妊娠したらつわりというイメージがありますが、頭痛はあまり聞いたことがなく不安になる人が多いようです。 そこで、産婦人科医の竹内正人先生に、妊娠初期のつわりと頭痛との関係について、お話をうかがってみました。 頭痛は、妊娠初期によくある症状のひとつ 妊娠初期は、ホルモンの影響で、母体の血管が拡張しやすい状態にあり、その影響で頭痛が起こることがあります。 これもつわりの一種のようなもの。 つわりは、吐きけがする、食べていないと気持ち悪くなる、においで気持ちが悪くなる、食欲がない、これらの症状がよく聞かれます。 頭痛はつらいと思いますが、ホルモンの影響によるものなら、つわりが終わるころと同じくらいに、または妊娠経過が進むにつれて、症状は自然に治まってくることがほとんどです。 チェックしておきましょう。 妊娠前から頭痛持ち 妊娠前から頭痛持ちの人の場合、頭痛が減ったという人もいる一方で、妊娠してから頭痛の頻度が増えた、頭痛がさらに強くなったという人もいます。 妊娠前から服用していた薬は、市販薬も、病院から処方されていた薬も、自己判断で服用するのはやめましょう。 頭痛でかかりつけの病院があるなら、その主治医に報告し、今後どうすべきか聞いてください。 風邪 妊娠中は免疫力が落ちるので、風邪もひきやすくなります。 妊娠中は重症化しやすいので、無理をせずしっかり体を休ませましょう。 ストレス 妊娠した喜びがある一方で、仕事のことや今後のことを考えて不安になってしまう人も。 不安を解消するのは、それほど簡単なことではありませんが、人に気持ちを聞いてもらうだけでも違います。 夫や友人、先輩ママなど、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。 肩こり、目の疲れからくる頭痛 スマホやPCなどで、姿勢が悪くなったり、視力の使いすぎで頭痛が起きてしまうこともあります。 妊娠中はとくに目が疲れやすい傾向にあるので、なるべく目を休ませる時間をつくったり、丸まった肩を広げるなどして、目や肩周辺の筋肉などをほぐしてあげましょう。 ちなみに、肩こりなどがあっても、湿布薬の中には、妊娠時期よってはおなかの赤ちゃんへの心配な成分が入っているものもあります。 勝手に市販の湿布薬を使うのは、妊娠中はNG。 湿布薬などがほしい場合は、産科医に相談しましょう。 高血圧 「妊娠中は突然高血圧になる場合もあり、とくに注意が必要です!」 もともと高血圧の人は要注意ですし、妊娠中は突然高血圧になる場合もあり、とくに注意が必要です。 赤ちゃんの発育が悪くなったり、ほうっておくと、最悪の場合、くも膜下出血になる可能性もあります。 頭痛がどんどんひどくなる、割れるような痛みがある、吐きけを伴うなどの場合は、早めに病院へいきましょう。 脳腫瘍 ごくごくまれなこととは思いますが、脳腫瘍の症状であることもあります。 頭に割れるような痛みがある、吐きけを伴う、早朝に強い頭痛がある、視力の低下を伴うなどの場合は、早めに病院へいきましょう。 また、それ以降の服用であっても、妊娠中に飲むと問題がある薬というのはそれほど多いわけではありませんし、市販薬を数回飲んだくらいならば、赤ちゃんへの影響はあまり心配ないでしょう。 ただ薬の種類によっても、判断は異なりますので、念のため主治医に「いつごろ・何を飲んだか」相談してみてください。 専門の相談外来を紹介される場合もあります。 Q産科の先生に薬を処方されましたが、飲んでいいかやはり不安です A妊娠経過に影響のないものが処方されます 妊娠中の薬の処方は、医師はとても慎重になります。 医師が薬を出したときは、飲まないよりも飲んだほうが妊婦さんにとってメリットがあると判断したときで、妊娠に影響のない薬を選んでいます。 でも、不安なまま服用するのもよくありませんから、その気持ちを医師に話して、納得して飲みましょう。 ちなみに、妊娠中に処方される頭痛薬は、比較的穏やかな効果のものが多いです。 痛みが強くなってから服用しても効果を実感しにくいようなら、本格的に痛くなる前に飲むようにしたほうがいいでしょう。 妊娠初期に頭痛の症状に悩まされる人は少なくありません。 でもほとんどは、ホルモンの影響によるものなので、つわりが終わるころと同じくらいに、または妊娠経過が進むにつれて、症状は自然に治まっていきます。 心配しすぎると緊張して、さらに頭痛がひどくなることもあるので、あまり考えすぎないことも大切かもしれません。 痛みがひどいときは、妊娠中に飲んでも心配ない薬があるので、かかりつけの産科医に相談しましょう。
次の妊娠中の頭痛の見分け方 頭痛には、代表的なものに「偏頭痛」と「緊張型頭痛」の二種類があります。 妊娠中の妊婦さんは、ホルモンの影響などでどちらの種類の頭痛も起こりやすいそうです。 片頭痛と緊張型頭痛では、対処の仕方が全く違います。 逆と言っても良いくらいです… 間違った対処をしてしまうと、かえって頭痛がひどくなってしまいます。 そうならないためにも、あなたのいま起こっている頭痛がどちらなのか見分けておきましょう。 ただし、今からお話しする特徴が全ての人に当てはまるわけでもありません。 心配な場合は、医師に相談しましょう。 妊娠中でも使用できる薬もありますから。 片頭痛の特徴• 痛む場所は片側や両側など様々。 ズキンズキン、ドクンドクンと脈打つような痛みがある。 (まれに脈打たないこともある)• 痛みが強いが、治まる時にはスッと引いてしまう。 動くと痛みが増すので動けない。 光や音が苦痛になることがある。 臭いに反応することも。 痛みがひどいと吐き気がしたり嘔吐することも。 痛みの頻度は人ぞれぞれだが、月に1~2回、または週に1~2回程度のことが多い。 緊張型頭痛の特徴• 痛む場所は両側から後頭部にかけて。 痛みはそんなに強くはない。 ギューッと締め付けられるような痛み。 鈍く重い感じがする。 痛みが毎日のように起こる。 首こりや肩こりを感じることがある。 片頭痛と緊張型頭痛の見分け方 どちらの頭痛か簡単に見分ける方法 見分ける方法は簡単です。 直立した姿勢で、頭を深くお辞儀をするように下げてみてください。 これで痛みが増す場合は、片頭痛の可能性が高いです。 片頭痛の場合、頭を低い位置に下げることで頭部への血流が増え、痛みが増すからです。 スポンサーリンク 妊娠中の頭痛が偏頭痛の場合の対処法• まずは安静にする 静かな場所で横になり、目を閉じて安静にし脳を休ませましょう。 なかなか難しいかもしれませんが、できるだけリラックスするようにしてください。 頭や首を冷やす 妊娠中の冷えは厳禁ですが…、偏頭痛の時は脳の血管が拡張している状態です。 頭や首を冷たいタオルなどで軽く冷やして、脳の血管の拡張を抑えるようにすると頭痛が緩和できます。 偏頭痛は温めない 妊娠中の 偏頭痛の場合、温めてしまうと血管が拡張し痛みが増してしまいます。 お風呂に長く浸かったりして過剰に温めないようにしてください。 カフェインは摂取しない 妊娠中はコーヒーなどのカフェインの摂り過ぎは良くないと言われていますが、少量を息抜き程度に飲んでおられる方もいると思います。 でも、 カフェインは血管を拡張してしまうため偏頭痛がひどくなるので、痛みがある時は避けるようにしてください。 妊娠中の頭痛が緊張型頭痛の場合の対処法• 痛い部分を温める 緊張型頭痛が起きるのは、血行不良の状態なので、 痛い部分をホットタオルなどで温めるようにします。 これで血行が良くなり頭痛の解消が期待できるそうです。 首などを温めるのも効果的だと言われています。 筋肉を動かす 妊娠中に緊張型頭痛が起こった場合は、 首や肩、腕を回したり動かし、筋肉を動かすようにします。 筋肉を動かすことで血流がよくなり頭痛解消が期待できるそうです。 マッサージする 首などを軽くマッサージするのも血流改善になるので、妊婦さんの緊張型頭痛の解消におすすめです。 スポンサーリンク ハーブティーやアロマオイルもお勧め 妊娠中の妊婦さんの頭痛は、ハーブティーやアロマオイルなどで対処するのもおすすめです! ハーブティーを飲んだり、アロマオイルで芳香浴をしたりしてリラックスすることで、妊娠中の頭痛を予防したり、和らげる効果が期待できますよ。 ただし、ハーブティーやアロマオイルには色々な効能があるため、妊娠中には避けたほうが良いものもあります。 使用する際にはできるだけ妊婦さん用にブレンドされたものを選ぶようにしてくださいね。 アロマオイルも効能をよく見るようにし、基本的に芳香浴で楽しむようにしましょう。 妊娠中の頭痛には、リラックス効果や安眠効果が期待できる ラベンダーがおすすめです。 妊娠中の不調は医師に相談すること! 妊娠中の妊婦さんは、頭痛に限らずさまざまな体の不調が起こります。 そんな時は我慢せずに医師に相談するようにしてください。 妊娠中だからと言って、すべての薬が飲めないというわけではありません。 飲んでも大丈夫な薬があったり、漢方薬で対処することができる場合もあります。 ただし、 市販薬を自己判断で飲むことは危険なので、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。 また頭痛などが頻繁に起きる場合、 妊娠高血圧症などの危険な病気が隠れていることなどもあります。 体の不調は我慢せずに必ず医師に相談するようにしてください。
次の私も頭痛酷かったです💦 薬も飲めないし辛いですよね… 私は頭痛が治まったあと吐きづわりになりました😢 本当にお辛いですが無理せずゆっくりしてくださいね。 妊娠初期に頭痛を感じたことがある人は多いようです。 人によって頭痛の程度はさまざまですが、つわりとともに頭痛の痛みを感じるのはとてもつらいですよね。 妊娠中の頭痛はいつまで続く? 妊娠初期は、運動不足やつわりのストレスから頭痛を起こしやすい時期です。 中には妊娠中期以降も続く人がいますが、体の変化による疲労感や出産に対する不安な気持ちから頭痛が起こる場合もあります。 痛みを感じたら安静にしたり、気分転換のため散歩をしてみたり日常生活で改善を試みることが大切です。 妊娠初期に起こる頭痛の原因 妊娠初期に起こる頭痛には以下の三種類があります。 妊娠をすると女性ホルモンの働きによって片頭痛が軽くなることがありますが、中にはひどくなってしまう人もいます。 ホルモンバランスの変化 妊娠すると体内でプロゲステロン 黄体ホルモン の働きが活発になります。 排卵後に分泌量が増加するホルモンで、子宮内膜を柔らかくして受精卵が着床しやすいような環境を整えます。 妊娠継続には欠かせませんが、一方で頭痛や腹痛、腰痛などの不快な症状を出しやすい働きもあります。 いわゆる片頭痛もホルモンバランスの変化が原因で起こる頭痛で、妊娠可能な年代によく発生します。 ズキズキ、ガンガンといった脈打つような痛みと頭の片側、もしくは両側が痛むことが特徴です。 片頭痛を引き起こすのは、主に「エストロゲン 卵胞ホルモン 」の変動です。 ホルモンが大きく増えたり減ったりすることによって、頭痛が誘発されやすくなります。 症状の程度には個人差がありますが、単に頭の痛みだけでなく吐き気や視覚の異常を伴い、頭痛が起こる前には肩こりやあくび、フラッシュのような光によって視界を遮られるような症状が起こる場合もあります。 ストレスや筋肉の緊張 妊娠初期は、体の変化によってストレスがたまったり、慣れない体の変化によって知らず知らずのうちに体が緊張状態になったりすることが原因で頭痛を引き起こすことがあります。 ストレスや筋肉の緊張が原因で起こる緊張型頭痛は、片頭痛とは少し異なり左右のこめかみや後頭部、首筋が締めつけられるような痛みが続く頭痛です。 疲労やストレスがたまってくる夕方から夜にかけて痛みがひどくなる傾向があります。 症状が悪化すると、めまいや吐き気を伴うこともあります。 貧血 妊娠中は母体内の血液量が増加しますが、赤血球など血液中の成分自体はあまり増えません。 そのため、母体の血液は薄まった状態が続き貧血になります。 また、胎盤を通じて胎児に必要な鉄分を供給するため、母体内の鉄分が不足しやすいことも貧血を起こす要因です。 貧血になると頭痛、めまい、たちくらみなどの症状が出るため、鉄分や鉄分の吸収率を高めるビタミンCを含む食材を摂取するとよさそうです。 妊娠初期の血液検査で貧血の数値が出た場合は、病院で鉄剤が処方されることがあります。 出典元:• SBC湘南メディカル記念病院「緊張型頭痛」(,2018年11月19日最終閲覧)• いせ山川クリニック「頭痛について」(,2018年11月19日最終閲覧)• 関東病院「頭や顔が痛む患者さんへ」(,2018年11月19日最終閲覧)• SBC湘南メディカル記念病院「片頭痛の症状」(,2018年11月19日最終閲覧)• 鶴川台ウィメンズクリニック「女性ホルモンの基礎知識・仕組みと種類」(,2018年11月21日最終閲覧)• 荻田和秀 監 「らくらくあんしん妊娠・出産」P41-42(学研プラス,2017年) 頭痛が起こったときの対処法 体調が不安定な妊娠初期は、一日のうちでも体調が大きく変化するため、「今日は体調がよいな」と思っても時間がたつとつらくなってしまうことがあります。 体調不良によって頭痛が起こったときは、無理をせずゆったりと過ごすようにしてください。 激しく体調が変化することで、体が緊張状態になりストレスがたまってしまったら、後頭部や首の後ろ、こめかみ周辺を軽くマッサージすることで症状が改善される場合があります。 入浴時に熱めのシャワーを後頭部から肩にかけて当てるのも有効です。 ただし、片頭痛の場合は温めることによって逆に悪化するため、頭痛の原因によって対処法を選びましょう。 また、枕など寝具を自分にあったものに変えるだけでも効果が出ることがあるため、できる範囲で試してみるのみよいでしょう。 頭痛薬は飲んでもよい? 妊娠初期に頭痛が起こると、薬を飲んでもよいのかどうか迷いますね。 手持ちの市販薬は妊娠中に服用してよいのか気になる人もいるでしょう。 頭痛薬は市販薬の中でも身近な存在という人もいるかと思いますが、妊娠中の服用は避けた方がよいとされる薬が多いため、安易に服用するのは避けましょう。 もしどうしてもつらい場合は、箱に書かれている注意事項を確認した上で、薬剤師に相談してください。 また、妊婦健診のタイミングで妊娠中でも服用できる痛み止めを処方してもらうのもよいでしょう。 出典元:• くすりの適正使用協議会「妊娠・授乳とくすり」(,2018年11月19日最終閲覧)• たけしファミリークリニック「妊娠中の頭痛について どんな薬を使ったらいい?」(,2018年11月19日最終閲覧) 頭痛だけでなくめまい、吐き気などの症状を伴うときは病院へ 頭痛は妊娠していてもしていなくてもつらいものです。 特に妊娠初期は、簡単に薬を飲んではいけないという思いから痛みを我慢してしまう人もいるかもしれません。 頭痛の種類によって対処法は異なりますが、痛みを感じ始めたら横になり休むことが大切です。 休んでも症状が落ち着かない場合や、痛みがひどくなるようなことがあったら、無理をせずに医師に相談して妊娠中でも飲める痛み止めを処方してもらうとよいでしょう。 出典元一覧• 竹内正人 監 「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P132(朝日新聞出版,2016年)• いせ山川クリニック「頭痛について」(,2018年11月19日最終閲覧)• SBC湘南メディカル記念病院「緊張型頭痛」(,2018年11月19日最終閲覧)• 関東病院「頭や顔が痛む患者さんへ」(,2018年11月19日最終閲覧)• SBC湘南メディカル記念病院「片頭痛の症状」(,2018年11月19日最終閲覧)• 鶴川台ウィメンズクリニック「女性ホルモンの基礎知識・仕組みと種類」(,2018年11月21日最終閲覧)• 荻田和秀 監 「らくらくあんしん妊娠・出産」P41-42(学研プラス,2017年)• くすりの適正使用協議会「妊娠・授乳とくすり」(,2018年11月19日最終閲覧)• たけしファミリークリニック「妊娠中の頭痛について どんな薬を使ったらいい?」(,2018年11月19日最終閲覧) 本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。 必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。 なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。 ママリ編集部のコンテンツに対する考え方(または取り組み)についてはもご覧ください。
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