パッと見分けがつきづらい、蚊とユスリカ。 蚊の中でも特にとは見た目がそっくりです。 種類によって多少異なりますが、ユスリカも似たような色をしています。 そんな2種類の虫の最大とも言える違いは、吸血するかしないかにあるでしょう。 蚊の雌が主に産卵期に吸血するのに対し、ユスリカの成虫は雄も雌も血を吸いません。 それどころか、口器が退化しているために、ほとんどの種類のユスリカはエサを食べられず、わずか数日で命を落としてしまいます。 ハエ目のユスリカ科に属するユスリカは、ハエ目のカ科に属する蚊とは異なる別の虫なのです。 よく蚊と間違えられて叩かれることがありますが、蚊のように鱗粉(黒っぽい粉)が手のひらにつくことはありません。 アカイエカ(約5. 5mm) よく観察すれば、とまり方で見分けることができます。 後脚が長く、これを上にあげて静止するのがアカイエカ。 前脚が長く、これを前に伸ばして静止するのがユスリカ。 また、街路灯や室内の照明にたかっていたら、光に集まる習性があるユスリカの可能性が高いです。 ユスリカの主な生息地は湖や河川の近く。 この他、公園や学校、飲食店の前や一般家庭の玄関先など色々な場所で見られます。 成虫の発生時期は初夏から秋の終わり頃まで。 夕暮れ時などに、小さな虫の大群「蚊柱」を見たことがある方も少なくないでしょう。 ちょうど人の頭の上あたりにできることが多いので、一部では「頭虫(あたまむし)」や「脳食い虫」なんて呼ばれることもあります。 ウスイロユスリカ(約6mm) そもそも「蚊柱(かばしら)」ができるのは、なぜ? 繁殖期になると雌はたった1匹で蚊柱の中に飛び込み、相手を見つけて交尾し、産卵します。 蚊柱を見つけさえすれば、ユスリカの雌は圧倒的に有利な状況で、運命の相手と結ばれるというワケです。 ユスリカは通常、卵塊(らんかい)と呼ばれるかたまりの状態で水中に産み落とします。 その形は、球状だったり紐状だったり様々。 また、種類によって卵数も異なります。 例えば、セスジユスリカが一度に産むのは500個程度、オオユスリカは約2,000個にも及ぶようです。 他のハエ目と同様に卵から幼虫となり、蛹(サナギ)を経て成虫になります。 ちなみに蛹の期間は、数時間から数日程度。 その後、成虫になってもわずか数日しか生きられません。 うっとうしく感じる蚊柱ですが、儚い命を繋ぐために奮闘するユスリカの雄の集合体と捉えると、少し不快感が和らぐ方もいるのではないでしょうか。 しかし、残念ながら、無害と言い切れない一面もユスリカは持っています。 刺さないユスリカが持つ厄介な一面とは? 大量発生する「びわこ虫」も実はユスリカだった? 近年、日本最大の面積を誇る琵琶湖の周辺に大量発生して問題になる「びわこ虫」の正体も、実はユスリカ類。 体長1cmを超えるオオユスリカが大繁殖して度々ニュースでも取り上げられます。 近くにお住いの方は「またこの季節がやってきたか…」と諦めている場合もあるかもしれません。 大量発生の要因の1つとして考えられるのが、湖や河など水域の肥料分の濃度上昇に伴う、プランクトンの増殖。 それによって生態系がバランスを崩してしまい、ユスリカの繁殖にも影響を与えることがあるようです。 ユスリカの幼虫は、釣り好きには身近な、あの赤い虫。 人間の生活に役立つ一面も。 また、ユスリカの幼虫である赤虫は、水底泥の有機物を多量に食べて成虫になり、 水域外へ出るため、水中有機物を持ち出すことになり、「水域の浄化者」として水質浄化の役割に一役かっています。 水質や土壌の状態を良質に保つためには欠かせない虫であることもまた事実です。 ユスリカの良い面と悪い面を知ることは、あなたの判断材料になるかもしれません。 厄介な虫と一言で片づけられない一面も併せ持っている、奥深く不思議な虫「ユスリカ」についてご紹介しました。
次の家の中でよく見かけるクモといえば、黒くて小さいアイツである。 茶色のヤツもいたりする。 1センチにも満たない体で、家の中を一生懸命チョコチョコと徘徊している。 どうか彼らを見つけても、そっと見逃してやってほしいのだ。 「家グモ」とも呼ばれる彼らの正式名称は 「アダンソンハエトリ」。 実はメチャクチャかっこいい名前をしているのだ。 しかもしかも、それだけではないッ! 真に伝えたいことはここからだ!! ・小バエくらいなら瞬時に捕獲 ハエトリグモ科に属するアダンソンハエトリは、その名の通り「ハエトリ」が得意である。 小バエ程度の大きさならば、じりじりと距離を縮めて一気に捕獲! その実力はなどを見れば一目瞭然である。 ・動くモノは何でも捕らえる 小バエ以外にも、ダニや「小さいゴキブリ」なども退治するという話がある。 動くモノには何でも反応。 もしもパソコン画面上にアダンソンちゃんが貼り付いていたら、マウスポインタを動かしてみて欲しい。 ことだろう。 それほどまでのハンター気質だ。 ・家の中をパトロールしている ちなみにアダンソンちゃんは、クモの巣を作らない。 家の中をチョコチョコとパトロールし続けている。 「俺が捕まえられる小さい害虫はいないかな」と、家の中を隅から隅まで徘徊し続けてくれているのである。 そんな一生懸命な仕事人(仕事蜘蛛)は、以外に見たことがない。 ・命綱を常に放出している クモの巣を作らないアダンソンちゃんだが、実は常にクモの糸を出している。 まるで放屁しながら歩くがごとく、ブリブリとクモの糸を出し続けているのだ。 一体なぜか? 答えは「命綱」である。 もし、うっかりと足を踏み外しても、クモの糸でビローンとバンジー状態。 安全第一のアダンソンなのだ。 ・アフリカで発見された ついでに、なぜ「アダンソン」なのかも書いておきたい。 アダンソンハエトリを世界で最初に発見したのは、フランス人の「ミシェル・アダンソン」さん。 今から約200年以上も前に活躍した、フランスの博物学者だ。 なんとアフリカで発見したらしい。 そんな偉大な彼の名前から、アダンソンハエトリと名付けられたのである。 ・どうか見逃してやって欲しい もしもアダンソンちゃんを「気持ち悪いから殺す」などと言う人がいたら、どうか考えなおすように伝えて欲しい。 家がゴキブリだらけになってもいいのかっ! ゴキブリの赤ちゃんを見逃せというのかっ! 小バエだらけになるぞっ! と伝えて欲しい。 家の中の秩序を守る自由気ままな用心棒、それがアダンソンハエトリなのだから。 Report:.
次のクモ(蜘蛛)は、節足動物門鋏角亜門クモガタ綱クモ目に属する動物の総称で、昆虫亜門(六脚亜門)に属する昆虫とは分類上はあまり近くない。 同じクモガタ綱に属する動物には、サソリ、カニムシ、ザトウムシ、ダニなどがいる。 クモの体は、頭胸部と腹部の2つの部分からなり、頭部・胸部・腹部の3つの部分からなる昆虫とは異なっている。 頭胸部からは4対のあしが生えている(昆虫は胸部から3対のあしが生えている)。 頭胸部の背面には、ふつう8個の単眼があるが、ハエトリグモ科やコモリグモ科など徘徊性の種類を除いてはあまり発達していない。 その代わり、振動覚(振動を探知する感覚)がよく発達しており、網にかかった獲物を感知したり、配偶相手を認知する際に活用する。 頭胸部の腹面には大顎、牙などからなる口器のほか、1対の触肢がある。 オスの触肢はふくれて交接器になっており繁殖行動の際に使われる。 ほとんどの種類は毒腺をもっており、獲物を咬んだ際に牙から毒液を注入して相手を麻痺させる。 セアカゴケグモやカバキコマチグモなど一部の種類は毒性が強いため「毒蜘蛛」とされ、咬まれると危険だが、ほとんどの種類は人間に深刻な危害を与えるほどの毒性はもたない。 腹部の腹面の前方には、書肺と呼ばれる呼吸器官があり、後方には糸を出す器官である糸いぼがある。
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