【本記事本文3222字】 さて、私は、2019年SFC修行をすることを決意しました。 ただただ修行記を書いても、よっぽどのハプニングが起こらない限りただの日記になってしまうので、【関西発:SFC修行情報】などを織り交ぜていきます。 私は2019年SFC修行を決意するのが遅すぎました。 2018年秋頃に2019年間3月末までの航空券は全く買わずにいたため、比較的安いとされる年明け1月2月搭乗分の発券ができずに、スタートダッシュで遅れを取っています。 具体的には、大阪から修行に適した那覇行きなどは、空席はあったものの、安価なスーパーバリュー75や55は、搭乗からそれぞれ75日前、55日前までに購入する必要があるため、時機を逸し、すでに購入できまんでした。 PP単価重視で行くなら、ベストは、2019年3月30日までの航空券発売が開始した2018年秋に、2019年1月2月あたりの安価な修行に適したフライトを一気に購入することだったのでしょう。 とはいえ、PP単価との闘いだけでなく、プラチナステータスに必要な5万プレミアムポイントは、1年間の間(2019年修行なら2019年12月末まで)に必要なわけで、時間との闘いでもあるSCF修行です。 指をくわえて黙っているわけにもいきませんので、多少PP単価は悪くとも、急遽沖縄行きをいくつか発券しました。 国内線でPP単価重視で修行するなら「関西発でも沖縄(宮古、石垣含む)は王道」は間違いありません。 前置きが長くなりましたが、そんな経緯ではありますが、本日はSFC修行の記念すべき初日だったので記録に残しておくことにします。 神戸空港発着は安いけど・・・ 神戸空港へのアクセスが良い方はコスパ抜群 修行1日目は神戸空港と那覇空港の単純往復です。 SFC修行を決意してから、日々、予約画面とにらめっこしましたが、国内線メインで関西発でSFC修行をする上で、PP単価を重視するなら、 立地的な条件をクリアすれば、神戸空港発着は外せないということです。 立地的な条件とは… 神戸空港に行くには、神戸の中心地「三宮」からポートライナーを乗り継ぐ必要があります。 大阪北部なら伊丹空港、中部、南部なら伊丹空港か関西国際空港へ行く方が、断然交通の便がいいわけです。 神戸空港発着の那覇便が安いとはいえ、伊丹空港や関空からでも安い便はありますので、空港へ行く交通費まで考えれば、お住いの場所によっては神戸空港へ行く方が割高になる可能性があります。 それでも、安い便は、断然神戸空港が取りやすいのは事実です。 神戸那覇間を含め関西3空港と那覇間のプレミアムポイントは片道1,108PPですので、実にPP単価6. 47円と非常に優秀ですね。 これならPP単価6. 1円とさらにお安くなります。 ただ、これはスーパーバリュー55とかスーパーバリュー75の価格です。 出遅れた私は、今回の記念すべき修行1日目のPP単価は約9円となりました。 急遽予約したので仕方ない・・・と言い聞かせています。 神戸那覇間のANA便はプレミアムクラスなし 上記予約画面を見てもわかりますが、神戸那覇間のANA便は、往復ともに「SNA運航」と表記されているとおり、ソラシドエアの機材で、プレミアムクラスはありません。 プレミアムクラスの料金が高くなり(大阪那覇間なら3万円前後もします)、費用面では修行に向かないため、私は予約時にプレミアムクラスで発券するつもりはありません。 ですが、事前のアップグレードなら、関空や伊丹と那覇間のアップグレード料金は、10,000円ですので、修行の時間効率的には、これを狙うのもありです。 ですが、プレミアムクラスの設定がない神戸那覇間だとこれが狙えないわけです。 【修行1日目】神戸空港から那覇へ出発 さて、ここからは実際の修行1日目の日記です。 神戸空港から出発します。 せっかく来たので、ゴールドカード以上を持っていれば無料で利用できる、いわゆるカードラウンジ「比叡」にも寄りました(ラウンジ内記事はおって)。 そしていよいよ出発時間が近づいてきました。 ソラシドは、この黄緑カラーが特徴的ですね。 シエンタと並んだらいい感じになるのではないでしょうか。 そして、全く問題なく、定刻どおり離陸しました。 ド平日の便です、空席も目立ち、私のお隣さんはいません。 つまり快適です。 朝も早く、前日の深酒の影響で、私は離陸してからすぐに、完全に落ちていましたが、少しして目を覚ますと、宇宙にいるような、地球は丸かった的なやつを見れて、気分が晴れました。 衝撃の気温差&初ポーたま 順調に定刻どおり那覇空港に到着しました。 私は、ANA予約でしたが、乗った機材はソラシドエアでしのたで、本家ANAの機体を羨望のまなざしで見つめてしまいました。 ちなみに、この日、沖縄は雨です。 この日は、1往復のみです。 帰りの搭乗時間まで約4時間ほどありました。 とりあえず、人生初のポークたまごおぎりでも食べに行きましょう。 ちょうどお昼前の時間帯だったので、お客さんが既に列をなしており、20分くらい並びました。 念願の初ポーたまです。 ほんとできたてで温かいんですね、これは美味しいわって感じになりました。 那覇空港に着いて何もせずトンボ帰りする不思議 さて、帰りの便です。 ちなみに、帰りのフライトまでの時間は、とても残念なことに、ほぼカードラウンジ華にいました。 二日酔いだったことと、雨が降っていたので、空港から出る気になれませんでした。 これにより、本当にタッチ修行です。 「目的空港に着いて、空港から出ず、少しうろついて、そのまま何もせず出発空港に戻る」とても不思議な感覚でしたが、すぐに慣れるのでしょう。 いや、それが恋しくなるのでしょう。 さて、帰りは、行きよりガッラガラです。 これ、すべてのお客さんが搭乗して、出発直前なんですが、空席だらけです。 私の前後の2,3列を一人で独占しています。 ひじ掛けを全部上げてしまえば、話題のANAホノルル線A380を彷彿させる1人ANAカウチができてしまえます。 2月に同じルートをもう一往復するので、次は体調を万全で行きます!! まとめ 修行記はグダグダでしたが、私がこの記事で伝えたかったこと、わかったことをまとめます わかりきっていることばかりですいません。 国内線ならできるだけスーパーバリュー55か75狙いで• さらに、可能なら閑散期の1月2月でスタートダッシュを• 神戸那覇便はかなり安い(けど、大阪からだと場所的に少し不便)•
次の神戸空港はスカイマークの便が運航しており、JALやANAなどの一般航空会社と比べて航空券の料金がお得です。 今回は神戸空港発着便の料金をまとめました。 神戸空港を利用するメリット 神戸空港は三宮駅からのアクセスも良く、20分程度で移動できます。 また、関西圏へのアクセスも良いことがメリットです。 また、神戸空港はスカイマークの便が運航しており、ANAなどの一般航空会社よりも航空券の料金がお得です。 特にスカイマークの座席の残数によって料金が変動する割引の「いま得」は、他の割引と比べて料金がお得です。 スカイマークのいま得については次の記事を参考にしてください。 神戸空港発着便の料金 国内線の神戸空港の路線は次の通りです。 ・神戸空港-羽田空港 ・神戸空港-新千歳空港 ・神戸空港-茨城空港 ・神戸空港-長崎空港 ・神戸空港-鹿児島空港 ・神戸空港-那覇空港 ・神戸空港-仙台空港 ・神戸空港-青森空港 ・神戸空港-信州まつもと空港 ・神戸空港-出雲空港 ・神戸空港-高知龍馬空港 神戸空港-羽田空港の料金 神戸空港-羽田空港間では、ANAの便が片道1日2本、スカイマークの便が片道1日7本運航しています。 両社の航空券の料金は次の通りです。 ANAの普通運賃とスカイマークのいま得の料金を比較すると18,500円の差があります。 また、ANAでもっともお得な早期購入割引75日前と比べても1,400円お得です。 ANAを利用する場合できる限り前日までに航空券を予約! ANAを利用する場合は早期購入割引28日前を利用すると良いでしょう。 普通運賃と早期購入割引1日前の料金を比較すると、14,000円も差があります。 そのため、できる限り搭乗日の前日でには航空券を予約すると良いでしょう。 神戸空港-新千歳空港の料金 神戸空港-新千歳空港間では、ANA単体の便が片道1日1本、ANAとエアドゥのコードシェア便が片道1日3本、スカイマークの便が片道1日3本運航しています。 3社の航空券の料金は次の通りです。 スカイマークのいま得の料金とANAでもっともお得な早期購入割引75日前の料金を比較すると4,000円もお得です。 そのため、出張や帰省の日程が決まっている場合はできる限り早めにスカイマークのいま得を適用した航空券を予約すると良いでしょう。 スカイマークを利用できない場合はエアドゥを利用! スカイマークに次いで航空券の料金がお得なのはエアドゥです。 エアドゥはANAと同様に20kgまで荷物を無料で預けられるなどサービスが充実しています。 エアドゥを利用する場合できる限り前日までに予約! エアドゥの普通運賃と早期購入割引1日前の料金を比較すると26,000円以上も差があります。 そのため、エアドゥを利用するときは搭乗日の前日までに航空券を予約するとお得です。 神戸空港-茨城空港の料金 神戸空港-茨城空港間では、スカイマークの便が片道1日2本運航しています。 この路線のスカイマークの料金は次の通りです。 普通運賃といま得の料金を比べると、6,000円以上も差があります。 そのため、出張などのスケジュールが決まっている場合は、いま得の料金がお得になるので、できる限り早めに予約しましょう。 できる限り3日前までに航空券を予約! 出張や帰省のスケジュールが直前に決まった場合は早期購入割引3日前を利用すると良いでしょう。 普通運賃と早期購入割引3日前の料金を比較すると、6,600円も差があります。 そのため、できる限り搭乗日の3日前までには航空券を予約すると良いでしょう。 神戸空港-長崎空港の料金 神戸空港-長崎空港間では、スカイマークの便が片道1日3本運航しています。 この路線のスカイマークの料金は次の通りです。 普通運賃と早期購入割引1日前の料金を比較すると3,500円の差があります。 そのため、搭乗日の前日までには航空券を予約するとお得です。 神戸空港-鹿児島空港の料金 神戸空港-鹿児島空港間では、スカイマークの便が片道1日2本運航しています。 この路線のスカイマークの料金は次の通りです。 普通運賃と早期購入割引1日前の料金を比較すると1,500円の差があります。 そのため、搭乗日の前日までには航空券を予約するとお得です。 神戸空港-那覇空港の料金 神戸空港-那覇空港間では、ANAとソラシドエアのコードシェア便が片道1日3本、スカイマークの便が片道1日3本運航しています。 3社の航空券の料金は次の通りです。 スカイマークのいま得の料金とANAでもっともお得な早期購入割引75日前の料金を比較すると1,500円お得です。 そのため、出張や帰省の日程が決まっている場合はできる限り早めにスカイマークのいま得を適用した航空券を予約すると良いでしょう。 スカイマークを利用できない場合はソラシドエアを利用! スカイマークに次いで航空券の料金がお得なのはソラシドエアです。 ソラシドエアはANAと同様に20kgまで荷物を無料で預けられるなど、サービスが充実しています。 ソラシドエアを利用する場合できる限り3日前までに予約! ソラシドエアの早期購入割引1日前と3日前の料金を比較すると4,000円も差があります。 そのため、ソラシドエアを利用するときは搭乗日の3日前までに航空券を予約するとお得です。 神戸空港-仙台空港の料金 神戸空港-仙台空港間では、スカイマークの便が片道1日2本運航しています。 普通運賃といま得の料金を比べると、14,000円以上も差があります。 そのため、出張などのスケジュールが決まっている場合は、いま得の料金がお得になるのできる限り早めに予約しましょう。 さいごに 神戸空港発着便を利用する場合、スカイマークの便を利用できます。 格安の航空券を予約するためにはできる限りいま得を利用すると良いでしょう。 comにおまかせ! 部屋数 1部屋目 大人 名 子供 名 宿泊時の 年齢を入力してください 子供1 歳 子供2 歳 子供3 歳 子供4 歳•
次の7月5日、神戸空港を拠点にしているスカイマークは神戸空港の発着枠拡大を受け、8月1日から神戸ー茨城・長崎・那覇線を1日一往復ずつ増便すると発表しました。 さらに翌6日に神戸市役所で開いた会見では運用時間が午後11時までに延長された場合、羽田空港の特定枠(午前6時~8時30分までの到着と午後8時30分から11時までの出発便に適用)を使って午後9時台出発の羽田~神戸線を設定すると発表しました。 スカイマークの神戸路線が充実することになりそうです。 また、同じ日にフジドリームエアラインズ(FDA)が10月27日からの冬ダイヤから神戸空港に就航すると正式に発表しました。 FDAにとっては初めての関西圏進出となるとともに、神戸空港にとっても2013年6月のエアドゥとスカイネットアジア航空(現ソラシドエア)以来6年ぶりの新規参入となります。 7月2日の一部報道では神戸~松本線と神戸~高知線に1日1往復ずつ運航される予定とされましたが、今回のFDAの発表では具体的な路線については「今後決まり次第発表する」とされました。 報道通りの松本・高知線なのか、それとも別の路線になるのか気になるところですが、以前から神戸空港でスタッフ募集しているなど神戸空港の発着枠拡大に伴うFDA参入が噂されていましたが、遂に現実のものとなりそうです。 【7月26日追記】 FDAの就航路線が決まりました。 10月27日から神戸~松本線と神戸~出雲線に1日1往復ずつで就航します。 ダイヤはまだ発表にはなっていませんが、概ね下馬評通りの路線でしたね。 ただ一部メディアでも報じられた神戸~高知線は今回は就航しませんでした。 これで神戸空港の増枠分のうちスカイマーク3枠、FDA2枠が決まり、残りは5枠になりました。 今後はスカイマークが新規路線も含めて一気に枠を取りに来るのか、FDAが追加で新規路線を就航させるのか、はたまたANAと ゆかいな仲間たちエアドゥやソラシドエアが手を上げるのか。 いずれにせよ残りの枠が埋まるのもそう遠い日の事ではなさそうです。 既にJALが神戸から撤退した今、FDAの神戸就航は自力でのハンドリングになる事が予想されますから、このまま2便だけでは効率が悪い気がします。 個人的にはもう2便くらい就航を狙っているのではないかと思うのですがどうでしょうか? 今回の神戸空港の規制緩和で具体的な就航計画が出てきたことで、いわゆる「関西3空港」の立ち位置もはっきりしてきたのではないかと思います。 以前神戸空港の規制緩和を取り上げた記事の中でも 「関空は国際線と国内幹線とLCC、伊丹は国内線全般、神戸は伊丹のセカンダリー空港」と位置付けましたが、今後は ・関西空港・・・国際線、貨物、LCC中心の関西の基幹空港 ・伊丹空港・・・国内線の基幹空港 ・神戸空港・・・関空・伊丹を補完するセカンダリー空港 となって行くのではないでしょうか。 先の記事でも触れた通り、関空は空港アクセスの遠さ、伊丹は騒音問題による発着枠制限と運用時間がネックとなっており 、神戸空港の立ち位置は両者の弱点を補うには格好の存在と言えます。 また、現在の伊丹空港がほぼ大手2社の独占となり新規参入が難しい現状や、アクセス面で難ありの関空が国内短距離路線では競争力を保てないことを考えると、神戸空港は国内線の新規参入の受け皿として有益な存在です。 事実、神戸空港からはJALは撤退しましたし、現在でも全体の7割の便数がスカイマークを占め、関西の路線を神戸に集約している事や、FDAが関西の新規就航先に神戸を選んだことなどからもこの説を裏付けています。 逆に、神戸空港に伊丹の機能を移すことも神戸空港の主要アクセスであるポートライナーの輸送能力を考えると現実的ではありませんし、神戸空港自体も大規模なターミナル増設工事が必要になるので難しいでしょう。 現在の神戸空港の処理能力を考えると、関空や伊丹の補完空港にはなっても両者の存在を脅かすほどの発展は難しいのではないかと思います。 そういう意味では神戸空港は良くも悪くも「関西地域のセカンダリー空港」という立ち位置として、関空や伊丹で吸収できない需要や第三極の航空会社の受け皿となっていくのではないでしょうか。 地方間路線を開拓し、移動を活発化させることで地方を活性化しようとする鈴木氏とFDAの理念が良く分かります。 さて、日本には神戸市のように大都市の基幹空港の役割を補完する「セカンダリー空港」がいくつもあります。 大別すると基幹空港から離れたところに建設され、空港アクセスが重視されない貨物路線やチャーター便、アクセスの悪さを価格でカバーできるLCCが就航する「郊外型セカンダリー空港」と、都心近くでアクセスは良いものの、用地や空域の問題でこれ以上の拡張が難しく、小型機や短距離路線に特化している「都市型セカンダリー空港」の2種類があり、前者の代表例はライアンエアーの拠点の一つであるフランクフルト・ハーン空港やロンドンのガトウィック空港、後者の代表例はサウスウエスト航空創業の地であり、現在も主要拠点の一つであるダラス・ラブフィールド空港やロンドンシティ空港などが挙げられます。 今回はそんな日本の「セカンダリー空港」を紹介して空港の役割分担について考えていきたいと思います。 1.札幌丘珠空港(基幹空港:新千歳空港) 丘珠空港は分類的には「都市型セカンダリー空港」になりますが、路線的には「コミューター路線用空港」に近いです。 元々は陸上自衛隊の航空基地だったものを1961年に共用化した空港であり、当初はジェット機が運航される基幹空港の千歳空港に対しプロペラ機用の空港として運用されました。 しかし1974年に丘珠を拠点にしていた東亜国内航空(TDA)が撤退した後は道内路線を運航するコミューター空港となり、全日空系列の日本近距離航空(のちのエアーニッポン、現在はANA本体に吸収)が長年運航してきました。 1998年からは日本エアシステム系列の北海道エアシステム(HAC)が参入して2社体制になったものの、プロペラ機しか就航できない状況や道内路線のみのネットワークと言う点には変わりありませんでした。 2010年にANAが路線を新千歳空港に集約させる方針を取って丘珠路線を撤退させ、入れ替わりに日本航空が経営から撤退し、北海道や札幌市などが株式を引き受けたHACが路線を丘珠に集約させます。 その後HACはJALグループに復帰して現在は便名もJALになり、路線も道内の函館・釧路・利尻に加え青森県の三沢にも就航。 加えて2016年からはFDAが静岡~丘珠線を開設し、2018年からは松本~丘珠線を開設した事で「就航するのはプロペラ機のみ、路線も道内路線のみ」というかつての立ち位置からは変わりつつありますが、FDAのエンブラエルは離陸重量の制限や冬季の就航ができないなど課題も多く、今後も基本的な立ち位置は変わらないでしょう。 2.茨城空港(基幹空港:羽田空港・成田空港) こちらは最初からLCCの就航をターゲットにした「郊外型セカンダリー空港」を目指しており、当初の目論見とは異なるもののその地位を確立しつつあります。 元々は航空自衛隊の百里基地を2010年に共用化したのですが、開港前は羽田の再国際化や成田のLCC誘致の陰に隠れて航空会社の誘致が進まず、就航路線ゼロの危機に陥りました。 その後アシアナ航空のソウル線就航が決まって開港時の就航路線ゼロは回避したものの、国内線は大手2社は全く見向きもせず、開港時の国内路線はゼロと将来性が危ぶまれたスタートとなりました。 そんな危機的状況を救ったのがスカイマーク。 2010年6月から茨城~神戸線を開設したのを皮切りに、2012年には札幌と中部、那覇線を開設(中部線はその後休止と再開を繰り返し2014年10月26日を最後に運休)、2014年には福岡線を開設するなど時期によって増減はあったものの、現在では神戸と札幌を1日2往復ずつ、福岡と那覇を1往復ずつの計6往復を運航するまでになりました。 国際線はめまぐるしく変わったものの、現在は春秋航空の上海行が週6往復、タイガーエアの台北行きが週2往復、イースター航空のソウル行きが週3往復運航し、海外LCCが複数就航するまでになりました。 2017年度の利用者数は年間68万人と当初の利用予測には及ばないものの、開港当初の下馬評を考えると善戦していると言っていいでしょう。 最も、現在の立ち位置は羽田と成田のセカンダリーと言うよりは「茨城県を中心とした北関東の地方空港」に近いですが・・・ 3.県営名古屋飛行場(基幹空港:中部国際空港) 元々は東海地方の拠点空港だった名古屋空港ですが、自衛隊との共用空港や住宅地の中と言う立地条件もあってこれ以上の拡張は不可能であり、2005年に中部国際空港が開港すると、全ての国際線と大半の国内線が中部に移転しました。 しかし、名古屋空港自体は国内リージョナル路線を運航する県営空港として存続することになり、設置区分も国管理の「第二種空港」から愛知県管理の「その他の空港」に変更。 路線についてもJALグループのジェイエアが本社を広島西飛行場から小牧に移転した上で残留、拠点とすることになりました。 その後名古屋飛行場はジェイエアの一大拠点として機能することになり、機材も50人乗りのCRJ200から76人乗りのエンブラエルE170に大型化しましたが、2010年1月のJALグループの経営破たんで状況は一変します。 再建計画の中には名古屋空港の全面撤退とジェイエアの伊丹移転が盛り込まれ、安泰と思われていた名古屋飛行場は一転して路線ゼロで存続の危機に陥ります。 もともと地元では中部空港と県営名古屋空港との「棲み分け」が問題視されており、2007年には中部空港との間で「名古屋空港からはこれ以上新規路線を開拓しない」との合意が取り付けられたほどでした。 中部空港もこの頃には集客に苦戦しており、空港機能を中部に一元化させたい経済界にとってはジェイエアの撤退は一元化の大きなチャンスと言えました。 しかし、そんな県営名古屋空港の危機を救ったのはFDAでした。 撤退したジェイエアの路線のうち、名古屋~福岡線と熊本線の引き受けを表明し、2011年3月27日から運航を開始します。 その後、東日本大震災の復興支援の名目で5月21日から名古屋~花巻線を、7月2日から名古屋~青森線を就航させ、以後もジェイエアの撤退路線を中心に新規路線を開設。 現在は青森・花巻・山形・新潟・出雲・高知・福岡・熊本の8路線、一日24往復を運航するまでになりました。 ちなみに県営名古屋空港から撤退したJALもFDAとのコードシェアと言う形で便名だけは残っています。 とは言え、今後県営名古屋空港がかつての名古屋空港のように大きく発展する事はもうないでしょう。 現在はFDAの拠点空港として一定の地位を築いていますが、2007年の中部空港との取り決めはまだ生きており、ジェイエア時代には就航していなかった仙台や鹿児島、札幌や那覇と言った路線にFDAが就航するのは難しく、就航を目指せば中部空港との棲み分け問題が再燃してしまうからです。 FDAの路線のうち、青森線と花巻線でJALとのコードシェアを行っていないのも、両路線が「東日本大震災の復興支援」という「特例」でできた路線であり、棲み分け問題を再燃させないためにコードシェアを避けているのではないかと思います。 既に廃港になった広島西飛行場や、かつての関西三空港問題のように、空港機能の棲み分け問題は「都市型セカンダリー空港」の抱える大きな問題と言えそうです。 以上、日本のセカンダリー空港の簡単な歴史と現状、基幹空港との立ち位置の違いなどをご紹介しました。 この他にも福岡空港のセカンダリー空港的な位置にいる北九州空港と佐賀空港、旧広島空港をコミューター用空港として再活用しようとしたものの結局は廃港に追い込まれた旧広島西飛行場などの例もありますが、ここでは割愛させて頂きます。 世界的には大都市の空港は複数あるのが普通で、ニューヨークでも国際線中心のジョンFケネディ空港とニューアーク・リバティー空港、国内短距離中心のラガーディアに分かれていますし、ロンドンでも基幹空港のヒースロー空港のほかにチャーター便やリゾート路線のガトウィック、LCCが多く就航するルートン、ビジネス客向けの短距離小型路線に特化したロンドンシティ空港など6つの空港が存在します。 基幹空港が複数あるケースでも航空会社ごとに空港が分かれているケースもあり、先のニューヨークの場合でもJFKはデルタとジェットブルーが、リバティーはユナイテッドがハブとするなどの棲み分けが図られています。 日本のセカンダリー空港もスカイマークやFDAと言った大手2社とは距離を置く第三極の航空会社が拠点としているケースが多く、基幹空港のように立派な設備やアクセス路線はないものの、大手との差別化が図れ、空港サイドの協力や発着枠の面で恩恵を享受できるというメリットがあります。 基幹空港との棲み分けと言う問題はありますが、顧客サービスの充実や多様化、基幹空港の混雑緩和には差別化を図りやすい「セカンダリー空港」の存在が不可欠と言えますし、第三極の航空会社が大手との差別化を図るには、セカンダリー空港の活用がカギとなるのではないでしょうか。 meihokuriku-alps.
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