青野くんに触りたいから死にたい 作品紹介 『青野くんに触りたいから死にたい』は2016年~現在、『月刊アフタヌーン』で連載されています。 アフタヌーンの公式サイト「モアイ」に掲載された 第1話が300000PV突破したり、「次にくるマンガ大賞 2018」で受賞をしたり、連載当初から注目を集めている漫画です。 作者である椎名うみさんは2014年にデビューした作家さんで、この『青野くんに触りたいから死にたい』が初の連載作品。 ちなみにこの作品は、Twitterに投稿された漫画がもとになっています。 余談になりますが、椎名うみさんのツイートはどれもふふっとなってしまうような感じで、みていると楽しいです。 わたし今日初めて一人で新幹線乗るんですけど、すごいちゃんと駅に着けましたし、友達へのお土産も買えましたし、一人飛行機も、もう済ませていますから、無敵なんですよね…日本中がわたしの庭ってわけなんですよ すご…わたし今新幹線乗ってるんですよ……乗車券もすぐに鞄から出せるんですよね…— 椎名うみ shinaumin こういう作者の素っぽい部分や、意外な一面をみられるのってちょっと嬉しいですよね。 青野くんに触りたいから死にたい タイトル「死にたい」の意味とは? 『青野くんに触りたいから死にたい』。 タイトルにびっくりした人もいるんじゃないでしょうか。 わたし自身、はじめてみたときは「えっ」って思ったし、今も友だちにオススメするときは大声で口にするのはためらってしまいます笑 物語の主人公は、 高校生の女の子・優里。 そして彼女が想いを寄せる相手は、タイトルから察せられる通り、 青野くんという男の子です。 もともと2人は、ただ学年が同じというだけでほとんど面識がありませんでしたが、ひょんなことから付き合うようになり、屋上でお弁当を食べたり一緒に帰ったりと楽しい時間を過ごします。 しかし幸せな時間は、一瞬で奪われました。 付き合いはじめてたったの2週間で、青野くんは交通事故で亡くなってしまいます。 絶望した優里は自殺をしようとしますが、カッターで手首に切れ目を入れたその瞬間、なんと 幽霊になった青野くんがそれを止めに入るのです。 だけど青野くんは幽霊だから、優里に触れることができない。 その逆も同じです。 だから優里は、君が生き返れないならわたしが死ぬしかないじゃない、と泣く。 ここにタイトルの由来があります。 「君の側にずっといるから死ぬなんて言わないで」という青野くんの説得によって、優里は自殺を踏みとどまりますが、その悲しさ、切なさは変わりありません・・・。 こうして物語は動き出します。 幽霊と人間で一緒に、終わってしまった2週間のつづきをはじめるのです。 ほのぼの純愛と思いきやガチガチのホラー?! ・・・と、今までの流れから考えれば、ちょっと切ないけれどあったかい、そんな純愛ラブストーリーを思い浮かべてしまいますよね。 しかし一筋縄ではいかないのがこの漫画の面白いところ。 1話終盤、2人はおうちで仲良くDVDを観ていたのですが、そこで青野くんに ある異変が起こります。 この人格は作中で 「黒青野」と呼ばれていて、この後もたびたび登場します。 そして何度か優里に憑依しては、さまざまな(良くない)影響をおよぼしていきます。 もしや悪霊化・・・? 青野くんの正体って一体・・・ と気になるのですが、最新刊である第6巻でも、それについて詳しいことはまだわかっていません(2020年2月現在)。 ほのぼのとしたやりとりを楽しんでいたら急にホラー要素が出てくるので、まあ心臓にはあまり良くないのですが、 わたしの場合そのギャップに完全にやられてしまいました。 話が進むにつれて、2人以外の登場人物・・・ 青野くんの友人である藤本くんや、 ホラー映画に詳しい美桜ちゃんなども加わり、どんどんホラー色が強まっていきます。 伏線もいろいろ張られていそうなので、これからどうなるのか目が離せません! 主人公と青野君のやりとりがカワイイ ラブストーリーでありつつホラー要素が含まれているので、怖いところはとことん怖い。 怖いんですが、優里と青野くんのやりとりがカワイイせいで、ところどころでニヤニヤしちゃいます。 こちらは、青野くんが真剣に「俺は悪い奴かもしれないよ」という話をしているのに、思わず頬を染めてしまう優里の図。 青野くんが好きすぎるあまり・・・ということでしょうね? 「何で頬を染めるんだよ!??」と(彼女相手なのに笑)引き気味の青野くんもいい味出してます。 優里は素直でおっとりしていて、たまにずれた発言をするので青野くんがツッコミ役に回ることが多いです。 でも、他の登場人物が絡むとたまーに青野くんがボケることもあって、それもまたカワイイんですよ。 ここに注目!登場人物の表情 この作品のなかにある数ある魅力のうち、わたしが最も推したいのが、 「登場人物の表情」です。 たとえば、 青野くんがはじめて優里の前に姿を現したとき。 たとえば、 どうなったって青野くんと一緒にいる、と優里が決意したとき。 どちらの絵も、ぐわっと揺さぶられた感情がよく伝わってきます。 なんでだろうと考えたときに思い当たったのが 「目」。 目は口ほどに物を言うとはよくいったものですが、目の形だったり細かいハイライトの入れ方だったり線の濃さだったり、そういうこだわりがこの表情を生み出しているんでしょうね。 優里の場合、素直な性格もあってか、こうやって目にストレートな感情が出ます。 つまり分かりやすいわけですが。 青野くんをはじめとした他の登場人物たちは、また少しずつちがった表現のされ方がしているので、そこも面白いです。 感情をかき乱される作品 さて、これまで長々と語ってきましたが、この作品の特徴を一言であらわすとしたら、それは 「感情をかき乱される」というところだと思います。 しかも、はじめは優里と青野くん・・・2人のあいだでのやりとりがメインでしたが、次第にまわりの友だちや家族なども加わってくることで、だんだん彼らのおかれている環境が浮き彫りになってきます。 家族とわかりあえない。 まわりと上手くやっていけない。 弱くてずるい。 大切にしたいものを大切にできなかった。 これは自分の話だ、と強く共感する人も、理解できない、と拒絶する人も、どちらもいると思います。 けれどどんな形であれ、読んだ人の心をぐちゃぐちゃにかき乱す、そんな強さがこの作品にはあります。 独特の世界観にハマってしまう人続出! 最後に、わたし1人だけじゃなく他の読者の口コミも集めてみました! 切ない恋の行方が気になっていたり、感情をぐちゃぐちゃにされるのが癖になってしまっていたり、いろいろな人がいます。 この回のネームが出てきたとき、あるキャラクターたちが愛おしすぎて抱きしめたくなりましたが、ネーム用紙がぐしゃぐしゃになるので控えました。 ぜひリアルタイムで読んでいただけたら嬉しいです! — 青野くんに触りたいから死にたい(公式) aonokunnn 『青野くんに触りたいから死にたい』の公式ツイートをみると、 担当編集の方が一番のファンなんじゃないかって気がしてきます。 青野くんに触りたいから死にたい まとめ 今回は、純愛ホラー漫画(?)の 『青野くんに触りたいから死にたい』について紹介しました。 ラブストーリーかと思いきやホラー!という意外性が面白いだけでなく、登場人物の感情やお互いの関係がていねいに描かれた作品です。 散りばめられた伏線が今後、どのように回収されていくのかも見どころ。
次の椎名「初めての持ち込みで名刺をもらった意味がよくわからなかった」 ——本日はよろしくお願いします。 椎名:よろしくお願いします…いえーい! たしろ:うん。 いえーい! ——えーっと…まずは椎名さんがマンガを描き始めたキッカケから教えていただけますか? 椎名:はい。 ちっちゃい時からちょこちょこ落書きみたいなことはしていたけど、ちゃんと「漫画」を書き出したのは23歳からです。 生まれた時から魂がオタクなのでオタクなことはずっとしたかったんですけど、あんまりそういうことをしてなくて…。 21歳くらいの時に、「あぁもう自由に生きよう。 よしオタクになろう」と思って。 アニメや漫画にたくさん触れ始めてから、漫画も描きだしたって感じです。 たしろ:なんで漫画にしたんですか? 「オタク表現」をするなら、小説でもよかったんじゃ? 椎名:小説が書けなかったのもあるし、 漫画の方が読んでもらえるかなぁって。 読む時の敷居が低そうだから。 それで、独学で始めました。 たしろ:今は線画までアナログで仕上げはデジタルだけど、最初はフルデジタルだったんだよね。 椎名:すごい貧乏だったからアナログの道具が買えなくて(笑)。 デジタルはソフトだけあれば書けるかなって…。 あと、 尋常じゃなく下手だったので左右反転とか自由変形ができないと成り立たなかったんですよね。 ただ、デジタルを使っていても 地獄のようでした。 とにかく絵が書けないので。 たしろ:よくそれで漫画描き続けられましたよね。 椎名:最初の頃は、pixivに2・3枚とかで上げていた程度で、漫画とは言えない感じでした。 「物語として成立させよう」と思って書いたのは、「太っちょバレリーナのみつこ」からです。 意志が弱いのでだらだら描いてたら、42ページに半年くらいかかっちゃいましたが。 椎名:はい、ただ実は「みつこ」は四季賞に応募する前に、別の雑誌に持ち込んだんです。 たしろ:あ、そうだそうだ。 椎名:その編集部で名刺もらって「またネーム持ってきて来てね」って言われたんです。 でもそれが初持ち込みだったので、 名刺と「ネーム持ってきて」という言葉の意味がよくわからなくて。 「名刺もらった…けど次のネーム持ってこいって言われた…ってことは、この作品はだめだったってことなのかぁ…」と思って。 「じゃあ、もったいないし、最後にもうひとつ投稿するか」って、アフヌーンの四季賞に原稿を送ったんです。 たしろ:それ、おそらく「担当につきます」って意味だったと思うんですけど、 その編集さんがウカツで助かった!(笑)次会う約束ぐらいしないとだめですね。 椎名:あ、それくらいやってもらえるとわかりやすかったです。 その時は単に 「がんばれ」ってことかと思ったんですよ。 四季賞は 変な漫画に間口が広いイメージがあったから、ここかなって思いました。 担当について、最初にどのような会話をしたんですか? たしろ:「みつこ」が、ちゃんと完成させた初めての原稿と聞いたのと、まだコマ割りとか画面がアマチュアっぽい感じだったんで、まずは練習した方がいいと思って。 商業誌を最初から狙うのも段階が高すぎたので、まずはもう1本 四季賞に応募できる作品を、という話をしました。 椎名:「画面が商業誌としてまだ成立してないので、いっぱい描いて練習しなきゃいけないね!」って言われて、私も「そうだなー!」って思ったんですよ。 たしろ:でも実は、私その時はまだ、 自分が椎名さんに感じている面白さがなんなのかよくわかっていなかったんですよ。 だから、すごい力があることは間違いないのに「次はこういうものを書いたらどうですか」っていう具体的な提案ができなかった。 例えば「このキャラクターのこういう感じが好きだから、ぜひそういうものを書いてほしい」って言える作家さんもいるんですけど… 椎名さんには言えなかった。 だから、次の短編は「すきなものをとりあえず描いてください」って雑な投げ方した気がします。 椎名:そういえばたしろさん、一番最初会った時に「好きな漫画何?」って色々聞いてきましたもんね。 たしろ:うん。 その時は、「寄生獣」「ちはやふる」「エマ」…とか、 どエンタメばっかり出てきたんですよね。 椎名:どエンタメ、かつ大河系! たしろ:「みつこ」の時は、 まだ椎名さんの才能の形がわからなかったけど、本人の志向としてはどエンタメだった。 だから、ピーキーな方向を志向する人じゃなさそうだということは感じていたんですが……後々わかったのが 「他人に伝わらないと虚無だ」と強く思っている人だってことだったんですよね。 椎名「漫画は伝えるツール。 他人に伝わらないと虚無。 」 椎名:え、だって、虚無でしょう? 漫画って 伝えるツールじゃないですか。 つまり 言語ってことじゃないですか。 椎名:……みたいな感じのことを突然言ったとするじゃないですか。 今、この場に虚無しか生まれなかったですよね? 全く意味がわからなかったから。 だから漫画も伝わらないと虚無です! たしろ:アハハハハ、めっちゃいい話だな、それすごいわかりやすいね! 椎名:でしょー!? 「ぱぴぷぺ〜」って言ってる私は「すごい気持ちい〜」って思ってるかもしれないけどさぁ(笑)。 たしろ:聞いてる方は、「やべ、こいつ何だ?」って思うよね。 椎名:自分が気持ちいいからってその虚無を発生させるのなら、相手からお金をいただくんじゃなくて、 私が相手にお金を払わなきゃいけないんですよね。 でも漫画家で生活するんだったら、読者の方からお金をいただかなくてはいけない…そしたら、 ちゃんと伝わるように描かないと! たしろ:いいこと言うなー。 ほんとそうだよね。 椎名:そうですよ〜! ママじゃないんだから〜、読者の方は〜。 伝わるように描くのは当たり前で、 更にいいところもないと読んでもらえないじゃないですか! 初期のころはホントにもっと絵が下手だしネームもコマ割りもダメだった。 だから、 いいところを作らなきゃいけなかった! たしろ:冷静だなぁ(笑)。 それで「みつこ」はすごく微妙な感情をいっぱい書いてるんです。 ホントに技量がないので、 そこにすがりました。 たしろ: その狙いは、すごく当たってます。 「この作家さんはすごいと思うけど、自分が担当についてもできることは何もない」って、それくらい感情の描き方がすごかった。 担当「作家さんと同じ虹が見えていないと担当できない」 たしろ:それで、編集長から「たしろが担当すれば?」って言われたんですけど、実は私も椎名さんをうまく担当できるか、めっちゃ自信なかったです。 椎名:え、なんでなんでー? たしろ:だって、 作家さんには虹が12色に見えてるのに、私が7色にしか見えてないとしたら、担当できない。 「椎名さんには12色見えてるのに私には7色だなぁ」ってなったらと思うと… 椎名:でも。 もし自分が12色見えてたとしても一般的には7色しか見えないとしたら、自分が12色見えてることは特殊なことですよね。 そしたら、漫画を描くんなら、 7色にしか見えない人にも12色に見えるように描かなければ全く意味がないですよね。 たしろ:そう。 でも、やっぱり 担当として伴走する私が12色のきれいさをわかってないといけない。 そうでないと「7色にしか見えてない読者」にどう伝えればいいか言えないじゃないですか。 だから本当は作家さんと同じくらい、その尊さと素敵さをわかってないとダメなんですよね。 わかっていなくてもできるとは思うけど、わかってた方がよりいい。 椎名:いいですね……たしろさんはこういう風に、ちゃんとはっきり順序だてて説明してくれるので私にとってはありがたいです。 感覚で言われるよりも、理屈で言われた方がわかりやすいです。 担当「作家と編集は『物語に何を求めてるか』の感覚が合うことがすごく大事」 椎名:あと、たしろさんにその頃言われたことで、覚えてることあるよー! それ、ずっと 私の指針になってる! たしろ:えぇぇ! 何て言った!? (笑) 椎名: 「人と人が出会うのが物語です」って言われた。 たしろ:おぉぉ〜…どういうことだ!? 人はいっぱい出てくるんだけれども、 主人公と対になるような重要な相手、そういう人と出会わなかった。 たしろ:あ〜、そういうことか。 椎名:「誰かと誰かが出会わなきゃいけないんだ」って言われた時、に「あっ!」って凄いしっくり来たんですよ。 それで、次のネームでは主人公と正反対のキャラクターを登場させたんです。 それからはずっと、物語を描くときはそれを思って描いています。 あともうひとついいこと言ってました。 「誰かと誰かが出会って、主人公が最初にいた位置からどれだけ遠くに行くか。 それが感動の大きさです」…って。 たしろ:…って、私が言ったの!? (照) 椎名:言ったの!(笑)そういうことを最初にたしろさんが言ったとき、 「この編集さんとやりたい」って凄く思いました。 たしろ:「人と人が出会うのが物語なんだ」っていう感覚が合致した、ってことが大事なんだよね。 作家と編集は「物語に何を求めてるか」の感覚が合うことがすごく大事だと思います。 欲望の形は人によって違うので、そこが違う人と漫画を作るのはなかなか大変ですから。 あ〜〜〜…なんかもう、ほんと、今日はいい1日だなぁ(笑)。 私、うれしいなぁ! 椎名:たしろさん…私のこと好きですね、さては! たしろ:大好き〜! ——・・・・仲良いですね・・・。 ~つづく~ ——「描き方が見つからない」スランプ時期や、「青野くんに触りたいから死にたい」立ち上げなどを語るインタビュー中編は4月27日公開予定! 「ぱぴぷぺぽ語」話の続きも…!?
次の青野くんの種類 ・普通の青野 ・黒青野くん ・異界の青野くん ・チビ青野くん 2. 青野くんの変化 ・異界の青野くんと異界の変化 ・黒青野くんの変化 ・普通の青野くんの変化 ・優里の変化 3. 3.四ツ首様が暗示する死者と生贄の関係 四ツ首様のエピソードは最終的に優里と青野くんの関係を解消する鍵となる話なのかなと思っています。 蒼太と生贄たちの関係は青野くんと優里の関係にそのまま置き換えられるし、蒼太のケースが解決できるのなら、優里と青野くんのケースに摘要できるのかなと。 本来の雨乞いの儀式と小学校に伝わるおまじない、子供たちが行ったおまじない、優里と青野くんの関係について対照表を作ってみました。 生者と死者の関係性 ハイライトしている個所は実際に起こっていること・おそらく確定だと思われることです。 白い箇所は現在のストーリーから今後起こると予想されることです。 棚石で首を斬り、懴悔懴悔六根清浄と唱えながら、村人たちが加々智山へ登る。 そして生贄の首を投げ入れる。 そうすると死者が神かかった力を持ってよみがえり、滝を浄化し、雨を呼ぶ。 子供たちがそれぞれ、牛(結菜)・馬(大翔)・犬(希美)の寿命を捧げているのではないかと美桜は推理しています。 そして、夏祭りの日、「お友達」が現われ、生贄を加々智山へ運んでいきます。 この時、結菜は「懺悔懺悔六根清浄」と「お友達」に追い立てられます。 一方、希美は、希美自身が「懴悔懴悔六根清浄」の現代語版「ごめんなさいごめんなさい反省しています」と言っているのですよね。 「わたしはそのたくさんの人達の全部だったの」とも発言しており、希美は生贄を捧げる側のように思えます。 チビ青野くんが希美の発言に「君は正しい」と言っており、この言葉はもしかして「たくさんの人達の全部だった」に指しているのかなと思います。 その後、黒青野くんがちょっとずつ優里ちゃんの命を受け取っていくにつれ、異界の月は徐々に太っていき、夜が更けていく。 優里についても満月の夜、最後の儀式が行われることが暗示されているのかもと思います。 そして、夜が明けた時に儀式は完成する…? 子供たちと優里の共通点は生贄であること。 黒青野くんが四ツ首様について、「たかが畜生だよ!君の方がずっと良いものだ!!」と言っています。 牛・馬・犬を捧げて、死者がよみがえるのであれば、人を捧げると何がよみがえるのか? 青野くんの正体は人以上の何かなのかもしれないと思います。 4.青野くんの正体(妄想) これはもう完全に妄想の域なのですが、青野くんの正体って、赤根滝のなんではないかと思っています。 「加々智」という言葉は蛇の種類をさす言葉でもあるそうで、蛇と龍というのは時に同一視されることがあります。 が住む山が加々智山と名付けられているなど、この作品の中でもある程度同一のものとしてみなされているのかなと思います。 また、4回目の憑依で優里がみつけた怪物や子供たちがみている青野くんの姿、あれもなんか龍っぽいような気がする。 黒青野くんと普通の青野くんのビジュアルがどんどん変化していっていますが、特に黒青野くんのファサファサの髪、龍のたてがみみたいだなと思ってみています。 ついに牙までてますし… トランス状態の黒青野くんと「お友達」状態の蒼太、トランス状態の希美は目が似てますよね。 いつも捧げものを要求するのは黒青野くんで、受け取ると普通の青野くんに戻る。 黒青野くんは生贄を普通の青野くんに捧げる係で「お友達」に近い役割だったりして…とちらりと思ったりしています。 また思いついたことがあったら適宜考察エントリを書こうと思います。
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