ハグするステイサム&ロック様(2015年、『ワイルド・スピード SKY MISSION』のレッドカーペットにて)Photo by Alberto E. 題して『』(8月2日公開)。 すでにレギュラー入りしているとの二大肉体派スターが、シリーズで初めてダブル主演を果たす。 ホブスはDSS(アメリカ外交保安部)所属の敏腕捜査官で、脱獄犯として逃亡中だったドミニク()を追ってブラジルはリオデジャネイロに降り立ったのだ! ドミニク一味の逮捕に執念を燃やすホブスだったが、仲間を想うマッチョなハゲという共通点があったおかげか、ドミニクと一対一で殴り合った後はお互いに認め合うようになる。 さらに6作目の『』(2013)では、オーウェン・ショウ()という男が率いる犯罪組織を壊滅させるためにドミニク一味に協力を要請するなどすっかりマブダチ状態に。 以降もホブスはドミニクと一緒に悪党を懲らしめて回っていたのだが、8作目『』(2017)のラストでDSSを退職。 娘のサマンサとの時間を大切にすると宣言して引退生活に入った。 [PR] 第6作でショウが姿を現す 一方のデッカード・ショウは、ドミニクと「ルパンと銭形」的な関係だったホブスとは違い、100%混じりっ気なしの敵役として『EURO MISSION』のラストシーンで初めてその姿を現した。 「初めて姿を現した」としたのは、ステイサムは出演していないものの、3作目の『』(2006)の時点でデッカードの関与があったことが明かされたから。 時系列がちょっとややこしいのだが、『TOKYO DRIFT』は順番的には6作目の『EURO MISSION』の後の物語で、ドミニクの仲間だったハン()が渋谷のスクランブル交差点を突っ切った後に事故死してしまう。 実はその事故を裏で仕組んだでいたのがデッカードだったのだ! デッカードが手の込んだやり口でハンを殺害したのには当然ながら理由がある。 彼は前述のオーウェン・ショウの実兄で、『EURO MISSION』でオーウェンを倒し、意識不明の状態で病院送りにしたドミニクたちへの復讐心を心に誓ったのである。 この時に初めてホブスとご対面し、たちまちタイマンバトルを始めている。 プロレス仕込みの巨体を誇るドウェインと、元水泳選手のしなやかマッチョのステイサムの肉弾戦は、『MEGA MAX』のヴィン・ディーゼルVSドウェイン・ジョンソン戦と並ぶ「ワイスピ」史上の名勝負だろう。 ステイサムといえば『』シリーズなどでスピーディーな超絶アクションを披露してきた東の横綱。 ドウェインは大地震から大火災、動物が巨大化する珍騒動まで筋肉と行動力で解決してきた西の横綱。 ところが8作目となった前作『ICE BREAK』から、ちょっと風向きが変わってきている。 というのも、同作でホブスは無実の罪で刑務所に送られてしまい、服役中のデッカードと再会し、行きがかり上とはいえ協力して脱獄を図ったのだ。 さらに利害関係が一致したことで、デッカードはドミニク一味+ホブスと一時的に共闘することになり、デッカードの「ハン殺害」や「DSS本部を急襲してホブスに大怪我を負わせた事件」は一旦棚上げ状態になっているのが、最新作『スーパーコンボ』直前の近況ということになる。 『ワイルド・スピード ICE BREAK』のショウ。 ショウという苗字からわかる通りデッカードの妹だ。 [PR] 最新作では力を合わせて超人的テロリストと死闘 『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』撮影風景。 ところがブリクストンはムキムキの大男というだけでなく、遺伝子操作的な技術で超人的パワーを手に入れているらしく、アクション史上最強クラスの二人をもってしてもやすやすとは倒せない。 恐るべき強敵になることは間違いない。 凸凹お笑いコンビとしての名(迷)場面にも期待 とはいえ、筆者が一番楽しみにしているのは、アクションよりもむしろ『ICE BREAK』で発揮されていた、凸凹お笑いコンビとしてのドウェインとステイサムの相性の良さだ。 特にドウェインはWWEのレスラー時代から、泉があふれるようにへらず口を叩きまくるマイクパフィーマンスの天才であり、刑務所で対峙した時に言う「おまえの歯をのどの奥まで蹴り入れて、ケツからでないと歯磨きできないようにしてやる!」というイカれた名セリフもドウェインのアドリブなのだ(劇中では、あまりのバカバカしい物言いに思わず素で笑ってしまったステイサムの表情まで見ることができる)。 今年4月にラスベガスで行われたシネマコンにて Photo by Alberto E. このコンビがあまりにもうまく行ったからこそ、今回のスピンオフ(原題は『ホブス&ショウ』)がバディムービーとして企画されたのだろう。 いかにもアメリカ的なドウェインと、奇妙な礼儀正しさと皮肉なユーモアを併せ持つ英国人のステイサムという個性のぶつかり合いは、作品の大きな魅力になるはず。 ステイサムがノッているのは、今回初めてプロデューサー業に進出していることからも伝わってくる。 さらに前作『ICE BREAK』でデッカードの母マグダレーンを演じたオスカー女優のも続投するほか、予告編では、物語の舞台が南海の楽園サモアに飛び、ホブスの実家と親戚一同が参戦することまで明かされている。 これまでホブスのプライベートは娘がいること以外明かされてこなかっただけに、スピンオフならではの愉快なプレゼントが期待できそうだ。
次の行ってきました!待ちに待った 映画「ワイルド・スピード スーパーコンボ」公開です。 2001年に公開されたシリーズ1作目の 『ワイルドスピード』からすでに18年の歳月が流れているというのに、未だ人気は衰えないモンスターシリーズのスピンオフ。 シリーズ番外編の「スーパー・コンボ」では、岩のような筋肉を持った捜査官「ルーク・ホブス」と大好きなジェイソン・ステイサム演じる元特殊工作員「デッカード・ショウ」がバディに! そこに、新キャストとしてデッカード・ショウの妹役に、ミッションインポッシブルで謎の女を演じたヴァネッサ・カービーが参戦します。 「スーパー・コンボ」って邦題、ダサくない? 音にすると「コーンフレークか?」になっちゃうんだけど、ホブスとショウは紛れもなくスーパーなコンボでした。 初期のワイスピで描かれていたストリートレースの要素は何もなくなっているけど、元祖ワイスピ要素は細かいところでぶち込まれていて、それに気づくとちょっと嬉しかったりしてね。 では、あらすじと感想を綴ってみたいと思いますが、 ゴリゴリにネタバレしておりますことをご了承くださいませね。 メガヒットシリーズ「ワイルド・スピード」の通算9作目で、「ワイルド・スピード MEGA MAX」で初登場して以降、シリーズの顔となったドウェイン・ジョンソン演じるルーク・ホブスと、「ワイルド・スピード EURO MISSION」からシリーズに参戦したジェイソン・ステイサム扮するデッカード・ショウがタッグを組んで挑む戦いを描く。 かつては敵同士で何もかも正反対のホブスとショウが、いがみあいながらも、目の前に立ちふさがる謎の強敵ブリクストンに挑んでいく。 ブリクストン役は「パシフィック・リム」「マイティ・ソー」シリーズのイドリス・エルバが務め、物語の鍵を握るショウの妹ハッティに「ミッション:インポッシブル フォールアウト」のバネッサ・カービー。 監督は「ジョン・ウィック」「デッドプール2」のデビッド・リーチ。 1988年生まれでロンドン出身。 アクションもこなせる、ポスト:シャーリーズ・セロンって感じかしら。 manofmanytaste — Idris Elba idriselba 2018年には、ピープル紙が選んだ「最もセクシーな男」に輝いたイドリス・エルバ。 テイカーズ、マイティ・ソー、パシフィック・リムに出演している。 そりゃあ、ホブスとショウの前に立ちはだかる最強の敵役として降臨するなら、どんだけのマッスル蓄えておけばいいですかっ?!って話しよね。 と思っていたら、やっぱりかぁ~な筋肉おやじが登場ですよ。 そうそう、ホブスもショウも若いわけじゃないから、山のようにムキムキ盛り上がった三角筋や上腕二頭筋、大胸筋を持っていたとしても、若造じゃあ迫力でチーン!ですもんね。 ショウに倒された過去があるものの、最新の技術で人間にはない能力を備えて蘇ったブリクストン。 ホブスとショウ大ピンチ!と思わせつつ、そこは二人が知恵と力を合わせてぶちのめします。 デッカード・ショウ さん cksnbw がシェアした投稿 — 2014年 5月月8日午前8時53分PDT ドウェイン・ジョンソンは、身長196センチ、元プロレスラーですからっ!この肉体です。 そもそもワイスピには、ゴリマッチョスキンヘッドが3人も登場している筋肉祭り映画ですもんね。 あらすじ MI6メンバーのハッティ・ショウは、新型ウイルス兵器をテロ組織から奪還したものの、ブリクストンに襲われ、消息不明に。 そこで、ロンドンにいるショウと、ロサンゼルスにいるホブスの元に、ハッティを保護して欲しいという協力要請の連絡が入ります。 その時のふたりの様子が、画面を二分割して映し出されるんだけど、ロンドンのショウはきっちりパジャマを着て、フライドエッグを作り、ネクタイにスーツを着てチェスターコートを羽織り、ガルウィングのマクラーレンで出動。 一方ホブスは、タンクトップに生卵、もしかしたらプロテイン?入ってる?な朝食を取って、4WDで出動。 趣味嗜好はこんなに違いますよ、という対比です。 それぞれ現場で派手なアクションかましてくれますが、その戦い方も個性が表れているので、そこにご注目! どっちも自分の方が強いという主張をしながら、ちょいちょち小競り合いをしている様子は、まるで子供の喧嘩。 それって、口では嫌いと言ってるけど、嫌い嫌いも好きのうち、ってヤツなんじゃない?と思えるやり取りにぷぷっと笑えます。 あれ?ワイスピって、コメディ映画だったかしら?って感じ。 最新技術によって強化されている敵のブリクストンが、真っ黒な特殊スーツに身を包んでハイテクバイクを乗りこなす姿は、まるでバットマンのよう。 新型ウイルス兵器を自分の体に打ってブリクストンの手に渡ることを防いだハッティは、そのままにしておくとやがて死に至ってしまうことから、身体から薬剤を抽出しなければなりません。 その装置をブリクストンの親分の基地までホブスとショウが取りに行くわけです。 そこでの敵との戦いは、まるで007のようです。 装置を奪っては来たものの、壊れて使えない・・さて、どうする? そこで、ホブスは20年以上音信不通にしていた故郷にいる兄を訪ねる決心をします。 三人でホブスの故郷サモアを訪れ、ホブスのファミリーに協力を願い出ます。 ブリクストンだって引き下がるわけにはいかないから、そりゃあサモアまでだって追いかけてきますよ。 そこで、ワイスピのかけらがチラ見えするんです。 ホブスの兄が親族と共に経営していたのが、カスタマイズカーの整備工場。 ドムも整備工場で車をいじってましたものね。 そして、逃げるブリクストンをホブスファミリーが決して新しくない車で追いかけるんだけど、あーーーー馬力足りないよね、というところで「ニトロ」噴射します。 この場面では、思わずにやっとしちゃいましたね。 今までワイルド・スピードを全く見たことがない人には、「ニトロ」と言われてもピン!と来ないと思いますが、スーパー・コンボだけ観ても充分楽しめます。 最終決戦は、ブリクストンVSホブス&ショウです。 崖の上から転落したにも関わらず、三人とも無傷!ってところにびっくりですけどね。 最新技術で相手の動きが読めるようになっているブリクストンとの戦いは、非常に形勢不利。 だけど、そこは二人が知恵と力を合わせるんですよ。 感想 初期の頃のワイルドスピードは、ストリートレースに夢中な男たちを描いていたので、その頃の作品が好きな人には、最近のワイスピはちょっと行き過ぎ・・という評価もありますよね。 でも、私はそれぞれに見どころがあると感じているので、シリーズ通して全部好きです。 「ワイルド・スピード スーパーコンボ」に関しては、もうワイルド・スピードという枠を超えた別のアクション映画になっていたと思います。 ワイルド・スピードでホブスとショウに人気が集まったこと、噂ではホブスを演じているドウェイン・ジョンソンと本家でドムを演じているヴィン・ディーゼルとが不仲で共演NGと言われていることから、たまたまスピンオフが誕生し、また違った魅力のある映画に仕上がった、って感じかしらん。 ま、最初は二人とも出ていませんでしたしね。 それはそれで、また新しいゲストに対する期待も持てますし、ゴリマッチョスキンヘッドはひとりで十分とも言えますしね。 ホブス&ショウは、違う映画として2作目も期待したいと思っています。 今作では、ホブスが故郷に帰り、家族との絆を取り戻したり、ショウも疎遠になっていた妹の誤解が溶け、ふたりで刑務所にいるママに面会に行ったりと、ファミリーの関係性、人との信頼関係が描かれていました。 悪者ブリクストンは、最新技術で敵なしな強さを手に入れたかに思われたけど、結局は人の知恵と信頼関係に基づいた協力と絆に勝てるものはないよね、ということが感じられて気持ちよく観られます。 人気シリーズと言うことで、潤沢な予算があるからか、バットマン・007・キングスマン・デッドプールなど、いろんなアクション映画を感じた作品でもあり、娯楽映画としては最高に楽しめる1作です。 暑い季節に更に熱くなる、二日酔いの向かい酒的映画ですが、笑ったりハラハラしたり、心の中で頑張れーと叫んだり、拳骨握りしめたりして楽しめます。 是非!.
次の「今日で決着を付けようじゃないか」 にやりとした笑みの浮かぶデッカード。 ホブスはにぎにぎと自身の拳を動かした。 数時間前デッカードから決着を付けようと呼び出され、指定された場所に向かうとそこは廃ビルの屋上だった。 自分達以外いない、誰にも迷惑のかからない場所。 デッカードなりに配慮したのか。 何もない屋上で2人は向かい合った。 「俺が勝って終わりだな」 「ぬかせ。 お前を地面に沈めてやる」 じりじりと間合いをつめ、どちらともなく動き出した。 こうして闘いのゴングは鳴った。 「はっ…は、なかなか、やるじゃねぇか……」 「お前も、な……」 どれだけ殴り合っていたかは分からないが、2人同時と言っていいほど、地面に縺れ込んだ。 デッカードは大の字に、ホブスは片膝をついた状態でお互い肩で息をしていた。 「今回は、引き分けだ」 「フンッ…次はテメェを潰してやるぜ」 「出来るもんならな、デッカード」 ホブスは立ち上がると寝転んでいるデッカードに向かい手を伸ばす。 立て、というように顎で示す。 デッカードは少し考えた後、ホブスの手を握ると立ち上がろうとする。 するとホブスはぐっと彼を引き上げ、力一杯引っ張った。 思い掛けない勢いにデッカードはホブスの胸にぶつかった。 ぶつけた顔を上げて心底嫌そうな顔でホブスを睨む。 「ば、っかやろ…!何すんだテメェッ…?!」 ガチッとぶつかるお互いの歯。 痛みの次は柔らかい感触。 間近に迫ったホブスの顔を目を見開いて見つめる。 ホブスも視線を逸らす事なくデッカードを見ている。 「……?!」 驚きで中途半端に開いた唇からぬるりとした何かが侵入してくる。 口内を這い回るそれに思わずデッカードは噛み付いた。 ガリっとくぐもった音がして、ホブスが離れていく。 デッカードの口内にも、血の味がほんのり広がる。 「痛いじゃないか」 「痛いじゃねぇよ!頭沸いてんのかクソ野郎!」 ごしごしと口元を拭っても消えない感触にデッカードは頭に血が上るのを感じた。 「認めたくはないが、どうやら俺はお前が気になるようだ」 「はぁっ?!」 開いた口が塞がらない。 今のデッカードはまさにそれだ。 コイツは今何て言った? もしかして今の殴り合いでまじでイカれちまったのか? ホブスはもう一度デッカードに近付くと彼の形のいい後頭部を撫でる。 「次に会える時を楽しみにしてるぞ、デッカード」 「…冗談じゃねぇよクソ野郎。 テメェには二度と会いたくねぇ」 デッカードはホブスの手を叩き落とすとそう吐き捨てた。 ホブスは口の端だけで笑うとこう言った。 「俺とお前はまた会うさ。 絶対な」 デッカードはホブスを睨み付け、無言でホブスに背を向けた。 …その2年後、本当に彼らが顔を合わせる事になるのは誰も知らない。
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