では、 『徘徊』を考えてみよう。 それは、『徒歩旅行』 この言葉は、英語から逆推できる。 ぶらつくこと。 「盛り場を『はいかい』する」 ・・・ 不思議だが、これもヘブライ語が源流にありそうだ。 ・・・ (うおーっ!これ、ほんま?) (はいかい) (いや、こっちが聞いとんね!!) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はかせとはっかー 「侵入」発覚 「あれ?パソコンがおかしいよ」 「どうしたの?」 「なんだか、ガリガリ音がしてる」 「ほんとだ!」 「それに、思うように動かない」 「やられた!ハッカーだ!」 ・・・ パソコンが乗っ取られて、「遠隔操作」されてるようです。 さて、 一般に、「ハッカー」というのは、「悪さ」をする連中だと思われているが、 本当の悪(わる)は、『クラッカー』と呼ばなければならない。 辞書を引いてみた。 :ハッカー (hacker)(米国用語) コンピューターに精通し、熱中している人。 ・・・ つまり、その原意としての「ハッカー」は、「専門知識に精通した人々」だった。 アメリカで、「ハッカー」という呼び方が、 いつ、どうして始まったかはわからないが、 それは日本での 「博士」(はかせ)と似ている。 おや? 「ハッカー」と「ハカセ」・・・ どうして「似た言葉」があるのだろう? 出所はヘブライ語? 「ハカ」 というヘブライ語は、 「探求する」、「調査する」 という意味がある。 これが、日本語の 「はか・る」 として使われているようだ。 ヘブライ語は、いろいろな経路で世界に流出している。 「ハッカー」の経路は不明だが、 「博士」(はか・せ)、の方は、「十部族経由」という予想が立つ。 少なくとも、「博学」や「博士」の「博」という文字に「知識人」という意味を含ませた大陸の先人は、「ヘブライ語を理解していた」と考えるのが妥当だろう。 ちなみに、 中国にも「ハッカー」が存在する。 (?) ハッカ 「客家」 Hakka 広東省を中心に、南東部の諸省に存在する少数民族。 かつて華北から南下移住してきた「漢族の子孫」としての集団で、独特の「習俗」、「方言」で他の漢族や少数民族とは区別されてきた。 ・・・彼らが、「探求」、「調査」に長けた民であったかどうかは不明。 しかし、『十部族』の一派であるとすれば、何らかの「専門家」や、「学者集団」だった可能性はある。 もう少し解明したいのだが、なかなか「ハカ」どらない。 ・・・ (うーん、「ハカ・どる」も解明しなくっちゃ) (ところで、「釣り・バカ」というのはどうかな?) (あっ!それ、「釣りの探求者」・・・かな?) (そうそう、この「バカ」は悪態じゃないね) (それじゃ、『バカ』で怒っちゃいかんよね) (うん) (君も・・・) (それ以上言うなあ!) (資料A:p237)(資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はかりのさほう 「量り」を学ぶ 「はかり、はかり・・・と」 「おっ、なんの勉強?」 「聖書!」 「へーっ」 「ここんとこ、教えて」 「どれどれ?」 マルコ 4:24 また彼らに言われた。 「聞いていることによく注意しなさい。 あなたがたは、人に量ってあげるその量りで、自分にも量り与えられ、さらにその上に増し加えられます。 マルコ 4:25 持っている人は、さらに与えられ、持たない人は、持っているものまでも取り上げられてしまいます。 」 「これ、どんな意味?」 「『ケチは自分もケチられる』ちゅーことかな」 「ほな、給料ケチったら?」 「会社も傾く」 「へーっ」 「神さんは正しい!」 「おとーさんの給料、なんで安いの?」 「えっ?」 ・・・ むかし、なにかケチった? さて、 「量り」 という言葉を調べてみよう。 【計り・量り】はかり〔動詞「はかる」の連用形から〕 (1)物の分量・数量・大きさなどをはかること。 また、はかって知った重さ・大きさなど。 「『はかり』が甘い」 (2)考え。 工夫 クフウ。 (3)見当。 目当て。 手がかり。 「逢ふ『はかり』なき嘆かしさに:狭衣{3}」 (4)限り。 「声を『はかり』にぞおめき叫び給ひける:平家{七}」 (5)重さをはかる単位。 (ア)黄金や銭をはかる単位。 「黄金万『はかり』ありとも飢 イイウエ を療がすべからず:日本書紀{宣化訓}」 (イ)銀・銅・穀物などをはかる単位。 「鉄一万『はかり』箭竹 ヤノシノ 二千連を請す:日本書紀{天武下訓}」 (ウ)糸をはかる単位。 「夏引の白糸七『はかり』あり:催馬楽」 いくつかの語が、混じっているらしい。 主意と思われるのは、以下のヘブライ語だ。 つまり、 「分配を少なくすれば、自分の受け分も減る」 「与える量を少なくすれば、自分も同じ悲哀を味わう」 という意味だ。 「結果」を受け取るのは「10年先」かもしれないが、それは確実にやってくる。 資料:広辞苑 第五版CD-ROM版 日本書紀と日本語のユダヤ起源:ヨセフ・アイデルバーグ著:久保有政 訳 --------------------------------------- 付録: はかない最先端 「新しいスマートフォン、見せよか?」 「おっ!遂にこうた?」 『ツルリ!!』 「うわっ!!」 『ガチャピーン!!』 「わーっ!」 「バラバラになってもた…」 「ま…まだ3日めやぞ」 「『はかない』もんやなあ」 ・・・ 『はかない』とは、 「ハーカー・ナイン」 というヘブライ語で、 (寿命の)「『配分』がなかった」・・・ という意味かもしれない。 はかる 「ハカ」りましたね 「ここの水深はどれくらい?」 「測ってみなけりゃ判らない」 「長靴とタオルを用意しました」 「えっ?」 「今、『測る』と言ったよね」 「謀ったな!」 ・・・ こんな場合、「実測」が必要。 でも、自分はやりたくない。 さて、 「測る」という語の素性は? 【計る・測る・量る】はか・る(動ラ五[四]) (1)物差し・枡 マス ・秤 ハカリ などを用いて、物の長さ・量・重さなどを調べる。 測定する。 計測する。 「物差しで寸法を『はか』る」 「枡でお米を『はか』る」 「秤で目方を『はか』る」 「ストップウオッチでタイムを『はか』る」 「距離を『はか』る」 :以下略 確かにヘブライ語だ。 (辞書では同源とされている) 【図る・謀る・諮る】はか・る(動ラ五[四])〔「はかる(計・測・量)」と同源〕 (1)計画する。 ある動作が実現するよう、計画をたてたり、努力したりする。 くわだてる。 企図する。 「幼帝の擁立を『はか』る」 「自殺を『はか』る」 「販路の拡大を『はか』る」 「便宜を『はか』ってもらう」 (2)他人をだます。 普通、受け身文で用いる。 《謀》 「しまった、『はか』られたか、と思った時はもう遅かった」 (3)ある問題について他人の意見をきく。 また、公の機関などで、ある問題について学識経験者による委員会の意見を「答申」として出してもらう。 《諮》 「日時はみんなに『はか』って決めよう」 「本件は審議会に『はか』り、その答申を尊重したいと存じます」 [可能]はかれる 機会があれば整理したいと思っている。 (答:ハカが濁ればバカになる) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) 日本書紀と日本語のユダヤ起源:ヨセフ・アイデルバーグ著:久保有政 訳 はがい 「ハガイのう」 未確定シリーズ 努力しても空しい。 積み上げても崩れてしまう。 そんな時・・・ 人はこう言う。 「はがいのう・・・」 (多くは関西で) ここで疑問が湧いてきた。 では、 『ハガ』 のいくつかを考えてみよう。 「ハガ」の人? 名前の中に、『ハガ』を持つ預言者がいる。 【ハガイ】Hag・ga・i (聖) ハガイ書 旧約聖書中の一書:略 Hag. 『ハグ』には、「祭り」という意味がある。 日本では祭りに際して、神に捧げる音楽がある。 「神楽」(かぐら) これは元々、 『ハグ・リャー』 という発音だった。 『焦燥感』だ。 関西での『ハガイ』は、確かにそのような用法が多い。 日本人の名前 日本には、 芳賀(波賀、羽賀)などの苗字があるが、 これにも 「ハガイ」や 「ハグリャ」(神楽) と同じ意味が込められているかもしれない。 ・・・つまり、 『聖人』 という意味が濃厚だ。 元はナジル人のような、 「『聖別』された人」(または一族)を指したのだろうか。 英語から汲み上げた。 【ハグル】hag・gle 値段などで 押し問答する、言い争う: しつこく 値切る about,over. 値段などの 押し問答、言い争い: 値切ること hag・gler ・・・ 上記「ハガ・立たない」を分解すると、 「ハグ(ル)・ア」 (「ア」=『吾』) であるので、 「私の論争が立たない」 という意味になる。 しかし、ここでの「haggle」を当てはめて、 『はぐらかす』=「『論争』する」 とできるのも確かだ。 英語のスペルは、『はぐらかす』にうってつけだから、「重ね言葉」として連結してもいいだろう。 さらに「haggle」は、『剥ぐ』という意味にも重なりそうだ。 物理的に「剥ぐ」のではなく、「『言葉の応酬』で皮を剥ぐ」という事だ。 すると、 「執拗に言い争う相手」に 「ハガイ奴!!」 と使う用法が通りそうである。 1.「言い争う」(議論がしつこい) 2.「剥ぐ」(裏を探ろうとする) 皮を剥げ! 『歯に衣を着せる』 ・・・などと表現されるように、 人の言葉の表面にも、『皮』が被せられている。 そこで、心の中を暴くために「論争の必要」が生じる。 話の「皮」を『剥ぐ』ことで、 『真意』が顕わにできるのだ。 (そのための押し問答が「hag・gle」ということになる) 激しい火花で、多少のメッキも『ハゲ』落ちる。 ・・・ また、 「聖なる」 という意味が重なる場合もあるようだ。 (ハガイ書の場合は「神の焦燥感」=「聖なる焦燥感」) 「勘ぐる」 という語は、 「ハグル」に 前置詞『K』がつけられた強調語かもしれない。 ・・・ 皮を剥ぎながら調査をしても、 まだまだ不明な点が多く、 真相への道のりは遠い。 貫禄がつく。 この言葉を、調べてみよう。 英語の海から汲み上げた。 「熱演」の後 長い芝居の幕が下りた。 舞台裏で、友人が口々に称賛した。 「迫真の演技だったよ!」 「ほんと、迫力あった!」 ・・・ さあ、ここでの『はく(迫)』は? 【ファクト】fact 1 a 実際に起こった[起こりつつある] 事実 b …という 事実. だから、『迫・箔』などの漢字が当てられたのだろう。 (後から、別の重ね言葉が出るかもしれない) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はぐくむ 赤ちゃんの笑顔 (未確定シリーズ) 「あらー! あの子かわいいーっ!!」 「ほんと、抱きしめたいね」 「わたしだったら、食べちゃう!」 「表現、怖いぞ」 「そう?」 「育む資格が、あるのか?ないのか?」 「えーっ?」 ・・・ さて、 子供って可愛いけど、 「育む」のが大変。 「雛を『はぐく』む」 「我 ア が子『はぐく』め天の鶴群 タズムラ :万葉{1791}」 (2)養い育てる。 世話をする。 「両親に『はぐく』まれる」 (3)大切に守り、大きくする。 「愛を『はぐく』む」 ところで、 「はぐくむ」の語源は? これが、ヒント。 あなたは、その翼の下に身を避ける。 主の真実は、大盾であり、とりでである。 詩篇 91:5 あなたは夜の恐怖も恐れず、 昼に飛び来る矢も恐れない。 詩篇 91:6 また、暗やみに歩き回る疫病も、 真昼に荒らす滅びをも。 詩篇 91:7 千人が、あなたのかたわらに、 万人が、あなたの右手に倒れても、 それはあなたには、近づかない。 選民にとって、「神の使者」は「鳥」とされる。 すごく「励み」になる聖句だ。 ここでちょっと脱線。 そのイエスが、「羽(翼)」に言及している。 ルカ 13:34 ああ、エルサレム、エルサレム。 預言者たちを殺し、自分に遣わされた人たちを石で打つ者、わたしは、めんどりがひなを翼の下にかばうように、あなたの子らを幾たび集めようとしたことか。 それなのに、あなたがたはそれを好まなかった。 ルカ 13:35 見なさい。 あなたがたの家は荒れ果てたままに残される。 わたしはあなたがたに言います。 『祝福あれ。 主の御名によって来られる方に。 』とあなたがたの言うときが来るまでは、あなたがたは決してわたしを見ることができません。 」 イエスは、「国家体勢の悪さ」を嘆いていた。 いったいいつ、改善されるのだろうか? 政敵 選挙があるので、 政治家が遊説していた。 「皆さまのために、頑張ってまいりました」 「これからも、鋭意努力してまいります」 しかし、 その言行の不一致がひどい。 聞いてた傍聴者が、つかみかかろうとする。 「あっ! 奴を止めろ!」 「はい!」 「急げ! 羽交い絞めだ!」 ・・・ こんな場面はよくあるんじゃない? 特に、今はね。 古語の発音は「ハガヒ」だが、そこは無視して考えた。 「hug」に続く「aim」は、以前調べた。 そこでは、「」という発音。 しかし、「アイ」という発音も日本にあるらしい。 「父の靴と『はきちがえ』える」 (2)意味・内容をとりちがえる。 考えちがいをする。 「自由の意味を『はきちが』えている」 ・・・ 「履き違える」の「ハキ」は、 「抱く(いだく)」を意味する「ハグ」に繋がりそうだ。 山形県羽黒山の羽黒権現に奉仕した山伏。 祭神は伊?波神 イデハノカミ。 月山神社・湯殿山神社と合祀 ゴウシ されたので三山神社とも呼ばれ、修験者の霊場として知られる。 いではじんじゃ。 (2)神幸の際に神霊が乗る輿。 形は四角・六角・八角形などで、屋根の中央に鳳凰 ホウオウ や葱花 ソウカ を置き、台に何本かのかつぎ棒を通し大勢でかつぐ。 平安中期に怨霊信仰が盛んになるにつれ広く用いられるようになった。 しんよ。 おみこし。 [季]夏。 (3)(「輿」を「腰」にかけて)腰をいう。 おみこし。 麟 リン ・亀・竜とともに四霊(四瑞)と呼ばれた。 体は、前半身が麟、後半身は鹿、頸 クビ は蛇、尾は魚、背は亀、頷 アゴ は燕 ツバメ 、くちばしは鶏に似る。 羽にはクジャクのような五色の紋があり、声は五音にかない気高く、梧桐 ゴドウ にすみ、竹の実を食べ、醴泉 レイセン の水を飲むとされた。 聖天子の治政の兆として現れるとされる。 雄を「鳳」、雌を「凰」と称したともいわれる。 中国にも機運がある。 それは、彼らがイスラエル十部族(ユダ族の兄弟)であるからだ。 その伝説は、エジプトに始まる。 五、六百年ごとに一度、自ら香木を積み重ねて火をつけて焼死し、その灰の中から再び幼鳥となって現れるという。 不死鳥。 (2)ヤシ科の常緑木本。 ナツメヤシ・カナリーヤシなど亜熱帯に十数種が分布。 葉は大形の羽状で、茎頂に集まってつく。 雌雄異株。 彼は大声で叫び、中天を飛ぶすべての鳥に言った。 「さあ、神の大宴会に集まり、 黙示録 19:18 王の肉、千人隊長の肉、勇者の肉、馬とそれに乗る者の肉、すべての自由人と奴隷、小さい者と大きい者の肉を食べよ。 」 聖書での決まりは、こう。 「途中、ここと、ここで休もうか?」 「OK!」 ちゃんと決めてあったのに・・・ 先導車が、パーキングエリアを通り過ぎた。 後ろの車は、予定に従って停車した。 「あれ?」 「前の車、行っちゃったね」 「彼ら、忘れてる」 「はぐれちゃったぞお・・・」 昔のドライブは、携帯電話もなかったから、 「はぐれる」と面倒だった。 さて・・・ 「はぐれる」 という言葉を調べてみよう。 「はぐれる」とは? 辞書によると、 逸れる(はぐれる): つれの人を見失う。 ・・・となっているので、この話のような状況だ。 しかし、どちらかというと 集団から「抜け落ちる」・・・という意味が強いようだ。 「はぐれる」は、 「ハ・ガラー」 というヘブライ語だろう。 「ハ」=前置詞 「ガラー」(GLH)=「流刑」 つまり、元々 「島流し」 であるので、「隔離」、「左遷」、「追放」、「仲間はずれ」 という意味も含むはずだ。 (現在の理解) 集団から離されて、ひとりぼっちになることを指している。 羽黒天狗は? 山伏の中に、「羽黒流」という一派があったと記憶している。 彼らは、人里離れて孤独に過ごす「世捨て人」のように行動する。 この「羽黒」という名前にも、先ほどと同様 「ハ・ガラー」 というヘブライ語が、使われているかもしれない。 その意味は、 「話」をどこか遠いところへ「飛ばす」・・・(島流し) という意味に違いない。 上記は、『論争してもダメ』と意味が重なる。 ヘブライ語の「ホギ(ハギ)」には、「祭り」の意味がある。 「ぐれる」とは? 「ぐれる」という言葉がある。 「ぐれる若者」・・・とか、「愚連隊」・・・などと使われるが、 これも、元々 「ガラー・る」 であり、 「集団の規律を守らず、離れて(単独)行動する」 という意味だったのだろう。 「悪くなる」ことだ・・・と思われているが、 それより、 「単独行動」 という意味が強かったようである。 どうしようもないほどひどい。 ・・・ 妙な言い回しだ。 どんな原意なのか? そこで、古代に意識を向けた。 古代を推理する 日本人の祖先は「古代イスラエル」とされている。 (説) するとこれは、「軍隊用語」? 「古代イスラエル」は「戦う民」であり、 聖書のヨシュア記にあるように、周辺国との攻防に明け暮れていた。 だから、日常語が「軍隊用語」で構成されている。 また、ヨシュアから下って「ソロモンの絶頂期」には、地中海文明との交易が盛ん。 それで、ラテン語との共通点も多い。 こうした観点に立ち、 「ハシにもボウにも」を考えよう。 最初のたたき台が、これ。 社会では、相手を打ち伏せる「論争」の意味で使われる表現。 次は「ボウ」。 「代替手段」の意味もある。 また、「筋を曲げる」の示唆もある。 ここまでやって駄目なら、もう手がない。 それじゃ「ハシにもボウにも」の結論。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はしょってよ はしょってよ おじさんが結婚式に出ると、長い話をする。 「新郎新婦は、実にお似合いでして・・・えー」 ・・・ 「長いね」 「はしょって欲しいね」 ・・・ 「親父ギャグ」は許せるけど、 「長い話」は許されない・・・ かも。 「走る」 という言葉も、派生しているはずだ。 聖書にある「ハシ」 預言者イザヤの第二子は、変わった名前だった。 「マヘル・シャラル・ハシ・バズ」 という長い名前だ。 (これは、神が銘々した。 「イザヤ8章」) 意味は、 「マヘル」=「参る」(急いで来る) 「シャラル」=「事件」(日本語では「そら!」に相当) 「ハシ」=「急ぐ」 「バズ」=「分捕り」 解りやすく意訳すると、 「そら!やって来る!掠奪が走ってくる!」 となる。 すごく変わっているが、 これは、歴史上の「事件勃発」を織り込んだ「予言的名前」なのだ。 「マヘル」は「参る」 誰か目上の人に呼ばれると、部下は 「はい、すぐに参ります」 と言うが、 あの時の「参る」は、元々「マヘル」だった。 古代なら、 「はい、すぐにマヘリます」 と発音しただろう。 「そんなことしていたら危ないぞ」 「そら!・・・やっぱり」 ・・・と言う時の「そら」は 「事件!」という意味を含んでいる。 「バズ」は? しかし、日常語の中に 「分捕りもの」=「バズ」という語彙が見当たらない。 どこかに無いだろうか? 「大陸系」かもしれないが、 「抜粋」(バッスイ)という言葉がある。 これは、書物や作品の中などから、「必要部分を抜き出す」ことだ。 この語源は「バズ」・・・つまり、 「バッズ・い」 なのかもしれない。 (一部を取り去るという意味で) また、「バツ」(罰) や、 「ボッシュウ」(没収)という言葉も、「バズ」から出ている気がする。 「奪われるもの」は、「お金」や「時間」、「自由」や「命」だ。 ・・・ (しかし、名前の長い人は大変やろな) (まだ、『じゅげむ・・・』より「まし」やろ?) (あー、あれね。 ・・・あそこまで長いとどうする?) (『はしょったら』ええねん!) (よっしゃ!) (資料A:p296〜297) ------------------------------ 付録:英語の「はしょる」? 【ハッスル】(hustle) 元気よくやること。 張り切ってやること。 「はしょる」、「走る」、「ハッスル」 これは、仲間だろうか? はしり 口走った彼 (未確定シリーズ) 「これ、『リカ』ちゃんに…」 「まあ!誰から?」 「『やすお』からのことづけや」 「プレゼント?」 「うん!手紙もある!」 「うれしいなあ!」 「それ、『特価品』やで」 「えーっ!!」 ・・・ ば、ばかたれ!! 「使い走り」が、えらいこと、ゆーてもた! うっかりもんは、 「口走」ったりせんよう「チャック・チャック」! さて・・・ よく考えると「奇妙」だ。 「口」が「走る」わけがない。 「facile」の持つ『実行』の意味から、こんな使われかたもある。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はしれ 走れ (未確定シリーズ) 「津波がくるぞ!」 「走れ!」 ・・・ こんな場合の 「はし・れ」 とは、 「ハッシュ」+『れ』 と分解できる。 『ハッシュ』は 「急ぐ」という意味を持つヘブライ語だが、 英語では 「ハッスル」に流れているようだ。 3 米 品物を 押し売りする、売り込む 1 a …と 押し合う against. b …を 押し分けて進む through. (東北弁からの復元が可能なはず) 語尾の『れ』は、英語の『レット(let)』に相当し 文の最後に回されている可能性はある。 (例の「4a」) また、接尾語の「let」があり、それは「少々」を意味する。 (私に行かせてください: 離してよ!) Jane, let him have the toy. (それをほっておいてください: そのことで心配するな) c [命令法で; 3 人称の目的語を伴い、警告・脅し・あきらめなどを表わして] …に …して みるがよい: …は … すればよい Just let him try to stop me! (止められるものなら止めてみろ) Let it rain! (2x は y に等しいとしよう) Let him say what he likes. I don't care. (この家は貸家です) House [Room] to let. そこで別説。 「ハシ」の薀蓄(うんちく) (未確定シリーズ) 「はい、できたよ」 「うわー、うまそ!」 「どうぞ!」 「あれ?『箸』がないよ」 「あっ!失礼!」 「急いで!」 「なんで?」 「『ハシ』だから」 ・・・ さあ、 なぜ『ハシだから』なのだろう? この話は、「漢字」で書けば解る。 木・竹・金属・象牙などで作る。 手がつけられない。 ・・・ これが、英語から解るのだ。 『箸』は、英語で「チョップ・スティック」と呼ぶ。 『裁断する棒切れ』という意味だ。 しかし遠い昔、『箸(ハシ)』という言葉は 古期フランス語を介して、英語に流れ込んでいた。 【ハッシ】hash(1) 1 [個々には ] こま切れ肉料理、「ハヤシ肉」料理 2 焼き[作り]直し of. 3 [a 〜] 寄せ集め、ごたまぜ make a hash of… settle a person's hash 1 肉を 細かに切る up. 2 …を めちゃくちゃにする、台なしにする up. 3 古い材料を 作り直す 4 難問などを とことん話し合う out,over. (ほんまかい!) 「時間を刻む」 『はしょれ』(時間を短く) という語の原型は「ハシュ」というヘブライ語だ。 英語からは「ヘイスン」が見つかる。 この『ヘイスン(hasten)』から、ヘブライ語に逆流してみよう。 (「ローマ字読み」が助けになる) すると、 『ハッセン』 あたりが浮上する。 『ハッセン』・参じる 「急いで駆けつける」ことを、 「『馳せ』参じる」(馳せ参ずる)と言う。 【疾し】は・し 形シク はやい。勢いがよい。 この原型も、 『hasten』 に「同じ流れ」と考えられ、 昔は 『ハッセン・参じる』 と使ったのかもしれない。 『乗馬』で 『ハッセン』の類語が乗馬で使われているようだ。 「ハッセン」は 「ヘイセン」にも聞き取れる言葉で、 「ヘイセー」 = 「ハィセー」 と使ううちに 『ハィシー!』・・・となったようだ。 このように、 「二系統の発音」が錯綜するのは、日本に 大陸系「10部族」の発音と、 大和系「ユダ族」の発音が混在しているからだろう。 ・・・これで、『箸』から『走』までが繋がった。 『R』の発音できない民の中では、 「ハヤ・ク」と変化する。 (?) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はじく 猫のおうち (未確定シリーズ) 「猫が寝てるよ」 「どこで?」 「ダンボール箱の中」 「ほんとだ、何匹も」 「あっ!一匹飛び出した」 「はじき出されたね」 ・・・ 「弾き出す」という言葉は、 漢字から判断すれば、「指で弾く」ような印象だ。 「爪で『はじきだ』す」 2. のけものにして押し出す。 古今著聞集18:「心得つ雁食はんとて若党が老いたる者を『はじきだ』すとは」。 「異分子を『はじきだ』す」 3. 算盤を用いて計算する。 転じて、費用を算段する。 「経費を『はじきだ』す」 また、自然に「弾ける」場合もある。 【弾ける】はじ・ける 自下一 はじ・く 下二 裂けて開く。 成熟して割れる。 罅裂(カレツ)する。 はぜる。 「豆のさやが『はじ』ける」「笑い声が『はじ』ける」 『弾』という漢字は、状況をよく言い表している。 しかし、古代には違った意味だったかもしれない。 漢字文化が入ってからは、漢字の意味に引きずられ、 当初は音だけを借りていたものが、 いつしか「漢字に迎合した意味」に変わる。 一度「弾」という漢字を振ると、それ以後の影響は大きい。 人間を指で弾いたところで、びくとも動かないから、 「2」のように 「異分子を『はじき』出す」 というのは、もちろん象徴表現だろう。 では、語源はどこにあるのだろうか? それは、『パージ』に流れている 「弾き出す」 という語をヘブライ語の手法で区切ってみよう。 すると、 「はじ・き・だ・す」 と、分解できる。 問題は、『はじ』という語だ。 「はじ」かない 「はじ」き 「はじ」く 「はじ」け 「はじ」こう ・・・ これが、英語の「パージ」に相当するのではないかと考えた。 【パージ】purge 浄化の意 粛清。 人をある集団から除名すること。 元々、 「はじく」(弾く) とは、 「粛清」という意味を持った、 「ぱじ・く」purge・ku の類だった可能性が高い。 しかし、取り締まる側からすれば 「ご禁制のもの」 粛清されるべきもの) という意味で、 『パジキ』(pajiki) と使っていたともとれる。 (?) (詳細不明) 「だす」の解明 一方、 「ダー」は、 ヘブライ語の「追い出す」だから、 これに、 『す』を加えて、 「ダー・す」 といえば、 そのまま 『出す』(出、脱、奪など) を意味している。 これは、『大勢』を追い出すという意味が強い。 むしろ、一人の悪人を「選んで出す」なら、 別の語で、そうした意味を持った語があったはずだ。 「ダーツ」 英語の「ダーツ」が思い当たった。 こうして、 「弾き出す」という言葉に、 古代の臭いが蘇ってきた。 資料:広辞苑 第五版CD-ROM版 ------------------------------ 付録:だつ 『脱ダム宣言』とか、 『脱サラ』とか、言われている。 「個人」や「一つのグループ」が、 すっぽりと抜け出す場合に当てはまる。 (「脱す」の場合は「ダーツ+す」) 一方、村全体を流刑にして追い出すような場合には 「ダー」+す ということになる。 3 法 罪を あがなう; 罪の 償いをする 4 胃腸に 下剤を用いる; 人に 通じをつける 1 不純分子の 粛正、追放、パージ 2 清め、浄化 3 下剤 ラテン語「清潔 PURE にする」の意; purgation, purgative (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はす 蓮の池 (未確定シリーズ) 「この池、魚釣れるの?」 「釣れるよ」 「ほんと?」 「『蓮の陰』を見てごらん」 「あっ!…いるいる!」 「でしょ?」 「穴場ジャン!!」 「この場所に、名前付けるか」 「『蓮池』は?」 「うーん…」 「だめ?」 「いや、『蓮』は、なぜ『ハス』と呼ぶのかな?」 「えーっ?」 ・・・ 「名前の謎解き」? よし! 手っ取り早く、英語から調べよう。 (推理) (例えば、「鬼『バス』」のように) 【蓮】はす スイレン科の多年生水草。 古く中国から渡来し、池や水田で広く栽培される。 葉は円形で長い葉柄につき、径約五〇センチメートル。 根(蓮根 レンコン と種子は食用。 この植物は、葉の表面が広い。 だから、「バス」なのである。 邪魔なテレビ 「このテレビ、でかいね」 「そう!…場所取りでこまるのよ」 「薄型にしたら?」 「ウスウス考えてたんだ」 「決まった!」 ・・・ 以下はまさしく、 『場所取り』と解釈できる。 【ヴァストリィ】vast・ly 1 非常に、大いに 2 広大に、広々と 3 膨大に 「駐屯地」を探せ ヘブライの部隊が、進軍していた。 「日が暮れる、もう進めん」 「どうします?…これだけの大部隊」 「野営しよう、『バスォ』を探せ」 「ははっ!」 ・・・ 古い時代には、『広大な場所』を指して 「バスォ」 と言ったかもしれない。 (重ね言葉の可能性も大) ・・・ (ちょっと無理があるぞな) (これで、めいっぱい!) (東北人に、援助頼むか?) (住み込みの『バスォ』がいるぞ) (あるよ!広いぞ) (えっ?) (廃車の『バス』) (ぶーっ!!) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はず 巨木伐採 「これで、倒れる『はず』や」 「そうかなー」 『バキッバキッ!!』 「うわーっ!!」 「ほら!!」 ・・・ 「はず」という語は、 起きることを予見して使われる。 まず、そちらから考えよう。 「あっ!大きな鹿!」 「やれ!!」 『ビョーン』 「ハズがハズれた!」 「おいおい!」 ・・・ 「こんな弱いハズじゃなかったのに…」 で意味は通る。 「弓の両端」にある「引っ掛け」が弦を繋ぐから、 こんな言い回しもある。 ・・・ (なんか、もの足りんぞ) (えっ?) (ええかっこにまとめてーな) (了解) では、ヘブライ語との照合だ。 こちらのハズは、納得できそうだ。 つまり、 「hoze(先見)+ん」 なのかもしれない。 (ちと、苦しい?) 更に、預言者としての「hoze」は、 日本での「戸座(へざ)」に共通点が見い出せる。 古代法典「延喜式(えんぎしき)927年」にも記述がある。 現代にも、名残があるだろうか? 突如の豪雨 「うわーっ!天気予報、外れた!」 「平気のヘイザ!!」 「なんで?」 「こんなこともあろうかと…」 「おーっ!傘ーっ!!」 ・・・ 彼は、 「戸座(へーざ)=先見者」のようだった。 しかし、別の語が重なっているとすればこうだろう。 「兵気(へいき)」の「戸座(へーざ)」 【兵気】へいき (1)戦争の起こりそうな気配。 (2)兵士の意気。 「兵機」の「戸座」 【兵機】へいき (1)戦争の機会。 (2)戦争の機略。 用兵の機微。 その昔、軍事面で頼りにされていた「戸座」は、 まるで「兵器」のように重要だった。 これも「hazui(先見)」の関係だろう。 おそらく、こう。 「ここにあった『はず』」 とか、 「ここに置いた『はず』」 とかは、 「きっと起こる(hazui)」 の意味じゃない。 こっちらしい。 【側・端・傍】はた 1 物のふち。へり。 「池の『はた』」 「道の『はた』」 2 その人の 周囲。わき。そば。かたわら。 「『はた』の見る目」 「『はた』がうるさい」 普通、「道の傍」と言えば「両側」を意味しない。 つまり、どちらか一方(片側)を指す。 そこから辿ると、これは「古代ヘブライ語」だったと判明する。 【ハダ】hada2 he 片方の、一つの 現代の「はた」という音は、 『はだ hada 』という発音が大陸の影響を受けて訛ったものだろう。 こんな言葉に記憶されている。 金さんの常套句 「この桜吹雪を知らねえとは言わさねえ!!」 『ガバッ!!』 「あっ!!」 これが、「ハダ脱ぎ」だ。 また、 「かた(片)」 そのものが、 「カ(K)+ハダ」 という組み合わせであったと推理できる。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) (資料:日本書紀と日本語のユダヤ起源 ヨセフ・アイデルバーグ著) はた 旗を掲げる (未確定シリーズ) 「近所の家に旗が出てたよ」 「へえっ! なんて?」 「なんとか不動産」 「あっ! 空き家になったのかな?」 ・・・ 旗という言葉の語源を調べた。 元は「パタ」だったらしい。 また、そのさま。 「まったく『はためいわく』な話だ」 『手本』が残ってしまう・・・という深意があったのかもしれない。 確かに、悪い手本は周囲に影響するね。 「はったりは、どうよ?」 「あっ! 『型だけ』の何々かも」 ハタ!と気付く 「犯人の動きが浮かんだ!」 「そうか! 説明してくれ!」 ・・・ この『ハタ』も、やはり「パタ」が原型で、 意味は「パターン」ですかね? こんなのもあります。 「『ぱたぱた』(と)はたきをかける」 「うちわで『ぱたぱた』(と)あおぐ」 (2)軽く音を立てて歩くさまを表す語。 「スリッパを『ぱたぱた』(と)いわせて歩く」 (3)物事を急速に処理するさま。 「仕事を『ぱたぱた』(と)かたづける」 「パタパタ」は「はためく音」だけど、 別の何かが、重なっているかもしれない。 (パタンもバタンもごちゃ混ぜでっか) 名前の「秦」とかもあった。 (やはり、「手本」の意味とちゃいまっか?) 「秦」一族は、確かに「手本」だったのかもしれない。 (説) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はたらけといわれてもなあ 失業者の毎日 家でごろごろしている兄ちゃんがいる。 「はだらくとこ、ねえべが」 (働くところ無いかねえ) ・・・と、おが(母)が聞く。 しかし、仕事は見つからない。 ここで、 「ハダラク」 という東北弁は、ヘブライ語と共通だ。 発音記号は、 HDRK となっている。 不景気だから、地方に行くほど こんな会話が多いのだろうなあ。 (資料A:p210) はたん 「破綻」 の巻き添え 未確定シリーズ 「あの航空会社『破綻した』らしいよ!」 「な?・・・なんじゃとー!!」 「もっと早く、『株』売ればよかったね」 「へっへっへっ」 「ど、どうしたの?急に!」 「もう、日航離(にっこり)するしかない」 「うわーっ・・・」 ・・・ それしかありませんねえ。 ところで、 『破綻』という言葉が気になった。 「ファター(fa・tal)」+「ん」 それは、 『運命的』・『致命的な』状況なのだろう。 「彼は『パッタン』と倒れた」 という言葉の裏には、「破綻」が隠れているようだ。 (更に派生した語に『パッタリ』がある) それはかなり、「致命的な状況」を指しているのだろう。 「ひざを『はたと』打つ」 (2)新しい状況や考えが突然表れるさま。 「『はたと』気づく」 「『はたと』出くわす」 (3)にらむさま。 「『はたと』にらむ」 (4)完全に。 「『はたと』忘れた」 (5)しっかりと。 きちんと。 「其行ふべき事を『はたと』行ふぞ:史記抄{10}」 いずれも、「運命的なもの」に関係するようだ。 古代人は、悲運に気付いた時、こう叫んだかもしれない。 「ファタ(はた)!!」 (このままじゃ俺は、『破綻』だぞ!) しかし、 予見ができたなら、まだ打つ手がある。 資料:広辞苑 第五版CD-ROM版 はちまき 『争奪戦』 「あそこまで先に着いたら、これあげる」 「たんなるミカンじゃん」 「やめる?」 「よし!やったるで!」 「・・・・」 「なにしてるの?」 「ハチマキ!」 「ほ・・・『本気モード』か!」(汗) ・・・ さて、 『鉢巻』とは? 【鉢巻(き)】はち まき(名)スル (1)額から耳の上を通って、頭を布などできつく巻くこと。 また、その布。 「手ぬぐいで『はちまき』する」「ねじり『はちまき』」 (2)土蔵造りで、防火のために軒下を特に厚く塗ること。 また、その部分。 (3)武士などが、兜 カブト の下の烏帽子 エボシ がずれないように、その縁を布で巻いたこと。 また、その布。 「揉 モミ 烏帽子引き立て、薄紅海の『はちまき』して:盛衰記{42}」 ・・・ 「漢字通り」と納得すればそれで終るのだが、どうも、「宗教的な臭い」がある。 というのは、 日本にやってきた天孫族(古代イスラエル)には、 独特の「鉢巻文化」があったと思えるからだ。 その根拠は以下の聖句だ。 出エジプト記 28:31 エポデの下に着る青服を、青色の撚り糸だけで作る。 出エジプト記 28:32 その真中に頭を通す口を作る。 その口の周囲には、織物の縁をつけ、よろいのえりのようにし、ほころびないようにしなければならない。 出エジプト記 28:33 そのすそに、青色、紫色、緋色の撚り糸で、ざくろを作り、そのすその回りにこれをつけ、その回りのざくろの間に金の鈴をつける。 出エジプト記 28:34 すなわち、青服のすその回りに金の鈴、ざくろ、金の鈴、ざくろ、となるようにする。 出エジプト記 28:35 アロンはこれを務めを行なうために着る。 彼が聖所にはいり、ヤーの前に出るとき、またそこを去るとき、その音が聞こえるようにする。 彼が死なないためである。 ・・・ 神からの命令により、職服が決められた。 それは、後代への「象徴」でもあったのだろう。 問題は、以下の一文である。 出エジプト記 28:36 また、純金の札を作り、その上に印を彫るように、『ヤーへの聖なるもの』と彫り、 出エジプト記 28:37 これを青ひもにつけ、それをかぶり物につける。 それはかぶり物の前面に来るようにしなければならない。 出エジプト記 28:38 これがアロンの額の上にあるなら、アロンは、イスラエル人の聖別する聖なる物、すなわち、彼らのすべての聖なるささげ物に関しての咎を負う。 これは、それらの物がヤーエの前に受け入れられるために、絶えずアロンの額の上になければならない。 ・・・ 神の前に出る代表者は、金のプレートに「神聖な一文」を彫り付けて、額に巻いていた。 このように、遠い時代の「鉢巻」は、『紋章』に縁が深かった。 戦時中の「特攻兵士」は、なぜ「日の丸」などの鉢巻をしていたのだろうか? 「本意」はここにあった。 ? 「民の代表として、『神の前』に出る」 ・・・ (「ハチマキ」は、英語に流れとるかな?) (付録見て) ------------------------------ 付録: 「鉢巻」を分析 「鉢巻」の「鉢」はおそらく、『ハット(帽子)』にも関係する言葉で、 「ハッチング」(帯状の表象) という意味を含むようだ。 それが、神から与えられた『key』ということになる。 lock b 時計のねじを巻くための かぎ 2 かぎ形のもの バッジ・紋様など 3 [the 〜] 要所、関門 4 a 問題・事件などの 解答、解決のかぎ[手がかり]: 成功などの 秘訣 ヒケツ to. b 外国書の 直訳本: 試験[練習]問題などの 解答書、とらの巻 to. c 地図・辞書などの 記号解 to. d 暗号の 作成[解読]書[法] to. e 動植物の 検索表 to. 5 a タイプライター・コンピューターなどの キー b 電 電鍵 デンケン c オルガン・ピアノ・吹奏楽器の 鍵 ケン 6 a 声の 調子 b 思想・表現などの 基調、様式 c = key word. 4 問題集などに 解答をつける 5 = keyboard. その意味から、「ハッチメン・キー」説はしっくり来る。 もう一つ、 「ハチ・マーキ」 と区切って考えた。 説2 「ハチ・マーキン」 『鉢』に「巻きつける」から「マキ」と思っていたが、 どうやら、こちらのほうが本意かもしれない。 印[マーク]をつけること 採点 2 a 航空機などの シンボルマーク b 鳥獣の皮・羽などの 斑紋 はんもん 、 模様、しま 「鉢巻」という漢字は、確かにぴったり嵌まっているが、 昔から鉢巻には「マーク」を記したはずだから 「鉢・マーキン」 (額のシンボル) という考えは捨てがたい。 今はまだ、模索している最中だ。 ところで、 「遅まき」という言葉が、ふと浮かんだ。 この「まき」についても考えよう。 ガレージセール 「あれ?『今ごろ』来たの?」 「遅まきながら・・・」 「目ぼしいの、売れちゃったよ」 「あー残念!」 【遅蒔き】おそ まき (1)時期を遅らせて種をまくこと。 また、そのような品種。 (2)時期に遅れて、事をなすこと。 「『おそまき』ながら、政府も事態の収拾に乗り出した」 これは、 「種蒔き」と、 「別の何か」を掛けた 洒落言葉かもしれない。 1. 「遅・末期」 2. 「遅・メーキ(making)」 (遅い手当て) 3. 「アソ(also)・マーキ(marking)」 (繰り返す) 4. その他 変ったところで、 「3」の also(あそ)・marking(まき) を、考えてみよう。 【ハック】hack(1) おのなどで乱暴にまたは乱雑に ものを たたき切る、 ぶった切る、切り刻む、めった切りにする 副 句 この言葉に流れた古代ヘブライ語原型は、 日本の現代語にも引き継がれ、 「はっきり」 と、使われているようだ。 準備 「いいねわたる、せんせに聞かれたら、『ハキハキ』答えるんだよ」 「うん」 「『うん』じゃなくて、学校では『はい』と言うんだよ」 「うん」 ・・・ この場合の「ハキハキ」というのも、「はっきり」の仲間だ。 「はっき・り」の本体は『ハキ』である。 「ハキ」は「覇気」に通じる。 積極的に立ち向かおうとする意気。 かちき。 「『はき』がない」 やまき。 しかし、元はヘブライ語だろう。 b [〜 one's way で] 森林などを 切り払って進む 副 句 c ものを たたき切って ものを 作る out of. 2 [〜 it で:しばしば否定文で] 俗 事業・計画などを うまくやり抜く 3 ラグビー 相手の むこうずねをける 反則 4 バスケット ボールを持っている 相手の 腕をはたく 反則 5 電算 口語 a プログラミングに 取り組む. b コンピューターシステム・データなどに 不法に侵入し改変[盗用]する、ハックする 1 なたなどで荒っぽく 大きな木などに 切り[たたき]つける away at. 2 しきりに 短いからせきをする 3 電算 a プログラミングに取り組む b ハックする 1 a たたき切り、切り刻み b 刻み目; 切り傷 2 米 短いからせき 3 ラグビー すねをけること:すねをけった[けられた]傷 古期英語「切り刻む」の意 hack(2) 1 a 貸し馬 b おいぼれ馬、やくざ馬 c 競走馬・猟馬・軍馬と区別して 乗用馬 2 米 a 貸し馬車 b タクシー 3 a あくせく働く人 b 著述家の 下働き 1 雇われた,金で働く; 下働きの 2 使い古した、陳腐な 1 馬を 乗用に 貸す 2 …を こき使う 1 遊山 ユサン などで 馬に乗っていく,馬で遠乗りする 2 米 タクシーを運転する HACKNEY の短縮形 hack・berry (米) 1 a 植 エノキ属の木 b エノキの実、榎 エ の実 しばしば食用 2 エノキ材 【ハッカー】hack・er 1 荒っぽく切る人、切り落とす人[もの] 2 口語 ハッカー: a コンピューターでプログラミングに取り組む[夢中になる]人. b 不法にコンピューターシステムに侵入してデーターを改変したり盗用したりする人 【ハッキンコフ】hacking cough 短いからせき (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はっしとうける 相手が悪い 「おぬし、もう許さんぞ!」 「これでも喰らえ!!」 『ハッシ!!』 「こ、こしゃくな!名乗れ!!」 「宮本武蔵!」 「なんじゃと?」 ・・・ 時代劇で、よく出てくるオノマトペがある。 鈍い外野手 「あいつ、何度やってもあかんな」 「ほんま!エラー続出や!」 「おーい!球が来たら走れ!!」 ・・・ 『応答』や『反応』を意味する 「ハーシェ」は 「走れ」にも混入しているらしい。 「なめ」でっせー。 「なめ」の動きは遅いけど、 「見るのもイヤだ」って人がいる。 ところがこれ、 アヒルの大好物! 野良猫も、時々食べてるらしい。 さて 『発生』という語を考えよう。 この英語に繋がる。 広袖で、袖付けより袖口の広がったものもある。 襠 マチ も襟の折り返しもなく、胸にひもが付く。 江戸時代、武家の中間 チユウゲン から大家の下僕・職人などが主家の紋や屋号を染め抜いたものを着たのに始まる。 現在は職人などが用いる。 (2)能装束の一。 広袖で、胸ひものない上衣。 金襴 キンラン や錦を用いる。 甲冑 カツチユウ 姿の武将・天狗・鬼畜類の扮装に、袴と共に用いる。 1. 発布(ハップ)=happ(en) 「F」 2. 発展(ファッテン)=fat en 「H」 「発生」と「派生」も似ている。 同じ油でも、 「偽の油」が取り巻いているからだろう。 石油は、「毒」だからねえ。 ・・・ (ファットさせられたぞ) (謎かけ、わかった?) (わかる、 これ、「間違った発展(ふぁってん)!」) (儲け「志望」が、「死亡」に繋がる) (そや!そや!) 金儲けに目がくらむと、 自分に戻る・・・ってことだ。 「どうにもならん」ようになって、 「地球脱出」ってな説もありまっせ。 ・・・これは、「何とした事か」という意味だ。 また、上司が部下に命令した時、部下は 「はっ!」 と返事するのだが、これにはヘブライ語で「何でございますか」の意味がある。 これは中国でも、使う言葉である。 【八方】はっぽう(ハッパウ) (1)東西南北と北東・北西・南東・南西の八つの方角。 また、あらゆる方角。 「『はっぽう』手をつくす」 「四方『はっぽう』」 (2)「八方行灯」の略。 これはどうやら、当て字というよりも、深い意味が重ねられた言葉のようだ。 調査によると「八方」は、『運気』を意味する言葉だったらしい。 (説) その根拠は、英語から拾った。 (出来事を伴う) 「for」は、 「目的、方角」の意味を持つので、 「hap・for」+「塞がり」 (はっぽうふさがり) なら、 「『頼みの運』が塞がっている」 (好転のきっかけが起こらない) という意味になる。 (「に、し、ろ、は、とー」がヒント) 資料:広辞苑 第五版CD-ROM版 --------------------------------------- 付録:八の魅力 日本では、 「八」(はち) という数字は、「末広がり」として縁起がよいと言われている。 七より一つ多い数。 末広がりの字形から、縁起のよい数とされる。 やっつ。 これはおそらく、「運が開ける」という意味だろう。 英語の「ハッピー(happy)」に相当する。 また、 「八」(やー) と読む場合にも、 民族の神「ヤー(八百万)」に繋がる言葉になるので二重のめでたさを持っている。 創造主は『イワ』、御子は『イシ』。 「末が広がる」とは、聖書の神が告げている約束だ。 それは、民族の父祖であるアブラハムに告げられた。 創世記 22:15 それから主の使いは、再び天からアブラハムを呼んで、 創世記 22:16 仰せられた。 「これは主の御告げである。 わたしは自分にかけて誓う。 あなたが、このことをなし、あなたの子、あなたのひとり子を惜しまなかったから、 創世記 22:17 わたしは確かにあなたを大いに祝福し、あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように数多く増し加えよう。 そしてあなたの子孫は、その敵の門を勝ち取るであろう。 創世記 22:18 あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。 あなたがわたしの声に聞き従ったからである。 」 それでは、 イザヤを通して我々の祖先に告げられた、神の驚くべき祝福を知っておこう。 イザヤ書 44:3 わたしは潤いのない地に水を注ぎ、かわいた地に豊かな流れを注ぎ、わたしの霊をあなたのすえに、わたしの祝福をあなたの子孫に注ごう。 イザヤ書 59:21 「これは、彼らと結ぶわたしの契約である。 」と主は仰せられる。 「あなたの上にあるわたしの霊、わたしがあなたの口に置いたわたしのことばは、あなたの口からも、あなたの子孫の口からも、すえのすえの口からも、今よりとこしえに離れない。 」と主は仰せられる。 イザヤ書 60:1 起きよ。 光を放て。 あなたの光が来て、主の栄光があなたの上に輝いているからだ。 イザヤ書 60:2 見よ。 やみが地をおおい、暗やみが諸国の民をおおっている。 しかし、あなたの上には主が輝き、その栄光があなたの上に現われる。 イザヤ書 60:3 国々はあなたの光のうちに歩み、王たちはあなたの輝きに照らされて歩む。 イザヤ書 60:4 目を上げて、あたりを見よ。 彼らはみな集まって、あなたのもとに来る。 あなたの息子たちは遠くから来、娘たちはわきに抱かれて来る。 イザヤ書 60:5 そのとき、あなたはこれを見て、晴れやかになり、心は震えて、喜ぶ。 海の富はあなたのところに移され、国々の財宝はあなたのものとなるからだ。 イザヤ書 60:6 らくだの大群、ミデヤンとエファの若いらくだが、あなたのところに押し寄せる。 これらシェバから来るものはみな、金と乳香を携えて来て、主の奇しいみわざを宣べ伝える。 イザヤ書 60:7 ケダルの羊の群れもみな、あなたのところに集まり、ネバヨテの雄羊は、あなたに仕え、これらは受け入れられるいけにえとして、わたしの祭壇にささげられる。 わたしは、わたしの美しい家を輝かす。 イザヤ書 60:8 雲のように飛び、巣に帰る鳩のように飛んでくる者は、だれか。 イザヤ書 60:9 まことに、島々はわたしを待ち望み、タルシシュの船は真先に、あなたの子らを遠くから来させ、彼らの金銀もいっしょに、あなたの神、『イワ』の名のために、イスラエルの聖なる者のために運んでくる。 主があなたを輝かされたからである。 イザヤ書 60:10 外国人もあなたの城壁を建て直し、その王たちもあなたに仕える。 実に、わたしは怒って、あなたを打ったが、恵みをもって、あなたをあわれんだ。 イザヤ書 60:11 あなたの門はいつも開かれ、昼も夜も閉じられない。 国々の財宝があなたのところに運ばれ、その王たちが導かれて来るためである。 イザヤ書 60:12 あなたに仕えない国民や王国は滅び、これらの国々は荒廃する。 イザヤ書 60:13 レバノンの栄光は、もみの木、すずかけ、檜も、共に、あなたのもとに来て、わたしの聖所を美しくする。 わたしは、わたしの足台を尊くする。 イザヤ書 60:14 あなたを苦しめた者たちの子らは、身をかがめてあなたのところに来、あなたを侮った者どもはみな、あなたの足もとにひれ伏し、あなたを、主の町、イスラエルの聖なる方のシオン、と呼ぶ。 イザヤ書 60:15 あなたは捨てられ、憎まれ、通り過ぎる人もなかったが、わたしはあなたを永遠の誇り、代々の喜びの町に変える。 イザヤ書 61:9 彼らの子孫は国々のうちで、彼らのすえは国々の民のうちで知れ渡る。 彼らを見る者はみな、彼らが主に祝福された子孫であることを認める。 イザヤ書 61:10 わたしは主によって大いに楽しみ、わたしのたましいも、わたしの神によって喜ぶ。 主がわたしに、救いの衣を着せ、正義の外套をまとわせ、花婿のように栄冠をかぶらせ、花嫁のように宝玉で飾ってくださるからだ。 イザヤ書 61:11 地が芽を出し、園が蒔かれた種を芽生えさせるように、神である『イワ』が義と賛美とを、すべての国の前に芽生えさせるからだ。 イザヤ書 62:1 シオンのために、わたしは黙っていない。 エルサレムのために、黙りこまない。 その義が朝日のように光を放ち、その救いが、たいまつのように燃えるまでは。 イザヤ書 62:2 そのとき、国々はあなたの義を見、すべての王があなたの栄光を見る。 あなたは、主の口が名づける新しい名で呼ばれよう。 イザヤ書 62:3 あなたは主の手にある輝かしい冠となり、あなたの神の手のひらにある王のかぶり物となる。 イザヤ書 62:4 あなたはもう、「見捨てられている。 」と言われず、あなたの国はもう、「荒れ果てている。 」とは言われない。 かえって、あなたは「わたしの喜びは、彼女にある。 」と呼ばれ、あなたの国は夫のある国と呼ばれよう。 主の喜びがあなたにあり、あなたの国が夫を得るからである。 イザヤ書 62:5 若い男が若い女をめとるように、あなたの子らはあなたをめとり、花婿が花嫁を喜ぶように、あなたの神はあなたを喜ぶ。 イザヤ書 62:6 エルサレムよ。 わたしはあなたの城壁の上に見張り人を置いた。 昼の間も、夜の間も、彼らは決して黙っていてはならない。 主に覚えられている者たちよ。 黙りこんではならない。 イザヤ書 62:7 主がエルサレムを堅く立て、この地でエルサレムを栄誉とされるまで、黙っていてはならない。 (「主」は、神の子『イエス』:伊勢を意味している) 幸いなるかな、この末たち 「八方塞」の暗い時代を経て、栄光に輝く未来を掴むとは 見捨てられてはいなかった ずっと心に秘めていた 『女』がそれを忘れていても 神は『女』を覚えていた 「愛(いと)おしさ」を一気に注ぎかけるべく 約束は、「この時代」に果たされる。 【初】はつ 1 最初。はじめて。 「お『はつ』にお目にかかる」 「『はつ』の成功」 2 名詞の上に付けて接頭語的に用い、はじめての、あるいは新しいの意を表す。また、その年はじめてのという意を表すことも多い。 「『はつ』公開」 「『はつ』節句」 「『はつ』がつお」 「『はつ』詣で」 「『はつ』仕事」 原型は、「」の発音から推理すべきだろう。 (彼らは、日本ヘブライ語の元祖) 古代には恐らく、 「ふぁつ」 または、 「ふぁす」 と、発していたらしい。 派生語らしき 「始め」も、 当初 「ふぁすぃめ」 だったのだろう。 「神社に行ってくる!」 「どうしたの?今ごろ」 「心機一転でやり直すぞ!!」 「・・・!」 母さんは、ちょっとうれし泣き。 ・・・ よし。 挫折からの「初詣」で、再出発だ。 ここにヒントがあった。 「初詣」には、 初・mode という意味が含まれているかもしれない。 ダニエル書 2:31 王さま。 あなたは一つの大きな像をご覧になりました。 その像は巨大で、その輝きは常ならず、それがあなたの前に立っていました。 その姿は恐ろしいものでした。 ダニエル書 2:32 その像は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、 ダニエル書 2:33 すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。 ダニエル書 2:34 あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。 ダニエル書 2:35 そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな共に砕けて、夏の麦打ち場のもみがらのようになり、風がそれを吹き払って、あとかたもなくなりました。 そして、その像を打った石は大きな山となって全土に満ちました。 ダニエル書 2:36 これがその夢でした。 私たちはその解き明かしを王さまの前に申し上げましょう。 ダニエル書 2:37 王の王である王さま。 天の神はあなたに国と権威と力と光栄とを賜い、 ダニエル書 2:38 また人の子ら、野の獣、空の鳥がどこに住んでいても、これをことごとく治めるようにあなたの手に与えられました。 あなたはあの金の頭です。 ダニエル書 2:39 あなたの後に、あなたより劣るもう一つの国が起こります。 次に青銅の第三の国が起こって、全土を治めるようになります。 ダニエル書 2:40 第四の国は鉄のように強い国です。 鉄はすべてのものを打ち砕いて粉々にするからです。 その国は鉄が打ち砕くように、先の国々を粉々に打ち砕いてしまいます。 ダニエル書 2:41 あなたがご覧になった足と足の指は、その一部が陶器師の粘土、一部が鉄でしたが、それは分裂した国のことです。 その国には鉄の強さがあるでしょうが、あなたがご覧になったように、その鉄はどろどろの粘土と混じり合っているのです。 ダニエル書 2:42 その足の指が一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。 ダニエル書 2:43 鉄とどろどろの粘土が混じり合っているのをあなたがご覧になったように、それらは人間の種によって、互いに混じり合うでしょう。 しかし鉄が粘土と混じり合わないように、それらが互いに団結することはありません。 ダニエル書 2:44 この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。 その国は永遠に滅ぼされることがなく、その国は他の民に渡されず、かえってこれらの国々をことごとく打ち砕いて、絶滅してしまいます。 しかし、この国は永遠に立ち続けます。 ダニエル書 2:45 あなたがご覧になったとおり、一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と青銅と粘土と銀と金を打ち砕いたのは、大いなる神が、これから後に起こることを王に知らされたのです。 その夢は正夢で、その解き明かしも確かです。 」 ダニエル書 2:46 それで、ネブカデネザル王はひれ伏してダニエルに礼をし、彼に、穀物のささげ物となだめのかおりとをささげるように命じた。 ・・・ 「一国の歴史」が、百年単位で吟味されることもあれば、一年ごとに刻まれている場合もある。 いずれにしても、一つの王国は、腰から下で「二つの脚」に分離する傾向があるらしい。 それが北の「イスラエル王国」と南の「ユダ王国」である。 また、 東西ローマ、イギリスとアメリカ、東西ドイツ、南北朝鮮、など・・・ 国々はなぜか、二つに分かたれる傾向を持っている。 現在の人類社会も、「共産圏」と「自由主義陣営」に分離し、その終末を迎えようとしている。 像の例えは、的確なのかもしれない。 さて、 「一年」を「人体」に例えれば、その「頭上」に被せるのが「ハット」である。 少々こじつけ気味だが、 「初」が「帽子」に繋がるという根拠を考えてみよう。 「初」は「頭の上」に頂くもの 初夢 初孫 初会見 ・・・ 日本の習俗で、「初」は「特に大切なもの」とされている。 それは、 「念頭」に置かれる大切な存在や行事である。 「年頭」に当たって為されている初詣も、その位置にある。 「初」が「帽子」だなんて・・・ と思ってしまうのだが、『はつ』は確かに「頭より上」に存在する。 よく考えると当てはまるものが多い。 これも・・・ 【髪】はつ かみの毛。 【発芽】はつが(名)スル 植物の芽・花粉・種子または胞子が生長・発生を開始すること。 「種が『はつが』する」 狼の「遠吠え」は、「頭上」に向けて声を『発』する。 『はっ・す』という語は、 「頭より上に放つ」 という意味なのだろう。 「目立つ服や格好の人」を、「派手な人」という。 すると、 「はで」ってなんだろう? これかもしれない。 (推理) こんな意味だった。 現代の我々が使う「堅い」は、こんな構成だ。 K+hard・er+it 読みは「カダイ」 (「K」は前置詞) やがて 「カタイ」 と訛った。 【堅い・固い・硬い】かたい(形){_クかた・し} (1)物が力を加えられても、容易に形や状態を変えない。 「『かた』い鉛筆」 「卵を『かた』くゆでる」 (2)物と物、人と人がしっかりと合わさっていて容易に離れない。 「『かた』くひもを結ぶ」 「『かた』い団結」 「『かた』い握手」 (3)心が動揺したり、容易に変わったりしない。 「『かた』い決意」 「『かた』く信ずる」 「押し売り『かた』くおことわり」 (4)自分の考えにこだわり、融通がきかない。 頑固だ。 また、緊張していてぎこちない。 《硬》 「『かた』い表情」 「『かた』くなって話す」 (6)内容がまじめ一方で、面白みがない。 かたくるしい。 きまじめだ。 「『かた』い一方の男」 「『かた』い話」 (7)することに、浮ついたところがなく、信用がおける。 (ア)てがたい。 堅実だ。 「『かた』い商売」 「『かた』く見積もっても一億円はもうかる」 (イ)人に秘密をもらさない。 「口が『かた』い」 (ウ)間違いない。 確かだ。 「合格は『かた』い」 「一万円は『かた』い」 (8)どんな小さなことでも誤りを許さない。 厳重だ。 きびしい。 「『かた』く禁ずる」 「守りの『かた』い城」 (9)(「目がかたい」の形で)眠気がこない。 眠たがらない。 「この子は目が『かた』い」 (10)取引で、相場がなかなか下がらない。 硬調である。 《硬》 [派生]『かた』げ (形動)『かた』さ (名)堅き氷は霜を履むより至る〔「易経{坤卦}」による。 秋になって霜を踏むようになればやがて堅い氷の張る冬が来るの意〕 (1)事の前兆が現れたらすぐにそれに備えよというたとえ。 (2)小さな災いが原因で、大きな災いが起きることがあるというたとえ。 【難い】かた・い(形){_クかた・し}〔「堅 カタ い」と同源〕 (1)なかなかできない。 むずかしい。 困難だ。 「想像に『かた』くない」 「言うはやすく行うは『かた』し」 (2)ほとんど存在しない。 めったにない。 めずらしい。 ところで、 「話」という語を調べた。 【話・咄・噺】はなし (1)話すこと。 口に出して語ること。 「『はなし』がとぎれる」 「『はなし』が上手だ」 「ひそひそ『はなし』」 (2)話された内容。 「実のある『はなし』」 「つまらない『はなし』」 (3)話題。 「『はなし』を変える」 「その『はなし』はやめよう」 (4)うわさ。 「耳寄りな『はなし』」 「次の選挙に出るという『はなし』だ」 (5)話し合って決めるべき事柄。 (ア)相談ごと。 「『はなし』をもち込む」 「『はなし』に乗る」 (イ)交渉ごと。 「『はなし』をまとめる」 「『はなし』をつける」 (6)人に語り聞かせる、ある内容や筋をもった事柄。 (ア)昔ばなしや説話など。 「土地に伝わる『はなし』」 「桃太郎の『はなし』」 (イ)講演。 (ウ)落語。 《噺》 「人情『はなし』」 「芝居『はなし』」 (エ)談話。 「大臣の『はなし』」 (7)物の道理。 「『はなし』のわかる人」 (8)いきさつ。 「その『はなし』というのを聞かせなさい」 (9)つくりごと。 「あんなのはただの『はなし』さ」 (10)(形式名詞のように用いて)こと。 ことがら。 【生し】なし 〔動詞「なす(生)」の連用形から〕 産むこと。 「父母が『なし』のまにまに:万葉{1804}」 【成し・為し】なし 〔動詞「なす(成)」の連用形から〕 そうすること。 英語から調べた。 【放す】はな・す 動サ五[四] 1 物を手で持ったり握ったりしていたのをやめる。 「ハンドルから手を『はな』す」 「お母さんの手を『はな』してはだめよ」 2 つないだりとじこめたりしていた人や動物を自由にする。解放する。 「小鳥を『はな』す」 「犬を『はな』す」 「捕虜を『はな』す」 3 銃などを発射する。ぶっぱなす。 「鉄砲ヲ『ハナ』ス:日葡」 「矢ヲ『ハナ』ス:日葡」 [可能]はなせる 【離す】はな・す 動サ五[四] 〔「放す」と同源〕 1 密着したり接触したりしている二つのものの間に隔たりを作る。 「つないでいた手を『はな』す」 2 二つのものの間に、ある間隔があるようにする。また、間隔をもっと広げる。 「字の間隔を『はな』して書く」 「ストーブを壁からもっと『はな』しなさい」 3 自分の手もとから遠くにやる。手ばなす。 「肌身『はな』さず持っていたお守り」 「もう君を『はな』さない」 4 「目を離す」の形で 一時的に視線を他の物に移す。 「ちょっと目を『はな』したすきに子供を見失う」 [可能]はなせる 「放す」と「離す」は同源だ。 例によって、英語にヒントを。 far back はるか後ろに。 となる》 「ファー」は「オノマトペ」にもなっているが、 理由は、日本に「F」が発音「できる民」と「できない民」が同居しているためだ。 それでも、 「夜更け」などは、「ファー」が「フ」になって残されている。 2 [時間に関して] [通例副詞または前置詞 特に into 句を伴って] 遠く far back in the past ずっと以前に。 このほうが 以前より ずっといい。 So far , so good. ここまではそれでけっこう。 So far he has done nothing to speak of. 今までのところ彼はこれといった働きはしていない。 向こう意気や負けん気。 はなっぱし。 はなっぱり。 「『はなっぱしら』を折られる」 『はなっぱしら』が強・い 強情で人にゆずらない。 きかぬ気である。 はなっぱしが強い。 『はなっぱしら』をへし折・る 相手の自信や高慢をくじく。 『柱』に深意がありそうなので、 それを掴むために、まず聖書を参考にしよう。 黙示録 3:12 勝利を得る者を、わたしの神の聖所の柱としよう。 彼はもはや決して外に出て行くことはない。 わたしは彼の上にわたしの神の御名と、わたしの神の都、すなわち、わたしの神のもとを出て天から下って来る新しいエルサレムの名と、わたしの新しい名とを書きしるす。 「神の聖所の『柱』」・・・ とある。 しかし、『柱』になったら動けないじゃないですか? 『柱』の人 少し横道になるが、 「コラムニスト」を知っておこう。 【コラムニスト】col・um・nist 新聞・雑誌などの 特約寄稿家、コラムニスト cf. 文章による「投稿、時評、随筆」 ・・・などの「書き物」を託されるということだろうか? 敬って提出します ある人が名士に、自分の意見書をしたためた。 文章の最後に、こう書いた。 「御『こうらん』を乞う」 「御『こうらん』に供す」 当然これは、 『批評してください』 の意味を含む。 相手からも「意見の類」が出ることを想定しているわけだ。 発音は 「コーラム」 「コーラン」 ・・・ (イスラムの経典「コーラン」に似ているのは、偶然じゃなさそうだ) その柱は、横向きだった 建築関係での「柱」は、縦にあって、屋根を支える。 しかし、横向きの「柱」もある。 擬宝珠 ギボウシ 勾欄・回り勾欄などがある。 (2)牛車 ギツシヤ の前後の口の下の方にわたした低い仕切り板。 《高欄》 (3)椅子のひじかけ。 《高欄》 それは欄干・・・つまり「ガードレール」のようなもので、 「神殿」にも確かに備わっている。 (人が歩く回廊の手すり) 聖句にある記述は、「この柱」かもしれない。 こうした横向きの柱は、人が歩みを逸れて「踏み外さない」よう守っており、 一種の「指南役」。 それが(もし)しゃべれたら、間違って歩む人にこんな言葉をかけるだろう。 「こらこら!」 (正に「コラム・コラム」) つまり、意味においての 「鼻っ柱」は、 「鼻のレール(骨)」を指すと同時に、 自らの、「精神的ガイド」でもあるわけだ。 1. 「鼻」・「柱」 (はなっぱしら) 2. 「話」・「柱」 (はなっぱしら) 3. その他 ではここで、 「その他」の意味に迫ろう。 なぜ 「はなはしら」じゃなく 「はなっぱしら」なのか? 以下が参考になる。 エリヤ、エリシャ、エレミヤ、エゼキエル・・・など、歴代の預言者たちは、 背教する愚かな民によって、鼻っ柱を折られ続けた。 そして、警告通りに民は滅亡した。 だから、正しい人の「鼻っ柱」を折ってはならない。 彼らの後ろに、「神」がいる。 こりさせる。 神と繋がる人は鼻(ファナ)が利く。 彼に「こら!」と注意されたら、それを聞き入れよう。 いつも使っているのだが・・・ 「きょう・は・はれ」(kyou ha hare) と書いて、 「きょう・わ・はれ」(kyou wa hare) と読む。 つまり、『は』を『わ』と読ませているのだが、 最初の「は」と次の「は」では、読み方を変えなければならない。 なぜ、こんな面倒なことを続けているのだろう? 『は』は、立派な「ヘブライ語」 ここで取り上げた『は』は、「日本語が『ヘブライ語』である」という証だろう。 文法では『係助詞(かかりじょし)』になるが、この入り口からでは謎が解けない。 実は、民謡から解明できる。 「鹿児島おはら節」の中に、このような歌詞がある。 「おはら・ハー・桜島」 ・・・ ここでの「おはら」は、 「オホラ」 ・・・つまりヘブライ語で 「我がテント(家)」 を意味するはずだ。 それは、 「我がテントは、桜島」 ・・・と告げているらしい。 これには、もう一つ説がある。 「オハリファー」(オホリバ)とは、南朝ユダ王国の首都「エルサレム」を指す。 いずれにしても、 古代イスラエルの信仰は、山を中心に据えていた。 その場合、山は「宗教国家」の象徴とされる。 () つまり、日本に来た古代ヘブライ人は、 桜島を、「テント」に見立てて懐かしんだのが真相ではないか? (この歌の歌詞には諸説ある) ここで、『ハー』に話を戻そう。 「オハラ ハー、桜島」 が 「オハラ 『は』、桜島」 と同一文であるとすれば、 「係助詞」『は』の正体は、 ヘブライ語の『ハー』 であったことになる。 (現代人は、知らずにこれを使っていたか?) 民謡の歌詞は、古代ヘブライ語の発音を概(おおむ)ね保存している。 そこから 『ハー』を受け継いだ我々も 「わたし・wa・にほんじん」 と発音しながら、実際には 「わたし・ha・にほんじん」(私は日本人) と書くのだろう。 そうであればそれは、係助詞の『は』に、 ヘブライ語の『ハー(H)』 が記憶されている証拠なのである。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) --------------------------------------- 付録:『は』の資料 日本での『は』に関しては、おそらく ヘブライ語の『ハー』が多用されている。 (これだけでも、論文が書ける?かも) 【は】(係助) 〔現在では「わ」と発音する。 助詞「を」の下に付くとき、「をば」となることがある〕 種々の語や文節、活用語の連用形などに接続する。 多くの事柄の中から、一つのものを取り出して提示するのが本来の用法である。 (1)特に一つの物事をとりあげて提示する。 「お酒『は』ぼくが買う」 「食事『は』もうすんだ」 (2)題目を提示して、叙述の範囲をきめる。 「象『は』鼻が長い」 「ぼく『は』学生だ」 「今日『は』よい天気だ」 (3)二つ以上の判断を対照的に示す。 「行き『は』よいよい、帰り『は』こわい」 「親に『は』孝行、友人に『は』信義」 (4)叙述を強める。 (ア)〔格助詞・副詞などに付いて〕意味や語勢を強める。 「たいてい『は』、そのまま帰る」 「君と『は』もう会わない」 (イ)〔動詞・形容詞の連用形、および助詞「て・で」に付いて〕 一続きの叙述の一部分を強調する。 「絶対に行き『は』しない」 「なるほど美しく『は』ある」 「まだ書いて『は』いない」 「真実で『は』ない」 (5)〔「…(で)は…(だ)が」の形で〕譲歩の気持ちを表す。 活用語の連用形に付くこともある。 「雨も、降り『は』降ったが、ほんのわずかだ」 「ごめんどうで『は』ございますが」 (6)動作・作用の行われる条件・事態を表す。 現代語では「ては」の形で用いられるが、古語では「ずは」「くは」などの形をとることもある。 「不正があって『は』ならない」 「おこられて『は』大変だ」 「会社として『は』万全の備えをするつもりです」 「忘れて『は』夢かとぞ思ふ:伊勢{83}」 「鶯の谷よりいづるこゑなく『は』春くることをたれかしらまし:古今{春上}」 (7)文末にあって、終助詞的に用いられる。 体言や活用語の連体形に接続して、感動の意を表す。 「はも」「はや」などの形をとることがある。 「歯固めの具にももてつかひためる『は』:枕草子{四〇}」 「あはれ、それを奉り鎮め給へりし『は』や:大鏡{道長}」 (8)(文末にあって終助詞的に用いられ) 話し手自身に対して、念を押すような気持ちでの詠嘆を表す。 「すはよい『は』とて追たそ:史記抄{三}」 「又五十字、百字有る歌もあらう『は』さて:狂言・萩大名{虎寛本}」 〔{(7)}は上代では「はや」「はも」の形をとる。 {(8)}は中世以後の用法。 両唇破裂音の有声子音と後舌の広母音とから成る音節。 【場】ば 〔「には(庭)」の転という〕 (1)あいている所。 物が占める所。 「机を置く『ば』がない」 「『ば』を取る」 「『ば』をふさぐ」 (2)物事が起こったり行われたりしている所。 「その『ば』に居合わせる」 「改まった『ば』」 「公 オオヤケ の『ば』」 (3)物事を行うために設けた場所。 また、機会。 「話し合いの『ば』」 「『ば』を外す」 「『ば』を踏む」 (4)物事が行われている時の、その時々の状況や雰囲気。 「『ば』を取りつくろう」 「『ば』が白ける」 「その『ば』その『ば』に応じた話し方」 (5)(「その場で」の形で)すぐその時。 その席上。 「質問にその『ば』で答える」 「発見したら、その『ば』で捕らえよ」 (6)芝居・映画などの場面。 シーン。 「殿中刃傷の『ば』」 (7)花札・トランプなどで、札を積み重ねたり捨てたりしてゲームが行われる場所。 「『ば』の札」 (8)取引所で、売買取引を行う場所。 立会場。 「『ば』が立つ」 (9)〔物〕〔field〕物理量が空間的に分布している場所。 かつては帯電粒子と電磁場のように、粒子間の力を媒介する媒質空間をさしたが、現在では粒子と場とは一元化されて相互に付随しあうものとされる。 (10)〔心〕各部分が相互につながりをもった全体構造として動物や人間に作用し、その知覚や行動の仕方・様式などを規定している力として考えられた状況。 ゲシュタルト心理学における基本的な概念の一つ。 ば(接助)古語では、未然形に接続する場合と已然形に接続する場合があるが、現代語では、一部、未然形に接続することがあるほかは、大部分が仮定形接続に統一された。 (1)順接の仮定条件を表す。 未成立の事柄を仮定し、それを条件として表す。 …ならば。 古語では未然形に接続。 「雨が降れ『ば』、試合を中止する」 「君さえよけれ『ば』、一緒に行こう」 「かの国の人来 コ 『ば』、みな開きなむとす:竹取」 (2)(「…といえば」「…ならば」などの形で) 事柄の内容や、よってきたる根拠を示す。 「大学といえ『ば』、近ごろ問題が多いね」 「消息筋によれ『ば』、内乱が起こったらしい」 (3)順接の既定条件を表す。 理由・根拠となる動作・作用を条件として示す。 古語では已然形に接続。 (ア)ある条件が満たされれば、いつでもある事柄が起きるという場合の、条件を表す。 「立て『ば』芍薬 シヤクヤク 、座れ『ば』牡丹 ボタン 」 「日が沈め『ば』夜になる」 「命長けれ『ば』辱 ハジ 多し:徒然{七}」 (イ)引き続いて起こる事柄についての、きっかけを表す。 …すると。 …したところが。 「大勢の中で見れ『ば』、それほど目立った存在ではない」 「一〇年前を思え『ば』、ずいぶんぜいたくになったね」 「浜を見れ『ば』、播磨の明石の浜なりけり:竹取」 (ウ)原因・理由を表す。 「塵を煙の如く吹き立てたれ『ば』、すべて目も見えず:方丈記」 (4)(多く「…も…ば」の形をとって) 同類の事柄や共存する事柄を並列する。 古語では已然形に接続(ただし、古語にはあまり見られない用法である)。 「金もなけれ『ば』地位もない」 「桜も咲け『ば』、桃も咲く」 「ふるき都は荒れゆけ『ば』、いまの都は繁昌す:平家{五}」 (5)「ねばならぬ」「なければならない」など、慣用的な言い方として用いる。 「仕事にはできるだけ精を出さね『ば』ならぬ」 「人は誠実に生きなけれ『ば』ならない」 (6)「いわば」「たとえば」などの形で、副詞的に用いる。 「いわ『ば』、ひょうたんから駒が出たようなものだ」 (7)「しからば」「なぜならば」などの形で、接続詞的に用いる。 「海運の振興を図るべきだ。 なぜなら『ば』、日本は島国だからである」 (8)已然形に接続して、逆接の既定条件を表す。 「『は』、かしこまりました」 (2)問い返すときにややかしこまって発する語。 「『は』、何ですか」 (3)笑い声。 ははは。 「席の人々一同に『ははは』と咲 ワラ ひけるを:沙石{三}」 (4)怪しみ、いぶかるときに発する語。 「『は』、筋ともない事に聞きないて、腹をお立ちやる:狂言・薬水」 【は】(格助)〔上代東国方言〕格助詞「へ」に同じ。 「我が背なを筑紫『は』遣りて愛 ウツク しみ結 エビ は解かななあやにかも寝む:万葉{四四二八}」 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) --------------------------------------- 付録2:他の民謡から 民謡「」には、このようなくだりがある。 その「文章の並び」は、英語に近い。 --------------------------------------- 付録3:資料『助詞』 【助詞】じょし 国語の品詞の一。 付属語で活用のないもの。 自立語に付いて、その語と他の語との関係を示したり、その語に一定の意味を添えたりする。 文中でのはたらき、接続の仕方、添える意味などによって種類がある。 一般に ・格助詞 ・接続助詞 ・副助詞 ・係助詞 ・終助詞 ・間投助詞 (並立助詞) (準体助詞) などに分類される。 「てにをは」 「助辞」 【係(り)助詞】かかりじょし いろいろの語に付いて、それらにある意味を添えて下の用言や活用連語にかかり、それらの用言や活用連語の述語としての働きに影響を及ぼすもの。 口語では「は」「も」「こそ」「さえ」「でも」「しか」「だって」、 文語では「は」「も」「ぞ」「なむ(なん)」「や」「か」「こそ」などがある。 (けいじょし。 そのテーブルの上に『は』何がありますか? b [補語の場合] What is this? これ『は』何ですか? c [目的語の場合] What do you mean by that? それ『は』 どういう意味ですか What are you talking about? (その)話『は』?何についてですか? What do you think of this poem? この詩『は』どう思いますか What do you say we go for a walk? これ『は』何だか知っていますか? Tell me what has happened. 起きた話『は』私に話して What follows is doubtful. 今からの話『は』疑わしいです… 報告などの途中で I don't know what to do. =What is it? 『わーっ!』何だって? You told him what? 組み合わせで、「ワー」と訛る。 日本語では、「助詞」に位置し、「係助詞」などの名が付されている。 日常疑問文などでは、 「あれ『は』?」 などと短く使われる。 その正体は、ヘブライ語の「ハー」であり、 「わ」と発音する場合でも表記は『は』のままだ。 多くは、文章の「中間」か「後ろ」に来る。 「驚き」の場合は 「はっ!」 以外に 「わっ!」で表記し、文頭に来ることが多い。 それが、英語の「what」に流れている。 続きを見よう。 2 a どれほど、いくら、いかほど What is the price of this bag? このバッグの値段『は』いくら? What is the population of Edinburgh? エジンバラの人口『は』どれほどですか? b [人の職業などを尋ねて] 何者、どんな人 "What is he? " 「彼『は』何をしている人かね」「…先生です」 c どれほどの価値[意味]をもつもの What is life without books? 書物のない人生と『は』どんなだろう? What is that to you? それ『は』君にとって何の意味がある? (それを聞いてどうするのかね?) 3 [感嘆文に用いて] 何と多量[多額]、 どれほど What it must cost! 『わーっ』!なんて金喰いなんだ! B 関係代名詞 1 a …する もの[こと] What I say is true. 私の言うこと『は』本当です What's done is done. 済んだこと『は』済んだこと b [関係詞節中 be の補語に用いて] …ある まさにその人[もの] He's not what he was. 私の今日あるの『は』あなたのおかげ c 〈…する〉なんでも You may do what you want. したいこと『は』なんでも許す d [A is to B what C is to D の形で] A の B に対する関係は C の D に対する関係と同じ Air is to us what water is to fish. 空気と我々との関係『は』水と魚との関係 2 [独立的または挿入的な節を導いて] さらに …なことには What is more, he was awarded the grand prix. 君の本『は』、都合できるだけ貸してください Bring what friends you have. 友だち『は』、全部連れてきなさい I gave her what little money I had. 《英口語》 1 …『は』何てざまだ 2 …『は』どう思うか What price clean elections? あす『は』天気がよいと思うかい? あれやこれやで時間がなかった What with drink and what with fright, he did not know what was happening. 今は整理中。 よく使う表現だ。 (彼らが眠っている間私たちは見張りをした) Don't phone me while I'm at the office. (事務所にいる間は電話をかけてよこさないでください) While he was fighting in Germany, he was taken prisoner. b [主節の後方に置き、対照を表わして] ところが一方、しかるに: 同時に He likes sports, while I like books. 日本語辞書も、参考に。 【は】(係助) 〔現在では「わ」と発音する。 助詞「を」の下に付くとき、「をば」となることがある〕 種々の語や文節、活用語の連用形などに接続する。 多くの事柄の中から、一つのものを取り出して提示するのが本来の用法である。 (1)特に一つの物事をとりあげて提示する。 「お酒『は』ぼくが買う」 「食事『は』もうすんだ」 (2)題目を提示して、叙述の範囲をきめる。 「象『は』鼻が長い」 「ぼく『は』学生だ」 「今日『は』よい天気だ」 (3)二つ以上の判断を対照的に示す。 「行き『は』よいよい、帰り『は』こわい」 「親に『は』孝行、友人に『は』信義」 (4)叙述を強める。 (ア)〔格助詞・副詞などに付いて〕意味や語勢を強める。 「たいてい『は』、そのまま帰る」 「君と『は』もう会わない」 (イ)〔動詞・形容詞の連用形、および助詞「て・で」に付いて〕一続きの叙述の一部分を強調する。 「絶対に行き『は』しない」 「なるほど美しく『は』ある」 「まだ書いて『は』いない」 「真実で『は』ない」 (5)〔「…(で)は…(だ)が」の形で〕 譲歩の気持ちを表す。 活用語の連用形に付くこともある。 「雨も、降り『は』降ったが、ほんのわずかだ」 「ごめんどうで『は』ございますが」 (6)動作・作用の行われる条件・事態を表す。 現代語では「ては」の形で用いられるが、古語では「ずは」「くは」などの形をとることもある。 「不正があって『は』ならない」 「おこられて『は』大変だ」 「会社として『は』万全の備えをするつもりです」 「忘れて『は』夢かとぞ思ふ:伊勢{83}」 「鶯の谷よりいづるこゑなく『は』春くることをたれかしらまし:古今{春上}」 (7)文末にあって、終助詞的に用いられる。 体言や活用語の連体形に接続して、感動の意を表す。 「はも」「はや」などの形をとることがある。 「歯固めの具にももてつかひためる『は』:枕草子{40}」 「あはれ、それを奉り鎮め給へりし『は』や:大鏡{道長}」 (8)(文末にあって終助詞的に用いられ) 話し手自身に対して、念を押すような気持ちでの詠嘆を表す。 「すはよい『は』とて追たそ:史記抄{3}」 「又五十字、百字有る歌もあらう『は』さて:狂言・萩大名{虎寛本}」 〔{(7)}は上代では「はや」「はも」の形をとる。 {(8)}は中世以後の用法。 近世では「わ」と表記されることが多くなり、現代語で主として女性が用いる終助詞「わ」の源流となる〕 まだまだ、固まって「は」いませんが・・・ね。 さて、 「はばたく」とは、どんな素性の言葉なのか? 【羽撃く・羽搏く】はばた・く(動カ五[四]) (1)鳥が翼を広げて上下に動かす。 「大空に『はばたく』く鳥」 (2)人が成長して社会へ飛び立つ。 また、社会で活躍する。 「力強く未来へ『はばた』け」 ・・・ 「撃つ」という漢字が当てられているので、 こんなヘブライ語が浮かんだ。 つまり、鳥が羽を動かして、何かを『打つ』(ような「動作」)が・・・ 「はばたく」だ。 後ろの「アク」は、これ。 ただ、 「運が『あく』」とは言わず (運が)『ひらく』と使う。 「運」は「具体的な動き」(act)じゃないからだ。 これを「語源に関係アリ」とすれば、 『はぶ』 ・・・という語は、船にとって 「『避難』と『安息』の場所」という意味だ。 (それそのものが「港」を意味する) しかし、『ハブ』はさらに深い。 習慣的に使う 『ハビ』 という語には『習慣』(常に使用する)という意味がある。 英語からそれを汲んだ。 b 動植物の 習性 c もの・自然現象の ありがちな状態、傾向 (以下省略) ・・・とすると、 「『ハブ』の港」は 「習慣的に使う港」 「慣れ親しんだ港」 といった意味もあるのだろう。 また、 ハブ(車のハブ)=軸足の『軸』 のイメージで考えれば、 「『ハブ』の港」は 「『軸』となる本拠地としての港」 とも考えられる。 つまり『母港』である。 【ハブ】hub 1 車輪の こしき 軸のはまる所 2 活動の 中心、中枢 of. 3 [the H ] Boston の俗称 【ハブ・エアポート】hub airport ハブ空港 国際[長距離]線と国内[短距離]線との乗り継ぎが可能な、ある国 [地域]における拠点空港 ・・・ 日本では、「羽生」などの漢字が振られているが、 それに捕われ過ぎると横道に入ってしまう。 注意が必要だ。 それはこの言葉に共通だ。 (東北弁に近ければ、「古代ヘブライ語だ」と断定できる) (ただし、別説もある) ・・・そんなわけで、 『はべる』は、 「常にその場に居る・停泊する」 と同時に、 『慣れ親しんだ』 という意味を持っているわけだ。 神事が始まりか? 『ハブ・エル』という区切りもある。 これは、 「ハベ・る」との重ね言葉とも取れる。 「エル」はもちろん、『神』だ。 『神』に(自分を)『繋ぎ止める』 というのだから、彼らは『祭司級』であるに違いない。 とりあえず、ここまで。 ・・・ (ところで、ひとつ気になるぞ) (なにが?) (毒蛇の『ハブ』や) (おっ?) (これは、『はびこる』から『ハブ』とちゃう?) (うーん、なるほど) 【波布・飯匙倩】はぶ クサリヘビ科の毒ヘビ。 沖縄諸島・奄美アマミ諸島に分布。 全長2メートルに達し、頭はほぼ三角形、飯を盛る匙サジのようでマムシに似るが、頭部背面の鱗は小さい。 樹上または草陰にひそみ、人畜を咬カむ。 攻撃性が強く、猛毒をもつ。 奄美・沖縄諸島には、太く短い別種ヒメハブも分布。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) ------------------------------ 付録2:埴生と薗部 埴生(はぶ)・羽部(はべ) などの人名は 『常駐する』 という役柄を意味しているかもしれない。 おそらく、 「正規軍」や「警護隊」などを指すか 「常駐の神官」に適用された名前だろう。 逆に、 「薗部」(そのべ) なら、 「交代要員」・「臨時役」などだろうか? 「ソノー」 というヘブライ語には、 「入れ換えて」 という意味があるからだ。 「部(べ)」は、英語の 『bit』などに相当し 「一団」・「部分」という呼称なのだろう。 これが「入れ換え」を意味する 『ソノー』に違いない。 主に金力や権力などにいう。 「『はぶり』がよい」 (2)鳥が羽を振ること。 「夜もすがら沖のすず鴨『はぶり』して:夫木{17}」 「羽を振る」は、当て字だろうか。 いずれにしても、 「資力を持たないと」できない行動。 裏金を使えば『風』を起こすことができるから、 これは案外、深い表現かもしれない。 「はぶ」を解明 こんな「はぶ」も居た。 (重複あり) 【波布・飯匙倩】はぶ ヘビの一種。 猛毒をもつ。 全長約二メートル。 頭は三角形で大きく、上顎に二本の長い毒牙をもつ。 普通、背面は黄褐色で、暗褐色の輪状紋が並ぶ。 奄美諸島と沖縄諸島の特産。 夜間、カエル・ネズミ・小鳥などを食う。 草むらや樹上などにいて、人畜をも攻撃するため恐れられている。 南西諸島には他にヒメハブなど三種の近縁種がいるが害は少ない。 [季]夏。 すると、家来は言う。 英語なら、こう。 (政治の裏も、こればっかり!) (んじゃ!) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はべるのはさむらいだけ 雇ってもらお この人を主人として仕事をしよう・・・ そう思った侍(さむらい)は、 そのそばに侍(はべ)るようになる。 ここで、 「侍る」(はべる) というのは、 「ベール」 つまり、 ヘブライ語の「主人」に 起因態接頭語「ハ」を付けたものだ。 誰かを主人として仕事をするなら 侍(さむらい)でなくても、 「侍る」(はべる) は、使っていいことになる。 資料A:p147 はやく 急いでやってよ (未確定シリーズ) 「早く早く!!」 「なに急いでるの?」 「消費税!」 「震災復興は?」 「そのうち」 「あんた!おかしいぞ!!」 ・・・ 態度が逆だ。 ところで、 「早く」の語源を考えた。 【ハイ】hie 《詩・古》 〔…へ〕急ぐ、急いで行く 〔to〕 [〜 oneself で] 急ぐ こんな組み合わせだろう。 ラテン語根の英語が教えているように、 これも「急げ」という意味らしい。 相当古い。 飛躍する社会 「なんか、すごい発明があったらしいよ」 「どんな?」 「燃料『なし』で走る車」 「ひゃー!!」 ・・・ すごい飛躍ですねえ。 発音のバリエーションを考えると、 こんな分析も出る。 「仕事をさ(作)『せ(set)』る」 「運動をさ(作)『せ(set)』る」 とも表現できる。 つまり、 「はよせー」 が、 「はよしー」 の「使役形」であり、 漢字は「施」と「使」に区分されているわけだ。 しかし漢字というツールは、 TPOに応じて様々に振られているらしいので、解明が大変だ。 しかし、それ以上わからない。 辞書を引いてみよう。 浄、信州川中島合戦:「『はらいせ』には神主禰宜めら残らず切てなりともからめてなりとも」。 「『はらいせ』に茶碗を割る」 「はらいせ」は、「相手」に対する嫌がらせというより、 「自分で自分の気を晴らす」という意味が強かったようだ。 つまりこれは元々、 精神的な「治癒」(なだめ)を意味しているらしい。 だから、以下の例えが当てはまりそうだ。 「この間は、ひどい目にあわされたね」 「うん」 「何考えてるの?」 「『はらいせ』だ」 「はらいせ?」 「そう、気が休まるから」 それは「なだめ」なのか? 自分に対して 「精神的癒し」 を実現するためには、 茶碗を割ったくらいでは、収まらない事がある。 何かそれ以上の「『慰め』をもたらす心境」が必要だ。 それを、 「腹癒せ」 と書く事も多い。 「癒える」という言葉を熟考すると、 それは 「ユダヤ人の救世主」 につながることが判明した。 連想の手順はこうだ。 「癒せ」(イセ)という言葉から 「救世主」(イセ=イシェ=救い) 「伊勢」(イセ=イエス) 「なだめの犠牲」(イッショ=贖い) こうした連想から調べるうち、 次の言葉を見出した。 【パライゾ】(paraiso ポルトガル) (キリシタン用語 天国。 パラダイス。 ハライソ。 妙貞問答:「後生の善所は『パライソ』と云ひて天にあり」 日本のキリシタンは、「パラダイス」を『ハライソ』と呼んでいたようだ。 ポルトガル語は、キリシタンに浸透している。 だから、その時代に 「パライゾ」 「ファライソ」 「ハライセ」 と変化したのではないか?・・・ そう考えることもできる。 実際、ヘブライ語の「PA」は「FA」と入れ替わる。 するとそれは、「新しい外来語」だろうか? いや、おそらく「流れ」は逆で 日本古語(古代ヘブライ語)の中にあった 「ファライソ」(はらいそ) という言葉が元だろう。 (『イソ』という言葉は、「救いの場所」という意味を持つ」海の磯に通じる言葉だ) それが外国に、「パライゾ」や「パラダイス」と伝わり、 日本には「ハライセ」と残ったのではないだろうか? そうだとすると、それはヘブライ語で分解できるはずだ。 「ハラ・イセ」(または「ハラ・イソ」 これをヘブライ語で直訳すれば、こうなる。 Paradise 天国。 また、悩みや苦しみのない楽しい所。 (この楽園には『牧者』がいて、放牧された『羊』を見守っている。 だから、単なる「広場」=「バラ」ではない) 古代ヘブライ語が英語に流れた時、おそらくこんな変遷を辿ったのだろう。 1. 「パラ・イッシュー」(ファラ・イッシュー) 2. 「パラ・ディッシュー」 3. 「パラ・ディース」 4. 「パラ・ダイス」 イエスの名前は、 古代ヘブライ語で「イシェ」と発音され 「イシュー」(エシューア)とも聞き取られた。 (「エシューア」が、「イエス」になった) 名前が含む意味は、「救い」である。 その名前は、「)」の語源でもある。 「イシェ」という名前が「伊勢神宮」に派出している。 だから伊勢神宮は 「救いの宮」であり、 「癒しの宮」であり、 「イエスの宮」なのである。 迫害を受け、腹に据えかねる人々は、 「天国」に希望と慰めを見出した。 そこは、 「イエスの原」であり、 「救いの原」であり、 「癒しの楽園」である。 『ハライセ』に思いを馳せよう。 それこそが、神の臣民の 逃げ込む場所なのだから。 はらうとはらう 結構つらい「ええかっこ」 「今日はご馳走さま!」 「いやーどういたしまして!」 「それじゃここで失礼します」 「またお会いしましょう」 「あなたは?」 「夜風に吹かれて帰りますよ」 「まあ、風流ですこと」 ・・・ ホントは、財布「空」なんよ。 (わびしいのう) ・・・ 男はいつも、無理しとりま。 さて、 「空(から)」の語源って何だろう? 【空・虚】から〔「から(殻)」と同源〕 一 (名)中に物が入っていないこと。 うつろ。 からっぽ。 「『から』になる」 二 (接頭)名詞に付く。 (1)何も持っていない、何も伴っていない意を表す。 「『から』手」 「『から』身」 「『から』雷」 (2)形だけで実質が伴わない、見せかけだけで真実ではない意を表す。 「『から』元気」 「『から』いばり」 「『から』手形」 「『から』約束」 (3)その動作が本来の目的を果たしていない意を表す。 「『から』回り」 「『から』振り」 既に、「ガラー説」がある。 しかし、「ハラー」というヘブライ語から、 こんな説も可能だ。 【祓う】はら・う ハラフ〔「払う」と同源〕 一 (動ワ五[ハ四])神に祈ってけがれや災いを取り除く。 清める。 信仰の民には、『お祓い』という解決策がある。 活用しないともったいない。 天皇という「大祭司」は、とてつもない値打ちがあるわけだ。 それを縛るなんて。 それにしても、 「国会を清める」ちゅー場面、見ないねえ。 (「祓え」ば「払え」る、その借金) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) 日本書紀と日本語のユダヤ起源:ヨセフ・アイデルバーグ著:久保有政 訳 はらうほそく 突然の借金取り 「今日こそは返してもらうよ」 「し!しまった!」 「『閉まった』じゃない!今日はきれいサッパリ払うんだ!」 ・・・ さて、 「きれい+サッパリ」 と分解し、 ここでは「サッパリ」の方を考えよう。 「サー・パラー・リー」 と分析。 「サー」は「掃討」の意味を持つヘブライ語であり、 「パラー」が本体だ。 これに「パラー(para)」が併合されている形だ。 また、「支払う」という語は 支+祓う =「支出で(会計を)清める」 とした説もある。 それは、ヘブライ語だった。 【ハラ】hara he 怒る 「『ハラ(怒り)』立つ」 は、 「いきり立つ」と似た用法だ。 やっぱ。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) (資料:日本書紀と日本語のユダヤ起源 ヨセフ・アイデルバーグ著) はらはらするね 「ハラハラ」の場面 「サッカー見る?」 「うわ!もう『決勝』じゃん」 「今、同点!」 「ハラハラするなあ」 ・・・ さて、ここでの「ハラハラ」って何だろう? ヘブライ語で 「原っぱ」を「バラ」という。 日本語では、濁点が抜けて「ハラ」と使われている。 (秋葉原の地名では「バラ」が顔を出す) 「原野、牧場」もまた「ハ・アラ」(ハラ)と言うので、混用もあっただろう。 (更に、「halal=ハラー(空)」という別語もあり) だが、これらは 「ハラハラ」の語源ではないようだ。 ところがここに、もうひとつの「ハラ」があった。 山地は「ハラ」 「ハルマゲドン」の中に含まれる「ハル」は、 日本ヘブライ語での「ハラ」であり、それは「山地」という意味を持つ。 これが、『ハラハラ』と重ねて使われ、 『山場』 (ハラハラの場面) となっているようだ。 消え去ったかに見えるヘブライ語の「ハラ(山)」は、 こんな形で生き残っていた。 (?) それ以外にも、 「胎」(はら) などは、 「山のように膨れた『お腹』」 といった意味だろう。 さらに、普通の人の「ハラ」でも、 『太鼓腹』というのがある。 ・・・つまり、 「子供が入ってないのに膨れたお腹」を持った人が 「ハラ」という言葉を、好んで使っていたのかもしれない。 これが一般にも、 『腹』として定着した可能性がある。 (その後、必ずしも「膨らみ」を意味しなくなった) この説、正しいのかな?どうかな?) とにかく・・・ 「ハラハラ」するのは、消化に悪い。 特に、張子で作った芝居の小道具。 「『はりぼて』の人形」 ・・・ さて、 「張り(貼り)」はそのまま理解するとして、 『ボテ』とは何だろうか? これは、 『ボディ』だ。 b 一団、一群: 大勢、多数 of. 7 [the 〜] 団体などの 大部分 of. 8 [また a 〜] a 物の 密度、濃度 b 音色などの 張り c 油の 粘性. つまりそれは、 「『ボディ』を壊せ」なのである。 それは、 「ハル・メギド」(メギドの山) と訳されることが多い。 ヘブライ語では、「ハル」が「山」であるはずなのに、これが日本語に無い。 だからこの大切な語彙が、ヘブライ人の子孫である日本人にピンとこないのだ。 また、日本文化に「メギド」という地名もあってしかるべきだが、少し考えたくらいでは見当たらない。 これが一般には、「山」として訳されると考えた。 それは、「蜂」に刺された場合など体が 「腫れる」(はれる) という言葉に共通だろう。 1. 膨れ上がっている。 2. 炎症を起こしている。 3. 盛り上がっている。 4. 痛みが伴う ・・・この線で、考えてゆこう。 だとすると、腫れて皮膚が盛り上がった部分は確かに 「山」 と表現できなくもない。 また、「張る」は、 「運動して、足がパンパンに張る」 などと使われる。 (「破裂=ハレツ」もおそらく派生語だろう。 漢字は当て字か?) さらに、破れた部分に「ツギ当て」する場合に、 「貼る」 という漢字が使われるが、これは「ツギ」の部分だけが膨れることになる。 いずれも、「ほんのわずか」の盛り上がり(山)が生じる。 :実は、イスラエルに実在する『メギドの山』は、「小高い丘」のような場所でしかない。 古代から交通の要所ではあったが、樹木も無い『荒漠』とした地形である。 これは過去に、人間が樹木を伐採して自然破壊を行ったからだろう。 そこは潤いに欠けた、『壊滅の地』と呼ぶにふさわしい。 「メギド」は「破壊」か 次に、「メギド」というヘブライ語を、日本語解析で考えた。 (修正の可能性あり) 関西では、こんな言葉を使う。 「貸した自転車返してよ」 「今、自転車屋にある」 「えっ?どうして?」 「ちょっと・・・その・・・」 「『めぎ』よったなぁ!」 ・・・関西弁で、「壊す」ことを、 「めぐ」 と言う。
次のでは、 『徘徊』を考えてみよう。 それは、『徒歩旅行』 この言葉は、英語から逆推できる。 ぶらつくこと。 「盛り場を『はいかい』する」 ・・・ 不思議だが、これもヘブライ語が源流にありそうだ。 ・・・ (うおーっ!これ、ほんま?) (はいかい) (いや、こっちが聞いとんね!!) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はかせとはっかー 「侵入」発覚 「あれ?パソコンがおかしいよ」 「どうしたの?」 「なんだか、ガリガリ音がしてる」 「ほんとだ!」 「それに、思うように動かない」 「やられた!ハッカーだ!」 ・・・ パソコンが乗っ取られて、「遠隔操作」されてるようです。 さて、 一般に、「ハッカー」というのは、「悪さ」をする連中だと思われているが、 本当の悪(わる)は、『クラッカー』と呼ばなければならない。 辞書を引いてみた。 :ハッカー (hacker)(米国用語) コンピューターに精通し、熱中している人。 ・・・ つまり、その原意としての「ハッカー」は、「専門知識に精通した人々」だった。 アメリカで、「ハッカー」という呼び方が、 いつ、どうして始まったかはわからないが、 それは日本での 「博士」(はかせ)と似ている。 おや? 「ハッカー」と「ハカセ」・・・ どうして「似た言葉」があるのだろう? 出所はヘブライ語? 「ハカ」 というヘブライ語は、 「探求する」、「調査する」 という意味がある。 これが、日本語の 「はか・る」 として使われているようだ。 ヘブライ語は、いろいろな経路で世界に流出している。 「ハッカー」の経路は不明だが、 「博士」(はか・せ)、の方は、「十部族経由」という予想が立つ。 少なくとも、「博学」や「博士」の「博」という文字に「知識人」という意味を含ませた大陸の先人は、「ヘブライ語を理解していた」と考えるのが妥当だろう。 ちなみに、 中国にも「ハッカー」が存在する。 (?) ハッカ 「客家」 Hakka 広東省を中心に、南東部の諸省に存在する少数民族。 かつて華北から南下移住してきた「漢族の子孫」としての集団で、独特の「習俗」、「方言」で他の漢族や少数民族とは区別されてきた。 ・・・彼らが、「探求」、「調査」に長けた民であったかどうかは不明。 しかし、『十部族』の一派であるとすれば、何らかの「専門家」や、「学者集団」だった可能性はある。 もう少し解明したいのだが、なかなか「ハカ」どらない。 ・・・ (うーん、「ハカ・どる」も解明しなくっちゃ) (ところで、「釣り・バカ」というのはどうかな?) (あっ!それ、「釣りの探求者」・・・かな?) (そうそう、この「バカ」は悪態じゃないね) (それじゃ、『バカ』で怒っちゃいかんよね) (うん) (君も・・・) (それ以上言うなあ!) (資料A:p237)(資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はかりのさほう 「量り」を学ぶ 「はかり、はかり・・・と」 「おっ、なんの勉強?」 「聖書!」 「へーっ」 「ここんとこ、教えて」 「どれどれ?」 マルコ 4:24 また彼らに言われた。 「聞いていることによく注意しなさい。 あなたがたは、人に量ってあげるその量りで、自分にも量り与えられ、さらにその上に増し加えられます。 マルコ 4:25 持っている人は、さらに与えられ、持たない人は、持っているものまでも取り上げられてしまいます。 」 「これ、どんな意味?」 「『ケチは自分もケチられる』ちゅーことかな」 「ほな、給料ケチったら?」 「会社も傾く」 「へーっ」 「神さんは正しい!」 「おとーさんの給料、なんで安いの?」 「えっ?」 ・・・ むかし、なにかケチった? さて、 「量り」 という言葉を調べてみよう。 【計り・量り】はかり〔動詞「はかる」の連用形から〕 (1)物の分量・数量・大きさなどをはかること。 また、はかって知った重さ・大きさなど。 「『はかり』が甘い」 (2)考え。 工夫 クフウ。 (3)見当。 目当て。 手がかり。 「逢ふ『はかり』なき嘆かしさに:狭衣{3}」 (4)限り。 「声を『はかり』にぞおめき叫び給ひける:平家{七}」 (5)重さをはかる単位。 (ア)黄金や銭をはかる単位。 「黄金万『はかり』ありとも飢 イイウエ を療がすべからず:日本書紀{宣化訓}」 (イ)銀・銅・穀物などをはかる単位。 「鉄一万『はかり』箭竹 ヤノシノ 二千連を請す:日本書紀{天武下訓}」 (ウ)糸をはかる単位。 「夏引の白糸七『はかり』あり:催馬楽」 いくつかの語が、混じっているらしい。 主意と思われるのは、以下のヘブライ語だ。 つまり、 「分配を少なくすれば、自分の受け分も減る」 「与える量を少なくすれば、自分も同じ悲哀を味わう」 という意味だ。 「結果」を受け取るのは「10年先」かもしれないが、それは確実にやってくる。 資料:広辞苑 第五版CD-ROM版 日本書紀と日本語のユダヤ起源:ヨセフ・アイデルバーグ著:久保有政 訳 --------------------------------------- 付録: はかない最先端 「新しいスマートフォン、見せよか?」 「おっ!遂にこうた?」 『ツルリ!!』 「うわっ!!」 『ガチャピーン!!』 「わーっ!」 「バラバラになってもた…」 「ま…まだ3日めやぞ」 「『はかない』もんやなあ」 ・・・ 『はかない』とは、 「ハーカー・ナイン」 というヘブライ語で、 (寿命の)「『配分』がなかった」・・・ という意味かもしれない。 はかる 「ハカ」りましたね 「ここの水深はどれくらい?」 「測ってみなけりゃ判らない」 「長靴とタオルを用意しました」 「えっ?」 「今、『測る』と言ったよね」 「謀ったな!」 ・・・ こんな場合、「実測」が必要。 でも、自分はやりたくない。 さて、 「測る」という語の素性は? 【計る・測る・量る】はか・る(動ラ五[四]) (1)物差し・枡 マス ・秤 ハカリ などを用いて、物の長さ・量・重さなどを調べる。 測定する。 計測する。 「物差しで寸法を『はか』る」 「枡でお米を『はか』る」 「秤で目方を『はか』る」 「ストップウオッチでタイムを『はか』る」 「距離を『はか』る」 :以下略 確かにヘブライ語だ。 (辞書では同源とされている) 【図る・謀る・諮る】はか・る(動ラ五[四])〔「はかる(計・測・量)」と同源〕 (1)計画する。 ある動作が実現するよう、計画をたてたり、努力したりする。 くわだてる。 企図する。 「幼帝の擁立を『はか』る」 「自殺を『はか』る」 「販路の拡大を『はか』る」 「便宜を『はか』ってもらう」 (2)他人をだます。 普通、受け身文で用いる。 《謀》 「しまった、『はか』られたか、と思った時はもう遅かった」 (3)ある問題について他人の意見をきく。 また、公の機関などで、ある問題について学識経験者による委員会の意見を「答申」として出してもらう。 《諮》 「日時はみんなに『はか』って決めよう」 「本件は審議会に『はか』り、その答申を尊重したいと存じます」 [可能]はかれる 機会があれば整理したいと思っている。 (答:ハカが濁ればバカになる) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) 日本書紀と日本語のユダヤ起源:ヨセフ・アイデルバーグ著:久保有政 訳 はがい 「ハガイのう」 未確定シリーズ 努力しても空しい。 積み上げても崩れてしまう。 そんな時・・・ 人はこう言う。 「はがいのう・・・」 (多くは関西で) ここで疑問が湧いてきた。 では、 『ハガ』 のいくつかを考えてみよう。 「ハガ」の人? 名前の中に、『ハガ』を持つ預言者がいる。 【ハガイ】Hag・ga・i (聖) ハガイ書 旧約聖書中の一書:略 Hag. 『ハグ』には、「祭り」という意味がある。 日本では祭りに際して、神に捧げる音楽がある。 「神楽」(かぐら) これは元々、 『ハグ・リャー』 という発音だった。 『焦燥感』だ。 関西での『ハガイ』は、確かにそのような用法が多い。 日本人の名前 日本には、 芳賀(波賀、羽賀)などの苗字があるが、 これにも 「ハガイ」や 「ハグリャ」(神楽) と同じ意味が込められているかもしれない。 ・・・つまり、 『聖人』 という意味が濃厚だ。 元はナジル人のような、 「『聖別』された人」(または一族)を指したのだろうか。 英語から汲み上げた。 【ハグル】hag・gle 値段などで 押し問答する、言い争う: しつこく 値切る about,over. 値段などの 押し問答、言い争い: 値切ること hag・gler ・・・ 上記「ハガ・立たない」を分解すると、 「ハグ(ル)・ア」 (「ア」=『吾』) であるので、 「私の論争が立たない」 という意味になる。 しかし、ここでの「haggle」を当てはめて、 『はぐらかす』=「『論争』する」 とできるのも確かだ。 英語のスペルは、『はぐらかす』にうってつけだから、「重ね言葉」として連結してもいいだろう。 さらに「haggle」は、『剥ぐ』という意味にも重なりそうだ。 物理的に「剥ぐ」のではなく、「『言葉の応酬』で皮を剥ぐ」という事だ。 すると、 「執拗に言い争う相手」に 「ハガイ奴!!」 と使う用法が通りそうである。 1.「言い争う」(議論がしつこい) 2.「剥ぐ」(裏を探ろうとする) 皮を剥げ! 『歯に衣を着せる』 ・・・などと表現されるように、 人の言葉の表面にも、『皮』が被せられている。 そこで、心の中を暴くために「論争の必要」が生じる。 話の「皮」を『剥ぐ』ことで、 『真意』が顕わにできるのだ。 (そのための押し問答が「hag・gle」ということになる) 激しい火花で、多少のメッキも『ハゲ』落ちる。 ・・・ また、 「聖なる」 という意味が重なる場合もあるようだ。 (ハガイ書の場合は「神の焦燥感」=「聖なる焦燥感」) 「勘ぐる」 という語は、 「ハグル」に 前置詞『K』がつけられた強調語かもしれない。 ・・・ 皮を剥ぎながら調査をしても、 まだまだ不明な点が多く、 真相への道のりは遠い。 貫禄がつく。 この言葉を、調べてみよう。 英語の海から汲み上げた。 「熱演」の後 長い芝居の幕が下りた。 舞台裏で、友人が口々に称賛した。 「迫真の演技だったよ!」 「ほんと、迫力あった!」 ・・・ さあ、ここでの『はく(迫)』は? 【ファクト】fact 1 a 実際に起こった[起こりつつある] 事実 b …という 事実. だから、『迫・箔』などの漢字が当てられたのだろう。 (後から、別の重ね言葉が出るかもしれない) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はぐくむ 赤ちゃんの笑顔 (未確定シリーズ) 「あらー! あの子かわいいーっ!!」 「ほんと、抱きしめたいね」 「わたしだったら、食べちゃう!」 「表現、怖いぞ」 「そう?」 「育む資格が、あるのか?ないのか?」 「えーっ?」 ・・・ さて、 子供って可愛いけど、 「育む」のが大変。 「雛を『はぐく』む」 「我 ア が子『はぐく』め天の鶴群 タズムラ :万葉{1791}」 (2)養い育てる。 世話をする。 「両親に『はぐく』まれる」 (3)大切に守り、大きくする。 「愛を『はぐく』む」 ところで、 「はぐくむ」の語源は? これが、ヒント。 あなたは、その翼の下に身を避ける。 主の真実は、大盾であり、とりでである。 詩篇 91:5 あなたは夜の恐怖も恐れず、 昼に飛び来る矢も恐れない。 詩篇 91:6 また、暗やみに歩き回る疫病も、 真昼に荒らす滅びをも。 詩篇 91:7 千人が、あなたのかたわらに、 万人が、あなたの右手に倒れても、 それはあなたには、近づかない。 選民にとって、「神の使者」は「鳥」とされる。 すごく「励み」になる聖句だ。 ここでちょっと脱線。 そのイエスが、「羽(翼)」に言及している。 ルカ 13:34 ああ、エルサレム、エルサレム。 預言者たちを殺し、自分に遣わされた人たちを石で打つ者、わたしは、めんどりがひなを翼の下にかばうように、あなたの子らを幾たび集めようとしたことか。 それなのに、あなたがたはそれを好まなかった。 ルカ 13:35 見なさい。 あなたがたの家は荒れ果てたままに残される。 わたしはあなたがたに言います。 『祝福あれ。 主の御名によって来られる方に。 』とあなたがたの言うときが来るまでは、あなたがたは決してわたしを見ることができません。 」 イエスは、「国家体勢の悪さ」を嘆いていた。 いったいいつ、改善されるのだろうか? 政敵 選挙があるので、 政治家が遊説していた。 「皆さまのために、頑張ってまいりました」 「これからも、鋭意努力してまいります」 しかし、 その言行の不一致がひどい。 聞いてた傍聴者が、つかみかかろうとする。 「あっ! 奴を止めろ!」 「はい!」 「急げ! 羽交い絞めだ!」 ・・・ こんな場面はよくあるんじゃない? 特に、今はね。 古語の発音は「ハガヒ」だが、そこは無視して考えた。 「hug」に続く「aim」は、以前調べた。 そこでは、「」という発音。 しかし、「アイ」という発音も日本にあるらしい。 「父の靴と『はきちがえ』える」 (2)意味・内容をとりちがえる。 考えちがいをする。 「自由の意味を『はきちが』えている」 ・・・ 「履き違える」の「ハキ」は、 「抱く(いだく)」を意味する「ハグ」に繋がりそうだ。 山形県羽黒山の羽黒権現に奉仕した山伏。 祭神は伊?波神 イデハノカミ。 月山神社・湯殿山神社と合祀 ゴウシ されたので三山神社とも呼ばれ、修験者の霊場として知られる。 いではじんじゃ。 (2)神幸の際に神霊が乗る輿。 形は四角・六角・八角形などで、屋根の中央に鳳凰 ホウオウ や葱花 ソウカ を置き、台に何本かのかつぎ棒を通し大勢でかつぐ。 平安中期に怨霊信仰が盛んになるにつれ広く用いられるようになった。 しんよ。 おみこし。 [季]夏。 (3)(「輿」を「腰」にかけて)腰をいう。 おみこし。 麟 リン ・亀・竜とともに四霊(四瑞)と呼ばれた。 体は、前半身が麟、後半身は鹿、頸 クビ は蛇、尾は魚、背は亀、頷 アゴ は燕 ツバメ 、くちばしは鶏に似る。 羽にはクジャクのような五色の紋があり、声は五音にかない気高く、梧桐 ゴドウ にすみ、竹の実を食べ、醴泉 レイセン の水を飲むとされた。 聖天子の治政の兆として現れるとされる。 雄を「鳳」、雌を「凰」と称したともいわれる。 中国にも機運がある。 それは、彼らがイスラエル十部族(ユダ族の兄弟)であるからだ。 その伝説は、エジプトに始まる。 五、六百年ごとに一度、自ら香木を積み重ねて火をつけて焼死し、その灰の中から再び幼鳥となって現れるという。 不死鳥。 (2)ヤシ科の常緑木本。 ナツメヤシ・カナリーヤシなど亜熱帯に十数種が分布。 葉は大形の羽状で、茎頂に集まってつく。 雌雄異株。 彼は大声で叫び、中天を飛ぶすべての鳥に言った。 「さあ、神の大宴会に集まり、 黙示録 19:18 王の肉、千人隊長の肉、勇者の肉、馬とそれに乗る者の肉、すべての自由人と奴隷、小さい者と大きい者の肉を食べよ。 」 聖書での決まりは、こう。 「途中、ここと、ここで休もうか?」 「OK!」 ちゃんと決めてあったのに・・・ 先導車が、パーキングエリアを通り過ぎた。 後ろの車は、予定に従って停車した。 「あれ?」 「前の車、行っちゃったね」 「彼ら、忘れてる」 「はぐれちゃったぞお・・・」 昔のドライブは、携帯電話もなかったから、 「はぐれる」と面倒だった。 さて・・・ 「はぐれる」 という言葉を調べてみよう。 「はぐれる」とは? 辞書によると、 逸れる(はぐれる): つれの人を見失う。 ・・・となっているので、この話のような状況だ。 しかし、どちらかというと 集団から「抜け落ちる」・・・という意味が強いようだ。 「はぐれる」は、 「ハ・ガラー」 というヘブライ語だろう。 「ハ」=前置詞 「ガラー」(GLH)=「流刑」 つまり、元々 「島流し」 であるので、「隔離」、「左遷」、「追放」、「仲間はずれ」 という意味も含むはずだ。 (現在の理解) 集団から離されて、ひとりぼっちになることを指している。 羽黒天狗は? 山伏の中に、「羽黒流」という一派があったと記憶している。 彼らは、人里離れて孤独に過ごす「世捨て人」のように行動する。 この「羽黒」という名前にも、先ほどと同様 「ハ・ガラー」 というヘブライ語が、使われているかもしれない。 その意味は、 「話」をどこか遠いところへ「飛ばす」・・・(島流し) という意味に違いない。 上記は、『論争してもダメ』と意味が重なる。 ヘブライ語の「ホギ(ハギ)」には、「祭り」の意味がある。 「ぐれる」とは? 「ぐれる」という言葉がある。 「ぐれる若者」・・・とか、「愚連隊」・・・などと使われるが、 これも、元々 「ガラー・る」 であり、 「集団の規律を守らず、離れて(単独)行動する」 という意味だったのだろう。 「悪くなる」ことだ・・・と思われているが、 それより、 「単独行動」 という意味が強かったようである。 どうしようもないほどひどい。 ・・・ 妙な言い回しだ。 どんな原意なのか? そこで、古代に意識を向けた。 古代を推理する 日本人の祖先は「古代イスラエル」とされている。 (説) するとこれは、「軍隊用語」? 「古代イスラエル」は「戦う民」であり、 聖書のヨシュア記にあるように、周辺国との攻防に明け暮れていた。 だから、日常語が「軍隊用語」で構成されている。 また、ヨシュアから下って「ソロモンの絶頂期」には、地中海文明との交易が盛ん。 それで、ラテン語との共通点も多い。 こうした観点に立ち、 「ハシにもボウにも」を考えよう。 最初のたたき台が、これ。 社会では、相手を打ち伏せる「論争」の意味で使われる表現。 次は「ボウ」。 「代替手段」の意味もある。 また、「筋を曲げる」の示唆もある。 ここまでやって駄目なら、もう手がない。 それじゃ「ハシにもボウにも」の結論。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はしょってよ はしょってよ おじさんが結婚式に出ると、長い話をする。 「新郎新婦は、実にお似合いでして・・・えー」 ・・・ 「長いね」 「はしょって欲しいね」 ・・・ 「親父ギャグ」は許せるけど、 「長い話」は許されない・・・ かも。 「走る」 という言葉も、派生しているはずだ。 聖書にある「ハシ」 預言者イザヤの第二子は、変わった名前だった。 「マヘル・シャラル・ハシ・バズ」 という長い名前だ。 (これは、神が銘々した。 「イザヤ8章」) 意味は、 「マヘル」=「参る」(急いで来る) 「シャラル」=「事件」(日本語では「そら!」に相当) 「ハシ」=「急ぐ」 「バズ」=「分捕り」 解りやすく意訳すると、 「そら!やって来る!掠奪が走ってくる!」 となる。 すごく変わっているが、 これは、歴史上の「事件勃発」を織り込んだ「予言的名前」なのだ。 「マヘル」は「参る」 誰か目上の人に呼ばれると、部下は 「はい、すぐに参ります」 と言うが、 あの時の「参る」は、元々「マヘル」だった。 古代なら、 「はい、すぐにマヘリます」 と発音しただろう。 「そんなことしていたら危ないぞ」 「そら!・・・やっぱり」 ・・・と言う時の「そら」は 「事件!」という意味を含んでいる。 「バズ」は? しかし、日常語の中に 「分捕りもの」=「バズ」という語彙が見当たらない。 どこかに無いだろうか? 「大陸系」かもしれないが、 「抜粋」(バッスイ)という言葉がある。 これは、書物や作品の中などから、「必要部分を抜き出す」ことだ。 この語源は「バズ」・・・つまり、 「バッズ・い」 なのかもしれない。 (一部を取り去るという意味で) また、「バツ」(罰) や、 「ボッシュウ」(没収)という言葉も、「バズ」から出ている気がする。 「奪われるもの」は、「お金」や「時間」、「自由」や「命」だ。 ・・・ (しかし、名前の長い人は大変やろな) (まだ、『じゅげむ・・・』より「まし」やろ?) (あー、あれね。 ・・・あそこまで長いとどうする?) (『はしょったら』ええねん!) (よっしゃ!) (資料A:p296〜297) ------------------------------ 付録:英語の「はしょる」? 【ハッスル】(hustle) 元気よくやること。 張り切ってやること。 「はしょる」、「走る」、「ハッスル」 これは、仲間だろうか? はしり 口走った彼 (未確定シリーズ) 「これ、『リカ』ちゃんに…」 「まあ!誰から?」 「『やすお』からのことづけや」 「プレゼント?」 「うん!手紙もある!」 「うれしいなあ!」 「それ、『特価品』やで」 「えーっ!!」 ・・・ ば、ばかたれ!! 「使い走り」が、えらいこと、ゆーてもた! うっかりもんは、 「口走」ったりせんよう「チャック・チャック」! さて・・・ よく考えると「奇妙」だ。 「口」が「走る」わけがない。 「facile」の持つ『実行』の意味から、こんな使われかたもある。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はしれ 走れ (未確定シリーズ) 「津波がくるぞ!」 「走れ!」 ・・・ こんな場合の 「はし・れ」 とは、 「ハッシュ」+『れ』 と分解できる。 『ハッシュ』は 「急ぐ」という意味を持つヘブライ語だが、 英語では 「ハッスル」に流れているようだ。 3 米 品物を 押し売りする、売り込む 1 a …と 押し合う against. b …を 押し分けて進む through. (東北弁からの復元が可能なはず) 語尾の『れ』は、英語の『レット(let)』に相当し 文の最後に回されている可能性はある。 (例の「4a」) また、接尾語の「let」があり、それは「少々」を意味する。 (私に行かせてください: 離してよ!) Jane, let him have the toy. (それをほっておいてください: そのことで心配するな) c [命令法で; 3 人称の目的語を伴い、警告・脅し・あきらめなどを表わして] …に …して みるがよい: …は … すればよい Just let him try to stop me! (止められるものなら止めてみろ) Let it rain! (2x は y に等しいとしよう) Let him say what he likes. I don't care. (この家は貸家です) House [Room] to let. そこで別説。 「ハシ」の薀蓄(うんちく) (未確定シリーズ) 「はい、できたよ」 「うわー、うまそ!」 「どうぞ!」 「あれ?『箸』がないよ」 「あっ!失礼!」 「急いで!」 「なんで?」 「『ハシ』だから」 ・・・ さあ、 なぜ『ハシだから』なのだろう? この話は、「漢字」で書けば解る。 木・竹・金属・象牙などで作る。 手がつけられない。 ・・・ これが、英語から解るのだ。 『箸』は、英語で「チョップ・スティック」と呼ぶ。 『裁断する棒切れ』という意味だ。 しかし遠い昔、『箸(ハシ)』という言葉は 古期フランス語を介して、英語に流れ込んでいた。 【ハッシ】hash(1) 1 [個々には ] こま切れ肉料理、「ハヤシ肉」料理 2 焼き[作り]直し of. 3 [a 〜] 寄せ集め、ごたまぜ make a hash of… settle a person's hash 1 肉を 細かに切る up. 2 …を めちゃくちゃにする、台なしにする up. 3 古い材料を 作り直す 4 難問などを とことん話し合う out,over. (ほんまかい!) 「時間を刻む」 『はしょれ』(時間を短く) という語の原型は「ハシュ」というヘブライ語だ。 英語からは「ヘイスン」が見つかる。 この『ヘイスン(hasten)』から、ヘブライ語に逆流してみよう。 (「ローマ字読み」が助けになる) すると、 『ハッセン』 あたりが浮上する。 『ハッセン』・参じる 「急いで駆けつける」ことを、 「『馳せ』参じる」(馳せ参ずる)と言う。 【疾し】は・し 形シク はやい。勢いがよい。 この原型も、 『hasten』 に「同じ流れ」と考えられ、 昔は 『ハッセン・参じる』 と使ったのかもしれない。 『乗馬』で 『ハッセン』の類語が乗馬で使われているようだ。 「ハッセン」は 「ヘイセン」にも聞き取れる言葉で、 「ヘイセー」 = 「ハィセー」 と使ううちに 『ハィシー!』・・・となったようだ。 このように、 「二系統の発音」が錯綜するのは、日本に 大陸系「10部族」の発音と、 大和系「ユダ族」の発音が混在しているからだろう。 ・・・これで、『箸』から『走』までが繋がった。 『R』の発音できない民の中では、 「ハヤ・ク」と変化する。 (?) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はじく 猫のおうち (未確定シリーズ) 「猫が寝てるよ」 「どこで?」 「ダンボール箱の中」 「ほんとだ、何匹も」 「あっ!一匹飛び出した」 「はじき出されたね」 ・・・ 「弾き出す」という言葉は、 漢字から判断すれば、「指で弾く」ような印象だ。 「爪で『はじきだ』す」 2. のけものにして押し出す。 古今著聞集18:「心得つ雁食はんとて若党が老いたる者を『はじきだ』すとは」。 「異分子を『はじきだ』す」 3. 算盤を用いて計算する。 転じて、費用を算段する。 「経費を『はじきだ』す」 また、自然に「弾ける」場合もある。 【弾ける】はじ・ける 自下一 はじ・く 下二 裂けて開く。 成熟して割れる。 罅裂(カレツ)する。 はぜる。 「豆のさやが『はじ』ける」「笑い声が『はじ』ける」 『弾』という漢字は、状況をよく言い表している。 しかし、古代には違った意味だったかもしれない。 漢字文化が入ってからは、漢字の意味に引きずられ、 当初は音だけを借りていたものが、 いつしか「漢字に迎合した意味」に変わる。 一度「弾」という漢字を振ると、それ以後の影響は大きい。 人間を指で弾いたところで、びくとも動かないから、 「2」のように 「異分子を『はじき』出す」 というのは、もちろん象徴表現だろう。 では、語源はどこにあるのだろうか? それは、『パージ』に流れている 「弾き出す」 という語をヘブライ語の手法で区切ってみよう。 すると、 「はじ・き・だ・す」 と、分解できる。 問題は、『はじ』という語だ。 「はじ」かない 「はじ」き 「はじ」く 「はじ」け 「はじ」こう ・・・ これが、英語の「パージ」に相当するのではないかと考えた。 【パージ】purge 浄化の意 粛清。 人をある集団から除名すること。 元々、 「はじく」(弾く) とは、 「粛清」という意味を持った、 「ぱじ・く」purge・ku の類だった可能性が高い。 しかし、取り締まる側からすれば 「ご禁制のもの」 粛清されるべきもの) という意味で、 『パジキ』(pajiki) と使っていたともとれる。 (?) (詳細不明) 「だす」の解明 一方、 「ダー」は、 ヘブライ語の「追い出す」だから、 これに、 『す』を加えて、 「ダー・す」 といえば、 そのまま 『出す』(出、脱、奪など) を意味している。 これは、『大勢』を追い出すという意味が強い。 むしろ、一人の悪人を「選んで出す」なら、 別の語で、そうした意味を持った語があったはずだ。 「ダーツ」 英語の「ダーツ」が思い当たった。 こうして、 「弾き出す」という言葉に、 古代の臭いが蘇ってきた。 資料:広辞苑 第五版CD-ROM版 ------------------------------ 付録:だつ 『脱ダム宣言』とか、 『脱サラ』とか、言われている。 「個人」や「一つのグループ」が、 すっぽりと抜け出す場合に当てはまる。 (「脱す」の場合は「ダーツ+す」) 一方、村全体を流刑にして追い出すような場合には 「ダー」+す ということになる。 3 法 罪を あがなう; 罪の 償いをする 4 胃腸に 下剤を用いる; 人に 通じをつける 1 不純分子の 粛正、追放、パージ 2 清め、浄化 3 下剤 ラテン語「清潔 PURE にする」の意; purgation, purgative (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はす 蓮の池 (未確定シリーズ) 「この池、魚釣れるの?」 「釣れるよ」 「ほんと?」 「『蓮の陰』を見てごらん」 「あっ!…いるいる!」 「でしょ?」 「穴場ジャン!!」 「この場所に、名前付けるか」 「『蓮池』は?」 「うーん…」 「だめ?」 「いや、『蓮』は、なぜ『ハス』と呼ぶのかな?」 「えーっ?」 ・・・ 「名前の謎解き」? よし! 手っ取り早く、英語から調べよう。 (推理) (例えば、「鬼『バス』」のように) 【蓮】はす スイレン科の多年生水草。 古く中国から渡来し、池や水田で広く栽培される。 葉は円形で長い葉柄につき、径約五〇センチメートル。 根(蓮根 レンコン と種子は食用。 この植物は、葉の表面が広い。 だから、「バス」なのである。 邪魔なテレビ 「このテレビ、でかいね」 「そう!…場所取りでこまるのよ」 「薄型にしたら?」 「ウスウス考えてたんだ」 「決まった!」 ・・・ 以下はまさしく、 『場所取り』と解釈できる。 【ヴァストリィ】vast・ly 1 非常に、大いに 2 広大に、広々と 3 膨大に 「駐屯地」を探せ ヘブライの部隊が、進軍していた。 「日が暮れる、もう進めん」 「どうします?…これだけの大部隊」 「野営しよう、『バスォ』を探せ」 「ははっ!」 ・・・ 古い時代には、『広大な場所』を指して 「バスォ」 と言ったかもしれない。 (重ね言葉の可能性も大) ・・・ (ちょっと無理があるぞな) (これで、めいっぱい!) (東北人に、援助頼むか?) (住み込みの『バスォ』がいるぞ) (あるよ!広いぞ) (えっ?) (廃車の『バス』) (ぶーっ!!) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はず 巨木伐採 「これで、倒れる『はず』や」 「そうかなー」 『バキッバキッ!!』 「うわーっ!!」 「ほら!!」 ・・・ 「はず」という語は、 起きることを予見して使われる。 まず、そちらから考えよう。 「あっ!大きな鹿!」 「やれ!!」 『ビョーン』 「ハズがハズれた!」 「おいおい!」 ・・・ 「こんな弱いハズじゃなかったのに…」 で意味は通る。 「弓の両端」にある「引っ掛け」が弦を繋ぐから、 こんな言い回しもある。 ・・・ (なんか、もの足りんぞ) (えっ?) (ええかっこにまとめてーな) (了解) では、ヘブライ語との照合だ。 こちらのハズは、納得できそうだ。 つまり、 「hoze(先見)+ん」 なのかもしれない。 (ちと、苦しい?) 更に、預言者としての「hoze」は、 日本での「戸座(へざ)」に共通点が見い出せる。 古代法典「延喜式(えんぎしき)927年」にも記述がある。 現代にも、名残があるだろうか? 突如の豪雨 「うわーっ!天気予報、外れた!」 「平気のヘイザ!!」 「なんで?」 「こんなこともあろうかと…」 「おーっ!傘ーっ!!」 ・・・ 彼は、 「戸座(へーざ)=先見者」のようだった。 しかし、別の語が重なっているとすればこうだろう。 「兵気(へいき)」の「戸座(へーざ)」 【兵気】へいき (1)戦争の起こりそうな気配。 (2)兵士の意気。 「兵機」の「戸座」 【兵機】へいき (1)戦争の機会。 (2)戦争の機略。 用兵の機微。 その昔、軍事面で頼りにされていた「戸座」は、 まるで「兵器」のように重要だった。 これも「hazui(先見)」の関係だろう。 おそらく、こう。 「ここにあった『はず』」 とか、 「ここに置いた『はず』」 とかは、 「きっと起こる(hazui)」 の意味じゃない。 こっちらしい。 【側・端・傍】はた 1 物のふち。へり。 「池の『はた』」 「道の『はた』」 2 その人の 周囲。わき。そば。かたわら。 「『はた』の見る目」 「『はた』がうるさい」 普通、「道の傍」と言えば「両側」を意味しない。 つまり、どちらか一方(片側)を指す。 そこから辿ると、これは「古代ヘブライ語」だったと判明する。 【ハダ】hada2 he 片方の、一つの 現代の「はた」という音は、 『はだ hada 』という発音が大陸の影響を受けて訛ったものだろう。 こんな言葉に記憶されている。 金さんの常套句 「この桜吹雪を知らねえとは言わさねえ!!」 『ガバッ!!』 「あっ!!」 これが、「ハダ脱ぎ」だ。 また、 「かた(片)」 そのものが、 「カ(K)+ハダ」 という組み合わせであったと推理できる。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) (資料:日本書紀と日本語のユダヤ起源 ヨセフ・アイデルバーグ著) はた 旗を掲げる (未確定シリーズ) 「近所の家に旗が出てたよ」 「へえっ! なんて?」 「なんとか不動産」 「あっ! 空き家になったのかな?」 ・・・ 旗という言葉の語源を調べた。 元は「パタ」だったらしい。 また、そのさま。 「まったく『はためいわく』な話だ」 『手本』が残ってしまう・・・という深意があったのかもしれない。 確かに、悪い手本は周囲に影響するね。 「はったりは、どうよ?」 「あっ! 『型だけ』の何々かも」 ハタ!と気付く 「犯人の動きが浮かんだ!」 「そうか! 説明してくれ!」 ・・・ この『ハタ』も、やはり「パタ」が原型で、 意味は「パターン」ですかね? こんなのもあります。 「『ぱたぱた』(と)はたきをかける」 「うちわで『ぱたぱた』(と)あおぐ」 (2)軽く音を立てて歩くさまを表す語。 「スリッパを『ぱたぱた』(と)いわせて歩く」 (3)物事を急速に処理するさま。 「仕事を『ぱたぱた』(と)かたづける」 「パタパタ」は「はためく音」だけど、 別の何かが、重なっているかもしれない。 (パタンもバタンもごちゃ混ぜでっか) 名前の「秦」とかもあった。 (やはり、「手本」の意味とちゃいまっか?) 「秦」一族は、確かに「手本」だったのかもしれない。 (説) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はたらけといわれてもなあ 失業者の毎日 家でごろごろしている兄ちゃんがいる。 「はだらくとこ、ねえべが」 (働くところ無いかねえ) ・・・と、おが(母)が聞く。 しかし、仕事は見つからない。 ここで、 「ハダラク」 という東北弁は、ヘブライ語と共通だ。 発音記号は、 HDRK となっている。 不景気だから、地方に行くほど こんな会話が多いのだろうなあ。 (資料A:p210) はたん 「破綻」 の巻き添え 未確定シリーズ 「あの航空会社『破綻した』らしいよ!」 「な?・・・なんじゃとー!!」 「もっと早く、『株』売ればよかったね」 「へっへっへっ」 「ど、どうしたの?急に!」 「もう、日航離(にっこり)するしかない」 「うわーっ・・・」 ・・・ それしかありませんねえ。 ところで、 『破綻』という言葉が気になった。 「ファター(fa・tal)」+「ん」 それは、 『運命的』・『致命的な』状況なのだろう。 「彼は『パッタン』と倒れた」 という言葉の裏には、「破綻」が隠れているようだ。 (更に派生した語に『パッタリ』がある) それはかなり、「致命的な状況」を指しているのだろう。 「ひざを『はたと』打つ」 (2)新しい状況や考えが突然表れるさま。 「『はたと』気づく」 「『はたと』出くわす」 (3)にらむさま。 「『はたと』にらむ」 (4)完全に。 「『はたと』忘れた」 (5)しっかりと。 きちんと。 「其行ふべき事を『はたと』行ふぞ:史記抄{10}」 いずれも、「運命的なもの」に関係するようだ。 古代人は、悲運に気付いた時、こう叫んだかもしれない。 「ファタ(はた)!!」 (このままじゃ俺は、『破綻』だぞ!) しかし、 予見ができたなら、まだ打つ手がある。 資料:広辞苑 第五版CD-ROM版 はちまき 『争奪戦』 「あそこまで先に着いたら、これあげる」 「たんなるミカンじゃん」 「やめる?」 「よし!やったるで!」 「・・・・」 「なにしてるの?」 「ハチマキ!」 「ほ・・・『本気モード』か!」(汗) ・・・ さて、 『鉢巻』とは? 【鉢巻(き)】はち まき(名)スル (1)額から耳の上を通って、頭を布などできつく巻くこと。 また、その布。 「手ぬぐいで『はちまき』する」「ねじり『はちまき』」 (2)土蔵造りで、防火のために軒下を特に厚く塗ること。 また、その部分。 (3)武士などが、兜 カブト の下の烏帽子 エボシ がずれないように、その縁を布で巻いたこと。 また、その布。 「揉 モミ 烏帽子引き立て、薄紅海の『はちまき』して:盛衰記{42}」 ・・・ 「漢字通り」と納得すればそれで終るのだが、どうも、「宗教的な臭い」がある。 というのは、 日本にやってきた天孫族(古代イスラエル)には、 独特の「鉢巻文化」があったと思えるからだ。 その根拠は以下の聖句だ。 出エジプト記 28:31 エポデの下に着る青服を、青色の撚り糸だけで作る。 出エジプト記 28:32 その真中に頭を通す口を作る。 その口の周囲には、織物の縁をつけ、よろいのえりのようにし、ほころびないようにしなければならない。 出エジプト記 28:33 そのすそに、青色、紫色、緋色の撚り糸で、ざくろを作り、そのすその回りにこれをつけ、その回りのざくろの間に金の鈴をつける。 出エジプト記 28:34 すなわち、青服のすその回りに金の鈴、ざくろ、金の鈴、ざくろ、となるようにする。 出エジプト記 28:35 アロンはこれを務めを行なうために着る。 彼が聖所にはいり、ヤーの前に出るとき、またそこを去るとき、その音が聞こえるようにする。 彼が死なないためである。 ・・・ 神からの命令により、職服が決められた。 それは、後代への「象徴」でもあったのだろう。 問題は、以下の一文である。 出エジプト記 28:36 また、純金の札を作り、その上に印を彫るように、『ヤーへの聖なるもの』と彫り、 出エジプト記 28:37 これを青ひもにつけ、それをかぶり物につける。 それはかぶり物の前面に来るようにしなければならない。 出エジプト記 28:38 これがアロンの額の上にあるなら、アロンは、イスラエル人の聖別する聖なる物、すなわち、彼らのすべての聖なるささげ物に関しての咎を負う。 これは、それらの物がヤーエの前に受け入れられるために、絶えずアロンの額の上になければならない。 ・・・ 神の前に出る代表者は、金のプレートに「神聖な一文」を彫り付けて、額に巻いていた。 このように、遠い時代の「鉢巻」は、『紋章』に縁が深かった。 戦時中の「特攻兵士」は、なぜ「日の丸」などの鉢巻をしていたのだろうか? 「本意」はここにあった。 ? 「民の代表として、『神の前』に出る」 ・・・ (「ハチマキ」は、英語に流れとるかな?) (付録見て) ------------------------------ 付録: 「鉢巻」を分析 「鉢巻」の「鉢」はおそらく、『ハット(帽子)』にも関係する言葉で、 「ハッチング」(帯状の表象) という意味を含むようだ。 それが、神から与えられた『key』ということになる。 lock b 時計のねじを巻くための かぎ 2 かぎ形のもの バッジ・紋様など 3 [the 〜] 要所、関門 4 a 問題・事件などの 解答、解決のかぎ[手がかり]: 成功などの 秘訣 ヒケツ to. b 外国書の 直訳本: 試験[練習]問題などの 解答書、とらの巻 to. c 地図・辞書などの 記号解 to. d 暗号の 作成[解読]書[法] to. e 動植物の 検索表 to. 5 a タイプライター・コンピューターなどの キー b 電 電鍵 デンケン c オルガン・ピアノ・吹奏楽器の 鍵 ケン 6 a 声の 調子 b 思想・表現などの 基調、様式 c = key word. 4 問題集などに 解答をつける 5 = keyboard. その意味から、「ハッチメン・キー」説はしっくり来る。 もう一つ、 「ハチ・マーキ」 と区切って考えた。 説2 「ハチ・マーキン」 『鉢』に「巻きつける」から「マキ」と思っていたが、 どうやら、こちらのほうが本意かもしれない。 印[マーク]をつけること 採点 2 a 航空機などの シンボルマーク b 鳥獣の皮・羽などの 斑紋 はんもん 、 模様、しま 「鉢巻」という漢字は、確かにぴったり嵌まっているが、 昔から鉢巻には「マーク」を記したはずだから 「鉢・マーキン」 (額のシンボル) という考えは捨てがたい。 今はまだ、模索している最中だ。 ところで、 「遅まき」という言葉が、ふと浮かんだ。 この「まき」についても考えよう。 ガレージセール 「あれ?『今ごろ』来たの?」 「遅まきながら・・・」 「目ぼしいの、売れちゃったよ」 「あー残念!」 【遅蒔き】おそ まき (1)時期を遅らせて種をまくこと。 また、そのような品種。 (2)時期に遅れて、事をなすこと。 「『おそまき』ながら、政府も事態の収拾に乗り出した」 これは、 「種蒔き」と、 「別の何か」を掛けた 洒落言葉かもしれない。 1. 「遅・末期」 2. 「遅・メーキ(making)」 (遅い手当て) 3. 「アソ(also)・マーキ(marking)」 (繰り返す) 4. その他 変ったところで、 「3」の also(あそ)・marking(まき) を、考えてみよう。 【ハック】hack(1) おのなどで乱暴にまたは乱雑に ものを たたき切る、 ぶった切る、切り刻む、めった切りにする 副 句 この言葉に流れた古代ヘブライ語原型は、 日本の現代語にも引き継がれ、 「はっきり」 と、使われているようだ。 準備 「いいねわたる、せんせに聞かれたら、『ハキハキ』答えるんだよ」 「うん」 「『うん』じゃなくて、学校では『はい』と言うんだよ」 「うん」 ・・・ この場合の「ハキハキ」というのも、「はっきり」の仲間だ。 「はっき・り」の本体は『ハキ』である。 「ハキ」は「覇気」に通じる。 積極的に立ち向かおうとする意気。 かちき。 「『はき』がない」 やまき。 しかし、元はヘブライ語だろう。 b [〜 one's way で] 森林などを 切り払って進む 副 句 c ものを たたき切って ものを 作る out of. 2 [〜 it で:しばしば否定文で] 俗 事業・計画などを うまくやり抜く 3 ラグビー 相手の むこうずねをける 反則 4 バスケット ボールを持っている 相手の 腕をはたく 反則 5 電算 口語 a プログラミングに 取り組む. b コンピューターシステム・データなどに 不法に侵入し改変[盗用]する、ハックする 1 なたなどで荒っぽく 大きな木などに 切り[たたき]つける away at. 2 しきりに 短いからせきをする 3 電算 a プログラミングに取り組む b ハックする 1 a たたき切り、切り刻み b 刻み目; 切り傷 2 米 短いからせき 3 ラグビー すねをけること:すねをけった[けられた]傷 古期英語「切り刻む」の意 hack(2) 1 a 貸し馬 b おいぼれ馬、やくざ馬 c 競走馬・猟馬・軍馬と区別して 乗用馬 2 米 a 貸し馬車 b タクシー 3 a あくせく働く人 b 著述家の 下働き 1 雇われた,金で働く; 下働きの 2 使い古した、陳腐な 1 馬を 乗用に 貸す 2 …を こき使う 1 遊山 ユサン などで 馬に乗っていく,馬で遠乗りする 2 米 タクシーを運転する HACKNEY の短縮形 hack・berry (米) 1 a 植 エノキ属の木 b エノキの実、榎 エ の実 しばしば食用 2 エノキ材 【ハッカー】hack・er 1 荒っぽく切る人、切り落とす人[もの] 2 口語 ハッカー: a コンピューターでプログラミングに取り組む[夢中になる]人. b 不法にコンピューターシステムに侵入してデーターを改変したり盗用したりする人 【ハッキンコフ】hacking cough 短いからせき (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はっしとうける 相手が悪い 「おぬし、もう許さんぞ!」 「これでも喰らえ!!」 『ハッシ!!』 「こ、こしゃくな!名乗れ!!」 「宮本武蔵!」 「なんじゃと?」 ・・・ 時代劇で、よく出てくるオノマトペがある。 鈍い外野手 「あいつ、何度やってもあかんな」 「ほんま!エラー続出や!」 「おーい!球が来たら走れ!!」 ・・・ 『応答』や『反応』を意味する 「ハーシェ」は 「走れ」にも混入しているらしい。 「なめ」でっせー。 「なめ」の動きは遅いけど、 「見るのもイヤだ」って人がいる。 ところがこれ、 アヒルの大好物! 野良猫も、時々食べてるらしい。 さて 『発生』という語を考えよう。 この英語に繋がる。 広袖で、袖付けより袖口の広がったものもある。 襠 マチ も襟の折り返しもなく、胸にひもが付く。 江戸時代、武家の中間 チユウゲン から大家の下僕・職人などが主家の紋や屋号を染め抜いたものを着たのに始まる。 現在は職人などが用いる。 (2)能装束の一。 広袖で、胸ひものない上衣。 金襴 キンラン や錦を用いる。 甲冑 カツチユウ 姿の武将・天狗・鬼畜類の扮装に、袴と共に用いる。 1. 発布(ハップ)=happ(en) 「F」 2. 発展(ファッテン)=fat en 「H」 「発生」と「派生」も似ている。 同じ油でも、 「偽の油」が取り巻いているからだろう。 石油は、「毒」だからねえ。 ・・・ (ファットさせられたぞ) (謎かけ、わかった?) (わかる、 これ、「間違った発展(ふぁってん)!」) (儲け「志望」が、「死亡」に繋がる) (そや!そや!) 金儲けに目がくらむと、 自分に戻る・・・ってことだ。 「どうにもならん」ようになって、 「地球脱出」ってな説もありまっせ。 ・・・これは、「何とした事か」という意味だ。 また、上司が部下に命令した時、部下は 「はっ!」 と返事するのだが、これにはヘブライ語で「何でございますか」の意味がある。 これは中国でも、使う言葉である。 【八方】はっぽう(ハッパウ) (1)東西南北と北東・北西・南東・南西の八つの方角。 また、あらゆる方角。 「『はっぽう』手をつくす」 「四方『はっぽう』」 (2)「八方行灯」の略。 これはどうやら、当て字というよりも、深い意味が重ねられた言葉のようだ。 調査によると「八方」は、『運気』を意味する言葉だったらしい。 (説) その根拠は、英語から拾った。 (出来事を伴う) 「for」は、 「目的、方角」の意味を持つので、 「hap・for」+「塞がり」 (はっぽうふさがり) なら、 「『頼みの運』が塞がっている」 (好転のきっかけが起こらない) という意味になる。 (「に、し、ろ、は、とー」がヒント) 資料:広辞苑 第五版CD-ROM版 --------------------------------------- 付録:八の魅力 日本では、 「八」(はち) という数字は、「末広がり」として縁起がよいと言われている。 七より一つ多い数。 末広がりの字形から、縁起のよい数とされる。 やっつ。 これはおそらく、「運が開ける」という意味だろう。 英語の「ハッピー(happy)」に相当する。 また、 「八」(やー) と読む場合にも、 民族の神「ヤー(八百万)」に繋がる言葉になるので二重のめでたさを持っている。 創造主は『イワ』、御子は『イシ』。 「末が広がる」とは、聖書の神が告げている約束だ。 それは、民族の父祖であるアブラハムに告げられた。 創世記 22:15 それから主の使いは、再び天からアブラハムを呼んで、 創世記 22:16 仰せられた。 「これは主の御告げである。 わたしは自分にかけて誓う。 あなたが、このことをなし、あなたの子、あなたのひとり子を惜しまなかったから、 創世記 22:17 わたしは確かにあなたを大いに祝福し、あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように数多く増し加えよう。 そしてあなたの子孫は、その敵の門を勝ち取るであろう。 創世記 22:18 あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。 あなたがわたしの声に聞き従ったからである。 」 それでは、 イザヤを通して我々の祖先に告げられた、神の驚くべき祝福を知っておこう。 イザヤ書 44:3 わたしは潤いのない地に水を注ぎ、かわいた地に豊かな流れを注ぎ、わたしの霊をあなたのすえに、わたしの祝福をあなたの子孫に注ごう。 イザヤ書 59:21 「これは、彼らと結ぶわたしの契約である。 」と主は仰せられる。 「あなたの上にあるわたしの霊、わたしがあなたの口に置いたわたしのことばは、あなたの口からも、あなたの子孫の口からも、すえのすえの口からも、今よりとこしえに離れない。 」と主は仰せられる。 イザヤ書 60:1 起きよ。 光を放て。 あなたの光が来て、主の栄光があなたの上に輝いているからだ。 イザヤ書 60:2 見よ。 やみが地をおおい、暗やみが諸国の民をおおっている。 しかし、あなたの上には主が輝き、その栄光があなたの上に現われる。 イザヤ書 60:3 国々はあなたの光のうちに歩み、王たちはあなたの輝きに照らされて歩む。 イザヤ書 60:4 目を上げて、あたりを見よ。 彼らはみな集まって、あなたのもとに来る。 あなたの息子たちは遠くから来、娘たちはわきに抱かれて来る。 イザヤ書 60:5 そのとき、あなたはこれを見て、晴れやかになり、心は震えて、喜ぶ。 海の富はあなたのところに移され、国々の財宝はあなたのものとなるからだ。 イザヤ書 60:6 らくだの大群、ミデヤンとエファの若いらくだが、あなたのところに押し寄せる。 これらシェバから来るものはみな、金と乳香を携えて来て、主の奇しいみわざを宣べ伝える。 イザヤ書 60:7 ケダルの羊の群れもみな、あなたのところに集まり、ネバヨテの雄羊は、あなたに仕え、これらは受け入れられるいけにえとして、わたしの祭壇にささげられる。 わたしは、わたしの美しい家を輝かす。 イザヤ書 60:8 雲のように飛び、巣に帰る鳩のように飛んでくる者は、だれか。 イザヤ書 60:9 まことに、島々はわたしを待ち望み、タルシシュの船は真先に、あなたの子らを遠くから来させ、彼らの金銀もいっしょに、あなたの神、『イワ』の名のために、イスラエルの聖なる者のために運んでくる。 主があなたを輝かされたからである。 イザヤ書 60:10 外国人もあなたの城壁を建て直し、その王たちもあなたに仕える。 実に、わたしは怒って、あなたを打ったが、恵みをもって、あなたをあわれんだ。 イザヤ書 60:11 あなたの門はいつも開かれ、昼も夜も閉じられない。 国々の財宝があなたのところに運ばれ、その王たちが導かれて来るためである。 イザヤ書 60:12 あなたに仕えない国民や王国は滅び、これらの国々は荒廃する。 イザヤ書 60:13 レバノンの栄光は、もみの木、すずかけ、檜も、共に、あなたのもとに来て、わたしの聖所を美しくする。 わたしは、わたしの足台を尊くする。 イザヤ書 60:14 あなたを苦しめた者たちの子らは、身をかがめてあなたのところに来、あなたを侮った者どもはみな、あなたの足もとにひれ伏し、あなたを、主の町、イスラエルの聖なる方のシオン、と呼ぶ。 イザヤ書 60:15 あなたは捨てられ、憎まれ、通り過ぎる人もなかったが、わたしはあなたを永遠の誇り、代々の喜びの町に変える。 イザヤ書 61:9 彼らの子孫は国々のうちで、彼らのすえは国々の民のうちで知れ渡る。 彼らを見る者はみな、彼らが主に祝福された子孫であることを認める。 イザヤ書 61:10 わたしは主によって大いに楽しみ、わたしのたましいも、わたしの神によって喜ぶ。 主がわたしに、救いの衣を着せ、正義の外套をまとわせ、花婿のように栄冠をかぶらせ、花嫁のように宝玉で飾ってくださるからだ。 イザヤ書 61:11 地が芽を出し、園が蒔かれた種を芽生えさせるように、神である『イワ』が義と賛美とを、すべての国の前に芽生えさせるからだ。 イザヤ書 62:1 シオンのために、わたしは黙っていない。 エルサレムのために、黙りこまない。 その義が朝日のように光を放ち、その救いが、たいまつのように燃えるまでは。 イザヤ書 62:2 そのとき、国々はあなたの義を見、すべての王があなたの栄光を見る。 あなたは、主の口が名づける新しい名で呼ばれよう。 イザヤ書 62:3 あなたは主の手にある輝かしい冠となり、あなたの神の手のひらにある王のかぶり物となる。 イザヤ書 62:4 あなたはもう、「見捨てられている。 」と言われず、あなたの国はもう、「荒れ果てている。 」とは言われない。 かえって、あなたは「わたしの喜びは、彼女にある。 」と呼ばれ、あなたの国は夫のある国と呼ばれよう。 主の喜びがあなたにあり、あなたの国が夫を得るからである。 イザヤ書 62:5 若い男が若い女をめとるように、あなたの子らはあなたをめとり、花婿が花嫁を喜ぶように、あなたの神はあなたを喜ぶ。 イザヤ書 62:6 エルサレムよ。 わたしはあなたの城壁の上に見張り人を置いた。 昼の間も、夜の間も、彼らは決して黙っていてはならない。 主に覚えられている者たちよ。 黙りこんではならない。 イザヤ書 62:7 主がエルサレムを堅く立て、この地でエルサレムを栄誉とされるまで、黙っていてはならない。 (「主」は、神の子『イエス』:伊勢を意味している) 幸いなるかな、この末たち 「八方塞」の暗い時代を経て、栄光に輝く未来を掴むとは 見捨てられてはいなかった ずっと心に秘めていた 『女』がそれを忘れていても 神は『女』を覚えていた 「愛(いと)おしさ」を一気に注ぎかけるべく 約束は、「この時代」に果たされる。 【初】はつ 1 最初。はじめて。 「お『はつ』にお目にかかる」 「『はつ』の成功」 2 名詞の上に付けて接頭語的に用い、はじめての、あるいは新しいの意を表す。また、その年はじめてのという意を表すことも多い。 「『はつ』公開」 「『はつ』節句」 「『はつ』がつお」 「『はつ』詣で」 「『はつ』仕事」 原型は、「」の発音から推理すべきだろう。 (彼らは、日本ヘブライ語の元祖) 古代には恐らく、 「ふぁつ」 または、 「ふぁす」 と、発していたらしい。 派生語らしき 「始め」も、 当初 「ふぁすぃめ」 だったのだろう。 「神社に行ってくる!」 「どうしたの?今ごろ」 「心機一転でやり直すぞ!!」 「・・・!」 母さんは、ちょっとうれし泣き。 ・・・ よし。 挫折からの「初詣」で、再出発だ。 ここにヒントがあった。 「初詣」には、 初・mode という意味が含まれているかもしれない。 ダニエル書 2:31 王さま。 あなたは一つの大きな像をご覧になりました。 その像は巨大で、その輝きは常ならず、それがあなたの前に立っていました。 その姿は恐ろしいものでした。 ダニエル書 2:32 その像は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、 ダニエル書 2:33 すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。 ダニエル書 2:34 あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。 ダニエル書 2:35 そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな共に砕けて、夏の麦打ち場のもみがらのようになり、風がそれを吹き払って、あとかたもなくなりました。 そして、その像を打った石は大きな山となって全土に満ちました。 ダニエル書 2:36 これがその夢でした。 私たちはその解き明かしを王さまの前に申し上げましょう。 ダニエル書 2:37 王の王である王さま。 天の神はあなたに国と権威と力と光栄とを賜い、 ダニエル書 2:38 また人の子ら、野の獣、空の鳥がどこに住んでいても、これをことごとく治めるようにあなたの手に与えられました。 あなたはあの金の頭です。 ダニエル書 2:39 あなたの後に、あなたより劣るもう一つの国が起こります。 次に青銅の第三の国が起こって、全土を治めるようになります。 ダニエル書 2:40 第四の国は鉄のように強い国です。 鉄はすべてのものを打ち砕いて粉々にするからです。 その国は鉄が打ち砕くように、先の国々を粉々に打ち砕いてしまいます。 ダニエル書 2:41 あなたがご覧になった足と足の指は、その一部が陶器師の粘土、一部が鉄でしたが、それは分裂した国のことです。 その国には鉄の強さがあるでしょうが、あなたがご覧になったように、その鉄はどろどろの粘土と混じり合っているのです。 ダニエル書 2:42 その足の指が一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。 ダニエル書 2:43 鉄とどろどろの粘土が混じり合っているのをあなたがご覧になったように、それらは人間の種によって、互いに混じり合うでしょう。 しかし鉄が粘土と混じり合わないように、それらが互いに団結することはありません。 ダニエル書 2:44 この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。 その国は永遠に滅ぼされることがなく、その国は他の民に渡されず、かえってこれらの国々をことごとく打ち砕いて、絶滅してしまいます。 しかし、この国は永遠に立ち続けます。 ダニエル書 2:45 あなたがご覧になったとおり、一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と青銅と粘土と銀と金を打ち砕いたのは、大いなる神が、これから後に起こることを王に知らされたのです。 その夢は正夢で、その解き明かしも確かです。 」 ダニエル書 2:46 それで、ネブカデネザル王はひれ伏してダニエルに礼をし、彼に、穀物のささげ物となだめのかおりとをささげるように命じた。 ・・・ 「一国の歴史」が、百年単位で吟味されることもあれば、一年ごとに刻まれている場合もある。 いずれにしても、一つの王国は、腰から下で「二つの脚」に分離する傾向があるらしい。 それが北の「イスラエル王国」と南の「ユダ王国」である。 また、 東西ローマ、イギリスとアメリカ、東西ドイツ、南北朝鮮、など・・・ 国々はなぜか、二つに分かたれる傾向を持っている。 現在の人類社会も、「共産圏」と「自由主義陣営」に分離し、その終末を迎えようとしている。 像の例えは、的確なのかもしれない。 さて、 「一年」を「人体」に例えれば、その「頭上」に被せるのが「ハット」である。 少々こじつけ気味だが、 「初」が「帽子」に繋がるという根拠を考えてみよう。 「初」は「頭の上」に頂くもの 初夢 初孫 初会見 ・・・ 日本の習俗で、「初」は「特に大切なもの」とされている。 それは、 「念頭」に置かれる大切な存在や行事である。 「年頭」に当たって為されている初詣も、その位置にある。 「初」が「帽子」だなんて・・・ と思ってしまうのだが、『はつ』は確かに「頭より上」に存在する。 よく考えると当てはまるものが多い。 これも・・・ 【髪】はつ かみの毛。 【発芽】はつが(名)スル 植物の芽・花粉・種子または胞子が生長・発生を開始すること。 「種が『はつが』する」 狼の「遠吠え」は、「頭上」に向けて声を『発』する。 『はっ・す』という語は、 「頭より上に放つ」 という意味なのだろう。 「目立つ服や格好の人」を、「派手な人」という。 すると、 「はで」ってなんだろう? これかもしれない。 (推理) こんな意味だった。 現代の我々が使う「堅い」は、こんな構成だ。 K+hard・er+it 読みは「カダイ」 (「K」は前置詞) やがて 「カタイ」 と訛った。 【堅い・固い・硬い】かたい(形){_クかた・し} (1)物が力を加えられても、容易に形や状態を変えない。 「『かた』い鉛筆」 「卵を『かた』くゆでる」 (2)物と物、人と人がしっかりと合わさっていて容易に離れない。 「『かた』くひもを結ぶ」 「『かた』い団結」 「『かた』い握手」 (3)心が動揺したり、容易に変わったりしない。 「『かた』い決意」 「『かた』く信ずる」 「押し売り『かた』くおことわり」 (4)自分の考えにこだわり、融通がきかない。 頑固だ。 また、緊張していてぎこちない。 《硬》 「『かた』い表情」 「『かた』くなって話す」 (6)内容がまじめ一方で、面白みがない。 かたくるしい。 きまじめだ。 「『かた』い一方の男」 「『かた』い話」 (7)することに、浮ついたところがなく、信用がおける。 (ア)てがたい。 堅実だ。 「『かた』い商売」 「『かた』く見積もっても一億円はもうかる」 (イ)人に秘密をもらさない。 「口が『かた』い」 (ウ)間違いない。 確かだ。 「合格は『かた』い」 「一万円は『かた』い」 (8)どんな小さなことでも誤りを許さない。 厳重だ。 きびしい。 「『かた』く禁ずる」 「守りの『かた』い城」 (9)(「目がかたい」の形で)眠気がこない。 眠たがらない。 「この子は目が『かた』い」 (10)取引で、相場がなかなか下がらない。 硬調である。 《硬》 [派生]『かた』げ (形動)『かた』さ (名)堅き氷は霜を履むより至る〔「易経{坤卦}」による。 秋になって霜を踏むようになればやがて堅い氷の張る冬が来るの意〕 (1)事の前兆が現れたらすぐにそれに備えよというたとえ。 (2)小さな災いが原因で、大きな災いが起きることがあるというたとえ。 【難い】かた・い(形){_クかた・し}〔「堅 カタ い」と同源〕 (1)なかなかできない。 むずかしい。 困難だ。 「想像に『かた』くない」 「言うはやすく行うは『かた』し」 (2)ほとんど存在しない。 めったにない。 めずらしい。 ところで、 「話」という語を調べた。 【話・咄・噺】はなし (1)話すこと。 口に出して語ること。 「『はなし』がとぎれる」 「『はなし』が上手だ」 「ひそひそ『はなし』」 (2)話された内容。 「実のある『はなし』」 「つまらない『はなし』」 (3)話題。 「『はなし』を変える」 「その『はなし』はやめよう」 (4)うわさ。 「耳寄りな『はなし』」 「次の選挙に出るという『はなし』だ」 (5)話し合って決めるべき事柄。 (ア)相談ごと。 「『はなし』をもち込む」 「『はなし』に乗る」 (イ)交渉ごと。 「『はなし』をまとめる」 「『はなし』をつける」 (6)人に語り聞かせる、ある内容や筋をもった事柄。 (ア)昔ばなしや説話など。 「土地に伝わる『はなし』」 「桃太郎の『はなし』」 (イ)講演。 (ウ)落語。 《噺》 「人情『はなし』」 「芝居『はなし』」 (エ)談話。 「大臣の『はなし』」 (7)物の道理。 「『はなし』のわかる人」 (8)いきさつ。 「その『はなし』というのを聞かせなさい」 (9)つくりごと。 「あんなのはただの『はなし』さ」 (10)(形式名詞のように用いて)こと。 ことがら。 【生し】なし 〔動詞「なす(生)」の連用形から〕 産むこと。 「父母が『なし』のまにまに:万葉{1804}」 【成し・為し】なし 〔動詞「なす(成)」の連用形から〕 そうすること。 英語から調べた。 【放す】はな・す 動サ五[四] 1 物を手で持ったり握ったりしていたのをやめる。 「ハンドルから手を『はな』す」 「お母さんの手を『はな』してはだめよ」 2 つないだりとじこめたりしていた人や動物を自由にする。解放する。 「小鳥を『はな』す」 「犬を『はな』す」 「捕虜を『はな』す」 3 銃などを発射する。ぶっぱなす。 「鉄砲ヲ『ハナ』ス:日葡」 「矢ヲ『ハナ』ス:日葡」 [可能]はなせる 【離す】はな・す 動サ五[四] 〔「放す」と同源〕 1 密着したり接触したりしている二つのものの間に隔たりを作る。 「つないでいた手を『はな』す」 2 二つのものの間に、ある間隔があるようにする。また、間隔をもっと広げる。 「字の間隔を『はな』して書く」 「ストーブを壁からもっと『はな』しなさい」 3 自分の手もとから遠くにやる。手ばなす。 「肌身『はな』さず持っていたお守り」 「もう君を『はな』さない」 4 「目を離す」の形で 一時的に視線を他の物に移す。 「ちょっと目を『はな』したすきに子供を見失う」 [可能]はなせる 「放す」と「離す」は同源だ。 例によって、英語にヒントを。 far back はるか後ろに。 となる》 「ファー」は「オノマトペ」にもなっているが、 理由は、日本に「F」が発音「できる民」と「できない民」が同居しているためだ。 それでも、 「夜更け」などは、「ファー」が「フ」になって残されている。 2 [時間に関して] [通例副詞または前置詞 特に into 句を伴って] 遠く far back in the past ずっと以前に。 このほうが 以前より ずっといい。 So far , so good. ここまではそれでけっこう。 So far he has done nothing to speak of. 今までのところ彼はこれといった働きはしていない。 向こう意気や負けん気。 はなっぱし。 はなっぱり。 「『はなっぱしら』を折られる」 『はなっぱしら』が強・い 強情で人にゆずらない。 きかぬ気である。 はなっぱしが強い。 『はなっぱしら』をへし折・る 相手の自信や高慢をくじく。 『柱』に深意がありそうなので、 それを掴むために、まず聖書を参考にしよう。 黙示録 3:12 勝利を得る者を、わたしの神の聖所の柱としよう。 彼はもはや決して外に出て行くことはない。 わたしは彼の上にわたしの神の御名と、わたしの神の都、すなわち、わたしの神のもとを出て天から下って来る新しいエルサレムの名と、わたしの新しい名とを書きしるす。 「神の聖所の『柱』」・・・ とある。 しかし、『柱』になったら動けないじゃないですか? 『柱』の人 少し横道になるが、 「コラムニスト」を知っておこう。 【コラムニスト】col・um・nist 新聞・雑誌などの 特約寄稿家、コラムニスト cf. 文章による「投稿、時評、随筆」 ・・・などの「書き物」を託されるということだろうか? 敬って提出します ある人が名士に、自分の意見書をしたためた。 文章の最後に、こう書いた。 「御『こうらん』を乞う」 「御『こうらん』に供す」 当然これは、 『批評してください』 の意味を含む。 相手からも「意見の類」が出ることを想定しているわけだ。 発音は 「コーラム」 「コーラン」 ・・・ (イスラムの経典「コーラン」に似ているのは、偶然じゃなさそうだ) その柱は、横向きだった 建築関係での「柱」は、縦にあって、屋根を支える。 しかし、横向きの「柱」もある。 擬宝珠 ギボウシ 勾欄・回り勾欄などがある。 (2)牛車 ギツシヤ の前後の口の下の方にわたした低い仕切り板。 《高欄》 (3)椅子のひじかけ。 《高欄》 それは欄干・・・つまり「ガードレール」のようなもので、 「神殿」にも確かに備わっている。 (人が歩く回廊の手すり) 聖句にある記述は、「この柱」かもしれない。 こうした横向きの柱は、人が歩みを逸れて「踏み外さない」よう守っており、 一種の「指南役」。 それが(もし)しゃべれたら、間違って歩む人にこんな言葉をかけるだろう。 「こらこら!」 (正に「コラム・コラム」) つまり、意味においての 「鼻っ柱」は、 「鼻のレール(骨)」を指すと同時に、 自らの、「精神的ガイド」でもあるわけだ。 1. 「鼻」・「柱」 (はなっぱしら) 2. 「話」・「柱」 (はなっぱしら) 3. その他 ではここで、 「その他」の意味に迫ろう。 なぜ 「はなはしら」じゃなく 「はなっぱしら」なのか? 以下が参考になる。 エリヤ、エリシャ、エレミヤ、エゼキエル・・・など、歴代の預言者たちは、 背教する愚かな民によって、鼻っ柱を折られ続けた。 そして、警告通りに民は滅亡した。 だから、正しい人の「鼻っ柱」を折ってはならない。 彼らの後ろに、「神」がいる。 こりさせる。 神と繋がる人は鼻(ファナ)が利く。 彼に「こら!」と注意されたら、それを聞き入れよう。 いつも使っているのだが・・・ 「きょう・は・はれ」(kyou ha hare) と書いて、 「きょう・わ・はれ」(kyou wa hare) と読む。 つまり、『は』を『わ』と読ませているのだが、 最初の「は」と次の「は」では、読み方を変えなければならない。 なぜ、こんな面倒なことを続けているのだろう? 『は』は、立派な「ヘブライ語」 ここで取り上げた『は』は、「日本語が『ヘブライ語』である」という証だろう。 文法では『係助詞(かかりじょし)』になるが、この入り口からでは謎が解けない。 実は、民謡から解明できる。 「鹿児島おはら節」の中に、このような歌詞がある。 「おはら・ハー・桜島」 ・・・ ここでの「おはら」は、 「オホラ」 ・・・つまりヘブライ語で 「我がテント(家)」 を意味するはずだ。 それは、 「我がテントは、桜島」 ・・・と告げているらしい。 これには、もう一つ説がある。 「オハリファー」(オホリバ)とは、南朝ユダ王国の首都「エルサレム」を指す。 いずれにしても、 古代イスラエルの信仰は、山を中心に据えていた。 その場合、山は「宗教国家」の象徴とされる。 () つまり、日本に来た古代ヘブライ人は、 桜島を、「テント」に見立てて懐かしんだのが真相ではないか? (この歌の歌詞には諸説ある) ここで、『ハー』に話を戻そう。 「オハラ ハー、桜島」 が 「オハラ 『は』、桜島」 と同一文であるとすれば、 「係助詞」『は』の正体は、 ヘブライ語の『ハー』 であったことになる。 (現代人は、知らずにこれを使っていたか?) 民謡の歌詞は、古代ヘブライ語の発音を概(おおむ)ね保存している。 そこから 『ハー』を受け継いだ我々も 「わたし・wa・にほんじん」 と発音しながら、実際には 「わたし・ha・にほんじん」(私は日本人) と書くのだろう。 そうであればそれは、係助詞の『は』に、 ヘブライ語の『ハー(H)』 が記憶されている証拠なのである。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) --------------------------------------- 付録:『は』の資料 日本での『は』に関しては、おそらく ヘブライ語の『ハー』が多用されている。 (これだけでも、論文が書ける?かも) 【は】(係助) 〔現在では「わ」と発音する。 助詞「を」の下に付くとき、「をば」となることがある〕 種々の語や文節、活用語の連用形などに接続する。 多くの事柄の中から、一つのものを取り出して提示するのが本来の用法である。 (1)特に一つの物事をとりあげて提示する。 「お酒『は』ぼくが買う」 「食事『は』もうすんだ」 (2)題目を提示して、叙述の範囲をきめる。 「象『は』鼻が長い」 「ぼく『は』学生だ」 「今日『は』よい天気だ」 (3)二つ以上の判断を対照的に示す。 「行き『は』よいよい、帰り『は』こわい」 「親に『は』孝行、友人に『は』信義」 (4)叙述を強める。 (ア)〔格助詞・副詞などに付いて〕意味や語勢を強める。 「たいてい『は』、そのまま帰る」 「君と『は』もう会わない」 (イ)〔動詞・形容詞の連用形、および助詞「て・で」に付いて〕 一続きの叙述の一部分を強調する。 「絶対に行き『は』しない」 「なるほど美しく『は』ある」 「まだ書いて『は』いない」 「真実で『は』ない」 (5)〔「…(で)は…(だ)が」の形で〕譲歩の気持ちを表す。 活用語の連用形に付くこともある。 「雨も、降り『は』降ったが、ほんのわずかだ」 「ごめんどうで『は』ございますが」 (6)動作・作用の行われる条件・事態を表す。 現代語では「ては」の形で用いられるが、古語では「ずは」「くは」などの形をとることもある。 「不正があって『は』ならない」 「おこられて『は』大変だ」 「会社として『は』万全の備えをするつもりです」 「忘れて『は』夢かとぞ思ふ:伊勢{83}」 「鶯の谷よりいづるこゑなく『は』春くることをたれかしらまし:古今{春上}」 (7)文末にあって、終助詞的に用いられる。 体言や活用語の連体形に接続して、感動の意を表す。 「はも」「はや」などの形をとることがある。 「歯固めの具にももてつかひためる『は』:枕草子{四〇}」 「あはれ、それを奉り鎮め給へりし『は』や:大鏡{道長}」 (8)(文末にあって終助詞的に用いられ) 話し手自身に対して、念を押すような気持ちでの詠嘆を表す。 「すはよい『は』とて追たそ:史記抄{三}」 「又五十字、百字有る歌もあらう『は』さて:狂言・萩大名{虎寛本}」 〔{(7)}は上代では「はや」「はも」の形をとる。 {(8)}は中世以後の用法。 両唇破裂音の有声子音と後舌の広母音とから成る音節。 【場】ば 〔「には(庭)」の転という〕 (1)あいている所。 物が占める所。 「机を置く『ば』がない」 「『ば』を取る」 「『ば』をふさぐ」 (2)物事が起こったり行われたりしている所。 「その『ば』に居合わせる」 「改まった『ば』」 「公 オオヤケ の『ば』」 (3)物事を行うために設けた場所。 また、機会。 「話し合いの『ば』」 「『ば』を外す」 「『ば』を踏む」 (4)物事が行われている時の、その時々の状況や雰囲気。 「『ば』を取りつくろう」 「『ば』が白ける」 「その『ば』その『ば』に応じた話し方」 (5)(「その場で」の形で)すぐその時。 その席上。 「質問にその『ば』で答える」 「発見したら、その『ば』で捕らえよ」 (6)芝居・映画などの場面。 シーン。 「殿中刃傷の『ば』」 (7)花札・トランプなどで、札を積み重ねたり捨てたりしてゲームが行われる場所。 「『ば』の札」 (8)取引所で、売買取引を行う場所。 立会場。 「『ば』が立つ」 (9)〔物〕〔field〕物理量が空間的に分布している場所。 かつては帯電粒子と電磁場のように、粒子間の力を媒介する媒質空間をさしたが、現在では粒子と場とは一元化されて相互に付随しあうものとされる。 (10)〔心〕各部分が相互につながりをもった全体構造として動物や人間に作用し、その知覚や行動の仕方・様式などを規定している力として考えられた状況。 ゲシュタルト心理学における基本的な概念の一つ。 ば(接助)古語では、未然形に接続する場合と已然形に接続する場合があるが、現代語では、一部、未然形に接続することがあるほかは、大部分が仮定形接続に統一された。 (1)順接の仮定条件を表す。 未成立の事柄を仮定し、それを条件として表す。 …ならば。 古語では未然形に接続。 「雨が降れ『ば』、試合を中止する」 「君さえよけれ『ば』、一緒に行こう」 「かの国の人来 コ 『ば』、みな開きなむとす:竹取」 (2)(「…といえば」「…ならば」などの形で) 事柄の内容や、よってきたる根拠を示す。 「大学といえ『ば』、近ごろ問題が多いね」 「消息筋によれ『ば』、内乱が起こったらしい」 (3)順接の既定条件を表す。 理由・根拠となる動作・作用を条件として示す。 古語では已然形に接続。 (ア)ある条件が満たされれば、いつでもある事柄が起きるという場合の、条件を表す。 「立て『ば』芍薬 シヤクヤク 、座れ『ば』牡丹 ボタン 」 「日が沈め『ば』夜になる」 「命長けれ『ば』辱 ハジ 多し:徒然{七}」 (イ)引き続いて起こる事柄についての、きっかけを表す。 …すると。 …したところが。 「大勢の中で見れ『ば』、それほど目立った存在ではない」 「一〇年前を思え『ば』、ずいぶんぜいたくになったね」 「浜を見れ『ば』、播磨の明石の浜なりけり:竹取」 (ウ)原因・理由を表す。 「塵を煙の如く吹き立てたれ『ば』、すべて目も見えず:方丈記」 (4)(多く「…も…ば」の形をとって) 同類の事柄や共存する事柄を並列する。 古語では已然形に接続(ただし、古語にはあまり見られない用法である)。 「金もなけれ『ば』地位もない」 「桜も咲け『ば』、桃も咲く」 「ふるき都は荒れゆけ『ば』、いまの都は繁昌す:平家{五}」 (5)「ねばならぬ」「なければならない」など、慣用的な言い方として用いる。 「仕事にはできるだけ精を出さね『ば』ならぬ」 「人は誠実に生きなけれ『ば』ならない」 (6)「いわば」「たとえば」などの形で、副詞的に用いる。 「いわ『ば』、ひょうたんから駒が出たようなものだ」 (7)「しからば」「なぜならば」などの形で、接続詞的に用いる。 「海運の振興を図るべきだ。 なぜなら『ば』、日本は島国だからである」 (8)已然形に接続して、逆接の既定条件を表す。 「『は』、かしこまりました」 (2)問い返すときにややかしこまって発する語。 「『は』、何ですか」 (3)笑い声。 ははは。 「席の人々一同に『ははは』と咲 ワラ ひけるを:沙石{三}」 (4)怪しみ、いぶかるときに発する語。 「『は』、筋ともない事に聞きないて、腹をお立ちやる:狂言・薬水」 【は】(格助)〔上代東国方言〕格助詞「へ」に同じ。 「我が背なを筑紫『は』遣りて愛 ウツク しみ結 エビ は解かななあやにかも寝む:万葉{四四二八}」 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) --------------------------------------- 付録2:他の民謡から 民謡「」には、このようなくだりがある。 その「文章の並び」は、英語に近い。 --------------------------------------- 付録3:資料『助詞』 【助詞】じょし 国語の品詞の一。 付属語で活用のないもの。 自立語に付いて、その語と他の語との関係を示したり、その語に一定の意味を添えたりする。 文中でのはたらき、接続の仕方、添える意味などによって種類がある。 一般に ・格助詞 ・接続助詞 ・副助詞 ・係助詞 ・終助詞 ・間投助詞 (並立助詞) (準体助詞) などに分類される。 「てにをは」 「助辞」 【係(り)助詞】かかりじょし いろいろの語に付いて、それらにある意味を添えて下の用言や活用連語にかかり、それらの用言や活用連語の述語としての働きに影響を及ぼすもの。 口語では「は」「も」「こそ」「さえ」「でも」「しか」「だって」、 文語では「は」「も」「ぞ」「なむ(なん)」「や」「か」「こそ」などがある。 (けいじょし。 そのテーブルの上に『は』何がありますか? b [補語の場合] What is this? これ『は』何ですか? c [目的語の場合] What do you mean by that? それ『は』 どういう意味ですか What are you talking about? (その)話『は』?何についてですか? What do you think of this poem? この詩『は』どう思いますか What do you say we go for a walk? これ『は』何だか知っていますか? Tell me what has happened. 起きた話『は』私に話して What follows is doubtful. 今からの話『は』疑わしいです… 報告などの途中で I don't know what to do. =What is it? 『わーっ!』何だって? You told him what? 組み合わせで、「ワー」と訛る。 日本語では、「助詞」に位置し、「係助詞」などの名が付されている。 日常疑問文などでは、 「あれ『は』?」 などと短く使われる。 その正体は、ヘブライ語の「ハー」であり、 「わ」と発音する場合でも表記は『は』のままだ。 多くは、文章の「中間」か「後ろ」に来る。 「驚き」の場合は 「はっ!」 以外に 「わっ!」で表記し、文頭に来ることが多い。 それが、英語の「what」に流れている。 続きを見よう。 2 a どれほど、いくら、いかほど What is the price of this bag? このバッグの値段『は』いくら? What is the population of Edinburgh? エジンバラの人口『は』どれほどですか? b [人の職業などを尋ねて] 何者、どんな人 "What is he? " 「彼『は』何をしている人かね」「…先生です」 c どれほどの価値[意味]をもつもの What is life without books? 書物のない人生と『は』どんなだろう? What is that to you? それ『は』君にとって何の意味がある? (それを聞いてどうするのかね?) 3 [感嘆文に用いて] 何と多量[多額]、 どれほど What it must cost! 『わーっ』!なんて金喰いなんだ! B 関係代名詞 1 a …する もの[こと] What I say is true. 私の言うこと『は』本当です What's done is done. 済んだこと『は』済んだこと b [関係詞節中 be の補語に用いて] …ある まさにその人[もの] He's not what he was. 私の今日あるの『は』あなたのおかげ c 〈…する〉なんでも You may do what you want. したいこと『は』なんでも許す d [A is to B what C is to D の形で] A の B に対する関係は C の D に対する関係と同じ Air is to us what water is to fish. 空気と我々との関係『は』水と魚との関係 2 [独立的または挿入的な節を導いて] さらに …なことには What is more, he was awarded the grand prix. 君の本『は』、都合できるだけ貸してください Bring what friends you have. 友だち『は』、全部連れてきなさい I gave her what little money I had. 《英口語》 1 …『は』何てざまだ 2 …『は』どう思うか What price clean elections? あす『は』天気がよいと思うかい? あれやこれやで時間がなかった What with drink and what with fright, he did not know what was happening. 今は整理中。 よく使う表現だ。 (彼らが眠っている間私たちは見張りをした) Don't phone me while I'm at the office. (事務所にいる間は電話をかけてよこさないでください) While he was fighting in Germany, he was taken prisoner. b [主節の後方に置き、対照を表わして] ところが一方、しかるに: 同時に He likes sports, while I like books. 日本語辞書も、参考に。 【は】(係助) 〔現在では「わ」と発音する。 助詞「を」の下に付くとき、「をば」となることがある〕 種々の語や文節、活用語の連用形などに接続する。 多くの事柄の中から、一つのものを取り出して提示するのが本来の用法である。 (1)特に一つの物事をとりあげて提示する。 「お酒『は』ぼくが買う」 「食事『は』もうすんだ」 (2)題目を提示して、叙述の範囲をきめる。 「象『は』鼻が長い」 「ぼく『は』学生だ」 「今日『は』よい天気だ」 (3)二つ以上の判断を対照的に示す。 「行き『は』よいよい、帰り『は』こわい」 「親に『は』孝行、友人に『は』信義」 (4)叙述を強める。 (ア)〔格助詞・副詞などに付いて〕意味や語勢を強める。 「たいてい『は』、そのまま帰る」 「君と『は』もう会わない」 (イ)〔動詞・形容詞の連用形、および助詞「て・で」に付いて〕一続きの叙述の一部分を強調する。 「絶対に行き『は』しない」 「なるほど美しく『は』ある」 「まだ書いて『は』いない」 「真実で『は』ない」 (5)〔「…(で)は…(だ)が」の形で〕 譲歩の気持ちを表す。 活用語の連用形に付くこともある。 「雨も、降り『は』降ったが、ほんのわずかだ」 「ごめんどうで『は』ございますが」 (6)動作・作用の行われる条件・事態を表す。 現代語では「ては」の形で用いられるが、古語では「ずは」「くは」などの形をとることもある。 「不正があって『は』ならない」 「おこられて『は』大変だ」 「会社として『は』万全の備えをするつもりです」 「忘れて『は』夢かとぞ思ふ:伊勢{83}」 「鶯の谷よりいづるこゑなく『は』春くることをたれかしらまし:古今{春上}」 (7)文末にあって、終助詞的に用いられる。 体言や活用語の連体形に接続して、感動の意を表す。 「はも」「はや」などの形をとることがある。 「歯固めの具にももてつかひためる『は』:枕草子{40}」 「あはれ、それを奉り鎮め給へりし『は』や:大鏡{道長}」 (8)(文末にあって終助詞的に用いられ) 話し手自身に対して、念を押すような気持ちでの詠嘆を表す。 「すはよい『は』とて追たそ:史記抄{3}」 「又五十字、百字有る歌もあらう『は』さて:狂言・萩大名{虎寛本}」 〔{(7)}は上代では「はや」「はも」の形をとる。 {(8)}は中世以後の用法。 近世では「わ」と表記されることが多くなり、現代語で主として女性が用いる終助詞「わ」の源流となる〕 まだまだ、固まって「は」いませんが・・・ね。 さて、 「はばたく」とは、どんな素性の言葉なのか? 【羽撃く・羽搏く】はばた・く(動カ五[四]) (1)鳥が翼を広げて上下に動かす。 「大空に『はばたく』く鳥」 (2)人が成長して社会へ飛び立つ。 また、社会で活躍する。 「力強く未来へ『はばた』け」 ・・・ 「撃つ」という漢字が当てられているので、 こんなヘブライ語が浮かんだ。 つまり、鳥が羽を動かして、何かを『打つ』(ような「動作」)が・・・ 「はばたく」だ。 後ろの「アク」は、これ。 ただ、 「運が『あく』」とは言わず (運が)『ひらく』と使う。 「運」は「具体的な動き」(act)じゃないからだ。 これを「語源に関係アリ」とすれば、 『はぶ』 ・・・という語は、船にとって 「『避難』と『安息』の場所」という意味だ。 (それそのものが「港」を意味する) しかし、『ハブ』はさらに深い。 習慣的に使う 『ハビ』 という語には『習慣』(常に使用する)という意味がある。 英語からそれを汲んだ。 b 動植物の 習性 c もの・自然現象の ありがちな状態、傾向 (以下省略) ・・・とすると、 「『ハブ』の港」は 「習慣的に使う港」 「慣れ親しんだ港」 といった意味もあるのだろう。 また、 ハブ(車のハブ)=軸足の『軸』 のイメージで考えれば、 「『ハブ』の港」は 「『軸』となる本拠地としての港」 とも考えられる。 つまり『母港』である。 【ハブ】hub 1 車輪の こしき 軸のはまる所 2 活動の 中心、中枢 of. 3 [the H ] Boston の俗称 【ハブ・エアポート】hub airport ハブ空港 国際[長距離]線と国内[短距離]線との乗り継ぎが可能な、ある国 [地域]における拠点空港 ・・・ 日本では、「羽生」などの漢字が振られているが、 それに捕われ過ぎると横道に入ってしまう。 注意が必要だ。 それはこの言葉に共通だ。 (東北弁に近ければ、「古代ヘブライ語だ」と断定できる) (ただし、別説もある) ・・・そんなわけで、 『はべる』は、 「常にその場に居る・停泊する」 と同時に、 『慣れ親しんだ』 という意味を持っているわけだ。 神事が始まりか? 『ハブ・エル』という区切りもある。 これは、 「ハベ・る」との重ね言葉とも取れる。 「エル」はもちろん、『神』だ。 『神』に(自分を)『繋ぎ止める』 というのだから、彼らは『祭司級』であるに違いない。 とりあえず、ここまで。 ・・・ (ところで、ひとつ気になるぞ) (なにが?) (毒蛇の『ハブ』や) (おっ?) (これは、『はびこる』から『ハブ』とちゃう?) (うーん、なるほど) 【波布・飯匙倩】はぶ クサリヘビ科の毒ヘビ。 沖縄諸島・奄美アマミ諸島に分布。 全長2メートルに達し、頭はほぼ三角形、飯を盛る匙サジのようでマムシに似るが、頭部背面の鱗は小さい。 樹上または草陰にひそみ、人畜を咬カむ。 攻撃性が強く、猛毒をもつ。 奄美・沖縄諸島には、太く短い別種ヒメハブも分布。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) ------------------------------ 付録2:埴生と薗部 埴生(はぶ)・羽部(はべ) などの人名は 『常駐する』 という役柄を意味しているかもしれない。 おそらく、 「正規軍」や「警護隊」などを指すか 「常駐の神官」に適用された名前だろう。 逆に、 「薗部」(そのべ) なら、 「交代要員」・「臨時役」などだろうか? 「ソノー」 というヘブライ語には、 「入れ換えて」 という意味があるからだ。 「部(べ)」は、英語の 『bit』などに相当し 「一団」・「部分」という呼称なのだろう。 これが「入れ換え」を意味する 『ソノー』に違いない。 主に金力や権力などにいう。 「『はぶり』がよい」 (2)鳥が羽を振ること。 「夜もすがら沖のすず鴨『はぶり』して:夫木{17}」 「羽を振る」は、当て字だろうか。 いずれにしても、 「資力を持たないと」できない行動。 裏金を使えば『風』を起こすことができるから、 これは案外、深い表現かもしれない。 「はぶ」を解明 こんな「はぶ」も居た。 (重複あり) 【波布・飯匙倩】はぶ ヘビの一種。 猛毒をもつ。 全長約二メートル。 頭は三角形で大きく、上顎に二本の長い毒牙をもつ。 普通、背面は黄褐色で、暗褐色の輪状紋が並ぶ。 奄美諸島と沖縄諸島の特産。 夜間、カエル・ネズミ・小鳥などを食う。 草むらや樹上などにいて、人畜をも攻撃するため恐れられている。 南西諸島には他にヒメハブなど三種の近縁種がいるが害は少ない。 [季]夏。 すると、家来は言う。 英語なら、こう。 (政治の裏も、こればっかり!) (んじゃ!) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) はべるのはさむらいだけ 雇ってもらお この人を主人として仕事をしよう・・・ そう思った侍(さむらい)は、 そのそばに侍(はべ)るようになる。 ここで、 「侍る」(はべる) というのは、 「ベール」 つまり、 ヘブライ語の「主人」に 起因態接頭語「ハ」を付けたものだ。 誰かを主人として仕事をするなら 侍(さむらい)でなくても、 「侍る」(はべる) は、使っていいことになる。 資料A:p147 はやく 急いでやってよ (未確定シリーズ) 「早く早く!!」 「なに急いでるの?」 「消費税!」 「震災復興は?」 「そのうち」 「あんた!おかしいぞ!!」 ・・・ 態度が逆だ。 ところで、 「早く」の語源を考えた。 【ハイ】hie 《詩・古》 〔…へ〕急ぐ、急いで行く 〔to〕 [〜 oneself で] 急ぐ こんな組み合わせだろう。 ラテン語根の英語が教えているように、 これも「急げ」という意味らしい。 相当古い。 飛躍する社会 「なんか、すごい発明があったらしいよ」 「どんな?」 「燃料『なし』で走る車」 「ひゃー!!」 ・・・ すごい飛躍ですねえ。 発音のバリエーションを考えると、 こんな分析も出る。 「仕事をさ(作)『せ(set)』る」 「運動をさ(作)『せ(set)』る」 とも表現できる。 つまり、 「はよせー」 が、 「はよしー」 の「使役形」であり、 漢字は「施」と「使」に区分されているわけだ。 しかし漢字というツールは、 TPOに応じて様々に振られているらしいので、解明が大変だ。 しかし、それ以上わからない。 辞書を引いてみよう。 浄、信州川中島合戦:「『はらいせ』には神主禰宜めら残らず切てなりともからめてなりとも」。 「『はらいせ』に茶碗を割る」 「はらいせ」は、「相手」に対する嫌がらせというより、 「自分で自分の気を晴らす」という意味が強かったようだ。 つまりこれは元々、 精神的な「治癒」(なだめ)を意味しているらしい。 だから、以下の例えが当てはまりそうだ。 「この間は、ひどい目にあわされたね」 「うん」 「何考えてるの?」 「『はらいせ』だ」 「はらいせ?」 「そう、気が休まるから」 それは「なだめ」なのか? 自分に対して 「精神的癒し」 を実現するためには、 茶碗を割ったくらいでは、収まらない事がある。 何かそれ以上の「『慰め』をもたらす心境」が必要だ。 それを、 「腹癒せ」 と書く事も多い。 「癒える」という言葉を熟考すると、 それは 「ユダヤ人の救世主」 につながることが判明した。 連想の手順はこうだ。 「癒せ」(イセ)という言葉から 「救世主」(イセ=イシェ=救い) 「伊勢」(イセ=イエス) 「なだめの犠牲」(イッショ=贖い) こうした連想から調べるうち、 次の言葉を見出した。 【パライゾ】(paraiso ポルトガル) (キリシタン用語 天国。 パラダイス。 ハライソ。 妙貞問答:「後生の善所は『パライソ』と云ひて天にあり」 日本のキリシタンは、「パラダイス」を『ハライソ』と呼んでいたようだ。 ポルトガル語は、キリシタンに浸透している。 だから、その時代に 「パライゾ」 「ファライソ」 「ハライセ」 と変化したのではないか?・・・ そう考えることもできる。 実際、ヘブライ語の「PA」は「FA」と入れ替わる。 するとそれは、「新しい外来語」だろうか? いや、おそらく「流れ」は逆で 日本古語(古代ヘブライ語)の中にあった 「ファライソ」(はらいそ) という言葉が元だろう。 (『イソ』という言葉は、「救いの場所」という意味を持つ」海の磯に通じる言葉だ) それが外国に、「パライゾ」や「パラダイス」と伝わり、 日本には「ハライセ」と残ったのではないだろうか? そうだとすると、それはヘブライ語で分解できるはずだ。 「ハラ・イセ」(または「ハラ・イソ」 これをヘブライ語で直訳すれば、こうなる。 Paradise 天国。 また、悩みや苦しみのない楽しい所。 (この楽園には『牧者』がいて、放牧された『羊』を見守っている。 だから、単なる「広場」=「バラ」ではない) 古代ヘブライ語が英語に流れた時、おそらくこんな変遷を辿ったのだろう。 1. 「パラ・イッシュー」(ファラ・イッシュー) 2. 「パラ・ディッシュー」 3. 「パラ・ディース」 4. 「パラ・ダイス」 イエスの名前は、 古代ヘブライ語で「イシェ」と発音され 「イシュー」(エシューア)とも聞き取られた。 (「エシューア」が、「イエス」になった) 名前が含む意味は、「救い」である。 その名前は、「)」の語源でもある。 「イシェ」という名前が「伊勢神宮」に派出している。 だから伊勢神宮は 「救いの宮」であり、 「癒しの宮」であり、 「イエスの宮」なのである。 迫害を受け、腹に据えかねる人々は、 「天国」に希望と慰めを見出した。 そこは、 「イエスの原」であり、 「救いの原」であり、 「癒しの楽園」である。 『ハライセ』に思いを馳せよう。 それこそが、神の臣民の 逃げ込む場所なのだから。 はらうとはらう 結構つらい「ええかっこ」 「今日はご馳走さま!」 「いやーどういたしまして!」 「それじゃここで失礼します」 「またお会いしましょう」 「あなたは?」 「夜風に吹かれて帰りますよ」 「まあ、風流ですこと」 ・・・ ホントは、財布「空」なんよ。 (わびしいのう) ・・・ 男はいつも、無理しとりま。 さて、 「空(から)」の語源って何だろう? 【空・虚】から〔「から(殻)」と同源〕 一 (名)中に物が入っていないこと。 うつろ。 からっぽ。 「『から』になる」 二 (接頭)名詞に付く。 (1)何も持っていない、何も伴っていない意を表す。 「『から』手」 「『から』身」 「『から』雷」 (2)形だけで実質が伴わない、見せかけだけで真実ではない意を表す。 「『から』元気」 「『から』いばり」 「『から』手形」 「『から』約束」 (3)その動作が本来の目的を果たしていない意を表す。 「『から』回り」 「『から』振り」 既に、「ガラー説」がある。 しかし、「ハラー」というヘブライ語から、 こんな説も可能だ。 【祓う】はら・う ハラフ〔「払う」と同源〕 一 (動ワ五[ハ四])神に祈ってけがれや災いを取り除く。 清める。 信仰の民には、『お祓い』という解決策がある。 活用しないともったいない。 天皇という「大祭司」は、とてつもない値打ちがあるわけだ。 それを縛るなんて。 それにしても、 「国会を清める」ちゅー場面、見ないねえ。 (「祓え」ば「払え」る、その借金) (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) 日本書紀と日本語のユダヤ起源:ヨセフ・アイデルバーグ著:久保有政 訳 はらうほそく 突然の借金取り 「今日こそは返してもらうよ」 「し!しまった!」 「『閉まった』じゃない!今日はきれいサッパリ払うんだ!」 ・・・ さて、 「きれい+サッパリ」 と分解し、 ここでは「サッパリ」の方を考えよう。 「サー・パラー・リー」 と分析。 「サー」は「掃討」の意味を持つヘブライ語であり、 「パラー」が本体だ。 これに「パラー(para)」が併合されている形だ。 また、「支払う」という語は 支+祓う =「支出で(会計を)清める」 とした説もある。 それは、ヘブライ語だった。 【ハラ】hara he 怒る 「『ハラ(怒り)』立つ」 は、 「いきり立つ」と似た用法だ。 やっぱ。 (資料:広辞苑 第五版CD-ROM版) (資料:日本書紀と日本語のユダヤ起源 ヨセフ・アイデルバーグ著) はらはらするね 「ハラハラ」の場面 「サッカー見る?」 「うわ!もう『決勝』じゃん」 「今、同点!」 「ハラハラするなあ」 ・・・ さて、ここでの「ハラハラ」って何だろう? ヘブライ語で 「原っぱ」を「バラ」という。 日本語では、濁点が抜けて「ハラ」と使われている。 (秋葉原の地名では「バラ」が顔を出す) 「原野、牧場」もまた「ハ・アラ」(ハラ)と言うので、混用もあっただろう。 (更に、「halal=ハラー(空)」という別語もあり) だが、これらは 「ハラハラ」の語源ではないようだ。 ところがここに、もうひとつの「ハラ」があった。 山地は「ハラ」 「ハルマゲドン」の中に含まれる「ハル」は、 日本ヘブライ語での「ハラ」であり、それは「山地」という意味を持つ。 これが、『ハラハラ』と重ねて使われ、 『山場』 (ハラハラの場面) となっているようだ。 消え去ったかに見えるヘブライ語の「ハラ(山)」は、 こんな形で生き残っていた。 (?) それ以外にも、 「胎」(はら) などは、 「山のように膨れた『お腹』」 といった意味だろう。 さらに、普通の人の「ハラ」でも、 『太鼓腹』というのがある。 ・・・つまり、 「子供が入ってないのに膨れたお腹」を持った人が 「ハラ」という言葉を、好んで使っていたのかもしれない。 これが一般にも、 『腹』として定着した可能性がある。 (その後、必ずしも「膨らみ」を意味しなくなった) この説、正しいのかな?どうかな?) とにかく・・・ 「ハラハラ」するのは、消化に悪い。 特に、張子で作った芝居の小道具。 「『はりぼて』の人形」 ・・・ さて、 「張り(貼り)」はそのまま理解するとして、 『ボテ』とは何だろうか? これは、 『ボディ』だ。 b 一団、一群: 大勢、多数 of. 7 [the 〜] 団体などの 大部分 of. 8 [また a 〜] a 物の 密度、濃度 b 音色などの 張り c 油の 粘性. つまりそれは、 「『ボディ』を壊せ」なのである。 それは、 「ハル・メギド」(メギドの山) と訳されることが多い。 ヘブライ語では、「ハル」が「山」であるはずなのに、これが日本語に無い。 だからこの大切な語彙が、ヘブライ人の子孫である日本人にピンとこないのだ。 また、日本文化に「メギド」という地名もあってしかるべきだが、少し考えたくらいでは見当たらない。 これが一般には、「山」として訳されると考えた。 それは、「蜂」に刺された場合など体が 「腫れる」(はれる) という言葉に共通だろう。 1. 膨れ上がっている。 2. 炎症を起こしている。 3. 盛り上がっている。 4. 痛みが伴う ・・・この線で、考えてゆこう。 だとすると、腫れて皮膚が盛り上がった部分は確かに 「山」 と表現できなくもない。 また、「張る」は、 「運動して、足がパンパンに張る」 などと使われる。 (「破裂=ハレツ」もおそらく派生語だろう。 漢字は当て字か?) さらに、破れた部分に「ツギ当て」する場合に、 「貼る」 という漢字が使われるが、これは「ツギ」の部分だけが膨れることになる。 いずれも、「ほんのわずか」の盛り上がり(山)が生じる。 :実は、イスラエルに実在する『メギドの山』は、「小高い丘」のような場所でしかない。 古代から交通の要所ではあったが、樹木も無い『荒漠』とした地形である。 これは過去に、人間が樹木を伐採して自然破壊を行ったからだろう。 そこは潤いに欠けた、『壊滅の地』と呼ぶにふさわしい。 「メギド」は「破壊」か 次に、「メギド」というヘブライ語を、日本語解析で考えた。 (修正の可能性あり) 関西では、こんな言葉を使う。 「貸した自転車返してよ」 「今、自転車屋にある」 「えっ?どうして?」 「ちょっと・・・その・・・」 「『めぎ』よったなぁ!」 ・・・関西弁で、「壊す」ことを、 「めぐ」 と言う。
次の「たいそう暗いが、キヌさん、もう何時ごろかのう?」 「まあだ、三時にはなりゃあすまいね」 「やれやれ、この谷は 一日 ( いちんち )がよその半分しかないよ。 仕事も半分しか、でけやせん」 「その代り、夜がよその倍あるわ」 「倍あったって、電燈はつきゃせんし、油は高いし、寝るしか用がない。 この村の者がどんどん都に出て行くわけがわかるよ。 遠いところに行く者は、ハワイやブラジルまでも行っとる。 成功しとる者もたくさんある。 その成功した者は、もう二度とこんな草深い田舎には、かえって来やせん。 かえらんのがほんとよな」 「マンさん、あんたもどうやら、 出心 ( でごころ )がついたようにあるねえ。 兄 ( あに )さんの 林助 ( りんすけ )さんは、関門の方に行ってなさるということだが、元気にして 居 ( お )りんさるかね」 「はい、門司で、沖の仕事をして、儲けだしとるとかで、わたしに、出て来んか、って、なんべんも手紙をくれなさる」 「だけど、たいがいなら、港なんどというところには出んがええよ。 人気 ( にんき )が荒うて、若い娘はモミクチャにされるというけえ。 ……マンさん、もう、 煙草葉 ( たばこば )のばすこと、やめんさい。 帰ろうや」 「お父っあんが、楽しみに待ってなさるけえ」 「親孝行もんよ。 おふくろも安心でがんひょう。 でも、その煙草葉、大丈夫なのけえ?」 「大丈夫とも」 深い谷の底である。 四方の山がきりたっているので、この部落には、朝の光線がさすのはおそく、日の暮れるのは早い。 まして、日の短い秋であるから、まだ三時というのに、もう 黄昏 ( たそがれ )のようだ。 部落の名は、 広島県 ( ひろしまけん ) 比婆郡 ( ひばぐん ) 峯田村 ( みねたむら ) 字 ( あざ ) 峯 ( みね )。 はげしいせせらぎの音をたてる谷川の岸で、二人の若い村の娘が話をしている。 健康そうなのは共通しているが、マンの方は丸顔の小柄、キヌの方は長顔で、おそろしく背が高い。 粗末な木綿着のマンは、川岸にある二段 歩 ( ぶ )ほどの煙草畠にしゃがみ、しきりに落ちた古葉をさがして重ねる。 ていねいに、皺をのばす。 なれた手つきである。 野良着で、手に鎌を持っているキヌの方はススキの林のなかに、あおむけにひっくりかえって、 「やあれ、もう、狐さんたちが鳴き騒いどらあ」 と、のんきたらしく独りごとをいいながら、無意味に、バサッ、バサッと、ススキをたたき切っている。 深い山には、狐、狸、兎、猿、などがたくさん居り、ときどき、猪があらわれることがあった。 昔から現在にかけて、狐に化かされた話は数えきれない。 谷川には河童がいるという。 河童と角力をとったという老人が、自分の実見談を、炉辺で、まじめな顔して話す。 マンは、煙草好きの父のために、一枚でも余計に葉をひろうつもりである。 においの強い、黄色い枯葉が、 笊 ( ざる )のなかにたまる。 すると、寝ころがっていたキヌが、突然、くるりと起きあがった。 なにかを見つけたらしい。 「マンさん、 大事 ( おおごと )、鬼が来たよ。 早よ、隠れんさい」 切迫した語調で、叫んだ。 おどろいたマンも、狼狽したが、おそかった。 「こらあ、逃げることならんぞう」 と、太い声が、山の道からひびいて来た。 観音堂のある山道の曲り角にあらわれた一人の大男が、大股でバネ仕掛のようにとびながら、かけ降って来た。 黒い中折帽をかぶり、黒い詰襟服で、これも黒の皮カバンを右手にぶらさげている。 顔いろも、日やけと酒やけで赤黒く、ちょび髭が木炭をくっつけたようだ。 「とうとう、見つけられたなあ。 ええかげんで、早よ、やめんもんじゃけえ」 キヌは、もう、青くなっている。 「かまうもんか」 観念したとみえて、マンは、煙草畠のなかに立ちあがって、男の近づいて来るのを待った。 煙草の葉を入れた笊だけは、畠のくぼみに隠した。 「逃げるんでないぞう。 逃げたってわかるぞう」 男は、まだ、そんなことを叫びながら、谷川の岸に来ると、朽ちかけた丸木橋を、あぶなっかしい足どりで渡った。 二人のところにやって来た。 「こんなことだろうと思うた。 お前、谷口の娘ッ子だな?」 「はい」 「盗んだ葉を出しなさい」 「盗みはしません」 「ちゃんと見とったんだ。 そこの笊を出しなさい」 マンはあきらめて、黙って、くぼみから笊をとりだした。 「ほうら、こんなに盗んどる」 「盗んだんじゃありません。 落ちていたのを拾うたとです」 「こんなに葉が落ちるわけがあるか。 どうもこの辺の奴は たちが悪い。 政府を馬鹿にしとる。 今度は許さん。 処罰してやる。 ……おい、そっちの娘ッ子、お前もいっしょにやったのとちがうか」 「とんでもない。 わたしは草刈りに行った帰りに、通りかかっただけです」 「怪しいな。 ま、ええわ。 共謀としてひっくくるところだが、特別にこらえてやる。 帰れ」 キヌは、籠を背に負うと、一散に走り去った。 「谷口の、わしについて来なさい。 お前のお 父 ( と )うに逢うて、ようと調べたうえで、罰金申しつけてやる」 「お役人さん、そればっかりは堪忍して……」 「ならん」 「ほんとに、盗んだとじゃないけえ」 「やかまし、行け」 男にはげしく肩をつかれて、マンはしかたなく先に立った。 黒服の男は専売局の役人である。 煙草が専売制になると、厳重な規則ができた。 この部落でも作っている家が多いが、段に何本と定められ、それは専売局の原簿に記帳される。 種は専売局からもらい、葉の数は精密に調査されて、一枚も私することはできない。 ただ、葉の上、中、下とそれぞれ味がちがい、役にたたぬ部分もあり、その落ちた何枚かを自家用に吸うことだけが、大目に見られていた。 山峡の底は日没が早く、二人が歩いてゆくうちに暗くなる。 点々とある家に、ランプがともる。 ツクツク法師と狐とが鳴いている。 淵になった谷川の横に、水車小屋があった。 水車がゆるく廻っている。 そこまで来ると、役人は立ちどまった。 あたりを見まわしながら、 「ちょっとお待ち」 「なんぞ……?」 「話したいことがある。 そこの水車小屋に入んなさい」 マンは、ちらと水車小屋に視線を投げたが、その切れのながい、大きな眼に、不安のいろが浮かんだ。 「話なら、ここで聞きます」 「ちょっと、お前の持っとる煙草葉の数を読みたいんだが、外では風で飛ぶ。 たいそう風が出て来た。 小屋の中なら飛ぶ心配はない。 さあ、入んなさい」 そういうと、役人はがたぴしと水車小屋の一枚戸をひきあけて、さっさと、先に入った。 中から、マンをうながした。 マンも、しかたなく、おずおずと、小屋に入った。 鎧窓からさすかすかな光線で、三坪ほどの小屋の一隅に、土間に半分埋められた 木臼 ( きうす )が、三つならんでいるのがわかる。 その中に、 籾 ( もみ )が入れられ、水車の廻転によって動く三つの 杵 ( きね )が、それをおそい速度で、ドッス、ドッスと 搗 ( つ )いている。 たえ間なく、水の音がしている。 小屋の中は、へんに かびくさい。 「煙草の葉を見せてごらん」 役人は、やさしい声でいった。 態度がまるで変っている。 帽子から、服、カバン、靴、顔にいたるまで黒い大男が、急に、猫なで声を出すので、マンは一層気味がわるくなった。 無言で、笊をさしだした。 役人は、葉を一枚々々とりだして、手でもんだり、においをかいでみたりしながら、 「ずいぶん念入りに取ったものだなあ。 お前は、わるい女のようではないが、どうして、政府の物を盗むようなことをするかね?」 「お父っあんが、煙草が しんから好きなもんですけえ……」 「なんぼ親孝行でも、法は法、可哀そうでも、罰金をかけにゃあなるまいなあ」 「お役人さん、もうしませんけ、どうぞ、堪忍して……」 「さあねえ」 思わせぶりに、役人は、じろりと、マンを見た。 この、「鬼」という綽名をつけられている専売局の駐在員は、さっきから、マンの後から歩いてゆくうちに、下等な慾情をそそられた模様である。 「谷口の、罰金はいやかね?」 と、舌なめずりする口調で、マンの方に寄って来た。 三角眼が 淫 ( みだ )らに光っている。 「はい、いやです」 「とりやめにしてあげようかね?」 「お願いします」 「じゃが、タダというわけにはいかんなあ。 あんたもこれだけのことをしといて、タダですむとは、まさか思うて居らんだろう?」 「どうしたら、よろしゅう、がんひょうか?」 「そうじゃなあ、一番簡単なことですますとするかね。 ……な、それで、よかろ?」 マンも、男の考えていることが、やっとわかった。 飛びすざった。 「それは、いやです」 「いや? へえエ、ええことしたうえに、罪を帳消しにしてもらうのがいや? もう、 処女 ( きむすめ )でもあるまいに。 みんな、そうするんじゃがなあ。 それが、利口だよ」 そういううちにも、黒い大男の身体が、小柄なマンを、風呂敷につつむように、からんで来た。 マンははげしく抵抗したが、強い男の腕力に抱きすくめられた。 まったく身うごきができなくなった。 ドブロクくさい男の息が、顔に近づいて来た。 マンは土間にあおむけに転がされ、恐しい力でおさえつけられた。 前に、一度、マンはこれと同じ目にあったことがある。 この夏の盆踊りの晩であった。 草深い山峡の部落では、 盂蘭盆会 ( うらぼんえ )は、若い男女が思いきり羽をのばす唯一の祭である。 盆踊りは、柿ノ坂という、養蚕のさかんなことで有名な部落の 仲蔵寺 ( ちゅうぞうじ )で行われる。 谷口家先祖代々の墓も、この寺にあった。 父善助は、子供たちをこの寺につれて来て、祖先の墓の前に立たせ、昔ばなしをするのが好きだった。 もう時代のほどもわからぬ古びた墓石は、原形をとどめぬほど、方々がかけている。 文字もよく読めない。 しかし、善助は、 「ほうれ、この紋を見れ」 といって、墓石の上部を、節くれだった指で示してみせる。 「なんにも、ありゃせん」 子供たちがそういうと、善助は得意になって、語りだす。 「お前たちにはわからんでも、お父っあんには、ありありとみえる。 これはな、 平家 ( へいけ )さんの御紋じゃ。 源平合戦で敗れた平家さんの落武者は、 源氏 ( げんじ )の追討が、えッときびしいもんじゃけえ、日本国中の山奥に逃げこんだんじゃが、このあたりにも来なさったんじゃ。 今はこれだけでも開けたが、わしの小さいころは、この谷は昼間でもお化けの出るようなところでな、平家さんの残党が永いこと隠れて住んどった。 谷口家も、平家さんの一門じゃ。 根ッからの土ン百姓とはちがうぞう」 マンは、先祖が平家であろうがなかろうが、格別、なんとも思わなかった。 父の自慢するのがおかしかった。 どうかすると、そのことに父の衰えを感じて悲しかった。 ところが、このことは村では由緒めかして取り沙汰され、村長の家から、二男というのに、ぜひマンをくれと縁談の申しこみがあった。 二男坊は大学を出たということだったが、マンは、高慢ちきで、鼻眼鏡をかけたこの男を好かなかった。 いく度、強硬に督促されても、拒絶した。 すると、盆踊りの夜、この男から、寺の裏の杉林にひきこまれ、おさえつけられたのである。 青白い顔なのに、恐しい力だった。 すんでのところに、提灯をつけて、誰かが通りかかり、あやうく難をのがれることができた。 家に帰って、このことを父に報告すると、善助は、「馬鹿たれが。 そんなことはこれからもある。 よう覚えとけ」と、女の護身法を教えてくれた。 専売局の「鬼」に組みしかれたマンの頭に、ぱっと、そのときの父の言葉が浮かんだ。 マンは、もう夢中だった。 しかし、声は立てなかった。 歯を食いしばり、眼だけを怒りに燃やした。 男の股間にさしこまれたマンの右手に、あるかぎりの力がこめられた。 異様な叫び声を発した男の顔色が、スウッと大根葉色に変った。 はげしい 痙攣 ( けいれん )をおこすと、「鬼」はぐったりとなって、そこへ倒れた。 マンは、はね起きた。 飛びすざった。 顔が熱く 火照 ( ほて )り、動悸がはげしく打つ。 肩で大きく息をしながら、見ると、暗い土間に、松の大木をころがしたように、男は横たわっている。 動かない。 そっと、近よった。 眼がひきつり、 乱杭 ( らんぐい )歯をむきだしにして、唇の部厚な口が、ポカッと開いている。 狸のようである。 マンは、耳を男の胸にくっつけてみた。 それから、そこらに散乱している煙草の葉をかきあつめ、笊に入れた。 それを持って、水車小屋を出た。 井戸の底から見あげるような空に、うす赤い夕焼雲がただよい、一羽の 鳶 ( とび )が悠々と舞っている。 あたりには、家もなく、人影もない。 キョーン、と一声、遠くに、狐の声が聞えた。 マンは、水車のところに来た。 笊を置き、水車をまわしている瀬の岸にしゃがんだ。 落ちて来る谷川の流れで、手を洗った。 それから、水を両手ですくい、ごくごくと飲んだ。 咽喉がひどくかわいていた。 澄んだ冷たい水が、食道から胃袋へ通ってゆくのがわかり、 「ああ、おいしい」 と、思わず、声が出た。 かすかな黄昏の光のなかで、マンは、すぐ眼のまえの流れに一匹の 鮠 ( はえ )のいるのを認めた。 水はかなりはげしく流れているのに、小さな魚は流れにさからって、間断なく 鰭 ( ひれ )をうごかしながら、ほとんど停止している。 すこしずつ、進む。 それを見ると、マンはしいんとした気持になり、すこし落ちついた。 マンは、もう一度、両手で水をすくい、それを口一杯にふくんで、立ちあがった。 小走りに、また、小屋の中に入った。 倒れている役人のところに行き、顔を目がけて、プウッ、プウッと、二度に、水をふきかけた。 すると、男の顔がびくついて、開いていた口がふさがり、ウウン……と、くぐもった 呻 ( うめ )き声が、咽喉の奥底から起った。 役人が動きだす気配を知って、マンは表に飛びだした。 水車のところに置いた笊をとると、一散に、走った。 恐しいのか、悲しいのか、腹だたしいのか、それとも、うれしいのか、わからず、彼女は、ただ、早く家に帰りたかった。 谷川に沿った 小径 ( こみち )を、わき目もふらず急いだ。 稔った稲穂のうえを、しだいに強くなった風がわたって行くと、湖のようである。 また、キョーンと、するどい狐の一声が、今度はすぐ耳の間近でひびいた。 いくつも坂を越えた。 やっと、前方にわが家が見えて来た。 ランプの下で、ワラジを編んでいる母の静かな姿が眼に入って、マンは、突然、ぐっと胸がこみあげてきた。 大声をあげて泣きだしたい衝動を、やっと、唇をかんでこらえた。 涙があふれ出て来て、前方のランプの光がゆらゆらと流れた。 このとき、背後で、馬の蹄の音がした。 「マン坊」 と、声をかけられた。 ふりかえると、馬に乗った一人の筒袖姿の青年が、ススキの深い曲り道から、姿をあらわした。 「時やんけえ、びっくりしたあ」 「びっくりするこたあ、なあじゃろ。 狐じゃあるまあし。 ……ほれ、郵便じゃよ」 「どこからな?」 「 門司 ( もじ )の 林助兄 ( りんすけあに )さんからと、……こっちの方は、専売局じゃ」 「専売局?」 マンは、どきっとした。 大川時次郎は郵便配達夫である。 柿ノ坂の郵便局まで来る郵便物を、彼は馬に乗って、部落々々に配達して廻る。 ときには、書留や小包などの大切な物も扱うので、信用の置ける者にしか委せられない。 時次郎は、その点では村中での模範青年といってよかった。 さらに、雨、風、雪、嵐のときにも、配達を休むわけにはいかないので、身体の頑健な者でないと勤まらない。 その点でも、草角力の横綱である時次郎は、最適任者であった。 「おやあ」と、馬上から、時次郎は、マンの顔をのぞきこむようにして、「マン坊、泣いたのとちがうか」 「うんにゃ、泣きはせん」 「それでも、一杯、涙がたまっとる。 マン坊の泣き虫は珍しゅうはなあが、また、村長の二男坊から、いじめられたとみえるなあ」 「誰が、あんな、鼻眼鏡……」 「マン坊の方はそんな気でも、まあだ、 敬 ( けえ )やんはあんたのこと、あきらめんというぞ。 根が狡ン坊のうえに、大学出の智慧者じゃけえ、惚れたがメッチャラで、なにを企らむか知れん。 気をつけんさいや」 「なんでやって来ても、負けやせんよ」 「そんなら、ええが……」 ひろい縁の麦藁帽の下から、きりッとしまった面長の顔が、なにかの思いをこめて、マンを見る。 すこし鈍くはあるが、眼には意志的な光があり、黒く太い眉がたくましい。 マンは、時次郎の瞳にただよっている、その思いというのが、なにか、よく知っている。 そして、マンの方も、時次郎にたいして、或る気持を抱いていた。 「マン坊、今夜、 閑 ( ひま )けえ?」 「うウン、今夜は、ちょっとばかし、用がある」 用はなかったけれども、水車小屋での事件が、どんな結果を生むか、閑であるとはとてもいえなかった。 それどころか、マンは、今にも息をふきかえした「鬼」が、跡を追って来るにちがいないと、びくびくしているのである。 「そうか、閑なら、今夜遊びに行って、ゆるゆる話したいことがあったんじゃがなあ。 …… 明日 ( あした )の晩は?」 「それも、わからんわ」 「たいそう忙しいんじゃなあ。 いつか、おれのために、閑をつくってくれんさいや」 「そのうちにね」 時次郎は、つれないマンの態度に、あきらかに、失望のいろをあらわしたが、それでも、にこにこ顔をつくって、 「そんなら、また」 と、愛馬の 頭 ( こうべ )をめぐらした。 上背 ( うわぜい )のある、たくましい栗毛の四歳馬である。 「時やん」 と、マンは、急に、すこし狼狽した顔で、呼びとめた。 「あン?」 「あんた、 七瀬 ( ななせ )の水車のところを通って、帰りんさるかね?」 「そうよ。 あの道しかないけえ。 それが、どうかしたな?」 「どうも、しやせん」 マンは、くるりと廻ると、飛びあがるようにして、家の方に走った。 家の下の崖まで来て、足音を殺した。 斜になった石段を、そっと登った。 母にさとられぬよう、裏手の牛小屋の方に廻った。 すると、どこにいたのか、愛犬のシュンが、暗闇のなかから飛びだして来た。 はげしく尾をふり、クウン、クウンと鼻を鳴らして、まつわりつく。 「シイッ、シッ」 びっくりして、追ったけれども、シュンは逃げない。 昼間からずっと、一番可愛がってくれる 主 ( あるじ )を見なかったので、よっぽどうれしかったらしい。 煙草葉を入れた笊を落しそうになるほど、騒々しく飛びかかって、じゃれる。 その気配に、 「おマンけえ?」 ランプの下から、母イワが、ワラジ編む手を休めて、表の暗がりをすかして見た。 「はい」 と、しかたなく、答えた。 「お父っあんには、逢わなんだけえ?」 「いンね」 「山に居ったんじゃあ、なあのけえ?」 「煙草畠に行っとりました」 「やンれ、やンれ、お父っあんは、炭焼小屋じゃろうというて、山の方に、お前を迎えに行きんさったんじゃが。 今日は、朝っぱらから、たいそう、狐どんが鳴きよるけえ、おマンが化かされたらいけん、というて……」 「すみません」 マンは、牛小屋に行った。 犬も、ついて来た。 牛は、もう、マンの足音を知って、小屋の板壁を角でつき、足踏みをはじめた。 去年生まれた小牛と二匹、親子ともよく彼女になついている。 ブルルルと鼻を鳴らす。 歓迎の啼き声を出す。 牛小屋に入ると、マンは、棚のうえのランプに、火を点じた。 飼料 ( かいば )桶に、藁を入れてやった。 牛は親子で、早速、それを食べはじめる。 マンは、牛小屋の戸をしめ、ふところから、二通の封書をとりだした。 耳をすまし、誰も来る気配のないのをたしかめてから、兄林助の手紙から先に、封を切った。 小学校三年を中途でやめた兄の手紙は、片仮名で、ところどころに入っている漢字は、全部、嘘字である。 しかし、意味はわかる。 オ前ガ出テクルノヲ待ツ。 ソンナ山オクデ、一生ヲ終ルナンテ、馬鹿クサイト思ワンカ。 思イキッテ、出テ来ンサイ」 それから、いつでも、自分の 親方 ( おやかた )の浜尾組で、 部屋仲仕 ( へやなかし )として引きとること、住居、賃銀、門司の港と町の賑わい、都会の面白さ、などが、たどたどしい、しかし、心をときめかさずには居られないような書きかたで、こまごまと、 記 ( しる )されてあった。 マンは、二通目の封書を開いた。 専売局のも片仮名文であったが、嘘字はなく、これはいかめしく印刷してあった。 「冠省、先般ヨリ申請中ノ願書、 詮衡 ( せんこう )ノ結果、今回、谷口マン儀、煙草女工資格者ト決定セルニ付、採用ノ旨、通告ス」 マンは、二つの手紙を、何度も読みくらべながら、いくらか狂気じみた、夢みる瞳になって、牛小屋の中に立ちつくした。 (どうしたら、よかろうか?) マンは、迷う。 村でも、専売局の煙草女工になりたい希望者は多い。 ひょっとしたら、村娘にとっての、唯一最大のあこがれかも知れない。 しかし、資格に面倒な条件がたくさんあって、なかなか採用にならない。 その金的を、マンは射とめたわけである。 普通なら、飛びあがってよろこぶところだ。 ところが、マンの顔は当惑したように、眉がよせられている。 せせこましい谷底の故郷から、ひろびろとした天地へ出たい。 青春の血を騒がせる漂泊と放浪の思いは、すでに、早くから、絶ちがたい情熱となって、マンの胸に燃えている。 どこに行っても、鼻先のつかえる狭い山奥、田や畠をつくっても、五段歩とつづけられる土地がない。 母の兄、マンには伯父に当る人が、ブラジル移民で成功し、大農園を経営している。 そこには眼のとどかぬところまで続いた農場があり、四季を通じて、自由な耕作ができるという。 マンの空想は、はるかに海を越えて、ブラジルの天地にまで飛ぶ。 これが、マンの憧憬の構図であった。 大川時次郎の顔が浮かぶ。 郵便局に勤めているこの青年を、マンも好きだ。 村一番の男と思う。 時やんも、マンを嫁にしたがっている。 しかし、時やんは一人息子であり、大川家を継いで、生涯をこの部落で終らねばならぬ。 時やん自身も、引っこみ思案のところがあって、村を出る積極的な気持はない。 彼の最後の理想は、柿ノ坂の郵便局長になることにあるらしい。 (そんなのは、いやだ) と、マンは、思う。 表で、足音がした。 牛小屋の前に来てとまった。 「マン坊けえ?」 父善助の声だった。 「はい」 と答えて、あわてて、兄林助の手紙の方を、ふところに隠した。 小屋の戸を開けた。 マンより先に、犬が飛びだした。 背に薪を負い、手に鎌を持った長身の父が立っている。 「なんじゃい、戸をしめこんでしもうて……」 「お父っあん、これ」 マンは、専売局からの封筒をわたした。 ランプの明かりでそれを読む、善助の日やけした顔に、みるみる、狂喜にちかい表情が浮かびあがって来た。 「やンれ、よかったのう。 万歳、万歳」 そういって、両手で、万歳の恰好をし、どんと、娘の肩をたたいた。 「おマン、お前も、うれしいじゃろうのう?」 「はい」 そう答えなければ、しかたがなかった。 囲炉裏 ( いろり )端で、一家、にぎやかな夕食がはじまった。 善助、イワ、長兄倉助、その嫁ミキ、その子の三歳になる松男、弟 牛三 ( ぎゅうぞう )、それに、マンの七人。 マンの採用のお祝いといって、善助は芋 焼酎 ( しょうちゅう )の 燗 ( かん )をつけたが、ふと、思いだしたように、 「専売局といやあ、あの駐在所の鬼が、七瀬の水車小屋でなあ……」と、話しだした。 マンは、胸のなかで、心臓が一廻転したような気がした。 かあッと、顔が燃えた。 眼を皿にして、父の顔を見た。 善助は、上きげんで、焼酎の徳利から、独酌をしながら、 「……なんでも、とうとう、狐に化かされたらしいぞ。 あの鬼奴、いつも、威張りくさっとった。 この文明の世の中に、狐が人間を化かすなんて、そんな馬鹿げたことがあるか。 おれの方が狐を化かしてみせる。 ……なんて、いうてな。 それが、今度は、狐どんからやられたんじゃ。 罰よ」 「そりゃあ、ええ気味じゃが、どがあな風に、化かされんさったとな?」 これも、茶碗で焼酎をかたむけ [#「かたむけ」は底本では「かけむけ」]、もう赤くなっている倉助が、きく。 「わしも聞いたことで、ようは知らんけどな、 高門 ( たかかど )の 武十 ( ぶじゅう )旦那の話によると、こうじゃ。 そしたら、小屋の中から、ウンウン 呻 ( うな )る声がして、なんか、入口から這いだして来た。 旦那はびっくりしたらしいけんど、胆の太い人じゃけ、提灯をさしだして、照らして見んさった」 「それが、専売局じゃったとけえ?」 と、母イワが、身体を乗りだす。 「そうよ。 どがあしたわけか知らんが、腑抜けのようになってな、旦那が声をかけても、返事もせんし、フラフラッと立ちあがって、なんべんか 倒 ( こ )けながら、川の岸をユウラユラ、酔いどれみたいに、歩いて行ったというわい」 「どっちの方に?」 マンは、切迫した声できいた。 「柿ノ坂の方じゃ。 狐に化かされとっても、駐在所に帰る方角だけは、知っとったとみえるのう。 服は泥だらけになっとったというが、そんなことも気づかん風じゃったらしい」 「カバンは持って居らんじゃったけえ?」 「カバン? それまでは聞かんじゃった」といったが、ふっと、不審そうに、「マン坊は、どうして、鬼がカバンを持っとったこと、知っとる?」 「いンね、……役人さん、いつも黒いカバン持っとるけえ、どうしたか、と、ちょっと思うたもんじゃけえ……」 マンは、どぎまぎと答えた。 水車小屋の事件を、マンは父に話さなかった。 誰にも話さなかった。 盆踊りの晩、村長の二男坊から手ごめにされかけたことは、すぐに、父に打ちあけたのに、今日、ふたたび、同じ目に逢いながら、これは隠した。 盆のとき、父から、「これからも、そんなことはある。 よう覚えとけ」といって、教えられた女の護身法を、習ったとおりに実行したのであるから、手柄顔で報告してもよいのに、マンは沈黙を守った。 はからずも、危険から身を守ることができはしたけれども、その方法は、純真で一本気な若い娘を、はげしい 羞恥 ( しゅうち )におとしいれたのである。 得々と報告するどころか、真実を知られることを恐れた。 マンに、新しい一つの秘密ができた。 けれども、また、別にマンの心の奥底に、奇体な力が生まれていた。 その、胸のふくらむような、自覚と、自信とであった。 一週間ほどが、過ぎた。 村の煙草工場の開所式が、盛大におこなわれた。 貧乏部落のくせに、なにかの行事は派手にしたがる癖があって、この工場開きの日は、まるで、お祭騒ぎであった。 「こんな名誉なことは、なあよ。 これで、わしも、もう、いつ死んでもええ」 村長は、禿げあがった頭をたたいて、本心から、そういった。 まだ電燈もつかない、こんな山奥の村に、政府の指定機関が出来たことは、村長にとっては、一世一代の晴れであったかも知れない。 「村長さん、わたしも、あんたに負けんほど、うれしゅうがんす」 そういうのは、 高門 ( たかかど )の 武十 ( ぶじゅう )旦那である。 煙草工場といっても、単に、大地主である武十の家の倉庫を、改造したものにすぎない。 煙草葉をきざむ初期の工程だけをやるのだし、女工も十六人しかいないのだから、結構、それで間にあうのである。 「村長さん、武十旦那さん、わしも、今度のことで、命が三年ほど延びやした。 おおきに、ありがとうございやした」 谷口善助のその言葉も、お世辞ではなかった。 娘のマンが採用されたばかりか、女工頭に任命されたのである。 開所式の当日、広島からやって来た専売局の若い出張員も、にこにこと、挨拶した。 「ここまで漕ぎつけることのできましたことは、村長さんはじめ、近郊各部落の方々の熱意の 賜 ( たまもの )でありまして、本官は、今回、選抜された優秀なる女工さんがたによって、かならずや、期待される以上の成果が、生みだされるにちがいないことを確信いたします。 特に、女工頭の責任ある地位に就かれた、谷口マンさんの活躍に嘱望するところ、はなはだ大であります。 ……本日は、当地方の駐在員である松富五八郎君が、列席できないことは、まことに残念のいたりでありますが、同君は、一週間ほど前、 七瀬 ( ななせ )の水車小屋に隠匿されてあった不法煙草葉を調査、摘発中、ふいに持病の胃ケイレンをおこして以来、病臥中でありまして……」 どっと、会場内に、爆発するような笑い声がおこった。 得意で挨拶していた若い役人はなんで笑われたのかわからず、すこし、むっとした顔つきになって、 「同君は、技能抜群、誠実無類の人物でありまして、日ごろ、諸君を指導しながら、仕事熱心のあまり、今日、殉職に近い難にあわれましたことは……」 また、ひとしきり、会場内は、奇妙な笑いでどよめいた。 役人に遠慮はしていたが、誰もおかしさがおさえきれなかったのである。 笑うことのできなかったのは、マンだけである。 中央にしつらわれた、十六人の女工席の先頭に腰かけていたが、顔がまっ赤に燃えてきて、頭があげられなかった。 「マンさん、ウフフ……」 すぐ後にいたキヌが、マンの腰のあたりを指でつついて、意味ありげなふくみ笑いをした。 キヌも、女工に採用されていた。 マンは、氷の鎌で腰を切られたような寒気がした。 くらくらと、眼まいをおぼえた。 「誰もほんとのことを知らんらしいが、あたしだけは、なにもかも知っとるよ」 キヌの 陰 ( いん )にこもった笑いは、明瞭に、そういっていた。 それから、毎日、マンは、高門の煙草工場に出勤した。 心内ははげしく動揺していたけれども、表面は、この新しい仕事に嬉々として、没頭しているように見えた。 「やっぱり、マン坊はちがうのう」 武十旦那も、彼女の働きぶりに、大満悦である。 毎日、面とむかって、ほめる。 「いンね、旦那さん、つまりません」 「一等葉を、日に三杯もつくるなんて、機械よりも、よう、やりんさる。 五等葉でも、三杯、なんぼうにも出来ん者もあるとに……」 煙草葉は、よい部分、わるい部分と、一等から五等までに分けられる。 それをきざむのだが、一日に、一等葉を一杯(一貫六百目)つくるのも、なかなか骨だった。 それを、マンは、正確に、三杯つくった。 ぞんざいにきざむ五等葉なら、六杯ぐらい作る者もあった。 一杯の賃銀、三銭から四銭。 「マン坊、村長さんとこの敬やんの嫁女になるげなのう」 或る日、工場で、武十旦那からそういわれて、びっくりした。 きいてみると、マンが、煙草工場に採用されたことも、女工頭になったことも、すべて、二男坊の顔と口ききとによるものだということであった。 マンは、唖然とし、嘔吐をもよおした。 敬造は、谷口家を、毎夜のように、訪れて来るようになった。 にやけた声で、しかし、 威嚇 ( いかく )するように、善助を口説く。 「僕が、一口きいたら、今日にでも、マン坊は、工場をクビになるんだよ。 まったく、僕のおかげですよ」 善助は、苦虫をかみつぶした顔で、答えない。 やけに、 鉈豆煙管 ( なたまめきせる )で、煙をふかす。 イワも、無言で、ワラジを編む。 或る雨のそぼ降る日、工場の入口から入って来た男を見て、マンは、思わず、手元が狂った。 庖丁で、指を切った。 「やあ、精が出よるなあ」 「鬼」であった。 相かわらず、黒の詰襟服、黒カバン、黒帽子の大男は、にこにこしながら、まっすぐに、マンの方に歩いて来た。 女工たちの間に、くすくす笑いがおこった。 マンが、血のふきでた左の親指を口にくわえて、無言でつっ立っていると、役人は、 「怪我したのかね、どれ」 と、親切そうに、赤ら顔をつきだした。 ドブロクくさかった。 「なんでも、なあです」 「そうかい」と、憎々しげにうなずいたが、仕事をしている女工たちを見まわして、「やあ、模範的娘ばっかりの展覧会だなあ」 そういって、身体中をゆすりながら、意味ありげに、哄笑した。 マンは、歯を食いしばった。 「鬼」が、水車小屋の中で、罪を帳消しにしてやるからといって、身体を求めてきたとき、「みんな、そうするんじゃがなあ」といった言葉を思いだした。 この女工たちの中にも、「鬼」の毒牙にかかった者があるのだろうか? 役人は、百姓が泣き寝入りするものと定めていたのだ。 マンの例外におどろいたかも知れない。 しかし、「鬼」は、かえって非を悔いるどころか、意地になって、新しく、マンを狙いはじめたようであった。 それから、数日後、時次郎が、また、専売局からの書留郵便を、マンのところに、届けて来た。 「専売法違反ノ科料、金二円五十銭也ヲ収メヨ」という命令書であった。 駐在員の松富五八郎が、谷口家を訪れて来た。 マンの方を、じろじろ横目で見ながら、 「善助さん、罰金が来たそうだねえ?」 「来ました」 「 姐御 ( むすめご )の親孝行が、かえって、仇になったというところですかな。 ……だが、なあ、善助さん、この罰金、収めずにすます方法が、なくもないんだがねえ」 「いンね、ええです。 収めます」 「そんな 空威張 ( からいば )りしたって、損だよ。 政府だって、血も涙もあるんだから、恩恵に浴してはどうかね? 便法があるが。 ……科料は大したことはないけど、前科がつくし、第一、罰金を収めに、岡山裁判所までも行かねばならんよ」 「行きます」 「お 上 ( かみ )に楯ついて、得はないのになあ」 「鬼」は、せせら笑って立ちあがった。 大股で、悠々と帰って行った。 「お父っあん、すみません」 「マン坊、なあに、心配はいらん。 お父っあんが、よう知っとる」 マンは、わっと泣き伏した。 善助は、罰金を収めるために、岡山に向かって、出発した。 二円五十銭といえば、科料としては最低であったが、収めに行くのが大変である。 大旅行といってよい。 広島の山奥から、谷をわたり、山を越え、幾日も泊りを重ね、やっと、鉄道のあるところまで出て、汽車に乗る。 岡山市にたどりつき、裁判所に、科料金を納入すると、また、同じコースを引きかえす。 罰金の数倍の費用を使い、善助が、村に帰りついたのは、家を出てから十三日目であった。 善助は、疲れた顔も見せなかったが、日ごろ愛用していた鉈豆煙管、タバコ盆、タバコ入れ、等を、くるくると、油紙につつんで、仏壇の下の物入れにつっこんでしまった。 イワが、妙な顔して、 「あンれ、お父っあん、どがあに、しんさったな? 好きな煙草を、押しこんでしもうて……」 「おれが煙草を吸うもんじゃけえ、マン坊が心配して、罪をおかすようなことをする。 今日かぎり、ふっつりとやめた」 マンは、また、涙が出た。 こういうことがあっても、なお、苦しい気持をいだいて、煙草工場に通っていたが、或る風のはげしい日の夕暮どき、マンは、七瀬の水車小屋の横で、大川時次郎とキヌとが、むつまじげに語らっている姿を見た。 観音堂のかげから、眼を据えた。 遠くからで、言葉をききとることはできなかったけれども、肩を接するようにして、なにか、大声で、楽しげに笑いさんざめいている。 これまで感じたこともない、不可解な嫉妬の感情が、マンの胸いっぱいに溢れた。 (なあんじゃ) くッ、くッ、と、笑いのような、 嗚咽 ( おえつ )のようなものが、胸の奥底からつきあげて来た。 二人の姿が、狐と狸のように見えた。 清冽 ( せいれつ )な流れを、黄昏のうすい光に散らしながら、水車がゆるい速度で廻っている。 それから、数日後、彼女の姿は、この谷底の部落から、消えていた。 明治三十五年、晩秋。 谷口マン、十九歳。 [#改ページ] 「ええ天気じゃのう。 お城があんなに、きれいに見えるぞな」 「天気ばかりようても、こっちの方は、大雨、大風、大嵐じゃ」 「そがいに、悪いのかい? 金 ( きん )坊」 「悪いというても、 清 ( せい )ちゃんのような鍛冶屋の 倅 ( せがれ )には、わかるまいけんどな。 この車に積んどる蜜柑を、今日、問屋で、言い値で引きとらなんだら、破産じゃと、 親父 ( おやじ )がいうとった」 「ふうン」 「それで、おれに、談判して来いというんじゃ。 兄は 上手者 ( じょうずもん )じゃけど、問屋からいいくるめられてばっかり居るけに、兄はやらん。 いつも、むつかしい談判には、末ッ子のおれを使いさすんじゃ」 「そら、そうじゃろ。 お父さんの考えが、おれにもわかるぞな、もし」 「どうなるか、当って砕けるつもりじゃが、もし、都合よう行ったら、 道後 ( どうご )の風呂に入って、遊んで来てええ、って、親父がいうた」 「その時は、おれもつれて行ってくれや」 「うん、……だが、どがいなことになるか……?」 眼に痛いほど、濃く深く澄みわたった青空に、くっきりと、松山城の天主閣が浮き出ている。 街の中央に、百三十メートルほどの高さで聳えている 城山 ( しろやま )は、全山、豊富な樹木に掩われていて、緑の瘤のようだ。 頂上の白い城は、しゃれた山高帽に似ている。 はるかに、この城を望みながら、蜜柑山の間を縫っている街道を、一台の馬車が行く。 その馬車には、蜜柑箱が数段に積みかさねられて、前部の箱のうえに、二人の青年がならんで、腰かけている。 ひろい縁の麦藁帽をかぶっている方の男が、両手に持っている手綱と鞭とで、上手に、馬をあやつりながら、馬車を進める。 金坊と呼ばれた方で、身体つきががっしりとし、肩幅がひろい。 丸味のある顔は浅黒いが、まくりあげたシャツの先から出ているたくましい腕は、光るほど白い。 片方の青年は、ちんちくりんで、色が黒く、貧相たらしい。 かぶっている鳥打帽も、煮しめたように垢じみ、穴がいくつもあいている。 二人とも、蜜柑山で掩われたこの村の青年だ。 馬車の出発した、この部落の名は、 愛媛県 ( えひめけん ) 温泉郡 ( おんせんぐん ) 潮見村 ( しおみむら ) 字 ( あざ ) 吉藤 ( よしふじ )。 くねくねと、やたらに曲りくねった道を、馬車は、松山市の方へ進む。 この「 七曲 ( ななまが )り」といわれている街道は、昔、敵兵が攻めて来るとき、城の天主閣から、どの道に来てもわかるように、わざと 紆余 ( うよ )曲折させたものだという。 「金坊、お前んとこの 嫂 ( あによめ )さん、やっぱり、いけんかい?」 「どうもこうも、いけんなあ。 だんだん、 いけずになるばっかりじゃ。 おれをこきつかう分はかまわんが、兄に、ひどい陰口をいうには、へこたれる。 ……なんて、いう。 小使を五銭くれりゃ、兄には、十銭やった、というし、髪つみに十銭貰や、人には、十五銭やったという」 「そんなかな? もし」 「清ちゃん」 金五郎は、なにか思いついて、眼をかがやかせた。 「うん」 「一生の頼みがあるんじゃがな」 鍛冶屋の清七は、お人よしで、 かんの鈍いことで有名である。 金五郎から、いつも、「お前は、朝、頭をたたかれて、夕方ごろになって、アイタ、というような男じゃ」といって、からかわれる。 それで、今、親友が、切迫した顔つきと語調とで、一生の頼みがある、といっても、のびやかな顔で、表情も変えず、 「なんぞな? もし」 と、間のびした声で、ききかえしただけであった。 しきりに、鼻糞をほじくる。 「鍵を、一箇、作ってもらいたいんじゃがなあ」 「どがいな鍵ぞな?」 「それが、……ちょっと、わからんのじゃが……?」 「わからん鍵は、でけんなあ」 「清ちゃん、お前じゃけに、打ちあける。 実は、兄夫婦が、いつも、銭を入れとる 箪笥 ( たんす )がある。 その箪笥の鍵は、嫂が持っとる。 その鍵と 同 ( おんな )じ鍵が欲しいとじゃ」 「箪笥の銭を泥棒するんかな、もし?」 「いや、盗むんじゃない。 借 ( か )るんじゃ」 「箪笥をあけて、黙って借るんかな?」 「そうじゃ」 「借るんなら、鍵を作ってあげてもええぞな」 「どがいにしたら、同じ鍵ができる?」 「鍵穴に、墨を塗りつけてな、半紙で押して、型を取って来なさい」 「そうか、おおきに」 かんは鈍いけれども、清七の腕の方は、金五郎は信用していた。 馬の蹄鉄でも、馬車の軸でも、柑橘類の 剪取 ( きりとり )に使うハサミでも、清七は、馬鹿叮嚀に念を入れるので、よその鍛冶屋のよりは、数等堅牢で永持ちがした。 きっと、ちゃんと、箪笥に合う合鍵ができるにちがいない。 やがて、馬車は、松山市内に入って行った。 城下町の名残りをとどめている古い家が、いたるところにあり、武者窓のついた部屋の内側から、パタン、パタン、と、伊予絣を織っている 機 ( はた )の音が聞えて来た。 萱 ( かや )町にある果物問屋の前まで来て、馬車をとめた。 のれんをくぐって、金五郎は入った。 暗い中に香ばしい果物のにおいが立ちこめている。 ひっそりとした店の帳場で、内儀が一人、老眼鏡をかけて、雑誌を読んでいたが、表の方をすかすようにして、 「どなたかな、もし?」と、顔をあげた。 「 吉藤 ( よしふじ )の玉井です」 「ああ、 金 ( きん )さんじゃなあ。 ちょいと、お待ちいな。 うちのも、あんたの来るのを、さきにから、待っとった。 じき呼んで来るけに……」 内儀と入れちがいに、主人があらわれた。 色の青い、小柄な中老人だが、 辣腕 ( らつわん )な商人として鳴りひびいた男である。 金壺眼の奥に、 狡 ( ずる )そうな淀んだ光が沈んでいる。 すぐに、商談がはじまった。 店先の框に、腰を下した二人の間に、 算盤 ( そろばん )が置かれた。 金五郎が、算盤の玉で示した値段にも、さほど関心を持っていないようにすら見える。 金五郎は、すこし、じれて来て、 「どうですか、この値では?」 それでも、黙っているので、 「これ以上は、一銭もまからんですよ。 早う、手を打って、金を渡しなさい」 すこし声を大きくして、詰めよった。 睨むようにした。 正直のところ、金五郎は、心内、すこし狼狽していた。 まずいことになった、と思う。 こういう談判の仕方になっては、負けだ。 そこを揉みあって、3に定まれば、大成功のつもりであった。 のみならず、妙に意味ありげな微笑を浮かべている。 金五郎は、すこし、気味が悪くなった。 「まあ、まあ」と、やっと、相手は口を開いた。 あんたには、 山殺しという綽名がついとるのを御存知ですか」 「そがいなことは、どがいでもええが、……金さん、ほんとに、それだけないと、玉井ではお困りかな?」 「困ります。 破産します」 「それでは、こがいにしよう。 うちも商売じゃけに、みすみす、大損はしとうない。 あんたの言い値で取ったら、こっちが破算する。 「わたしの考えひとつ?……」 わからなかった。 「なあ、金さん、ざっくばらんで行こう。 あんたは、 黒石家 ( くろいしけ )に養子に行くことを、どがいにしても承知せんそうじゃが、考えを変えて、行きなさい。 それが、なにもかも円満解決の上分別。 黒石はわしの親戚になるけに、あんたを養子に世話してくれりゃ、お礼の金を出す。 それを、この腐れ蜜柑の代金として、あんたに払う。 三方めでたくおさまるわけぞな」 金五郎は、唖然とした。 呆然となった。 思いも設けぬ伏兵である。 (一杯、食った) 唇を噛んで、息をのんだ。 黒石家から、金五郎を養子に欲しいという申し入れは、もう、長い話である。 当主黒石幸作は、潮見村で一二といわれる分限者だが、子供が一人しかない。 それが、娘で、角力取りのような大女のうえに、すこぶるつきの 醜女 ( ぶおんな )と来ている。 どうしても、婿養子をしなくてはならぬけれども、来手がない。 女には眼をつぶり、財産目あてで来ようという者もないではないが、そういうのは黒石の方で気に入らない。 身体が頑健で、仕事が出来、男ぶりも十人並、親を大事にし、娘を可愛がってくれる男が欲しい。 その白羽の矢が玉井家の三男坊、金五郎に立てられたのである。 「村中見わたしても、金さんをおいては、他に一人も、これと思う男は居らんでなあ」 黒石幸作は、そういう。 中風が出て、すこし不自由な身体を、自身で、何度も、玉井家に運んで来た。 父卯八や、兄 卯太郎 ( うたろう )は、先方の莫大な財産に、食指がうごかないでもなかったので、 「どうじゃ、金坊、黒石に行って、ヤス坊を嫁にして、村一番の物持になるかい?」 と、誘いをかけてみたが、 「死んでも、行かん」 金五郎の答は、その一点張りであった。 日ごろ、金五郎を邪魔者あつかいにしている嫂のスギなどは、 「お前は、馬鹿ぞな。 こがいな棚ボタばなしが、世界のどこにあるもんか。 わたしがお前なら、 慰斗 ( のし )をくわえて、飛んで行くが」と、義弟の無慾を罵倒した。 黒石の一人娘ヤスも、「金さんでなければ、いや」といって、駄々をこねているとのことである。 金五郎は、窮した。 さあ、思いきって、手を打とうじゃないけ?」 「わかりました。 わたしが、黒石の養子に行けば、蜜柑を全部、四で、引きとってくれるというんですね?」 「そのとおり」 「四で、値引きを一つもせず、即金で払ってくれるというんですね?」 「そのとおり」 「よろしい。 やっぱり、金さんはものわかりがええ。 これで、三方、丸くおさまるというもんじゃ」 それから、金五郎は、「相違ナク、黒石家ニ養子ニ参リマス」という証文を書かされた。 空 ( から )になった馬車に乗って、金五郎と清七とは、 道後 ( どうご )温泉に行った。 湯の町は、松山とはつづいている。 鍛冶屋の清七は、取引のなりゆきを、心配しながら、見ていたが、友人が、あんなにもいやがっていた黒石家の養子を承諾したので、びっくりした。 馬車の前部に、肩をならべながら、「金坊、お前、ええのけ?」と、不審顔で、きく。 「ええ、ええ。 どういうたって、仕方があるもんか。 家の急場をしのぐにゃあ、もう、この一手じゃ」 「そがいにいうても、養子は一生のことぞな、もし」 「放っといてくれ。 おれに、すこし考えがあるけに」 「そうけ?」 「それでな、清ちゃん、来るとき頼んだ箪笥の合鍵は、もう作ってもらわんでも、ええ。 要らんことになった。 今夜は、湯町で、やりっぱなしに散財しよう。 もう、やけ糞じゃ。 お前、つきあえよ」 「そら、つきあいはするが……ほんとに、金坊は、なにをしでかすか、わからんなあ……」 「お前にも、煙草銭やろ。 そのなかから、目ノ子算で、いくらかをつかみだして、清七の手のひらに握らせた。 公園になっている湯町の入口に、小さい骨董屋があった。 あまり高級でないガラクタ店である。 馬車を止めると、金五郎は、つかつかと、その店に入った。 「やあ、金さん、おいで」 赤鼻で、禿頭の親父が出て来た。 木魚のように、口が大きい。 「こないだから、銭がでけたら貰うというとった 助広 ( すけひろ )の短刀な、あれをおくれんかな」 「がいに、儲かったのけ?」 「雀の涙ばかり」 「蜜柑じゃあ、今年は、みんなが損ばかりしよるとに、やっぱり、金さんじゃなあ」 紫の袋につつんだ一振りの小刀を、奥からとりだして来た。 うけとると、鞘を抜き、よくあらためてから、金を払った。 骨董屋を出た。 「あがいに、前から欲しがっとったのを、とうどう、手に入れたなあ」 清七も、金五郎の刀剣好きを知っていたので、祝福の言葉をのべた。 馬車を知りあいの果物店にあずけて、共同湯に、行った。 浴室はいくつかあったが、「神の湯」という、ひろい 湯槽 ( ゆぶね )に入った。 青く淀んでいる、ぬらりとした湯に、首まで浸ると、金五郎は、なにか、ぐったりとなって、不思議な疲れをおぼえた。 白い湯気のなかで、眼をとじると、夢を見ているような心地になる。 あまりよくない夢である。 頭が重く、口中がほろ苦い。 その耳に、すぐ傍で、 「 兄 ( あん )ちゃんや」 という、聞きなれぬ声が聞えた。 眼をあけた。 さっきから、一人で、 蛇口 ( じゃぐち )のすぐ下に浸っていた、角刈頭で、色の青黒い、全身に 彫青 ( いれずみ )をほどこした、眼つきの鋭い男である。 「わたしですか?」 と、金五郎は、問いかえしたが、すぐに、この男を見るのは、はじめてではないことに気づいた。 先刻、湯槽に降りて来る前、二階の大広間の脱衣場で、番茶をすすり、塩せんべいをかじりながら、清七と 高話 ( たかばなし )をした。 そのとき、二間とははなれていないところに、 浴衣 ( ゆかた )の 諸肌 ( もろはだ )をぬいで一人の男が寝ころがっていた。 その男にちがいない。 むきだしの痩せた身体を、いっぱいに埋めつくしていた、 般若 ( はんにゃ )と 大蛇 ( おろち )の彫青に、見おぼえがある。 四十年配だ。 そのあげくに、 「今夜、散財するのもええが、大事な現金をたくさん持っとるけに、早目に切りあげて、帰った方がええぞな」 大きな声で、そういった清七に、金五郎は、いきなり、膝をつねって、合図した。 かたわらの彫青男が、眼をぎらつかせて、聞き耳を立てていることに、気づいたからである。 しかし、 かんのにぶい清七は、さらに、金五郎から、眼くばせされても、まだ、わからず、 「なんするのぞな、無茶しよって。 痛いじゃないけ。 金さんの力で、ひねられてたまるもんけ」 と、恨むまなざしで、友達を見た。 金五郎は、はがゆくてたまらなかったが、 「清ちゃん、お前、今度の鎮守祭には、「 三勝 ( さんかつ )半七」を語るのけ?」 と、話題を転じた。 「いんや、「太閤記十段目」にしようと思うとる。 ……じゃが、痛いなあ。 青じみになったわ。 どがいなわけで、金坊は、こがいなひどいことを……」 なおも、清七が、ぶつぶつと、そんなことをいいかけると、寝ころんでいた変な男は、くるりと起きあがった。 浴衣をぬぎ、手拭をぶら下げて、急ぎ足で、湯槽への階段を降って行った。 金五郎は、清七に、「もう、銭の話は、すな」といましめた。 しばらくして、二人とも、裸になって、湯槽に降りた。 すると、そこに、先刻の男がいたのである。 「神の湯」の札を買ったことを知っていて、待ちかまえていたのかも知れない。 ひろい石の湯槽に、客は、三人しかいなかった。 「兄ちゃんは、きれいな身体してるなあ」 角刈の男は、折った手拭を頭にのせたまま、つうっと、金五郎の方へ、寄って来た。 「なに、土百姓じゃけ、泥と一つことです」 金五郎は、しかたなしに、苦笑して、答えた。 「いいや、そうじゃない。 ほんとに、色が白くて、 肌目 ( きめ )がこまかい。 おれの肌とは大ちがいだ。 あんたのような身体に、 彫青 ( いれずみ )したら、そりゃあ、みごとなもんだがなあ」 「滅相もない。 百姓の子が、彫青なんて……」 「兄ちゃんは、 何年 ( なにどし )かね?」 「 辰 ( たつ )です」 「辰? ほう、いい 干支 ( えと )だ。 おれは、 巳 ( み )の年だから、蛇を入れたが、兄ちゃんなら、ピシャリ、 龍 ( りゅう )だなあ。 彫りあがったら、惚れぼれするぞ。 おれのは、こんなに、汚ねえが……」 男は、金五郎の腕をつかんだ。 医者が、患者を診察するような手つきで、しきりと、腕や、肩を、骨ばった指先で、さすったり、もんだりする。 背中の方まで廻って、眺めながら、「ふウむ」と、なにやら、うなずく。 金五郎は、男のするがままに、まかせていた。 清七は、気味わるがって、何度も、相手にするな、という風に、眼くばせしたり、湯の下で、金五郎の尻をつねったりした。 やがて、怪しい男は、診断を終った医者が、判定をくだすように、妙なことをいいだした。 「立派な体格だ。 おれが女なら、首ったけになるよ。 百姓には惜しい。 龍の彫青でもしたら、大前田英五郎のような親分になることは、うけあいだ」 この男が土地の者でないことは、言葉からでも、態度からでも、明瞭だった。 道後温泉には、旅の者が多く入湯に来るから、他国者のいることは珍しくない。 しかし、こういう、生粋の江戸弁を使う、全身総彫青の男などは、よく湯町に来る金五郎も、これまで、見かけたことはなかった。 金五郎は、好奇心をおぼえて、からかってみる気持になった。 「土ン百姓の子でも、親分になれますか」 「そりゃあ、なれるさ」 「実は、わたしも、侠客が好きなんです。 ……って、考えたことはあります」 「とんでもねえ、 兄 ( あん )ちゃん、そりゃあ、考えちがいだ」 「どうしてです」 「次郎長や、忠治、ってえのは、いけねえや。 侠客の屑さ。 喧嘩を売り物にする奴は、駄目だ。 ほんとうのいい親分は、喧嘩をしねえな。 だから、大前田英五郎ってえのは、えれえよ」 「大前田英五郎というのは、知りませんね」 「そうよ、斬った張ったをやらねえから、講談や浪花節にはならねえんだ。 つまらねえ侠客というのは、みんな、派手なものさ」 金五郎は、はじめは気味のわるい印象を持ったこの男に、すこし、興味と親しみとを感じて来た。 「親分さん」 と、呼んでみた。 男は、ケッ、ケッ、ケッ、と、鶏のような声で笑いだして、 「おれは、親分じゃねえや」 「そんなら……」 「三ン下さ。 ……だが、なにか用かね?」 「親分になるのには、どがいにしたら、ええでしょうか」 「さあ、なあ、……? 一口では、いえんなあ。 ……兄ちゃんは、すこしは、やんなさるか」 「なにをです?」 「これさ」 男は、右手で、 骰子 ( さいころ )を投げる恰好をした。 しかし、金五郎は、その意味がわからなかった。 「それ、なんのことで?」 「ははあ、兄ちゃん、まだ、ズブの素人だな。 丁半 ( ちょうはん )さ。 ばくちだよ」 「やったこと、ありません」 「どうだ、兄ちゃん」と、男は眼を光らせた。 「今夜、盆につきあわねえか。 仲間が四五人来てるんだ。 面白いぜ」 清七は、いよいよ、悪漢が本性をあらわして来たと思った。 前よりも力をこめて、金五郎の尻をつねった。 金五郎は、その手を、湯の中で、はねのけておいてから、 「三ン下さん、ぜひ、今夜仲間に入れてつかあさい」 と、いった。 「いいとも、いいとも。 そっちの兄ちゃんと二人で、やって来な」 そして、 盆茣蓙 ( ぼんござ )の開帳される筈になっている場所や、時間を、詳しく教えた。 それから、急に、「ああ、うっかり長湯して、のぼせてしまった」と、まるで、オットセイが水から飛びあがるような具合に、あわただしく、「神の湯」から、出て行った。 白くたちこめる湯気の中に、背に 彫 ( ほ )られた恐しい般若の面が、すっと消え、ちょっとの間、妖しい雰囲気がただよった。 「金坊、お前、やめとけよ」 「かまん、かまん。 なんでも、知らんことはやってみるんじゃ。 勉強じゃけに」 「そうけ?」 金五郎は、手拭で、白い身体をゴシゴシこすりながら、遠くを見る眼になった。 金五郎が、支那へわたりたいと考えはじめたのは、もはや、二年や三年のことではなかった。 せまい村の中で、こせこせと、ちっぽけな争いをくりかえしている息苦しさ、馬鹿々々しさ。 伊予蜜柑の産地として、聞えているとしても、その面積は猫の額ほどにすぎぬ。 金五郎の眼には、一望千里の間、ふさふさと、あらゆる季節の果実をみのらせた大果樹園が浮かぶ。 おさえがたい青春の血は、すでに、自由を求める漂泊と放浪との思いを、たぎる情熱と化せしめていた。 突然、奇妙な伝説の動物が、荒々しく登場したのである。 (龍になって、昇天するんだ) 湯槽の一角に、蛇口があって、そこから、間断なく、豊富な湯がはきだされている。 その湯口は、青銅で彫られた龍である。 これまで、注意したこともなかったのに、今、金五郎は、その龍が、自分になにかの謎をかけ、話しかけているような気がした。 (あの、変なバクチ打ち奴、つまらんことをいいやがる。 からかってやったら、本気にしやがった。 誰が、親分なんかになるものか。 彫青なんて、馬鹿にするな。 龍になり、雲と風とに乗って、大空を 翔 ( か )けまわるんだ) 金五郎の大きな眼からは、狂気に似た光が、ギラギラと発散した。 湯を出ると、うどんを食べてから、彫青男から教えられた「四国屋旅館」に行った。 散財は後廻しにした。 この宿屋は、色町の中央にあって、料亭も、貸席も兼ねている。 例の男が、玄関まで、迎えに出た。 盆の開帳されている奥座敷へ、案内してくれた。 襖がひらかれた瞬間、金五郎は、思わず、かるいおどろきの声が出た。 こういう光景を見るのは、はじめてである。 湯槽の中では、四五人、仲間が来ていると聞いたので、狭い部屋で、こっそり、こじんまりしたバクチが、行われるものとばかり思っていた。 ところが、今見ると、まるで、宴会場だ。 三十畳ほどの広間の中央に、四十人ほどの客が、ずらりと、二列になって向きあっている。 列の間に、長い茣蓙が敷いてある。 もう、早くから、はじまっていたらしく、座には、殺気のようなものが、 漲 ( みなぎ )っているのが感じられた。 むんむんする人いきれがただよっている。 金五郎がおどろいたのは、そればかりではない。 博徒の中に、女が五六人いるうえに、男客の中には、顔見知りの者が、二三にとどまらぬことであった。 彫青男は、きょろついている金五郎を、会心そうに眺めながら、 「 兄 ( あん )ちゃん、豪勢なもんだろう。 遊びにも、いろいろあるが、これは、一番あたりまえの丁半だ。 この街の堅気の旦那衆も、たくさん見えてござる。 どんな素人でも、すぐに覚えられるという奴だ。 丁方 ( ちょうかた )か、 半方 ( はんかた )かになって、好きなだけを張ればいいんだ。 ……兄ちゃんは、どっちになさる?」 「どっち、といいますと?」 「丁かい? 半かい?」 骰子 ( さいころ )の目の偶数が丁、奇数が半くらいのことは、金五郎も知っていた。 「さあ、どっちがええかなあ……?」 「九半十二丁、といってな、二つの骰子の目の組みあわせじゃあ、丁の目が、半より三つ多いことになってるんだ」 「金坊」と、横から、清七が袖をひいて、「丁にしいな。 なんぼうでも、多い方がええぞな」 「半にしましょう」 と、金五郎は、いった。 半方の列の間に、わりこんで坐った。 「やあ、これは」 と、何人もが挨拶する。 でっぷり肥った五十男が、親分らしい。 丁方の中央に 胡床 ( あぐら )をかいて、悠然と、巻煙草をくゆらせている。 中盆 ( なかぼん )と 壺振 ( つぼふ )りとを兼ねているのは、若い女である。 銀杏 ( いちょう )返しの髪はすこしみだれ、ほつれ毛が、紅潮した長顔に、しどけなくたれかかっているが、金五郎の眼をひいたのは、腕まくりした女の右腕の、美しい彫青であった。 大きな牡丹に、数羽の蝶の群れている図柄だが、その牡丹の花は、眼にしむほど、あざやかな朱で彩られている。 丁半両者の賭金がそろうと、 「勝負」 女は、丸味のある声でいって、ぱっと、白い手で、壺笊を伏せた。 二つの骰子が、カラカラッと鳴って静まった。 金五郎は、その女の不思議な色気に、圧倒された。 こういう女を見たことがない。 思わず、見とれていると、壺笊に手をおいたまま、座中を見まわしていた女の視線が、自分に来た。 金五郎は、どぎまぎして、ふいに、赤らんだ。 女の眼も、金五郎にとまって動かなくなった。 金五郎は、女から、二人置いた右手にいた。 女の眼にも、おどおどした金五郎の田舎者らしい様子は、いかにも素人くさく映ったものであろう。 やさしく、弟でもさとすような語調で、 「 兄 ( あん )さんは、お張りになったの?」 と、いった。 「いいえ、……まだ、……」 思いがけず、声をかけられて、金五郎はびっくりして答えた。 「今からでもいいわ。 お張んなさい。 きっと、丁方で、受ける方がありますから」 「張ります」 なんだか、ぼうとした気持になって、財布から、一枚の紙幣をつかみだした。 それを、前の茣蓙のうえにさしだした。 「ほう、……十円」女は、わざとらしく、おどろいてみせて、「半方の若い兄さんから、猪が出ました。 丁方で、どなたか、お合わせになる方はありませんか」 と、一座を見まわした。 「勝負」 もう一度、女は、そういって、ばっと、壺笊をあげた。 「半」 がやがやと、座はひとしきり、ざわめいた。 女は、負けた丁方の賭金を全部あつめ、半方の賭金額に応じて、それを分配した。 どんな風に、テラ銭が差し引かれたのか、わからなかったが、金五郎の張った十円には、八円が配当された。 「兄さん、目が出そうだわね」 中盆の女が、二つの骰子を、手のひらで転がしながら、金五郎に笑いかけた。 歯が美しい。 「おかげさまで、まぐれ当りいたしました」 急に、かえす言葉が見つからなくて、そんなとんちんかんな返答をした。 そして、耳のつけ根まで赤くなった。 どっと、 囃 ( はや )すような笑い声がおこった。 それから、何度か、勝負はつづけられた。 金五郎は、四五回目には、もう、呼吸をのみこんでしまって、張ったり張らなかったり、金額も、増したり減らしたりした。 時間の経つのが、わからなかった。 チン、チン、チン、チン…… 急に、時計の音に気づいて、柱時計を見た。 十一時である。 びっくりして、立ちあがった。 「こら、いかん。 親父が心配しとるけに、帰ろう」 「勝ち逃げかね?」 彫青男が寄って来て、笑いながら、いった。 「家が遠いけに、失礼します」 「そうかい。 そんなら、また、おいで。 一週間ほどは、毎晩、やっとる。 兄ちゃんは、しこたま取りこんでるから、途中、気をつけてな」 「はい、お邪魔いたしました」 金五郎の胴巻はふくれあがり、妊娠腹のようになっている。 そのうえに、助広の短刀をさした。 清七と二人、また、空馬車に乗って、帰った。 散財はやめにした。 月明である。 冬の夜空に、松山城が浮きあがり、なにかの花の香が、街道いちめんに流れている。 その年が、明けた。 松の内に、黒石家では、金五郎を養子に迎えるめでたい式が、一種、狂気じみた盛大さで、もよおされた。 式が派手で、金がかかるほど、養子をつなぎとめる鎖が太いわけなのである。 雪の降る日であった。 「お前は、がいな親孝行 者 ( もん )ぞな」 厄払いができたうえに、まさかのときには、養子先から、金の引きだせるあてもできたので、嫂のスギは、大満悦である。 急に、金五郎を、下に置かぬあつかいをした。 鍛冶屋の清七には、どうしても、友人の計算がわからない。 黒石家には、「死んでも行かん」といっていたのだから、金ができたら、やめればよさそうなものだ。 養子に行くなら、と、ペテンのような戦術にひっかかった。 やむなく、承諾した。 ところが、その帰りに、偶然にも、丁半バクチに加わって、大勝利を博したのだ。 男が、いったん、約束したことは破られん」 金五郎は、不機嫌にそういっただけであった。 よろこんだのは、ヤスである。 永年の宿願がかなったのであるから、露骨に、不器量な顔をほころばせて、どんなつまらないことにも、うれしげに、げらげら笑った。 彼女は智能の程度も、小学三年生並であった。 ところが、それも、束の間であった。 ヤスと、金五郎との間に、奇妙な争闘が展開された。 それは、はじめは、閨房の中から、はじまった。 金五郎は、いつも、一人で寝て、絶対に、ヤスを相手にしないのである。 いくら、ヤスが要求しても、応じない。 ヤスは、泣きだす。 「金さん、あんた、どがいなわけで、わたしを可愛がって、おくれでないのぞな?」 「おれは、養子には来たが、あんたの婿に来たんじゃない」 「養子に来れば、わたしが嫁にきまっとるじゃないけ?」 「養子に行くことは約束したが、あんたの婿になることは約束しとらん」 「ははあ、……」ヤスは、怒りと 猜疑 ( さいぎ )心とにあふれた眼つきで、「あんたも、財産目あてで来たんじゃな?」 「とんでもない。 おれは、財産なんか、 鐚 ( びた )一文欲しゅうはないよ」 「そんなら、なんで、来た?」 「だから、養子の約束したけに、養子に来たというとるじゃないけ」 二人の話は、水かけ論で、 埒 ( らち )があかない。 ヤスは、我慢しきれなくなって、金五郎に飛びかかる。 大女の怪力で、油断していた金五郎は抱きすくめられる。 おさえつけられる。 ヤスの身体は、火のようだ。 金五郎は、やっと、情炎に狂う女をつき放して、表に逃げだす。 そんなことが、毎夜であった。 金五郎は、家を外にするようになった。 道後 ( どうご )温泉に行くと、三日も四日も、帰って来ない。 酔っぱらって、警察の厄介になったことも、数度あった。 自然の順序として、金五郎の放埒は、村の評判になる。 養子縁組の仲介役をつとめた村長が、金五郎を呼びつけた。 「金さん、目にあまるぞな。 お前、どないなわけで、そがいな無茶するんじゃ?」 「どがいも、こがいも、家に居ったら、ヤスに殺されるけに」 まったく、 醜女 ( ぶおんな )で、白痴で、大女のヤスが、らんらんと眼を光らせて、挑んで来る姿を想像すると、金五郎は、慄然として、頽廃的な気持にならずには居られなかった。 黒石家は、黒縄地獄である。 「金さん、お前、道後に、いいかわした女でもあるとじゃないけ?」 「そんなものは、ありません」 「わしには、打ちあけてくれんかい。 ヤスを嫁としてあつこうてくれりゃ、その女を請けだして、メカケとして、ちゃんと、おさまらせる、というとるけに……」 「ほんとに、そんなものは、ないです」 それからも、金五郎の乱行は高じるばかりであったので、遂に、四月になって、正式に離縁された。 父卯八や、兄卯太郎、それから、仲介の村長への義理を立てて、黒石家を飛びだすことを我慢していたのであるから、金五郎にとっては、もっけの幸であった。 玉井家に帰って来ると、父や兄はなにもいわなかったが、嫂のスギは、 「この、糞馬鹿が」 と、以前より、数倍も、金五郎を酷使し、虐待した。 黒石家から、訴訟が起された。 金五郎は、苦笑した。 「もう、なんにも、いわん。 ただ、おれは、ヤス坊の身体に、指一本、触ったことはない。 暴力行為で、貞操蹂躙されかかったのは、こっちの方じゃ」 そのことだけを、釈明した。 黒石家からの復讐は、いろいろな形で行われた。 それは、しだいに、悪質になった。 この近郊農村一帯は、四国東部、阿波徳島の影響をうけて、浄瑠璃が盛だった。 吉藤にも、立派な衣裳や人形を持った「温泉座」という一座があり、百姓片手で、三味線をひき、デコを使う者もあった。 金五郎も、若手の語り手とされていたのに、祭の日になると、誰も三味線をひいてくれず、人形も動かしてくれる者がなかった。 或る日、桜見に行った帰り、春の空気をふるわせて、一発の銃声がひびきわたった。 弾丸が、金五郎の右耳をはじいて、飛び去った。 果物をつつきに群れる鳥を追うため、空鉄砲を放つことは、許されているのである。 金五郎は、耳からふき出る血をおさえ、唇をかんで、さびしそうな顔をした。 或る日の黄昏どき、金五郎は、清七鍛冶屋の店先にあらわれた。 「清ちゃん、いつか頼んだ合鍵な、やっぱり、要ることになったけに、頼むよ」 「よし来た」 蹄鉄を打っていた清七は、金五郎のところに寄って来ると、耳に口を寄せた。 「金坊、お前を鉄砲で撃った奴、おれ、ちゃあんと、知っとるぞな」 「もう、ええ、ええ、放っといてくれ」 「黒石じゃな、お前に、 犬神 ( いぬがみ )をとりつかせるというとるげなぞ」 「執念ぶかい奴じゃ」 「もう、四日も前から、あの痩犬のクロを、蔵の中に埋けてな、絶食させとる。 あたりまえなら、一週間くらいで、犬神を追いだすのじゃが、今度は十日にして、はげしゅう、お前をいびるらしい」 「勝手にさせとけ」 土中に全身を埋めた犬に、永い間、餌をあたえずに置く。 飢餓に瀕するのを見て、眼前に、御馳走を見せる。 犬はそれが食べたくてたまらない。 しかし、主はそれを見せびらかしておいて、「もし、これが欲しかったら、その前に、誰それに、とり 憑 ( つ )いて来い」と命じる。 怨霊となった犬神は、目的の人間の体内へもぐりこんで、方々を肉の瘤となって移動する。 その苦痛は耐えがたい。 金五郎は、清七が鍵をつくってくれるのを待った。 馬鹿叮嚀に、念を入れる清七が、半紙に墨で押した鍵穴の型をもとにして、一つの鍵をこしらえあげたのは、頼んでから、一週間目も後であった。 「やっと、でけたぞな。 ……そら、そうと、まあだ、犬神は来んけ?」 「待っとるが、一向に来ん。 呼んで来てくれんか」 その次、逢った清七は、「とうとう、犬神奴、飢え死にしてしもうたげな」と、腹をかかえて笑った。 五月に入って間もなく、兄夫婦が伊勢詣りに旅立った。 このときをおいて、機会はない。 金五郎は、清七の作ってくれた合鍵を、箪笥の鍵穴にはめた。 ぴったりと合った。 あけてみると、紙幣、銅貨、銀貨がとりまぜて、ざくざくと入っている。 七百円ほどもあった。 いきなり、そのうち、二百円ほどをふところに入れた。 しかし、金五郎は、この金は、父が山を売って、苦心の果てに、こしらえたものだ、ということを知っていた。 金五郎は、いったん入れた金を取りだした。 三十円だけにした。 そして、「一金参拾円也、拝借仕候」という証文を書いて、そこへ残した。 こうして置かないと、また、嫂が、「金坊が、三百円も盗んで行ったぞな」というのに、きまっている。 また、金五郎は、いつか、この金は、かならずかえすつもりであった。 着換えなどを、風呂敷に包んだりして行くと目立つので、六枚も、重ねて着た。 ちょっとそこへ行って来る、というような恰好で、家を出た。 汗がどんどん流れだし、 道後 ( どうご )の湯に浸っているような気持であった。 それきり、彼の姿は、この村では見かけられなかった。 明治三十六年、初夏。 玉井金五郎、二十四歳。 [#改丁] [#ページの左右中央] 門司 ( もじ )港。 風師山 ( かざしやま )のいただきを、強い風のわたっているのが、海鳴りのように聞える。 二百十日が近づいた、その前ぶれかも知れない。 遠くで、風の合間を縫って、汽笛が鳴る。 桟橋下の貯炭場を、すぐ前に望む、浜尾組の事務所に、あかあかと、 灯 ( ひ )がともっている。 奥座敷に、大勢の人かげがうごき、なお、ぞくぞくと、集まって来る。 やがて、七八十人になった。 女が二十人ほどまじっている。 黒ガキの 牀柱 ( とこばしら )を背に、一人の巨漢が、入って来る人間をしらべながら、名簿らしい大きな帳面に、赤インキで、しるしをつけている。 六尺をこえるかと思われる、色の黒い、出歯で、額のせまい、いがぐり頭の四十男だ。 ネルのシャツのうえに、「浜尾組助役」と染めぬかれた 半纏 ( はんてん )を着ている。 眼が、するどい。 「どうやら、揃うたようにあるなあ。 三人ほど来んが、半パ者ばかりだから、もう、これで、よかろう。 ……って、取りついで来い」 「へい」 新公と呼ばれた、二十三四らしい、やはり、半纏姿の頑丈そうな男が、密集している仲仕たちの間を、敏捷に、かきわけて出て行った。 まもなく、浜尾市造があらわれた。 牀柱のところに来て、つっ立った。 中肉中背だが 裃 ( かみしも )でもつけたように、おそろしく両肩が張っていて、瓢箪のように細長い顔は、へんに青白い。 疳性らしい青筋が、ミミズのように、額に太く這い、びくついている。 一座が静まると、浜尾は、沈痛な面持で、口を切った。 「今夜、みんなに集まってもらったのは、浜尾組の浮沈にかかわる一大事が起ったからじゃ。 学問のない者が多いので、わからんかも知れんが、フチンというのは、字でかけば、浮き沈み、浜尾組が浮くか、沈むか? この浜尾市造の顔が立つか、つぶれるか?……今日まで、ばりばりと鳴らして来たが、明日のインド丸の荷役に失敗したら、おれは、この門司に居られん。 つまりは、浜尾組は解散、お前たちも、路頭に迷うことになる。 ……わかってくれるな?」 一座は、しいんとしている。 「どうじゃ、親分のいうこと、わかるじゃろう?」 助役の大男が、 鷹 ( たか )のような眼で、一座を見まわして、どなると、 「わかります」 十人ほど答える者があった。 「相手は、宿敵の大村組じゃ」浜尾は、そこに、大村がいるかのように、眼をぎらつかせて、「絶対に、負けられん。 そこで、明日の荷役には、いつもの出番を変更して、しっかりした者だけを、三十人、出す。 人選は、日ごろの成績によって、ボーシン(助役)と相談のうえ、定めた。 もし、勝てば、問題ないが、……いや、ぜひ勝ってもらわにゃならんが、……万一、負けるようなことがあったら、その場で、喧嘩をふっかけて、やっつけて、おれの顔を立ててくれ。 ……それじゃ、ボーシン、名前を読め」 「へえ」大男は、帳面をひろげた。 「ええか。 ……大石良造、堀部安太郎、小山田庄三郎、大原源吾、谷口 林助 ( りんすけ )、森新之助、玉井金五郎、……女では、丹羽フミエ、石川タツ、谷口マン、井上トモ子、……」 指名が終ると、一座は、ひとしきり、ざわついた。 しかし、この人選は、個人の意志や、意見などは、はじめから、無視された。 命令的なものであって、派遣に決定した者のなかから、不服をとなえることは許されなかった。 選に洩れた者のなかで、 「大将、わたしも、ぜひ、仲間に入れて下さい」 と、志願する男があった。 「駄目、駄目」と、大男の巨漢が、どなりつけた。 「お前のような飲んだくれで、喧嘩ばかりは強くても、怠け者は資格がない。 久松が入ると、仕事の段取りが狂うてしまう」 それから、浜尾市造の方をむいて、 「親分、どうやら、かたづきましたようで……」 「よし」 浜尾は、満足げに、うなずき、 「それでは、みんな、頼んだぞ。 こういうときに、日ごろの恩をかえすのが、人間というものじゃ。 明日が早いから、今夜は夜ふかしをしてはいかん。 酒も、バクチも、やめて、早く寝れ。 女買いにも行くな。 あれが、一番、翌日の仕事にこたえる」 「女房とも、いけませんか」 そういう者があって、一座は、どっと、笑った。 「女房とでもわるいが、まかりちがって、喧嘩になれば、別れになるかも知れんから、すこしなら、よろしい」 また、 隠微 ( いんび )な笑いが流れた。 「そんなら」と、助役が、「明朝は、三時に起す。 四時、浜に集合。 ええな?」 「はあい」と、何人かが答えた。 「玉井」 「はい」 座の後方にいた金五郎は、そう答えて、膝立ちした。 「お前、新米じゃが、特別に、明日の組に入れてやった。 ありがとう思え。 それで、ちょっと、相談があるけ、 後 ( あと )に残ってくれ」 「なんごとですか」 「それは、後で話す」 「これから、友だちと、活動写真を見に行く約束しとるんですが……」 「いかん、いかん。 夜ふかしすんなと、たった今、いうたばっかりじゃないか。 残れ」 「はあ」 しかたなく、頭をかいて、金五郎は、また、一座の中に沈んだ。 解散が宣せられて、仲仕たちは、どやどやと、散って行った。 幹部の五六人と、金五郎とが残った。 風師山のいただきをわたる風は、一層、強くなるようである。 十夜ほどの月が、山の肩に出ている。 ぼうと、カサをかぶって霞み、円光のような、うすい七色の虹が美しい。 三々五々、黒い影になって、仲仕たちは帰って行く。 そのなかに、谷口林助と、マンも、まじっていた。 肩をならべて歩きながら、兄妹は、口をきかなかった。 足どりも、重い。 背後で、プッ、プウッ、と、ラッパの音が起った。 提灯をつけた一台の人力車が、景気よく、横を走りすぎて行った。 「 兄 ( あに )さん、親方さんじゃないけ?」 「そうよ、これから、オメカケさんのところに行きんさるとよ」 二人は、また、黙って歩いた。 運河に添って行くと、遠くに、長屋の灯が見えて来た。 誰か、井戸端で、洗濯をしている。 「兄さん」 なにか考えながら、重い足どりで歩いていたマンが、顔をあげた。 「あン?」 「女って、損ねえ」 「なにが、損か」 「はじめから、男とは段ちがいに、定められてしもうとる。 なんでも、下廻りばっかりで……」 「そら、しかたがないわ。 昔から、そうなっとるんじゃから」 「なぜ、そうなっとるの? それが、あたし、おかしいのよ。 いいえ、はがいいのよ。 仲仕だって、そうでしょ。 男が一人前とるのに、女は六分、そりゃあ、女は男ほどの仕事はできんかも知れんけど、男の中にだって、女の半分もできん人があるんじゃけ。 それでも、賃銀は定められたとおり。 不公平やわ」 「そんなこと、いうたって、通りゃせん」 「それが、はがいいのよ。 親方さんだっても、そうやわ。 ちゃんと ごりょんさんがあんなさるとに、オメカケさんを囲うて、さっきも、人力で乗りこみなさる。 メカケの一人二人持つのは、男の甲斐性というて、メカケを持たぬ者が、かえって、馬鹿にされる。 そんなことが、当りまえみたいに通るのは、まちがいよ」 「まちがいというてみても、世の中のことはなあ……」 「ふウン、兄さんも、金でもできたら、二号を持ちたい口ね」 「馬鹿なこと、いうな」 林助は、妹の鋭鋒が自分にむいて来たので、うろたえた。 「どうかしらん?……兄さんが、 義姉 ( ねえ )さんをいつもいじめて、毎日、 打 ( ぶ )っとるの、あたし、腹が立ってたまらんわ。 義姉さんも義姉さん、それが当りまえみたいに、ただ、メソメソ泣いて、あやまっとるのだもん。 あたしなら、承知せんのじゃけど……」 「お前のような女を女房にした男は、命がけじゃのう」 「そんなことないわよ。 理不尽なことには、泣き寝入りせんだけよ」 広島の山奥から、兄を頼って来て以来、十ヶ月ほどになるので、マンの言葉にも、故郷の訛りがいくらか抜けていた。 長屋の灯が近づく。 七色の虹のなかにある月が、しだいに、雲の厚味で、ぼやける。 「おマン」 「はい」 「お前、玉井金五郎という男を、どう思う?」 「どう思う、って、なんとも思わんわ、男っていうのは、誰も彼もおんなじ、みんな、きらいよ」 「あの男、癪にさわる。 このごろ来たばっかりなのに、俺よりも、三分も余計に取りやがる。 おまけに、今夜も、残されよったが……」 マンは、ぶつぶつとぼやく兄の横顔を、ちらと見た。 その 眸 ( まなざし )には、軽侮のいろがあった。 「明日は、また、喧嘩か、畜生」 林助は、やけのような声を出す。 長屋に帰った。 一番 鶏 ( どり )が鳴く。 まだ暗い午前三時の空気を、羽ばたきの音がゆるがせる。 提灯をつけた大男が、長屋のせまい路地を走るように過ぎ、一軒々々、戸をたたいて、起して廻る。 「時間ぞ、時間ぞう」 静かであった長屋が、急に、ざわめきはじめる。 戸をあける音、水をくむ音、火をおこす音、どなる声、走る足音。 向こう鉢巻をした 助役 ( ボーシン )の巨漢は、一軒の戸口の前に来て、急に、顔色を変えた。 「なんてや、それ、ほんとか?」 喪心せんばかりに、狼狽した声で、 喚 ( わめ )いた。 「ほんとです」 寝ぼけ眼の男が、今にも叩かれはせぬかと、もう首をちぢめて、おどおどと答えた。 「畜生奴、 尻 ( けつ )割りやがったか」 助役は、 呻 ( うめ )いた。 「昨夜は一緒に寝たんです。 たしかに、六人、蒲団をしいて、 蚊帳 ( かや )に入りました。 それなのに、今、ボーシンさんに起されたら、わたし一人しか、いないんで……」 「間抜け奴」 予期していたとおり、鉄の八ツ手のような平手が、風をおこして飛んで来た。 病身らしい中年仲仕は、将棋の駒のように、わけなく倒れた。 「五人も、ずらかるのに気づかんなんて、貴様は、鉛か。 ……どうも、 昨夜 ( ゆんべ )、玉井の様子がおかしいと思うた」 助役は、ばりばりと、歯がみをした。 独身者ばかり、六人が、この部屋にいるのだった。 六畳、四畳半、それに、台所がついていて、男の手で自炊をしている。 この六人のうち、三人が、昨夜、指名されていた。 玉井金五郎も、その一人であったが、助役が手筈どおり、起しに来てみると、六人のうち、五人の姿が見えないのである。 (玉井の奴が、そそのかして、逃げやがったにちがいない) 前夜、金五郎を残して、「明日、喧嘩になったら、お前が指揮をとれ」と命じたところ、金五郎は、「わたしは、喧嘩は下手ですから」といって、どうしても承引しなかった。 のみならず、「喧嘩は嫌いですから、喧嘩になったら、逃げだします」などとも、いったのである。 それでも、現場に行くことだけは、堅く約束したのであった。 助役は狼狽の極に達した。 とっさに、人選を変更して、昨夜、指名されなかった仲仕を、三人、別に起した。 マンは、兄林助の家の一部屋を借りていた。 襖で仕切られた四畳半であるが、女一人には充分だ。 おまけに、狭くとも、自分一人の部屋を持つことは、生まれてはじめてである。 仕事着をつけ、林助と二人、集会場である桟橋の浜に急いだ。 「おマン、玉井の奴が、ケツ割ったらしいぞ」 「ふウン」 マンは、問題にせぬ顔で答えたが、その顔に、かすかに、なにかの動揺が感じられた。 集合場で、人影と提灯とがちらつき、しきりに、けたたましく、喚いている。 「おうい、急げ、急げ。 大村組の 伝馬 ( てんま )船は、もう、漕ぎだしとるぞう。 出遅れたぞう。 ……急げえ、走れえ」 敵に、機先を制せられた模様である。 「早く乗れ、早く乗れ」 巨漢の助役は、もう、狂人のようだ。 彼の作戦としては、四時に集合して漕ぎだせば、大村組の鼻をあかすことができると、胸算していた。 ところが、浜に来てみると、すでに、大村組の伝馬船が、人間と道具とを満載して、暗い海のうえを、インド丸に向かって漕いで行くのが見えたのである。 「なに愚図々々しとるか。 間抜けども」 間抜けは自分であった、と、この男も感じていたので、その飛ばちりを、怒号と罵倒とで、部下たちにぶっつけた。 キイ、キイ、と、敵の伝馬船の櫓の音が、嘲けるように、海上から伝わって来る。 風のために波だっている、暗黒の関門海峡に、数隻の汽船が浮いている。 目じるしとして、特に、緑の舷燈をともしているのが、インド丸らしい。 やっと、仲仕たちが、伝馬船に乗ってしまったとき、道具番の男が血相かえて、飛んで来た。 「ボーシン、大きな 大事 ( おおごと )です」 「どうした?」 「道具を積んだ小伝馬が、見あたらんです」 「なにや?」 助役は、バネ仕掛のように、跳躍して、道具番の肩をつかんだ。 夜ではっきりしないけれども、彼の顔から血の気が引き、ふるえだすのがわかった。 腰の抜ける思いである。 「よく探したか」 「いくら探しても、見えません」 「うウム」 唸 ( うな )った。 手ちがいばかりで、ことごとく目算の外れた、単純な助役の頭脳に、反応的に浮かんで来る対応策は、暴力以外にはない。 逆上が、彼に歪曲された勇気をあたえる。 「おい、みんな」 と、彼は、ほとんど、凜然として、部下たちを 睥睨 ( へいげい )した。 「大村組と決戦するときが来たぞ。 船は出し遅れたし、大切な道具は、どこかに行ってしもうた。 敵に盗まれたのかも知れん。 もう、仕事にはならん。 こうなったら、大村組の現場に乗りつけて邪魔してやらにゃ、腹がいえん。 みんな、しっかりしろ。 がんばれ。 ……よし、漕ぎだせ」 三挺の櫓を立てて、伝馬船は、岸を離れた。 異様な昏迷と興奮とが、沖仲仕たちを緊迫させていた。 暗い波のうえを、船は、ぐんぐんと、インド丸へ、漕ぎ進んで行った。 「おマン、危いから、後にひっこんどれよ」 兄の言葉に、マンは、答えなかった。 「右舷に、つけろ」 インド丸が近づくと、助役が叫んだ。 右舷は、大村組の持場である。 ところが、左舷で、奇妙なことが起っていた。 焚料 ( バンカ )積込みの口のある舷側に、数枚の棚が吊られてある。 そのうえに、四五人の人影が立っている。 つまり、いつの間にか、仕事の準備がちゃんと出来ていて、伝馬船が着きさえすれば、すぐに、仕事にかかれるようになっているのであった。 「早う来うい。 段取りはすんどるぞう」 そう叫びながら、インド丸の甲板から、カンテラを高く振っているのは、玉井金五郎であった。 それを認めた助役は、伝馬船の 舳 ( へさき )につっ立ちあがった。 狐にでも化かされたような、ぽかんとした顔つきである。 「早う、船を着けえ。 すぐに、仕事にかかれえ」 金五郎は、なおも、どなっている。 「そうか」 助役は、首が落ちたかと思われるほど、強く、うなずいた。 事態の真実を、やっと、理解したのである。 「よし、船を控え廻せ。 左舷に、変更じゃ」 右舷に向かっていた伝馬船は、方角を急転回した。 三挺の櫓に、にわかに、活気が満ちわたり、船は、全速力で、インド丸へ接近して行った。 「やっぱ、金さんはちがうわ」 タカという女仲仕が、うっとりとした眼つきになって、呟いた。 「ヘン」と、一人の仲仕が、「何十ぺん、肱鉄食うても、あきらめられんとみえるのう」 「いつか、わたしのもんにして見せるよ」 「来年三月かい?」 その言葉に、船の中に、明かるい笑い声が起った。 喧嘩をしなくてもすんだ、という安堵感が、仲仕たちの憂鬱と緊張とを、解いていた。 「おい、タカさん、おれに、五十銭、奮発せえ。 金さんを取りもってやるぞ」 艫 ( とも )の方で、からかう者があって、げらげらと、また、笑いが流れた。 マンひとりだけが、この笑いに同調せず、インド丸の甲板に立っている金五郎の姿を、またたきもせず、凝視している。 巨大な暗黒の中に、カンテラの光で浮き出ている金五郎の半纏姿は、マンの眼に、なにか、神々しいものさえ感じさせて、映った。 いっぱいに 瞠 ( みは )られた眼球に、潮風がしみて痛くなり、やっと、マンは、一つ、瞬きをした。 二千二百トンのインド丸の舷側に、石炭を満載した八十トン 艀 ( はしけ )がつながれている。 伝馬船をその艀に漕ぎよせると、仲仕たちは、ばらばらッと、飛びあがった。 「玉井、おおきに」 巨漢の助役は、艀の 舷 ( ふなべり )に立って、下から、インド丸の甲板に、声をかけた。 「ボーシン、そんなこた、どうでもええです。 すぐ、持場について下さい。 まだ、大村組は、棚を吊りよるところです」 「よし来た。 ……みんな、すぐ、かかれ」 仲仕たちは、敏捷に、あらかじめ定められた自分の部署についた。 金五郎は、甲板から、ロープを伝って降りて来た。 六段に吊られてある棚の三段目に立った。 微笑をふくんで、 「そら来い、そら来い」 と、調子をとるように、両手を上げ下げした。 汽船の舷側に、風変りな 雛壇 ( ひなだん )が作られたような具合である。 長さ一間、幅は下に行くほど広くなる板が、ロープで、六段に吊られ、一段に二人ずつ、美しい雛のかわりに、ごつい沖仲仕が立っている。 艀の中にいる、「入れ 鍬 ( くわ )」と称する仲仕たちが、直径一尺三寸ほどの丸籠に、 雁爪 ( がんづめ )で、石炭を入れる。 それが、一つずつ、棚立ちの仲仕によって、敏速に、下から上へ押しあげられる。 天狗とり荷役である。 活溌な作業が、開始された。 「玉井、たまげたぞう」 金五郎の上段に立っている助役が、籠を送りながら、話しかけた。 「すみません」 「すまんこたない。 殊勲 ( しゅくん )甲じゃ。 それでも、一時は、どうなることかと思うたわい」 「ボーシンに、話して行く間がなかったもんですから……」 「勘弁してくれ。 さっきまでは、お前がケツ割ったもんとばっかり、思うちょった。 浜に出てみりゃ、道具を積んだ小伝馬は居らんし……」 「今朝、眼がさめてから、わたしも気づいたんです。 先に行って、段取りだけでもしとかにゃ、大村組に負ける。 ……そう思うたもんで、あわてて、同じ部屋の者だけ、四人起して、二時ごろ、家を出たんです」 「それは、おれも気づかんじゃった。 これで、もう、こっちの勝ちじゃ。 親分に話して、お前を取り立ててもらうようにしてやるぞ」 「いえ、そんなこた、ええです」 殺風景な雛段を伝って、石炭を満たした丸籠が、ぐんぐん上がる。 二列のエスカレーターのようである。 甲板に達すると、移し方の手で、 焚料 ( バンカ )口に、石炭が投げこまれ、空籠が艀の中に投げ落される。 この迅速な循環によって、みるみるうちに、艀の中の石炭が減って行く。 マンは、「入れ 鍬 ( くわ )」の組にいた。 女の力では、棚立ちはできなかった。 籠は、バスケットが 訛 ( なま )って、バイスケと呼ばれている。 マンは、同僚がバイスケ一杯満たす間に、かならず、三杯、入れた。 正確な機械のようである。 「そら来い、そら来い」 拍子をとりながら、金五郎は、上から、艀の中を見下していた。 その眼は、マンに、釘づけされている。 「みんな、がんばれ。 船を傾けてしまえ」 助役は、もう、勝利の確信に有頂天だ。 図に乗って、号令を降す。 両舷から、焚料炭を積みこむのであるから、平衡が破れると、船は傾斜してしまう。 それは、船では困るので、傾けないように懇請するのであるが、ただ、意地と張りとの競争意識に燃えている仲仕たちは、船の迷惑など、そっちのけだ。 まして、宿敵、大村組との、浮沈を 賭 ( と )した荷役であるから、浜尾組は、日ごろの倍以上の馬力をかけた。 「おいおい、頼むから、船を傾けんでくれ」 機関長が出て来て、どなったけれども、しだいに、インド丸は、左舷へ向かって傾きはじめた。 「もっと、寝かせろ」 助役は、得意満面だ。 傾くと、傾いた側は、棚が浅くなって、仕事がやりやすくなる。 逆に、傾けられた側は、舷が高くなって、さらに荷役が遅れる。 右舷の大村組も、躍起になっていたが、すでに勝敗は決していた。 東の空が、かすかに、白みはじめたころ、甲板のうえに、大村組の仲仕たちが、全員、飛びあがって来た。 それを見た浜尾組の巨漢助役は、「生意気な」と叫んで、部下たちを、甲板に乗りこませた。 「喧嘩すんな。 喧嘩すんな」 金五郎が、必死に叫んだけれども、遅かった。 どっちから、かかったともなく、たちまち、乱闘になっていた。 浜尾組と大村組との印半纏が入りみだれ、集団となった人間と声とが、インド丸の甲板上を、滑稽な交響楽になって、もつれあう。 武器は、 雁爪 ( がんづめ )、スコップ、六尺棒、バイスケ、 素手 ( すで )、など。 怒号と、悲鳴と、笑い声とが、暁の港の空気をふるわせて、交錯した。 「喧嘩やめえ。 喧嘩やめえ」 金五郎は、カンテラをぶら下げて、なおも、そう叫びながら、逃げまわった。 幾度か、大村組の者から、六尺棒や、雁爪で追っかけられたが、すばやく、 船橋 ( ブリッジ )や、煙突のかげに隠れた。 ところが、その何度目かに、送風パイプの根にしゃがんでいると、背後から、したたかに、頭のてっぺんを殴られた。 スコップを平にして打ち降したらしく、うすい鉄板が、ピーンと鳴り、金五郎は、くらくらッと、眼まいがして、そこへ、昏倒した。 誰かに、顔に、冷たい水を吹きかけられて、蘇生した。 仰向けになったまま、ブルブルッと頭を振り、濡れた顔を手でなでた。 くるりと、はね起きた。 金五郎の顔に、口にふくんだ水を吹きつけたマンは、パイプのかげに 潜 ( ひそ )んだので、金五郎の眼には、とまらなかった。
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