スタプリ5話、よかったですね。 今回はキュアセレーネこと、香久矢まどか先輩がプリキュアになる回でしたが、 香久矢まどかの持つ何ともいえない「危うさ」がいい味を出していました。 あと、もはやいうまでもないことですが、ひかララは最高ですね。 ネタバレありです。 そんなカントの唱えた道徳論として、定言命法というものがあります。 定言命法というのは、簡単にいうと、 いついかなるときも無条件で従わなければならない倫理学上の絶対的な決まりのことです。 具体的にいうと、「人を殺してはいけない」「嘘をついてはいけない」といったものが定言命法にあたると、カントは考えました。 いわれてみれば、「そうかもしれないな」と思わなくもないですが、カントの主張は苛烈です。 いついかなるときも、ひとつの例外もなく、無条件で従わなければならない、とカントはいいます。 2.友人を追う殺人犯にも嘘をついてはならない たとえば、殺人犯に追われる友人を自宅にかくまったとしましょう。 しばらくして、殺人犯が自宅に来て、「友人がどこにいるか知らないか?」と尋ねます。 このような場合においても、カントの道徳論に従うと、嘘はついてはなりません。 いかなる場合においても例外はないのです。 じゃあどうすりゃいいんだという話ですが、「嘘をいわず、紛らわしい真実を語る」ことは、カントも許してくれるかもしれません。 たとえば、 「友人がどこにいるか知りません」と答えたとしましょう。 ちょっと前に友人を自宅にかくまったのは事実ですが、家のどこにいるかは分かりませんし、もしかしたらもう窓から逃げているかもしれませんよね。 つまり、「どこにいるか知らない」というのは 紛らわしい真実ではありますが、必ずしも嘘とはいえないのです。 他にも、「毎週この時間はいつも近くのスーパーで買い物をしていますよ」とかいうのもありかもしれません。 なんだか屁理屈のようです。 が、「嘘をついてはならない」といった定言命法はそのくらい厳格な道徳律であり、 そうした道徳律を尊重し守ろうとすることが理想なのだとカントは説いたのです。 他の道徳論も紹介しつつ、そもそも道徳とは何か? 正義とは何か? について熱く語られた良書です。 『これからの「正義」の話をしよう』 プリキュアもまた正義についての物語ですので、プリキュア好き必読の書といえるかもしれません。 『純粋理性批判』 これからカントの著書を読むなら、光文社古典新訳文庫から出版されているものが比較的読みやすいかもしれません。 2010年に発売の新訳版です。 文庫本なので値段もお手頃です。 3.香久矢の家に秘密はない 香久矢の父親は、職務上の機密情報(宇宙人に関する話)すら、「香久矢の家に秘密はない」といって家族に話しています。 (5話の前半パートにて) つまり、父親にとって、 「香久矢の家に秘密はない」というのはカント的な定言命法であり、いついかなるときも例外なく絶対に従わなければならない決まりなのです。 4.香久矢まどかには秘密がある さて、5話における香久矢まどかはどうだったでしょうか? 「何か見たか?」と問いかける父親に対して、香久矢まどかは紛らわしい真実でもなんでもなく、明らかな「嘘」をつき、「隠し事」をしました。 香久矢まどかは、 カントの定言命法を破り、父親の定言命法を破ったわけです。 メインターゲットである3~6歳の子どもと、いっしょに視聴しているであろう親に向けて 「親からの言いつけを破り、嘘をつき、隠し事をするシーン」 を公然と流したことは、なかなか攻めているようにも思います。 「大切なもの」こそがプリキュアの力の源であり、だからこそ香久矢まどかはプリキュアになれたわけですが、私たち視聴者はここで面白い構造を発見することができます。 つまり、「大切なもの」を守る戦いは、ノットレイダーに対してのみ起きるのではなく、 ときには自分の親との間にも起き得る、ということです。 そのとき、香久矢まどかはどのように戦うでしょうか? 自分の「大切なもの」を守ることができるでしょうか? 今後の展開が楽しみです。 2.ひかララがいかに素晴らしいかについて 今更感がありますが、やはり触れずにはいられません。 2人の姿を見比べてみてください。 すると、次のことが分かるかと思います。 ひかるは右足だけソックス• ララは左足だけソックス ひかるは右足だけ、ララは左足だけ靴下を履いている 出典: いや、めちゃくちゃ良くないですか? このデザインを思いついた人は 天才以外の何物でもないですよ。 そう、ひかるとララは、 2人そろって1つであることが宿命づけられているのです。 そして今週のひかララも、時間としては短かいながらもエッセンスの詰まった最高の出来でした。 ひかるも作り甲斐がありそうです。 ララは一応サマーン星では大人という設定ですが、こうしてひかるにおにぎりを作ってもらっているララを見ていると、ひかるの方がしっかり者のようにも見えてきます。 全体的にちょっと字数が多くなってきてしまったので、ひかララの魅力については、いったんここまで。 蛇足ですが、 ララの顔芸は今週も健在でした。 某城之内君を思い出します。 今後もぜひレパートリーを増やしてもらいたいものです。 だからこそ、 明るいところからではなく、暗いところから「にゅっと」登場しているわけです。 香久矢まどかは父親に反旗を翻した(ついでにカントさんにも)• プリキュアだって大切なものを守るためには嘘をつく• 例にもよって推敲もせず興奮のまま書いているので、あとで加筆修正するかもです。 ちなみにこんな記事も書いてます。 こちらの記事は、登場人物の名前の由来について考察してまとめたものです。 【プリキュアの感想・考察記事です(スタプリ)】• リアルタイムでスタプリを視聴できなかった方は、TVerというサイトで無料で視聴できます。 (公式動画) 他の考察記事はこちらから。 kirinnekokun.
次のスタプリ5話、よかったですね。 今回はキュアセレーネこと、香久矢まどか先輩がプリキュアになる回でしたが、 香久矢まどかの持つ何ともいえない「危うさ」がいい味を出していました。 あと、もはやいうまでもないことですが、ひかララは最高ですね。 ネタバレありです。 そんなカントの唱えた道徳論として、定言命法というものがあります。 定言命法というのは、簡単にいうと、 いついかなるときも無条件で従わなければならない倫理学上の絶対的な決まりのことです。 具体的にいうと、「人を殺してはいけない」「嘘をついてはいけない」といったものが定言命法にあたると、カントは考えました。 いわれてみれば、「そうかもしれないな」と思わなくもないですが、カントの主張は苛烈です。 いついかなるときも、ひとつの例外もなく、無条件で従わなければならない、とカントはいいます。 2.友人を追う殺人犯にも嘘をついてはならない たとえば、殺人犯に追われる友人を自宅にかくまったとしましょう。 しばらくして、殺人犯が自宅に来て、「友人がどこにいるか知らないか?」と尋ねます。 このような場合においても、カントの道徳論に従うと、嘘はついてはなりません。 いかなる場合においても例外はないのです。 じゃあどうすりゃいいんだという話ですが、「嘘をいわず、紛らわしい真実を語る」ことは、カントも許してくれるかもしれません。 たとえば、 「友人がどこにいるか知りません」と答えたとしましょう。 ちょっと前に友人を自宅にかくまったのは事実ですが、家のどこにいるかは分かりませんし、もしかしたらもう窓から逃げているかもしれませんよね。 つまり、「どこにいるか知らない」というのは 紛らわしい真実ではありますが、必ずしも嘘とはいえないのです。 他にも、「毎週この時間はいつも近くのスーパーで買い物をしていますよ」とかいうのもありかもしれません。 なんだか屁理屈のようです。 が、「嘘をついてはならない」といった定言命法はそのくらい厳格な道徳律であり、 そうした道徳律を尊重し守ろうとすることが理想なのだとカントは説いたのです。 他の道徳論も紹介しつつ、そもそも道徳とは何か? 正義とは何か? について熱く語られた良書です。 『これからの「正義」の話をしよう』 プリキュアもまた正義についての物語ですので、プリキュア好き必読の書といえるかもしれません。 『純粋理性批判』 これからカントの著書を読むなら、光文社古典新訳文庫から出版されているものが比較的読みやすいかもしれません。 2010年に発売の新訳版です。 文庫本なので値段もお手頃です。 3.香久矢の家に秘密はない 香久矢の父親は、職務上の機密情報(宇宙人に関する話)すら、「香久矢の家に秘密はない」といって家族に話しています。 (5話の前半パートにて) つまり、父親にとって、 「香久矢の家に秘密はない」というのはカント的な定言命法であり、いついかなるときも例外なく絶対に従わなければならない決まりなのです。 4.香久矢まどかには秘密がある さて、5話における香久矢まどかはどうだったでしょうか? 「何か見たか?」と問いかける父親に対して、香久矢まどかは紛らわしい真実でもなんでもなく、明らかな「嘘」をつき、「隠し事」をしました。 香久矢まどかは、 カントの定言命法を破り、父親の定言命法を破ったわけです。 メインターゲットである3~6歳の子どもと、いっしょに視聴しているであろう親に向けて 「親からの言いつけを破り、嘘をつき、隠し事をするシーン」 を公然と流したことは、なかなか攻めているようにも思います。 「大切なもの」こそがプリキュアの力の源であり、だからこそ香久矢まどかはプリキュアになれたわけですが、私たち視聴者はここで面白い構造を発見することができます。 つまり、「大切なもの」を守る戦いは、ノットレイダーに対してのみ起きるのではなく、 ときには自分の親との間にも起き得る、ということです。 そのとき、香久矢まどかはどのように戦うでしょうか? 自分の「大切なもの」を守ることができるでしょうか? 今後の展開が楽しみです。 2.ひかララがいかに素晴らしいかについて 今更感がありますが、やはり触れずにはいられません。 2人の姿を見比べてみてください。 すると、次のことが分かるかと思います。 ひかるは右足だけソックス• ララは左足だけソックス ひかるは右足だけ、ララは左足だけ靴下を履いている 出典: いや、めちゃくちゃ良くないですか? このデザインを思いついた人は 天才以外の何物でもないですよ。 そう、ひかるとララは、 2人そろって1つであることが宿命づけられているのです。 そして今週のひかララも、時間としては短かいながらもエッセンスの詰まった最高の出来でした。 ひかるも作り甲斐がありそうです。 ララは一応サマーン星では大人という設定ですが、こうしてひかるにおにぎりを作ってもらっているララを見ていると、ひかるの方がしっかり者のようにも見えてきます。 全体的にちょっと字数が多くなってきてしまったので、ひかララの魅力については、いったんここまで。 蛇足ですが、 ララの顔芸は今週も健在でした。 某城之内君を思い出します。 今後もぜひレパートリーを増やしてもらいたいものです。 だからこそ、 明るいところからではなく、暗いところから「にゅっと」登場しているわけです。 香久矢まどかは父親に反旗を翻した(ついでにカントさんにも)• プリキュアだって大切なものを守るためには嘘をつく• 例にもよって推敲もせず興奮のまま書いているので、あとで加筆修正するかもです。 ちなみにこんな記事も書いてます。 こちらの記事は、登場人物の名前の由来について考察してまとめたものです。 【プリキュアの感想・考察記事です(スタプリ)】• リアルタイムでスタプリを視聴できなかった方は、TVerというサイトで無料で視聴できます。 (公式動画) 他の考察記事はこちらから。 kirinnekokun.
次のスタプリ5話、よかったですね。 今回はキュアセレーネこと、香久矢まどか先輩がプリキュアになる回でしたが、 香久矢まどかの持つ何ともいえない「危うさ」がいい味を出していました。 あと、もはやいうまでもないことですが、ひかララは最高ですね。 ネタバレありです。 そんなカントの唱えた道徳論として、定言命法というものがあります。 定言命法というのは、簡単にいうと、 いついかなるときも無条件で従わなければならない倫理学上の絶対的な決まりのことです。 具体的にいうと、「人を殺してはいけない」「嘘をついてはいけない」といったものが定言命法にあたると、カントは考えました。 いわれてみれば、「そうかもしれないな」と思わなくもないですが、カントの主張は苛烈です。 いついかなるときも、ひとつの例外もなく、無条件で従わなければならない、とカントはいいます。 2.友人を追う殺人犯にも嘘をついてはならない たとえば、殺人犯に追われる友人を自宅にかくまったとしましょう。 しばらくして、殺人犯が自宅に来て、「友人がどこにいるか知らないか?」と尋ねます。 このような場合においても、カントの道徳論に従うと、嘘はついてはなりません。 いかなる場合においても例外はないのです。 じゃあどうすりゃいいんだという話ですが、「嘘をいわず、紛らわしい真実を語る」ことは、カントも許してくれるかもしれません。 たとえば、 「友人がどこにいるか知りません」と答えたとしましょう。 ちょっと前に友人を自宅にかくまったのは事実ですが、家のどこにいるかは分かりませんし、もしかしたらもう窓から逃げているかもしれませんよね。 つまり、「どこにいるか知らない」というのは 紛らわしい真実ではありますが、必ずしも嘘とはいえないのです。 他にも、「毎週この時間はいつも近くのスーパーで買い物をしていますよ」とかいうのもありかもしれません。 なんだか屁理屈のようです。 が、「嘘をついてはならない」といった定言命法はそのくらい厳格な道徳律であり、 そうした道徳律を尊重し守ろうとすることが理想なのだとカントは説いたのです。 他の道徳論も紹介しつつ、そもそも道徳とは何か? 正義とは何か? について熱く語られた良書です。 『これからの「正義」の話をしよう』 プリキュアもまた正義についての物語ですので、プリキュア好き必読の書といえるかもしれません。 『純粋理性批判』 これからカントの著書を読むなら、光文社古典新訳文庫から出版されているものが比較的読みやすいかもしれません。 2010年に発売の新訳版です。 文庫本なので値段もお手頃です。 3.香久矢の家に秘密はない 香久矢の父親は、職務上の機密情報(宇宙人に関する話)すら、「香久矢の家に秘密はない」といって家族に話しています。 (5話の前半パートにて) つまり、父親にとって、 「香久矢の家に秘密はない」というのはカント的な定言命法であり、いついかなるときも例外なく絶対に従わなければならない決まりなのです。 4.香久矢まどかには秘密がある さて、5話における香久矢まどかはどうだったでしょうか? 「何か見たか?」と問いかける父親に対して、香久矢まどかは紛らわしい真実でもなんでもなく、明らかな「嘘」をつき、「隠し事」をしました。 香久矢まどかは、 カントの定言命法を破り、父親の定言命法を破ったわけです。 メインターゲットである3~6歳の子どもと、いっしょに視聴しているであろう親に向けて 「親からの言いつけを破り、嘘をつき、隠し事をするシーン」 を公然と流したことは、なかなか攻めているようにも思います。 「大切なもの」こそがプリキュアの力の源であり、だからこそ香久矢まどかはプリキュアになれたわけですが、私たち視聴者はここで面白い構造を発見することができます。 つまり、「大切なもの」を守る戦いは、ノットレイダーに対してのみ起きるのではなく、 ときには自分の親との間にも起き得る、ということです。 そのとき、香久矢まどかはどのように戦うでしょうか? 自分の「大切なもの」を守ることができるでしょうか? 今後の展開が楽しみです。 2.ひかララがいかに素晴らしいかについて 今更感がありますが、やはり触れずにはいられません。 2人の姿を見比べてみてください。 すると、次のことが分かるかと思います。 ひかるは右足だけソックス• ララは左足だけソックス ひかるは右足だけ、ララは左足だけ靴下を履いている 出典: いや、めちゃくちゃ良くないですか? このデザインを思いついた人は 天才以外の何物でもないですよ。 そう、ひかるとララは、 2人そろって1つであることが宿命づけられているのです。 そして今週のひかララも、時間としては短かいながらもエッセンスの詰まった最高の出来でした。 ひかるも作り甲斐がありそうです。 ララは一応サマーン星では大人という設定ですが、こうしてひかるにおにぎりを作ってもらっているララを見ていると、ひかるの方がしっかり者のようにも見えてきます。 全体的にちょっと字数が多くなってきてしまったので、ひかララの魅力については、いったんここまで。 蛇足ですが、 ララの顔芸は今週も健在でした。 某城之内君を思い出します。 今後もぜひレパートリーを増やしてもらいたいものです。 だからこそ、 明るいところからではなく、暗いところから「にゅっと」登場しているわけです。 香久矢まどかは父親に反旗を翻した(ついでにカントさんにも)• プリキュアだって大切なものを守るためには嘘をつく• 例にもよって推敲もせず興奮のまま書いているので、あとで加筆修正するかもです。 ちなみにこんな記事も書いてます。 こちらの記事は、登場人物の名前の由来について考察してまとめたものです。 【プリキュアの感想・考察記事です(スタプリ)】• リアルタイムでスタプリを視聴できなかった方は、TVerというサイトで無料で視聴できます。 (公式動画) 他の考察記事はこちらから。 kirinnekokun.
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