接続助詞の「ば」は、直前にくる言葉の活用が未然形か已然形かによって、働きが変わります。 『順接仮定条件』とは、 仮に想定した条件に対して、予想される結果 順当な結果 を導く表現です。 文章の中で、接続助詞の「ば」の直前に位置する内容が、仮に想定した部分であり、接続助詞「ば」の直後に位置する内容が、予想される結果 順当な結果 を表す部分になります。 古文 物語や和歌等 の作者はどのような場面や心境の際にこの順接仮定条件の接続助詞「ば」を使ったのでしょうか。 これまでの解説をふまえてその場面・心境を考えてみると、 『ある仮に想定した条件から、予想されるこたえが導き出されることについて述べたい場面』になります。 『順接確定条件』とは、 ある確定した条件 ある事実 に対して、予想される結果 順当な結果 を導く表現です。 文章の中で、接続助詞の「ば」の直前に位置する内容が、事実に相当する部分であり、接続助詞「ば」の直後に位置する内容が、予想される結果 順当な結果 を表す部分になります。 古文 物語や和歌等 の作者はどのような場面や心境の際にこの順接確定条件の接続助詞「ば」を使ったのでしょうか。 これまでの解説をふまえてその場面・心境を考えてみると、 『あるひとつの事実から、予想されるこたえが導き出されることについて述べたい場面』になります。 条件として原因・理由を述べる場合は「原因・理由 ~ので・~から 」、ある事柄に続いて次の事柄が起こったことを表す場合には「単純接続 ~と・~ところ 」、恒常条件 ある事柄が起こると必ず同じ結果になること を表わす場合には「恒常条件 ~といつも・~と必ず 」という意味になります。
次の古文文法第2位 ナ変型動詞の活用• (ナ変)な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね 古文文法第11位 完了の助動詞• 完了の助動詞は つ・ぬ・たり・り … 「ぬ」はナ変型です 古文文法第14位 形容動詞型の活用• なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ … 断定の助動詞「なり」は形容動詞型の活用です。 なぜ「に」の識別で挫折するのか? 「に」の識別は、入試問題のなかでは最頻出になります。 その理由は簡単です。 基本(ナ変型・完了の助動詞・形容動詞型)をマスターせず、無理に暗記して理解が浅い受験生が多く、ひっかかりやすい。 「に」の識別には、7種類あり、混乱してマスターできない。 対策も簡単です。 「に」の識別 リスト• 〇1形容動詞ナリ活用の連用形の活用語尾• 後回し。 古文では格助詞という。 見ればわかる。 後回し。 明らかに接続助詞。 つぎに、形容動詞の活用語尾を押さえれば良いです。 どうしても気になるなら、その他の「に」として、次の例文を頭に入れておけば良いです。 神仏(かみほとけ)にいのるに、まさに死にゆくべし。 (口語役)神様仏様に祈りを捧げるが、ちょうど今、間違いなく死にそうである。 (識別)神仏に【格助詞】いのるに【接続助詞】、まさに【副詞の一部】死に【ナ変動詞の活用語尾】ゆくべし。 ただし、にき・にけり 以外の形にも対応できるように、分析しておくことは必要です。 (1)完了の助動詞+過去の助動詞の形である。 (2)過去のき、けりはいずれも、連用形接続(直前の語が連用形になる)。 (3)完了の「ぬ」、断定の「なり」とも連用形は「に」になる。 だから、通例、にき・にけりの「に」は完了となることは、知っておかなければならない。 完了の「ぬ」はナ変型 な・ に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね• 「にたり・にけむ」• 一年の計は元旦 にあり、と言いますが、古文には 全く別の用法が多く使われます。 風の音(おと)虫の音(ね)など、はた言ふべき にあらず… この場合の「に」は断定の助動詞「なり」の連用形です。 直後の「あり」がヒントです。 この子もいかに思ふ にかあらむ(この子はどのように思うのであろうか)… この場合、「に」と「あり」が少し離れていますが、これも断定の助動詞「なり」の連用形です。 土佐日記の「なほ同じ所 にあり」も同様で、この「に」は断定の助動詞ではないので、少し注意しておきます。 に…ありの応用 ここが勝負どころ• き・にけりの「に」は完了• に…ありの「に」は断定 この2公式はシンプルですが、入試・読解のいずれにとっても重要です。 に…ありには多少応用があり、ここで挫折する人もいますが、難しくはありません。 応用1 にや・にか・にこそ 応用1はあまり難しくありません。 例えば現代語でも「この様子だと、今夜は雨でしょうか?」を「この様子だと、今夜は雨?」と省略するように、古文でも以下の省略がよく起きます。 【省略前】この子もいかに思ふにかあらむ(この子はどのように思うのであろうか)• 【省略後】この子もいかに思ふにか したがって、「この子もいかに思ふ にか」の「に」に傍線を引かれたら、即座に「あらむ」が省略されているのだなと思い、に…ありの「に」は断定 を応用する必要があります。 にや、にか、にこそ の「に」も断定(あらむが省略されているため) 応用2 に…おはす、侍り、候ふ に…ありの「に」は断定 の公式は、「あり」が、似ている言葉で言い換えられていても通用します。 あり の尊敬語は「おはす」です … ドラマの水戸黄門で「こちらにあるお方をどなたと心得る」と言えば失礼になりますので、「こちらにおはす(=イラッシャル)お方をどなたと心得る」と言います。 したがって、おはす は、あり の尊敬語です。 「侍り・候ふ」も、あり に関連する丁寧語です。 に…おはすの「に」も断定• に…侍り・候ふの「に」も断定 (例)このおとどは、長良の中納言の三郎におはす。 「に」の識別(にき・にけり、に…あり)のまとめ 【1】下の二つが 絶対王者。 まず覚えます。 にき にけりの「に」は完了• に…ありの「に」は断定 き・けり・動詞あり はいずれも連用形接続。 完了の助動詞 ぬ はナ変型、断定の助動詞 なり は形容動詞型であることを、勉強するたびに思い出すようにします。 【2】次の二つは 基本の応用です。 仕組みを理解できるなら、必ずしも完全な暗記の必要はありません。 にや、にか、にこそ の「に」は断定(あらむが省略されているため)• に…おはす、侍り、候ふの「に」も断定 【3】 形容動詞の活用語尾は、良く問われますので、多少意識します。 状態・様子+に がパターンです。 (例)あはれに、静かに 【4】このほかの「に」は、特に記号問題では見た目から判断ができますので、後回しで構いません。 次の例文を、軽く押さえておきます。 神仏(かみほとけ)にいのるに、まさに死にゆくべし。 (識別)神仏に【格助詞】いのるに【接続助詞】、まさに【副詞の一部】死に【ナ変動詞の活用語尾】ゆくべし。 「に」の識別 ここまで分かれば応用講義も分かる 「に」の識別は、入試古文の大きな山場の1つ。 ここが分かったと言い切れれば、点数になりますし、古文全体への理解度も上がります。 「に」の識別に関しては、映像授業の併用もおすすめです。 岡本梨奈講師は、音楽コースピアノ科を卒業している変わり種で、とんこつラーメンが好きとのこと。 「に」の識別の講義では、当記事で3番目に重要とした形容動詞から順に取り上げ、にき・にけり も3番目に取り上げられています。 この記事との違いは、形容動詞の識別に少し踏み込んだり、死ぬに 往ぬ・去ぬ を加えるなど、応用に踏み込むことです。 この記事を、しっかり理解したうえで講義に臨めば、1発で理解できるはずです。 しかし、創設時に、東進ハイスクールの英語の超人気講師・関正生(まさお)を、彼が推奨する各科目の講師と一緒に、全国の予備校から引き抜いた経緯があります。 したがって、東進はもちろん、河合塾と比べても見劣ることはありません。 スタディサプリは、上のリンクから2週間の無料体験が可能です。 保護者の同意とメールアドレスは必要ですが、数分で動画再生が可能です。 関連記事•
次の接続助詞の「ば」は、直前にくる言葉の活用が未然形か已然形かによって、働きが変わります。 『順接仮定条件』とは、 仮に想定した条件に対して、予想される結果 順当な結果 を導く表現です。 文章の中で、接続助詞の「ば」の直前に位置する内容が、仮に想定した部分であり、接続助詞「ば」の直後に位置する内容が、予想される結果 順当な結果 を表す部分になります。 古文 物語や和歌等 の作者はどのような場面や心境の際にこの順接仮定条件の接続助詞「ば」を使ったのでしょうか。 これまでの解説をふまえてその場面・心境を考えてみると、 『ある仮に想定した条件から、予想されるこたえが導き出されることについて述べたい場面』になります。 『順接確定条件』とは、 ある確定した条件 ある事実 に対して、予想される結果 順当な結果 を導く表現です。 文章の中で、接続助詞の「ば」の直前に位置する内容が、事実に相当する部分であり、接続助詞「ば」の直後に位置する内容が、予想される結果 順当な結果 を表す部分になります。 古文 物語や和歌等 の作者はどのような場面や心境の際にこの順接確定条件の接続助詞「ば」を使ったのでしょうか。 これまでの解説をふまえてその場面・心境を考えてみると、 『あるひとつの事実から、予想されるこたえが導き出されることについて述べたい場面』になります。 条件として原因・理由を述べる場合は「原因・理由 ~ので・~から 」、ある事柄に続いて次の事柄が起こったことを表す場合には「単純接続 ~と・~ところ 」、恒常条件 ある事柄が起こると必ず同じ結果になること を表わす場合には「恒常条件 ~といつも・~と必ず 」という意味になります。
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