの」ではないということです。 鼻づまりの正体は鼻腔内の粘膜が腫れていて、空気の通り道が狭くなっていることです。 交感神経は日中に活動するときに働く神経で血管を収縮させる働きがあるのですが、副交感神経は夜にリラックスしてる時や寝ている間に働く神経で血管を広げる働きがあります。 もともと夜になると血管が広がりやすくなる体質に加えて風邪やアレルギー性鼻炎などによって鼻腔内の粘膜が腫れている時は、夜になると鼻づまりがより一層ひどくなるということが起こります。 鼻腔の粘膜が炎症を起こしていて鼻腔が狭くなっている時に夜になって副交感神経によって鼻腔の血管が拡がることで鼻腔がさらに狭くなって鼻づまりが起こるのです。 鼻づまりを放置すると・・・ 鼻づまりはよくある症状なので鼻づまりが出てきてもあまり問題視されず「そのうち治る」と放っておかれがちですが、鼻づまりが悪化すると常に頭が重く感じたり身体がだるくなり注意力や集中力が低下するだけでなく、 他の症状につながることがあるので 鼻が詰まって眠れない 時には早い対処が大切です。 鼻づまりによって口呼吸になることから喉が乾燥しがちになり、喉が炎症して咳が出たり風邪に発展したり二次症状が現れますので注意が必要です。 また呼吸もしづらくなるため寝つきが悪くなるだけでなく「 口呼吸をすると睡眠の質が悪くなる」ことがわかっているので安眠も妨げられて体調不良や精神的なストレスを感じるようになります。 また鼻づまりは、ぜんそくと密接な関係にあるという研究結果が出ています。 ぜんそく患者の約7割が鼻づまりなどの鼻炎症状に悩まされているという調査結果が発表されました。 鼻づまりで口呼吸が続き喉が乾燥している状態が長く続くと喉が慢性的に炎症している状態が続いて咳喘息が発症する原因やもともと喘息の人は悪化する原因になることもあるので注意が必要です。 鼻づまりの原因 アレルギー性鼻炎 日本人の約4割もの人が、アレルギー性鼻炎であるというデータがあります。 鼻が詰まって眠れない 人の中で最も多い原因がアレルギー性鼻炎です。 自分はアレルギーではないという方でもアレルギーというのは一定量のアレルギー物質が体内に溜まった時に発症するため、 大人になってからアレルギーになる方もいらっしゃいます。 鼻から吸い込まれたホコリや動物の毛や汚染された空気の中の化学物質などに対して鼻粘膜が過剰に反応するというのがその正体です。 過剰に反応した粘膜が毛細血管を拡張して炎症を起こします。 鼻の中の粘膜の腫れは空気の通り道を塞いでしまい、鼻づまりという症状になります。 アレルギーには季節性と通年性と 寒暖差アレルギーの3タイプがあります。 季節性と通年性はその名の通りなのですが「寒暖差アレルギー」とは寒い外から暖かい部屋に入った時に急激な温度差が鼻の粘膜にとっての刺激となり鼻水・鼻づまりなどアレルギー症状を引き起こすことです。 大きな温度差が刺激として鼻の粘膜の血管を広げて「粘膜がむくむ」ことにより鼻水や鼻づまりなどのアレルギー症状に繋がる他寒暖差アレルギーは更年期障害でもよく起こります。 鼻中隔弯曲症 鼻の穴の間に仕切りってありますよね。 そこの奥の左右の鼻腔を分けている「鼻中隔」という壁が生まれつき曲がっているため空気の流れが悪いという鼻づまりになりやすい体質の方がいらしゃいます。 鼻たけ 副鼻腔炎による粘膜の腫れがずっと続いたり何度も繰り返し起こることで、粘膜の腫れが戻らなくなったものを鼻たけと言います。 副鼻腔の入り口にできやすく鼻腔内の粘膜にできる鼻たけ(ポリープ)が空気の流れを妨げます。 咽頭扁桃(アデノイド)の腫れ 鼻からの空気の通り道にある咽頭扁桃という部分が腫れて肥大すると鼻での呼吸がしづらくなります。 5~6歳の子供によく起こり、子どもの鼻づまりの原因としては最も多いものです。 また5~6歳の時期にこの症状が続いた人でその後も続いていた方の中には大人になってもこの症状が出る方がいらっしゃいます。 鼻が詰まって眠れない ことが頻繁に起こる方はこれかもしれません。 外部刺激 アレルギー物質以外の異物または辛さなどによる外部からの刺激によっても鼻づまりが起こります。 一時的な鼻づまりの緩和方法 上体を高くした体勢で寝る 平らな状態で寝てしまうとどうしても鼻づまりを起こしてしまいます。 腰から頭にかけてバスタオルやクッションや枕で なだらかな傾斜を作って状態を高くした体勢で寝ると鼻づまりが緩和できます。 この時に頭だけを上げる体勢にならないように注意してください。 頭だけが上がった状態で寝ると喉が圧迫されてそれがさらに鼻腔を狭くして余計に鼻づまりがひどくなる可能性があるからです。 管理人が大学で習った鼻づまりを緩和する呼吸法 1.まずは息をできるだけ深く吸います。 2.次に吐けなくなるまでできるだけゆっくりと息を吐きます。 3.息を止めてそのまま鼻をつまみます。 4.そのまま頭を上下2秒ずつ動かします。 5.4を息が苦しくなるまで続けます。 (我慢しすぎ注意) 加湿器を付ける 空気が乾燥し過ぎていると鼻が詰まりやすくなります。 加湿器をつけて適度な湿度を保つとよいでしょう。 加湿器がない場合は洗濯物を干したりバスタオルを濡らして寝ている部屋に干すだけでも少しの加湿効果があります。 神経のマッサージ 鼻の両脇と頬骨の下に通っている神経を指で刺激すると鼻づまりが緩和されます。 可能であれば 右の鼻がつまっている場合は左側が下になるように、左の鼻がつまっている場合は右側が下になるように横になってマッサージをするのが効果的です。 鼻の両脇と頬骨の下に痛い所がありますのでそれを探して思い切り押します。 ただしそこを押すと鼻水が一気に出ますのでティッシュの用意をしてからすることをおすすめしますよ。 お風呂(浴槽)に入る。 または蒸しタオルを鼻に当てる お風呂に入るのがよいのですが時間がない場合や体調が悪い場合は蒸しタオルを鼻に当てると鼻の粘膜のむくみがよくなり鼻が通りやすくなります。 当てる場所は 鼻の上ではなく、眉間付近に当ててください。 調子がよければ鼻が通るし口呼吸になってしまっても蒸しタオルの効果で、喉がひどく乾燥することもないので喉を傷める心配も減ります。 鼻づまりで眠れない方はぜひ実践してみてはいかかでしょうか。 仕事中など お化粧が気になる方はラップに包んだ蒸しタオルを使うとよいですよ。 辛い物を食べる 辛い物好きな方限定の鼻づまりを緩和する方法です。 鼻づまりで悩む人の中にお風呂に入ったり温かいものを食べたりすると鼻が通ったという覚えがある人がいると思いますが、これは鼻腔が広がったり粘膜のむくみがとれたりして空気が通るようになるからです。 ヴイックスヴェポラッブを頼る 鼻が詰まって眠れない !どうしようもない!という時の最終手段はこれしかありません・・・。 生後6ヶ月から使うことができますので生後6ヶ月未満の赤ちゃんはお使い頂けません。 それでもどうしても鼻が詰まって眠れない時におすすめな です。
次の鼻腔で空気の通り道がなんらかの理由でふさがれると鼻詰まりが起こります。 その理由で考えられるのは次のようなものです。 1鼻腔の粘膜の腫れ 炎症やアレルギーによって腫れが起こっている状態です。 原因となる病気には、鼻炎・副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎、妊娠性鼻炎があり、他に点鼻薬の常用による腫れがあります。 2鼻汁 鼻汁が溜まると空気の通り道が狭くなります。 鼻の粘膜の腫れを伴うことがほとんどなので、鼻詰まりがより悪化します。 原因となる病気には、鼻炎・副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎があります。 3軟骨や骨によって空気の通り道が狭くなっている 鼻中隔が大きく彎曲していたり、鼻中隔の外側にある下鼻甲介が分厚いことなどによって空気の通り道が極端に狭くなっている状態です。 原因となる病気には、鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎があります。 4鼻茸など、鼻腔にできものがある 副鼻腔の骨の中の粘膜や鼻粘膜が炎症で弱くなると、やがて粘膜が腫れてきます。 水を注入されたように粘膜がやわらかく腫れる組織変化を起こしたものが鼻茸であり、副鼻腔から空気の通り道である鼻腔に飛び出すことにより、鼻詰まりを起こします。 鼻茸は腫瘍ではありませんが、薬を服用することで完全に消失する可能性は少なく、手術による摘出が必要となります。 また、特に片方の鼻だけに存在する場合は、良性腫瘍である乳頭腫の可能性があり注意が必要です。 原因となる病気には、副鼻腔炎による鼻茸、乳頭腫、血管腫があります。 5鼻腔に異物が入っている ティッシュの切れ端などが鼻腔内に残っていることで、鼻詰まりが起こっています。 食事中、くしゃみをした拍子に米粒などが鼻腔に入ってしまうことによるものもあります。 異物が入ったまま放置すると、炎症を起こし、強い鼻詰まりや鼻汁の症状が現れます。 幼児の場合は、親が気付かない間に思いもかけないものを詰めていることは珍しくありませんので注意が必要です。 原因となるのは、ティッシュの切れ端などですが、幼児の場合にはごく小さなおもちゃや食べ物などが入っている場合もあります。 6鼻と喉をつなぐ鼻咽喉に腫れがある 鼻と喉の間にある咽頭扁桃が生理的に肥大したアデノイドという病気が代表的なもので、これは3歳~6歳頃までに大きくなり、その後徐々に小さくなっていくと言われています。 大人の場合、まれですが鼻咽腔にがんがある場合もあります。 原因となる病気には、アデノイド、鼻咽腔血管線維腫、上咽頭がん、その他の腫瘍があります。 年代にかかわらず多いのはアレルギー性鼻炎による鼻詰まりです。 世代によって特徴的に多くなるは、乳児期のアデノイド、大人の肥厚性鼻炎や鼻中隔弯曲症、副鼻腔炎です。 青く濃度の高い鼻汁が出る• 鼻汁が喉に回る• 痰や咳が出やすくなった• 片方だけ鼻詰まりする• 左右が交互に鼻詰まりを起こす• 鼻血を伴う鼻詰まり 青く濃度の高い鼻汁が出たり、鼻汁が喉に回り痰や咳が出やすくなった場合には、副鼻腔炎の可能性があります。 片方だけ常に鼻詰まりを起こしている場合には、鼻中隔弯曲症の場合が多く、片方だけに鼻茸ができている可能性もあります。 左右が交互に鼻詰まりを起こす場合は、鼻中隔弯曲症が疑われます。 鼻血を伴なう場合には、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎のほか、鼻内腫瘍の疑いもあります。 これはあくまでも目安ですので、原因を正確に知って正しい治療を受けるためには、耳鼻咽喉科での診察や検査が必要です。 診察では、視診の他、必要に応じてレントゲン検査、CT検査、血液検査、ファイバースコープや電子スコープによる検査を行います。 アレルギー性鼻炎による肥厚性鼻炎 内服薬 アレルギーの治療薬の抗ロイコトリエン薬、抗トロンボキサンA2薬という、鼻詰まりに効果的な薬が開発されていますので、これを数週間以上、指示通りに飲むことで鼻詰まりがかなり改善するケースが増えています。 点鼻液 一般的にはステロイドの点鼻液を使用します。 ステロイドには抵抗を感じる方が多いのですが、ステロイド点鼻液の場合、ほとんど副作用の心配がないといわれています。 常用することで鼻詰まりが悪化してしまうのは、血管収縮剤の点鼻液です(薬剤性鼻炎)。 処置とネブライザーによる治療 鼻汁を吸引して鼻内を清掃し、ネブライザーで鼻内にステロイドや抗ヒスタミン剤を行き渡らせます。 ネブライザーは耳鼻咽喉科にある治療機器で、コンプレッサーによって霧状になった薬剤を鼻腔のすみずみにまで届けますので、点鼻薬を使うより高い効果が得られます。 ただし、通院して受ける必要があります。 こうした薬や処置による治療で効果が見られない場合には、手術を検討する必要があります。 また、こうした治療を受けてもアレルギーが根本的に治ることはないので、治療を中断すると鼻詰まりが再発します。 手術は根本的な原因を解消するものですので、再発と治療を繰り返すより結果的に治療にかける時間や費用を抑えられる場合もあります。 手術 粘膜を減量する鼻腔粘膜焼灼術、アレルギーに関与した神経の過敏性を押さえる後鼻神経凍結手術、切断手術、さらに粘膜の奥にある骨を削る粘膜下下鼻甲介骨切除術が可能です。 副鼻腔炎による肥厚性鼻炎 内服薬 粘膜が一時的に腫れている場合には、抗炎症剤を内服することで効果が出る場合があります。 点鼻液 一時的に鼻詰まりを解消する必要がある場合には、ステロイドの点鼻液を使用します。 ステロイドには炎症を抑える強力な作用があり、ある程度の効果が期待できます。 処置とネブライザーによる治療 鼻汁を吸引して鼻内を清掃し、ネブライザーで鼻内にステロイドや抗生物質を行き渡らせます。 ネブライザーは耳鼻咽喉科にある治療機器で、コンプレッサーによって霧状になった薬剤を鼻腔のすみずみまで届けますので、点鼻薬を使うより高い効果が得られます。 副鼻腔炎による肥厚性鼻炎の鼻詰まりでは、効果にかなり個人差があります。 以上の薬や処置によって鼻詰まりが治らない場合、手術を検討する必要があります。 手術 副鼻腔炎の炎症がある場合には鼻内副鼻腔手術を行い、必要に応じて鼻粘膜焼灼や粘膜下鼻甲介骨切除を行って鼻腔内の空気を通りやすくします。 副鼻腔炎による鼻茸 内服薬 マクロライド系抗生物質、抗炎症剤など副鼻腔炎の内服薬を1~3ヶ月程度服用することで鼻茸が縮小することがあります。 ただし、効果には個人差が大きく、ほとんど効果が現れない可能性もあります。 処置とネブライザーによる治療 鼻汁を吸引して鼻内を清掃し、ネブライザーで鼻内にステロイドや抗生物質を行き渡らせます。 ネブライザーは耳鼻咽喉科にある治療機器で、コンプレッサーによって霧状になった薬剤を鼻腔のすみずみまで届けます。 炎症を抑えるという観点から見れば鼻茸の縮小に効果がある可能性はありますが、ほとんどの場合限界があります。 以上の薬や処置によって鼻詰まりが治らない場合、鼻茸を切除する手術を検討する必要があります。 手術 鼻茸だけ切除する場合と、副鼻腔炎の手術と鼻茸切除を同時に行う場合があります。
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