塗り方(使い方) ルリコンは1日1回患部に塗布します。 正常な皮膚には悪影響がでないことから、患部より広めに塗ることをオススメします。 またタイミングですが皮膚の吸収が最もよくなる入浴後に塗るのがよいでしょう。 クリーム・軟膏は指で、液は容器の先端を手に押し当てて薬を出したあと指で伸ばしていきます。 作用機序(メカニズム) ルリコンの有効成分である「ルリコナゾール」は真菌の細胞膜の構成成分である エルゴステロールの合成を阻害します。 より細かく作用機序を解説します。 真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールは下記のように合成されます。 人間の細胞膜に「エルゴステロール」は存在しないことから人の細胞を傷つけず、真菌のみに作用するのが特徴です。 効能・効果 ルリコンの効能・効果は下記のとおりです。 下記の皮膚真菌症の治療 白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬 カンジダ症:指間びらん症、間擦疹 癜風(でんぷう) 白癬とはカビの1種である「真菌(しんきん)」が原因で起こります。 足に真菌が感染するのが「水虫」、陰部(股部)に真菌が感染するのが「いんきんたむし」、体部に真菌が感染するのが「ぜにたむし」とも呼ばれます。 カンジダ菌は人間に元々住み付く菌で免疫低下や、抗生物質を内服した時などにカンジダ症として現れます。 癜風(読み方:でんぷう)とは癜風菌という人の皮膚に元々ある常在菌が原因となります。 爪水虫には効果ある? ルリコン液が爪水虫で処方されることがありますが、ルリコン液は爪水虫の適応はありません。 今まで、爪水虫は飲み薬でしか治療ができませんでした。 ルリコンと同じルリコナゾールが入ったが爪水虫専用の治療薬として開発され、外用剤でも爪水虫が治療できるようになっています。 妊娠・授乳中の使用 妊婦さんの場合、「治療の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。 〔妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。 〕 引用元 ルリコンインタビューフォーム 授乳中は特に注意書きがなく「授乳を中止することなく使用してもよい」と指導されるケースが多くあります。 市販薬はある? ルリコンの有効成分である「ルリコナゾール」が入った市販薬は販売されていません。 ルリコナゾールの入った市販薬はありませんが、同じ作用機序で真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害する市販の水虫治療薬は多数販売されています。 中でもルリコナゾールと同じ系統である イミダゾール系の主な市販薬は下記のとおりです。 ピロエースW(ラノコナゾール)• フットガンコーワ(ラノコナゾール)• デシコートUN(ビホナゾール)• ユンカーエース(ビホナゾール) 水虫治療の市販薬では有名な ラミシールや ブテナロックはルリコンと系統は異なり、作用部位にも違いはありますが、エルゴステロールの生合成を阻害する点では大まかには同じといえます。 カテゴリー• 4 こんにちは。 現役薬剤師Yu(ユー)です。 2006年に京都薬科大学薬学部を卒業し、薬剤師免許を取得後、調剤併設ドラッグストアと調剤薬局にて勤務する現役薬剤師です。 健康食品や市販薬、内科、整形外科、皮膚科、小児科、在宅医療まで幅広く患者さんと関わってきました。 「一人の患者さんが抱える薬の疑問は、みんなが抱える疑問かもしれない」 私が薬剤師として活動する中で、患者さんに聞かれたことや、患者さんが知っておく必要があると思った情報をまとめるためにサイトを立ち上げました。 最近は患者さんだけでなく、ヘルパーさんや看護師さんなど医療従事者の方も薬の勉強のために閲覧をいただいております。 「薬に関わる疑問を少しでも解消したい。 」 そのような思いで日々サイトを磨いてまいります。 まだまだ成長過程の薬剤師ですが、一人でも多くの方がこのサイトがあってよかったと思っていただるように自分の抱える知識を発信してまいります。 スポンサーリンク.
次の2006年から~ 第3世代の抗真菌成分 代表的な製品 ラノコナゾール ピロエースZ・デシコートブロック など 【参考】第3世代抗真菌成分が登場する以前の水虫薬成分 医療用成分から一般薬化された代表的な抗真菌成分 エキサラミド(1985) チオコナゾール(1991) シクロピロクスオラミン(1987~) オキシコナゾール硝酸塩(1993~) ミコナゾール硝酸塩(1987~) スルコナゾール硝酸塩(1993) エコナゾール硝酸塩 (1988~) ビホナゾール (1993~) トルシクラート(1991) ラノコナゾール、テルビナフィン、ブテナフィン、アモロルフィン、 ネチコナゾールなど第3世代の抗真菌成分と比べて、 従来の抗真菌成分は白癬菌の抑制力(MIC)が弱いです。 製品によっては高濃度(配合量)を謳う医薬品もありますが、 高濃度=白癬菌の抑制力が強いわけではありませんのでご注意ください。 MICは極限まで少なくした量で、どれくらい水虫の繁殖を抑えられるかを示した数値です。 「抗真菌剤」に加えて、痛みやかゆみを鎮めるよう神経に作用する「局所麻酔成分」や、かゆみを引き起こすヒスタミンをブロックする「抗ヒスタミン成分」と、 清涼感と灼熱感でかゆみを打ち消す「鎮痒成分(局所刺激成分)」など、市販薬で最も多い 「効果の異なるかゆみ止め」を4種類配合しています。 また、痛かゆい患部の腫れを抑える「グリチルレチン酸(抗炎症成分)」や、雑菌による二次感染(化膿)と、臭いの原因菌を殺菌する「イソプロピルメチルフェノール(殺菌消毒成分)」も追加されていますので、 この水虫薬を選んでおけば間違いない「頼りになる一本」です。 「かかと」水虫は、ガサガサした皮膚の筋が乾燥して、冬場にぱっくりと割れて悪化することが多いですが、かゆみが少ないのが特徴です。 特に女性の場合は、かかと部分にできる角質化水虫(角化型)が繁殖しやすいので、有効成分が浸透しやすくする尿素の配合された「メンソレータム エクシブWディープ10クリーム」が売れています。 「メンソレータム エクシブWディープ10クリーム」は、 有効成分の「テルビナフィン塩酸塩」は殺真菌作用と角質層への浸透力と貯留性に優れている抗真菌薬になります。 また、女性が苦手なメントールも配合していない水虫薬です(女性は男性に比べて皮膚が薄く、「スーッとした清涼感が逆にヒリヒリする」など、メントールを好まれない方が一定数いらっしゃいます) 抗真菌薬のほかに、かゆみ止め2種類(リドカイン、ジフェンヒドラミン塩酸塩)のほかに、炎症に効く抗炎症成分(グリチルレチン酸)、ニオイの原因菌を殺菌するイソプロピルメチルフェノールなどを配合した水虫薬で、 「塗ったときになかなか乾かない」ことや「(ストッキングなどを履いたときの)ベタつき」が気になる女性の不満点も解消した、速乾性と使用感に優れる水虫薬です。 「メンソレータム エクシブWディープ10クリーム」は35gと容量も多いので、かかとを含め広範囲にたっぷり塗れます。 その他 テルビナフィン塩酸塩市販薬の特徴については(別記事に移動します) ラノコナゾールの市販薬 患部がジュクジュクした「ぱっくり割れ」の水虫にピロエースZ軟膏 角質をやわらかくする尿素は、ぱっくり割れて 粘膜が露出した水虫に使うと粘膜が刺激されて 非常にしみます。 その場合は、尿素の配合されていない「ピロエースZ軟膏)」を選んでください(ピロエースZ軟膏には、尿素とメントールが配合されていません) 軟膏は、水虫薬に使われている基剤のなかでも患部を保護する力が強く、アルコールも含まれていないので皮膚に優しい剤形です( 液やスプレーにはアルコール類が使われています。 アルコールは患部を刺激しやすいので、ひび割れ水虫に使うと痛みます) ピロエースZ軟膏は「伸ばしにくい」のと「かゆみ止めが入っていない」のが難点ですが、市販薬でもっとも 強い 白癬菌の抑制力(MIC)を持つ ラノコナゾール配合の水虫薬です。
次の広告 効き目が強い第三世代 現在水虫薬の主力といえるのは第三世代の抗真菌薬を使用した水虫薬です。 この第三世代とは何でしょうか? 1980年代に臨床の現場に登場した、比較的新しいタイプの抗菌剤で、それ以前の第二世代といわれるものより基本的には効き目が強いです。 第三世代に分類される水虫薬の成分は• ルリコナゾール• ラノコナゾール• 塩酸テルビナフィン• 塩酸ブテナフィン• 塩酸アモロルフィン• 塩酸ネチコナゾール です。 (各成分の効果について、詳しくはをご覧ください。 ) ラノコナゾールは2006年に、ルリコナゾール、ラノコナゾール以外は2002年のスイッチOTCで市販薬でも使用できるようになった成分です。 (ルリコナゾールは医療用で市販薬では使用できません。 ) かゆみ止めは2008年から 第三世代が市販薬で使用できるようになったのなら、ほかの成分の水虫薬はなくなりそうですが、そうでもありません。 理由はいろいろありますが、その一つとして、かゆみ止めが許可されたのが2008年と比較的新しいことにあります。 2002年から複数の第三世代抗真菌薬を使った市販水虫薬の販売が可能になりました。 しかしこの当時はかゆみ止めなどの成分が入っていませんでした。 かゆみ止めを加えた薬が販売されたのは2008年から。 ブテナロック、ラミシール、ダマリングランデなどがこの年にかゆみ止めを加えた第三世代の水虫薬として販売を承認されました。 「第三世代抗真菌薬+かゆみ止め」という薬は比較的新しいジャンルにあたります。 2008年以降は第三世代抗真菌薬を使用した水虫薬のほとんどがかゆみ止め追加したので、種類は豊富になりました。 ラノコナゾール+かゆみ止めは少ない 2006年に市販薬での使用が許可されたラノコナゾール。 MICが市販薬ではきわめて低い強力な成分ですが、かゆみ止めを併用した薬は2010年まではありませんでした。 2011年に販売されたピロエースZクリームがラノコナゾール+かゆみ止めの構成になっています。 このタイプはまだまだ少ないですね。 水虫薬の比較・解説について詳しくは「」をご覧ください。
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