【火星ジオン】 私たち《ジュピトリス》のクルーたちは火星圏を活動地域とするジオン残党をそう呼んでいた。 単純に火星にいるジオンだからである。 もっともその他の組織ー今は瓦解しているものも多いが、ー【デラーズ・フリート】だの【新生ネオ・ジオン】だのと自称したりすることもある。 (私にとっては敵の名前なんてどうでもいいことだ) そう、名前なんてどうでもいい。 名前なんてものは対象を認識する記号や番号みたいなものだ。 (私は自分の名前だって捨ててしまったのだから。 問題なのは、連中が・・・) 「キアを・・・、ドルチェ航宙士をジオンの残党はいまさらどうするつもりなんでしょう?」 濡れたような美しい黒髪とこぼれ落ちるほど大きな瞳の航宙長のバーバラ・ボールドウィンが、私の疑問を代弁してくれた。 小刻みに揺れる彼女の長いまつげは、キアーラの身を案じた憂いを含んでいた。 二等航宙士であるキアーラは、バーバラとは上司・部下の関係であるが、仲も良く仕事を離れれば、互いを「キア」、「BB」と呼び合うほどであった。 (そう、『いまさら』だ。 何年も何事もなかったのに・・・。 なぜ今になって) 私はバーバラの言葉とその表情に心が暗く沈む。 「どうするって、・・・テロリストの考えることなんてこっちが分かる訳ないじゃないか」 肘鉄を喰らった脇腹をさすりながら、イイヅカがうめくように言う。 「まぁ、でもやっぱり【ラプラスの箱事件】に関係してくるんじゃねぇのか?」 イイヅカの口調は真面目な会議であっても、礼儀も遠慮も無い。 だが、彼が口にした内容は私やバーバラ、そして艦長が口に出せなかった疑念の核心であった。 【ラプラスの箱事件】。 UC96年、今から2年前に起きた一連の事件はその戦闘規模・地域の大きさも相まって、ラプラス戦争、さらに近年は第三次ネオ・ジオン戦争と呼ばれている。 その詳しい経緯について、割愛するが事件の結末は全地球圏に向けてのミネバ・ラオ・ザビの演説放送で締めくくられた。 ミネバ・ラオ・ザビ。 かつてジオン公国を支配したザビ家の忘れ形見。 そして、一部のジオン残党には再興の旗印と目され、また他方では、地球連邦に対する抗戦を避けようとする邪魔者として嫌われていた。 その彼女が、地球連邦政府が100年近くに渡って隠蔽してきた謎、【ラプラスの箱】と呼ばれた宇宙世紀憲章の最後の一章『宇宙に適応した人類に、優先的に政治参画させる』という内容を暴露したのだった。 宇宙に適応した人類とは、広義にはスペースノイドを指し、狭義においてはニュータイプを示しているようにも思われる。 彼女はその事実を明らかにしただけで、大衆に対して、どうすべき、こうあるべきという具体的な話をしたわけではない。 ただ、『自分の目で真実を見極めてください』と言った。 マクロ視点では、彼女の宣言により、ラプラス戦争は表向き終結したように見えた。 事実、ネオ・ジオン抗戦右派であるフル・フロンタル派はそのリーダーを失い、構成員たる将兵をばらばらに各派閥へ四散させるに至った。 連邦も無傷ではなく、むしろ、こちらの方が重傷を負ったと言ってもよい。 秘密の暴露に伴い、地球連邦最高行政会議(いわゆる内閣)は解散という憂き目に会い、また連邦軍幕僚の吹き飛んだ首も片手では数え切れない。 先立ち同年5月1日、首都ダカールはネオ・ジオンの攻撃、通称【ダカール襲撃】を受けた。 戦後、戦闘の傷跡も生々しい街路は怒り猛る反連邦デモの群集に埋め尽くされた。 動員数は主催者発表で数万人だが、アングラネットの呼びかけも功を奏し、実数は誰も把握できないほど膨れ上がっていた。 デモは地球各地、さらに宇宙へと波及。 時に暴動と化した。 主にジオン残党の蜂起に対応するため配置されていた連邦各コロニー艦隊は、銃口を向ける相手こそ違えど、以前にも増して身動きが取れなくなった。 くだらぬ法案も議会を通過せず、政府機能は滞った。 そのまま、連邦という大木は急激に朽ち、枯れ倒れるのかとさえ思われた。 ところが、数ヶ月もすると日常は平穏を取り戻し、2年も経つと、人々は日々の平凡という現実に流され、ラプラスという単語は別にのぞく価値もないような単なるひとつの事実として、記憶から忘れ去られるようになった。 また、戦後のマクロ世界でもうひとつの興味深い現象が起きている。 艦隊まで使用した大規模戦闘は96年以来、この2年間発生していないが、テロやゲリラ戦などのLIC(低強度紛争)は言うに及ばず、MSを使用した中規模紛争は宇宙各地に野火のように拡がっていた。 『ラプラスの箱』という言葉は時々、ふと思い出したように話題に上るようなことがあったとしても・・・。 「いや、まったく俺も同感だ。 あの秘密条文を使って、連邦を糾弾するなり、スペースノイドに自治・独立を訴えるっていうなら、まだ納得できるんだが」 そう言って機関長のガンディーも頷く。 濃い褐色の肌を持つ彼の表情はうかがい知れなかった。 「逆にそんなことをしようって奴をミネバ・ザビは自ら粛正するって言ってるんでしょう?ますます訳が分からない」 腕組みをして考え込むガンディー。 「あれでは敵を増やすだけですね」 私の上司カールも平たい顎をこすりながら、腑に落ちない口調だ。 「秘密をばらされた連邦はもちろん、あの言い様ではジオン残党の武闘派路線もますますミネバ・ザビと対立するでしょう」 「あれじゃあ、歯向かう奴はぶっ殺す、って言ってるのと変わらないな、お姫さんは」 イイヅカが自分のM字禿頭を叩いて言った。 その不穏な言い様に、皆が押し黙った。 武闘派のテロリストがそんなことを言われ、一体どんな行動に走るだろうか?そして、もしも彼らがミネバ本人を捕らえたりしたら、どんな仕打ちを彼女にするだろうか? 「ところで」 神経質そうな中年女性の声、補給長のリンだ。 私は心の中で舌打ちする。 「ドルチェさんがそのミネバ・ザビの影武者というのは、本当のことなんですかぁ?皆さん知っていたんですかぁ?」 その問いかけに一同は今日何度目かになる、視線を牽制しあった。 この場にいる全員が知っていたことではなく、その事実は一部のクルーしか知らなかった。 仲間を互いに探り合うような雰囲気は不快なものだった。 (さかしい女だ) リンのしゃべり方も何か非難するような響きがあり、私はかねてからこのおばさんが嫌いだった。 加えて、こちらを見るときの粘りつくような視線も気持ち悪かった。 「確かに似てるとは思いましたけどぉ。 ま、わたしは《ジュピトリス》に乗って3年も経たないただの『新参者』ですので、知らなくて当然のことが多いのですけどぉ。 まぁ『一言』、言っておいていただければ、こちらとしてもぉ・・・」 独り言を言い続けるようにして、その実、不平不満や当てつけを垂れ流しているリンに私は今度こそ舌打ちした。 その舌打ちが聞こえたのだろうか、リンは口を閉じこちらを睨んできた。 「補給長はジオンの人間がお嫌いなのでしょうか?」 私もリンを睨み返し、慇懃に言った。 「とんでも無い。 わたしはそんな差別主義者ではありませんよ。 ただ、危険な思想を持った人を恐れているだけですよぉ」 ジオン=『危険な思想を持った人』と言っているような口ぶり。 怒りがこみ上げてきた。 私はこれ以上無い作り笑いを浮かべて、 「それを聞いて安心しました!私も元ネオ・ジオンのパイロットです。 加えて言えば強化人間ですが、仲良くやれそうですね!」 「まぁ!」 私はあえて自ら『強化人間』という忌み言葉を吐いた。 リンはさも驚いたという感じで右手を口に当てていたが、目はあからさまに嫌悪感を帯びていた。 まるで、『こっちを見るな、こっちに来るな』と語っているようだった。 「それでいつも薬が必要で医務室に行ってらっしゃるのねぇ?ご愁傷様。 強化され過ぎたのね。 精神安定剤かしらぁ?」 「いつもじゃないですよ。 ひと月に1回ぐらいです」 だが、今は薬を飲んだ方がいいかも知れないな。 でないと、 (お前の首を折ってしまうよ) 私の蒼い目は殺気を放っていた。 その気配を知ってか知らずか、 「リン補給長、この件は非常に高度な政治的問題をはらんでいる」 バッハ艦長が割り込んでくる。 全員に目を移しながら彼は続ける。 「まず、ドルチェ航宙士がミネバ・ザビの影武者だった、というのは事実だ」 リンが私から目を離した隙に、私は腰のポーチから出した、タブレットの安定剤を素早く口に含む。 奥歯で砕いたそれは普段よりもひどく苦く感じられた。 ちらりと、上司のカールが私の方を気遣わしげに一瞥したのが分かった。 (大丈夫です) 声には出さずに、小さく頷いて応える。 「・・・しかし、それは過去の話で、彼女が幼少のころ今から10年も前のことだ」 バッハの説明は続く。 それから、今までの8年間、ふたりともジオンとの継がりは一切ない。 ご理解頂けたかな?」 バッハ艦長は再びリンを見て言う。 「・・・わかりました」 納得しかねる様子であるが、一応リンは頷いた。 「それから、補給長のアーシタ士長に対する発言を私は聞かなかった事にする。 だが、2回目ははっきり聞こえると思うので、そのつもりでよろしく頼みます」 若干の怒気を含ませバッハがそう言うと、リンは何も答えなかったが、マリア当人も含めて、両隣のカール、イイヅカ、さらにはバーバラまでも険悪な視線をリンに向けていた。 「さて」 疲労濃く、深く嘆息をついてから、バッハが続ける。 「ここいらで小休止。 と言いたい所だが、ドルチェ航宙士に対する我々の今後の行動指針を明確にしておかなければ、納得できない者もいるだろう」 バッハ艦長はそれとなく、私の方へ視線を走らせる。 「諸君らの遠慮の無い意見を聞かしてもらいたい」 私はすぐに立ち上がった。 「救出作戦を具申します。 《キュベレイ》以下MS2個小隊で追跡します」 「2個小隊だと!?」 私の発言で会議室中にざわめきが広がった。 真っ先に反論したのは、通信長のヴァルターだった。 「正気かね、士長?元軍属の君が、ましてモビルスーツ・パイロットのエースである君が、現状の《ジュピトリス》のMS稼働状況を理解していない訳ではあるまい」 私は先ほど噛み砕いた安定剤のような苦みが、口に広がるのを感じた。 「それは、・・・理解してます。 しかし、」 「では、哨戒小隊の損耗率は?」 畳み掛けるように、ヴァルターが続ける。 「3機中2機損失。 つまり全天を監視する際には2機の機体が必要である。 哨戒小隊3機の《アイザック》は2機が哨戒中、のこりの1機が《ジュピトリス》内で整備・補給を受け、ローテーションにより、パイロットと機体を交代させつつ、24時間体制でソラからの護衛を担っていた。 単艦でかつての輸送船換算で20隻分のヘリウム3を運搬可能な《ジュピトリス》。 これは一年戦争前の地球で消費されるヘリウム3の十年分にも及ぶ。 地球に住む人々にとって、生命線のひとつとも言えるこのスペースタンカーを警護するために、哨戒機も含めてMS15機、5個小隊というのは決して『過剰』や『十分』といった言葉では語れないであろう。 言いよどむ私に、ヴァルターがさらに被せる。 「2個小隊が《ジュピトリス》から離れた上、2機の哨戒機の穴埋めを他のモビルスーツがしたとして、その稼働率はどうなるのかね?」 「・・・100%、を越えるかもしれません」 ざわめきが大きくなった。 最後の哨戒機を除く12機のMSのうち、2個小隊6機がキアーラの救出作戦に出払ったとすると、残りの6機のMSは整備もろくに受けられずに、24時間フル稼働で《ジュピトリス》の哨戒・護衛に当たらなければならない可能性は十分あった。 パイロットや整備員にも相当の負担を強いることになるし、なにより、《ジュピトリス》自体を危険にさらす。 「無茶だ!」 誰かが叫んだ。 (無茶なことは分かりきっているんだ!それでも、) 力なく椅子に腰を降ろした私は唇を噛んだ。 (早く助け出さなければ、キアは・・・) 「通信長、敵からの要求とかはないのですか?」 じりじりした雰囲気に耐えきれない様子で、ボイル副長が尋ねるが、ヴァルターは頭を振る。 「ありません。 今までも連中が我々の仲間をさらって、何か要求を出したことはありません」 その言葉に私はかつて連中が起こした事件を思いだし、吐き気を催してきた。 数年前、資源探査中の《ジュピトリス》のスペース・ランチ(小型宇宙船)が【火星ジオン】に拿捕、乗員10名すべてが連れ去られた。 そして、3ヶ月後、《ジュピトリス》には映像媒体となった全員が送り届けられた。 その映像ディスクを持ってきたのは、火星圏で活動中の別の資源採取艦であった。 火星近くにあるジオン残党がアジトとしている小惑星に潜入していたクルーが持ち帰ったものだった。 その内容は【火星ジオン】がいかに残虐非道な組織であるかということが収められていた。 「やっぱりこういった事件は、連邦軍に任せるべきではないかしらぁ?」 他人事のようなリン補給長の物言いに、イイヅカが噛み付く。 「おいおい!連邦がわざわざこんな辺境に、しかも二等航宙士一人を助けるために部隊を送るわけがないだろう!」 「あら、連邦にはなんとかっていう対ジオンの専門部隊があって、すぐに駆けつけてくれるって話よぉ」 リンは人を小馬鹿にしたような口ぶりだが、 「それはないでしょう」 その推測を横から口をはさんだヴァルターが否定した。 「確かに対ネオ・ジオン掃討任務のエコーズは『人狩り』とも言われる強い権限を持つ特殊部隊だが、宇宙にその二つ名を恐れさせたのは、あの【箱事件】以前だと聞いてますよ。 むしろ、【箱事件】以降はテロや暴動への対処と、不法滞在者を宇宙に追い出すことに夢中になっていて、活動範囲も地球圏に限られているらしい、と。 それに、連中は救出専門でもなければ、木星船団の便利屋ってわけでもない」 連邦宇宙軍特殊作戦群。 活動場所は問わず、ーE(Earth)、CO(Colony)、AS(Asteroid)の頭文字を取って、通称ECOAS(エコーズ)ーと謳っていた組織も時流には逆らえず、重力に魂を引かれる人たちに振り回された不運な組織と言える。 最近では、地球とその周囲のコロニーしか守らないことと環境保護をもじって、エコ(ECO)組織、またはエコ団体などと影で皮肉られている。 「そういえば、」 加えて上司のカールが思い出したように言う。 「シャアの反乱で勇名を馳せた連邦の遊軍ロンド・ベルもあの事件の後、大幅に規模を縮小され、新設部隊に編入されましたな。 コロニー艦隊が動けない今、暴挙としか言いようがない」 ヴァルターが頷く。 極端な連邦軍の配備状況は、そのまま偏重した地域不安定をもたらした。 事実、【箱事件】以後、地球圏における宇宙艦船の襲撃事件は減少したが、火星圏、木星圏、およびアステロイド・ベルトの航路における海賊行為は増加の一途をたどっていた。 「あの・・・それは、つまり、」 おずおずといった口調で、航海士のバーバラが遠慮がちに言う。 私は彼女の黒い瞳がうるんでいることに気が付いた。 「連邦や木星船団はキアを・・・、ドルチェを救ってくれないということですか?」 その場をかつてない沈痛な沈黙が重く垂れ込めた。 (情けない・・・。 なんて無力なんだ) 私はうつむいて、固めた自分の両の拳を睨みつけることしかできない。 その時、小さく鼻をすする音が聞こえた。 見ると、バーバラの大きな瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちていた。 その顔に別の女性の姿が重なる。 茶がかかった金髪と、湖のように深いエメラルドグリーンの瞳。 うすピンクの頬。 (キア・・・) その金髪が乱暴に捕まれ引き上げられ、綺麗な頬に切れ味が悪そうなナタが押し付けられる。 美しい顔は恐怖に震えるが、悲鳴は口に嵌められた猿轡に押し殺され、後ろ手に縛られた彼女は抵抗するすべを持たない。 そして、ナタが高々と掲げられ、次の瞬間白い喉元に振り下ろされる。 いや、もしかしたら、彼らは死より恐ろしい恥辱をキアーラに味合わせるかもしれない。 女に生まれてきたことを後悔させるほどに・・・。 (ああ・・・!ダメだそんなこと、絶対にダメだ) 自らの妄想を私は強く打ち消した。 (私が、私がやるしかない!) 椅子を蹴って立ち上がり、私は拳をデスクに叩きつけた。 「あなたたちは、それでも《ジュピトリス》のクルーかっ!!」 椅子は勢いで壁に激突し、合板製のデスクにはひびが入った。 私のオレンジがかった栗毛は文字通り逆立った怒髪天となり、蒼い瞳は燃えていた。 まるで威嚇する猫のような形相である。 この不毛な会議の途上の全員がーすぐ隣のMS整備長のイイヅカもー私のすさまじい剣幕に一言も発せずにいた。 「誰も何もせず、自分たちだけがのうのうと地球に帰還し、キアを見殺しにして助けないと言うなら、私ひとりだけでも彼女を助ける!」 バーバラがぽろぽろと泣きながらこちらを見上げている姿に、私も涙腺が緩みそうになったがなんとかこらえた。 「私は、・・・私は何もしないまま、キアが映像媒体の中で、殺されてゆくのを見ているだけなんてことは嫌だ!」 きびすを返し、私は扉へと大股で足を進めた。 「待ちなさい、アーシタ士長!」 厳しい口調と表情でバッハ艦長も立ち上がった。 「君は我々のことを『それでも《ジュピトリス》のクルーか?』と言ったな」 私は静かに反論するバッハを睨むが、彼も強い眼光でそれを返す。 「ならば、艦長として答えよう。 私はこの艦の総責任者として、全クルーの生命と財産を守る義務がある。 一個人としてのキアーラ・ドルチェの救出のために、艦全体を危険にさらすことはできない。 さらに、君ひとりで彼女の救出に向かうという、身勝手な単独行動も許されない。 優秀なパイロットとしての腕は認めるが・・・、これまでのようだ」 バッハはデスクのインターコムを押すと、室外の屈強な警備要員が入室し、私の両脇を固めた。 「マリア・アーシタ。 君の階級を剥奪しMSパイロットの任を解く。 別命あるまでその身柄を拘束する」.
次の首都ザグレブの北81kmにある。 ヴァラジュディン郡の中心地で、ドラヴァ川に近い。 バロック様式の建築物、織物、食品、IT企業で知られる。. 53 関係: 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 、 、、、。 フスの殉教 宗教改革(しゅうきょうかいかく、Protestant Reformation)とは、16世紀(中世末期)のキリスト教世界における教会体制上の革新運動である。 贖宥状に対するルターの批判がきっかけとなり、以前から指摘されていた教皇位の世俗化、聖職者の堕落などへの信徒の不満と結びついて、ローマ・カトリック教会からプロテスタントの分離へと発展した。 ルターによるルター教会、チューリッヒのツヴィングリやジュネーヴのカルヴァンなど各都市による改革派教会、ヘンリー8世によって始まったイギリス国教会などが成立した。 また、当時はその他にアナバプテスト(今日メノナイトが現存)など急進派も力を持っていた。. 新しい!! かつては「反宗教改革」という語が用いられていたが、近年の研究の結果、対抗宗教改革は宗教改革より以前に始まっていたことがわかり、カトリック改革とも呼ばれるようになってきている。. 新しい!! 協定世界時(UTC)を2時間進ませた標準時で、中央ヨーロッパ時間より1時間進めた時間である。 日本標準時との時差は-7時間。 3月の最終日曜日午前2時(. 新しい!! 日本標準時との時差はマイナス8時間。 3月最終日曜日の午前2時(夏時間では午前3時)から10月最終日曜日の午前2時(夏時間では午前3時)までは、夏時間の中央ヨーロッパ夏時間 Central European Summer Time が使用される。 第二次世界大戦以前の1920年から1940年までの間は、リトアニアでも使われていた。 戦時中にドイツが自国の占領した区域に導入させた後、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクではそれがそのまま残った。 戦後、モナコ、スペイン、アンドラ、ジブラルタルも中央ヨーロッパ時間を導入した(スペインについては、カナリア諸島はUTCを採用、スペイン本土より1時間遅れ)。 特にスペインガリシア地方西部には、UTC-1のタイムゾーンにあたる経度に位置するところもある。 アイルランド、UKでも、1968年から1971年までの間、試験的に導入されたことがあったが、暗い冬の朝に通学する子供の交通事故が増加するなどしたため、すぐに元に戻された。 また、ポルトガルでも、1966-1976年、1992-1996年の間、導入されていたことがある。 Category:標準時 Category:ヨーロッパの時間. 新しい!! 17世紀初頭の西洋では中世の観念が早くも定着していたと見られ、文献上の初見は1610年代にまでさかのぼる。 また、広義には、西洋史における中世の類推から、他地域のある時代を「中世」と呼ぶ。 ただし、あくまでも類推であって、西洋史における中世と同じ年代を指すとは限らないし、「中世」という時代区分を用いない分野のことも多い。 また、西洋では「中世」という用語を専ら西洋史における時代区分として使用する。 例えば英語では日本史における「中世」を通常は「feudal Japan」(封建日本)や「medieval Japan」(中世日本)とする。. 新しい!! オーストリア系ハプスブルク家の男系の最後の君主であり、彼女の次代から、つまり子供たちの代からが正式に、夫の家名ロートリンゲン(ロレーヌ)との複合姓(二重姓)でハプスブルク=ロートリンゲン家となる。 K」であり、以後のハプスブルク家で慣例的に用いられるようになった。. 新しい!! クロアチア代表。 SSCナポリ所属。 ポジションは、ミッドフィールダー。. 新しい!! 西にオーストリア、スロベニア、北にスロバキア、東にウクライナ、ルーマニア、南にセルビア、南西にクロアチアに囲まれた内陸国。 首都はブダペスト。 国土の大部分はなだらかな丘陵で、ドナウ川などに潤される東部・南部の平野部には肥沃な農地が広がる。 首都のブダペストにはロンドン、イスタンブールに次いで世界で3番目に地下鉄が開通した。. 新しい!! 新しい!! 現在はハンガリー及びセルビアのヴォイヴォディナ自治州にて公用語となっている。 ハンガリーでは住民の93. 原語呼称である「マジャル語」の転訛からマジャール語と呼ばれることもある。 旧来は洪語と略した(オーストリア=ハンガリー帝国は墺洪帝国と記載されることもあった)。. 新しい!! 鮮やかな襞、一条の光の矢に照らされた動きの気配、卓越した腕前を思うまま発揮して描かれている。 バロック(barocco, baroque baroque, Barock)とは、16世紀末から17世紀初頭にかけイタリアのローマ、マントヴァ、ヴェネツィア、フィレンツェで誕生し、ヨーロッパの大部分へと急速に広まった美術・文化の様式である。 バロック芸術は秩序と運動の矛盾を超越するための大胆な試みとしてルネサンスの芸術運動の後に始まった。 カトリック教会の対抗改革(反宗教改革運動)や、ヨーロッパ諸国の絶対王政を背景に、影響は彫刻、絵画、文学、建築、音楽などあらゆる芸術領域に及び、誇張された動き、凝った装飾の多用、強烈な光の対比のような劇的な効果、緊張、時として仰々しいまでの豊饒さや壮大さなどによって特徴づけられる。 18世紀後半には新古典主義(文学、音楽は古典主義)へと移行した。. 新しい!! この時代はルネサンス音楽と古典派音楽の間に位置する。 絶対王政の時代とほぼ重なる。. 新しい!! ハンガリー王国がクロアチアを支配していたとき、クロアチア人たちの認識として、ハンガリー王はクロアチアのバン(総督)を兼ねていると言う歴史認識をしていた。 同君連合とされる場合もある。. 新しい!! 北と東にスペインと国境を接し、国境線の総延長は1,214kmに及ぶ。 西と南は大西洋に面している。 ヨーロッパ大陸部以外にも、大西洋上にアソーレス諸島とマデイラ諸島を領有している。 首都はリスボン。 ポルトガルはユーラシア大陸最西端の国家である。 ヨーロッパで最初に海路で中国や日本など東アジアとの接触を持った。. 新しい!! 新しい!! ラテン・ファリスク語群。 漢字表記は拉丁語・羅甸語で、拉語・羅語と略される。. 新しい!! 18世紀、ルイ15世のフランス宮廷から始まり、ヨーロッパの他国にも伝えられ、流行した。. 新しい!! 郡都はヴァラジュディン。. 新しい!! トルナウカ河岸にあり、首都ブラチスラヴァの北東約45キロの地点にある。 トルナヴァ州の都である。 カトリック教会の大司教座(1541年 - 1820年まで。 1977年より再設置)と2つの大学があり、歴史・文化の重要な中心地である。 城壁の中に多くの教会を持つ。 『小さなローマ』を意味するパルヴァ・ロマと呼ばれ、最近は『スロバキアのローマ』とも呼ばれる。. 新しい!! 新しい!! イストリア半島の他地域同様、穏やかな気候と海、手つかずの自然で知られている。 古代ローマ時代からの行政中心地で、ワイン醸造、漁業、造船業、観光業の長い伝統を持つ。. 新しい!! スロベニアの中で3番目に大きい都市であり、11の特別市のうちの1つである。 サヴィニャ Savinja 河畔にある。. 新しい!! フランス・メトロポリテーヌ(本土)は地中海からイギリス海峡および北海へ、ライン川から大西洋へと広がる。 2、人口は6,6600000人である。 新しい!! イタリアの南チロル地方のドッビアーコ付近に源泉を発し、東側の東チロルからオーストリアのケルンテン州を通ってスロヴェニアに至る。 南東部ではクロアチアを抜けてクロアチアとハンガリーの国境沿いを流れた後オシエクでドナウ川に注ぐ。 全長は725kmに及ぶ。. 新しい!! もともと「ドイツ連邦共和国」という国は西欧に分類されているが、東ドイツ(ドイツ民主共和国)の民主化と東西ドイツの統一により、「中欧」または「中西欧」として再び分類されるようになっている。. 新しい!! 話者人口は約1億3000万人、そのうち約1億人が第一言語としている。 漢字では独逸語と書き、一般に独語あるいは独と略す。 ISO 639による言語コードは2字が de、3字が deu である。 現在インターネットの使用人口の全体の約3パーセントがドイツ語であり、英語、中国語、スペイン語、日本語、ポルトガル語に次ぐ第6の言語である。 ウェブページ数においては全サイトのうち約6パーセントがドイツ語のページであり、英語に次ぐ第2の言語である。 EU圏内では、母語人口は域内最大(ヨーロッパ全土ではロシア語に次いで多い)であり、話者人口は、英語に次いで2番目に多い。 しかし、歴史的にドイツ、オーストリアの拡張政策が主に欧州本土内で行われたこともあり、英語、フランス語、スペイン語のように世界語化はしておらず、基本的に同一民族による母語地域と、これに隣接した旧支配民族の使用地域がほとんどを占めている。 上記の事情と、両国の大幅な領土縮小も影響して、欧州では非常に多くの国で母語使用されているのも特徴である。. 新しい!! 、Bela III、Belo III、1148年頃 - 1196年4月23日)は、 ハンガリー王国アールパード朝のハンガリー国王、およびクロアチア国王(在位:1172年 - 1196年)。 ハンガリー王ゲーザ2世とエフロシニヤ・ムスチスラヴナの次男にあたる。. 新しい!! ハンガリー王の他にクロアチア王位も兼ねていた(在位1205年 - 1235年)。 兄イムレ1世と甥ラースロー3世の死後にハンガリー王位を継承し、支持者を獲得するために王国の領土を所領として分け与えた。 1222年に国内の貴族に特権を認める金印勅書を発布、1231年には聖職者にとって有利な条項を金印勅書に追加した。. 新しい!! ミッテルフランケン行政管区の本部所在地であり、アンスバッハ郡の郡庁所在地でもある。 18世紀までは、オーノルツバッハ Onolzbach と呼ばれた。. 新しい!! 本家筋にあたるベルリンのブランデンブルク選帝侯家(1701年以降はプロイセン王家)と緊密な関係にありながらも、1792年まで独立した領邦を保った。 この侯領の統治者の政治的な活動範囲は、もっぱらフランケン帝国クライス内とその周辺地域に留まった。. 新しい!! イタリア半島とバルカン半島に挟まれている。. 新しい!! 1534年にイグナチオ・デ・ロヨラやフランシスコ・ザビエルらによって創設され、1540年にパウルス3世により承認された。 世界各地への宣教に務め、日本に初めてカトリックをもたらした。 なおイエズスは、中世ラテン語による (イエス・キリスト)の古くからのカトリックの日本語表記。. 新しい!! 総面積は301,338平方キロメートル km2 で、イタリアではロスティバル(lo Stivale)と称されるブーツ状の国土をしており、国土の大部分は温帯に属する。 地中海性気候が農業と歴史に大きく影響している。. 新しい!! 首都は音楽の都といわれたウィーン。 ドイツの南方、中部ヨーロッパの内陸に位置し、西側はリヒテンシュタイン、スイスと、南はイタリアとスロベニア、東はハンガリーとスロバキア、北はドイツとチェコと隣接する。 基本的には中欧とされるが、歴史的には西欧や東欧に分類されたこともある。. 新しい!! オシイェクとも表記される。 ドナウ川の支流ドラヴァ川の右岸にあり、スラヴォニア地域の経済・文化の中心地である。. 新しい!! 英語圏ではオットマン帝国 Ottoman Empire と表記される。 15世紀には東ローマ帝国を滅ぼしてその首都であったコンスタンティノポリスを征服、この都市を自らの首都とした(オスマン帝国の首都となったこの都市は、やがてイスタンブールと通称されるようになる)。 17世紀の最大版図は、東西はアゼルバイジャンからモロッコに至り、南北はイエメンからウクライナ、ハンガリー、チェコスロバキアに至る広大な領域に及んだ。. 新しい!! 県庁所在地。. 新しい!! WTAツアーでシングルス・ダブルスとも優勝はないが、シングルスで準優勝が3度ある。 自己最高ランキングはシングルス17位、ダブルス181位。 右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。 身長174cm、体重61kg。. 新しい!! ポルトガル王国初代国王アフォンソ1世(アフォンソ・エンリケス)が当地で誕生していることから、ポルトガル発祥の地、ポルトガル王国の発祥地と呼ばれる。. 新しい!! NKセスヴェテ所属。 ポジションはFW。 1999年にはFIFAワールドユース選手権のメンバーに選出される。 2000年にはU-21クロアチア最優秀選手賞を受賞。 Jリーグセレッソ大阪に2004年3月から同年7月まで在籍。 本名の「クルノスラフ・ロブレク」ではなく「クルーノ・ロブレク」の登録名だった。 Jリーグ通算はリーグ戦5試合出場0得点。 カップ戦(ナビスコ杯)は2試合出場0得点。. 新しい!! 本土では西にスロベニア、北にハンガリー、東にボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアと国境を接している。 南はアドリア海に面し対岸はイタリア、飛び地のドゥブロヴニクでは東にモンテネグロと接している。 首都はザグレブ。 1991年に、それまで連邦を構成していたユーゴスラビア社会主義連邦共和国から独立した。. 新しい!! 注:人口は2001年度の統計である。. 新しい!! 画像は2003年に撮影したもの クロアチア紛争(クロアチアふんそう)は、1991年から1995年にかけての、クロアチアのユーゴスラビアからの分離独立、および国内でのクロアチア政府とセルビア系住民による自治政府の対立をめぐる紛争である。. 新しい!! 信奉者(der Bekenner)とも呼ばれる)は、ブランデンブルク=アンスバッハ辺境伯。 ブランデンブルク=アンスバッハ辺境伯兼ブランデンブルク=クルムバッハ辺境伯フリードリヒ2世とポーランド王カジミェシュ4世の娘ゾフィアとの間の次男。 クルムバッハ辺境伯カジミールの弟、ドイツ騎士団団長、プロイセン公アルブレヒトの兄。. 新しい!! ラインラント=プファルツ州に属する。 人口は約 10 万人。 コプレンツとも表記される。. 新しい!! 2001年現在の人口は30,994人で、コプリヴニツァ=クリジェヴツィ郡の郡都である。. 新しい!! ザラ県の県都。 ドイツ語名はツァライーガーツィーク。. 新しい!! クロアチア北西部サヴァ川河畔に位置しの南斜面にあり海抜は122mである。 2011年の国勢調査による人口はザグレブ市街が686,568人、ザグレブ市域では792,875人であった。 ザグレブ市と周辺の行政的に分かれているザグレブ郡の人口317,642人を合わせたザグレブ都市圏の人口は1,110,517人である。 ザグレブはクロアチアでは唯一、100万人を超える都市圏を形成している。 アルプスやディナルアルプス、アドリア海方向へ広がるパンノニア平原南西部の有利な地理的な条件により、中央ヨーロッパとアドリア海を結ぶ良く整備された交通回廊によって周辺地域と結ばれている。 ザグレブは交通の要衝である他、産業の集積や科学研究機関、伝統的な産業などでクロアチアで先導する地位にある。 また、首都としてクロアチアの中央政府や行政機関、省庁のほとんどがザグレブに拠点を置いている。. 新しい!! 取引対象には、クロアチア企業の株式のほかに、債券、商業手形などがある。 ザグレブ証券取引所は1991年に設立された。 同証券取引所は2007年3月にヴァラジュディン証券取引所を合併し、クロアチア首都圏の証券取引市場を単独で形成するようになり、その株式資本や取引量によって同地域の指導的立場にある。 2008年4月11日の時点で、ザグレブ証券取引所は376社の銘柄を抱えており、その時価総額は3029億クーナ(約6兆9510億円)である。 立会外取引の時間帯は午前9時から午前10時まで、通常取引の時間帯は午前10時から午後4時までであり、土日あるいは同証券取引所が事前に宣言した休日を除いて、毎日営業している。 ザグレブ証券取引所は、以下の指数を公表している。. 新しい!! 首都はブラチスラバで、北西にチェコ、北にポーランド、東にウクライナ、南にハンガリー、南西にオーストリアと隣接する。 古代には(623年-658年)・モラヴィア王国として独立を保った期間もあったが、この地のスラブ人は1000年間少数民族としてハンガリー王国の支配下にあって、ハンガリーにとっても歴史的に重要な地域であり、多くのハンガリー人の出身地、ハンガリー貴族の発祥地でもある(元来スラブ系で、ハンガリー文化に同化した者も多い)。 第一次世界大戦後オーストリア・ハンガリー帝国からチェコと合併するかたちで独立し、その後、1989年のビロード革命による共産党政権崩壊を経て、1993年1月1日にチェコスロバキアから分離独立し現在に至る。. 新しい!! テンプル騎士団、ドイツ騎士団と共に、中世ヨーロッパの三大騎士修道会の1つに数えられる。 本来は聖地巡礼に訪れたキリスト教徒の保護を任務としたが、聖地防衛の主力として活躍した。 ホスピタル騎士団(Knights Hospitaller)ともいい、本拠地を移すに従ってロドス騎士団、マルタ騎士団とも呼ばれるようになった。 現在の正式名称は「ロドスおよびマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会」(Supremus Ordo Militaris Hospitalis Sancti Ioannis Hierosolymitani Rhodius et Melitensis. 新しい!! 新しい!! 1931年6月3日にNKスラヴィヤ(NK Slavija)として創設。 第二次世界大戦中に一時活動を休止したが、1945年にNKテクスティラツ(NK Tekstilac)の名で再建された。 1958年に地元の衣類メーカー「ヴァルテクス」がスポンサーとなって、NKヴァルテクス(NK Varteks)に改名して現在に至る。 ユーゴスラビアカップで1回、クロアチアカップで5回の準優勝を数えるシルバーコレクターだが、未だタイトルの獲得はない。 1998-99シーズンのUEFAカップウィナーズカップでは準々決勝に進出した。. 新しい!!
次の【火星ジオン】 私たち《ジュピトリス》のクルーたちは火星圏を活動地域とするジオン残党をそう呼んでいた。 単純に火星にいるジオンだからである。 もっともその他の組織ー今は瓦解しているものも多いが、ー【デラーズ・フリート】だの【新生ネオ・ジオン】だのと自称したりすることもある。 (私にとっては敵の名前なんてどうでもいいことだ) そう、名前なんてどうでもいい。 名前なんてものは対象を認識する記号や番号みたいなものだ。 (私は自分の名前だって捨ててしまったのだから。 問題なのは、連中が・・・) 「キアを・・・、ドルチェ航宙士をジオンの残党はいまさらどうするつもりなんでしょう?」 濡れたような美しい黒髪とこぼれ落ちるほど大きな瞳の航宙長のバーバラ・ボールドウィンが、私の疑問を代弁してくれた。 小刻みに揺れる彼女の長いまつげは、キアーラの身を案じた憂いを含んでいた。 二等航宙士であるキアーラは、バーバラとは上司・部下の関係であるが、仲も良く仕事を離れれば、互いを「キア」、「BB」と呼び合うほどであった。 (そう、『いまさら』だ。 何年も何事もなかったのに・・・。 なぜ今になって) 私はバーバラの言葉とその表情に心が暗く沈む。 「どうするって、・・・テロリストの考えることなんてこっちが分かる訳ないじゃないか」 肘鉄を喰らった脇腹をさすりながら、イイヅカがうめくように言う。 「まぁ、でもやっぱり【ラプラスの箱事件】に関係してくるんじゃねぇのか?」 イイヅカの口調は真面目な会議であっても、礼儀も遠慮も無い。 だが、彼が口にした内容は私やバーバラ、そして艦長が口に出せなかった疑念の核心であった。 【ラプラスの箱事件】。 UC96年、今から2年前に起きた一連の事件はその戦闘規模・地域の大きさも相まって、ラプラス戦争、さらに近年は第三次ネオ・ジオン戦争と呼ばれている。 その詳しい経緯について、割愛するが事件の結末は全地球圏に向けてのミネバ・ラオ・ザビの演説放送で締めくくられた。 ミネバ・ラオ・ザビ。 かつてジオン公国を支配したザビ家の忘れ形見。 そして、一部のジオン残党には再興の旗印と目され、また他方では、地球連邦に対する抗戦を避けようとする邪魔者として嫌われていた。 その彼女が、地球連邦政府が100年近くに渡って隠蔽してきた謎、【ラプラスの箱】と呼ばれた宇宙世紀憲章の最後の一章『宇宙に適応した人類に、優先的に政治参画させる』という内容を暴露したのだった。 宇宙に適応した人類とは、広義にはスペースノイドを指し、狭義においてはニュータイプを示しているようにも思われる。 彼女はその事実を明らかにしただけで、大衆に対して、どうすべき、こうあるべきという具体的な話をしたわけではない。 ただ、『自分の目で真実を見極めてください』と言った。 マクロ視点では、彼女の宣言により、ラプラス戦争は表向き終結したように見えた。 事実、ネオ・ジオン抗戦右派であるフル・フロンタル派はそのリーダーを失い、構成員たる将兵をばらばらに各派閥へ四散させるに至った。 連邦も無傷ではなく、むしろ、こちらの方が重傷を負ったと言ってもよい。 秘密の暴露に伴い、地球連邦最高行政会議(いわゆる内閣)は解散という憂き目に会い、また連邦軍幕僚の吹き飛んだ首も片手では数え切れない。 先立ち同年5月1日、首都ダカールはネオ・ジオンの攻撃、通称【ダカール襲撃】を受けた。 戦後、戦闘の傷跡も生々しい街路は怒り猛る反連邦デモの群集に埋め尽くされた。 動員数は主催者発表で数万人だが、アングラネットの呼びかけも功を奏し、実数は誰も把握できないほど膨れ上がっていた。 デモは地球各地、さらに宇宙へと波及。 時に暴動と化した。 主にジオン残党の蜂起に対応するため配置されていた連邦各コロニー艦隊は、銃口を向ける相手こそ違えど、以前にも増して身動きが取れなくなった。 くだらぬ法案も議会を通過せず、政府機能は滞った。 そのまま、連邦という大木は急激に朽ち、枯れ倒れるのかとさえ思われた。 ところが、数ヶ月もすると日常は平穏を取り戻し、2年も経つと、人々は日々の平凡という現実に流され、ラプラスという単語は別にのぞく価値もないような単なるひとつの事実として、記憶から忘れ去られるようになった。 また、戦後のマクロ世界でもうひとつの興味深い現象が起きている。 艦隊まで使用した大規模戦闘は96年以来、この2年間発生していないが、テロやゲリラ戦などのLIC(低強度紛争)は言うに及ばず、MSを使用した中規模紛争は宇宙各地に野火のように拡がっていた。 『ラプラスの箱』という言葉は時々、ふと思い出したように話題に上るようなことがあったとしても・・・。 「いや、まったく俺も同感だ。 あの秘密条文を使って、連邦を糾弾するなり、スペースノイドに自治・独立を訴えるっていうなら、まだ納得できるんだが」 そう言って機関長のガンディーも頷く。 濃い褐色の肌を持つ彼の表情はうかがい知れなかった。 「逆にそんなことをしようって奴をミネバ・ザビは自ら粛正するって言ってるんでしょう?ますます訳が分からない」 腕組みをして考え込むガンディー。 「あれでは敵を増やすだけですね」 私の上司カールも平たい顎をこすりながら、腑に落ちない口調だ。 「秘密をばらされた連邦はもちろん、あの言い様ではジオン残党の武闘派路線もますますミネバ・ザビと対立するでしょう」 「あれじゃあ、歯向かう奴はぶっ殺す、って言ってるのと変わらないな、お姫さんは」 イイヅカが自分のM字禿頭を叩いて言った。 その不穏な言い様に、皆が押し黙った。 武闘派のテロリストがそんなことを言われ、一体どんな行動に走るだろうか?そして、もしも彼らがミネバ本人を捕らえたりしたら、どんな仕打ちを彼女にするだろうか? 「ところで」 神経質そうな中年女性の声、補給長のリンだ。 私は心の中で舌打ちする。 「ドルチェさんがそのミネバ・ザビの影武者というのは、本当のことなんですかぁ?皆さん知っていたんですかぁ?」 その問いかけに一同は今日何度目かになる、視線を牽制しあった。 この場にいる全員が知っていたことではなく、その事実は一部のクルーしか知らなかった。 仲間を互いに探り合うような雰囲気は不快なものだった。 (さかしい女だ) リンのしゃべり方も何か非難するような響きがあり、私はかねてからこのおばさんが嫌いだった。 加えて、こちらを見るときの粘りつくような視線も気持ち悪かった。 「確かに似てるとは思いましたけどぉ。 ま、わたしは《ジュピトリス》に乗って3年も経たないただの『新参者』ですので、知らなくて当然のことが多いのですけどぉ。 まぁ『一言』、言っておいていただければ、こちらとしてもぉ・・・」 独り言を言い続けるようにして、その実、不平不満や当てつけを垂れ流しているリンに私は今度こそ舌打ちした。 その舌打ちが聞こえたのだろうか、リンは口を閉じこちらを睨んできた。 「補給長はジオンの人間がお嫌いなのでしょうか?」 私もリンを睨み返し、慇懃に言った。 「とんでも無い。 わたしはそんな差別主義者ではありませんよ。 ただ、危険な思想を持った人を恐れているだけですよぉ」 ジオン=『危険な思想を持った人』と言っているような口ぶり。 怒りがこみ上げてきた。 私はこれ以上無い作り笑いを浮かべて、 「それを聞いて安心しました!私も元ネオ・ジオンのパイロットです。 加えて言えば強化人間ですが、仲良くやれそうですね!」 「まぁ!」 私はあえて自ら『強化人間』という忌み言葉を吐いた。 リンはさも驚いたという感じで右手を口に当てていたが、目はあからさまに嫌悪感を帯びていた。 まるで、『こっちを見るな、こっちに来るな』と語っているようだった。 「それでいつも薬が必要で医務室に行ってらっしゃるのねぇ?ご愁傷様。 強化され過ぎたのね。 精神安定剤かしらぁ?」 「いつもじゃないですよ。 ひと月に1回ぐらいです」 だが、今は薬を飲んだ方がいいかも知れないな。 でないと、 (お前の首を折ってしまうよ) 私の蒼い目は殺気を放っていた。 その気配を知ってか知らずか、 「リン補給長、この件は非常に高度な政治的問題をはらんでいる」 バッハ艦長が割り込んでくる。 全員に目を移しながら彼は続ける。 「まず、ドルチェ航宙士がミネバ・ザビの影武者だった、というのは事実だ」 リンが私から目を離した隙に、私は腰のポーチから出した、タブレットの安定剤を素早く口に含む。 奥歯で砕いたそれは普段よりもひどく苦く感じられた。 ちらりと、上司のカールが私の方を気遣わしげに一瞥したのが分かった。 (大丈夫です) 声には出さずに、小さく頷いて応える。 「・・・しかし、それは過去の話で、彼女が幼少のころ今から10年も前のことだ」 バッハの説明は続く。 それから、今までの8年間、ふたりともジオンとの継がりは一切ない。 ご理解頂けたかな?」 バッハ艦長は再びリンを見て言う。 「・・・わかりました」 納得しかねる様子であるが、一応リンは頷いた。 「それから、補給長のアーシタ士長に対する発言を私は聞かなかった事にする。 だが、2回目ははっきり聞こえると思うので、そのつもりでよろしく頼みます」 若干の怒気を含ませバッハがそう言うと、リンは何も答えなかったが、マリア当人も含めて、両隣のカール、イイヅカ、さらにはバーバラまでも険悪な視線をリンに向けていた。 「さて」 疲労濃く、深く嘆息をついてから、バッハが続ける。 「ここいらで小休止。 と言いたい所だが、ドルチェ航宙士に対する我々の今後の行動指針を明確にしておかなければ、納得できない者もいるだろう」 バッハ艦長はそれとなく、私の方へ視線を走らせる。 「諸君らの遠慮の無い意見を聞かしてもらいたい」 私はすぐに立ち上がった。 「救出作戦を具申します。 《キュベレイ》以下MS2個小隊で追跡します」 「2個小隊だと!?」 私の発言で会議室中にざわめきが広がった。 真っ先に反論したのは、通信長のヴァルターだった。 「正気かね、士長?元軍属の君が、ましてモビルスーツ・パイロットのエースである君が、現状の《ジュピトリス》のMS稼働状況を理解していない訳ではあるまい」 私は先ほど噛み砕いた安定剤のような苦みが、口に広がるのを感じた。 「それは、・・・理解してます。 しかし、」 「では、哨戒小隊の損耗率は?」 畳み掛けるように、ヴァルターが続ける。 「3機中2機損失。 つまり全天を監視する際には2機の機体が必要である。 哨戒小隊3機の《アイザック》は2機が哨戒中、のこりの1機が《ジュピトリス》内で整備・補給を受け、ローテーションにより、パイロットと機体を交代させつつ、24時間体制でソラからの護衛を担っていた。 単艦でかつての輸送船換算で20隻分のヘリウム3を運搬可能な《ジュピトリス》。 これは一年戦争前の地球で消費されるヘリウム3の十年分にも及ぶ。 地球に住む人々にとって、生命線のひとつとも言えるこのスペースタンカーを警護するために、哨戒機も含めてMS15機、5個小隊というのは決して『過剰』や『十分』といった言葉では語れないであろう。 言いよどむ私に、ヴァルターがさらに被せる。 「2個小隊が《ジュピトリス》から離れた上、2機の哨戒機の穴埋めを他のモビルスーツがしたとして、その稼働率はどうなるのかね?」 「・・・100%、を越えるかもしれません」 ざわめきが大きくなった。 最後の哨戒機を除く12機のMSのうち、2個小隊6機がキアーラの救出作戦に出払ったとすると、残りの6機のMSは整備もろくに受けられずに、24時間フル稼働で《ジュピトリス》の哨戒・護衛に当たらなければならない可能性は十分あった。 パイロットや整備員にも相当の負担を強いることになるし、なにより、《ジュピトリス》自体を危険にさらす。 「無茶だ!」 誰かが叫んだ。 (無茶なことは分かりきっているんだ!それでも、) 力なく椅子に腰を降ろした私は唇を噛んだ。 (早く助け出さなければ、キアは・・・) 「通信長、敵からの要求とかはないのですか?」 じりじりした雰囲気に耐えきれない様子で、ボイル副長が尋ねるが、ヴァルターは頭を振る。 「ありません。 今までも連中が我々の仲間をさらって、何か要求を出したことはありません」 その言葉に私はかつて連中が起こした事件を思いだし、吐き気を催してきた。 数年前、資源探査中の《ジュピトリス》のスペース・ランチ(小型宇宙船)が【火星ジオン】に拿捕、乗員10名すべてが連れ去られた。 そして、3ヶ月後、《ジュピトリス》には映像媒体となった全員が送り届けられた。 その映像ディスクを持ってきたのは、火星圏で活動中の別の資源採取艦であった。 火星近くにあるジオン残党がアジトとしている小惑星に潜入していたクルーが持ち帰ったものだった。 その内容は【火星ジオン】がいかに残虐非道な組織であるかということが収められていた。 「やっぱりこういった事件は、連邦軍に任せるべきではないかしらぁ?」 他人事のようなリン補給長の物言いに、イイヅカが噛み付く。 「おいおい!連邦がわざわざこんな辺境に、しかも二等航宙士一人を助けるために部隊を送るわけがないだろう!」 「あら、連邦にはなんとかっていう対ジオンの専門部隊があって、すぐに駆けつけてくれるって話よぉ」 リンは人を小馬鹿にしたような口ぶりだが、 「それはないでしょう」 その推測を横から口をはさんだヴァルターが否定した。 「確かに対ネオ・ジオン掃討任務のエコーズは『人狩り』とも言われる強い権限を持つ特殊部隊だが、宇宙にその二つ名を恐れさせたのは、あの【箱事件】以前だと聞いてますよ。 むしろ、【箱事件】以降はテロや暴動への対処と、不法滞在者を宇宙に追い出すことに夢中になっていて、活動範囲も地球圏に限られているらしい、と。 それに、連中は救出専門でもなければ、木星船団の便利屋ってわけでもない」 連邦宇宙軍特殊作戦群。 活動場所は問わず、ーE(Earth)、CO(Colony)、AS(Asteroid)の頭文字を取って、通称ECOAS(エコーズ)ーと謳っていた組織も時流には逆らえず、重力に魂を引かれる人たちに振り回された不運な組織と言える。 最近では、地球とその周囲のコロニーしか守らないことと環境保護をもじって、エコ(ECO)組織、またはエコ団体などと影で皮肉られている。 「そういえば、」 加えて上司のカールが思い出したように言う。 「シャアの反乱で勇名を馳せた連邦の遊軍ロンド・ベルもあの事件の後、大幅に規模を縮小され、新設部隊に編入されましたな。 コロニー艦隊が動けない今、暴挙としか言いようがない」 ヴァルターが頷く。 極端な連邦軍の配備状況は、そのまま偏重した地域不安定をもたらした。 事実、【箱事件】以後、地球圏における宇宙艦船の襲撃事件は減少したが、火星圏、木星圏、およびアステロイド・ベルトの航路における海賊行為は増加の一途をたどっていた。 「あの・・・それは、つまり、」 おずおずといった口調で、航海士のバーバラが遠慮がちに言う。 私は彼女の黒い瞳がうるんでいることに気が付いた。 「連邦や木星船団はキアを・・・、ドルチェを救ってくれないということですか?」 その場をかつてない沈痛な沈黙が重く垂れ込めた。 (情けない・・・。 なんて無力なんだ) 私はうつむいて、固めた自分の両の拳を睨みつけることしかできない。 その時、小さく鼻をすする音が聞こえた。 見ると、バーバラの大きな瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちていた。 その顔に別の女性の姿が重なる。 茶がかかった金髪と、湖のように深いエメラルドグリーンの瞳。 うすピンクの頬。 (キア・・・) その金髪が乱暴に捕まれ引き上げられ、綺麗な頬に切れ味が悪そうなナタが押し付けられる。 美しい顔は恐怖に震えるが、悲鳴は口に嵌められた猿轡に押し殺され、後ろ手に縛られた彼女は抵抗するすべを持たない。 そして、ナタが高々と掲げられ、次の瞬間白い喉元に振り下ろされる。 いや、もしかしたら、彼らは死より恐ろしい恥辱をキアーラに味合わせるかもしれない。 女に生まれてきたことを後悔させるほどに・・・。 (ああ・・・!ダメだそんなこと、絶対にダメだ) 自らの妄想を私は強く打ち消した。 (私が、私がやるしかない!) 椅子を蹴って立ち上がり、私は拳をデスクに叩きつけた。 「あなたたちは、それでも《ジュピトリス》のクルーかっ!!」 椅子は勢いで壁に激突し、合板製のデスクにはひびが入った。 私のオレンジがかった栗毛は文字通り逆立った怒髪天となり、蒼い瞳は燃えていた。 まるで威嚇する猫のような形相である。 この不毛な会議の途上の全員がーすぐ隣のMS整備長のイイヅカもー私のすさまじい剣幕に一言も発せずにいた。 「誰も何もせず、自分たちだけがのうのうと地球に帰還し、キアを見殺しにして助けないと言うなら、私ひとりだけでも彼女を助ける!」 バーバラがぽろぽろと泣きながらこちらを見上げている姿に、私も涙腺が緩みそうになったがなんとかこらえた。 「私は、・・・私は何もしないまま、キアが映像媒体の中で、殺されてゆくのを見ているだけなんてことは嫌だ!」 きびすを返し、私は扉へと大股で足を進めた。 「待ちなさい、アーシタ士長!」 厳しい口調と表情でバッハ艦長も立ち上がった。 「君は我々のことを『それでも《ジュピトリス》のクルーか?』と言ったな」 私は静かに反論するバッハを睨むが、彼も強い眼光でそれを返す。 「ならば、艦長として答えよう。 私はこの艦の総責任者として、全クルーの生命と財産を守る義務がある。 一個人としてのキアーラ・ドルチェの救出のために、艦全体を危険にさらすことはできない。 さらに、君ひとりで彼女の救出に向かうという、身勝手な単独行動も許されない。 優秀なパイロットとしての腕は認めるが・・・、これまでのようだ」 バッハはデスクのインターコムを押すと、室外の屈強な警備要員が入室し、私の両脇を固めた。 「マリア・アーシタ。 君の階級を剥奪しMSパイロットの任を解く。 別命あるまでその身柄を拘束する」.
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