セレコックス コロナ。 『セレコックス』を抗がん剤と一緒に使うのは何故?~大腸がんの予防効果

「痛み止め」は極めて危険、死の恐れも…心筋梗塞や脳卒中、腎不全のリスク増大

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写真=iStock. com/metamorworks 「患者さんが、服薬を自己判断でやめることはよくあります。 世の中には『飲まなくてもいい薬』の情報が溢れていますから。 反対に、患者さんが飲みたがる薬もあって、その代表格が抗菌薬、いわゆる抗生物質です。 患者さんもとりあえず抗菌薬を飲めばいいと安心するところがある。 医師、病院の側も求められれば処方してしまうところもまだあります。 しかしながら、例えば風邪のほとんどはウイルスが原因。 ウイルス性のものに抗菌薬を投与しても意味はありません。 それでも、患者さんが欲しがるので、併発する咽頭炎や扁桃炎などの炎症の診療報酬名をつけて処方してしまっていることもあると聞きます」 同じように、鼻づまりの原因である副鼻腔炎も「炎症がよほど酷い場合、明らかに繰り返す場合でなければ、抗菌薬は使わないほうが患者さんにメリットがあります」と話すのは医師たちがつくるオンライン医療事典「MEDLEY(メドレー)」を監修する園田唯医師だ。 園田氏によれば中耳炎も同様で「原因の大半はウイルスだといわれており、それであれば抗菌薬は効果がない。 副鼻腔炎と同じく症状が酷かったり、繰り返す人以外は使わないほうがいいです」と言う。 水野氏が続ける。 「抗菌剤はどこか万能薬のように思われていて、家庭で余った抗菌薬を飲んだり、自己判断で使う人が多いのも問題です。 勝手に内服することでの特殊な副作用はもちろん、抗菌薬に耐性ができてしまう。 薬剤耐性菌はときに体を飛び越えて人から人へ、また、人から環境へと拡散してしまい、いざ病気のときに自分だけではなく、周りの大切な人への効き目まで低くなる恐れもある」 つまり、抗菌薬を多用することで、結局耐性菌を増やしてしまうなら、必要のないシーンで抗菌薬を使うことは避けたほうがいいというのが医療のトレンドになっているのだ。 水野氏はほかの薬についても指摘する。 「痛み止めとして処方されるロキソニンも、家族が処方されたものを使う人もいるのですが、困りものです。 腎臓病や、高齢者で心不全の人が痛み止めを使うと、症状が悪化することもある。 心不全増悪因子の1つなんです。 ロキソニンはここ数年で一気に広がりましたが、なかには定期的に飲んでしまう人がいる。 実は解熱作用もあるので、感染症などの発熱も抑えてしまうこともあります。

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新型コロナの発熱にイブプロフェンは避けるべき?:トピックス:日経Gooday(グッデイ)

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INDEX• 治療薬 開発中のCOVID-19治療薬は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、重症化によって生じる「サイトカインストーム」や「急性呼吸窮迫症候群(ARDS)」を改善する薬剤に分けられます。 いずれも既存薬を転用するアプローチが先行していますが、COVID-19向けに新たな薬剤を開発する動きもあります。 このうちレムデシビルは、5月7日に日本で新型コロナウイルス感染症治療薬として承認(製品名・ベクルリー)。 米国ではFDA(食品医薬品局)が同月1日に緊急使用許可を出しました。 レムデシビル(米ギリアド) レムデシビルはもともとエボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬。 コロナウイルスを含む一本鎖RNAウイルスに抗ウイルス活性を示すことが明らかになっており、COVID-19の治療薬として最も有望視されている薬剤の1つです。 米FDA(食品医薬品局)は5月1日、レムデシビルについて、COVID-19の重症入院患者を対象に緊急時使用許可を与えました。 許可の根拠となったのは、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)主導で中等症から重症の患者を対象に行われた臨床第3相(P3)試験と、ギリアドが行っている重症患者対象のP3試験。 日本では、FDAによる使用許可を受けて特例承認を適用する方針が示され、ギリアドが5月4日に承認申請。 同7日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が特例承認を了承し、厚労省は即日承認しました。 ギリアドは2本のP3試験を行っており、4月末に公表された重症患者対象の試験の主要結果(対象患者約6000人のうち397人分の解析結果)では、5日間の投与で10日間投与と同等の効果が得られる可能性が示されました。 中等症患者1600人を対象としたもう1本の試験は、6月1日に初期の結果(584人分の解析結果)が発表。 レムデシビルを5日間投与した患者は、標準治療のみの患者に比べて投与11日目に臨床症状の改善が見られた患者の割合が有意に高かった一方、10日間投与した患者と標準治療のみの患者では有意差はありませんでした。 現在使われているレムデシビルは点滴薬ですが、ギリアドは吸入剤の開発に着手しています。 P1試験に入っており、安全性が確認されれば8月にCOVID-19患者を対象とした試験を開始する予定。 成功すれば、軽症患者にも外来や自宅で投与しやすくなり、同社のダニエル・オデイCEOは「パンデミックを食い止めるのに重要な意味を持つ」とコメントしています。 ファビピラビル(富士フイルム富山化学) ファビピラビルは2014年に日本で承認された抗インフルエンザウイルス薬。 新型インフルエンザが発生した場合にしか使用できないため、市場には流通していませんが、新型インフルエンザに備えて国が備蓄しています。 ファビピラビルは、インフルエンザウイルスの遺伝子複製酵素であるRNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する薬剤。 COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスと同じRNAウイルスであることから、効果を示す可能性があると期待されています。 ただし、動物実験で催奇形性が確認されているため、妊婦や妊娠している可能性がある人には使うことができず、妊娠する可能性がある場合は男女ともに避妊を確実に行う必要があります。 日本では、富士フイルム富山化学が3月にCOVID-19を対象にP3試験を開始。 臨床試験登録サイトに掲載されている情報によると、対象は重篤でない肺炎を発症したCOVID-19患者約100人で、肺炎の標準治療にファビピラビルを追加した場合の効果を検証しています。 米国でも4月からP2試験が進行中です。 藤田医科大は5月26日、COVID-19患者にファビピラビルを投与した観察研究の中間報告(同月15日現在)を日本感染症学会のホームページで公開しました。 観察研究には同日時点で全国407医療機関から2158人の患者が登録。 中間報告では「軽症患者に投与された場合にはほとんどが回復している一方、重症患者では治療経過が思わしくないことも多いことが読み取れる」としていますが、比較試験ではなく、COVID-19は軽症のまま自然に治ることも多いことから、「慎重に結果を解釈することが必要だ」としています。 シクレソニド(帝人ファーマ) シクレソニドは、日本では2007年に気管支喘息治療薬として承認された吸入ステロイド薬。 国立感染症研究所による実験で強いウイルス活性を持つことが示され、実際に患者に投与したところ肺炎が改善した症例も報告されています。 国内では、無症候または軽症のCOVID-19患者を対象に、対症療法と肺炎の発症または増悪の割合を比較する多施設共同の臨床試験が国立国際医療研究センターを中心に行われています。 その他 タンパク分解酵素阻害薬ナファモスタットや同カモスタットは、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の細胞内への侵入を阻止する可能性があるとされ、日本では東京大付属病院などでファビピラビルとナファモスタットの併用療法を検討する臨床研究が進行中です。 ナファモスタットをめぐっては、先発医薬品「フサン」の製造販売元である日医工に、第一三共、東京大、理化学研究所を加えた4者が、共同で吸入製剤の開発に着手。 7月から非臨床試験を始め、来年3月までの臨床試験開始を目指しています。 カモスタットの先発医薬品「フオイパン」を製造販売する小野薬品も、6月5日からCOVID-19を対象とした臨床試験を開始しました。 腸管糞線虫症と疥癬の治療薬として承認されている駆虫薬イベルメクチン(MSDの「ストロメクトール」)もウイルスの増殖を阻害する可能性があるとされており、日本では北里大病院が医師主導治験の実施を検討しています。 同じく治療薬候補として注目された抗マラリア薬のクロロキンとヒドロキシクロロキンも、治療効果が乏しいとして米FDAが緊急使用許可を取り消し、WHO(世界保健機関)も臨床試験を中止すると発表しました。 重症患者に対する治療薬 COVID-19が重症化すると、サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応に重篤な臓器障害を起こしたり、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)という重度の呼吸不全を起こしたりすることが知られています。 こうした重症患者に対する治療薬としては、サイトカインの一種であるIL-6(インターロイキン-6)の働きを抑える抗体医薬や、サイトカインによる刺激を伝えるJAK(ヤヌスキナーゼ)を阻害する薬剤が候補に挙げられています。 抗IL-6受容体抗体 スイス・ロシュは4月から、中外製薬が創製した抗IL-6受容体抗体トシリズマブ(製品名「アクテムラ」)のP3試験を米国、カナダ、欧州などで開始。 レムデシビルとの併用療法をP3試験も実施中です。 国内では中外がP3試験を行っており、年内の承認申請を目指しています。 JAK阻害薬 JAK阻害薬では、関節リウマチ治療薬バリシチニブ(米イーライリリーの「オルミエント」)が米NIAID主導のアダプティブデザイン試験の一部としてレムデシビルとの併用療法に関する臨床試験を開始。 日本でも、国立国際医療研究センターでレムデシビルとの併用療法を評価する臨床研究が行われています。 6月15日は、リリー主導の単剤療法のP3試験が始まりました。 JAK阻害薬ではこのほか、トファシチニブ(米ファイザーの「ゼルヤンツ」)も欧州で医師主導臨床試験が行われているほか、スイス・ノバルティスも骨髄線維症などの適応で承認されているルキソリチニブ(製品名「ジャカビ」)のP3試験を準備していることを明らかにしています。 日本新薬は、骨髄線維症を対象に開発中のJAK阻害薬NS-018をCOVID-19による重症肺炎やARDSの治療薬に転用することを検討。 同社は、肺動脈性肺高血圧症治療薬セレキシパグ(製品名「ウプトラビ」)をCOVI-D19で生じる血栓症の治療薬として開発することも検討しています。 その他 エーザイは、かつて重症敗血症を対象に開発していたものの、P3試験で主要評価項目を達成できずに開発を中止したTLR4拮抗薬エリトランの国際共同治験を6月に開始する予定。 サイトカイン産生の最上流に位置するTLR4(Toll様受容体4)の活性化を阻害することで、サイトカインストームの抑制を狙います。 イーライリリーは、がんなどを対象に開発中の抗アンジオポエチン2(Ang2)抗体LY3127804について、ARDSを発症するリスクの高いCOVID-19入院患者を対象とするP2試験を開始。 Ang2はARDSを呈する患者で増加することがわかっており、試験ではAng2を阻害することでARDSの発症や人工呼吸器の使用を減らせるかどうかを検証しています。 英アストラゼネカは海外で白血病治療薬として承認されているBTK(ブルトン型キナーゼ)阻害薬アカラブルチニブの臨床試験を実施中。 このほかにも、糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬ダパグリフロジン(製品名「フォシーガ」)について、米セントルーク・ミッドアメリカ・ハートインスティチュートと臓器不全などの重度の合併症を発症する危険性のある患者を対象としたP3試験を行っています。 米メディシノバは、多発性硬化症などで開発中のイブジラスト(日本では杏林製薬が脳血管障害・気管支喘息改善薬「ケタス」として販売)について、米イェール大と共同でCOVID-19によるARDSを対象とした臨床試験を始めました。 米アサシスとヘリオスは体性幹細胞によるCOVID-19由来ARDS治療の臨床試験を日米で行っています。 ロート製薬は、肝硬変を対象に開発を進めている他家間葉系幹細胞「ADR-001」について、8月から国内で臨床試験を行う予定です。 新規薬剤の開発 既存薬を転用するアプローチで治療薬の開発が進む一方で、新規の薬剤を開発しようとする動きも広がっています。 武田薬品工業は、米CSLベーリングなど血漿分画製剤を手掛ける海外の製薬企業9社と提携し、原因ウイルスSARS-CoV-2に対する高度免疫グロブリン製剤の開発を進めています。 10社は、原料となる血漿の採取から臨床試験の企画・実施、製造まで幅広く協力し、ノーブランドの抗SARS-CoV-2高度免疫グロブリン製剤を共同で開発・供給する計画。 今夏にも、NIAIDと協力して成人患者を対象としたグローバル試験を始める予定です。 イーライリリーは6月1日から、カナダのアブセレラと共同開発しているSARS-CoV-2に対する抗体医薬「LY-CoV555」のP1試験を米国で開始しました。 LY-CoV555はCOVID-19の回復者の血液から同定された抗体で、試験結果は6月中に明らかになる見通し。 リリーは中国・上海のジュンシー・バイオサイエンシズとも抗体医薬の開発で提携しており、こちらも6月8日からP1試験が始まりました(開発コードは「JS016」)。 リリーはLY-CoV555とJS016の併用(カクテル)も検討しています。 リジェネロンも6月11日から、2つの中和抗体を混合したカクテル抗体「REGI-COV2」の臨床試験を開始。 米ビル・バイオテクノロジーは2つの抗ウイルス抗体(VIR-7831とVIR-7832)の開発で英グラクソ・スミスクライン(GSK)と提携し、今夏にP2試験を始める予定です。 米アッヴィは、米ハーバーバイオメドやオランダ・ユトレヒト大などと抗体医薬の開発で提携しています。 ビルは米アルナイラム・ファーマシューティカルズと共同でSARS-CoV-2を標的とするsiRNA核酸医薬も開発しており、開発候補として吸入型のsiRNA「VIR-2703(ALN-COV)」を特定。 今年の末をメドに臨床試験を始める見込みです。 今年5月、国産初の核酸医薬となるデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」(ビルトラルセン)を発売した日本新薬も、新型コロナウイルスに対する核酸医薬の開発を検討。 バイオベンチャーのボナックもCOVID-19向け核酸医薬の研究を進めています。 米メルクは米リッジバック・バイオセラピューティクスと提携し、同社が開発した抗ウイルス薬「EIDD-2801」のP1試験を米国と英国で実施中。 ファイザーはSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性を示すプロテアーゼ阻害薬候補を特定しており、今年7~9月期にも臨床試験を始める予定です。 塩野義製薬も北海道大との共同研究でCOVID-19に対する抗ウイルス薬の候補を特定。 今年度中の臨床試験開始を目指して研究を進めています。 オンコリスバイオファーマは鹿児島大と契約を結び、同大が見出した抗ウイルス薬の開発に着手。 カネカは国立感染症研究所と共同で治療用抗体を開発しており、製薬会社と組んで21年度中に臨床試験を始めたいとしています。 ワクチン 感染を予防するワクチンの開発も進んでいます。 このほかに125のワクチンが前臨床の段階にあります。 モデルナのmRNA-1237もP2試験が始まっており、7月にはP3試験を始める予定です。 一方、感染の拡大が落ち着いてきたことで、ワクチンの有効性を検証するのは難しくなっています。 ワクチン開発には欧米の大手製薬企業も続々と名乗りを上げています。 米メルクは5月26日、オーストリアのテミスを買収し、COVID-19ワクチンの開発に乗り出すと発表しました。 買収で獲得するのは、麻疹ウイルスベクターを使ったワクチンで、今年後半に臨床試験を開始する予定。 メルクは非営利国際組織「国際エイズワクチン推進機構」(IAVI)とも協業し、IAVIが開発中のCOVID-19ワクチンの実用化を共同で進めます。 こちらのワクチンも今年後半に臨床試験に入る予定です。 米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、開発中のワクチン「Ad26. サノフィとグラクソ・スミスクラインは、共同開発中のワクチンについて今年後半にP1試験を開始し、来年後半に開発を完了させることを目指しています。 両社のワクチンは、サノフィの組み換えDNA技術に基づくSタンパク質抗原とGSKのアジュバントを組み合わせたもの。 サノフィは米トランスレート・バイオともmRNAワクチンの開発で提携しており、GSKも抗ウイルス抗の開発で提携するビル・バイオテクノロジーズとワクチン開発でも協力しています。 臨床試験登録サイトに掲載された情報によると、対象は20~65歳の健康成人で、目標症例数は30例。 アジュバントを含む同ワクチンを2週間間隔で2回、筋肉内注射し、安全性と免疫原性を評価します。 塩野義製薬は、グループ会社のUMNファーマで組換えタンパクワクチンの開発を進めており、年内の臨床試験開始に向けて厚生労働省などと協議を進めています。 KMバイオロジクスも不活化ワクチンの開発に着手しており、年度内の非臨床試験終了が目標。 アイロムグループのIDファーマはセンダイウイルスベクターを使ったワクチンを開発中で、9月にも臨床試験を開始する考えです。 第一三共は、mRNAワクチンの臨床試験を来年3月ごろに始めることを目指しています。 田辺三菱製薬もワクチン開発に乗り出しています。 カナダ子会社のメディカゴが植物由来ウイルス様粒子を使ったCOVID-19向けワクチンを開発中。 非臨床試験の中間結果で良好な結果が得られたことを明らかにしており、8月までに臨床試験を開始するために規制当局と協議しています。 順調に進めば、臨床試験は来年11月に終了する予定です。

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セレコックスとロキソニンの比較

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写真=iStock. com/metamorworks 「患者さんが、服薬を自己判断でやめることはよくあります。 世の中には『飲まなくてもいい薬』の情報が溢れていますから。 反対に、患者さんが飲みたがる薬もあって、その代表格が抗菌薬、いわゆる抗生物質です。 患者さんもとりあえず抗菌薬を飲めばいいと安心するところがある。 医師、病院の側も求められれば処方してしまうところもまだあります。 しかしながら、例えば風邪のほとんどはウイルスが原因。 ウイルス性のものに抗菌薬を投与しても意味はありません。 それでも、患者さんが欲しがるので、併発する咽頭炎や扁桃炎などの炎症の診療報酬名をつけて処方してしまっていることもあると聞きます」 同じように、鼻づまりの原因である副鼻腔炎も「炎症がよほど酷い場合、明らかに繰り返す場合でなければ、抗菌薬は使わないほうが患者さんにメリットがあります」と話すのは医師たちがつくるオンライン医療事典「MEDLEY(メドレー)」を監修する園田唯医師だ。 園田氏によれば中耳炎も同様で「原因の大半はウイルスだといわれており、それであれば抗菌薬は効果がない。 副鼻腔炎と同じく症状が酷かったり、繰り返す人以外は使わないほうがいいです」と言う。 水野氏が続ける。 「抗菌剤はどこか万能薬のように思われていて、家庭で余った抗菌薬を飲んだり、自己判断で使う人が多いのも問題です。 勝手に内服することでの特殊な副作用はもちろん、抗菌薬に耐性ができてしまう。 薬剤耐性菌はときに体を飛び越えて人から人へ、また、人から環境へと拡散してしまい、いざ病気のときに自分だけではなく、周りの大切な人への効き目まで低くなる恐れもある」 つまり、抗菌薬を多用することで、結局耐性菌を増やしてしまうなら、必要のないシーンで抗菌薬を使うことは避けたほうがいいというのが医療のトレンドになっているのだ。 水野氏はほかの薬についても指摘する。 「痛み止めとして処方されるロキソニンも、家族が処方されたものを使う人もいるのですが、困りものです。 腎臓病や、高齢者で心不全の人が痛み止めを使うと、症状が悪化することもある。 心不全増悪因子の1つなんです。 ロキソニンはここ数年で一気に広がりましたが、なかには定期的に飲んでしまう人がいる。 実は解熱作用もあるので、感染症などの発熱も抑えてしまうこともあります。

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