コクヨ ぺんてる 買収。 コクヨ、ぺんてるへの敵対的TOB失敗、強引手法がアダ…文具業界、敵味方入り乱れ混沌 (2020年2月28日)

コクヨ、ぺんてるを敵対的買収方針 ぺんてる側は反発 :日本経済新聞

コクヨ ぺんてる 買収

1通の密告書が熱戦に火をつけた コクヨの黒田英邦社長は11月15日、緊急記者会見を開き、ぺんてるの買収を決断するに至った経緯をマスコミに公表した。 10月にぺんてる経営陣がほかの企業との提携を模索しているという情報が寄せられ「青天のへきれきで、にわかに信じがたかった」と黒田社長。 真偽を確認したところ、ぺんてるは否定せず、逆に「コクヨ以外との提携を検討することも排除しない」といった趣旨の返事が届いた。 ほかの企業に先を越されるよりはと、子会社化を決断したという。 『週刊東洋経済』オンライン(19年11月20日付)が、「密告書」をスクープした。 〈文書に記されてあるのは、コクヨの支配力を弱めるにはどうすればよいか、の策だ。 「K社による子会社化を防ぐ」ためとして、プラス社が、コクヨの持分比率を上回る「40%」を保有する案が挙がっている。 40%という数字は、コクヨが持つ約38%よりは多く、かつ、ぺんてるを子会社化する過半数には満たない、そのような数字だ〉 〈文書には作成者のクレジットとして、ASPASIO(東京都中央区、田中康之社長)という名が記されている。 ASPASIOはファイナンシャルアドバイザリー業務を主とする会社で、長年、ぺんてるの財務コンサルを担ってきた〉 『週刊東洋経済』オンライン(19年11月20日付) ぺんてるの上層部しか知りえない文書を、コクヨに送付していた。 この文書は、ぺんてる上層部の何者かによる、内部告発書である。 ぺんてるはプラス派とコクヨ派に割れる コクヨが、株を買い増してぺんてるを子会社化する方針を発表すると、ぺんてるは即座に反対を表明。 商品開発で6年以上、協業関係にあるプラスが友好的な第三者「ホワイトナイト(白馬の騎士)」としてぺんてるに出資すると表明すると、ぺんてるは賛同を取締役会で決めた。 株主に対しては、両陣営からの訴えが飛び交った。 ぺんてるは、プラス派とコクヨ派に割れた。 「コクヨへの敵対的買収に応じることなく、ぺんてるの経営陣が最善と考えるJSCからの買い受けにご応募いただくよう、お願い申し上げる次第です」。 11月20日以降、ぺんてる株主にこんな手紙が届き出した。 差出人はぺんてる元社長・水谷壽夫氏。 ぺんてるの最長老だ。 ぺんてるの和田優社長も株主のもとを回り、「プラスの友好的買収に賛同するよう」働きかけた。 コクヨ側につくOBもいる。 ぺんてる元専務の池野昌一氏は11月24日、「安易に(ぺんてるの)現経営メンバーやプラスの誘いに乗らないように」と訴える手紙を配り始めた。 プラスが株を取得すると、「経営は確実に迷走してしまう」と訴えた。 コクヨ御曹司の高飛車な態度に猛反発 なぜ、ぺんてるの多くの株主が、買い取り価格が高いコクヨではなく、安いプラスに売ったのか。 それには2つの出来事が作用したようだ。 コクヨの黒田英邦社長は、日本経済新聞(11月26日付朝刊)のインタビューで、〈ぺんてる株を過半数取得できた場合、同社の経営陣を刷新する意向を示した。 そのうえで、「執行役員や現場のリーダーには優秀な人材がたくさんおり、その中から抜てきしたい」と、新社長をぺんてる社内から選任する方針も明らかにした〉 「ぺんてるの経営陣を刷新する」といった高圧的な発言がマイナスに働いたことは否めない。 トップの首のスゲ替えは、過半数を握ってから、やればいいことだ。 乗り込む前に、火に油を注ぐような発言は、百害あって一利なし。 中立派の株主を敵に回す。 ボンボン育ちの創業家の御曹司は、経営者として未熟であることを見せつけた。 ぺんてる株を手に入れる経緯にしても、ぺんてるに連絡することなく、強引に進めた。 「ぺんてるの経営陣はクビにする」と高飛車に出たから、「若造が何をほざく」と猛反発を招いた。 さらに、ぺんてるを追われた前社長・堀江圭馬氏が、テレビ東京系『ワールドビジネスサテライト』(12月6日放送)に出演。 「プラスはよくない」とコクヨにエールを送ったことも、OBたちの神経を逆なでした。 堀江氏がコクヨと組んで、ぺんてるに復帰することを狙っているのではないかと疑われた。 コクヨ側は「オウンゴール」で自滅した。 これが、コクヨが買収に失敗した最大の要因だ。 コクヨは101億円でぺんてる株を手に入れ、さらに46億円以上かけて追加取得した。 しかし、過半にとどかず、経営権を握れない。 減損処理に追い込まれるかもしれない。 ぺんてる買収の失敗は高いものにつく。 (了) 【森村 和男】.

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コクヨはなぜ、ぺんてるの買収に失敗したのか~強者の「驕りのオウンゴール」で自滅(前):【公式】データ・マックス NETIB

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【関連記事】 ・ ・ ぺんてるが19日から同社株主へ説明の文書の配布を始めた。 プラスが設立した合同会社が、1株3500円で12月10日まで買い付ける。 プラスは非上場のぺんてるの独立性を守るため、取得割合は発行済み株式の33. ぺんてるは取締役会でプラスの提案への賛同と、コクヨによる株式取得への反対を決議した。 コクヨは20日、プラスの提案を把握したとして、買い付け価格を従来の3500円から3750円に引き上げると発表した。 コクヨの提案は買い付けに上限と下限を設定していない。 コクヨはすでにぺんてる株の37. ぺんてるは300人超いる株主のうち従業員持ち株会やOB、取引先など同社経営陣に近く、コクヨの提案に賛同しない株主が一定数いるとみている。 プラスもぺんてるの株主に文書を送り、株の譲渡を呼びかける。 プラスは日本経済新聞の取材に「ぺんてるの要請に基づき協議を行っているのは事実」と認めた。 コクヨは15日、持ち分法適用会社であるぺんてるの株式を既存株主から1株3500円で買い取り、議決権比率を現在の37. コクヨは5月にぺんてるの筆頭株主だった投資ファンドに101億円出資して間接的にぺんてる株を保有し、事実上の筆頭株主となった。 9月には直接出資に切り替えた。 コクヨが望む業務提携の協議が膠着するなか、コクヨはぺんてるが第三者との提携を進めるとの情報を理由に「裏切り行為」だとして、15日にぺんてるの子会社化を目指すことを表明。 ぺんてるは同日夜、「突然、子会社化する方針を明確にしたことに強い憤りを覚える」と反発していた。 ぺんてるの20日の発表によると、コクヨは9月24日時点でぺんてるの株式の37. その後、ぺんてるの一部株主から追加取得し37. コクヨも取得したことを認めている。 プラスは非上場でオフィス家具や文具を手掛ける。 連結売上高は2018年12月期で1772億円。 ぺんてるをグループ化して、海外展開やネット通販事業の拡大に乗り出したい考えだ。

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コクヨとプラスのぺんてる争奪戦 ~非上場会社の買収合戦は史上初では?: 金商法についてあれこれと

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1通の密告書が熱戦に火をつけた コクヨの黒田英邦社長は11月15日、緊急記者会見を開き、ぺんてるの買収を決断するに至った経緯をマスコミに公表した。 10月にぺんてる経営陣がほかの企業との提携を模索しているという情報が寄せられ「青天のへきれきで、にわかに信じがたかった」と黒田社長。 真偽を確認したところ、ぺんてるは否定せず、逆に「コクヨ以外との提携を検討することも排除しない」といった趣旨の返事が届いた。 ほかの企業に先を越されるよりはと、子会社化を決断したという。 『週刊東洋経済』オンライン(19年11月20日付)が、「密告書」をスクープした。 〈文書に記されてあるのは、コクヨの支配力を弱めるにはどうすればよいか、の策だ。 「K社による子会社化を防ぐ」ためとして、プラス社が、コクヨの持分比率を上回る「40%」を保有する案が挙がっている。 40%という数字は、コクヨが持つ約38%よりは多く、かつ、ぺんてるを子会社化する過半数には満たない、そのような数字だ〉 〈文書には作成者のクレジットとして、ASPASIO(東京都中央区、田中康之社長)という名が記されている。 ASPASIOはファイナンシャルアドバイザリー業務を主とする会社で、長年、ぺんてるの財務コンサルを担ってきた〉 『週刊東洋経済』オンライン(19年11月20日付) ぺんてるの上層部しか知りえない文書を、コクヨに送付していた。 この文書は、ぺんてる上層部の何者かによる、内部告発書である。 ぺんてるはプラス派とコクヨ派に割れる コクヨが、株を買い増してぺんてるを子会社化する方針を発表すると、ぺんてるは即座に反対を表明。 商品開発で6年以上、協業関係にあるプラスが友好的な第三者「ホワイトナイト(白馬の騎士)」としてぺんてるに出資すると表明すると、ぺんてるは賛同を取締役会で決めた。 株主に対しては、両陣営からの訴えが飛び交った。 ぺんてるは、プラス派とコクヨ派に割れた。 「コクヨへの敵対的買収に応じることなく、ぺんてるの経営陣が最善と考えるJSCからの買い受けにご応募いただくよう、お願い申し上げる次第です」。 11月20日以降、ぺんてる株主にこんな手紙が届き出した。 差出人はぺんてる元社長・水谷壽夫氏。 ぺんてるの最長老だ。 ぺんてるの和田優社長も株主のもとを回り、「プラスの友好的買収に賛同するよう」働きかけた。 コクヨ側につくOBもいる。 ぺんてる元専務の池野昌一氏は11月24日、「安易に(ぺんてるの)現経営メンバーやプラスの誘いに乗らないように」と訴える手紙を配り始めた。 プラスが株を取得すると、「経営は確実に迷走してしまう」と訴えた。 コクヨ御曹司の高飛車な態度に猛反発 なぜ、ぺんてるの多くの株主が、買い取り価格が高いコクヨではなく、安いプラスに売ったのか。 それには2つの出来事が作用したようだ。 コクヨの黒田英邦社長は、日本経済新聞(11月26日付朝刊)のインタビューで、〈ぺんてる株を過半数取得できた場合、同社の経営陣を刷新する意向を示した。 そのうえで、「執行役員や現場のリーダーには優秀な人材がたくさんおり、その中から抜てきしたい」と、新社長をぺんてる社内から選任する方針も明らかにした〉 「ぺんてるの経営陣を刷新する」といった高圧的な発言がマイナスに働いたことは否めない。 トップの首のスゲ替えは、過半数を握ってから、やればいいことだ。 乗り込む前に、火に油を注ぐような発言は、百害あって一利なし。 中立派の株主を敵に回す。 ボンボン育ちの創業家の御曹司は、経営者として未熟であることを見せつけた。 ぺんてる株を手に入れる経緯にしても、ぺんてるに連絡することなく、強引に進めた。 「ぺんてるの経営陣はクビにする」と高飛車に出たから、「若造が何をほざく」と猛反発を招いた。 さらに、ぺんてるを追われた前社長・堀江圭馬氏が、テレビ東京系『ワールドビジネスサテライト』(12月6日放送)に出演。 「プラスはよくない」とコクヨにエールを送ったことも、OBたちの神経を逆なでした。 堀江氏がコクヨと組んで、ぺんてるに復帰することを狙っているのではないかと疑われた。 コクヨ側は「オウンゴール」で自滅した。 これが、コクヨが買収に失敗した最大の要因だ。 コクヨは101億円でぺんてる株を手に入れ、さらに46億円以上かけて追加取得した。 しかし、過半にとどかず、経営権を握れない。 減損処理に追い込まれるかもしれない。 ぺんてる買収の失敗は高いものにつく。 (了) 【森村 和男】.

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