胃腸炎は、嘔吐や下痢、発熱などの症状をともないます。 つらい胃腸症状は体力も奪い、回復にも時間がかかる場合があります。 そのような胃腸炎ですが、普段の食事から予防することもできるといわれています。 予防には、腸内環境を整えることが大切です。 胃腸炎の種類や症状、また、予防のための食事のポイントについて、詳しく解説していきます。 多く見られる胃腸炎の種類と症状 感染性胃腸炎は細菌、ウイルス、寄生虫など、さまざまな原因で引き起こされます[1]。 日本における感染性胃腸炎のうち、原因として報告される数が最も多いのはノロウイルスです[2]。 食中毒の原因として日本でも知られるようになりました。 そのほか、ロタウイルス、アデノウイルスなどが原因ウイルスとしてあげられます。 ノロウイルスによる感染性胃腸炎 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬場に多く発生します。 集団感染を引き起こしやすく、学校や会社などでは危険視されています。 経口で感染し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。 基本的には1~2日程度で回復しますが、子どもや高齢者、他にも病気がある場合などでは重症化することがあります。 一方、胃腸炎を引き起こす細菌としては、カンピロバクター、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌などがあげられます。 カンピロバクター腸炎 細菌性胃腸炎の中でも、もっとも頻度が高いのがカンピロバクター腸炎です[3]。 特に鶏肉に多く存在しているとされています。 潜伏期間は1~7日、経過は比較的良好だといわれています。 まれに、四肢麻痺などの症状が起こるギラン・バレー症候群が合併症として発症することがあるので注意が必要です。 鶏肉はしっかり火を通して食すことや、きちんとした保存方法を徹底するなどを意識しましょう。 サルモネラ胃腸炎 サルモネラ胃腸炎は、肉類や生卵を食べたときやミドリガメなどのペットから感染する可能性があります[4]。 潜伏期間は半日~3日程度と短いですが、症状は比較的重いとされています。 1週間程度で回復することがほとんどですが、まれに血液に菌が入り込む敗血症を併発することがあります[5]。 基本的に肉類は、食中毒や感染症といった病気にかかる可能性がある食材だということを頭に入れておく必要がありそうです。 保存方法と調理方法に注意して食べるようにしましょう。 下痢のときは消化に良い食べ物を 下痢や嘔吐の症状があるときは、適切な食事療法が大切です。 十分な水分の補給を 無理に食事をする必要はありません。 しかし、身体から水分が大量に排出されているので、できるだけ水分は摂るようにしましょう。 お茶やスポーツ飲料などでもよいですが、経口補水液を摂取するのがおすすめです。 消化に良い食べ物を 流動食から始めます。 温かいスープなど、少量ずつから試しましょう。 冷たいものや炭酸飲料、アルコールは胃腸を刺激するので避けます。 様子を見ながら、お粥や煮込みうどんなど、柔らかくて消化によいものを食べましょう。 食材やレシピにも気をつける 下痢や嘔吐の症状があるときは、食物繊維や脂質の多い食材は胃腸に負担をかけてしまうため避けましょう。 消化がよく栄養価も高い卵や豆腐、白身魚などがおすすめです。 また、調理法も消化をしやすくするためにひと工夫しましょう。 食材は小さめに切り、柔らかく調理します。 味付けは薄めにし、香辛料なども胃腸に刺激を与えるため控えます。 整腸剤やヨーグルトは効果アリ? 整腸剤やヨーグルトには、腸内環境を整えるビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が多く含まれています。 胃腸炎のときの腸内は、原因菌となる悪玉菌が多くの割合を占めているため、嘔吐や下痢などの症状が現れます。 整腸剤やヨーグルトを摂取することで、腸内の善玉菌の割合を増やし、症状を回復させる効果が期待できます。 このような症状はすぐに病院へ すぐに病院へ行くべき場合があります。 以下のような症状がある場合は、すみやかに病院を受診しましょう。 下痢 一過性の下痢であれば心配はいりません。 下痢と同時に、発熱や嘔吐、激しい腹痛をともなう場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。 そのほか、血便や粘液の混ざった便が出たときもすみやかに病院へ行きましょう。 詳しい症状やその回数、いつ頃から現れたかなどの情報はとても重要になりますので、しっかり医師に伝えるようにしましょう。 血便 便が通常時よりも黒かったり、赤黒かったり、真っ赤な色をしていたら、すぐに病院へ行きましょう。 便が出た後に肛門から血が出ている場合は、痔や肛門が傷ついている可能性があります。 腹痛 腹痛は症状が軽いものから激しく痛むものまで幅広く生じます。 また、病気が原因で起こる腹痛もあります。 腹痛が長く続いたり、普段との違和感があったりする場合は早めに病院を受診しましょう。 その際に重要になるのが、腹痛とともに起こる症状です。 吐き気や嘔吐、発熱などの症状をともなう場合は、医師の症状の程度や発症期間などを具体的に伝えられるようにしておくといいでしょう。 食べ物・飲み物で胃腸炎を予防 胃腸炎を予防するために、普段の食事からできることがあります。 食事を見直して、胃腸炎に強い体づくりをしましょう。 腸内環境を整える善玉菌 腸内環境を健康的に保つことは、胃腸炎をはじめとしたさまざまな病気を抑制することが期待できます[6]。 腸内環境を良好に保つには、腸内の善玉菌の割合を増やしましょう。 腸内の善玉菌を増やすためには、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を摂取することが大切です。 ヨーグルトや乳酸菌飲料には、たくさんの善玉菌が含まれています。 善玉菌は継続的に摂取することが効果的とされているので、毎日善玉菌を含んだ食品を摂取する習慣をつけるとよいでしょう。 バランスの良い食事を! バランスのよい食事は、身体の免疫力を高めるといわれています。 タンパク質には、免疫の原料となる成分が含まれています。 また、近年、近年、果物や野菜に含まれる抗酸化物質が注目されています[7]。 抗酸化物質とは、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こす原因となる活性酸素を抑制したり除去するもので、ポリフェノールやカロテノイドなどがあります。 いろいろな食材をバランスよく食べる習慣をつけ、病気にかかりにくい身体づくりを行っていきましょう。 参考文献• [1]国立感染症研究所. niid. html(参照2017-05-31)• [2]国立感染症研究所. niid. html(参照2017-05-30)• [3]厚生労働省. mhlw. html(参照2017-05-30)• [4]厚生労働省. mhlw. html(参照2017-05-30)• [5]横浜市. city. yokohama. html(参照2017-05-30)• [6]清水純. e-healthnet. mhlw. html(参照2017-05-30)• [7]厚生労働省. e-healthnet. mhlw. html(参照2017-06-05).
次のスポンサーリンク 胃腸炎になってしまった時、多くの人は何も食べたくないというくらい食欲がない状態になるのではないでしょうか。 こういった時には、どのような物を食べると良いのでしょうか。 体に負担のかからないように食事を摂るには、どのような点に気をつけると良いのでしょうか。 胃腸炎の時には何を食べたらいいの? 胃腸炎になった場合には、通常下痢や嘔吐が激しい状態が数日続くかもしれませんが、 あまりにも下痢や嘔吐が酷いという場合には、食事を無理に摂る必要はないと考えられています。 炎症がかなり激しい場合には、水分の摂取も難しいかもしれませんが、飲んですぐに吐いてしまうという状態でも水分の摂取は行った方が良いでしょう。 水分は経口補水液などが効率よく、ミネラルと水分を補給できて適しています。 食事ができるという場合には、なるべく胃腸に負担のかからないものを選ぶと良いでしょう。 基本的には お粥をベースにして、柔らかく煮たりゆでたりした野菜やスープが良いでしょう。 たんぱく源の肉や魚は胃腸に負担をかけるので、胃腸炎の症状があるうちは控えてもかまいません。 スポンサーリンク ゼリー・ヨーグルトは食べても大丈夫? 食欲がない時にデザートは喉越しが良く食べやすいでしょう。 ゼリーや、ヨーグルトを食べるという人も多いかもしれません。 しかし、これは正しいのでしょうか。 実際のところ、ゼリーもヨーグルトも胃腸炎時には差し支えありません。 ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸を健康に保つ作用もあります。 ゼリーについては、糖質が主になりますが、嘔吐や下痢症状、発熱がある時にはエネルギーをたくさん使ってしまっていますので、糖質の補給も有効です。 デザートばかりは体に良くないのではと思う方もいるかもしれませんが、食欲のない時にはデザートでも何も口に入れられないよりは良いことの方が多いです。 ゼリーやヨーグルトの他にも、プリンやアイスクリームも食べられるという人も多いようなので、そういったデザートの利用も良いでしょう。 スポンサーリンク -.
次の胃腸炎は、嘔吐や下痢、発熱などの症状をともないます。 つらい胃腸症状は体力も奪い、回復にも時間がかかる場合があります。 そのような胃腸炎ですが、普段の食事から予防することもできるといわれています。 予防には、腸内環境を整えることが大切です。 胃腸炎の種類や症状、また、予防のための食事のポイントについて、詳しく解説していきます。 多く見られる胃腸炎の種類と症状 感染性胃腸炎は細菌、ウイルス、寄生虫など、さまざまな原因で引き起こされます[1]。 日本における感染性胃腸炎のうち、原因として報告される数が最も多いのはノロウイルスです[2]。 食中毒の原因として日本でも知られるようになりました。 そのほか、ロタウイルス、アデノウイルスなどが原因ウイルスとしてあげられます。 ノロウイルスによる感染性胃腸炎 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬場に多く発生します。 集団感染を引き起こしやすく、学校や会社などでは危険視されています。 経口で感染し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。 基本的には1~2日程度で回復しますが、子どもや高齢者、他にも病気がある場合などでは重症化することがあります。 一方、胃腸炎を引き起こす細菌としては、カンピロバクター、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌などがあげられます。 カンピロバクター腸炎 細菌性胃腸炎の中でも、もっとも頻度が高いのがカンピロバクター腸炎です[3]。 特に鶏肉に多く存在しているとされています。 潜伏期間は1~7日、経過は比較的良好だといわれています。 まれに、四肢麻痺などの症状が起こるギラン・バレー症候群が合併症として発症することがあるので注意が必要です。 鶏肉はしっかり火を通して食すことや、きちんとした保存方法を徹底するなどを意識しましょう。 サルモネラ胃腸炎 サルモネラ胃腸炎は、肉類や生卵を食べたときやミドリガメなどのペットから感染する可能性があります[4]。 潜伏期間は半日~3日程度と短いですが、症状は比較的重いとされています。 1週間程度で回復することがほとんどですが、まれに血液に菌が入り込む敗血症を併発することがあります[5]。 基本的に肉類は、食中毒や感染症といった病気にかかる可能性がある食材だということを頭に入れておく必要がありそうです。 保存方法と調理方法に注意して食べるようにしましょう。 下痢のときは消化に良い食べ物を 下痢や嘔吐の症状があるときは、適切な食事療法が大切です。 十分な水分の補給を 無理に食事をする必要はありません。 しかし、身体から水分が大量に排出されているので、できるだけ水分は摂るようにしましょう。 お茶やスポーツ飲料などでもよいですが、経口補水液を摂取するのがおすすめです。 消化に良い食べ物を 流動食から始めます。 温かいスープなど、少量ずつから試しましょう。 冷たいものや炭酸飲料、アルコールは胃腸を刺激するので避けます。 様子を見ながら、お粥や煮込みうどんなど、柔らかくて消化によいものを食べましょう。 食材やレシピにも気をつける 下痢や嘔吐の症状があるときは、食物繊維や脂質の多い食材は胃腸に負担をかけてしまうため避けましょう。 消化がよく栄養価も高い卵や豆腐、白身魚などがおすすめです。 また、調理法も消化をしやすくするためにひと工夫しましょう。 食材は小さめに切り、柔らかく調理します。 味付けは薄めにし、香辛料なども胃腸に刺激を与えるため控えます。 整腸剤やヨーグルトは効果アリ? 整腸剤やヨーグルトには、腸内環境を整えるビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が多く含まれています。 胃腸炎のときの腸内は、原因菌となる悪玉菌が多くの割合を占めているため、嘔吐や下痢などの症状が現れます。 整腸剤やヨーグルトを摂取することで、腸内の善玉菌の割合を増やし、症状を回復させる効果が期待できます。 このような症状はすぐに病院へ すぐに病院へ行くべき場合があります。 以下のような症状がある場合は、すみやかに病院を受診しましょう。 下痢 一過性の下痢であれば心配はいりません。 下痢と同時に、発熱や嘔吐、激しい腹痛をともなう場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。 そのほか、血便や粘液の混ざった便が出たときもすみやかに病院へ行きましょう。 詳しい症状やその回数、いつ頃から現れたかなどの情報はとても重要になりますので、しっかり医師に伝えるようにしましょう。 血便 便が通常時よりも黒かったり、赤黒かったり、真っ赤な色をしていたら、すぐに病院へ行きましょう。 便が出た後に肛門から血が出ている場合は、痔や肛門が傷ついている可能性があります。 腹痛 腹痛は症状が軽いものから激しく痛むものまで幅広く生じます。 また、病気が原因で起こる腹痛もあります。 腹痛が長く続いたり、普段との違和感があったりする場合は早めに病院を受診しましょう。 その際に重要になるのが、腹痛とともに起こる症状です。 吐き気や嘔吐、発熱などの症状をともなう場合は、医師の症状の程度や発症期間などを具体的に伝えられるようにしておくといいでしょう。 食べ物・飲み物で胃腸炎を予防 胃腸炎を予防するために、普段の食事からできることがあります。 食事を見直して、胃腸炎に強い体づくりをしましょう。 腸内環境を整える善玉菌 腸内環境を健康的に保つことは、胃腸炎をはじめとしたさまざまな病気を抑制することが期待できます[6]。 腸内環境を良好に保つには、腸内の善玉菌の割合を増やしましょう。 腸内の善玉菌を増やすためには、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を摂取することが大切です。 ヨーグルトや乳酸菌飲料には、たくさんの善玉菌が含まれています。 善玉菌は継続的に摂取することが効果的とされているので、毎日善玉菌を含んだ食品を摂取する習慣をつけるとよいでしょう。 バランスの良い食事を! バランスのよい食事は、身体の免疫力を高めるといわれています。 タンパク質には、免疫の原料となる成分が含まれています。 また、近年、近年、果物や野菜に含まれる抗酸化物質が注目されています[7]。 抗酸化物質とは、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こす原因となる活性酸素を抑制したり除去するもので、ポリフェノールやカロテノイドなどがあります。 いろいろな食材をバランスよく食べる習慣をつけ、病気にかかりにくい身体づくりを行っていきましょう。 参考文献• [1]国立感染症研究所. niid. html(参照2017-05-31)• [2]国立感染症研究所. niid. html(参照2017-05-30)• [3]厚生労働省. mhlw. html(参照2017-05-30)• [4]厚生労働省. mhlw. html(参照2017-05-30)• [5]横浜市. city. yokohama. html(参照2017-05-30)• [6]清水純. e-healthnet. mhlw. html(参照2017-05-30)• [7]厚生労働省. e-healthnet. mhlw. html(参照2017-06-05).
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