シアン 化物 イオン。 シアン化物(シアンかぶつ)とは

大学の分析化学の共存イオン効果に関する問題です。

シアン 化物 イオン

1 有機反応機構の規則 有機化学は、よく「暗記の化学」であるといわれます。 高校で習う有機化学では、たくさんの有機化合物の名称を暗記して、さらに様々な反応機構まで暗記しなければならないからです。 有機化学は、数学や物理学が苦手でも、それほど問題なく学習を進めることができるため、高校レベルでは、暗記量が物を言う学問なのです。 しかし、ただの暗記だけで十分なのは、せいぜい高校レベルまでです。 大学レベルでは、「有機化学は暗記の学問である」などと言う人は、恐らく一人もいません。 有機化合物の種類は 5000 万種を超え、さらに、それに関係する有機反応まで含めると、とても暗記だけでは済まなくなるからです。 それ故に、一流の有機化学者たちは、様々な有機化合物や複雑な有機反応を、系統立てて理解するようにしています。 すなわち、多くの有機化合物には官能基があるため、官能基ごとに化合物を分類すれば、有機化学の学習は非常に効率的になります。 また、有機反応についても、有機化学の反応の多くは、基本的な数種類に分類できるため、学習が非常に単純化されます。 有機化学の基本的な規則さえ知っておけば、新しい有機化合物や有機反応を見ても、その化合物の性質や反応の仕組みがすぐに推測できるようになるのです。 有機反応を勉強する上で、最も大事なことは、電子の動きを理解することです。 ただし、ここでいう電子は、「価電子」のことです。 価電子は、化学結合や物性に深く関係している電子です。 有機化学は「電子の化学」であり、有機反応とは、「電子の動きによる物質の化学変化」の他ならないのです。 有機化学では、価電子の動きを曲がった矢印で示します。 この矢印を「両刃型矢印」といいます。 両刃型矢印の使い方を学ぶことは、有機化学において、非常に重要なことです。 次の図. 1 は、炭酸イオン CO 3 2 - の 3 種類の構造式と電子の動きを示したものです。 1 炭酸イオン CO 3 2 - の 3 種類の等価な「共鳴構造式」 有機化学では、電子の存在位置の変化を見失わないようにするために、両刃型矢印を使います。 この両刃型矢印は、電子の出発地点から始まり、終着地点で終わります。 両刃型矢印は、何の物理的意味も持ちませんが、式を正しく書くための工夫としては、極めて重要なものです。 ここで、あえて「異なる書き方の構造式」としたのは、図. 1 の 3 種類の炭酸イオン CO 3 2 - は、ただ書き方が違うだけで、すべての構造式が等価だからです。 また、図. 1 の構造式のどれを取っても、真の炭酸イオン CO 3 2 - を表すものではないということに注意しなければなりません。 どの構造にも、炭素と水素の間には、 2 種類の異なる形式の結合があります。 しかし、現実には、炭素と水素の結合距離は、 3 本ともすべて同一 0. 131 nm であることが実験的に分かっています。 この距離は、正常な C = O 0. 120 nm と C - O 0. 141 nm の結合距離の中間の値です。 これが意味することは、真の炭酸イオン CO 3 2 - の構造式が、ちょうど 3 種類の構造式の平均であるということです。 このようないくつかの構造式が集まって真の構造式を作るものを、一般的には「共鳴混成体 resonance hybrid 」といいます。 炭酸イオン CO 3 2 - は、 3 種類の「共鳴構造式 resonance form 」の間で、物理的に相互変化をするのではなく、実際には 1 種類の構造であり、 3 種類の共鳴構造式の混成体となっているのです。 また、有機化学では、曲がった片矢印も使われます。 このような矢印を「片刃型矢印」といいます。 片刃型矢印は、 1 電子の動きを示すときに使われます。 両刃型矢印が 2 電子の動きを示すときに使われるのに対して、片刃型矢印は 1 電子の動きを示すときに使われるので、使い分けに十分注意する必要があります。 2 の 2 本の片刃型矢印は、エタン C 2 H 6 の炭素間結合が切れて、 2 個のメチル遊離基を生成するときの各電子の動きを示しています。 2 エタン C 2 H 6 の炭素間結合の開裂 2 求核置換反応 S N 2 反応と S N 1 反応 典型的な有機反応には、「付加反応」・「置換反応」・「脱離反応」・「酸化還元反応」などがあります。 その中でも、「置換反応 substitution reaction 」は一般的な有機反応であり、有機合成において、広く応用が可能な有機反応です。 ここで例として、臭化エチル C 2 H 5 Br と水酸化物イオン OH - の置換反応を示します。 このように、 1 つの官能基が別の官能基で置き換わる形式の反応を、置換反応と呼ぶのです。 この反応において、水酸化物イオン OH - のように新たに置換してくる基を「求核剤 nucleophile 」、臭化物イオン Br - のように置換される基を「脱離基 leaving group 」と呼びます。 有機化学では、それぞれの頭文字を取って、求核剤は「 Nu 」 、脱離基は「 L 」 と略されることが多いです。 置換反応では、共有結合の 1 つが切断され、それに代わる新しい共有結合が 1 つ形成されます。 先の臭化エチル C 2 H 5 Br と水酸化物イオン OH - の反応例では、 C - Br 結合が切断され、その代わりに新しく C - OH 結合が形成されています。 求核剤と反応基質が、ともに電気的に中性である場合は、生成物は陽電荷を帯びることになります。 求核剤が陰イオンで反応基質が中性の場合は、生成物は中性になります。 いずれの場合にしても、求核剤は非共有電子対を炭素に提供して、 1 つの共有結合を形成します。 それ故に、非共有電子対を持っているものならば、理論的には何でも求核剤になります。 すなわち、求核置換反応においては、脱離基もまた、共有結合を形成できる非共有電子対を持つので、求核剤として働きます。 つまり、求核置換反応は、原則として、すべて平衡反応になります。 平衡反応については、 でも説明していますが、競争する平衡反応は、少なくとも原理的にはすべて可逆反応であることを理解する必要があります。 しかしながら、実際的には、多くの求核置換反応は、可逆反応ではありません。 その理由は、単に一方向の反応が、圧倒的に優先しているからです。 なぜそうなるかについては、多くの説明が可能です。 例えば、平衡にある片方の分子が、他方よりもはるかに安定である場合が考えられます。 脱離基よりも強力な求核力を持った求核剤を反応で使用すれば、生成物がエネルギー的に安定になり、正反応が大きな発熱反応になって、置換反応を右辺に進行させることができます。 また、生成物の 1 つが固体で、反応液から結晶として取り除かれたり、気体として抜けていったりする場合には、平衡定数から考えて不利な反応でも、完全に反応を一方向に進めることができます。 このような条件下では、弱い求核剤を使っていて、正反応が吸熱的でも、置換反応を完結させることができます。 多くの求核置換反応の典型的な反応機構は、「 S N 2 反応」ならびに「 S N 1 反応」という 2 つの型に分類できます。 ここで「 S N 」 という記号は、「 substitution 置換 」と「 nucleophilic 求核的 」の頭文字を取ったものです。 「 2 」 や「 1 」 の数字が意味する内容については、次で説明します。 i S N 2 反応 S N 2 反応は、次の図. 3 で示されるように、反応物の 2 分子が 1 段階で反応する置換反応のことです。 求核剤として導入される原子や分子は、脱離していく原子の後ろ側から求核攻撃をしてきます。 この反応過程の中間段階 遷移状態 では、求核剤と脱離基は、置換が起こる炭素原子を中央に挟んで結合しています。 そして、求核剤と炭素との間に新しく結合が形成され始めると、炭素と脱離基の結合距離は伸びてきます。 そして、炭素に結合していた他の置換基は、傘を開くように後方に曲がり、最後には立体反転して、生成物を与えるのです。 3 「 S N 2 反応」の反応機構 「 S N 2 反応」の数字の「 2 」 は、この反応が 2 分子反応であることを示すために付けています。 すなわち、 S N 2 反応は、求核剤と基質の 2 つの分子が、反応機構の主要な段階に関与している 2 次反応なのです。 S N 2 反応では、求核剤と基質の両方が、反応の遷移状態に関与しています。 そのため、 S N 2 反応の反応速度は、それぞれの濃度に比例します。 例えば、臭化エチル C 2 H 5 Br と水酸化物イオン OH - の求核置換反応は S N 2 反応であるから、塩基 OH - 濃度を 2 倍にすると反応速度は 2 倍になり、臭化エチル C 2 H 5 Br の濃度を 2 倍にしても同じく 2 倍になります。 ここで、反応速度定数 k は、反応に固有の値であるから、 S N 2 反応の反応速度 v は、次のように表せます。 このことは、忘れてはならない S N 2 反応の重要な特徴の 1 つです。 ラトビアの化学者であるポール・ワルデンは、 S N 2 反応の反応機構の初期の研究において重要な貢献をしており、彼の名にちなんで、 S N 2 反応で普遍的に見られる立体反転は、特に「ワルデン反転 Walden inversion 」と呼ばれています。 反応基質 R - L が、 S N 2 機構で反応するとき、 R 基の構造は、 S N 2 反応の速度に多大な影響を及ぼします。 S N 2 反応は、 R がメチル基や第一級アルキル基、または第二級アルキル基の場合に限られるのです。 R がメチル基または第一級アルキル基の場合には、反応速度は速く、 R が第三級アルキル基の場合には、反応速度はゼロか、少なくとも無視できるほど小さくなります。 R が第二級アルキル基の場合には、その中間の反応速度を示します。 次の表. 1 に、種々の R 基の S N 2 反応におけるおおよその相対反応速度を示します。 1 S N 2 反応における平均的な反応速度比 R 相対反応速度 CH 2 = CHCH 2 - 1. 3 CH 3 - 1 CH 3 CH 2 - 0. 033 CH 3 CH 2 CH 2 - 0. 013 CH 3 2 CH - 8. つまり、脱離基が結合した炭素上にアルキル基が数多く置換していると、置換反応を受ける炭素原子の背面側の混み合いが酷くなり、これが反応速度を低下させる原因になるのです。 したがって、求核剤の接近に対する立体障害が特に大きな第三級アルキル化合物では、実質 S N 2 反応は起こりません。 4 第三級アルキル化合物の立体障害 ii S N 1 反応 S N 1 反応は、次の図. 5 で示されるように、反応物の 2 分子が 2 段階で反応する置換反応のことです。 初めの段階は遅く、まず反応基質がイオン化して、炭素原子と脱離基の間の結合が切れます。 続いて、炭素陽イオンが求核剤に捕捉される第 2 段階目の速い反応が起こり、炭素陽イオンは求核剤と結合して、生成物を与えます。 5 「 S N 1 反応」の反応機構 「 S N 1 反応」の数字の「 1 」 は、 2 段階の反応のうち、反応速度の遅い反応段階に、反応基質だけが関与しているということを示しています。 つまり、この段階に求核剤は全く関与しておらず、反応は 1 分子的に起こるのです。 したがって、 S N 1 反応は、以下の反応速度式で表わされる 1 次反応であり、反応速度は、加えた求核剤の濃度に依存しません。 2 段階反応の第 1 段階目だけが、反応速度を決定する「律速段階 rate - controlling step 」であり、この第 1 段階目で生じた炭素陽イオンは、速やかに求核剤と反応してしまいます。 第 2 段階目の反応は、どのような生成物が得られるのかを決定するものの、反応速度を決定するものではないのです。 炭素陽イオンの中心には 3 つの置換基しか結合しておらず、炭素陽イオンは sp 2 混成した電子状態を有しているので、 3 つの結合は平面を形成します。 求核剤の攻撃は、炭素陽イオン平面のどちら側からも等しい確率で起こるので、等量の R 体と S 体のラセミ混合物が生成してきます。 例をあげると、 R - 3 - ブロモ - 3 - メチルヘキサンと水 H 2 O との反応では、ラセミ混合物のアルコールが生成します。 6 R - 3 - ブロモ - 3 - メチルヘキサンと水 H 2 O の S N 1 反応 しかしながら、実際に S N 1 反応でラセミ化が起こる場合もありますが、通常はそれほど完全ではなく、立体反転した生成物が過剰に得られます。 この理由は、基質から脱離基が完全に離れる前に、求核剤との反応が起こる場合が多いからです。 脱離基が完全に解離しない限り、脱離基は脱離する側を遮蔽し、求核剤がこの側から攻撃して、立体保持した生成物を与えるのを邪魔します。 その結果、立体反転した生成物を過剰に与えることになるのです。 7 S N 1 反応における脱離基の遮蔽効果 また、反応基質 R - L が、 S N 1 機構で反応するときの反応速度は、第二級アルキル化合物に比べて、第三級アルキル化合物の方がはるかに大きく、単純な第一級アルキル化合物やメチル化合物では、 S N 1 反応を全く起こしません。 S N 1 反応は、 R が第三級アルキル基、または第二級アルキル基の場合に限られるのです。 この理由は、 S N 1 反応の速度が、炭素陽イオン中間体の生成段階に依存していることを考えると理解できます。 様々な測定結果から、炭素陽イオンの安定性は、置換基が増えるに従って大きくなることが分っています。 この被占軌道と空軌道の相互作用は、炭素陽イオンの安定化をもたらします。 また、この安定化は、置換基の数が増えるほど大きくなります。 例として、次の図. つまり、炭素陽イオンを発生させやすいものほど反応は速くなり、最も安定な第三級炭素陽イオンを生じる第三級アルキル化合物は、一般的に S N 1 機構で反応します。 一方で、極めて不安定な炭素陽イオンを生じなければならないメチル化合物や第一級アルキル化合物は、通常 S N 1 反応を起こしません。 また、 S N 1 反応において、第二級アルキル化合物は、第一級アルキル化合物よりも速く反応しますが、第三級アルキル化合物に比べると遅くなります。 ii S N 2 と S N 1 反応機構の比較 ある求核置換反応が、 S N 2 か S N 1 のいずれの反応機構で進行するのかを知るためには、どうすれば良いでしょうか?先にも述べたように、反応基質 R - L における求核置換反応は、 R 基の構造に影響を受けて、どちらの反応機構で進行するのかが決まります。 第一級アルキル化合物は、ほとんど S N 2 機構で反応するのに対して、第三級アルキル化合物は、 S N 1 機構で反応します。 第二級アルキル化合物の場合は、両方の機構で反応する可能性があります。 求核置換反応がどちらの反応機構で進行するのかは、 R 基の構造の他には、求核剤や脱離基、反応溶媒の種類に影響を受けます。 ii-1 求核剤の影響 求核剤は、反応性の高い非共有電子対を持つ化学種のことで、炭素原子に非共有電子対を与えて、新しく共有結合を作る性質があります。 求核剤と似たような定義として、「ルイス塩基 Lewis base 」があります を参照。 ルイス塩基は、ルイス酸に非共有電子対を与えて、新しく結合を作る化学種のことです。 ルイス塩基は、求核剤よりも広い定義になります。 つまり、ルイス塩基の中でも、特に炭素原子と反応するものを、求核剤と呼んでいるのです。 一般的に求核性の強い求核剤ほど、炭素原子を攻撃しやすくなるので、求核性の強い求核剤は、求核置換反応においては有効になります。 それでは、求核性とは、一体何によって決まるのでしょうか?優れた求核剤とは、一体どんな物質なのでしょうか? 一般的には、「塩基性が強い物質ほど、求核性が強くなる」ということができます。 しかし、ここで注意しなければならないことは、塩基性が強くても、求核性の弱い物質があったり、逆に塩基性が弱くても、求核性の強い物質があったりするということです。 この違いは、攻撃する炭素の空軌道に対して、求核剤が有効に作用するかどうかを考えることで理解できます。 10 「 塩基性」と「求核性」の違い 一般的に「塩基性」といった場合、それは「ブレンステッド塩基 Bronsted base 」の強さのことを意味します。 つまり、「塩基性が強い物質ほど、求核性が強くなる」という表現における「塩基」とは、「ルイス塩基」ではなく「ブレンステッド塩基」のことを指しているのです。 ブレンステッド塩基性は、「水素の空の 1s 軌道」との相互作用の尺度であり、求核性は、「炭素の空軌道」との相互作用の尺度です。 被占軌道と空軌道の相互作用は、エネルギーの近い軌道同士が重なる場合に、最も大きな安定化が得られることに注意して下さい。 すなわち、求核剤の軌道が、炭素の空軌道のエネルギーに匹敵することが、求核性を決定する上で極めて重要なのです。 次の表. 2 に、水溶液中での求核剤の相対的な求核性を示します。 この中には、「強い塩基は優れた求核剤である」という法則から、大きく外れた例がいくつか見られます。 しかし、求核性は、約 8 倍もシアン化物イオン CN - の方が強いです。 これは、シアン化物イオン CN - の軌道のエネルギーが、求核攻撃される炭素の空軌道のエネルギーに近いからです。 この他にも、別な要因で求核性の強さが決まることがあります。 例えば、ハロゲン化物イオンの共役酸である HX X = F, Cl, Br, I の p K a 値から予想されるように、塩基性の強さの順は F - > Cl - > Br - > I - です。 ところが、表. 2 によると、求核性の強さの順は、全くこの逆なのです。 ヨウ化物イオン I - は最も弱い塩基ですが、最も強い求核剤になります。 また、フッ化物イオン F - は最も強い塩基ですが、最も弱い求核剤です。 このようになる理由は、水 H 2 O やアルコールのような極性の高いプロトン性溶媒中では、ハロゲン化物イオンは、水素結合などで強く溶媒和され、著しくかさ高くなっているからです。 求核剤はかさ高くなると、反応基質に接近するのが困難になり、求核性が弱くなってしまうのです。 他のハロゲン化物イオンに比べて塩基性の弱いヨウ化物イオン I - は、水 H 2 O やアルコールのようなプロトン性溶媒とそれほど強く相互作用をしないので、溶媒に邪魔されることなく、求核攻撃ができるという訳です。 それ故に、非プロトン性溶媒であるアセトン中では、溶媒分子との水素結合による相互作用が弱くなるので、求核性の強さの順は、表. 2 の逆 F - > Cl - > Br - > I - になってしまいます。 また、気相中のように溶媒がない状態でも、求核性の強さの順は逆 F - > Cl - > Br - > I - になります。 11 求核剤のかさ高さによる影響 求核性の強さは、 S N 2 反応の速度に大きな影響を与えます。 これは、 S N 2 反応の速度が、求核剤と基質の両方の濃度に比例することを思い出せば、理解できるでしょう。 つまり、強力な求核剤を用いると、 S N 2 機構が優勢になるのです。 それに対して、 S N 1 反応では、求核剤は反応速度に影響せず、反応速度は基質の濃度のみに比例します。 これは、 S N 1 反応の速度を決める律速段階では、基質のみが関与していて、求核剤は全く反応に関与していないからです。 ii-2 脱離基の影響 多くの脱離基は、陰イオンとして脱離します。 したがって、脱離基の陰イオンが安定になるほど、脱離基は置換されやすくなります。 求核置換反応では、いずれの反応機構にしても、脱離基の陰イオンが安定であるほど、反応速度は速くなるのです。 つまり、その共役酸 HL の p K a 値と相関があるのです。 p K a 値は小さいほど強酸となり、その共役塩基は、弱塩基で優れた脱離基となります。 別の言い方をすると、一般的に塩基性が強いほど求核性は強くなるので、「脱離基は弱い求核剤であるほど優れている」ということができます。 次の表. 3 に、種々の脱離基をそれらの共役酸の p K a 値と共に示します。 ハロゲン化物イオンは、一般的に優れた脱離基であり、有機合成化学において、簡単な構造を持つ有機ハロゲン化合物 塩化物と臭化物が多い は、多くの用途を持った原料化合物として利用されています。 3 種々の脱離基とそれらの共役酸 ii-3 反応溶媒の影響 反応機構を実験的に制御できる方法の 1 つに、溶媒の極性があります。 水 H 2 O やアルコールはプロトン性極性溶媒ですが、これらの溶媒は、 S N 2 および S N 1 反応に、どのように影響を与えるでしょうか?溶媒の極性変化に伴う S N 2 反応の様子は、一見すると、複雑で分かりにくいです。 溶媒の極性が増すに従って、ある場合は反応が速くなり、ある場合は反応が遅くなるからです。 以下に 2 つの例を示します。 最初の反応 a は溶媒の極性が増すにつれて速くなりますが、 2 番目の反応 b は遅くなります。 これらの反応を、極性溶媒中で行うとどうなるでしょうか?極性の高い溶媒分子は、電荷を帯びた物質と相互作用をして、分子の形式電荷を非局在化させ、安定化させるはずです。 つまり、 a のような生成物で電荷の分離が起きている反応では、生成物が安定化され、 b のような反応物で電荷の分離が起きている反応では、反応物が安定化されるのです。 反応速度は、遷移状態のエネルギー、すなわち活性化エネルギーによって決まります。 a では、極性溶媒が生成物や電荷の分離が起き始めた遷移状態を安定化するので、活性化エネルギーが小さくなって、反応速度が速くなります。 しかし、 b では、極性溶媒が遷移状態や生成物よりもむしろ反応物を安定化してしまうので、活性化エネルギーが逆に大きくなって、反応速度が遅くなるのです。 また、 S N 1 反応では、 S N 2 反応と違って、反応溶媒の影響は、比較的単純です。 S N 1 反応の最初の段階は、イオンの発生を伴う遅い反応段階です。 極性溶媒はイオンを溶媒和できるので、その効果により、 S N 1 反応は著しく促進されます。 無極性溶媒では、このような効果はありません。 S N 1 反応は、極性溶媒中では、反応速度が速くなるのです。 iii 求核置換反応のまとめ 求核置換反応には、 S N 2 反応と S N 1 反応があり、どちらの反応が起こるのかを知ることによって、反応速度はどうであるのか、立体配置の反転が起こるのか、それともラセミ化が起こるのかなどということを、あらかじめ知ることができます。 求核置換反応は、一方の反応が起こりにくい場合には、他方が有効であるというように、互いに相補的な関係です。 例えば、 S N 2 反応は、メチル化合物や第一級アルキル化合物でよく起こるのに対して、 S N 1 反応は、第三級アルキル化合物でよく起こります。 しかしながら、ちょうど中間に位置する第二級アルキル化合物では、両反応が起こりうると考えられます。 R 基が小さい場合には、強力な求核剤を用い、反応過程の電荷の様子に適した極性を持つ溶媒を選択することによって、 S N 2 反応は進行しやすくなります。 逆に R 基がかさ高い場合には、小さい求核剤を用い、極性溶媒を用いることによって、 S N 1 反応が進行しやすくなります。 このように選択的に求核置換反応を起こすためには、それぞれの反応機構をよく知っておく必要があります。 求核置換反応のまとめを、次の表. 4 に示します。 有機合成化学の仕事の大部分は、選択性の探索ともいえます。 合成化学者は、ある反応経路だけが、他のすべてに優先して進行するような反応試薬や反応条件を探索しています。 求核置換反応を用いて、分子を合成しようとする場合には、特に「脱離反応 elimination reaction 」と呼ばれる副反応を考慮しなければなりません。 例えば、ハロゲン化アルキルに求核剤を反応させると、置換反応と脱離反応の 2 つが、競争的に起こります。 12 「 置換反応」と「脱離反応」 置換反応では、ハロゲンが求核剤と置き換わります。 このように、脱離反応は求核置換反応の副反応ではあるものの、ハロゲン化アルキルなどの基質からアルケンを得ることができるので、不飽和炭化水素の一般的な合成法として利用されています。 置換反応と脱離反応について、どちらの反応が主反応になるのかは、基質の構造や求核剤の種類、また反応条件などにより左右されます。 ところで、この脱離反応にも、置換反応と同じように「 E2 」 と「 E1 」 の記号で表わす 2 つの主要な反応機構が存在します。 この 2 つの反応を制御するためには、その反応機構をよく理解しておく必要があるでしょう。 i E2 反応 「 E2 反応」は、 S N 2 反応と同じように 1 段階反応です。 そして、それと同時に脱離基が離れ、二重結合が形成されます。 この反応機構における電子対の動きを矢印で示すと、次の図. 13 のようになります。 13 「 E2 反応」の反応機構 図. 13 では、 E2 反応が進行しやすい立体配座が書いてあります。 E2 反応は、 S N 2 反応と競争的に起こりますが、生成物の割合は、第一に求核剤の塩基性に影響されます。 したがって、塩基性の強い求核剤を用いると、 E2 反応が起こりやすく、塩基性の弱い求核剤を用いると、 S N 2 反応が優先します。 例えば、エトキシドイオン CH 3 CH 2 O - は優れた求核剤ですが、同時に塩基性も強いです。 したがって、このような求核剤を反応で用いると、置換反応の副反応として、脱離反応が起こりやすくなります。 置換反応を優先的に進めるためには、塩基性の弱い塩化物 Cl - などを求核剤として用いる必要があります。 また、 S N 2 反応の速度は、基質の構造に大きく影響されます。 基質の枝分かれが多いほど、脱離基後方からの求核剤の攻撃に対する立体障害が大きくなるため、 S N 2 反応の速度は減少するのです。 先にも説明しましたが、第三級アルキル化合物では、 S N 2 反応に対しての立体障害は極限に達し、 S N 2 反応の速度は、実質的にゼロになります。 S N 2 反応が遅くなるにつれて、これと競争して起こる E2 反応が重要になってきます。 臭化 t - ブチルのような代表的な第三級アルキル化合物においては、 E2 と S N 2 反応の起こる条件下でも、 E2 反応のみが進行します。 14 臭化 t - ブチルの E2 反応 ii E1 反応 「 E1 反応」は、 S N 1 反応と同じように 2 段階反応です。 反応の第 1 段階目では、反応基質がゆっくりと律速的にイオン化して、炭素陽イオンを生成します。 この反応機構における電子対の動きを矢印で示すと、次の図. 15 のようになります。 15 「 E1 反応」の反応機構 E1 反応は、 S N 1 反応と競争的に起こりますが、 E1 および S N 1 生成物の割合は、求核剤の塩基性に左右されます。 例えば、同じ生成物を与える求核剤でも、エトキシドイオン CH 3 CH 2 O - では、塩基性が強すぎて E1 反応が優先しますが、エタノール C 2 H 5 OH を求核剤として利用すれば、 S N 1 反応が優先します。 脱離する水素によって生成物が異なる場合、主生成物は、より安定な多置換アルケンになります。 多置換アルケンが安定な理由は、炭素二重結合に結合する置換基が多いほど、相対的にエネルギーの低い sp 2 - sp 3 結合が多くなり、置換基の少ないアルケンでは、相対的にエネルギーの高い sp 3 - sp 3 結合が多くなるからです。 2s 軌道にある電子は、 2p 軌道にある電子よりも、エネルギーが低く安定なので、軌道の s 性が多くなるほど、その軌道にある電子の安定化は大きくなります。 したがって、 sp 2 混成軌道の炭素原子に結合している置換基の多いアルケンほど、その分子は安定になるのです。 もちろん、統計学的確率も生成物の比に多少影響しますが、主たる要因はアルケンの安定性であり、脱離反応では、最も多くの置換基を持ったアルケンが、非常に優先して生成します。 この現象は、ロシアの化学者であるアレクサンドル・ザイツェフによって発見されたので、「ザイツェフ脱離 Zaitzev elimination 」と呼ばれています。 例えば、次の図. 16 の E1 反応では、置換基の少ないアルケンの生成が統計的に有利であっても、より安定な多置換アルケンの生成が優先します。 16 多置換アルケンを優先的に生成する「ザイツェフ脱離」.

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生物・化学戦(BC)の対処法(化学)

シアン 化物 イオン

特性 アーモンド臭(注意:半数のヒトは遺伝的にこの臭いを感知できない)を呈し、空気より軽く高い揮発性を有する。 猛毒で効果的濃度以上であれば高い殺傷力を有するが、それ以下では効果がない(all or nothing 生物学的活性)。 徴候と症状 臨床症状は非特異的であるが、チアノーゼを示さない呼吸困難と「サクランボ色の赤い」皮膚が比較的特徴的である。 頻呼吸・痙攣もみられる。 除染方法 揮発性が高いため通常必要ないが、高濃度曝露時には水などで除染する。 検査法 血中シアン化物濃度高値と乳酸代謝性アシドーシスがみられる。 静脈血の酸素分圧が正常より高値を示す。 治療 呼吸管理とアシドーシス補正が重要である。 シアン化合物 概要 シアン化物は、細胞内ミトコンドリア中のチトクローム酵素と結合し、細胞の酸素代謝を直接阻害する速効・致死性の剤である。 シアン化物という名称は、陰イオンシアンもしくは、その酸化物である青酸の総称である。 同じような毒性を持つ関連化学物質としてはシアン化水素、シアン化塩素、シアン化臭素がある。 シアン化物は吸入により全身に作用し、その効果は血液によって運搬されたと考えられていた。 ゆえに「血液剤」と呼ばれた。 しかし神経剤も表面上同様の状況を示すため、今日ではこの名称は意味をもたない。 しかし、シアン化物は製造するのが比較的簡単で安価であるため、テロリストが使用する可能性はいまだ存在する。 本邦でも、毎年数千トンの産業用シアン化物とその関連物質が製造され、世界中を輸送されている。 建物火災などでアクリル系繊維や樹脂、ポリウレタン燃焼時には、シアン化物(シアン化水素)が死因となることもあり、初動対応要員はシアン中毒患者の医療管理に精通しなければならない。 第一次世界大戦中フランスは約4,000トンのシアン化物を使用したが、十分な成果を収められなかった。 使用された2〜3ポンド弾薬が小さすぎて致死的必要量のシアン化物が充填出来なかったことや、高い揮発性により直ちに蒸発・拡散したため致死的濃度に達しなかったことが原因と考えられている。 1980年代イラクは、クルド人に対し使用した可能性がある。 血液剤はその高い揮発性のため曝露周囲の人々のみにしか症状が出現しないため、テロリストが局地的に使用する可能性はあるが軍事的価値は低い。 特性・作用機序 シアン化物は、弾薬中では液体の状態にあり、爆発によって急速に気化し脅威を与える。 液体での毒性はマスタードと同様であるが、化学兵器の中で最も毒性が低い。 シアン化物の化学兵器化には大型の弾薬(爆弾、大砲弾)を要し、実用的でない。 通常は蒸気吸入により中毒を起こすが、シアンが混入した食品や水を摂取することによっても起こる。 ACのLD50は、静脈内投与では1. 一度体内に入ると作用は激烈で、高濃度を吸入すると1分以内に意識障害が起こり、6〜8分以内に死亡する。 中等度の曝露でも意識障害の発生や死亡する場合があるが、初動対応要員が対応する十分な時間がある。 低濃度曝露では短い時間症状が出現するが、治療をしなくても殆ど回復する。 シアン化物のこの「all or nothing」的な生物学的活性は、トリアージや治療を行う上で重要である。 この結果、細胞内でのミトコンドリアではブドウ糖からのエネルギー産生が停止する。 組織に酸素は供給されるが、組織での酸素利用が阻害される。 さらに嫌気性代謝が進み、乳酸が蓄積され代謝性アシドーシス(乳酸アシドーシス)となる。 臨床症状 急速に出現した痙攣・呼吸促迫、さらには乳酸アシドーシスがあれば、まずシアン化物中毒を疑って診断・治療をすすめる。 シアン化物では、まず中枢神経系(CNS)と心臓に影響が出現する。 高濃度のシアン化物の気体吸入後、約15秒で一過性の過呼吸が生じ、さらに15〜30秒で痙攣が始まる。 被曝後2〜3分後には呼吸停止が、約6〜8分後に心停止が起きる。 シアン化物の経口摂取または低濃度の気体吸入後の症状は、一過性の過呼吸とともに頭痛、頻脈、不安、動揺、めまい、嘔気、嘔吐、痙攣である。 低濃度では、ほとんどの症例で症状はすみやかに軽快し救急治療は必要としない。 一部の患者では、その後意識消失が起こり、呼吸数減少や呼吸が浅くなり、痙攣、無呼吸、不整脈、心停止と続く。 症状の進行や重症度は吸収量や吸収程度によって変わってくるが、重篤な症状を呈するまで多少時間的余裕があり診断及び適切な処置が可能である。 身体的所見は非特異的であるが、2つの特徴的な所見がある。 チアノーゼを伴わない呼吸苦と「サクランボ色の赤い」皮膚であるが、実際は約半数に認められるだけである。 これは、組織障害によって酸素の取り込み障害がおき、静脈の酸素含有量が高くなり静脈血の色が動脈血の色に近くなるためである。 鑑別診断 シアン化物の曝露が明らかでない時、診断に苦慮する。 縮瞳や分泌物増加などの徴候があれば、神経剤とシアン化物との鑑別は容易である。 検査所見 検査所見に、シアン中毒に特異的なものはない。 心電図上では不整脈やST-T波の異常が出現し、終末期には徐脈性不整脈を呈する。 ブドウ糖の好気的分解が阻害され、嫌気性代謝が進み乳酸が蓄積し、乳酸濃度の高い代謝性アシドーシス(乳酸アシドーシス)が見られる。 静脈血の酸素分圧高値も診断補助になるが、パルスオキシメーター値(動脈血酸素分圧)はシアン中毒の呼吸状態を正確には反映しない。 動脈血液中のヘモグロビンの酸素飽和度は正常値を示しているにも関わらず、シアン化合物が酸素の利用を阻害するため細胞は低酸素状態であり、注意を要する。 血中のシアン化物濃度上昇が認められれば、診断は確信されるが、迅速な測定は困難なことが多い。 中等症は、0. 5-1. トリアージ 進行性の重篤な症状(痙攣、呼吸困難)の患者や、数分以内の吸入被爆被曝後数分以内の患者で、痙攣を伴うかまたはい無呼吸になった直後であるが、なって間もないが循環はは保たれている者が、緊急治療群(赤)に分類される。 シアン中毒の場合、拮抗剤の即時投与により回復は比較的速く救命し得る。 無呼吸を伴い脈拍が触知出来ない患者は死亡群(黒)である。 待機的治療群(黄)は、致死量未満の吸入被爆被災者で症状の少ない者や、中等症から回復途中の者、もしくは治療が効果的であった者である。 最小治療群(緑)には歩行患者が分類されるが、多くの場合、症状が軽快すれば救急治療は要しない。 治療 初期治療で特異的な点がいくつかあるが、呼吸停止時には直ちに人工呼吸(気管内挿管かバッグマスク)を開始しアシドーシスの補正をしなければならない。 シアン化合物は吸収が早く直ちに全身中毒を起こすので、マウスツゥマウスの人工呼吸は厳禁であり、皮膚に付着したものや吐物には触れてはならない。 除染は揮発性が高いため通常必要ないが、高濃度曝露時には水などで除染する。 眼に入った場合は、直ちに除染しなければならない。 すぐに拮抗剤治療を開始することが患者救命に必要である。 拮抗剤治療 治療の目標は、1. チトクローム酸化酵素複合体中のチトクロームAからのシアン化物の除去、2. シアン化物が、細胞に再進入し酵素抑制ができないようにシアン化物の解毒である。 このように、とりあえずメトヘモグロビン形成で急場をしのいだあと、チオ硫酸ナトリウムを投与すると硫黄がシアノメトヘモグロビンから少しずつ遊離してくるシアンと結合し、チオシアネートとなる。 これは毒性が低く、腎臓から排泄される。 血液透析によって排泄はさらに促進されるのて、重篤な代謝性アシドーシスを伴う時には併用する価値がある。 実際に臨床で使用する時は、以下の投与法に準じて行なう。 亜硝酸アミル吸入:シアン化物解毒剤(メトヘモグロビン形成薬)の第一選択 曝露15秒以内に吸入させ、5分間隔で5〜6回繰り返す。 立位使用時での、低血圧に注意を要する。 必ず亜硝酸アミル吸入後に、経静脈的に亜硝酸ナトリウムを投与する。 貧血時には、投与量を少なめに調整する。 血圧低下をきたせば、ノルエピネフリンの静注で血圧を保つ。 投与量が多すぎて重篤なメトヘモグロビン血症時の治療には、シアン中毒が悪化するのでメチレンブルーを投与してはならない。 その時は、血液透析以外に救命処置はない。 以上の処置で効果がなければ、3〜4回、初回量の半量を投与する。 亜硝酸ナトリウムとチオ硫酸ナトリウム併用療法では、低血圧や低酸素血症が起こる可能性があり、患者を仰臥位に寝かせ酸素を投与し副作用を最小限にしなければならない。 亜硝酸-チオ硫酸法の欠点は、メトヘモグロビン濃度調節ができないことである。 またメトヘモグロビンが形成されるのに、時間がかかることも欠点である。 この欠点を補うために4-ジメチルアミノフェノール(ドイツで市販)が存在する。 これは効果出現は早いが、持続時間が短い。 現在ヨーロッパでは、コバルトとEDTAとのキレート化合物の形の製剤「Co2EDTA、ジコバルトEDTA」がシアン中毒治療の第1選択薬となっている。 急激な血圧の上昇や低下、不整脈、アナフィラキシー様反応などが起きるので、注意を要する。 さらに安全な拮抗剤ヒドロキソコバラミン(ビタミンB12a)が開発され、効果は亜硝酸-チオ硫酸法と同程度で副作用が少ない。 補助的治療 補助的治療は酸素投与と代謝性アシドーシスの補正である。 理論上は、組織での酸素利用が阻害され酸素投与は役立つとは限らないが、実験的研究及び実際の患者管理において酸素投与は有効であるとされている。 ただし、高圧酸素に使用に関しては、その有効性に根拠はない。 青酸ガス吸入時の身体的影響 青酸ガス濃度 (ppm) 症状 18〜36 数時間後に、軽い症状出現 45〜54 20分〜1時間は、身体に影響なく耐えられる 110〜125 20分〜1時間で、生命危機または致死的に陥る 135 30分で、致死的に陥る 181 10分で、致死的に陥る 270 曝露直後に、致死的になる.

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最近話題のシアン化合物、毒性は?そもそも基準値とは何か、まで紹介!!

シアン 化物 イオン

説明 カタログ番号 119533 参考資料 製品情報 HSコード 2837 20 00 Quality Level アプリケーション 生体情報 物理化学情報 密度 1. 105614 and, if necessary, leave to react for several days. Caution: some substances may show a violent reaction! Draw off any toxic or flammable gases that may be formed. Excess oxidant should be neutralized with sodium thiosulfate Cat. 106513. Container D or E. The content of this solution was determined with silver nitrate standard solution article number 1. 09081 standardized against volumetric standard sodium chloride article number 1. 02406.

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