「検討」の意味 「検討」の意味は「よく調べて研究する」 「検討」という言葉は日常生活や普段のビジネスシーンなどで良く耳にします。 一般的には「考える」という意味で使われていることが多いでしょう。 しかし「検討」の本来の意味は「よく調べて研究する」というものです。 「検討」の「検」という字には「調べる」という意味があります。 「討」は「詳しく調べる」「きわめる」という意味です。 そのため一般的に使われている「考える」という意味とは少しニュアンスが異なります。 日常で「考える」と「検討」をイコールで考えていけないわけではありませんが、言葉としての本来の意味は若干違うということは頭に入れておいた方が良いでしょう。 ビジネスで使える「検討」の敬語表現 「ご検討」は「検討」の丁寧語 目上の方へ「検討してください」と伝えたい場合は「検討」のままでは失礼になります。 「検討」の敬語表現は「ご検討」です。 「ご検討」という言葉を使うことで、相手に対してへりくだった姿勢を表すことができます。 「ご検討」の後には丁寧語である「ください」「お願いします」などが来ることが多いでしょう。 「検討する」は「いたします」 「検討」をするのが相手ではなく、自分の場合は敬語の「ご検討」は使いません。 自分が検討する場合は「検討させていただきます」「検討いたします」となります。 「検討」はそのままで、その後に続く言葉を丁寧語にすれば取引先の方や目上の方へも問題なく使うことができます。 「ぜひ検討させていただきます」「前向きに検討いたします」など、積極性を感じる言葉を頭に付けると相手との温度感が合いやすくなるでしょう。 「検討中」や「再検討」で動きを出す 「検討」という言葉は、少し形を変えるだけで進捗や行動を表すことができます。 たとえば「検討中」という言葉は「今まさに検討をしてる最中」という意味です。 相手から検討することの進捗について尋ねられたときなどに「ただいま検討中でございます」などと答えると、意味や状況が伝わりやすくなります。 他にも、一度検討した内容について見直す必要が出てきた場合には「再検討」が使えます。 「その件については、再検討をさせていただけませんでしょうか」などとすることで「これからもう一度深く考えようとしている」という行動を見せることができます。 ビジネスで使える「検討」の例文 「ご検討のほどお願いいたします」 ビジネスメールの締め文や、会話の締めとして良く使われる言葉がいくつかあります。 その中の一つが「ご検討のほどお願いいたします」です。 「ご検討のほどお願い申し上げます」「ご検討いただければ幸いです」などはビジネスの場では決まり文句のように使われる言葉です。 それまでに話した内容について、まとめてその場を締めることを相手に感じてもらいやすくなります。 「ご検討頂きありがとうございます」 相手が何かを検討してくれて、そのことを伝えられたときにはまずは検討してくれたことへのお礼が必要です。 「ご検討いただきありがとうございます」とお礼を述べてから、検討をしてくれた内容について伺うと失礼がありません。 「お忙しい中、ご検討いただきありがとうございます」など一言付け加えると、さらに印象が良くなります。 「この件は検討させていただきます」 相手から何か提案や依頼をされた場合に「考えてみます」ということを伝える場面があります。 このときに「検討」を使って丁寧にその旨を伝えると謙虚な姿勢で時間をもらうことができます。 「この件は検討させていただきます」「一度持ち帰って検討させていただいてもよろしいでしょうか」「ぜひ検討させてください」などバリエーションも豊かに伝えられます。 「考えてみる」という気持ちは言い方によってはぞんざいな態度に取られることがあります。 「検討」を使って相手に誤解されない伝え方をすると良いでしょう。 「検討」の類語 「検討」をフランクに言い換えるなら「考える」 一般的に使われている「検討」の言い換えとして、最も使いやすいのが「考える」という言葉です。 「考えておきます」「お考えください」「お考えいただきますようお願いいたします」など「検討」に比べてややフランクな雰囲気を出しながら、相手や状況によって語尾などを変化させて使うことができます。 「検討」を依頼で使うなら「一考」で言い換え 目上の方へ、何かを「考えてみて欲しい」「検討してみて欲しい」ということを伝える場面があります。 相手との立場の違いや状況などによっては、軽々しく「検討して欲しい」と言うことにおこがましさを感じることもあるでしょう。 そんなときに使えるのが「一考(いっこう)」です。 「一考」とは「ちょっと考えてみる」「一度でも考えてみる」という意味です。 目上の方へ「ご一考いただけませんでしょうか」「ご一考いただければ幸いにございます」などと使うことで「ちょっとだけでも検討してみてください」という謙虚な姿勢を表すことができます。 「検討」と「見当」は意味が違う 「検討」と間違えやすい言葉に、おなじ読みをする「見当」がありますが、「検討」とは根本的に意味が異なるため、書き間違いなどに注意しましょう。 「見当」も日常の中でよく聞かれる言葉ですが、「見当」には「おそらくこうだろう」「この方向で良いだろう」という意味があります。 「今後のことについて見当をつけておく」「おおよその見当はついている」などと使われる言葉です。 まとめ 「検討」という言葉は非常に便利な言葉です。 しかしその分、気がつけば「検討」という言葉を使いすぎている、ということもあります。 会話や文章の中で「検討」が多用されると「よく調べて研究する」という本来の意味が薄れやすいものです。 「検討」という言葉をよく知ることで、ここぞというときに正しく使えるようになると発する言葉全体に重みが出るかもしれません。
次の相手の提案などに対し、即答できない場合、ビジネスシーンでは、「前向きに検討する」旨を伝えて、回答を先送りします。 前向きに検討する旨を、相手に伝える場合、ビジネスマナーとして、「前向きに検討いたします」のように、謙譲語を用います。 「前向きに検討させていただきます」という使い方をする人も多く見かけますが、こちらの使い方は、おすすめできません。 間違っているわけではありませんが、さ行が多く、相手には聞きづらいということに配慮して、使わないようにします。 メールで使う場合 メールの場合は、音ではなく文字で伝えるツールなので、「前向きに検討させていただきます」と書いても、全く問題ありません。 さ行が多くて耳障りということもなく、謙譲語のように伝わることでしょう。 メールの場合は、前向きに検討する旨は、末尾の締めの句として使用します。 回答を先送りしたいという気持ちが含まれるので、自ら回答期限は設けません。 電話で使う場合 電話の場合は、音のみが相手に伝わるツールなので、余計な言葉は少なく、単純な言葉で伝えた方が誤りが紛れ込むこともありません。 「前向きに検討させていただきます」よりは、「前向きに検討いたします」の方が、伝えたい内容が簡単に伝わります。 電話の中で、検討すべき事柄の話題になった際に、他の人の意見や決定が必要な場合や、その場で断りづらい場合に、「前向きに検討いたします」と伝えましょう。 断るつもりでも、即答で断るよりも、「一考してから断った」という形にすることができます。 企業面接で前向きに検討しますと言われた時の採用率 面接で「前向きに検討させていただきます」と言われた場合、学生側の多くは、「ダメかも」と感じています。 「イケた」と感じるのは少ないかもしれません。 しかし、企業側にとって「前向きに検討する」という回答は断りの前の社交辞令ではなく、現状NGではないが後の面接の学生も見たうえで検討しようという、正直な気持ちです。 手ごたえがあった面接で「前向きに検討します」と言われた場合は、合格を確信するのも、不合格だと落ち込むのも、どちらでもありません。 この時点では、あなたにとって合否がわかっていないだけでなく、面接官にとっても誰を合格にするか決まっていない状態です。 「前向きに検討します」と言われた場合に限らず、就活の面接時に何かを言われても、深読みしすぎて気に病むのは、やめましょう。 その段階で一喜一憂せず、冷静に結果を待ちましょう。 前向きに検討してくださいを敬語で言い換える方法 前向きに検討してくださいを敬語に言い換える場合は、「検討してください」を丁寧語に言い換えて、「ご検討ください」と使う人が多く見受けられます。 ビジネスシーンで多用されている丁寧語ですが、「ください」の部分に、命令のニュアンスを感じ取ってしまう人もいます。 きちんとした丁寧語としては、「前向きにご検討くださいませ」とするのが、正解になります。 その他、「ご検討のほど、お願い申し上げます」「ご検討のほど、お願いいたします」と言い換えることもできます。 「お願い」の前に「よろしく」をつける文例を見かけますが、「よろしく」は目上の人に使うと失礼にあたる言葉です。 単に「お願い」する文章としましょう。 「前向きにご検討のほど、お願い申し上げます」と言い換えて使います。 前向きに検討すると言われた時のお礼の言い方 「前向きに検討します」と言われたときに、お礼を言うべきなのでしょうか。 別の切り返しやフォローをした方が良いのでしょうか。 「前向きに検討します」と回答した相手方の気持ちには、いくつかのパターンがあります。 ・場を締めるための、単なる断り文句 ・今は決められないけど、受け入れたいという気持ち ・今は決められないけど、断りたいという気持ち ・今ここでは断らないけど、断るつもり いずれの場合も、その場でお礼を言うよりは、会社などに戻ってから、打ち合わせや会議のお礼を述べ、「前向きに検討する」という内容について、念押しをするのがベストでしょう。 「前向きにご検討いただけるというxxxxについて、重ねてお願い申し上げます」という形で、検討内容を挙げて、相手の関心をもう一度引きつけておきましょう。 前向きに検討するという言葉は官僚が使う言い回し? プロポーズした結果、相手から「前向きに検討させて欲しい」と回答された場合、相手には、結婚する気があるのでしょうか。 諦めた方が良いのでしょうか。 期待しすぎても、逆に悲観的になっても、よくありません。 「前向きに検討させて欲しい」という言葉が出た場合、相手は、「なんとなく付き合っていて、結婚のことは考えていなかった」という状態です。 結婚のことを考えていなかったものの、結婚する気がないわけではなく、考える時間が必要だということです。 即答で断っているわけではないので、脈はあると言えますが、考えた結果がNOという可能性もあります。 「前向きに検討させて欲しい」と言われたら、希望を持ちながら、相手の答えを待つしかありません。 ただ検討結果を待つのがいいの? プロボーズ結果が、「前向きに検討させて欲しい」だった場合、相手が検討している間、ただ待っているのが良いのでしょうか。 「前向きに検討させて欲しい」という言葉に込められた、迷いの部分を考え、対応することはできます。 検討内容が、結婚に対する覚悟など、単に相手の気持ちのみにある場合は、そっとしておくのが良いでしょう。 相手の中に、家族や生活などに関する不安要素を読み取ったら、単に待つのではなく、不安を取り除くための話し合いをしてみると良いでしょう。 「前向きに」検討するための材料を提供してあげましょう。 前向きに検討するは断り文句なのか 前向きに検討するという言葉が、遠回しな断りの言葉として使われることが多いのは確かです。 回答期限の設けられない「前向きに検討する」は、ほぼ断りの言葉です。 例えば、訪問販売・テレフォンアポインターに対する「前向きに検討します」という回答は、「次回、いかがでしょうか」と尋ねた時には、ほとんどの場合「検討の結果、今回は見送ります」という回答になります。 ビジネス会議・メールで使われた場合 ビジネスの会議や、ビジネスメールの中で使われる、「前向きに検討します」という言葉は、「じっくり考えてみたい」という真意から発せられている場合が多いので、諦めることはありません。 冷静な気持ちで、回答を待ちましょう。 「前向きに検討します」と回答した時点では、相手にとって、まだ何も決まっていないと考えられます。 答えが出るまでは、一喜一憂する必要はありません。 ただし、何もせずに待っていると、回答が得られなかったり、悪い結果がもたらされたりする可能性が高まってしまいます。 待っている間にも、回答の催促や、新たな補助提案をして、相手に常に関心を持ってもらうように努めましょう。 待つだけではなく、「前向きに」なってもらうための、材料を提供するチャンスと捉えます。 前向きに検討すると言われたら希望を持って待つ.
次の「勘案」の意味 「勘案」は「あれこれと考え合わせること」という意味です。 「勘」は、普通は「勘がいい」「山勘」のように第六感で物事をピンと感じるという意味で使うことが多いと思います。 ですが、そのほかに「勘」には「よく調べたりして考える」という意味もあります。 「勘案」の「勘」はこちらの意味で使われています。 「勘案」は「案(考えた内容や計画)」をよく調べて考えるということなんですね。 「勘案」の使い方 「勘案」は色々な条件などを考えて判断するという意味です。 日常的には馴染みのない言葉ですが、公的機関や企業が発表する文章やスピーチ、ニュースなど、堅い言い回しが好まれるような場面で使われます。 いわゆる「お役所言葉」「ビジネス言葉」と言ってもよいでしょう。 基本的な使い方は、「勘案する」「勘案して……」という形になります。 【例文】• 政府は現在の国際状況を勘案し、施策を見直すべきである。 我々は諸事情を勘案した上で議論を進めていかなくてはいけない。 様々な条件を勘案して判断する。 「検討」との違いは? 「勘案」は「あれこれ考え合わせて判断する」という意味でした。 普段、「何かを考えて判断します」という時によく使う言葉は「検討」ではないでしょうか。 こちらは日常会話の中でも出てくる馴染み深い言葉だと思います。 「勘案」と「検討」はどう違うのでしょうか。 「検討」は「よく考えて調べること」という意味です。 「勘案」も「検討」も、同じような意味ではありますね。 細かく違いを見てみますと、 「勘案」は「色々な条件など、いくつものことを調べて考えて、それらから判断する」という意味です。 一方 「検討」は「一つのことを、色々な面から調べて良いか悪いかを考える」という意味です。 やっぱり同じように思えますね(笑)。 でも、 「勘案」のほうが「いくつもあるものを考えて」というニュアンスが強いことがわかります。 「検討」は「勘案」と同じように使うこともできますが、より「一つのものをじっくり考える」というニュアンスが強い言葉です。 似た意味の言葉ではありますが、状況に応じて使いわけるとよいでしょう。 【例文】• メンバーそれぞれの意見を勘案し、チームとしての最終的な決定を下す。 (色々な人の持つ意見をそれぞれよく考えて、それを合わせて判断する)• 彼の意見を検討して決めたい。 (一つの意見を色々な方向から調べ考えて、判断をする) 「勘案」の類語 ほかにも「勘案」に似た意味の言葉をいくつか挙げてみましょう。 熟考(よく考えること)• 考慮(そのことをよく考えること)• 顧慮(あることを考慮に入れて心遣いをすること)• 斟酌(あれこれ見計らって手加減すること)• 忖度(他人の気持ちを推し量ること)• 配慮(良い結果になるようあれこれ心を配ること) いずれも「よく考える」というような意味の言葉ですが、()内に書いたように、意味は少しづつ違ってきます。 「考慮する」あたりが一番オールマイティーに使いやすいかもしれませんね。 ですが、色々な言葉を知っていると状況に合わせた表現が広がりますので、ぜひいくつか知っておくと便利です。 まとめ 「勘案」はビジネスシーンで使える言葉です。 堅い印象を与える言葉ですので、はじめは使い慣れないかと思います。 ですが、堅いぶん、平易な言葉を使うよりも説得力が増すという効果もあります。 「勘案」という言葉に負けないような、しっかりとした意見や考えを述べることができればバッチリですね! 最後までお読みくださりありがとうございました!.
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