念書があるだけでは法的強制力はありませんが、約束をしたという証拠にはなります。 後日、書いてある内容と異なる主張をしても原則、そのような言い分が認められることはありません。 後に念書で交わした内容について争うようなことがあり、裁判になった場合、念書に書いてあるような事実があったという証拠として機能します。 裁判上、証拠として役に立つという意味で「法的効力」があるということになります。 もちろん、念書に書いてある内容が有効であることが前提です。 書かれている内容が公序良俗に反するものや、法令に違反しているもの、実現不可能な内容であれば無効となります。 その他、念書を書いた本人が未成年者であったり、詐欺や強迫を行って書かせた場合は念書の効力が後に取り消される可能性があります。 契約書,合意書,覚書や念書等の権利義務に関する文書の法的効力について、もう少し詳しくはこちらを参照下さい。 書き方 念書の書き方は表題を通常「念書」とします。 ただ、表題をこうしなければならないといった決まりはありません。 重要なのは、当事者の特定、債務の承認とその内容です。 債務の承認とは、例えば借入金の返済に関する念書であれば、「返す約束で確かにお金を借りました」という事実を認める内容を文書にします。 客観的に見て内容が理解できるように具体的な内容で文書にします。 後は以下の内容を盛り込んで作成します。 念書を受け取る当事者は記載内容の確認を行い、不利益を被る可能性のある記載事項や差し出す側に都合のよい事実のみが記載されている場合については、速やかに内容修正を求めることが重要です。 又、債務の承認の文言を忘れないことです。 債務の承認とは、例えば借入金の返済に関する念書であれば、「返す約束で確かにお金を借りました」という事実を認める内容を文章にしておきます。 トラブル防止、トラブルの再発防止に役立つ内容の文書としておこくおとが重要です。 注意点 大切なことは、本人の意思に基づいて作成されたことが必要なので、本人が実際に筆記したことが必要なのではありません。 しかし、本人の意思に基づいて作成されたことを証明するには、やはり本人の直筆が有効です。 可能であれば、全文を直筆で書いてもらうことです。 それができない場合でも、署名,押印は本人直筆で署名してもらい、押印も普段使用している印鑑(印鑑証明付きの実印が最善です)を押してもらうことが有効です。 また、無理やり書かされたといったようなことを後に言われることを防ぐために、可能であれば多くの人がいる場所で作成することが有効です。 念書の書き方として決まった書式とかはありませんが、具体的記載例はこちらのページを参照下さい。 念書,合意書や覚書などの書類作成について、書き方,疑問,不安などありましたら、お気軽にお問い合わせください。 ご相談に応じ、専門的な知識と技術を用いて丁寧に助言やご指導を行い又、問題点を見つけ、原因をさぐり、解決策をご提示し、契約書や合意書,念書等の文書が有する法的効果を失わないよう文書作成をサポート致します。 又、ご依頼に応じてオーダーメイドの契約書や合意書,念書等の文書原案を作成致します。 ご自身で作成した文書についても内容を確認のうえ法的な分類を行い、書式,内容に矛盾等の問題が無いようサポート致します。 あるいは、プライベートな内容について、念書,合意書等をご自身で作成しようと思っているけど、書き方,内容,効力に不安があるといった場合でも、詳細を伺ったうえで文書作成をサポート致します。
次の念書の意味・効力とは? 念書の意味とは|約束した事柄を証拠として残すための文章 念書の意味とは、約束した事柄を証拠として残すための文章になります。 念書は契約書のような、法的拘束力を持ちません。 法的なものではなく念書を書く人が相手に対して、約束事をするために書き残すものを念書といいます。 それ自体には法的拘束力がないものの、その約束が破られたり裁判になるようなことがあったりすれば念書が裁判の証拠になります。 そのため内容は具体的に書くことが必要です。 そうすることで自分自身を守ってくれることになるため、要点をしっかり押さえましょう。 念書の効力|念書事態に効力はなく後々の証拠となる 念書の効力とは、念書事態に効力はなく後々の証拠となるものになります。 上記でも説明した通り、念書事態には効力はありません。 あくまで約束事を紙に書き記したものになります。 ですが念書を書いておくことで、それが後々証拠となり自分を守ってくれることにつながります。 約束事といっても口頭では、証拠も何もありませんよね。 そういった時に念書を書いておくことで、証拠として提出できる書類を作ることが可能です。 念書だけではなく、ビジネスの場面では様々な書類を書く機会がありますよね。 こちらの記事では、そんなビジネスの機会によく書かれる書類の書き方や例文・テンプレートについて紹介しています。 書類作成が不安という方は、ぜひ参考にしてみてください。 念書を書く際まず押さえたいのが、何を書かなければいけないかということです。 念書の書くべき内容のことを、雛形といいます。 その雛形を抑えることで、念書に何を書くべきか把握することができます。 念書は何を書くべきか、法律などで定められたものはありません。 しかし後々証拠として残すためにも、下記のような内容を書く必要があります。 下記の内容を抑えることで、しっかりとした念書の作成が可能です。 念書の書くべき内容• 1相手の名前(実行される人の名前)• 2自分の名前(実行する人の名前)• 3どこか(場所)• 4約束の内容• 5作成した日の日付• 上記の書く内容を把握し、紙に記載したら後は捺印をすると完成になります。 捺印は自分の署名の横にするようにしましょう。 必要であれば、相手にも署名をしてもらい捺印をしてもらうと確実です。 これは印紙税法に定められている事柄で、借用証書には印紙を貼ることが義務付けられています。 義務とされている金額は5万円以上になります。 そのため5万円以上の借用書を念書で作成する場合、必ず印紙を貼るようにしましょう。 印紙を貼らない場合でも、借用書自体は認められます。 しかし法律に違反することになるため、必ず用意し印紙を貼るようにしてください。 借用書に印紙が必要と言われても、印紙の金額や記載方法について分からないという方も多いですよね。 こちらの記事では、そんな借用書の印紙の金額や書き方について紹介しています。 借用書を書く機会がある方は、ぜひ合わせてチェックしてみてください。 金銭の借用書として、念書を書く機会は割と多いと思います。 そのような時に内容漏れがないように、しっかりとフォーマットやテンプレートを抑えるようにしましょう。 」といった文になります。 このように具体的に記載しましょう。 また返済できなかった場合の取り決めも、必要時には記載するようにすると安心です。 借用書のフォーマットとテンプレート• ・借用書という題• ・借りた金額• ・利息について• ・返済期限と返済回数• ・返済するための方法• ・借りた日付• ・借主の連絡先・住所と署名、捺印• これは結婚するにあたって、夫婦の生活を円滑にするために誓約書として作成する念書になります。 浮気やDVといったことから、家事や収入の分配まで決めておくことが可能です。 また、離婚にも応じます。 」といった内容になります。 しかし婚姻中は夫婦間の誓約は一方的に解消できるとされています。 しかしこの念書を解消されたとしても、裁判になれば有力な証拠となることもあります。 念書を書いていたおかげで、通常より多くの慰謝料をとることもできるため用心深い方は書いておくことがおすすめです。 夫婦間の念書のフォーマットとテンプレート• ・夫婦の誓約書に対する題• ・書いた日付• ・契約する内容• ・お互いの住所と署名• 離婚するにあたって、離婚後の約束事を決めるために念書を書くことがあります。 」といった内容になります。 これは契約する内容によって様々です。 念書の場合は、あいまいな表現は避け必ず具体的に記載しましょう。 そうすることで、後々も拘束力をもった念書を作成することができます。 離婚での念書のフォーマットとテンプレート• ・表題(養育費についてなど)• ・日付• ・契約する内容• ・破った場合の対応• ・連絡先と署名・捺印• ・できれば相手の名前と捺印 いざ離婚となると、これからどうしていいか分からないという方も多いと思います。 こちらの記事では、離婚と別居はどっちがいいのか、また離婚するまでの準備について紹介しています。 離婚までに何をしたらいいか分からないという方は、ぜひ合わせてチェックしてみてください。 賃貸契約する場合も、家賃の支払いや賃貸の取り扱いについての念書を書くことがあります。 特に多く書かれるのが、家賃滞納の場面です。 返済できない場合は、〇月〇日までに退去いたします。 」といった内容になります。 家賃の支払いを待ってもらう金銭の念書であるため、具体的に記載しましょう。 賃貸契約の念書のフォーマットとテンプレート• ・賃貸契約(家賃滞納の返済)についての表題• ・日付• ・契約する内容• ・契約している賃貸の住所• ・名前・連絡先• 財産分与の念書を記載する場合、財産をどのように分配するかを記載することが非常に多いです。 しかし財産分与については、念書だと法的拘束力がないため注意が必要になります。 」といった内容になります。 法的拘束力を持たせたい場合は、弁護士などを介して正式に契約書を作成する必要があります。 金銭に関することであるため念書にするかどうかは、分与する相手との話し合いが必要です。 財産分与の念書のフォーマットとテンプレート• ・財産分与に対する表題• ・日付• ・保有している財産• ・分与する財産と分与する日付• ・分与しなかった場合の対応• ・氏名・連絡先• 退職時に念書を書く場合の多くは、会社の秘密を保持するというような内容になります。 そのため例文として「下記の内容について、退職後も遵守させていただきます。 」という文章になります。 この文章の後、遵守する秘密保持の内容やその他の項目を書き連ねることが多いです。 退職時の念書のフォーマットとテンプレート• ・退職に関する表題• ・社長や会長の名前• ・誓約する内容• ・日付• ・住所・指名• ・署名・捺印 退職するためには、念書を書く前に退職届を書かなければいけません。 でも書き方が分からないという方も多いですよね。 こちらの記事では、そんな退職届の書き方や提出方法についても紹介しています。 退職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。 会社などで遅刻が多い人は、遅刻をしないように念書を書かされることがあります。 例えば「〇月〇日以降、会社には〇時〇分までに出社します。 」というような内容になります。 それでも守れない場合は、遅刻した場合のペナルティーを記載することも多いです。 遅刻の念書のフォーマットとテンプレート• ・遅刻に対する表題• ・会社の名前や上司の名前• ・出社する時間と約束• ・ペナルティーの内容• ・氏名・住所• ・署名・捺印 念書の意味や書き方を知り念書が必要な場面で生かそう! 念書の意味や書き方、フォーマットについて紹介しましたがいかがでしたでしょうか。 念書はどのような場合に必要で役に立つかということを、知っていただけたと思います。 もしも大事な約束事をする機会があった場合は、ぜひこの記事を参考に念書を作成してみてください。
次の念書とは 念書 ねんしょ とは、約束事を文書にした書類です。 念書は、契約書に似ていますが、契約書は約束をする当事者同士が1通づつ作成し双方が署名、押印して書面を保有するのに対し、念書は1通だけ作成し、約束を守る方だけが署名、押印します。 作成された念書は、約束を守らせる側が保有します。 保有する側には、署名や押印は必要ありませんが、文書内に氏名を記載しておかなくてはなりません。 念書がよく使われるシーンとしては、労働契約時、退職する社員に機密を守らせる時、ミスやトラブルに対する再発を防止の確認、事故や事件を起こしたとき、などがあります。 念書のフォーマット 念書には、決まったフォーマットはなく自由な形式で作成することができますが、ある程度必要な項目は抑えておかなくてはなりません。 会社によっては、状況別に念書のフォーマットが用意されていることもあります。 念書自体には、強制力や法的な拘束力はありませんが、約束をしたという客観的な事実にはなるので万が一、トラブルで裁判などになった場合には証拠としての効力を発揮します。 念書のまとめ 約束事を記載した文書 約束を守る人だけが署名、押印する 法的拘束力はない 裁判などのトラブル時に証拠になる 念書の効力 念書は約束の証拠にはなりますが、 法的に強い強制力はありません。 例えば「約束を破ったら100万円を払う」という念書を作成したとしても、約束を破ったとしても相手の口座や預貯金を差し押さえたりすることはできません。 念書が効力を持つのは裁判としての証拠です。 念書があれば確実に裁判に勝てるということではありませんが、裁判結果に大きな影響を与えることは間違いありません。 より法的な効果をもたせるには公正証書 公正証書とは、法律の専門家である公証人が、公証人法、民法などの法律に従って作成する公文書なので、念書よりも強い強制力があります。 仮に裁判になったときにも強力な証拠として使われる他、公正証書があれば相手の給与や預貯金を差し押さえることも可能です。 さらに、公正証書は仮に失くしてしまっても公証役場に原本が20年間保存されます。 念書の正しい書き方 念書には法的に決まったフォーマットというものはありませんが最低限記載しなければ内容は決まっています。 文書のタイトルは、念書の内容によって変わりますが文書がどのような内容なのかがわかればいいのであって、特に約束事の内容に影響を及ぼすものではありません。 ・約束をする人の氏名 ・約束をされる人の氏名 ・約束を行う(履行する)日付 ・対象となる場所 ・対象となる内容 ・念書を作成した日付 ・署名、捺印 契約書・覚書・同意書との違い 念書と意味が似ている言葉として、契約書、覚書、同意書などがあります。 これらの言葉はどのように違うのかを解説します。 契約書との違い 契約書と念書の大きな違いは、お互いに文書を所持し合うところです。 契約書は、お互いが決めた約束事をお互いが承認した同じ内容の書類を2通作成し、署名、捺印しお互いに所持し合います。 一方、念書は約束をする側が署名、捺印をする一方的な約束の文書にです。 文書は1通だけ作成し約束をさせる側だけが所持します。 覚書との違い 覚書は、契約を交わす前に当事者双方が合意した内容や既にある契約を補足、変更したいときに作成される書類です。 契約書などの補助的な役割をする場合が多いです。 覚書は契約書と同様に、お互いに決めた約束事をお互いで承認し、署名、捺印するので同じ権利義務が発生します。 同意書との違い 同意書は、約束かわす前に相手側が条件を出して約束事を取り決める書類です。 相手側が条件を出して約束するなんて、ずいぶん高圧的に感じますが、実際に同意書は「病院での手術前の事前同意書」クレジットカードを作成する際の「個人情報の取り扱いに関する同意書」などに使われます。
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