公開日: 2001年3月17日 日本 監督・脚本: キャメロン・クロウ 音楽: ナンシー・ウィルソン 出演者: パトリック・フュジット(ウィリアム・ミラー)、 ビリー・クラダップ ラッセル・ハモンド 、 ケイト・ハドソン ペニー・レイン 、 フランシス・マクドーマンド(レイン・ミラー/ウィリアムの母)、 フィリップ・シーモア・ホフマン(レスター・バングス 受賞歴: 第58回ゴールデングローブ賞 映画部門 作品賞 ミュージカル・コメディ部門 /助演女優賞 第73回アカデミー賞脚本賞受賞 2000年放送映画批評家協会賞 オリジナル脚本賞/助演女優賞 2. amazon. ネタバレなし 1960年代サンディエゴ。 主人公のウィリアムに友達はいない。 大学教授である母親の方針で 2学年も飛び級させられ、食事のメニュー、会話の内容も厳格にしつけられていた。 彼には姉がいた。 母親に反発し、スチュワーデスになるのだとこの街を出ていく。 立ち去る前に弟ウィリアムにささやいた。 amazon. こうしてウィリアムはロックに出会った。 母と2人だけの生活。 時が経ちハイスクール卒業も間近の15歳の夏、あいかわらず友人のいないウィリアムだったが、あいかわらずロックに夢中で音楽ライターになることを夢見ていた。 そしていくつもの出会いが彼を動かす。 amazon. 憧れの音楽ライターのレスター・バングス• 大スターになることを目指し活動する「スティルウォーター」のギタリストのラッセル• amazon. 毎日2回は電話をかけると母親に約束して、ウィリアムは「スティルウォーター」のライブツアーに記事執筆のために帯同。 ペニーへの淡い想いと自分の役目を抱えながら音楽業界に飛び込んでいくのだった。 ネタバレあり 音楽ライターとして駆け出しのウィリアムに、レスター・バングスは忠告しました。 「ロックスターとは親友にはなれない。 正直に手厳しく書け。 」 なにかあったら連絡をしろ、と。 amazon. 彼女は本当の自分自身のことを教えません。 ほかの女の子たちとは一線を画し、気取って言います。 「ミュージシャンとは本気では付き合わない。 こちらが傷つくだけよ」 それでも彼女には目的がありました。 このライブに出演している 「スティルウォーター」のギタリスト、ラッセルに心を奪われていたのです。 そしてウィリアムもまた気に入られ、バンドのツアーに誘われます。 ウィリアムは「ローリング・ストーン」誌からの仕事を受け、ほのかな思いをペニー・レインに寄せながら「スティルウォーター」と共にバスでツアー生活を過ごすことになります。 しかしラッセルから 本当に大切なのは残してきた恋人や家族で、バンドは共同体。 トラブルを起こしたくない。 グルーピーのことは書くなよ とオフレコでくぎを刺されます。 危ういバランスの上にこのツアーがあることをウィリアムは感じ取るのです。 amazon. パーティーの真っただ中にキャビンアテンダントのアナウンスを真似ながら躍り出てその場を自分のものにします。 ラッセルとペニーはすぐに別室に消えたのでした。 電話では相変わらず母親とケンカになります。 ツアーに夢中になって約束を破るウィリアムを母親は心配します。 ある時、バンドの中でもめごとが起こります。 ホテルではラッセルとほかのメンバーが対立し雰囲気は険悪に。 彼はウィリアムを外に連れ出します。 街をうろつきながら、 ウィリアムは初めて自分の身の上を話し、ラッセルもウィリアムには心を開いていきます。 amazon. 迎えに来たマネージャーと共にラッセルを連れてバンドにウィリアムですが、くたびれた顔で「もう家に帰るよ」とこぼすと、ペニー・レインは「ここが家よ」と微笑みます。 ラッセルもやはり笑っていました。 トラブルがあっても、またここに戻ってくる。 そんな場所の一員になったのです。 amazon. ある時部屋にたむろする年上のグルーピー達が悪ふざけで彼に挑みかかってきますが、ペニーはただ笑ってみているだけ。 ウィリアムの気持ちを知っているのか、応えようとも助け出そうともしません。 周りの雰囲気に飲み込まれ家にも帰らず原稿もままならないウィリアムに、ある朝ストーン誌の編集者から原稿の催促の電話がかかってきます。 檄を飛ばされ、慌てて中堅バンドのスターへの苦悩を書いていると伝えます。 これはあらかじめレスター・バングスに電話でアドバイスを聞いていたとおりで、ストーン誌はこれに食いつき 4000字の記事と出来が良ければ「スティルウォーター」を表紙にしてもいいという提案をしてくるのです。 相変わらずホテルではペニーがラッセルの部屋に入り浸り、彼の部屋のドアノブには「ノックするな」の札がかかっています。 ある時、母親との電話に酔っぱらったラッセルが割り込んできます。 からかって話す彼に母親は ウィリアムが15歳であることを、未来があること、何かあっては許さないときつく言い渡します。 この時ばかりはロックミュージシャンも襟を正さずにはいられないのでした。 amazon. 経験のあるマネージャーを迎え、彼が これからバンドがトップスターになってくキャリアの道筋を提示したのです。 ついに慣れ親しんだバスを捨て、飛行機に乗り込む「スティルウォーター」とグルーピー達。 新たなる旅が始まるのでした。 amazon. ほかの有名バンドと「スティルウォーター」は合流しバンドメンバーやスタッフたちが賭けポーカーを始めました。 「スティルウォーター」側から「50ドルとビールひと箱を求める。 それに対してこちらからは美女3人をそちらに渡そう」と相手のバンドに持ち掛けます。 「その中にはペニー・レインも入っている」 勝負のテーブルについていたラッセルがうなずきました。 ラッセルはペニーを手放すのに同意したのです。 そして取引成立。 これから移動するニューヨークには自分の恋人がやってくる。 女の出入りは激しいものだ、というラッセル。 amazon. しかし彼女はラッセルのことばかり聞き出そうとします。 彼はなにを考えているのか。 彼の恋人の存在も知っているのに それでも自分が愛されていると信じて疑っていません。 ウィリアムはいらだち言います。 「君の現実(リアル)はどこだ!本名も知らない。 そんな君は幻だ。 内輪のルールや会話はうんざりだ。 」 そしてついに50ドルとビールひと箱と引き換えに他のバンドに売られたのだと告げます。 だからニューヨークに一緒に連れて行ってもらえないのだと彼女も悟るのです。 amazon. ウィリアムはレストランでストーン誌の表紙に「スティルウォーター」が決まったとメンバーに伝え、彼らのテーブルは歓喜に包まれます。 ところがラッセルの恋人も加わっているその席を遠巻きにして、 いないはずのペニーがラッセルを見つめていたのです。 彼女は立ち去りますがウィリアムが追いついたとき、彼女はホテルの部屋で薬をお酒で飲みもうろうとしていました。 その彼女にやっと想いを告げ二人はキスします。 amazon. 回復したペニーは翌朝ウィリアムに自分の本当の名前を告げます。 そして彼より一足先にサンディエゴへの飛行機に乗り込み、故郷へ帰ります。 はじめてバンドのパーティーに加わった時に真似ていたキャビンアテンダントのアナウンス。 今では本物を聞いているのです。 amazon. 機長に不時着すると告げられてから全員がパニックになり告白、いえ暴露合戦が始まり、それぞれの身勝手な言い分が飛び交う中、ついに ウィリアムはラッセルにペニーのことで怒りと想いをぶつけます。 結局飛行機は危機を脱し、空港でバンドとは別れました。 ラッセルはウィリアムに 「自由に書け」 と言い残します。 サンフランシスコのストーン誌編集部へ向かい、一晩で記事を仕上げることを約束。 どう書こうかと思い悩んで相談したレスター・バングスは言います。 「友達なら正直に、手厳しく書け」「立ち向かえ、今がスタートだ」 それは 彼自身の苦悩でもあり、一番の励ましの言葉でもありました。 amazon. 失意の中、空港で飛行機を待っている時、キャビンアテンダントになった姉が目の前に偶然現れます。 「疲れた顔しているのね。 でも偉いわ、あなたは自立してママから解放された」 と彼を誉め休暇をとって二人で過ごすことを提案してくれるのです。 姉の提案を受け入れたウィリアムが望んだのは 二人で実家に戻ることでした。 「許すわ」「謝らないわ」 ぎこちなく、でも愉快に笑いあう母親と姉。 amazon. ペニーの自宅に電話をいれ会って謝りたいと告げるのですが、 彼女が教えた住所はウィリアムの家のものでした。 戸惑うラッセルをウィリアムの母親は受け入れ彼はウィリアムと再会が叶います。 そしてウィリアムは改めてラッセルにインタビューを始めるのでした。 ウィリアムの書いた「スティルウォーター」の記事は改めてストーン誌に掲載され、 それぞれが自分の道を進むイメージでこの映画を結びます。 amazon. 「あの頃ペニー・レインと」の見どころ 映画タイトルからは恋愛モノを描いた作品だと思われがちな本作(もちろん恋愛もテーマとしてはありますが)。 見どころはたくさんありますが、いくつかをピックアップしてご紹介します。 amazon. 音楽好きの人には有名なようですので、ウィリアムもすぐにそれが本名出ないと気付いたのでしょうね。 そしてもちろん「ローリング・ストーン」誌も実在の音楽雑誌であり、監督のキャメロン・クロウは 15歳でこの雑誌においてライターとしてのキャリアをスタートさせました。 そのほかにも当時60年代の女の子たちのファッションやサウンドトラックなどとても素敵です。 amazon. ウィリアム・・・2年飛び級できてしまう賢さ、ストーン誌に執筆を依頼される実力• ペニー・レイン・・・たくさんの女の子の中でNo. 1になれる美貌とキャラクター• ラッセル・・・バンドの中でもキーマンになれる音楽の才能• ウィリアムの母親・・・大学教授の地位とその知性 全員素晴らしい魅力を持ちつつも、むしろその能力によって人から敬遠されたり、本当に欲しい相手からの愛情・称賛がもらえていません。 人間関係の輪 お互いに向かう感情のベクトル この作品の登場人物はほとんどほかのだれかに対して約束を破ったり、傷つける行為をしています。 母親・・・子供たちを縛り付けた• ウィリアム・・・母親との約束を破った• ペニー・レイン・・・ウィリアムを傷つけた• ラッセル・・・ペニーを傷つけ、ウィリアムとの約束を破った• 姉・・・家出という形で独立しつつ母を傷つけた その傷つけあうベクトルが、ラストではお互いに謝り償う姿勢を見せることこそ作品のさわやかな余韻を生んでいると思います。 特に 母親と姉の再会時のセリフ、図らずも家を訪ねてきたラッセルにウィリアムの母親がかけた言葉や態度が秀逸です。 amazon. 真剣なあまりエキセントリックな行動をとってしまいがちですが、 その強さはラッセルの心までも救ったといえるでしょう。 演じるのは「スリー・ビルボード」主演女優のフランシス・マクドーマンドです。 あの作品でも一筋縄ではいかない人生を歩んでしまった母親の哀しさ、強さを演じています。 この映画で様々な賞レースにて助演女優賞を勝ち取りました。 amazon. キャリア上の先輩として 突き放しつつもやさしく見守ります。 ウィリアムは時にふざけ半分でバンドメンバーから「天敵!」と呼ばれ、自分たちのことを洗いざらい書くだろう、あいつは信用できない。 と言われるのですが、レスター・バングスにとっては通ってきた道。 常にどれだけ一緒にいても相手とは友人になれないこと、 本当にライターとして生きていく姿勢を何度も電話越しに伝えます。 この師弟関係はウィリアムを支えるのです。 実在のレスター・バングスはドラッグの過剰摂取により37歳の若さで亡くなり、演じたフィリップ・シーモア・ホフマン自身も46歳の時、同じ理由でなくなりました。 この二人の俳優の演技にも注目です。 amazon. ぜひ、これから挙げる人たちにこの映画をオススメしたいと思います。 これから新生活を送る、または独立したいと考えている10代の人 新しい環境に飛び込み、もまれながら弾き飛ばされてしまう主人公。 自分の現実(リアル)の世界に戻ったのち、様々な人たちのやさしい計らいのおかげで再びライターのキャリアを再開、 現実(リアル)と夢が混ざり合って自分のものになっていくのです。 ふだんのくらしの中でもやりたいことを自分のものにするのは大変ですし、居場所を確保するだけで疲れてしまう人もいるかもしれません。 そんな時はぜひ、ウィリアムのセリフ 「君の現実(リアル)はどこだ!」を思い出してみてほしいと思います。 音楽・ファッションが大好きな人 実在のバンドも多数登場します。 ライターとして実際に活動していた監督の作品であり、登場する小道具や衣装など、 保管しておいた当時のものをそのまま使っているシーンが多いそうです。 60年代を振り返りたい、参考にしたいときにもこの映画はとても価値があるのではないでしょうか。 お勧めいたします。 青春をすぎた大人たちにも この作品の見どころでもお伝えしたように、主人公を見守る大人の存在があります。 自分がまだ不安定な十代だったころ、こんな風に見守ってくれる人が欲しかったと思わせてくれますが、しかし彼らとてけしてほめられた存在ではありません。 どこか彼ら自身も世間から外れている印象があります。 そんな痛みを抱えつつ、 主人公に対して向き合い、時に遠くから我慢して見守る姿をいまこそこっそり参考にしてみませんか。
次の《あらすじ》 舞台は、70年代アメリカ。 姉の影響で音楽にのめり込むようになったウィリアム(パトリック・フィジット)が物語の主人公。 彼が地元紙に描いた記事を、『ローリング・ストーン』誌が注目し、ウィリアムが弱冠15才の少年とは知らずに原稿依頼することに…。 ブレイク寸前のバンド「スティル・ウォーター」の全米ツアーに同行取材することになったウィリアムは、ペニー・レインと名乗る少女(ケイト・ハドソン)との出会いや、バンドメンバーからの刺激を通して、少しずつ成長していく。 作品のおすすめポイント 衣装と音楽に痺れる映画、『あの頃のペニー・レインと』。 フワフワとしたブロンドのカーリーヘアにサングラス、花柄の刺繍やレース、フリンジ、ファーデニムなど70年代のヒッピーを彷彿とさせるボヘミアンスタイルがとても可愛いんです。 舞台設定(年代設定)の演出が細かなこの作品を観ていると、「あぁ…70年代へタイムスリップしたい。 ヴィンテージのアイテムが欲しい。 今すぐアメリカへ飛んで行きたい…」とファッション欲・トラベル欲がかき立てられ、途方に暮れることもしばしば。 そのくらい、とてつもなくロマンのある作品なのです。 そんな作品のロマンを形作るのは、音楽もしかり。 少年ウィリアムの視点で、さまざまなバンドに関わっていきながら、70年代の音楽(ロック)シーンを存分に味わうことができるんです。 BGMも弾む曲ばかりで、いい感じ! また、劇中の架空バンド「スティルウォーター」のライブツアーに同行しながら、ウィリアムの故郷であるカリフォルニア州サンディエゴ・アリゾナ州テンピ・カンザス州トピーカ・テネシー州グリーンビル・オハイオ州クリーブランド・ボストン・ニューヨークなど、 アメリカ国内のさまざまな場所を旅することができるのも、この映画の素敵なポイント。 ぜひ、ファッションと音楽のロマンあふれる本作を観てみてください。
次のネタバレ! クリックして本文を読む 1969年。 サーファーショップが立ち並ぶ海沿いの街サンディエゴ。 離婚を原因として世間ズレするほど教育熱心な大学教授の母親。 その中で素直に育っているウィリアムは秀才で飛び級をして上級生のクラスに入り弁護士を目指す。 周りチビ扱いされるが喧嘩もせずおとなしい。 厳しく強い母親と反りの合わない姉のアニタは、母親から逃げるように彼と車でサンフランシスコへ旅立つ。 ウィリアムは姉の残した「ベッドの下で自由を見つけて」の言葉通り、ベッドの下にザ・フーのトミーと「ロウソクをつけて聴くと未来が見えるわ」という姉の手紙を見つけ、その通りロウソクをつけてレコードをかける。 少年の心に何かが始まる予感が生まれた。 1973年。 ウィリアムは15歳になった。 進学し周りより年下ながらもクラスで、それなりにうまくやっている。 クリームマガジンの伝説のロック記者レスターに「利益に走ったロックは終わりだ、ロックは危機に瀕している」と教えられ、ブラックサバスのライブの取材の仕事を得る。 母親に車でコンサート会場に送ってもらう。 会場裏口から取材だと言って入ろうとするが締め出され、あきらめかけたが、通りかかった前座バンド、スティルウォーターのメンバーに、彼らの新作の的確な解説をしてみせ、気に入られ、エネミーというニックネームで楽屋へのフリーパスをもらう。 ウィリアムはロックショーの舞台裏に感激する。 バンドのギタリストであるラッセルに「曲のセカンドバースの終わりにミスがある、でもそれが曲のツボになっていて、それがロックンロールなんだ」と教わる。 夜の駐車場で母親の車に戻る、それを上空から映しだす。 大人の世界を垣間見た夜だった。 数日後、ライオットハウスに出かけていく息子を見て母親は、成長とともにだんだん離れていくのを感じ、寂しく思う。 ローリングストーン誌から電話が入り、スティルウォーターのツアー同行記を3000字1000ドルで依頼される。 記者のレスターも母親も反対するがウィリアムは決意してツアーバスに乗り込む。 アリゾナ州キングモーターロッジに着く。 バンドメンバーはウィリアムがローリングストーン誌に記事を書くことに危機感を感じていた。 プールサイドでラッセルに「昔は聞こえたサウンドが、今はもう聞こえない」と告白される。 バンドツアーに同行しているウィリアムにとって見るもの全てが刺激的で異世界に迷い込んだようだった。 ラッセルがライブ中に感電し、電気管理ができてないないとマネージャーのディックがプロモーターと喧嘩して会場を引き上げる。 トピーカの町でバンドのTシャツが完成したと喜んだが、ルックスのいいラッセルを中心に売ろうとしているデザインにヴォーカルは腹を立てラッセルにバンドを辞めろと言う。 ラッセルとウィリアムはトピーカ住民のハウスパーティに誘われる。 LSDでラリったラッセルはバンドを辞めると言い「俺は輝く神だ」と叫んでプールに飛び込む。 次の日の朝、マネージャーのディックがラッセルを説得して連れ戻す。 バスの中でエルトンジョンのタイニーダンサーをメンバーで歌い仲直りする。 グリーンヴィルでウィリアムは童貞を失う。 その朝、ローリングストーン誌から追加の1000語を依頼される。 眩しく輝く音楽の世界だが、その裏側は酒と女とドラッグばかりの汚い世界だと知るウィリアムは、依頼されている記事がまとまらずホテルの廊下で1人泣く。 ウィリアムはもう家に帰りたかったが、ラッセルは中西部のロックの街クリーブランドに強引に連れて行き、そこでデヴィッドボウイを見かける。 ラッセルは電話で母親に「ウィリアムを堕落の道に落とさないで」と頼まれる。 業界通の大物マネージャが来て、言うことを聞けば君たちをビックなバンドにしてみせると言われる。 いつまでもロックをやってられないぞと言う大物マネージャーに、バンドメンバーは彼が必要だと言う。 ウィリアムは地元先輩記者レスターの「ロックは商業主義に負けた」という言葉を思い出す。 飛行機で移動しボストン、ニューヨークへ。 ウィリアムはついにバントとともにアメリカを西から東へ横断した。 ウィリアムはバンドにローリングストーン誌の表紙に決まったことを発表する。 母親はウィリアムの卒業式に1人で出席し悲しい思いをした。 移動のセスナ機で雷雨に見舞われ、緊急着陸となり、もう命が無いと感じたメンバーはみんな隠していたことを告白する。 機体は無事雷雨を切り抜けたが、打ち明け話を聞いたメンバーは白け、ウィリアムは空港で嘔吐する。 ラッセルに「自由に書け」と言われる。 ウィリアムはサンフランシスコのローリングストーン社に行く。 バンドを褒めてばかりの記事ではダメだと言われ、一晩待ってくれと言う。 先輩記者レスターに電話で相談し「偉大な芸術は罪悪感と憧れから生まれる」と教えられる。 ウィリアムは正直に見たことを記事として書いたが、ローリングストーン社はバンドにその内容を否定され、裏が取れなかったとして記事はボツとなった。 ウィリアムはあらためてラッセルにインタヴューし、「音楽の何を愛してる?」と聞き、ラッセル「すべてだ」と答える。 ラッセルはローリングストーン誌にウィリアムの書いた記事はすべて本当だと言い、ウィリアムの記事が掲載されることになる。 スティルウォーターは、ローリングストーン誌の表紙を飾り、ロックの魂を捨て商業的に成功し、ツアーバスで走り去った。 ウィリアムは空港で呆然としていたところを姉のアニタと再会し、2人で家に帰る。 スチュワーデスになり大人として成長した姉のアニタは、いつも心配してくれていた母親の気持ちを理解し、抱きしめ、許し合う。 母は子供2人と久しぶりに食事をし、心から安堵し、幸せな時間を過ごす。 ウィリアムはタクシーで帰る姉を見送り、いつまでも手を振った。 この経験を通して、美しいものに憧れていた純粋な少年時代が終わりを告げたことを感じた。 そして、大人への一歩を踏み出した。 夕暮れの中、さわやかな風が吹いていた。 総合65点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:75点 ) ペニーレーンというからイギリスの話かと思ったらアメリカが舞台だった。 ペニーレーンが邦題になっているから、この名の女の子が重要な中心人物かと思っていたら、主人公の音楽界でのひと時の経験の話だった。 ちなみに原題は『Almost famous』で、恋愛映画を想定させるものではない。 それでそのひと時の話だが、とりとめもない日常の話で展開としてはそれほどはっきりとしたものはない。 ただ見るもの聞くもの全てが学校も家庭も上手くいっていない15歳の主人公にとっては異世界に迷い込んだかのようなもので刺激的で、それは視聴者にもほぼ同様だろう。 特にこの時代のアメリカの音楽界の裏側の実態が見れるのは面白かった。 全体に軽い滑稽な演出と演技であり、その中に個性的な登場人物と共に時々適度に真面目な場面を入れてくるので、メリハリもあって観やすい。 だけど物語性としてはしっかりとした流れがあるわけではなく、ペニーレーンとのことにしてもこれだけで終わりなのかと肩透かしだった。 調べてみると当時15歳だった監督の実体験を基にした話らしく、なるほど15歳でこんなことを体験すればその衝撃は凄いだろう。 自分もこんな体験があれば刺激的だし忘れられなくなるに違いない。 でも実話だからこそ物語の展開としては興味深いものではなく、その時その時の体験談程度に近いものになっているだけだった。 劇中で歌われるエルトン・ジョンのTiny Dancerはもっと新しい作品だと思い込んでいたが、こんな以前に制作されていたとは知らなかった。 全然古さを感じない名曲。 「ドクター・ドリトル」 C 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved. 「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」 C 2018 Danger House Holding Co. , LLC. All rights reserved. 「ANNA アナ」 C 2019 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED. 「ハリエット」 C 2019 Focus Features LLC.
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