三菱重工長崎ラグビー部
長崎タータンが襟裏にデザインされたスコットランド代表ジャージーを手にする長崎県ラグビー協会の太田伸二さん＝９月５日午後、長崎市 ラグビーワールドカップ（Ｗ杯）で、ベスト８を懸けて１３日に日本と対戦するスコットランド代表のジャージーには、長崎市ゆかりのデザインが使用されている。 伝統の格子柄の一つに加えられた「長崎タータン」だ。 キャンプ誘致に関わった長崎県ラグビー協会関係者は、Ｗ杯のレガシー（遺産）として絆の象徴になることを願っている。 長崎市とスコットランドの関係は、１６０年前の幕末までさかのぼる。 来日した同地出身の商人トーマス・グラバーが、長崎で日本の近代化に貢献。 その邸宅は「旧グラバー住宅」として、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」にもなっている。 長崎タータンがデザインされた伝統衣装のキルトを着てグラバー園を訪れたスコットランド代表選手ら＝９月１５日午後、長崎市 スコットランド伝統の格子柄は全てのデザインが登記所に登録管理されている。 スコットランド協会は１６年に友好関係を記念した「長崎タータン」を作り、正式登録後、長崎市に寄贈した。 デザインは、県協会のチームカラーである緑をベースに、長崎市の花アジサイとスコットランドの花アザミに共通する紫色を使用。 今大会の代表ジャージーの襟裏にも採用された。 スチュアート・マキナリー主将（２９）は「長崎の温かい応援を身近に感じて力強い」と親しみを込めた。 太田さんは「長崎タータンがレガシーとして、高校の制服など市民に身近なものになってほしい」と期待し、試合の勝敗に関係なくＷ杯後も交流が続くことを願っている。 「グラバーからのキックを僕たちは受け取った。 このパスを未来につなげなければならない」。 太田さんは力を込めた。
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