睡眠薬レンドルミン、マイスリー、ハルシオン3種の特徴と持続時間の違い 最近よく眠れない、最初は睡眠薬を飲んでよく効いていたがしだいに眠れなくなってきた、という悩みをお持ちの方も多いでしょう。 レンドルミン、マイスリー、ハルシオンは睡眠薬の中でも最も処方されることの多い薬剤で、効果の高い、そして比較的副作用の少ない睡眠薬です。 比較的安全に使えるとはいっても、睡眠薬は安易な使用はせず、かならず医師とよく相談しながら服用するようにしましょう。 ここでは、レンドルミン、マイスリー、ハルシオン、この三つの睡眠薬の特徴や持続時間の違いなどについてお話していきます。 1.不眠症の基礎知識 1-1. 不眠症のタイプ 不眠症は大きく分けて 、「寝つきが悪い場合」と「夜中に何度も目覚める場合」があります。 双方があることもあります。 後者には、夜中に何度も目が覚める 「中途覚醒」、寝付くことができても、早朝に目が覚め、その後睡眠に戻ることができない 「早朝覚醒」、熟睡感がない、起床時にすっきりしない 「熟眠障害」などがあります。 1-2. 不眠症のタイプで選ぶ睡眠薬 睡眠薬には、様々な作用時間のものが揃っており、作用時間により 「超短時間作用型」、 「短時間作用型」、 「中時間作用型」、 「長時間作用型」に分けられます。 作用時間は、半減期といって、服用した薬の濃度が半分になるまでの時間を目安としています。 超短時間型は2~4時間、短時間型は半減期が6~10時間、中時間型は半減期が12~24時間、長時間型は半減期が24時間以上のものです。 レンドルミンは短時間型、マイスリー、ハルシオンは超短時間型になりますので、3種類の薬はみな作用が短い方の睡眠薬の部類にはいるといってよいでしょう。 睡眠薬のうちでも作用時間が短いものは、「睡眠導入剤」と呼ばれます。 寝つきを主に助けるためです。 一方で、作用時間の長いものは、眠っている途中で目覚めるのを防いでくれます。 1-3. 睡眠薬の種類についてと最近の動向 今、最もよく用いられている睡眠薬は、「ベンゾジアゼピン系」あるいは「非ベンゾジアゼピン系」と言われるものです。 GABAという脳内の抑制性の神経伝達物質の働きを助けることによって鎮静・傾眠作用を表します。 非ベンゾジアゼピン系のマイスリーはベンゾジアゼピン骨格をもっていません。 かつてはバルビツール酸系といわれる薬が睡眠薬としてよく用いられていましたが、副作用が強いため、今はベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の薬が主に用いられるようになっています。 多くの睡眠薬は抗不安薬や精神安定剤としての作用をあわせ持っているものが多く、不安を和らげ、精神を安定させる作用もあります。 ふらつき、筋弛緩作用などをもつものもあります。 睡眠薬の作用に強い、弱いはある? 睡眠薬は軽いもの、中等度のもの、強いものに大まかに分けられますが、薬同志の効果の強さの比較は、実際はなかなか難しいです。 ベンゾジアゼピン系はかつてよく用いられていたバルビツール酸系より作用がやや弱いですが、まずまず強い作用をもっているものが多いです。 ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の薬はどれも強さに大きな差はないと考えてよいです。 むしろどのような使い方をするかは作用時間によります。 2.睡眠薬レンドルミン、マイスリー、ハルシオンの違い 2-1. レンドルミンの成分と特徴 レンドルミンは、「ブロチゾラム」を主成分とするベンゾジアゼピン系の短時間型の睡眠薬です。 効果と安全性の高さのバランスですぐれているといわれています。 服用して15~30分も経てば眠気が出始め、入眠障害にも効果がある一方で、マイスリー、ハルシオンよりも作用時間が長く、夜間を通して効果が持続するため、中途覚醒にも使えます。 ただ翌朝に眠気の持ち越しがある場合もあります。 2-2. マイスリーの成分と特徴 マイスリーは、「ゾルピデム」が主成分の、超短時間作用の睡眠薬です。 近年は日本国内で一番処方されている薬です。 入眠障害に効果があり、寝つきの悪いタイプの人に適しています。 服用15-20分で効果がでます。 ベンゾジアゼピン系の睡眠薬と比較して、ふらつきやそれによる転倒やせん妄、筋弛緩作用が少なく、依存性も少ないので、安全性が高いと言われています。 2-3. ハルシオンの成分と特徴 ハルシオンは、「トリアゾラム」を主成分とする超短時間作用のベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。 マイスリーと同様、寝つきの悪いタイプの人に適しています。 服用後、平均10~30分以内には睡眠作用があらわれます。 翌日に効果を持ち越すことも少ないです。 即効性がある反面、超短時間作用のため耐性、依存が起こりやすい特徴があります。 副作用として、せん妄状態や健忘を起こすことがあります。 また反跳性不眠や脱抑制による興奮がおきることもあるので、第一選択薬では用いず、他の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬などで十分な効果が得られない人で使われることが多いです。 2-4. 3種の作用・持続時間の比較 レンドルミンの作用時間は6-8時間で、短時間作用の睡眠薬になります。 マイスリーの作用時間は1~2時間、ハルシオンは3時間程度で超短時間作用の薬です。 従って、マイスリー、ハルシオンは睡眠導入に、レンドルミンは睡眠導入、中途覚醒の両方に用いられます。 2-5. 3種の価格・ジェネリック医薬品有無の比較 先発品とジェネリックは基本的には同じ効果があるとされています。 しかし、成分以外の添加物などに微妙な差があり、これが薬の吸収や作用に若干の影響を及ぼす場合もあります。 2017. 9時点 《マイスリー》 マイスリー錠5mg 40. 6円 マイスリー錠10mg 65. 0円 ジェネリック医薬品GE 有り マイスリー錠5mgのGE およそ10. 7円〜21. 7円 マイスリー錠10mgのGE およそ18. 7円〜36. 6円 《レンドルミン》 レンドルミン錠0. 25mg 24. 3円 レンドルミンD錠0. 25mg 24. 3円 ジェネリック医薬品GE 有り およそ8. 5円〜9. 9円 《ハルシオン》 ハルシオン錠0. 125mg 9. 5円 ハルシオン錠0. 25mg 13. 8円 ジェネリック医薬品GE 有り ハルシオン錠0. 125mgのGE 5. 6円 ハルシオン錠0. 25mgのGE 5. 8円 2-6. 3種の医師が処方できる日数制限 マイスリー、レンドルミン、ハルシオンとも30日以上の処方はできません。 2-7. 3種の副作用の比較と注意すべき副作用 マイスリーは、転倒やせん妄、筋弛緩作用が少なく、安全性が高いと言われています。 転倒が少ないので、高齢者に比較的使いやすい薬剤です。 ハルシオンは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中では特に超短時間作用のため耐性、依存性形成が起きやすいとされています。 ですから短時間作用の睡眠薬だからといって安易な使い方はしないように注意することが大切です。 レンドルミンは夜間を通じて効果が続くので、睡眠の持続には効果的で、中途覚醒にも効果があります。 しかし翌日の作用の持越しがある場合があり、より短時間作用のものに変える必要がある場合があります。 3.睡眠薬服用の疑問 3-1. 眠れない場合は量を多く飲んでも良い? 睡眠薬の効果が足りない場合は、薬の種類を変えるのではなく一般的にはまずは量を変えます。 効果が不十分のときにむやみに薬の種類を増やしたり量を増やしても、あまり効果が期待できないばかりか、副作用が出たり耐性が出現してしまうこともあるため注意が必要です。 また、短時間作用型の睡眠を沢山服用すると健忘などの副作用が出ることもあります。 量をかえる際も医師とよく相談しましょう。 3-2. いずれも効かない場合はどうすれば良い? 中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害などに対しては少し作用時間の長めの薬のほうがよいことがあります。 同じ作用・効果の薬を併用すると耐性が形成されるもとになることがあるので医師ともよく相談して、環境調整や、他の効果の薬の併用などを考えたほうがよい場合もあります。 また、お酒と一緒に飲むことは控えてください。 お酒と睡眠薬は、お互いの作用を増強したり、お互いに影響を与えてしまうということがあります。 また睡眠薬をお酒と一緒に服用すると、ひどいふらつき、一時的な記憶障害(健忘)などが出現することもあります。 寝つきをよくするためとはいえ、お酒を飲むと眠りが浅くなり、利尿作用もあるため、ますます夜中に起きやすくなります。 お酒を飲むことは睡眠には基本的にはマイナスになると考えておいたほうがよいでしょう。 しかし、ここでお話ししているベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系薬剤では依存性や耐性の形成はそれほど強くないとされています。 とはいえ全くないというわけでもありません。 例えば、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は非ベンゾジアゼピン系に比較して、耐性、反跳性不眠が生じやすいとされています。 またベンゾジアゼピン系睡眠薬の中では特に超短時間作用のものほど耐性、依存性が形成されやすいとされています。 ですから短時間作用の睡眠薬だからといって安易な使い方はしないようにすることが大切なのです。 3-3. やめたい場合は、服用を突然辞めても大丈夫? 睡眠薬が効いて眠れるようになったからといって、急にとめることはおすすめできません。 というのは薬を急にやめると、リバウンドで今度は全然眠れなくなるようになること(反跳性不眠)もあるからです。 また、長期に服用していた後に急に睡眠薬をやめると、不安感・焦燥などの離脱症状が出現することがあります。 そこで、ゆっくり薬を減らしていくことでほとんど離脱症状を出さずに薬をやめていくことができます。 この場合、不眠の症状が軽快したのを確かめた上、1〜2週間かけてゆっくり減らしていくことが大切です。 自己判断で中止せず、止めたり減量する場合には必ず医師に相談しましょう。 睡眠薬を飲み始めたときには、いつまでも漫然と内服を続けないようにすることも大切です。 離脱症状はとくに長期に睡眠薬を飲んでいた人が急にやめたときに起きやすいといわれています。 ある程度長く服用していている場合には、睡眠薬を止めるときには、自己判断で決めずに必ず医師に相談するようにしましょう。 4.おわりに レンドルミン、マイスリー、ハルシオンは超短時間あるいは短時間作用の睡眠薬で速効性もあり、医師の指導のもとで適切に使えば、比較的安全に使うことができる睡眠薬です。 副作用なども比較的少なく、癖になることを恐れて、睡眠薬を服用しないことより、服用して十分な睡眠をとることが大切なことも多いです。 その一方で、安易に自己判断で開始したり、中止したりすることで、かえって全く眠れなくなることなどがありますので注意が必要です。 短時間作用のものを漫然と内服したり、飲んだりやめたりを繰り返すのはやめましょう。 睡眠薬を飲んでよく効いていたがしだいに眠れなくなってきたという方は、医師ともよく相談して対応することが大切です。
次のここでは、睡眠導入剤 「レンドルミン」の有効成分、効果効能、作用時間、副作用などについてご説明しています。 25mg 一般的名称 ブロチゾラム製剤 有効成分 ブロチゾラム 0. 25mg(1錠中) 製造販売業者等の名称 製造販売 : 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 製造 : ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社 効能又は効果 不眠症、麻酔前投薬 作用時間 短時間作用型 消失半減期 7時間 重大な副作用 1. 異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。 一過性前向性健忘、もうろう状態(頻度不明) 一過性前向性健忘、また、もうろう状態があらわれることがあるので、少量から開始するなど慎重に行う。 十分に覚醒しないまま車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。 異常が認められた場合には投与を中止する。 重大な副作用(類薬) 呼吸抑制(頻度不明) ベンゾジアゼピン系薬剤の投与により、呼吸抑制があらわれることが報告されている。 このような場合には気道を確保し、換気をはかるなど適切な処置を行う。 その他の副作用 依存性 注1) 不眠、不安等の禁断症状(頻度不明) 精神神経系 ・残眠感・眠気、ふらつき、頭重感、めまい、頭痛(0. 1~5%未満) ・不穏 注2)、興奮 注2)、気分不快、立ちくらみ、いらいら感(0. 1%未満) 循環器 軽度の脈拍数増加(0. 1%未満) 消化器 ・嘔気、悪心、口渇、食欲不振(0. 1%未満) ・下痢(頻度不明) 過敏症 ・発疹(0. 1%未満) ・紅斑(頻度不明) 骨格筋 だるさ、けん怠感(0. 1~5%未満) 下肢痙攣(0. 1%未満) その他 ・発熱、貧血(0. 1%未満) ・尿失禁(頻度不明) 注1)大量連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量を超えないよう慎重に投与する。 また、大量投与又は連用中における投与量の急激な減少ないし投与中止により、不眠、不安等の禁断症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行う。 注2)統合失調症等の精神障害者に投与すると不穏及び興奮があらわれることがある。 アルコール(飲酒)との併用 本剤とアルコールを併用するとクリアランスの低下及び排泄半減期の延長がみられている。 鎮静作用が増強されるおそれがあるので、アルコールとの服用は避けることが望ましい。 そのため、薬局・ドラッグストアーで入手することはできませんし、通信販売などで購入することもできません。 もちろん、ネット上のオークションでも売買不可です(自分に処方され余ったものを人に譲ることもできません)。 上には掲載しておりませんが、レンドルミンには、服用してはいけない人がいます(禁忌)。 また、慎重に投与される必要がある人がいます。 さらに、ある種の薬との併用が禁忌となっています。 加えて、高齢者、妊婦、産婦、授乳婦、小児は、慎重投与あるいは投与不可となっています。 そのため、仮になんらかの入手法があったとしても、 医師の診断なしで摂取することは避けるようにする必要があります。 とくに、ネット上の「売ります」情報が掲載されている掲示板には注意が必要です。 (なお、 「睡眠改善薬」と呼ばれるものは、薬局や通販などでも購入することができ、睡眠薬とは区別されています。 睡眠改善薬の詳細やご購入については、をご覧になってください。 ) 睡眠改善インストラクターの竹原です。 以下の著作があります。 不眠、不眠症について• 睡眠導入剤について• 睡眠障害について• 安眠・快眠の方法• 眠りをさらによりよく• 眠りに関する全般• 年齢や性別による眠りの違い• 安眠グッズ,快眠グッズ•
次の1.レンドルミンの副作用の特徴 レンドルミンは作用時間はやや短いですが、効果はしっかりとした睡眠薬です。 このため、眠気の持ち越しやふらつきの副作用が多いです。 健忘はあまり認められません。 依存性もやや高い睡眠薬です。 睡眠薬の副作用としてよく認められる症状としては、大きく3つあります。 ふらつき 睡眠薬は夜の時間だけに作用してくれればよいのですが、睡眠薬が効きすぎてしまって「翌朝までの眠気の持ち越し」がみられることがあります。 また、作用時間の長い睡眠薬では、薬が少しずつ身体にたまっていくことで眠気がでてくることがあります。 また、睡眠薬を飲んでからの記憶が抜け落ちてしまう「前向性健忘」が認められることがあります。 急激な催眠作用がある睡眠薬では、中途半端な覚醒状態をつくってしまうことがあるのです。 そして睡眠薬は、催眠作用だけでなく筋弛緩作用も認められます。 このため、ふらつきが認められることがあるので注意が必要です。 さらに睡眠薬の安全性として、依存性を考えなくてはいけません。 睡眠薬に身体が慣れてしまうと、薬をなかなかやめられなくなってしまいます。 レンドルミンについてみてみましょう。 レンドルミンは作用時間はやや短い睡眠薬ですが、「眠気の持ち越し」の副作用がしばしば認められます。 「健忘」の副作用はあまり認められません。 レンドルミンでは筋弛緩作用も認められ、「ふらつき」の副作用もやや多いです。 レンドルミンは作用時間がやや短く、効果はしっかりとしている睡眠薬です。 このため依存性は、やや高いと思われます。 レンドルミンの効果について詳しく知りたい方は、 をお読みください。 睡眠時間を確保しても変わらない場合、減量したり、作用時間の短い非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に変えてみましょう。 睡眠薬は夜だけに効いてくれれば理想ですね。 ですが睡眠薬が効きすぎてしまうと、翌朝まで眠気が続いてしまうことがあります。 これを「持ち越し効果(hung over)」といったりします。 眠気だけでなく、だるさや集中力の低下、ふらつきなどがみられます。 「眠気が強くて朝起きれない」 「午前中がぼーっとしてしまう」 となってしまうと生活に支障がきてしまいますね。 事故などにつながることもあるので注意が必要です。 レンドルミンは短時間型の睡眠薬に分類されます。 短時間といっても半減期(血中濃度が半分になるまでにかかる時間)は7時間ですので、睡眠中にしっかりと効果が持続する睡眠薬です。 人によっては効きすぎてしまうことがあります。 そうすると、翌朝にも睡眠薬の効果を持ち越してしまう「持ち越し効果」がみられるのです。 承認時および市販後調査をまとめると、2. 20%の報告があります。 軽度のものを含めるともっと多い印象があります。 このような時は、はじめに睡眠時間がちゃんと確保できるかを確認します。 睡眠時間が短かったら、薬の効果が朝に残ってしまうのも当たり前ですものね。 その場合は、睡眠時間を確保するようにしていただきます。 それでも改善しなければ、より短い作用時間の睡眠薬に変えるか、レンドルミンを減量していくかになります。 25mgや0. 5mgを使っていて睡眠を改善できている方では、まずは減量を検討していきます。 睡眠薬の量を減らすと作用時間が短くなります。 睡眠薬の量を変えた時の血中濃度と作用時間の関係をグラフでみてみましょう。 薬の量を2倍にすると、グラフの山が高くなります。 ですが薬の増えたり減ったりす るスピードは大きくはかわりませんので、上図のような血中濃度と なります。 ここで、睡眠薬が有効な濃度となる時間をみてみましょう。 薬の量を半分にすると、効果の持続時間がオレンジからブルーの矢印へと短くなりますね。 ですから、睡眠薬が2錠だったら1錠に、1錠だったら半錠にしたりすると、朝まで効果が持続しなくなります。 レンドルミン0. 5mgでしたら0. 25mgに、0. 25mgでしたら0. 125mgを試してみましょう。 減量すると上手くいかない時は睡眠薬を変更していきます。 レンドルミンより作用時間が短い超短時間型の睡眠薬を試してみてもよいでしょう。 できるだけ非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のマイスリー・アモバン・ルネスタから試してみましょう。 レンドルミンを飲んだらすぐに布団に入って寝るようにしましょう。 それでも改善がなければ、減量したり、効果の持続が長い薬に切り替えます。 睡眠薬を服用した後に、記憶することができなくなってしまうことがあります。 朝起きると自分でも全く覚えていないのにお菓子の袋が散らかっていたり、友達に電話してしまっていたりします。 アメリカの議員がマイスリーを服用した後に、記憶がないままに車の事故をおこしてしまったことを機に注目されるようになりました。 記憶することができないだけですので、不思議かもしれませんが周囲からみると普通に行動しています。 当の本人は全く覚えていないので不気味ですし、生活にも支障をきたしますね。 睡眠薬を飲んでから物忘れが起こってしまうので、「前向性健忘」といいます。 このような状態になるのは、睡眠薬が中途半端な覚醒状態にしてしまうためです。 その結果、海馬を中心とした記憶に関わる部分の機能だけが落ちてしまうのです。 前向性健忘は、睡眠薬が急激に作用する時に起こりやすいです。 効果の短いタイプの睡眠薬• 睡眠薬の量が多い• アルコールと睡眠薬を併用した時 このような時には、前向性健忘がおこりやすくなってしまいます。 レンドルミンは短時間型の睡眠薬ですが、そこまで短いわけではないので健忘の副作用は少ないです。 もし前向性健忘がみられたときは、まずは睡眠薬を飲んだらすぐに布団に入るようにしましょう。 それでも改善がないときは、• 効果の長いタイプの睡眠薬に変える• レンドルミンを減量する• アルコールと一緒に睡眠薬を絶対に飲まない これらの対策をとっていきましょう。 睡眠薬を変更するとしたら、レンドルミンよりも効果の長いエバミール・リスミー、中間型のベンザリン、長時間型のドラールなどに切り替えを検討していきます。 ふらつきがみられたら、減量するか、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に変更を検討しましょう。 ベンゾジアゼピン系睡眠薬は睡眠作用を期待して作ったお薬ですが、その他にも筋弛緩作用も働いてしまいます。 緊張が強くて肩がこってしまったり、身体に緊張やこわばりがある時はむしろ大歓迎の作用になります。 ですが、高齢で足腰が弱っている方に筋弛緩作用が強く出てしまうと、ふらついてしまって危ないです。 トイレで夜中に目が覚めた時に、眠気も相まって転倒して骨折してしまうようなこともあります。 レンドルミンは睡眠中に作用が持続するような睡眠薬です。 このため、ふらつきには注意が必要です。 承認時および市販後調査では1.01%の報告があります。 軽いものも含めるともう少し多いでしょう。 ふらつきがみられた場合、レンドルミンを減量するか、睡眠薬の変更を検討します。 レンドルミンを少なくすれば作用も弱くなってしまいますが、ふらつきの副作用も軽減されます。 減量が難しい時は、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のマイスリー・アモバン・ルネスタへの変更を検討しましょう。 これらの睡眠薬は作用が睡眠に特化していて、筋弛緩作用が非常に少ないです。 高齢の方では、積極的に切り替えを検討した方がよいかも知れません。 5.レンドルミンの安全性-依存性 レンドルミンを漫然と使用していると依存が形成されます。 離脱症状や反跳性不眠のために、なかなか薬をやめられなくなる方もいらっしゃいます。 睡眠薬では、依存してしまって止められなくなってしまうことがあります。 ですから、ちゃんと出口を見据えて薬を使っていくことが大切です。 依存には大きく3つのポイントがあります。 身体依存と精神依存と耐性の3つです。 身体依存とは、薬が急になくなってしまうことで身体がビックリしてしまう状態です。 身体が薬のある状態に慣れてしまうことで、急になくなるとバランスが崩れてしまいます。 身体の依存です。 睡眠薬を急にやめてしまうと、むしろひどい不眠(反跳性不眠)や体調不良(離脱症状)におそわれることがあります。 精神依存とは、精神的に頼ってしまうということですが、これは効果の実感の強さが重要です。 効果が早く実感され、効果がきれる実感が大きいものほど精神的に頼ってしまいます。 心の依存です。 不眠は非常につらいですから、睡眠薬には頼ってしまうようになります。 耐性とは、薬が体に慣れてしまい効果が薄れていくことです。 はじめは1錠で効いていたのに少しずつ眠れなくなってしまう時は、耐性が形成されています。 睡眠薬の依存を心配されている方は多いですが、アルコールに比べたらマシです。 過度に心配することはありません。 医師の指示通りの量を守って服用していれば、ほとんど問題ありません。 睡眠薬依存が本当に問題になるのは、睡眠薬の量がどんどん増えて大量になってしまう方です。 耐性ができて薬が効かなくなっていき、その結果どんどん薬の量が増えているのです。 このような方は注意が必要ですが、ちゃんとある程度の量でコントロールできているならば大丈夫です。 レンドルミンはしっかりとした効果が期待できる睡眠薬です。 このため効果の実感もあり、依存性があります。 漫然とした使用は必ず避けなければいけません。 レンドルミンなどのベンゾジアゼピン系睡眠薬よりも、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の方が依存性は少ないです。 できれば非ベンゾジアゼピン系のマイスリー・アモバン・ルネスタなどにしたほうがよいです。 そして、睡眠薬とアルコールの併用は絶対にやめましょう。 眠れないから寝酒をしている方も多いかも知れませんが、これは睡眠には悪影響です。 それに加えて睡眠薬と併用すると、依存が一気に形成されてしまいます。 絶対にやめましょう。 詳しく知りたい方は、 をお読みください。 まとめ 翌朝への眠気の持ち越しがしばしば認められます。 睡眠時間を確保しても変わらない場合、減量したり、作用時間の短い非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に変えてみましょう。 健忘はあまりみられません。 レンドルミンを飲んだらすぐに布団に入って寝るようにしましょう。 それでも改善がなければ、減量したり、効果の持続が長い薬に切り替えます。 ふらつきに注意が必要です。 減量するか、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に変更を検討しましょう。 レンドルミンを漫然と使用していると依存が形成されます。 離脱症状や反跳性不眠のために、なかなか薬をやめられなくなる方もいらっしゃいます。 2017年3月22日 カテゴリー• 1,162• 月別アーカイブ•
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