声優&キャラクター紹介 (引用:) 金田… 岩田光央 暴走族のリーダーの高校生。 度胸とリーダーシップがあり、周囲から慕われている。 同じ孤児院で育った鉄雄を兄弟のように思っている。 (引用:) 鉄雄… 佐々木望 金田と幼馴染の同級生で暴走族の一員。 子どもの頃は気が弱くいじめられっ子で、何かあるといつも金田が助けてくれた。 金田に憧れる一方で、いつも兄貴面の金田を疎ましく思っている。 自分に劣等感を感じており、その原因は金田や暴走族仲間たちにあると思っている。 タカシと接触事故を起こしたことで超能力に目覚める。 (引用:) ケイ… 小山茉美 政府反対派組織のゲリラに属する若い女性。 映画では語られないが、原作によると年齢は17歳。 リーダーの竜を慕っている。 (引用:) アキラ(28号)…セリフ無し マサルやタカシのように軍に管理されているナンバーズの1人。 大佐やドクターの会話から、その力が他の能力者たちの中でも特に強い力を持っていたことがわかる。 (引用:) タカシ(26号)… 中村龍彦 ナンバーズの1人で、鉄雄の超能力のきっかけとなった男の子。 念力やテレパシーを使う。 研究所から脱走して鉄雄と事故を起こし、その後マサルに説得されて研究所に戻った。 (引用:) キヨコ(25号)… 伊藤福恵 ナンバーズの1人。 未来予知、他人の意識の乗っ取り、テレパシーが主な能力。 体が悪いのか、基本はベッドに寝たきり。 (引用:) マサル(27号)… 神藤一弘 ナンバーズの1人。 念力や透視能力、テレパシーの能力を持つ。 足が悪いのか、カプセル式の車いすに座り念力で動かして移動する。 論理的で冷静な性格で、いつもスーツを身に着けている。 (引用:) 竜作… 玄田哲章 ケイが所属するゲリラグループのリーダー。 アキラによる日本革命を信じ、根津の指示で動いている。 (引用:) 敷島大佐… 石田太郎 ナンバーズ研究・管理の総責任者で軍の幹部の1人。 ナンバーズの超能力を国のために役立てようと考えているが、鉄雄の力はあまりにも大きいため危険視している。 ナンバーズを日々見守っているため、彼らに情が湧いている。 (引用:) ドクター… 鈴木瑞穂 ドクターは軍の研究員で、ナンバーズの研究・管理チームのリーダー。 鉄雄の脳波のパターンがアキラに似ていたため研究意欲を刺激される。 (引用:) 根津… 大竹宏 野党党首の政治家。 裏でゲリラグループ竜らの糸を引き、アキラの力を私的利用しようと企んでいる。 心臓を患っておりいつも顔色が悪い。 (引用:) カオリ… 淵崎有里子 金田たちと同じ高校に通う、鉄雄の彼女のような存在。 ・その他のキャスト 春木屋の店長… 秋元羊介 甲斐(金田の友人、小柄)… 草尾毅 山形(金田の友人、大柄)… 大倉正章 渡辺(金田の友人)… 荒川太郎 桑田(金田の友人)… 岸野幸正 竹山(金田の友人)… 平野正人 ミヤコ(教祖様)… 北村弘一 検査官… 池水通洋 ほか 結末までのあらすじ 1988年に第三次世界大戦が勃発し、東京は核攻撃で大きな打撃を受けた。 戦後の2019年。 季節は夏。 ネオ東京で暮らす職業訓練生の 金田は、その日の夜も暴走族同士のバトルを繰り広げていた。 戦いの最中、金田の幼馴染の 鉄雄がナンバーズの1人であるタカシと接触事故を起こして大けがを負った。 心配した金田たちが駆けつけると同時に、武装した軍隊(アーミー)が現れてタカシと鉄雄を連れ去り、金田たちは警察署送りになった。 金田は厳重注意だけで済み、署から出る際、署内にいた ケイに一目ぼれする。 ケイを仲間だと嘘をついてケイの取り調べ前に警察署から助け出した。 その後 金田はケイをナンパするが、ケイはお礼だけ言うとそっけなく立ち去ってしまった。 (ケイをナンパする金田 引用:) その間、研究所(ラボ)で研究された鉄雄はタカシとの接触の影響で 超能力を得た。 鉄雄本人はそのことにまだ気づいていないが、 大佐や ドクターたちはその力の大きさに興奮した。 数日後。 ラボでの検査が苦痛で研究所から脱走した鉄雄は、突然学校に現れて金田の自慢の赤いバイクを奪うとすぐに カオリを後ろにのせて逃げようとした。 だが敵グループに襲われたり金田に追いつかれたりで失敗。 直後に鉄雄は激しい頭痛に苦しみ始め、またもや駆けつけたアーミーの男たちに連れ去られてしまった。 金田は、また鉄雄を守れなかった自分に怒りを覚えた。 数日後。 街中で偶然ケイを見かけた金田は、ケイが警察に追われているところを助けた。 その後も金田はケイに付きまとい、ケイの所属するゲリラグループが鉄雄のことを話しているのを耳にして、リーダーの 竜作に 「鉄雄は俺の仲間だ!助けたいから一緒に連れて行ってほしい」と頼み込んだ。 ゲリラグループは『ラボに侵入して鉄雄の情報を入手しろ』と野党党首の 根津から指令を受けており、ケイの発言から金田を信じて仲間に入れることにした。 金田はケイたちと一緒にラボに忍び込み、ナンバーズの1人である キヨコの声に導かれて鉄雄の元へ到着する。 ここまでの間に金田とケイは竜とはぐれ、他のメンバーは全員死亡した。 自分の超能力に気付いた鉄雄は溢れる力に酔いしれていた。 かつては内向的で仲間達にも言われるがままだった鉄雄は、今までため込んでいた感情、ストレスが一気に爆発し、暴走していた。 鉄雄は助けに来た金田を上から目線でバカにした後、時折頭の中に響く アキラという人物が実在することを知り、アキラがいるというオリンピック会場の地下施設に飛んで行ってしまう。 ドクターと大佐はその力の大きさに驚き、慌てて鉄雄を追った。 金田とケイは侵入者としてラボ内に監禁された。 大佐は鉄雄が脱走して街が被害を受けたことの責任を負わされて大佐の身分をはく奪されかけるが、 軍の部下たちを焚きつけてクーデターを起こし、国の最高幹部全員に拘束命令を出した。 大佐のクーデターを知った根津は逃亡を図ろうとしたが、患っていた心臓が発作を起こして死亡。 このとき、根津の元にミッション失敗の報告に来た竜は根津に撃たれて死亡した。 (根津は竜が大佐側に寝返ったと勘違いして撃った) 監禁されていた金田とケイは、キヨコの助けで解放されて外に出た。 その直後、金田は暴走族仲間の 甲斐と再会し、 春木屋の店主と 山形が鉄雄に惨殺されたことを知り、 鉄雄を始末する決意をする。 その間、 ケイはナンバーズに拉致されて姿を消してしまう。 キヨコは「ケイは鉄雄を止めるために協力してもらう」と金田に言い残した。 金田は鉄雄とケイを追うためにオリンピック会場へとバイクを走らせた。 その頃、鉄雄は感情のままに街を破壊し、多くの警官や一般人を殺してオリンピック会場に着いた。 そこでナンバーズが操るケイと戦うが、ナンバーズ3人の力を合わせても鉄雄は倒せず「 無理して力を使うと大変なことになる」という彼らの忠告も鉄雄は聞かなかった。 鉄雄は地下施設もめちゃくちゃにして『AKIRA』と刻印されたカプセルを見つけ出し、 アキラがもうこの世にいないことを知った。 アキラの身体は研究しつくされたが超能力を生み出すエネルギーの仕組みは解明されず、研究者たちは未来の科学にそれを託すことにしたのだ。 カプセルの中に収められていたのは、パーツごとに分けて冷凍保存されたアキラの内臓や脳細胞だった。 鉄雄がガッカリしていたところに金田が到着。 金田は警官から拝借したレーザー銃で鉄雄に立ち向かった。 金田の勝ち目は無いように思われたが、2人の戦いに乗じて大佐が衛星型のレーザー兵器「SOL」で鉄雄を攻撃、鉄雄は右腕を失った。 だがレーザー兵器も2発目は効かず、鉄雄は宇宙に飛びSOLを破壊した。 レーザー銃のバッテリーが切れた金田は、駆けつけた甲斐とケイと共に一時撤退した。 鉄雄はSOLを破壊した後、その辺に散らばっていた地下施設の部品で義手を形成、右腕にはめた。 再び頭痛に苦しむ鉄雄の元に、テレビで鉄雄の居場所を知った カオリと、鉄雄説得のために 大佐が1人でやって来た。 大佐は「頭痛は超能力の力が増しているのに体がついていけずに起こることで、このままでは命に関わるからラボに戻ろう」と説得したが、 鉄雄は「薬だけ持ってこい」と拒否するばかり。 そうこうしているうちに鉄雄の力が暴走を始め、鉄雄は人間の身体を保てなくなってきた。 少し遅れて金田が到着すると、鉄雄は「金田、助けてくれ!」と叫ぶと同時に巨大な 生きた肉塊に変わった。 (肉塊になってしまった鉄男を見つめる金田 引用:) 金田とカオリは膨れ上がる鉄雄の肉塊に飲み込まれ、カオリは中で圧死した。 鉄雄は「力がコントロールできない、カオリが死んでしまった、カオリの痛みが伝わって来る…」と金田の意識に直接苦痛を訴えた。 仲間が殺されたとはいえ、鉄雄は金田にとって弟のような存在だった。 金田は鉄雄が可哀そうになり、いつものように助けてあげなくてはと感じた。 鉄雄がどんどん周囲の物を巻き込んで巨大になっていくのを背に、ナンバーズはアキラの身体の一部に向かって祈っていた。 すると、アキラ(の魂)がナンバーズの前に現れ、 アキラは鉄雄を飲み込むためにブラックホールに姿を変えた。 大佐はキヨコによって安全な場所に移動されて生き延び、ドクターは逃げるのも忘れて車内で鉄雄を観察し続け、騒動に巻き込まれて圧死した。 金田はなんとか肉塊から出ると、 ブラックホールに吸い込まれていった鉄雄を助けるために、自身もその中に飛び込んだ。 それを見たタカシはマサル、キヨコが止めるのも聞かず、金田を助けるためにブラックホールに飛び込んだ。 タカシの行動を見たマサル、キヨコは「 3人で力を合わせれば、あの人だけでも助けられるかも」とうなずき、ブラックホールに飛び込んだ。 鉄雄、タカシ、キヨコ、マサルはブラックホールに飲み込まれてアキラに連れていかれ、金田だけがナンバーズとケイの声に助けられて生還した。 ブラックホールが消える直前、金田はアキラやナンバーズの子どもたちが研究されている様子や、鉄雄の記憶を垣間見た。 そしてナンバーズの「もう始まっている、あなたも、あなたの友達も」「いつかは、私たちにも」と囁く声と、鉄雄の声もそこにあるのを聞いた。 ブラックホールが消えた後、以前そこにあったものは何も残っておらず、金田と金田が立っていたガレキだけが残った。 ケイ、甲斐は金田の無事を喜び、金田は鉄雄が消えたことを静かに受け入れるしかなかった。 3人はバイクで颯爽と、鉄雄が破壊しつくしてガレキの山になったネオ東京へと帰っていく。 舞台は第三次世界大戦後の東京湾に作られた人口島のネオ東京。 主人公の青年 金田の幼馴染で弟分の 鉄雄が 超能力を持つ子どもとの接触をきっかけに超能力に目覚め、軍の研究機関に連れ去られてしまう。 鉄雄は他にもいる能力者の子どもたちとは比べものにならないほど絶大な力を手に入れた。 今までは不満をため込むタイプの臆病者だった鉄雄の性格は豹変し、研究機関から脱出、力を誇示して街を破壊、多くの人を殺したりと好き勝手に行動し始めた。 金田は軍から鉄雄を助けだそうと動いていたが、鉄雄は金田を邪険に扱い、ついに仲間の同級生を惨殺したことで、金田は自身の手で鉄雄を始末することを決意する。 鉄雄は自分と同様に強い超能力を持つ アキラという人物を探してとある地下施設にたどり着くも、アキラがもうこの世にいないことを知る。 鉄雄は周囲からの忠告を聞かずにコントロールが不十分なまま力を使い続け、やがて力に飲み込まれていき、金田に助けを求めながら巨大な生きた肉塊と化した。 そこに、事態を見かねたアキラの魂が現れて巨大なブラックホールを作り出し、鉄雄もろとも周囲一帯を巻き込んで別の世界に消えていった。 鉄雄が旅立ったことを肌で感じた金田は、生き残った仲間たちと共に鉄雄の分も強く生きていく決意をしてネオ東京に帰っていった。 解説、考察や感想など 老人のような子どもたちの正体は? (引用:) 本作の重要な登場人物に、 青白く老け顔の子どもたちが何人か登場します。 映画では彼らのことは軍関係者の会話から推測するしかないのですが、原作を見ていない初見だと不明点が多いと思うので、彼らのことを少し説明します。 彼らは軍に研究・管理されている超能力を持つ人間です。 彼らが老け顔の理由は映画では語られませんが、原作では 力をコントロールさせるために新薬を投与されて体の成長が止まり、老化だけが進んでいる姿だとされています。 軍内部で彼らは番号で呼ばれており、総称して ナンバーズと呼ばれています。 冒頭でタカシが外にいたのはなぜ? 冒頭で、タカシは男性に連れられて街の中を走り、アーミーの男たちから逃げようとしています。 タカシは登場するナンバーズの中で一番健康体で、そして外の世界へのあこがれが強いです。 タカシを連れていた男は、ケイのゲリラグループの一員だったことが竜の発言から明らかになります。 タカシは純粋に外に出てみたかったために男と一緒にラボから逃げようとしましたが、男は死に、鉄雄と事故を起こし、 仲間のマサルに説得されてしょんぼりして研究所へ戻っていきます。 超能力を得て怖いものなしになった鉄雄が金田を呼び捨てにし、金田が切れて放った言葉です。 これは劇場版オリジナルのセリフで、漫画には登場しません。 最後のナンバーズの言葉の意味は? (引用:) 金田がブラックホールから出る際、マサルとキヨコが「 もう始まっている」「 いつかは、私たちにも」と言い残して消滅します。 この言葉の意味は抽象的で難しいですが、 ナンバーズと接触した金田とケイにも近い未来に超能力が目覚めることを示唆していると思われます。 さらにキヨコが「私たちのような能力は人間誰もが持っている」と言っていたことから、いずれは人類全員が超能力に目覚める時が来るという意味だと思われます。 物語の中盤でケイが超能力を持つ人間を微生物に例えて「例えばアメーバやミジンコが人間と同じ力を持っても、彼らは微生物だからただ周りのエサを食い散らかすだけだ」と語っています。 つまり、今現在の人類がアキラや鉄雄のような力を持っても、人類の未来のために使おうとせず、ただ街を破壊し、むやみに殺すだけで力のコントロールもできず、鉄雄のように力に飲み込まれてしまうだけだということです。 ネオ東京の街並みも、パッと見は高層ビルが立ち並ぶ立派な都市ですが、よく見るとそこらじゅうゴミだらけで、時たま鉄雄などがゴミをポイ捨てする描写や、 春木屋の汚い店内とそこで売られているドラッグ、店内や街中などの人前でも平気で男女が体をまさぐり合うような、人々のモラルの低さが伺えます。 根津は「ネオ東京は 熟しきった果実みたいなものだ。 中に新しい種を宿している。 後は風が果実を地に落とすのを待つだけだ」と発言しています。 つまり、現在のすさんだネオ東京が生まれ変わるには風が必要で、その風と言うのがアキラや鉄雄のようなとてつもない力だということ。 実際には風=鉄雄の破壊行為やアキラのブラックホールだったのでしょう。 破壊と再生は表裏一体です。 崩壊したネオ東京の街に笑顔で戻っていく金田、ケイ、甲斐などの若者がネオ東京の新しい種となり、街を再生していくのです。 ナンバーズは金田が危険を顧みず鉄雄を助けようとしたのを見て、人類は確実に進化していて、人類が能力を未来のために使えるような未来が必ずくると感じました。 そういう意味の「もう始まっている」「いつかは、私たちにも」だと思います。 原作と劇場アニメの違い アニメ版と原作漫画のざっくりの流れは一緒ですが、アニメ版の方がより凝縮され、細かいストーリーは省かれています。 例えば、アキラは本作ではバラバラにされて冷凍保存されていましたが、原作では解体されることなく、人間の姿のまま冷凍されています。 また、冒頭の1988年東京爆発のシーンも、本作では描写のみで詳細には触れられていませんが、原作ではアキラが起こした爆破ということになっています。 本作ではアキラは鉄雄を飲み込むためにブラックホール化しますが、原作では鉄雄がタカシを殺し、それを見て怒ったアキラが能力を解放し、ブラックホールを生み出します。 また、本作でモブキャラ的に登場する教祖様の ミヤコは、漫画では元ナンバーズという不思議な過去を持ち、軍と敵対関係にあるメインキャラクターです。 同様に、冒頭で金田たちと争っている、顔にピエロのペイントをした暴走族の ジョーカーも、原作では金田と協力して鉄雄を倒そうとするメインキャラです。 (手放しでバイクを操るジョーカー 引用:) また、原作ではアメリカ軍も登場していたり、映画よりも壮大なスケールで描かれています。 全然深いこと書けなくて申し訳ないんですが、マントを羽織って宇宙に飛ぶ鉄雄はサイヤ人に、右腕を義手にした鉄雄はターミネーターに見えましたw 音楽も独特で、見た後はしばらく耳に残っています。 音楽を手掛けた芸能山城組の山城氏は確か原住民族の楽器を使うことに決めたそうなんですが、楽器には普通7つオクターブがあるところがその楽器は4つしかなく、 その足りていないところが金田や鉄雄たち(=10代の若者)を象徴しているように感じて、あのような形になったんだそうです。 ナンバーズのタカシの声を演じた中村龍彦という声優?の方が、私が学生当時好きでよく見ていたスヌーピーのチャーリーブラウンの声と一緒だった?のに少し驚きました。 今のチャーリーブラウンではなく、古い方のDVDの声です。 ですが中村龍彦で検索してもヒットせず、チャーリーブラウンの歴代声優一覧にも名前がなかったので、勘違いだったかもしれません。。。 でもものすごーく似てました。 わかってくれる人いるかな。。
次の窪田順生 [ノンフィクションライター] くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。 これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。 情報戦の裏側 できれば起きてほしくない「不祥事」だが、起きてしまった後でも正しい広報戦略さえ取れば、傷を最小限に済ませることができる。 企業不祥事はもちろん、政治家の選挙戦略、芸能人の不倫ネタまで、あらゆる事象の背後にある「情報戦」を読み解く。 「AKIRA」は単に昭和の時代に起きた出来事を未来風に描いただけ。 「AKIRA」とは大友克洋氏が1982年から「週刊ヤングマガジン」に連載していたSF漫画で、88年にはアニメ映画が公開。 「ジャパニメーション」の代名詞として海外でも高い評価を受け、誕生から38年経過した今も世界中で多くのファンに愛されている作品だ。 どれくらいこの「AKIRA」がスゴいのかというのは、日本でもおなじみのスティーブン・スピルバーグ監督が「こんな作品を作りたかった」などと絶賛し、グラミー賞常連の世界的ミュージシャン、カニエ・ウェストが「この映画は俺のクリエイティビティにもっとも影響を与えている」と発言していることからもわかっていただけるのではないか。 さて、そこで「AKIRA」のことをご存じのない方が次に気になるのが、「予言ってナニ?」ということだろう。 この日本が誇るSF作品が、いったい何を言い当てて、どんな未来を予見しているのか。 そのあたりを正確に理解していただくためには、まずはこの「AKIRA」がどんな物語なのかということを知っていただく必要がある。 舞台は、2019年の「ネオ東京」。 ネオって、と半笑いになる人たちの気持ちもわかるが、これにはちゃんと理由があって、作中で東京は原型をとどめないほどの壊滅的な被害に遭って新しく生まれ変わっているからだ。 1982年、東京で新型爆弾が炸裂し、これが引き金となって第三次世界大戦が勃発。 凄まじい爆発で巨大なクレーターができ、大半が水没してしまった東京は戦争が終わると、「ネオ東京」として復興の道を歩み出した。 そして2020年の東京オリンピックを控えたこの街で、「AKIRA」という凄まじい超能力を持つ子どもを巡る争いが繰り広げられていくのだ。 そう、この作品はなんと30年以上前に「TOKYO2020」が開催されることを予見していたのだ。 この他にも作品内の描写が現実とピタリと重なっている。 例えば、「AKIRA」の第2巻の中で、その東京オリンピックの競技場の建設現場が描かれているのだが、そこには「開催まであと413日」という看板とともに、「中止だ 中止」という落書きがなされている。 「TOKYO2020」が開幕する今年7月24日の413日前は2019年6月7日。 この月は、五輪招致時の「裏金疑惑」をめぐってフランス当局から捜査対象となっていた、竹田恒和・JOC会長(当時)が任期満了で退任している。 これを受けて、五輪反対派からは、「グレーなままでまんまと逃げおおせた」「こんな黒いオリンピックは中止にすべき!」という批判が持ち上がっていたのだ。 それだけではない。 なんと「AKIRA」には現在、日本のみならず世界に混乱を引き起こしている新型コロナウィルス騒動を連想させるような描写も確認できるのだ。
次の1988年7月16日。 東京はある巨大なパワーによって完全崩壊します。 それをきっかけとして第3次世界大戦が勃発。 その31年後の2019年、旧東京湾内に構築された人工都市、ネオ東京。 荒れ果てた旧市街の一角にある安酒場春木屋はチンピラや暴走族の溜まり場で、スキンヘッドの店長をしり目に暴走族山形が、金田を迎えに来ます。 裏手の路地では仲間の鉄雄が金田の大型改造バイクを弄っていましたが、金田は「乗りたいか!鉄雄!欲しけりゃおまえもでかいのブン捕りな!」とどかし、2輪駆動電気エンジンを派手にスパークさせ発進、山形、鉄雄のバイクが続き、敵の暴走族クラウンを追い込んだ環状5号へと向かいます。 彼らは立体ホログラフが瞬く大都市ネオ東京を暴走しクラウンを追撃、甲斐も合流します。 一方、中心部の路地では鳥打帽の男が小柄な少年を連れ逃走中で、大規模なデモ隊と交通封鎖に挟まれ追い詰められます。 男は胸から大量に出血し、少年の顔が老人だったことに野次馬や機動隊は一瞬たじろぎ、その中にいた大柄な男、竜とケイも手出しができません。 やがて鳥打帽の男は一斉射撃を受け息絶えますが、少年が悲鳴をあげた瞬間、周囲の窓が破壊されガラス片が降り注ぎ、巨大なオブジェが崩れ落ち、少年は竜とケイが見つめる中、掻き消えます。 アーミーの大型ジェットヘリの中では、フライングチェアに乗った老人の顔の少年マサルがその場所を教え、モヒカン刈りの大男大佐はヘリを旧市街へと向かわせます。 その頃、クラウンを追って先頭を走っていた鉄雄は突然現れた少年に驚き、ぶつかる寸前、バイクと共に弾き飛ばされます。 追いついた金田たちが負傷した鉄雄に駆け寄りますが、数機のアーミーの大型ジェットヘリが来てマサルが現れ少年を説得、大佐と3人でヘリに乗り、鉄雄も別のヘリで連れ去られます。 金田たちはデモや反政府運動の連中と共に臨時警察署となった体育館に連行されますが、金田は反政府軍の指名手配ファイルでケイを知り、捕まっていた彼女を脱走させますが逃げられます。 一方、第8区職業校では金田たちが鉄拳制裁を受けムカつきながらも鉄雄を案じていましたが、鉄雄はその夜、病院から脱走、翌日、金田のバイクを盗みカオリと共に逃げ出します。 が、クラウン一味に捕まり暴行されるうち、追ってきた金田たちに救われます。 数日後の夜、仲間たちと遊んでいた金田は、革命軍のテロの現場で竜とケイを見て後を追います。 2人は地下街に逃げ込み、竜はケイに拳銃を渡して逃げ、下水道に逃げた彼女はアーミーに追いつめられやむなく射殺、金田は立ちすくむケイを連れ逃げ出します。 一方、病院に戻された鉄雄は、幼い頃、施設で金田と遊ぶ夢を見てうなされ、目覚めた途端激しい頭痛に襲われ、病室の明かりが破裂します。 彼女は「夢を見たの」「都市が崩壊し大勢人が死に、もう一度アキラ君に会った」「あの子を行かせてはだめ…」と言い再び眠りに落ちます。 大佐とドクターはオリンピック予定地の地下深くにある極秘施設に行き、何重もの巨大なデュワー壁の中心部にある0. 0005K -273. それは青く無数のパイプに囲まれた巨大なドームで入口には「AKIRA 28」とあります。 大佐は「見てみろ、この慌てぶりを」「怖いのだ、怖くてたまらずに覆い隠したのだ」「恥も尊厳も忘れ、築き上げてきた文明も科学もかなぐり捨て、自ら開けた恐怖の穴をあわてて塞いだのだ」と一人語ちます。
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