『A列車で行こう』とは JR九州の特急『A列車で行こう』は、熊本駅と「あまくさみすみ線」の三角(みすみ)駅のあいだを走る観光列車で、2011年にデビューして以来、高い人気を誇っています。 個性的な外観と上質な内装のデザインは、豪華クルーズトレイン『ななつ星 in 九州』と同じ、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏の手によるものです。 A列車の「A」は、Adult(大人)やAmakusa(天草)を表しており、天草を旅する大人にふさわしい仕立てが施されています。 JR九州では観光列車のことをこう呼んでいます)は、鉄道ファンだけでなく全国の旅好きな人たちがわざわざ乗りに訪れるほどの人気ぶりです。 最近では、観光列車で外国人の個人旅行客を見かけることが多くなりました。 日本の鉄道の乗車体験や客室乗務員らによるおもてなしが新鮮なのでしょう。 一方で、「鉄道にはあまり興味がない」「観光列車に乗るのは初めて」という方もいらっしゃると思います。 実はそういう方にこそ『A列車で行こう』は気軽に楽しめて大人の満足度が高い列車です。 その理由を8つ挙げてみました。 大人の旅を演出するインテリア 『A列車で行こう』には、「南蛮文化が渡来した天草をモチーフに、ヨーロッパをイメージした大人の旅を演出する」というコンセプトがあります。 日本各地の観光列車の多くが、その地域にちなんだ「和」の文化をコンセプトにしていることを考えると、ちょっと異質かもしれません。 隠れキリシタンの歴史がある天草ならではの演出ですね。 大胆に配されたステンドグラスや、ウッドを多用した落ち着いた客室、スピーカーから流れるジャズの旋律など、大人の美意識を満たす車内でくつろぐことができます。 「じゃあ、子どもは乗っちゃいけないの?」と感じた方もいるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。 お子さんが外の景色を楽しめる小さい椅子席が用意されているので、子どもたちもA列車の旅を満喫することでしょう。 バーカウンターでアルコールを楽しめる 車内にバーカウンターがあるのも『A列車で行こう』ならでは。 看板メニューの「Aハイボール」(520円・税込み)は、サントリーの角ウイスキーに熊本県・湯の児の福田農場でつくられたデコポンシロップをブレンドした、口当たりさわやかなひと品です。 終着駅に着くまでのひとときに、アルコールで軽くのどを潤すのは大人だけの特権ですね。 ハイボール以外のアルコール類やソフトドリンクもありますので、バーカウンターをぜひご利用ください。 シークルーズで海から天草へ好アクセス 『A列車で行こう』の天草側の終点・三角駅の目の前にある船着き場から、天草の松島港、本渡港行きの船『シークルーズ』に接続します。 シークルーズの船は『A列車で行こう』と同じ水戸岡鋭治氏によって統一感のあるデザインが施されています。 大人が乗りたくなる船で、天草へのクルーズを楽しむことができます。 詳しくはをご覧ください。 列車の乗車時間が長すぎない 『A列車で行こう』の乗車時間はおよそ40分。 たった40分じゃ物足りないと思われるかもしれませんが、退屈したり飽きてしまう心配もありません。 『A列車で行こう』の旅をもっと楽しみたいという方は、思い切って往復乗車するという手もありますよ。 列車の利用料金が手ごろ 『A列車で行こう』の利用料金は、熊本~三角を大人が片道乗車の場合 運賃740円+指定席特急料金1,140円=合計1,880円です(通年)。 乗車距離が短いおかげで運賃と特急料金が安く抑えられています。 バーカウンターで買い物をすればその料金が個別に掛かりますが、バーカウンターはドリンク1杯から利用できるので小銭があれば十分です。 バーカウンターを利用しないという選択肢ももちろんありますから、移動と景色を楽しむだけなら1,880円とリーズナブルなお値段です。 同じJR九州のスイーツトレイン『或(あ)る列車』の場合、スイーツコースがセットで一人24,000円からというお値段です。 単純に比較はできませんが、気軽には乗れませんよね!? いつかは乗ってみたい、あこがれの列車ではあります。 一日3往復運転で乗車チャンスが多い 『A列車で行こう』は基本的に土曜・休日に運転されます。 それに加えて行楽シーズンには平日の運転もあります。 運転日には注意が必要ですが、運転日であれば一日3往復が運転されるので、6回の乗車チャンスがあります。 日によってはすぐに満席になってしまいますが、終日満席になることはそう多くありませんので、条件を変えて空席を探してみてください。 熊本駅で九州新幹線の乗り換えがカンタン 『A列車で行こう』は熊本駅を発着するので、九州新幹線の『つばめ』『さくら』『みずほ』との乗り換えが簡単です。 旅行かばんやスーツケースを抱えての移動が短くて済むのはうれしいですね。 『A列車で行こう』の時刻に合わせて往きまたは帰りの新幹線を手配すれば、時間を有効活用できてストレスフリーで熊本の旅を満喫できます。 熊本駅から徒歩3分以内のホテル 熊本駅の近くのホテルに宿泊するのであれば、大きな荷物を預けてから出かけることができて便利ですね。 駅から徒歩3分以内のホテルは4軒あります(楽天トラベルのページが開きます)。 熊本の復興応援になる 今の熊本においては、震災からの復興がなにより大事です。 『A列車で行こう』に限った話ではありませんが、熊本を観光で訪れることが復興応援になります。 あの地震のとき、九州新幹線の列車が脱線したり、豊肥本線の線路が崩壊するなど、JR九州も甚大な被害を受けました。 観光列車に乗ることが熊本復興の一助になることを気に留めていただけたらと思います。 『A列車で行こう』乗車記 筆者が2017年1月3日に熊本を訪れた際に、初めて『A列車で行こう』に乗車しました。 その乗車記を、あまくさみすみ線の沿線風景や三角駅周辺の様子とあわせてお伝えします。 ふと思いついてネットで当日予約 帰省のために九州で滞在中に、予定外で熊本に立ち寄る機会ができたので、なにをしようかと頭をひねって思い浮かんだのが『A列車で行こう』に乗ることでした。 阿蘇や人吉までは時間的にムリだけど、天草の手前の三角(みすみ)までなら3時間もあれば余裕で往復できます。 乗車当日の朝にスマホでJR九州の予約サイトを検索してみると… 朝一番の熊本発『A列車で行こう1号』はあいにく満席だったけど、その折り返しとなる三角発の2号は空席があったのでポチッと予約! 熊本駅の券売機できっぷを受け取りました。 熊本駅から三角駅へ普通列車で先回り 熊本から三角へは、『A列車で行こう1号』の1本前の普通列車(10:00発)で先回りします。 JR九州のローカル線でおなじみの青い帯の列車(三角駅到着後に撮影)。 車内の様子。 今となってはめずらしい4人掛けのボックス席。 背もたれが垂直に立っています。 天井には扇風機が付いていました。 あまくさみすみ線の車窓に広がる有明海。 気持ちのいい朝の空気を感じます。 三角駅前を散策 「さんかく」ではなくて「みすみ」。 こんな由来があったのですね。 教会をイメージした三角駅の駅舎。 クリームベージュの壁がやわらかな印象。 駅前で目立つ、サザエのような形の建物。 「海のピラミッド」と呼ばれているそうです。 中に入って天井を見上げるとグルグルしてます。 壁沿いのらせん階段で上まで登ることができます。 大きな空間ですが、建物内に店舗などはなくてガランとしていました。 海のピラミッドのそばにシークルーズの発着場があります。 三角港のまわりは島に囲まれていて、波が静かです。 三角駅のとなりにあった、レトロ感がかわいい建物。 いよいよ『A列車で行こう』に乗車! 駅周辺をひとしきり見てまわって駅へ戻ると、ホームには『A列車で行こう』が入線していました。 大きなアイキャッチのロゴ。 ブラックとゴールドの装い。 写真では見てたけど、実物はめっちゃカッコイイ! 私が乗ったのはバーカウンターがある1号車でしたが、発車を待たずにバーカウンターに並ぶ人たちが見えたので、しばらくしてから注文に行くことに。 全車指定席なので席の取り合いはなく、淡々と席が埋まっていきます。 私のおとなりは空席だったのでラッキーでした。 三角駅を発車後まもなく、右手の車窓に戸馳島との狭い海峡を眺めます。 赤瀬海岸の素晴らしい眺望。 Aハイボールをゲット! デコポンのさわやかな飲み口が、昼呑みにはちょうどいい感じ。 ほろよい気分で快晴の有明海を眺める幸せ。 乗車券のほかに指定席特急券がないと乗ることができません。 予約・購入方法 指定席特急券は、乗車日の1か月前の午前10時に発売開始されます。 全国のJRの主な駅の窓口や大手旅行会社の窓口で買うことができます。 また、JR各社が提供しているインターネット予約サービスを使って予約することができます(クレジットカードと会員登録が必要です)。 例えば、JR東日本の「」で予約したきっぷは、JR九州の窓口や券売機で受け取ることはできないのでご注意を! インターネット予約サービスの内容は会社ごとに異なるため、お使いのサービスの内容を十分ご確認ください。 『A列車で行こう』を楽しむコツ なるべく早く予約しよう 『A列車で行こう』は2両編成の短い列車です。 座席数は84席しかありませんので、行楽シーズンや団体・グループ客がいた場合には発売早々に満席になることがあります。 ご希望の時間帯・行き先の列車に確実に乗りたければ、指定席特急券の発売日(乗車日の1か月前の午前10時)から早い段階で予約しましょう。 1号車の海側の座席を予約しよう 『A列車で行こう』の車窓の見どころは有明海の風景です。 三角行きの場合は進行方向右手が海側になります。 座席番号でいうとC・D席です(C席が通路側、D席が窓側。 4人掛けのボックスシートは座席番号が異なります)。 もうひとつの見どころ(飲みどころ)のバーカウンターがあるのは1号車です。 指定席特急券を窓口で購入する場合には、係員に1号車のC・D席を希望と伝えましょう。 インターネット予約サービスで予約・購入する場合は画面で座席位置を指定できるので利用しましょう。 バーカウンターは乗車後すぐに並ぼう 人気のバーカウンターは、発車後しばらくは常に人が並んでいます。 短い乗車時間ですから、並んでいるあいだにビューポイントを通過してしまったらガッカリですよね? 可能であれば、列車の扉が開いたらすぐに自席に荷物を置いて、バーカウンターへ向かいましょう。 客室乗務員に写真を撮ってもらおう バーカウンターの接客が落ち着くと、客室乗務員が客席をまわって写真撮影のお手伝いなどを声掛けしてくれます。 自撮りを一生懸命するのもいいですが、クルーに撮影してもらうことで会話が生まれて乗務員ならではのおもしろい話が聞けるかもしれません。 なにげない会話が、きっと素敵な思い出になることでしょう。 観光列車のツアーを利用する方法 『A列車で行こう』のきっぷ(乗車券と指定席特急券)は駅の窓口やインターネットで予約できますが、慣れない人にとってはハードルが高いかもしれません。 それ以外にも• 観光列車に乗ってみたいけれど、旅行の計画を立てるのは苦手• 新幹線や飛行機、ホテルなどもまとめて手配したい• A列車以外の観光列車にも乗ってみたい という人もいらっしゃることでしょう。 そういう場合は、旅行会社のツアーを利用する手もあります。 どんなツアーがあるかは、こちらのページを参考にしてみてください(クラブツーリズムのページが開きます)。 まとめ|『A列車で行こう』が走る九州・熊本を旅しよう! 熊本駅から天草観光の玄関口である三角駅のあいだを走る観光列車『A列車で行こう』は、豪華クルーズトレイン『ななつ星 in 九州』のデザイナー・水戸岡鋭治氏が手がけた、大人の旅に似合う列車です。 車内のバーカウンターで供される「Aハイボール」は熊本特産のデコポンのフレーバーがさわやかな逸品。 ジャズバーにいるようなムードを楽しみながら、つかの間の「南蛮旅行」を楽しんでみてはいかがでしょうか。 関連記事 熊本市内にはちんちん電車(熊本市電)がたくさん走っています。 熊本城への移動で乗ってみるのもおもしろいですよ!.
次の日本三急流の一つ「球磨川」沿いを走る列車。 青色の1号車「かわせみ」と、緑色の2号車「やませみ」の2両編成です。 車内はヒノキや杉、い草を使用した落ち着いた雰囲気。 リクライニングシート席やボックス席、ソファ席などがあり快適に過ごせます。 車窓からはエメラルドグリーンに輝く球磨川を望み、運が良ければ野鳥たちに会えることも。 2号車のビュッフェでは車内販売を実施していて、郷土料理や球磨焼酎などを堪能できますよ。 自由席利用の場合は上記より520円減額。 熊本駅〜人吉駅間を運行しています。 球磨川沿いの豊かな自然の中で汽笛の音や吹き上げる煙、大地を走るSLの鼓動を五感で感じ、ノスタルジックな感動を味わえますよ。 車内は木材がふんだんに使用されたクラシカルな雰囲気。 ビュッフェもあり、球磨焼酎を染み込ませた「焼酎アイス 340円 税込 」や「地ビール 620円 税込 」を販売しています。 そのほかミニSLライブラリーなどもあり、鉄道ファンにはたまらない列車です。 運行日の詳細は公式ホームページをご覧ください.
次の日本三急流の一つ「球磨川」沿いを走る列車。 青色の1号車「かわせみ」と、緑色の2号車「やませみ」の2両編成です。 車内はヒノキや杉、い草を使用した落ち着いた雰囲気。 リクライニングシート席やボックス席、ソファ席などがあり快適に過ごせます。 車窓からはエメラルドグリーンに輝く球磨川を望み、運が良ければ野鳥たちに会えることも。 2号車のビュッフェでは車内販売を実施していて、郷土料理や球磨焼酎などを堪能できますよ。 自由席利用の場合は上記より520円減額。 熊本駅〜人吉駅間を運行しています。 球磨川沿いの豊かな自然の中で汽笛の音や吹き上げる煙、大地を走るSLの鼓動を五感で感じ、ノスタルジックな感動を味わえますよ。 車内は木材がふんだんに使用されたクラシカルな雰囲気。 ビュッフェもあり、球磨焼酎を染み込ませた「焼酎アイス 340円 税込 」や「地ビール 620円 税込 」を販売しています。 そのほかミニSLライブラリーなどもあり、鉄道ファンにはたまらない列車です。 運行日の詳細は公式ホームページをご覧ください.
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