かぶれと蕁麻疹(じんましん)の違い かぶれ(接触皮膚炎)は、湿疹の一種です。 つまり、湿疹という大きなくくりの中に、接触皮膚炎があります。 湿疹とは、外的な刺激、内的な刺激によって、皮膚の最も外側にある表皮が炎症する皮膚疾患の総称です。 そしてかぶれ(接触皮膚炎)は、皮膚に何らかの刺激物などが接触することで起きる、湿疹性の炎症反応のことをいいます。 一方、蕁麻疹は、皮膚の一部が突然、赤く盛り上がり、かゆみや焼けるような感覚が出ることもあるもので、20~30分、もしくは2~3時間たつと跡形もなく消える皮膚疾患の一つです。 蕁麻という葉に触れると、このような皮膚症状が現れることから、その名がつけられています。 蕁麻疹はアレルギーによっても症状が出るといわれています。 そしてアレルギーの原因が侵入してからアレルギー症状が現れるまでの時間が非常に短い、即時型アレルギーの一つです。 かぶれとの大きな違いは、蕁麻疹が跡形もなく消えるというところにあります。 何かが皮膚に直接触れる まず、かぶれ(接触皮膚炎)は、皮膚の表面に物理的に何かが直接触れ、刺激となることで起こります。 例えば、洗剤、ゴム、植物、金像をはじめ、化粧品や外用薬なども原因として挙げられます。 表皮の神経が外部刺激を感知する これらの物質が表皮に触れると、刺激から守るために、表皮の神経が感知します。 血流促進・毛細血管の拡張 この神経からの情報を得て、血流が促進され、毛細血管も拡張していきます。 その結果、皮膚表面は赤くなり、皮膚の温度も上昇するため、ほてりとして感じることがあります。 血漿が血管から染み出し皮膚表面が腫れる その後、毛細血管から血液成分の一種「血漿」が染み出し、皮膚表面の近くでたまり皮膚の表面が腫れていきます。 かゆみを感じるため、ひっかくことで細菌感染を起こし膿が出ることもあります。 刺激性接触皮膚炎 単純に、何らかの刺激が原因となるかぶれ(接触皮膚炎)は、刺激性接触皮膚炎、もしくは一次刺激性接触皮膚炎と呼びます。 化学物質や、植物、ゴム、金像、洗剤、化粧品など、そのものが皮膚に刺激を与える物質であり、その外部刺激に皮膚の抵抗力が負けることでかぶれを起こします。 誰にでも発症することがあります。 また特徴は物質と接触すると、すぐに症状が出るところにあります。 また刺激性接触皮膚炎ではなく、皮膚のバリア機能が落ちてしまったことが原因で、かぶれに似た症状が出る場合もあります。 アレルギー性接触皮膚炎 何らかの物質が接触したときに、アレルギー反応を起こす皮膚炎をアレルギー性接触皮膚炎と呼びます。 特定の物質に対してアレルギー反応を起こす「抗体」を持っている人だけに起こります。 また、症状は、接触してから1~2時間たってから現れるのが特徴です。 全身性接触皮膚炎 接触アレルギーが起きた後に、注射や薬の内服、食品摂取などの原因物質が侵入し全身にアレルギー症状が起きるものです。 シイタケや水銀によるものが有名です。 ニッケル・コバルト・クロム等も原因となります。 接触皮膚炎症候群 接触アレルギーが生じているにもかかわらず、接触皮膚炎とは思わずに原因物質が接触し続けることで、一部だけでなく全身に多彩な皮膚炎を生じる特殊な接触皮膚炎です。 おむつ皮膚炎 刺激性接触皮膚炎の一種です。 おむつの当たる部分、特に外陰周囲・肛囲にかぶれの症状が起きるものです。 尿や便の刺激、おむつによる刺激、密閉された環境などが原因です。 カンジダ症と似ているので、鑑別することが重要になります。 また、赤ちゃんだけでなく、高齢者にもおむつかぶれが起きることがあります。 まめにおむつを取り換えるとかぶれにくくなります。 光接触皮膚炎 光線にかかわる特殊な接触皮膚炎です。 原因となる物質が直接皮膚に付着し、さらに紫外線が当たることで症状をきたす物質に変化した場合に発症します。 光毒性接触皮膚炎と光アレルギー性接触皮膚炎の2種類がありますが、多くの場合、光アレルギー性接触皮膚炎だといわれています。 主に紫外線の中でもUV-Aによって潜伏期なしですぐに症状が出ることが特徴です。 原因となる薬剤には、ソラレンやコールタール、ベルガプテンなどがあります。 症状は主に日焼け症状となり、赤みやむくみをきたしたのち、皮膚がむけ、色素沈着がみられます。 症状は赤みや水ぶくれが主体になります。 原因となる薬剤には、クロルプラマジン、サイアザイド薬、経口糖尿病薬などがあります。 かぶれが起きやすい部位 かぶれは、次の部位に起きやすくなっています。 それぞれの主な原因物質もあわせてみていきましょう。 顔 化粧品、医薬品、香水、メガネ、植物、サンスクリーンクリームなど• 目の周り ビューラー、ゴーグル、アイシャドウ・アイライナー、マスカラ、点眼薬、コンタクトレンズ関連製品など• 口の周り 歯磨、マスク、食物(マンゴーなど)• 耳 イヤリング、ピアス、メガネのフレームなど• 首 ネックレス、化粧品、香水、衣服など• ワキ 制汗剤、剃毛関連製品など• 手足 ゴム、手袋、皮革製品、マニキュア、金属、医薬品など• 腕・脚・体幹部 時計、腕輪、植物、下着・衣服、ボディソープ、洗剤、金属、医薬品など• デリケートゾーン 下着、洗剤、生理用品、コンドームなど• おしり 衣類、便座、おむつなど.
次のの影響でマスクを着けている期間が長かったせいか、口周りが乾燥してかぶれてしまいました。 肌荒れの原因は蒸れ・乾燥・摩擦 蒸れ 息を吐いたときの水分がマスクの中に溜まり蒸れやすい。 夏は気温が高く、汗をかいたりして更に蒸れやすいです。 蒸れているマスクの中は雑菌が繁殖しやすくニキビなどの原因になるそうです。 乾燥 マスクをすると保湿されるから乾燥しないと思っていましたが、違いました。 蒸れた状態でマスクを外すと、水分が一気に蒸発し肌の水分も奪われてしまうので、逆に乾燥しやすいのだそう。 摩擦 摩擦はお肌の大敵!マスクの繊維の毛羽立ちが刺激になることも。 マスクの素材によってアレルギー反応が起きている可能性もあります。 マスクかぶれ対策 マスクにコットンをはさむ マスクの繊維による刺激を和らげるため、コットンをはさみます。 オススメはシルコットの「スポンジ仕立て」のコットン。 スポンジ仕立てなので毛羽立ちが気にならず、優しい肌触りです。 こまめに水分補給する際に、マスクをずらしてもコットンがずれないように両面テープでマスクに貼り付けています。
次の一般の皆様、医療関係者にも役立つ、新型コロナウイルス感染症に負けないマメ知識を、 東京医科歯科大学の専門家に聞きました。 特に、医療スタッフはN95マスク、 サージカルマスクなど、強い圧力をかけてマスクを着用するため頬、鼻に刺激性皮膚炎を起こすことが多くなります。 また、マスクの中の水蒸気により皮膚が蒸れた状態が急に外すことによる皮膚の乾燥も問題になります。 マスクを外したのちには、まめに石鹸で顔を洗ったのちに、ワセリン、ヘパリン類似物質含有軟膏などを、 まめに外用してスキンケアをすることが大切です。 ガーゼマスクなどのほうが、かぶれにくいですので、サージカルカスクの内側にガーゼを入れて、 かぶれにくくするのも必要です。 刺激性皮膚炎が起こり赤くなったときは、マイルド程度のステロイド外用薬(アルメタ軟膏、ロコイド軟膏)を 炎症が取れるまで、1週間以内で外用してよくなったのちは保湿剤に変更してください。 やはり一番大切なのはマスク装着部のまめなスキンケアです。 1)マスクによる肌荒れ(刺激性皮膚炎)• マスク装着前に保湿クリームなどのスキンケアを行う。 口回りなどの汗や汚れをこまめに拭き取る。 耳切れを生じた場合、傷をフィルムドレッシングで保護する。 マスクサイズとゴムの強さを調整する。 やさしく洗顔し清潔に保つ。 保湿を心掛ける。 2)マスクによるかぶれ(接触皮膚炎)• マスクのゴム部分にかぶれる場合は、頭の後ろで紐を結ぶタイプのサージカルマスクに変更するなど いずれの場合にもトラブルが生じた際には皮膚科を受診して診断・治療・対策をされるよう勧めます。 これは世界の4 人に1 人が感染し、5000 万人が死亡したスペイン風邪以来の大規模パンデミックとも言われており、大きく世の中を変えることになると思います。 大学自体も、卒業式、入学式が相次いで中止となり、教育はe-ラーニング、研究もコロナウイルス感染関連以外は最低限となり危機的状況です。 もともと、本学は「知と癒しの匠みを創造し人々の幸福に貢献する」という理念を掲げています。 この理念に基づき、東京に位置する医系国立大学としてこの危機に正面から取り組むのは使命だと考えて行動を開始しました。 新型コロナウイルス感染克服を最優先に 新型コロナウイルス感染克服への取り組みを最優先課題としました。 大学病院は高度先進医療を優先すべきだという議論もあります。 しかし感染爆発の状況に至れば、そのような姿勢は社会的に許容されないだろうと考え、3月初旬から準備を開始しました。 診療面では、医学部附属病院がこの前面に立ち、集中治療室全体を陰圧化するなどの改装や、病院前に検体採取用テントを設置するなどのハード面の改修を行いました。 また、新たに20台の人工呼吸器を購入し、ECMO(人工肺)5台、人工呼吸器82台の体制を敷いて多くの重症患者様の治療に当たっています。 ソフト面では、多くの研究者たちの応援のもと院内感染ゼロを維持するため入院患者様およびコロナウイルス対応職員の院内PCR検査体制を実施しています。 また、コロナウイルス感染拡大防止の観点から医学部および歯学部附属病院の通常診療も大幅縮小し、患者様にはご迷惑をおかけしつつ、そのスタッフたちがコロナウイルス対応スタッフの応援に回っています。 このような本学の取り組みの結果、全国でも有数の新型コロナウイルス感染者の治療に当たることができ、その社会貢献を評価して頂き、防護服の寄附や弁当の差し入れなどを頂戴することが出来ました。 この場を借りて厚く御礼申し上げます。 しかしながら、病院の改装、医療機器、防護服、検査試薬など諸費用は莫大なものになっており、より良い診療、教育、研究を維持向上させるために、皆様のご支援を重ねてお願い申し上げる次第です。 お寄せ頂いたご厚意には必ず報いることが出来ますよう使途も明らかとして、一層の社会貢献に努めて参りたいと思います。 宜しく、ご理解、ご支援のほどお願い申し上げます。 東京医科歯科大学 学長 田中雄二郎.
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