新築祝いや引越し祝いをもらったとき、いったいどのようにお礼の気持ちを伝えるのが正解なのでしょうか。 また、親族とそれ以外の人で、とるべき対応に違いはあるのでしょうか。 新築祝いや引越し祝いのお礼や、お礼を兼ねたお披露目会を開催するときに覚えておきたいポイントなどについてまとめました。 新築祝いや引越し祝いにお返しは必要? 新築祝いや引越し祝いをもらったときは、お返しの代わりとして、新居に招いて 「お披露目会」を開催するのがマナーとされています。 しかし、中には遠方に住んでいたり高齢だったりして、自宅にお誘いするとかえって相手の負担になってしまう場合もあるでしょう。 そのようなときは、 品物でお礼をしてもかまいません。 どちらの場合でも大切にしたいのが、お祝いをいただいたことに対する感謝の気持ちです。 お披露目会を開催する場合は、その場でお礼を伝え、品物を贈る場合には、お礼状を添えるようにしましょう。 お披露目会をする時のポイント 新居のお披露目会は、お店のレセプションパーティーではありませんから、友人・知人・親戚などを一度に呼ぶ必要はありません。 友人は友人同士、親戚は親戚同士、 自宅が手狭にならない程度の人数で開催しましょう。 お披露目会を開く時期は、引越しの荷物が片付いて身辺が落ち着いた、 転居してから1~2ヵ月後がおすすめです。 来てもらうのは夜よりも、新居の様子がよく見える 日中がおすすめです。 車で来るという場合は、近隣の駐車場などを伝えておき、電車の場合は、駅まで迎えに行くなどして、相手が道に迷うことがないようにしましょう。 また、当日は万が一のときのため、電話やメールでの連絡に、すぐに対応できるようにしておいてください。 お披露目会は親しい人を招いて行うのが一般的ですから、かしこまった挨拶やプログラムは必要ありません。 しかし、相手をもてなす気持ちを込めて、飲み物や食事を用意しておきましょう。 時間帯によっては、軽食やお菓子、お茶などでもかまいません。 また、お披露目会の前にお祝いの品物をもらった場合は、それを飾っておくといった心遣いも大切です。 来てもらった人が気持ち良く過ごせるように気を配りましょう。 こうしたお披露目会は、もらったお祝いのお返し代わりになるものです。 しかし、より丁寧に感謝を示したい場合、来てくれた人が帰るときに引き出物を渡すことがあります。 紅白の蝶結びの水引で、表書きは「新築内祝い」などとするのが正式ですが、親しい間柄であれば、特にのしをかけずに、お土産として地元のお菓子などを渡すのもいいでしょう。 新居祝い・引越し祝いのお返しの品物を贈る場合のマナー お披露目会に来られない人から新居祝い・引越し祝いをもらった場合は、 受け取ってから3週間を目途にお礼を贈ります。 引越し直後は、荷解きやさまざまな手続きなどで忙しい日々が続きます。 誰に何を贈ればいいか忘れてしまったり、贈り漏れがあったりしないように、一覧を作っておくと安心です。 お返しの品物には、 紅白の蝶結びの水引に、のしがついた掛け紙を使います。 表書きは 「新築内祝い」「内祝」などとします。 名前の欄には、 贈り主となる家族の苗字を書きます。 その家に住む人の苗字が複数ある場合は、連名にしましょう。 例えば、親子が同居している場合は、親の苗字を右側に書くというように、目上の人が右側にくるようにします。 また、品物だけを贈ると、もらった側はどういう理由で贈ってくれたのかわからない場合があります。 ぶしつけで失礼にもあたりますから、 必ずお祝いへのお礼状を添えましょう。 このとき、文中には「お返しを贈ります」とは書かずに、 「心ばかりのお品をお贈りします」「ささやかながら内祝いをお贈りします」などとします。 内祝いには、そもそもお返しという意味はありませんし、「お返し」と書いてしまうと、「頂き物をしましたので、こちらからも贈ります」というように受け取られてしまうためです。 新居祝い・引越し祝いのお返しの品物の定番品と相場 新居祝い・引越し祝いに対するお返しの金額は、 もらったお祝いの半額程度が目安です。 とはいえ、親族などから高額なお祝いを受け取ったときは、無理に半返しにこだわる必要はありません。 品物は、タオルやお菓子、飲み物などが好まれます。 食べ物であれば日持ちする物や、小分けにしやすい物など、相手にうれしいと感じてもらえる物を選びましょう。 以前は、「家を焼かない」という意味に通ずる「やかん」や、広い意味で見れば容れ物ともいえる「家」の完成を祝って、「器」を贈る場合もありました。 しかし、やかんは一家にいくつもあっても邪魔になるだけですし、食器も相手の好みやライフスタイルがわからないと迷惑になります。 相手の迷惑にならずに、こうした品物を贈りたいのであれば、食器が含まれるカタログギフトを贈ってみてはいかがでしょうか。 カタログギフトであれば、好みの物を選んでもらえますから、負担になることはありません。 また、特に親しい人や親戚であれば、家の写真を送ったり改めて食事に誘ったりするなど、 品物以外の形で感謝の気持ちを表すというのもおすすめです。 新築祝いや引越し祝いは、親しい人や親族からもらうことが多いものです。 そのため、お返しもかしこまりすぎずに、自宅でのお披露目会や、気軽な食事会を開催するのがいいでしょう。 別れ際に、「またいつでも遊びに来てね」と伝えることで、相手へのお礼と今後も変わらぬ付き合いを望む気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
次の新築祝いには祝儀袋にお金を入れてお祝いを贈ることが多いですが、どのような祝儀袋を使えばよいのか、水引や表書き、内袋まで考えはじめるとどのようにしたらよいのか、さらにわからなくなっていってしまう…。 そんな経験は誰にでもあるはずです。 ここでは、新築祝いで使う正しい祝儀袋や表書きの書き方やお金の入れ方など、新築祝いの祝儀袋に関する疑問をすべてご紹介したいと思います。 新築祝いで使う祝儀袋はどのような袋? そもそも新築祝いとは新しく家を新築したり、新築マンションを購入した人へ、その 家族が安全で末永く繁栄するようお祝いの気持ちを贈ることをいいます。 したがってめでたいお祝なので、 熨斗(のし)のついた祝儀袋を使います。 熨斗はお祝いの袋の右上についている黄色の長方形のものを紺や赤の紙で包んだような縦長六角形のカラフルな飾り(マーク)のようなものです。 もとは古くから伝わる贈り物をする際に、長寿を表す鮑を干して伸ばした「熨斗鮑(のしあわび)」を、縁起物として献上したり、神饌として奉納されたりしていたところから来ています。 お祝い事など 「かしこまった贈り物」には「のし」をつけて贈ることがマナーとなっています。 どんな水引の祝儀袋にすればよい? 祝儀袋についている水引は紅白や金銀など二色の紐を結び合わせてついているもののことを指しますが、もともと水引とは祝儀や不祝儀の際に用いられる飾りで贈答品の包み紙などにかける紅白や黒白などの帯紐の事をいいます。 贈答品や封筒に付けられる飾り紐のことで、その形や色により様々な使い分けを行うので、間違った使い方をしてしまうと、贈る相手の方に失礼になってしまうこともあり得ますので、十分注意して選ぶようにしましょう。 新築祝いでの 水引は何度あっても喜ばしいという気持ちを込めて「紅白の蝶結び」のものを使います。 蝶結びはほどけても何度でも結びなおせるという意味から使われています。 ちなみに結婚式などでは、一度結んだらなかなかほどけない「結び切り」のものを使い、一度きりで何度も繰り返されることではないようにとの意味を込めて、結び切りの水引を使います。 そして、 水引の本数は5本を使うことが一般的ですが、新築祝いの際は5本または7本の水引にします。 5本を基本とすると、7本はより丁寧な贈り物ということになりますので、それなりの金額を贈る予定にしていたり、目上の方への贈り物の際は7本にしても良いかもしれません。 新築祝いの表書き 新築祝いでの祝儀袋の表書きは ・新築一戸建ての場合:「祝御新築」、「御新築御祝」、「新築御祝」 ・新築マンションの場合:「新築御祝」、「御祝」 ・新社屋やビル、会社の建物を新築の場合:「祝御落成」、「祝社屋新築落成」、「新築完成御祝」 ・中古の一戸建てや中古マンションの場合:「御引越御祝」、「御新居御祝」、「御祝」 間違えやすいのは中古の一戸建てや中古マンション購入時のお披露目や入居後のお祝いに関してです。 中古の場合の表書きは、「新築祝」とはなりませんので注意が必要です。 中袋の書き方は? 中袋とは、一般の封筒のように上部に開口部がある袋状のもので、 ご祝儀袋の中のお札を入れる袋のことをいいます。 お祝い金を相手に贈るときに中身が分からないようにするためのものです。 封筒になっていないもので、お金を包むタイプの中包みのタイプもありますので、その際は折ってあった通りに開いてお金を入れてから同じように戻すようにします。 ・中袋表面に金額を書く場合: 住所氏名は裏に書くようにし、 中袋表中央に縦書きで金額を記載。 住所は裏中央より左側に住所、さらに左下側にフルネームを縦書きで記載します。 ・裏面に金額も住所氏名も書く場合: 中央より右側に金額を縦書きで記載。 中央より左側に住所、住所左下にフルネームを縦書きで記載します。 市販の封筒などではあらかじめ金額を記載する場所が決まっているものがありますが、金額だけでなく住所、氏名も記載するようにしましょう。 相手の方がお礼状などを贈る際に役立ちますし、相手にとって丁寧な対応となります。 ・金額の書き方 中袋に金額を書くとき、以前は漢数字の大字で書いていましたが、現在では普通の漢数字で書く方も多くなってきているようです。 金額を漢数字の大字で書く場合、例えば1万円の場合には、金壱萬円または金壱萬圓などと書きます。 金額の後に「也(なり)」はつけてもつけなくても構いません。 漢数字大字の書き方:1:壱 2:弐 3:参 5:五または伍 7:七 8:八 10:十または拾 100:百 1000:仟または阡 10000:萬 その他:円を圓と書くことも 中袋へのお札の入れ方 御祝の御祝儀には新札を用意するようにします。 ご祝儀を新札で用意するということは「この日のために用意しました」という気待ちを表すためです。 お札の入れ方は、ご祝儀袋の内袋の表(金額を書く面)とお札の表(肖像画がある方)を同じ面にして、お金を出したときに肖像画が初めに出てくるようにしましょう。 最後に 御祝儀の袋にもさまざまなマナーがありますが、一つ一つ確認するとそれほど難しいマナーではありません。 贈る相手の方にとっては人生にそう何度とない新築祝いですので、しっかりとしたマナーでお祝いをして喜ばしい人してほしいと思います。
次の新築祝いをいただいたら、お返しに「内祝い」を贈ります。 「新築内祝いの相場は?」「新築祝いにお返しをするときのマナーは?」などとお悩みの人も多いのではないでしょうか。 そこで、新築内祝いの疑問にお答えすべく、基本的なマナーについて説明いたします。 新築内祝いとは 新築祝いをいただいたときには「新築内祝い」を 新築祝いをいただいたら、本来は新居に招待してお披露目会を行うのがマナーとされています。 このお披露目会を行うことで内祝いとなるため、品物を贈る必要はありません。 もし、忙しくてお披露目会を開催できない場合は内祝いとして品物を贈りましょう。 また、遠方に住んでいて招待するのが相手の負担となる場合も、品物を贈る形で問題ありません。 内祝いは品物でなく商品券や旅行券を贈っても構いませんが、間柄によっては失礼にあたる場合もありますので注意しましょう。 新築内祝いの相場 新築祝いのお返し(内祝い)は品物を贈るのが一般的 新築祝いのお返しは、 いただいたお祝いの3分の1から半額程度の品物を贈るのが一般的です。 贈る品物が安すぎると相手に不快感を与えてしまいますし、高すぎると気を遣わせてしまいます。 いただいた品物の金額が分からない場合は、インターネットで調べるとよいでしょう。 少し抵抗のある行動かもしれませんが、礼を失しないためには大切なことです。 両親への新築内祝い 両親(義父・義母)からの新築祝いは高額な現金だったという方も多いのではないでしょうか。 お祝いというよりは、今後の生活の足しになるようにという意味合いも含まれているでしょうから、お返しはあまり相場にとらわれる必要はありません。 高額なお返しをしてしまうと両親の好意を無下にすることにもなりかねないので、新居でのおもてなしや感謝の言葉などで気持ちを伝えましょう。 兄弟姉妹への新築内祝い 兄弟姉妹への内祝いも、あまり相場にこだわる必要はありません。 何が欲しいかを直接聞いても失礼にあたりませんので、相手が欲しいものを贈るのがよいかも。 どうしても贈る品物が決まらない場合は、商品券やカタログギフトを贈ると好きなものを選んでもらうことができます。 親類(おじやおば)への新築内祝い 親類からの新築祝いのお返しは、間柄や付き合いにもよりますが、 相場通りいただいたお祝いの3分の1から半額の品物を贈るのが無難です。 いただいた品物より高額の品物を贈ると失礼にあたる場合もありますが、それ以外はさほど気にせず品物を選ぶとよいでしょう。 ただし、高額の新築祝いをいただいた場合は相場通りだと負担も大きくなりますので、無理のない範囲で選びましょう。 後日、新居でおもてなしするとよいかもしれません。 会社の同僚への新築内祝い 会社の上司や部下、同僚への内祝いですが、 会社の慣例があれば相場よりも優先しましょう。 特にない場合は相場通り、 いただいたお祝いの3分の1から半額の品物でよいと考えられます。 部署一同などで新築祝いをいただいた場合は、全員まとめてのお返しで問題ありません。 このときは、いただいた金額の半分程度の品物をお返ししましょう。 ご近所の友人・知人への新築内祝い 友人へのお返しは、 いただいた金額の3分の1程度の品物でよいでしょう。 特に親しい間柄の場合は、もう少し高価な品物でもよいかもしれません。 新築内祝いのマナー 新築祝いをいただいたらまずはお礼状を 新築内祝いを贈るタイミング 新築祝いをいただいたら、 当日か翌日までにお礼状を贈るのがマナーとされています。 お礼の電話も同様です。 お披露目会を開催せずに品物を贈る場合は、 新築祝いを受け取った後3週間を目安に内祝いを贈ります。 贈り漏れがないよう、新築祝いをいただいた際に一覧表を作っておくと便利です。 このとき、お礼状に「お返し」という言葉を使うのはタブーとされていますので、「内祝いをお贈りします」などと書くとよいでしょう。 新築内祝いの「のし」の書き方 水引(みずひき)の色は紅白、結び方は「蝶結び」のものを選びましょう。 お祝いの水引には、結び目を何度でも結び直せる 「蝶結び」を使うのが一般的です。 表書きは上段に「内祝」(「新築内祝」「新居内祝」でも可)、下段には上段よりやや小さな文字で自分の名前を書きます。 のし紙には、筆か筆ペンを使って表書きを入れます。 墨の色は濃いものを使いましょう。 薄い墨は弔事のときに使うものですので、内祝いにはふさわしくありません。 新築内祝いにおすすめの品物 カップは内祝いの定番の品物です 新築内祝いの定番の品物としては、 グラスや カップなどが挙げられます。 これは、 「建物(入れ物)が完成した」ということに由来するものです。 ただし、グラスやカップが相手の好みに合わないことも考えられますので、相手の好みが分からないときはカタログギフトが無難でしょう。 内祝いにはお菓子やドリンクなどの消えものやキッチン用品、バス用品なども喜ばれます。 まとめ 新築内祝いで大切なのは、 「相手に感謝の気持ちを伝えること」です。 相場の把握と贈るタイミングなどのマナーを把握しておくことも大切ですが、新築祝いほど細かく気にする必要はありません。 もしも、両親や親類などから高価な新築祝いをいただいた場合は、無理して相場に合わせた内祝いを贈るより、新居でのおもてなしなどで感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。
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