夜空はいつでも最高密度の青色だ。 映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ

夜空はいつでも最高密度の青色だ

映画データ 本作は、今年の早い時期からテアトル新宿で予告編を目にしてました。 凝ったタイトルと、タイトルだけでは分からなそうな内容と、詩集の映画化と、東京テアトル配給ってことで観たいなと思ったんですけど、てっきりテアトル新宿で公開されると思ったら新宿ピカデリーでの公開になりまして、なかなか時間が合わず公開から2週間経ってからの鑑賞となりましたが、全国公開は5月27日(土)からで新宿ピカデリーとユーロスペースは先行公開でした。 監督は 石井裕也さん 監督作は『舟を編む』しか観てないですが、大阪芸大から日大の大学院に進み、ぴあフィルムフェスティバルではグランプリを受賞し、いわゆる映画撮影所の助監督などを経ないで監督になった方で、日本アカデミー賞の監督賞も31歳で獲ってますし天才なんじゃないかと思います。 離婚しちゃいましたけど満島ひかりさんと結婚してましたし、イケメンですし日本のグザヴィエ・ドランて感じがします。 主演は 池松壮亮さん ここ最近の邦画は、菅田将暉さんか池松壮亮さんかっていうくらいよく見る方で、去年だけでも劇場で5作観てました。 去年は『セトウツミ』が面白かったかな。 W主演で新人の 石橋静河さん ARBの石橋凌さんと女優の原田美枝子さんの次女で先日観た『PARKS パークス』にも出てたみたいなんですけど気付かなかったかな。 宮崎あおいさんと二階堂ふみさん 蒼井優さんと黒木華さん みたいな感じで、門脇麦さんと雰囲気似てるなと思いました。 池松壮亮さんと門脇麦さんは『愛の渦』で共演してるのでデジャヴ感ありました。 共演に 松田龍平さん。 去年は『モヒカン故郷に帰る』がよかったです。 このキャスティング胸熱なのは、龍平さんのお父さんは言わずと知れた松田優作さんな訳ですけど、ARBのバンド活動をしていた石橋凌さんが俳優の道に進むきっかけになったのが優作さんが監督した『ア・ホーマンス』への出演で、それから31年経ってお子さん同士が共演するというんだから痺れます。 他に共演は 田中哲司さんと ポール・マグサリンさん 市川実日子さんは写真だけの出演(回想シーンで少し出番あったかも)でにはクレジットされてないですけど、主人公たちが働く建設現場の監督役で 正名僕蔵さんが結構出てます。 あらすじ 看護師として病院に勤務する美香 石橋静河 は女子寮で一人暮らし。 日々患者の死に囲まれる仕事と折り合いをつけながら、夜、街を自転車で駆け抜け向かうのはガールズバーのアルバイト。 作り笑いとため息。 美香の孤独と虚しさは簡単に埋まるものではない。 建設現場で日雇いとして働く慎二 池松壮亮 は古いアパートで一人暮らし。 左目がほとんど見えない。 年上の同僚・智之 松田龍平 や中年の岩下 田中哲司 、出稼ぎフィリピン人のアンドレス ポール・マグサリン と、何となくいつも一緒にいるが、漠然とした不安が慎二の胸から消えることはない。 ある日、慎二は智之たちと入ったガールズバーで、美香と出会った。 美香から電話番号を聞き出そうとする智之。 無意味な言葉を喋り続ける慎二。 作り笑いの美香。 店を出た美香は、深夜の渋谷の雑踏の中で、歩いて帰る慎二を見つける。 「東京には1000万人も人がいるのに、どうでもいい奇跡だね」 路地裏のビルの隙間から見える青白い月。 「嫌な予感がするよ」「わかる」 二人の顔を照らす青く暗い光。 建設現場。 突然智之が倒れ、そのまま帰らぬ人となった。 葬儀場で二人は再会する。 言葉にできない感情に黙る慎二と、沈黙に耐えられず喋り続ける美香。 「俺にできることがあれば何でも言ってくれ」と慎二が言うと、美香は「死ねばいいのに」と悲しそうな顔をした。 過酷な労働を続ける慎二は、ある日建設現場で怪我をする。 治療で病院に行くと、看護師として働く美香がいた。 「また会えないか」と慎二が言うと、美香は「まぁ、メールアドレスだけなら教えてもいいけど」と答える。 夜、慎二は空を見上げる。 「携帯9700円。 ガス代3261円。 電気2386円。 家賃65000円、シリア、テロリズム、食費 25000円、ガールズバー18000円、震災、トモユキが死んだ、イラクで56人死んだ、薬害エイズ訴訟、制汗スプレー750円、安保法案、少子高齢化……、会いたい」 新宿。 二人は歩く。 「ねぇ、なんであの時、私達笑ったんだろう、お通夜の後」「分からない」 「ねぇ、 放射能ってどれぐらい漏れてると思う」「知らない」 「ねぇ、恋愛すると人間が凡庸になるって本当かな」「知らない」 不器用でぶっきらぼうな二人は、近づいては離れていく。 (より引用) ネタバレ感想 最果タヒさんの詩集はもちろん読んだことが無いのですが、詩集を映画化するってどういう風にするのだろう?最近、映像詩の道を突き進んでるテレンス・マリック監督作みたいになっちゃうのかな?と思いましたけど、普通にストーリーあって面白かったです。 前半は美香の心の声みたいな感じで、印象的なフレーズが結構語られ、揺らめくようなカメラワークと相俟って詩的な雰囲気が強いですが、だからといって分かり辛いということはありません。 後半は前半より詩的な雰囲気は弱まり、慎二と美香の背景が明らかになります。 慎二は高校時代は進学校で成績優秀だったのに今は日雇い労働者になっていること、美香は母親の自殺がずっとトラウマになっていることと、過去に牧田(三浦貴大)との恋愛があったことなどが分かります。 ストーリーや設定やテーマ的には、昨年公開された同じ大阪芸大出身の山下敦弘監督の『オーバーフェンス』に非常に近い感じがしました。 それから都会での生き辛さや時代への閉塞感は橋口亮輔監督の『恋人たち』 最初、主人公の美香は看護師なのにいい部屋に住んでるなぁ?と思ったんですけど、ガールズバーでバイトしてたのでなるほど!と思ったんですけど、あとから女子寮(しかも渋谷から自転車で帰れる)に住んでるってことで、あれれ?となりましてちょっとリアリティなかったかも。 それから、いい映画であることは間違いないのですが、このテーマっていうかこのクラス(東宝とか松竹のメジャー映画ではない)の映画が絶対に描かないことがあって、震災以降、放射能のことはちょろちょろ出てくるのに喫煙のことは全然触れてこないんですよね。 低所得者ほど喫煙率は高くて、これらの映画が社会の底辺を描いているからかもしれませんが、ちょっと異様に喫煙率が高い。 本作では美香も吸ってましたし、しかも病院の敷地内でって、いまどき都内の病院の敷地内で喫煙できるトコってあるんですかね? まあメジャー配給の邦画でも喫煙シーン多い映画はホント多くて、喫煙シーンが全く出てこない映画は全く出てこない感じで両極端なんですけど、たぶん日本の映画界の現場が喫煙率高いんだと思います。 よく、あの清楚系女優さんが実は喫煙者だった、みたいのありますけど、たぶん現場でコミュニケーションとってるうちにそうなっちゃうんでしょうね。 一服休憩のコミュニケーション力は侮れないものがありますから。 映画のシーン的にも便利だと思うんですよ。 主人公たちにタバコ吸わせてちょっとそこで喋らせてって、物語的に動かしやすい気がしますし。 ただ、やっぱり現実社会との乖離が大きい気がします。 本作では慎二が、「電話代高えよなー、貧乏人からも金持ちからも等しく1万くらいとる」って言うんですが、この台詞があるなら、「でも貧乏なのにタバコ買っちゃうんだよなぁ」という台詞があってもよかった気がしますね。 慎二は左目がほとんど見えないので、慎二の視点になるときは、画面半分真っ暗になるんですけど、この視野が狭くなる感じはグザヴィエ・ドラン監督の『Mommy/マミー』みたいだなと思いました。 40代・男性・東京在住 高校生の頃からよく映画を見始め高校時代はテレビ・レンタルビデオ・映画館で合わせて1000本弱。 90年代はぴあシネマクラブを愛読してました。 評価点数、基本甘め。 何でも面白いと思うタイプです。 ここ数年、作品の質に関係なく、ヒットする作品とそうでない作品の差が開く一方だなと思うのと、洋画の興収10億円超えが減ってきてるのが気になってます。 Twitter でフォロー 最近のコメント• に eigamanzai より• に うど より• に 太郎 より• に ツインパワー より• に BMI... 減らしたい より 参考にしてる映画関連のサイト•

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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ 評価と感想/東京で生きるということ

夜空はいつでも最高密度の青色だ

今回の本音レビューは、『舟を編む』などの石井裕也監督の最新作『 映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(5月13日より先行公開)です。 石井監督の映画に登場する人物って、ちょうどポーチ世代ドンピシャなんですよ。 おまけに石井作品にハズレなし! だからついついみなさんに紹介したくなってしまうのです。 本作は都会で生きる若者たちの行き場のない思いを綴った作品で、原作は最果タヒによる現代詩集。 詩集の映画化とは大胆ですね。 では物語からご紹介していきましょう。 【物語】 看護師とガールズバーの仕事をかけもちしている美香(石橋静河)は、熱くなれるものもなく、孤独な気持ちを押し殺して生きています。 建設現場で日雇いの仕事をしている慎二(池松壮亮)は、左目がほとんど見えません。 同僚たちとの隙間を埋めるようにひたすらしゃべり続けてウザがられています。 ある日、慎二が同僚たちとガールズバーへ行くと、美香がいました。 それ以来、仲間の智之(松田龍平)と美香はときどき会っているようですが、実は美香と慎二も、様々な偶然が重なり、徐々に距離を縮めていくのです。 【共通点は「変人」そんな男女の恋物語】 SNSを通して、自分のハッピーな近況を披露するという、キラキラ私生活をアピールする人はたくさんいますが、この映画の美香はその対局にいます。 耳障りのいい言葉には内心「は?」と思っているし、やさしくされても素直になれない。 そんな女性です。 彼女は自分を必要以上にキレイに見せたり、幸せをアピールしたりせず、幸福を信じていません。 そして「私は変」と自虐的。 そんな彼女にシンパシーを感じるのが慎二。 彼も同類だからです。 人生を楽しむことが下手で、「俺は変」と思っています。 だから美香と慎二は惹かれあうのですが、二人は顔を合わせれば、毒を含んだ言葉で自分の気持ちを捻じ曲げて表現し続けるのです。 なぜかというと、相手を信じたいけど、信じて裏切られるのが怖いからかもしれません。 【都会は嘘をつけないと生きにくい場所】 とりわけ美香のひねくれぶりは相当なものですが、だからこそ彼女を信じられる気がします。 嘘がないからです。 自分を良く見せるという他愛もない嘘さえもつけない。 そして、自己評価が低く、発想がネガティブ。 でもなぜか強気。 そこが面白い! 都会で生きる人たちが、自分をよりよく見せようとするのは、弱い自分を隠しておけば安心だし、それが都会で生きる術。 だから美香や慎二みたいに、心が裸な男女は生きにくいわけです。 恋愛に関しても「好きになってもどうせ別れる」という美香の考えなど、じれったさを感じつつ、その気持ち、わからなくはない。 だから美香から発せられる言葉は刺さるんですよ。 【新人女優の余裕のなさが奇跡を生む】 美香を演じたのは、俳優・石橋凌と女優・原田美枝子の娘、石橋静河さん。 お母さんは演技派ですが、まだ彼女はぎこちなく、演じ切るのがイッパイイッパイな様子はありました。 しかし、石井監督いわく 「石橋さんは演技経験がほとんどなく、彼女の何もできないとまどい、余裕のなさ、緊張感がこの映画にとって重要だった」と語っています。 なーるほど、新人女優のぎこちなさを美香というキャラに転換させたのですね。 さすがです! また本作は、ドキュメンタリー的な雰囲気もあります。 「リアルな東京の風景に見えたのは、ゲリラ撮影の一発勝負だから(笑)」と石井監督。 そうなんだ~、なんだか新宿や渋谷あたりにいるような気分になりましたよ。 キラキラ女子の世界についていけないな……とか、自己アピールに疲れたな……という人に見てほしい。 自虐的で本音で生きる人たちの姿は、もしかしたらあなた自身かもしれません。 執筆=斎藤 香(C)Pouch 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』 (2017年5月13日より、新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行公開、5月27日より全国ロードショー) 監督:石井裕也 出演:石橋静河、池松壮亮、佐藤玲、三浦貴大、ポール・マグサリン、大西力、野嵜好美、市川実日子、松田龍平、田中哲司ほか C 2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会.

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なぜ『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』は2017年を代表する1作になったのか|Real Sound|リアルサウンド 映画部

夜空はいつでも最高密度の青色だ

映画データ 本作は、今年の早い時期からテアトル新宿で予告編を目にしてました。 凝ったタイトルと、タイトルだけでは分からなそうな内容と、詩集の映画化と、東京テアトル配給ってことで観たいなと思ったんですけど、てっきりテアトル新宿で公開されると思ったら新宿ピカデリーでの公開になりまして、なかなか時間が合わず公開から2週間経ってからの鑑賞となりましたが、全国公開は5月27日(土)からで新宿ピカデリーとユーロスペースは先行公開でした。 監督は 石井裕也さん 監督作は『舟を編む』しか観てないですが、大阪芸大から日大の大学院に進み、ぴあフィルムフェスティバルではグランプリを受賞し、いわゆる映画撮影所の助監督などを経ないで監督になった方で、日本アカデミー賞の監督賞も31歳で獲ってますし天才なんじゃないかと思います。 離婚しちゃいましたけど満島ひかりさんと結婚してましたし、イケメンですし日本のグザヴィエ・ドランて感じがします。 主演は 池松壮亮さん ここ最近の邦画は、菅田将暉さんか池松壮亮さんかっていうくらいよく見る方で、去年だけでも劇場で5作観てました。 去年は『セトウツミ』が面白かったかな。 W主演で新人の 石橋静河さん ARBの石橋凌さんと女優の原田美枝子さんの次女で先日観た『PARKS パークス』にも出てたみたいなんですけど気付かなかったかな。 宮崎あおいさんと二階堂ふみさん 蒼井優さんと黒木華さん みたいな感じで、門脇麦さんと雰囲気似てるなと思いました。 池松壮亮さんと門脇麦さんは『愛の渦』で共演してるのでデジャヴ感ありました。 共演に 松田龍平さん。 去年は『モヒカン故郷に帰る』がよかったです。 このキャスティング胸熱なのは、龍平さんのお父さんは言わずと知れた松田優作さんな訳ですけど、ARBのバンド活動をしていた石橋凌さんが俳優の道に進むきっかけになったのが優作さんが監督した『ア・ホーマンス』への出演で、それから31年経ってお子さん同士が共演するというんだから痺れます。 他に共演は 田中哲司さんと ポール・マグサリンさん 市川実日子さんは写真だけの出演(回想シーンで少し出番あったかも)でにはクレジットされてないですけど、主人公たちが働く建設現場の監督役で 正名僕蔵さんが結構出てます。 あらすじ 看護師として病院に勤務する美香 石橋静河 は女子寮で一人暮らし。 日々患者の死に囲まれる仕事と折り合いをつけながら、夜、街を自転車で駆け抜け向かうのはガールズバーのアルバイト。 作り笑いとため息。 美香の孤独と虚しさは簡単に埋まるものではない。 建設現場で日雇いとして働く慎二 池松壮亮 は古いアパートで一人暮らし。 左目がほとんど見えない。 年上の同僚・智之 松田龍平 や中年の岩下 田中哲司 、出稼ぎフィリピン人のアンドレス ポール・マグサリン と、何となくいつも一緒にいるが、漠然とした不安が慎二の胸から消えることはない。 ある日、慎二は智之たちと入ったガールズバーで、美香と出会った。 美香から電話番号を聞き出そうとする智之。 無意味な言葉を喋り続ける慎二。 作り笑いの美香。 店を出た美香は、深夜の渋谷の雑踏の中で、歩いて帰る慎二を見つける。 「東京には1000万人も人がいるのに、どうでもいい奇跡だね」 路地裏のビルの隙間から見える青白い月。 「嫌な予感がするよ」「わかる」 二人の顔を照らす青く暗い光。 建設現場。 突然智之が倒れ、そのまま帰らぬ人となった。 葬儀場で二人は再会する。 言葉にできない感情に黙る慎二と、沈黙に耐えられず喋り続ける美香。 「俺にできることがあれば何でも言ってくれ」と慎二が言うと、美香は「死ねばいいのに」と悲しそうな顔をした。 過酷な労働を続ける慎二は、ある日建設現場で怪我をする。 治療で病院に行くと、看護師として働く美香がいた。 「また会えないか」と慎二が言うと、美香は「まぁ、メールアドレスだけなら教えてもいいけど」と答える。 夜、慎二は空を見上げる。 「携帯9700円。 ガス代3261円。 電気2386円。 家賃65000円、シリア、テロリズム、食費 25000円、ガールズバー18000円、震災、トモユキが死んだ、イラクで56人死んだ、薬害エイズ訴訟、制汗スプレー750円、安保法案、少子高齢化……、会いたい」 新宿。 二人は歩く。 「ねぇ、なんであの時、私達笑ったんだろう、お通夜の後」「分からない」 「ねぇ、 放射能ってどれぐらい漏れてると思う」「知らない」 「ねぇ、恋愛すると人間が凡庸になるって本当かな」「知らない」 不器用でぶっきらぼうな二人は、近づいては離れていく。 (より引用) ネタバレ感想 最果タヒさんの詩集はもちろん読んだことが無いのですが、詩集を映画化するってどういう風にするのだろう?最近、映像詩の道を突き進んでるテレンス・マリック監督作みたいになっちゃうのかな?と思いましたけど、普通にストーリーあって面白かったです。 前半は美香の心の声みたいな感じで、印象的なフレーズが結構語られ、揺らめくようなカメラワークと相俟って詩的な雰囲気が強いですが、だからといって分かり辛いということはありません。 後半は前半より詩的な雰囲気は弱まり、慎二と美香の背景が明らかになります。 慎二は高校時代は進学校で成績優秀だったのに今は日雇い労働者になっていること、美香は母親の自殺がずっとトラウマになっていることと、過去に牧田(三浦貴大)との恋愛があったことなどが分かります。 ストーリーや設定やテーマ的には、昨年公開された同じ大阪芸大出身の山下敦弘監督の『オーバーフェンス』に非常に近い感じがしました。 それから都会での生き辛さや時代への閉塞感は橋口亮輔監督の『恋人たち』 最初、主人公の美香は看護師なのにいい部屋に住んでるなぁ?と思ったんですけど、ガールズバーでバイトしてたのでなるほど!と思ったんですけど、あとから女子寮(しかも渋谷から自転車で帰れる)に住んでるってことで、あれれ?となりましてちょっとリアリティなかったかも。 それから、いい映画であることは間違いないのですが、このテーマっていうかこのクラス(東宝とか松竹のメジャー映画ではない)の映画が絶対に描かないことがあって、震災以降、放射能のことはちょろちょろ出てくるのに喫煙のことは全然触れてこないんですよね。 低所得者ほど喫煙率は高くて、これらの映画が社会の底辺を描いているからかもしれませんが、ちょっと異様に喫煙率が高い。 本作では美香も吸ってましたし、しかも病院の敷地内でって、いまどき都内の病院の敷地内で喫煙できるトコってあるんですかね? まあメジャー配給の邦画でも喫煙シーン多い映画はホント多くて、喫煙シーンが全く出てこない映画は全く出てこない感じで両極端なんですけど、たぶん日本の映画界の現場が喫煙率高いんだと思います。 よく、あの清楚系女優さんが実は喫煙者だった、みたいのありますけど、たぶん現場でコミュニケーションとってるうちにそうなっちゃうんでしょうね。 一服休憩のコミュニケーション力は侮れないものがありますから。 映画のシーン的にも便利だと思うんですよ。 主人公たちにタバコ吸わせてちょっとそこで喋らせてって、物語的に動かしやすい気がしますし。 ただ、やっぱり現実社会との乖離が大きい気がします。 本作では慎二が、「電話代高えよなー、貧乏人からも金持ちからも等しく1万くらいとる」って言うんですが、この台詞があるなら、「でも貧乏なのにタバコ買っちゃうんだよなぁ」という台詞があってもよかった気がしますね。 慎二は左目がほとんど見えないので、慎二の視点になるときは、画面半分真っ暗になるんですけど、この視野が狭くなる感じはグザヴィエ・ドラン監督の『Mommy/マミー』みたいだなと思いました。 40代・男性・東京在住 高校生の頃からよく映画を見始め高校時代はテレビ・レンタルビデオ・映画館で合わせて1000本弱。 90年代はぴあシネマクラブを愛読してました。 評価点数、基本甘め。 何でも面白いと思うタイプです。 ここ数年、作品の質に関係なく、ヒットする作品とそうでない作品の差が開く一方だなと思うのと、洋画の興収10億円超えが減ってきてるのが気になってます。 Twitter でフォロー 最近のコメント• に eigamanzai より• に うど より• に 太郎 より• に ツインパワー より• に BMI... 減らしたい より 参考にしてる映画関連のサイト•

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