生誕110周年を迎える太宰治の名著を、大胆にアレンジを加えアニメ映画化した「HUMAN LOST 人間失格」に、人気声優の花澤香菜が参加していることがわかった。 YouTubeでは、柊とディストピアの風景を切り取ったキャラクター映像も披露された。 「アフロサムライ」などを手がけた木崎文智が監督、「踊る大捜査線」「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズの本広克行がスーパーバイザー、「十二人の死にたい子どもたち」の小説家・冲方丁が脚本を務めるなど、豪華クリエイターが結集。 1人の男の破滅を描いた日本文学界の金字塔「人間失格」を、舞台を医療革命により死を克服した近未来に移しアニメ化する。 昭和111年の東京。 」の支配により、病や傷の手当を必要とせず、120歳の寿命が保証された。 一方で極論的な社会システムは歪みを生じ、経済格差や退廃論的倫理観、文明の勃興と崩壊の可能性の間で大きく揺れ動いている。 そして、S. 大庭葉藏(CV:宮野真守)は、大気汚染の広がる環状16号線外(アウトサイド)で薬物におぼれ怠惰な暮らしを送っていた。 花澤演じる柊は、S. の理念により輝かしい未来がくることを信じる一方、ヒューマン・ロスト現象を感知し抑え込む力を持っている。 キャラの印象を「アイドルのような可愛らしいルックスと、思いやりのある優しい性格の持ち主です。 そして自分がどう生きていきたいか、人のために何ができるのかをしっかり考えている、意志の強い女の子だと思いました」と語り、「あの『人間失格』を再構築するために集結した、お名前を見ただけで興奮してしまうようなスタッフの皆様と一緒に、この作品に関われることがとても嬉しいです。 繊細に練り込まれた重厚な世界に浸りながら、葉藏や美子をはじめ、それぞれの必死の生き様をお見逃しなく」とメッセージを送った。 また映画公式Twitterでは、花澤の直筆サインが当たるフォロー&リツイートキャンペーンが実施されている。 「HUMAN LOST 人間失格」は2019年内に全世界公開。 外部サイト.
次の「 人間失格」のその他の用法については「」をご覧ください。 人間失格 作者 国 言語 ジャンル 発表形態 雑誌掲載 初出 『』6月号-8月号 刊行 1948年7月25日 装幀: 271頁 『 人間失格』(にんげんしっかく)は、・による。 『』『』『』に並ぶ太宰の代表作の1つである。 (23年)3月より書き始め、に脱稿した。 太宰は、その1か月後のにとともにで自殺した。 同年、雑誌『』6月号から8月号まで3回にわたって掲載された本作品は、著者死亡の翌月の7月25日、より短編「」と併せて刊行された。 定価は130円。 他人の前では面白おかしくおどけてみせるばかりで、本当の自分を誰にもさらけ出すことのできない男の人生(幼少期から青年期まで)をその男の視点で描く。 この主人公の名前は、太宰の初期の小説『道化の華』に一度だけ登場している。 戦後の売り上げは版だけでも累計発行部数670万部を突破しており 、の『』と何十年にもわたり累計部数を争っている。 背景 [ ] 連載最終回の掲載直前の6月13日深夜に太宰が自殺したことから、本作は「遺書」のような小説と考えられてきた。 実際、本作のあとに『グッド・バイ』を書いているものの未完であり、完結作としては本作が最後である。 体裁上は形式のフィクションでありつつも、主人公の語る過去には太宰自身の人生を色濃く反映したと思われる部分があり、自伝的な小説とも考えられている。 しかしながら、太宰の死により、その真偽については不明な部分が多い。 このように「遺書」と受け止められていた本作は、勢いにまかせて書かれたものと長く信じられてきた。 この定説を覆す転機となったのは、に遺族が発見した版200字詰めで157枚におよぶ草稿を公開したことである(号に原文資料掲載)。 これら草稿では言葉一つひとつが何度も推敲されており、内容を練りに練りフィクションとして創造した苦労の跡が随所に伺える。 あらすじ [ ] 作中で大庭葉蔵の手記とされるのは「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」であり、最初の「はしがき」と最後の「あとがき」は、「私」の体験談とされている。 当初、「第一の手記」の原稿では主人公の一人称は「私」であったが、途中で書き直され「自分」となり、結果的に手記全体にわたりその一人称が使われた。 はしがき [ ] 「 私は、その男の写真を三葉、見たことがある。 」 この書き出しから始まる文章は、幼年時代・学生時代・奇怪な写真の"三葉"の写真を見比べている。 その様子が第三者の視点で書かれている。 第一の手記 [ ] 「 恥の多い生涯を送って来ました。 」 この書き出しから始まる。 「自分」は人とはまったく違う感覚を持っており、それに対して混乱し発狂しそうになる。 それゆえにまともに人と会話が出来ない「自分」は、に対する最後の求愛として道化を演じる。 だが、その言い争いも自己弁解もできない「自分」の本性は、女中や下男に犯されるという大人たちの残酷なを語らず、力なく笑っている人間であった。 結果的に「自分」は欺きあいながら、「清く明るく朗らかに」あるいは生きうる自信を持つ人間たちに対する難解さの果てに誰にも訴えないを選んでいた。 第二の手記 [ ] 中学校時代、「自分」は道化という自らの技術が見抜かれそうになり、恐怖する。 その後、において人間への恐怖を紛らわすために、悪友・堀木により紹介されたととと思想とに浸った。 これらはすべて、「自分」にとって醜悪に見える人間の営みから、ひとときの解放をもたらすものだった。 しかし、急激に環境が変わることにつれてさまざまなしがらみから逃れがたくなり、結果として人妻との暖かな一夜ののちに、彼女と未遂事件を起こす。 しかし、「自分」一人が生き残り、に問われる。 結局、となり父親と取引のある男を引受人として釈放されるが、混乱した精神状態は続く。 第三の手記 [ ] 一、罪に問われたことをきっかけとして高等学校を放校になり、一時引受人の男の家に逗留することになるが、男に将来どうするのかと詰め寄られて「自分」は家出をする。 それをきっかけに子持ちの女性や、バーのマダムらとの破壊的な女性関係にはまりこむことになり、「自分」はさらに深い絶望の淵に立つことになる。 しかし堀木とのやり取りを経て「世間とは個人ではないか」という思想めいたものを持つと、世の中に関する用心が和らぎ、漫画家となりの詩句を挿入するようになる。 しかし、酒を止めよという一人の無垢な女性と知り合い、結婚し一時の幸福を得る「自分」であった。 二、だが、のについて堀木と対話するなかで、の『』が頭をよぎった直後、彼女は出入りの商人に犯される。 「怒りでも無く、嫌悪でも無く、また、悲しみでも無く、物凄く、それも墓地のなどに対する恐怖でもなく、神社の杉木立でのに逢った時に感ずるかも知れないような、古代の荒々しい恐怖感」と表現される凄惨な恐怖に襲われ、あまりの絶望に、を浴びるように呑むようになり、ついにある晩、たまたま見つけた彼女が密かに用意していたを用いて、発作的にふたたび自殺未遂を起こす。 なんとか助かったものの、その後は体が衰弱してさらに酒を呑むようになり、東京で大雪の降った晩ついにする。 薬屋で処方されたの注射液を使うと急激に調子が回復したため、それに味を占めて幾度となく使うようになり、ついに中毒にかかる。 モルヒネ欲しさのあまり、何度も薬屋からツケ払いで薬を買ううちにのっぴきならない額となり、ついに薬屋の奥さんと関係を結ぶに至る。 その自分の罪の重さに耐えきれなくなり、「自分」は実家に状況を説明して金の無心の手紙を送る。 やがて、家族の連絡を受けたらしい引受人の男と堀木がやってきて、病院に行こうと言われる。 行き先はだと思っていたら、へ入院させられる。 そして、「断じて自分は狂ってなどいなかった」と主張しつつも、他者より狂人としてのを貼られたことを自覚し、「自分」はもはや人間を失格したのだ、と確信するに至る。 「 人間、失格。 」 数か月の入院生活ののち、故郷に引き取られた「自分」は廃人同然となり、不幸も幸福もなく、老女に犯され、ただ時間が過ぎていく。 それは、今までで生きてきたいわゆる「人間」の世界においてたった一つらしく思われた。 実年齢では27歳を迎えるも、白髪がめっきり増えたのでたいていは40歳以上に見られると最後に語り、自白は終わる。 あとがき [ ] あとがきで、「私」がマダムと会い、小説のネタとして提供された葉蔵の手記と写真を見て、その奇怪さから熱中する。 「私」がマダムに葉蔵の安否を尋ねると、不明であると告げられる。 そして、マダムは「お父さんが悪い」と言い、葉蔵のことを「神様みたいないい子」と語り、小説は幕を閉じる。 登場人物 [ ] 大庭葉蔵 主人公。 東北地方の金満家の末息子。 子供の時から気が弱く、人を恐れているが、その本心を悟られまいと道化を演じる。 画家になるのが夢だったが、父親に逆らえず進学のため上京する。 自然と女性が寄ってくるほどの美男子であり、多くの女性と問題を起こす。 その後、漫画家となるが、精神と薬物中毒を患う。 竹一 中学校の同級生。 葉蔵の道化を見抜く。 葉蔵に対し「女に惚れられる」、に霊感を受け書いた陰鬱な自画像を見て「偉い絵画きになる」という二つの予言をする。 顔が青膨れで、クラスでもっとも貧弱な体格。 堀木正雄 葉蔵が通う画塾の生徒。 葉蔵より6つ年上(26~27歳)。 葉蔵に「酒」「煙草」「淫売婦」「質屋」「左翼運動」などさまざまなことを教え、奇妙な交友関係を育む。 遊び上手。 色が浅黒く精悍な印象を与える美男子。 下町・で生まれ育っており、実家はしがない下駄屋。 ツネ子 の女給。 周りから孤立していて寂しい雰囲気がある。 夫がにいる。 葉蔵と心中して死亡する。 22歳。 シヅ子 雑誌の記者。 葉蔵に漫画の寄稿を勧める。 痩せていて背が高い。 夫とは死別。 28歳。 シゲ子 シヅ子の娘。 葉蔵を「お父ちゃん」と呼び懐く。 初登場時5歳。 マダム の女主人。 女性ながら義侠心のある人。 転がり込んできた葉蔵を温かく迎える。 目が細く吊り上がっていて、鼻が高く、小柄。 のちに手記と写真が送られてくる。 ヨシ子 バーの向かいのの看板娘。 で、疑いを知らぬ無垢な心の持ち主。 信頼の天才。 色が白く、がある。 初登場時18歳。 ヒラメ(渋田) 古物商。 葉蔵の父親の太鼓持ち的な人物。 葉蔵の身元保証人を頼まれる。 眼つきがに似ており、ずんぐりとした体つきで独身。 計算高く、おしゃべり。 40代。 「私」 はしがきとあとがきの作者。 京橋のスタンドバーのマダムと知り合いで、小説のネタとして手記と3枚の写真を提供される。 受容 [ ] 外国語訳はの英語訳(英訳題:"" )などが有名であるが、海外ではこの作品はを表現した小説であるともみなされており、がMike Lewに自身の所属するグループで読んでもらったところ「辛くて読めない」という人まで出現したということを、著『少年への性的虐待 男性被害者の心的外傷と精神分析治療』の日本語訳解説で語っている。 宮地尚子はL・ドゥモースが『親子関係の進化 子ども期の心理発生的歴史学』で乳母からの性的虐待の歴史を研究していることに触れ、日本ではが性被害とみなされにくいこともあって、少年への性的虐待が別の観点から研究されているのではないかと指摘している。 6月に出版されたの新装版では、『』で連載する漫画家が表紙画を担当したことで中高生を中心に話題を呼び、発売から1か月半で75,000部という近代古典文学としては異例の販売数となった。 2009年10月には系にて、上記の集英社文庫の企画で6作品のカバーイラストを担当した漫画家たちがキャラクター原案を担当する「」が放送され、その中の1作としてアニメ化された。 キャラクター原案は表紙を担当した小畑健である。 (平成21年)5月に、太宰治の生誕100年を記念して監督により映画化が発表された。 同小説の映画化は初めての試みである。 主演は。 クランクインは同年7月、全国の映画館にて(平成22年)()に封切りされた。 派生作品 [ ] 映画 [ ] 人間失格 監督 脚本 鈴木棟也 製作総指揮 出演者 音楽 撮影 編集 配給 公開 上映時間 134分 製作国 言語 興行収入 5. 5億円 太宰治の生誕100年を記念して2009年(平成21年)に監督が映画化を発表。 クランクインは2009年(平成21年)。 (平成22年)全国主要映画館にて封切りされた。 主演は。 キャスト [ ]• 大庭葉蔵:• 大庭葉蔵 少年時代 :• 堀木正雄:• 常子:• 良子(よしこ):• 武田静子:• 礼子:• 平目・渋田:• 堀木の父:• 堀木の母:• 律子:• 鉄: スタッフ [ ]• 監督:• 脚本:、鈴木棟也• 撮影:• 編集:• 美術:今村力• 音楽:• 絵画:• 衣装デザイン:宮本まさ江• 制作プロダクション・配給:• 製作:「人間失格」製作委員会(角川映画、、、、、) テレビアニメ [ ] 2009年(平成21年)より、系列にて放送された「」の中の1作として放送。 アニメーション映画 [ ] 「」を参照 ラジオドラマ [ ] 2009年(平成21年)にで「Art Of Words〜の『人間失格』」を放送。 櫻井翔主演。 ラジオドラマの他にVS櫻井翔のスペシャル対談も放送された。 漫画 [ ] 『人間失格』を原作とした漫画作品。 人間失格 - 作画:。 - 作画:。 『』にて連載。 - 作画:。 『』にて連載。 人間失格 - 作画:、『』2017年第10号から 2018年第9号まで連載。 本作に影響を受けた出版・音楽作品 [ ]• - 『人間失格』タイトルの使用について、遺族から抗議を受けた。 内容自体は本作品と全く関係無いが、主人公の苗字の読みが「おおば 」であることから、少なからず本作品を意識して描かれていると思われる。 - 主人公「糸色望」の性格設定は本作品の主人公である大庭葉蔵もしくは太宰治自身をモデルにしており、悩み相談室にて「恥の多い生涯を送ってきました」というセリフを吐いている。 - 日本のバンドによる楽曲。 人間失格 - 日本のバンドによる楽曲。 人間失格 - 日本のバンドによる楽曲。 - 日本の女性歌手による楽曲。 인간실격 - 韓国のバンド알섬による楽曲。 『』 - 作中主人公(戯言遣い)が殺人鬼のキャラクター・零崎人識を総称して人間失格と呼ぶ• - 日本のバンドによる楽曲、様々な文豪の作品や作品内の言葉が出てくる中の一つに本作の「恥の多い生涯を送ってきました」という一文が使われている。 脚注 [ ] [].
次の深い死生観、文学性が今なお、強烈な衝撃を与え続ける不朽の名作。 そのスピリチュアルを内包し屈指のクリエイター陣によって、新たなるオリジナルアニメーション映画が誕生した。 脚本は、太宰治と同じ小説家であり、日本SF大賞ほか数々の賞を受賞した冲方丁が担当。 日本文学を大胆なSF世界観と重厚な物語へと昇華させた。 異様の日本をリアリティある映像へと落とし込むのは、海外でも多数の賞を受賞し、次々に映像革命を起こし続けるアニメーション制作・ポリゴン・ピクチュアズ。 主題歌には、グラミー賞にノミネートされSpotifyにおいて世界でもっともストリーミングされたシンガーJ. Balvinをfeat. に迎えた、音楽シーンの最前線を走り続ける最強のトライポッドm-floが参加し、世界を彩る。 そして、それら鋭く多彩なクリエイティブを、「アフロサムライ」において卓越したアクション描写で世界を驚愕させた監督・木﨑文智が、美しく、ダイナミックに、エモーショナルにまとめあげた。 正雄はいう。 進み過ぎた社会システムにすべての人間は「失格」した、と。 文明崩壊にむけ自らのために行動する堀木正雄、文明再生にむけ誰かのために行動する柊美子。
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