白と猫とバレンタイン。 ふと気になって立ち寄ったチョコ特集のコーナー。 そうか、きょうはバレンタインデーか。 学校の帰り。 中間考査期間で部活がなく、授業中にひらいたルーズリーフの残りが少ないことに気づいて、帰り道にあるデパートへ立ち寄ったところである。 「バレンタイン、か……」 ふと、東京に住むちいさな彼が目に浮かんだ。 猫のような彼は誰からもらうのだろうか。 思い浮かんで、ちくりと違和感がして。 はっとして忘れるようにぶんぶんと頭を大きく振る。 別に、嫉妬とか、ないし。 あげたい、とか、そんなんじゃ、ない、し。 俺だっていつも学校でたくさんもらってるし。 ちらりと鞄に目をやる。 今年は、実はひとつももらっていないのだ。 声をかけられるも、頭をよぎるちいさな彼が邪魔をして全て断ってしまったし、下駄箱にあったものは、真田と蓮二に押しつけてきてしまった。 少し眉を寄せ、でも後ろ髪引かれる思いで。 よし、みるだけ、みるだけ。 と心の中で決心して、チョコレートの棚の森へと足を踏み入れた。 身長と比べてそこまで高くない色とりどりのチョコレートの箱が並んだ棚を流し見しつつ、奥へと進む。 ふと、目がとまった装飾の箱にさくさくと歩く足をとめた。 「……ねこ」 それは手のひらに収まるくらいのちいさなチョコレートの箱。 ただ、四角い箱ではなく、猫が座っているような形をした、珍しいものだった。 そういえば、ボウヤも猫好きだったっけ。 よくしていた飼い猫の話を思い出す。 たぬきみたいな柄で、ねこらしくない鳴き声の。 もふもふとした毛並みが気持ちよくて。 名前は…… 「カルピン、だっけ」 一度だけ写真を見せてもらったことはあったが、実際に見たことはない。 もふもふしてあったかいんすよ、なんてキラキラした目で語るものだから、見てみたいなあと思っていた。 箱を手に取り、一時悩んで。 そのままレジへと向かった。 ホワイトバレンタイン、とニュースで見たのを思い出したのは、越前の家の最寄駅に降りた時だった。 まさかこんなに積もっていたとは。 昨晩からの大雪で、都内の交通網が混乱しているとは聞いていたものの、あちこちに見受けられる大きめの雪だるまに、その積雪の量を思いさらされたのだった。 神奈川はそんなにでもなかったからなあ、なんて独りごちりながら、さくさくと雪を踏みしめる。 パウダースノーと呼ばれるであろうその感触に気を取られていた。 「った!」 上から降ってきたちいさな雪の塊が頭に直撃したらしい。 雪って意外と痛いんだな、ちくしょう、と涙目で軽くうずくまって頭の雪を払う。 「なにやってんすか」 笑いを含むその声に、ばっと顔を上げれば、そこにはマフラーで顔を半分うずめた越前の姿があった。 「すごい雪だね」 「ほんとっすよ」 寒くてかなわない、とでもいうように越前は肩をすくめた。 「入っていいよ、今日誰もいないから」 「じゃあ遠慮なく」 お邪魔します、と靴を脱ぐ。 越前の家に来たのははじめてで。 少し緊張しながらも、表には出さないようにして越前のあとについていった。 がちゃり、とあけて入った越前の部屋は普通の中学生というような部屋だった。 机の上はきれいだが、床にはゲームと、テニス雑誌が広げられている。 「適当に座っていいよ」 あとこれ。 コートを脱ぎながらベッドの脇に荷物と一緒に置かせてもらっていたら、ぶっきらぼうに差し出されたもの。 それは。 「これ……」 「いらないの?」 ちらりと目線だけよこして、顔はそっぽを向いたまま。 これは。 「バレンタイン、でしょ」 ほら、といわれて、固まっていた体をおこして受け取る。 ちいさな赤と白の箱に赤い薔薇が一輪添えられているシンプルなそれ。 ぽかんとした情けない顔で たぶんそうなってるとかすかに自覚している 箱を見、越前に目線を向けた。 ぱちりと目が合うと、あわててそらされる。 頬がかすかに赤くなっているのが愛らしい。 「準備してたの?」 拗ねているような顔で自分よりも高いチョコレートの棚を眺めている様子を想像して、くすりと笑ったら、なんで笑うの、と唇をつきだして拗ねてしまった。 「べ、別に……親父が……」 「え、俺たちの関係ばれてるの?!」 「いってないよ俺!でも、鋭いから……あの人……」 「……」 どうしよう。 次会うときにどんな顔をすればいいんだ。 「あんたは?くれないの?」 「ほしいの?」 「俺あげたし」 答えになってない。 でも、鞄の中には先ほど買った猫の箱。 というか持ってきた前提なのか。 持ってこなかったらどんな顔してたのかな。 俺、カルピンに会いに来たんだけどなあ。 じーっと見上げてくるおおきな瞳が期待と好奇心に満ちている。 この目に弱いんだよ、俺。 むぐぐ、と軽く眉をよせ、観念したようにはああ、と肩の力をぬいた。 「……ちょっとまって」 ごそごそと鞄に手を入れれば、よっしゃ、と嬉しそうに、でもいつもの小生意気な笑顔でそう言うのが聞こえた。 「俺があげなくてもいっぱいもらってるんじゃないの」 横目でちらりと見ながらいえば、別に、先輩たちほどじゃないよ、とポケットに手を突っ込んだまま答えた。 それでももらってるじゃないか。 少し腹が立ったので、軽く睨んでやれば、まだ?なんて距離を詰めてくる。 「まってまって、いま探してるから」 かがんで、床に置いた鞄をあさりながら、やたらと近い越前に目だけ向ければ、そのまま肩をつかまれて。 「んっ……」 唇に触れるだけのやさしいキス。 バランスを崩して尻餅をつけば、そのまま乗り上げてくる。 「ちょっと、チョコ出せないんだけど」 というか突然すぎる。 発情期の猫なのか、お前は。 思わずそういいたくなったけれど、じーっと見つめてくる越前に根負けして。 おねがい、キスだけ、なんて艶やかな雰囲気で言ってくるものだから、わかった、と静かに目を閉じた。 目をキラキラさせて渡した箱を見ている越前の隣で、やっとご対面できたカルピンを撫でる。 ごろごろと鳴る喉を撫でてやれば、ほあら~と聞いたこともないような鳴き声をして、気持ち良さそうに目を閉じた。 「本当にキスだけだったね」 「なに、続きしてほしかったの」 俺やり方わかんないけど。 箱をあけながらいう越前に、俺だってよくわからないよと答える。 今はまだ、ここまでの関係で十分だから。 「これおいしい」 ほんと?中身まで見て買ってこなかったから正直どんなチョコレートなのかわからずで。 もぐもぐと食べる越前に目をやれば、箱の中からひとつつまんで口元にさしだしてきた。 「はい」 おいしーよこれ。 猫の顔をかたどったちいさめの白と黒のチョコがいくつか入っているらしい。 白いそれを差し出されて、一瞬迷ってそのまま口で受け取った。 「あ、本当だ美味しい」 でしょ、なんていう越前は今の行為をなんとも思わなかったようで、チョコを食べるのに夢中になっている。 もぐもぐと口に広がるホワイトチョコの甘さに負けないくらい、熱く火照った頬を見られないように、うつむいて髪で隠した。 無自覚なんて、罪すぎる。 ほあらぁ~、と見上げるカルピンを抱きしめた。 あ、ルーズリーフ買い忘れた。 ハッピーバレンタイン! おわり。
次のスーパーショットの打ち方と使い方 返球してSSゲージを溜める ボールを打ち返すと、その都度SSゲージが溜まっていく。 SSゲージが最大になるとスーパーショットボタンが光り、スーパーショットが使用可能となる。 SSゲージ増加量はキャラ毎に異なる 一度の返球で 増加するSSゲージの量は、キャラによって異なる。 スーパーショットを溜めやすいキャラと溜めにくいキャラがいるので、編成の時は気にかけておこう。 返球タイミングで増加量が変わる ジャストやグッドなど、 良いタイミングで打つほど一度の返球で溜まる量が多い。 逆に、はやいやおそいでは、溜まるスピードが遅くなってしまうので注意。 0倍 グッド 1. 2倍 ジャスト 1. 5倍 球種は増加量に影響しない 返球時の球種は、SSゲージ増加量に影響しない。 スピンでもスライスでも、同じタイミングであれば増加量は同じとなる。 スーパーショットボタンを押して返球 スーパーショットボタンを押して、ボールを打ち返すとスーパーショットが発動する。 打たない場合は、もう一度押すことでSS待機状態を解除することもできる。 レベルアップで回数制限解除!.
次の【白猫テニス】意外と盲点?見落としがちなリーダースキル 他のゲームではパーティを組む際にリーダーが持っているスキルでパーティーなどが強化されますが、実は白猫テニスにもちゃんとリーダーとサブに別れており、リーダースキルも実装されています。 ただ、チーム編成時に表立って出てこないので見落としたり、そもそも存在すら知らない人もいるようです。 そこで今回は白猫テニスのリーダースキルとお勧めのキャラクターについてご紹介します。 チームを組む上で是非とも参考にして下さいね。 【白猫テニス】白猫テニスでのリーダースキル 実は白猫テニスのリーダースキルははじめから使える様にはなっていません。 リーダースキルを獲得して初めて使えるようになります。 そして、リーダースキルを獲得する為にはソウルボード画面でリーダースキルの項目を探し、アンロックする必要があります。 キャラクターによってリーダースキルの場所が違うため、キャラクター毎に探す必要があります。 ただ、そのキャラクターのタイプにあったツリーに配置されていることが多いので参考にしてみてください。 【白猫テニス】リーダースキルの確認方法 次にリーダースキルが発動しているかの確認方法です。 キャラクターの「詳細」の二枚目のページである「スキル・スーパーショット」の項目で見ることが出来ます。 ここでリーダースキルが「なし」ではなく効力が書かれていれば効果が発揮できています。 片っ端からアンロックしてたから既にアンロックしてるかどうかわからない場合はここの項目をみてくださいね。 白猫テニスを一度でもプレイしたことが有る人は痛感しているかもしれませんが、白猫テニスで一番重要なのはやはりスタミナ。 スタミナがないと相手に振り回されて簡単にポイントを取られてしまいますよね。 そんなスタミナを底上げしてくれる非常にありがたいリーダースキルとなっています。 しかも、ダグラスの場合は全タイプのキャラクターのスタミナを固定値ではなくパーセントで上昇させるため、非常に優秀なスキルとなっています。 もしダグラスを持ってる場合は早急にリーダースキルをアンロックして、チームリーダーにしてみてくださいね。
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