経腸栄養剤の副作用(有害事象)はどれか。 1.咳嗽 2.脱毛 3.下痢 4.血尿 正解は、、、 、、、 3.下痢です。 解説 1.咳嗽(せきのこと) 2.脱毛 3.下痢 4.血尿 経腸栄養剤の投与では、注入速度が速いと下痢を起こすリスクがあります。 咳嗽・脱毛・血尿が経腸栄養が原因で起こることはありません。 経管栄養剤注入の手順と根拠 経管栄養剤の注入の手順は、国家試験ではよく問われるので流れを確認していきましょう。 理由:音がしなかったら、カテーテルが胃では無く肺に入っていたり、喉まで上がってきている可能性があるからです。 理由:胃から抜けていた場合、栄養剤が腹腔内に流れて腹膜炎を起こす可能性があるからです。 3.体位を30~45度の半座位(ファウラー位)にする 理由:仰臥位のままだと、嘔吐しやすくなるため。 半座位を保ち、重力で栄養剤が戻りにくくします。 5.注入後は、チューブに白湯を20ml程度注入 理由:栄養剤がチューブ内に残ったままだと、固まって詰まったり、細菌が繁殖したりするためです。 経腸栄養剤、こんなときどうする? ・下痢をしたときはどうする? 注入する速度を遅くしたり、温度が低すぎないか確認します。 ・無菌操作が必要なの? 胃は無菌状態ではないため、無菌操作は必要ありません。 ・お風呂はどうしたらいいの? 経鼻チューブでも、胃ろうでも、保護する必要はなく、そのまま入浴可能です。 ・胃ろうをやってたら口からは食べられないの? 胃ろうがあっても口から摂取することができます。 十分に経口摂取ができないため、胃ろうからの注入と経口摂取を併用している人もいます。 ・在宅での経管栄養は、どのタイミングで行うべき? 介助者や、ご本人の生活スタイルに合わせて、注入の時間を決めて良いです。 ・カテーテルの交換はいつ行うの? 経鼻カテーテルは1~2週間で交換、胃ろうは1か月~1か月半が交換の目安です。 経腸栄養剤の国試出題ポイントまとめ 過去に出題された経管栄養剤の内容をまとめました!! 過去に問われたものは、今後も少し形を変えて出題される可能性があります。 覚えておきましょう! 経鼻経管栄養法の実施方法とその目的の組み合わせで正しいのはどれか。 1.注入前に胃内容物を吸引するー消化の促進 2.注入中はファウラー位にするー逆流の防止 3.注入終了後に微温湯を流すー誤嚥の予防 4.注入終了後はチューブを閉鎖するー嘔吐の予防 正解は、、、 、、、 2.注入中はファウラー位にするー逆流の防止です。 解説 1.注入前に胃内容物を吸引するのは、経鼻チューブが胃の中に挿入されていることを確認するためです 3.注入終了後に微温湯を流すのは、チューブの中の栄養剤が固まって詰まったり、雑菌が繁殖するのを避けるためです。 4.注入終了後はチューブを閉鎖するのは、チューブから胃内容物が逆流するのを防ぐためです。 まとめ 経管栄養剤を注入する際は、様々な手順がありますが、一つ一つに根拠があります。
次の経管栄養法とは、口から食事をとれない、あるいは摂取が不十分な方の消化管内にチューブを挿入して栄養剤を注入し、栄養状態の維持・改善を行う方法です。 点滴などで静脈から栄養をとる方法に比べて、消化管を使うので自然な栄養投与方法であり、より安全性が高く、コストが安いなどの利点があります。 経管栄養法は、管を挿入した経路により、経鼻胃管、胃瘻(いろう)、腸瘻(ちょうろう)栄養法に分けられます。 「経鼻胃管栄養法」では鼻から胃へチューブを挿入し、栄養剤を注入します。 「胃瘻栄養法」、「腸瘻栄養法」は内視鏡手術を行って、腹壁と胃壁 腸壁 との間にカテーテルを通し、そこから直接胃や腸に栄養剤を注入します。 口腔(こうくう)内や咽頭(いんとう)の手術後は、手術創の安静を保つために一定期間経管栄養法を使用します。 この場合、ほとんど経鼻胃管を用います。 また経口摂取が困難な場合、入院中に経鼻栄養チューブを挿入して経管栄養法を練習してから、退院後も在宅で経管栄養法を行っていく方法もあります。 手術後や狭窄(きょうさく)がある場合には医師が行います。 それ以外は看護師が行うこともあります。 事前に経管栄養の必要性・方法・所要時間を十分に説明し、同意を得てから行います。 経鼻チューブ挿入の長さは、だいたい45〜55cmくらいです。 鼻からのど、食道を通り、胃まで挿入します。 経鼻チューブ挿入時は、上半身45度拳上か座位で正面を向いた体位にします。 また、顎(あご)が上がっているとチューブが気道に入りやすくなるため、顎を引いた自然な状態で行います。 鼻よりチューブを挿入し、唾を飲み込むようにしてもらうと、チューブは自然にのどに送り込まれていきます。 経鼻チューブの位置が消化管以外に誤って入っていないか確認するため、1 口腔内でチューブがとぐろを巻いていないことの確認、2 聴診法、3 胃内容物の吸引、の3方法で確認します。 聴診法とは、挿入した管から注射器で空気を注入し、聴診器を当てて胃の中に空気が入る音を確認する方法です。 チューブが胃管に入ったことが確認できたら、チューブを鼻翼部分でテープ固定します。 栄養剤の注入中にチューブが抜けると誤嚥性肺炎の原因になるので、しっかりと固定します。 (2)胃瘻(腸瘻)の場合 医師が内視鏡を用いて、局所麻酔で造設手術を行います。 造設方法は何種類かありますが、ここでは「プッシュ法」といわれる方法を記載します。 造設する位置を内視鏡で確認します。 穿刺針(せんしばり)を刺し、穿刺針の中を通してガイドワイヤーを胃内に挿入します。 口から出たガイドワイヤーにかぶせて口からカテーテルを挿入します。 おなかの上に出たカテーテルの先端部分をひっぱり、ドーム部分を胃内へ留置します。 カテーテルが、適切に留置されていることを内視鏡で確認します。 カテーテルは、胃内固定版と体外固定版で止められています。 胃内固定版には「バルーン型」と「バンパー型」があり、体外固定版には「ボタン型」と「チューブ型」があります。 その組み合わせによって4種類のカテーテルがあり、患者にあったタイプのものを使用します。 3)栄養剤の注入方法• 1日の必要量・経管栄養剤の種類は患者の個別性があるため、患者氏名・栄養剤の種類・量・流入速度を医師の指示表と確認して準備します。 栄養剤の温度は、体温よりも高いと消化管に炎症を起こす危険があり、反対に体温よりも低いと腸管を刺激し、腹部膨満・腹痛・下痢を起こす危険があります。 初回の経管栄養剤を開始する場合には、まず微温湯を入れ、異常がないか確認します。 温めた栄養剤をイリゲーターに入れ、消化管内に余計な空気を入れないよう、管の先端まで栄養剤を満たしておきます。 患者に栄養剤を接続する前に、患者の体位を整えます。 栄養剤の逆流を防ぐため、注入中は座位または半座位で行います。 トイレなどで席を立つ際は、スタンドを持って移動します。 経鼻チューブの位置が消化管以外に誤って入っていないか確認するため、注入時には毎回(1)聴診法、(2)胃内容物の吸引の2つで確認します(これらの方法での確認が在宅で難しいときには、最低限チューブの固定のテープがはがれていないことを確認し、はじめはゆっくりと注入を行い、嘔気や気分不快がないことを確認してから一定の速度で注入するようにします)。 チューブを接続し、栄養剤の注入を行います。 栄養剤注入時は嘔気・嘔吐・腹部膨満・腹痛などの副作用の有無の確認、注入速度の確認を行います。 注入速度は、通常1回200〜400mlを60〜90分かけて注入します。 下痢、腹部膨満などの腹部症状が続くときは、栄養剤の注入速度を下げる、栄養剤の濃度を下げる、栄養剤の種類を変える、の順に実施します。 栄養剤注入後は、脱水予防のためとチューブ内の細菌繁殖・閉塞予防のために微温湯を流し、栄養剤が管内に残らないようにします。 胃瘻の場合も注入方法は同じです。 胃瘻の場合は、栄養剤投与の前にPEGカテーテルを開放し、胃内容物の停滞がないかを確認してから注入を始めます。 胃瘻、腸瘻の場合は、瘻孔周囲に栄養剤や消化液が貯留することによる皮膚損傷のおそれがあるため、皮膚の観察、適切なスキンケアを行っていく必要があります。 2.中心静脈栄養 1)中心静脈栄養とは• せっけんで手指を洗いましょう。 フィルムドレッシング(透明テープ)をゆっくりはがしましょう。 チューブを押さえながら行い、抜けないように注意しましょう。 挿入部周囲の皮膚はせっけん清拭(せいしき)などを行い、汚れをふき取ります。 汚れをふき取った後に消毒を行いましょう。 消毒薬のついた綿棒あるいは綿棒に消毒薬をつけて、チューブ挿入部を、中心から外に向かって半径5cm以上円を描くように2回消毒をします。 その後は挿入部に触れないようにしましょう。 綿棒は1回ごとに使い捨てます。 消毒液がしっかり乾燥したあと、フイルムドレッシング(透明テープ)を張ってください。 (3)輸液の交換.
次の【コラム100:栄養管理のコツは合併症を起こさない!下痢編】 栄養管理で合併症を起こさない第2弾です。 (第1弾はコラム96) 前回と繰り返しますが、重症患者の栄養療法を行う上で、合併症はつきものです。 合併症を起こしてしまうと栄養療法自体を中断することもあり、早期経腸栄養が実践できるという言葉の裏側には、合併症を起こさないことだとも言えます。 今回は、下痢についてです。 クリティカル領域での治療中に消化管機能障害は30~70%の患者に発生すると報告されています。 また250g以上の排便でエネルギーバランスが負の状態となり、350g以上でエネルギーと蛋白量が不足するとも言われています。 また、便の付着で起こる皮膚トラブルや、シーツが汚れてしまい交換をするために患者を何度も動かしてしまい循環動態が不良な患者にとっては身体的な負担になることもあります。 そして、オムツやシーツなどの交換費用、それを行う看護師の業務負担なども考えると経済的損失も発生します。 そもそも下痢って正しく報告・表現できていますか?程度によって様々な解釈を看護師はしていませんか? 下痢の定義はあきらかに決まったものはないようですが、「排便量が1日当たり200gを超える場合」とされています。 また回数も3~5回以上となっているものもあります。 便性状を評価するツールとしてブリストルスケールがあります、この中で下痢と呼ばれる範囲は7段階中の6(泥状便)から7(水様便)にあたります。 経腸栄養に関連する下痢は急性下痢症に分類されます。 その中で、主に吸収不良・高浸透圧性・細菌性に分けられます。 吸収不良は、長期絶食による機能低下や腸管浮腫によって発生します。 栄養剤によって浸透圧は異なりますので、確認はしてみるのもいいかもしれません。 最後は細菌性下痢ですが、抗菌薬の長期投与では C. difficile感染症が発生する可能性、PPIやH 2blockerにより腸管内細菌叢のバランスが崩れることで起こります。 また経腸栄養に使用する物品の不衛生な状況で使用することで最近が混入することもあります。 下痢対応アルゴリズムを作成し原因の特定、できるだけ経腸栄養を中止しなくてもいい方法を看護師で判断できるものを活用することもあります。 NST回診で下痢対策でよく質問があるのですが、経腸栄養剤を投与中に有形便になることの方が珍しいかと思います。 浸透圧や消化しやすい性質でもあり有形にはなりにくい特徴があります。 ブリストルスケールの6(泥状便)で安定していることの方が多いのかもしれません。 下痢だから経腸栄養を即中止するのではなく、原因を特定してまずは対応してみることが重要だと思います。 そのためには、なぜその性状なのかもアセスメントすることが求められています。 ********************************************* KCCCの運営にご協力いただいている方々が監修される新しい取り組み「ナースのための「教え方」コースー実施指導コースの申し込みが始まっています。 ご興味ある方は、ぜひスクール内容をチェックしてみてください!! KCCCでは、LINEでも文献紹介やコラムの更新情報、セミナー開催案等を通知させてもらっております。 もしよろしければ、下記のボタンからご登録をお願いいたします! QRコードでも登録できます! LINEをご利用の方は、ぜひご活用ください!.
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