ぐだお「今年のハロウィンも酷い目に遭った」 マシュ「全く、その通りでしたね……お疲れ様です、マスター。 皆さんも、お疲れ様でした」 カエサル「私はクレオパトラと再び相見えることが出来たので満足である。 聖杯に願いを託さずとも夢が叶ったのも、貴様に仕えたことが原因。 今回ばかりは感謝の念に堪えぬ」 ぐだお「やめろよ、急に慣れないことを言うと気持ち悪いぞ」 カエサル「うむ、その通りだな。 それもこれもこの私が貴様如き凡夫に仕えてやり、実に実に面倒ながら黄金剣を振るってやった結果なのだ。 当然の褒美である」 ぐだお「それはそれで腹が立つ」 呪腕のハサン「まあ、魔術師殿。 今回ばかりは彼奴の舌にも目を瞑ってやりましょうぞ」 マシュ「そうですね。 2000年以上の時を超えた再会である訳ですから」 小次郎「饒舌も上機嫌故と思えば微笑ましさすらある。 例え相手があの男であってもな」 ぐだお「うん。 その通りだ」 カエサル「はっはっは。 何だ? 何を話している貴様達。 特別に聞いてやるから私にも聞かせよ」 ハサン「……クク」 カエサル「なんだ、痩せ骨。 何がおかしい?」 ハサン「痩せ骨!?」 ぐだお「まあまあ。 カルデアでもハロウィンしたいなって話」 マシュ「えっ?」 カエサル「何と。 まだあの奇祭を続けたいのか? 2年連続、ロクな目に遭ってはおらぬというのに」 ぐだお「エリザベートに付き合わされただけだからね。 俺達もたまには緊張の糸とか緩めてさ、パッと仮装とかしたいじゃないか」 カエサル「ふむ。 まあ、その通りかもしれんな。 何よりあのドラ娘によるライブとやら……我らにとっては悪夢でしかないが。 あれも開催されておらぬ。 昨年に比べ体力にも余裕があるであろうしな」 ぐだお「そういうこと」 小次郎「フッ……我らが主殿も口が回るようになったことよ。 浮かれているとはいえ、あの弁舌家を納得させるとは。 先輩の喜びそうなものをそれとなく聞きださなくては…… コンコン マシュ「先輩、マシュ・キリエライトです。 ご在室ですか?」 マシュ「……返事がありませんが、扉が少し開いています」 マシュ「せんぱーい……いらっしゃいますかー……?」コソコソ ぐだお「フォウはモコモコのモフモフだなあ」 フォウ「フォーウ!」 マシュ あっ……あれは……! 先輩がベッドに寝転んで、両手でフォウさんを高く掲げてモミモミしている……! アステリオス「ますたー。 ぼくも、たぶん、もふもふ、もこもこしてる、よ」 ぐだお「本当だー。 これは仮想を選ぶ際に重要なキーワードになるでしょう」 マシュ「もふもふ……やはり動物系統で攻めるべきでしょうか?」 マシュ「もう少し情報が欲しいような気も……」 ダ・ヴィンチ「話は聞かせてもらった!」 マシュ「ダヴィンチちゃん!?」 ダ・ヴィンチ「ハロウィンの夜。 仮装でちょっぴり開放的に、大胆に。 仮装でちょっとだけ普段とは違う自分になって、気になるあの子の気を引きたい! うんうん、青春だねぇ純情だねぇ」 マシュ「あの、ダヴィンチちゃん。 どうして私の自室にいるのでしょうか?」 ダ・ヴィンチ「うん? ダ・ヴィンチちゃんは恋する乙女の味方だからかな。 マシュ、君がそのような気持ちを抱くにまで成長したことが私は嬉しい。 このグランド・オーダーが始まって以降、いやその前からこのカルデアでロクなことは起きないが、君の成長は私にとってほとんど唯一と言ってもいい嬉しい出来事だ」 マシュ「えっと、ありがとうございます、ダヴィンチちゃん。 ですが、確認しなくてはならないことが一つ」 ダ・ヴィンチ「うん、なんだい? この天才ダヴィンチちゃんになんでも聞いてくれたまえ」 マシュ「恋する乙女とは、私の事ですか?」 ダ・ヴィンチ「……これは天才としたことが驚かされてしまった。 君自身に自覚は無かったのか」 マシュ「……確かに、将来的には先輩と、アイコンタクトだけで戦闘、炊飯、掃除、談話ができる……そんな関係を目指していますが……その、私は先輩のサーヴァントですので、えっと……恋……なんて、そんな関係では……」 ダ・ヴィンチ「うん、まぁちょっとばかり言いたいこともあるけど、彼のことをそう認識しているだけで今は良しとしよう」 マシュ「……?」 ダ・ヴィンチ「そうか、そこで心底不思議そうな顔をするのか君は……どこで育ち方を間違えたかな」 マシュ「えっ!? 何かおかしなことを言いましたか!?」 ダ・ヴィンチ「うん、まぁ無害だとは思うから君はそのまま成長してくれたまえ。 そんなことよりも、君の衣装をデザインするとしよう」 マシュ「えっ!? ダヴィンチちゃんが!?」 ダ・ヴィンチ「そうとも。 君も知っている通り、私は万能で天才だからね。 ハロウィンの仮装用衣装をデザインするぐらい訳ないさ。 分かりやすい彼の好みを反映させた上で、ね」 マシュ「凄いです……! ダヴィンチちゃんデザインの衣装を着られるなんて、光栄です!」 ダ・ヴィンチ「ははは、もっと褒めてくれても構わないんだが、それは実物を見てからにして貰おう……ちょちょちょい、ちょいっとな。 さて、デザイン画だが、こんなもんでどうだろう?」 マシュ「こ、これは……!」 ダ・ヴィンチ「取り敢えず、動物、もふもふ、というキーワードは取り入れてある。 ハロウィンの晩にマッチするように、色は紫を基調とした。 君の髪色も映えるだろう」 マシュ「あ、ありがとうございます……確かにこれは素晴らしいデザインだと思うのですが……」 ダ・ヴィンチ「うん? 何か不満があったかい?」 マシュ「その……少々大胆過ぎると言うか、アダルティックが過ぎると言うか……」 ダ・ヴィンチ「露出の多さかぁ。 確かに君の性格、イメージからは少し離れているかもしれないが、そこは彼の趣味に合わせてみた」 マシュ「先輩の? ……どうでしょうか、ここまで露出が多いと驚かれるかもしれません」 ダ・ヴィンチ 君の最初の鎧姿は似たようなものだったけどね ダ・ヴィンチ と、思ったけどダ・ヴィンチちゃんは天才だから、口に出さない方が良いことぐらいは簡単に分かってしまうんだ マシュ「……! 待ってください、ダヴィンチちゃん」 ダ・ヴィンチ「ん? どうしたんだい?」 マシュ「声がします。 先輩がこの部屋の前を通ります」 ダ・ヴィンチ「えっ? 私は何も聞こえないけどなあ」 マシュ「……ドアを少しだけ開きます」 ~~ クー・フーリン「お前さん的にメドゥーサのあの服、どう思う?」 ぐだお「え? どうしたんだよ、急に」 クー・フーリン「あのライダーとはちょっとばかり縁があってよ。 同じ場所に召喚されたっつーだけの縁だが……あの時はもっと大人しいっつーか、まだ控えめな服だったワケよ。 だからあの格好見るとなんつーか……笑いそうになっちまってよ」 ぐだお「えぇ……」 クー・フーリン「いや、俺も悪いとは思ってる。 だからこそお前はどうなのかって話よ」 ぐだお「いいよね、あの服」 クー・フーリン「……まあ、それは否定しないがよ。 じゃああのちみっこくて白いライダーの服はどうだ?」 ぐだお「牛若丸のこと? いいよね」 クー・フーリン「鬼のアサシンは?」 ぐだお「いいよね」 クー・フーリン「お前……結構いい趣味してんな」 ぐだお「えっそう? 普通じゃない?」 ~~ マシュ「……」 ダ・ヴィンチ 私も露出増やしてみようかな マシュ「ダヴィンチちゃん」 ダ・ヴィンチ「はい、っと……余りの迫力に何十何百年ぶりか、下手をすれば生まれて初めて敬語を使ってしまった。 なんだい?」 マシュ「……もっと大胆に。 手足はしっかりロンググローブとハイソックスで隠しているのに他を殆ど隠していない。 なにかってまずお腹がいい。 普段のマシュよりちょっと……肉付きが良い。 お団子の食べ過ぎだろうか。 胸部の破壊力も凄まじい。 理解しているつもりではあったけど……まさか、あれで着痩せするタイプだったとは。 危険だ。 とても危険だ。 全体的なカラーも俺の好みだ。 その上に紫という色が持つ魅力はハロウィンの夜に相応しい。 高貴かつ淫靡かつ無垢。 もうこれはマシュ専用のエクストラクラスを作るべきだ。 これは正に……デンジャラス・ビースト……! マシュ「先輩。 トリック・オア・トリート?」 ぐだお「……えっ? あっ、ハロウィンか」 マシュ「トリック、オア、トリート?」 ぐだお「どうしたのマシュ、何か怖いんだけど……ごめん、予想してなかったからお菓子は無いよ」 マシュ「なるほど。 ではトリックの方ですね」 ぐだお「そうなる……ね。 お手柔らかにお願いしたいんだけど」 マシュ「そうはいきません。 今日の私は狼人間です。 ウルフです。 牙もちゃんと作っていただきました。 がおっ」 ぐだお いつもと違う挑戦的な笑み。 その口元から鋭い犬歯が姿を見せる。 長く鋭い爪を突き出す狼ポーズ。 可愛い マシュ「ライカンスロープ・キリエライトですので……お菓子を用意していなかった代償として、今から先輩を食べます」 ぐだお「えっ? 食べるの!?」 マシュ「はい。 この立派な牙で先輩の柔らかそうな首元をがぶり、です」 ぐだお「滅茶苦茶痛そうなんだけど……優しく噛んで欲しんだけど」 マシュ「先輩、ご存知ですか? 狼人間に噛まれた人間も、狼人間になるんですよ?」 ぐだお「うん、まあ、それぐらいは」 マシュ「今は私だけが狼人間ですので、先輩を抑え込んで食べちゃいますけど……先輩も狼人間になったら、私は敵わないかもしれませんね?」 ぐだお「うん……うん?」 マシュ「私はお菓子を頂くつもりであったので、当然お菓子は持っていません。 狼人間になって私よりも強くなったウェアウルフ先輩は……私にどんな悪戯をするんでしょうね?」 ぐだお「……」 マシュ「では、先輩。 これよりトリックの刑を執行します。 首筋に、がぶっ」 ぐだお「あいたっ」 マシュ「人肌はほんのり塩味なのですね。 また一つ賢くなりました」 ぐだお「自分の身体を噛まれた後に舌舐めずりされるととても恥ずかしい。 俺も一つ賢くなった」 マシュ「先輩、その……痛くなかったですか?」 ぐだお「ちょっとだけ。 犬歯がね」 マシュ「す、すみません……ダヴィンチちゃんがこれはどうしても必要なものだと言うので……」 ぐだお「ダヴィンチちゃんプレゼンツの衣装だったんだ。 そりゃセンスが良い訳だ」 マシュ「えっ? センス、良いですか?」 ぐだお「うん。 よく似合ってる。 ドキドキする。 可愛いよ、マシュ」 マシュ「あ……ありがとう、ございます……正直、やり過ぎてしまったかと思って心配だったので安心しました」 ぐだお「まぁ、マシュなら何を着ても似合うだろうけどね」 マシュ「そんな、私なんてそんな……」 ぐだお「……うーん」 マシュ「……先輩?」 ぐだお「狼人間マシュに噛まれてしまったから俺も狼人間になってしまったかもしれない。 いつもより力が強くなったような気がするし、毛深くなったような気がする」 マシュ「……はい。 私もなんだかそんな気がします」 ぐだお「それじゃあマシュ。 狼人間になってしまった俺からも、一つ」 マシュ「……はい。 どうぞ」 ぐだお「トリック・オア・トリート?」.
次のぐだお「今年のハロウィンも酷い目に遭った」 マシュ「全く、その通りでしたね……お疲れ様です、マスター。 皆さんも、お疲れ様でした」 カエサル「私はクレオパトラと再び相見えることが出来たので満足である。 聖杯に願いを託さずとも夢が叶ったのも、貴様に仕えたことが原因。 今回ばかりは感謝の念に堪えぬ」 ぐだお「やめろよ、急に慣れないことを言うと気持ち悪いぞ」 カエサル「うむ、その通りだな。 それもこれもこの私が貴様如き凡夫に仕えてやり、実に実に面倒ながら黄金剣を振るってやった結果なのだ。 当然の褒美である」 ぐだお「それはそれで腹が立つ」 呪腕のハサン「まあ、魔術師殿。 今回ばかりは彼奴の舌にも目を瞑ってやりましょうぞ」 マシュ「そうですね。 2000年以上の時を超えた再会である訳ですから」 小次郎「饒舌も上機嫌故と思えば微笑ましさすらある。 例え相手があの男であってもな」 ぐだお「うん。 その通りだ」 カエサル「はっはっは。 何だ? 何を話している貴様達。 特別に聞いてやるから私にも聞かせよ」 ハサン「……クク」 カエサル「なんだ、痩せ骨。 何がおかしい?」 ハサン「痩せ骨!?」 ぐだお「まあまあ。 カルデアでもハロウィンしたいなって話」 マシュ「えっ?」 カエサル「何と。 まだあの奇祭を続けたいのか? 2年連続、ロクな目に遭ってはおらぬというのに」 ぐだお「エリザベートに付き合わされただけだからね。 俺達もたまには緊張の糸とか緩めてさ、パッと仮装とかしたいじゃないか」 カエサル「ふむ。 まあ、その通りかもしれんな。 何よりあのドラ娘によるライブとやら……我らにとっては悪夢でしかないが。 あれも開催されておらぬ。 昨年に比べ体力にも余裕があるであろうしな」 ぐだお「そういうこと」 小次郎「フッ……我らが主殿も口が回るようになったことよ。 浮かれているとはいえ、あの弁舌家を納得させるとは。 先輩の喜びそうなものをそれとなく聞きださなくては…… コンコン マシュ「先輩、マシュ・キリエライトです。 ご在室ですか?」 マシュ「……返事がありませんが、扉が少し開いています」 マシュ「せんぱーい……いらっしゃいますかー……?」コソコソ ぐだお「フォウはモコモコのモフモフだなあ」 フォウ「フォーウ!」 マシュ あっ……あれは……! 先輩がベッドに寝転んで、両手でフォウさんを高く掲げてモミモミしている……! アステリオス「ますたー。 ぼくも、たぶん、もふもふ、もこもこしてる、よ」 ぐだお「本当だー。 これは仮想を選ぶ際に重要なキーワードになるでしょう」 マシュ「もふもふ……やはり動物系統で攻めるべきでしょうか?」 マシュ「もう少し情報が欲しいような気も……」 ダ・ヴィンチ「話は聞かせてもらった!」 マシュ「ダヴィンチちゃん!?」 ダ・ヴィンチ「ハロウィンの夜。 仮装でちょっぴり開放的に、大胆に。 仮装でちょっとだけ普段とは違う自分になって、気になるあの子の気を引きたい! うんうん、青春だねぇ純情だねぇ」 マシュ「あの、ダヴィンチちゃん。 どうして私の自室にいるのでしょうか?」 ダ・ヴィンチ「うん? ダ・ヴィンチちゃんは恋する乙女の味方だからかな。 マシュ、君がそのような気持ちを抱くにまで成長したことが私は嬉しい。 このグランド・オーダーが始まって以降、いやその前からこのカルデアでロクなことは起きないが、君の成長は私にとってほとんど唯一と言ってもいい嬉しい出来事だ」 マシュ「えっと、ありがとうございます、ダヴィンチちゃん。 ですが、確認しなくてはならないことが一つ」 ダ・ヴィンチ「うん、なんだい? この天才ダヴィンチちゃんになんでも聞いてくれたまえ」 マシュ「恋する乙女とは、私の事ですか?」 ダ・ヴィンチ「……これは天才としたことが驚かされてしまった。 君自身に自覚は無かったのか」 マシュ「……確かに、将来的には先輩と、アイコンタクトだけで戦闘、炊飯、掃除、談話ができる……そんな関係を目指していますが……その、私は先輩のサーヴァントですので、えっと……恋……なんて、そんな関係では……」 ダ・ヴィンチ「うん、まぁちょっとばかり言いたいこともあるけど、彼のことをそう認識しているだけで今は良しとしよう」 マシュ「……?」 ダ・ヴィンチ「そうか、そこで心底不思議そうな顔をするのか君は……どこで育ち方を間違えたかな」 マシュ「えっ!? 何かおかしなことを言いましたか!?」 ダ・ヴィンチ「うん、まぁ無害だとは思うから君はそのまま成長してくれたまえ。 そんなことよりも、君の衣装をデザインするとしよう」 マシュ「えっ!? ダヴィンチちゃんが!?」 ダ・ヴィンチ「そうとも。 君も知っている通り、私は万能で天才だからね。 ハロウィンの仮装用衣装をデザインするぐらい訳ないさ。 分かりやすい彼の好みを反映させた上で、ね」 マシュ「凄いです……! ダヴィンチちゃんデザインの衣装を着られるなんて、光栄です!」 ダ・ヴィンチ「ははは、もっと褒めてくれても構わないんだが、それは実物を見てからにして貰おう……ちょちょちょい、ちょいっとな。 さて、デザイン画だが、こんなもんでどうだろう?」 マシュ「こ、これは……!」 ダ・ヴィンチ「取り敢えず、動物、もふもふ、というキーワードは取り入れてある。 ハロウィンの晩にマッチするように、色は紫を基調とした。 君の髪色も映えるだろう」 マシュ「あ、ありがとうございます……確かにこれは素晴らしいデザインだと思うのですが……」 ダ・ヴィンチ「うん? 何か不満があったかい?」 マシュ「その……少々大胆過ぎると言うか、アダルティックが過ぎると言うか……」 ダ・ヴィンチ「露出の多さかぁ。 確かに君の性格、イメージからは少し離れているかもしれないが、そこは彼の趣味に合わせてみた」 マシュ「先輩の? ……どうでしょうか、ここまで露出が多いと驚かれるかもしれません」 ダ・ヴィンチ 君の最初の鎧姿は似たようなものだったけどね ダ・ヴィンチ と、思ったけどダ・ヴィンチちゃんは天才だから、口に出さない方が良いことぐらいは簡単に分かってしまうんだ マシュ「……! 待ってください、ダヴィンチちゃん」 ダ・ヴィンチ「ん? どうしたんだい?」 マシュ「声がします。 先輩がこの部屋の前を通ります」 ダ・ヴィンチ「えっ? 私は何も聞こえないけどなあ」 マシュ「……ドアを少しだけ開きます」 ~~ クー・フーリン「お前さん的にメドゥーサのあの服、どう思う?」 ぐだお「え? どうしたんだよ、急に」 クー・フーリン「あのライダーとはちょっとばかり縁があってよ。 同じ場所に召喚されたっつーだけの縁だが……あの時はもっと大人しいっつーか、まだ控えめな服だったワケよ。 だからあの格好見るとなんつーか……笑いそうになっちまってよ」 ぐだお「えぇ……」 クー・フーリン「いや、俺も悪いとは思ってる。 だからこそお前はどうなのかって話よ」 ぐだお「いいよね、あの服」 クー・フーリン「……まあ、それは否定しないがよ。 じゃああのちみっこくて白いライダーの服はどうだ?」 ぐだお「牛若丸のこと? いいよね」 クー・フーリン「鬼のアサシンは?」 ぐだお「いいよね」 クー・フーリン「お前……結構いい趣味してんな」 ぐだお「えっそう? 普通じゃない?」 ~~ マシュ「……」 ダ・ヴィンチ 私も露出増やしてみようかな マシュ「ダヴィンチちゃん」 ダ・ヴィンチ「はい、っと……余りの迫力に何十何百年ぶりか、下手をすれば生まれて初めて敬語を使ってしまった。 なんだい?」 マシュ「……もっと大胆に。 手足はしっかりロンググローブとハイソックスで隠しているのに他を殆ど隠していない。 なにかってまずお腹がいい。 普段のマシュよりちょっと……肉付きが良い。 お団子の食べ過ぎだろうか。 胸部の破壊力も凄まじい。 理解しているつもりではあったけど……まさか、あれで着痩せするタイプだったとは。 危険だ。 とても危険だ。 全体的なカラーも俺の好みだ。 その上に紫という色が持つ魅力はハロウィンの夜に相応しい。 高貴かつ淫靡かつ無垢。 もうこれはマシュ専用のエクストラクラスを作るべきだ。 これは正に……デンジャラス・ビースト……! マシュ「先輩。 トリック・オア・トリート?」 ぐだお「……えっ? あっ、ハロウィンか」 マシュ「トリック、オア、トリート?」 ぐだお「どうしたのマシュ、何か怖いんだけど……ごめん、予想してなかったからお菓子は無いよ」 マシュ「なるほど。 ではトリックの方ですね」 ぐだお「そうなる……ね。 お手柔らかにお願いしたいんだけど」 マシュ「そうはいきません。 今日の私は狼人間です。 ウルフです。 牙もちゃんと作っていただきました。 がおっ」 ぐだお いつもと違う挑戦的な笑み。 その口元から鋭い犬歯が姿を見せる。 長く鋭い爪を突き出す狼ポーズ。 可愛い マシュ「ライカンスロープ・キリエライトですので……お菓子を用意していなかった代償として、今から先輩を食べます」 ぐだお「えっ? 食べるの!?」 マシュ「はい。 この立派な牙で先輩の柔らかそうな首元をがぶり、です」 ぐだお「滅茶苦茶痛そうなんだけど……優しく噛んで欲しんだけど」 マシュ「先輩、ご存知ですか? 狼人間に噛まれた人間も、狼人間になるんですよ?」 ぐだお「うん、まあ、それぐらいは」 マシュ「今は私だけが狼人間ですので、先輩を抑え込んで食べちゃいますけど……先輩も狼人間になったら、私は敵わないかもしれませんね?」 ぐだお「うん……うん?」 マシュ「私はお菓子を頂くつもりであったので、当然お菓子は持っていません。 狼人間になって私よりも強くなったウェアウルフ先輩は……私にどんな悪戯をするんでしょうね?」 ぐだお「……」 マシュ「では、先輩。 これよりトリックの刑を執行します。 首筋に、がぶっ」 ぐだお「あいたっ」 マシュ「人肌はほんのり塩味なのですね。 また一つ賢くなりました」 ぐだお「自分の身体を噛まれた後に舌舐めずりされるととても恥ずかしい。 俺も一つ賢くなった」 マシュ「先輩、その……痛くなかったですか?」 ぐだお「ちょっとだけ。 犬歯がね」 マシュ「す、すみません……ダヴィンチちゃんがこれはどうしても必要なものだと言うので……」 ぐだお「ダヴィンチちゃんプレゼンツの衣装だったんだ。 そりゃセンスが良い訳だ」 マシュ「えっ? センス、良いですか?」 ぐだお「うん。 よく似合ってる。 ドキドキする。 可愛いよ、マシュ」 マシュ「あ……ありがとう、ございます……正直、やり過ぎてしまったかと思って心配だったので安心しました」 ぐだお「まぁ、マシュなら何を着ても似合うだろうけどね」 マシュ「そんな、私なんてそんな……」 ぐだお「……うーん」 マシュ「……先輩?」 ぐだお「狼人間マシュに噛まれてしまったから俺も狼人間になってしまったかもしれない。 いつもより力が強くなったような気がするし、毛深くなったような気がする」 マシュ「……はい。 私もなんだかそんな気がします」 ぐだお「それじゃあマシュ。 狼人間になってしまった俺からも、一つ」 マシュ「……はい。 どうぞ」 ぐだお「トリック・オア・トリート?」.
次のぐだお「今年のハロウィンも酷い目に遭った」 マシュ「全く、その通りでしたね……お疲れ様です、マスター。 皆さんも、お疲れ様でした」 カエサル「私はクレオパトラと再び相見えることが出来たので満足である。 聖杯に願いを託さずとも夢が叶ったのも、貴様に仕えたことが原因。 今回ばかりは感謝の念に堪えぬ」 ぐだお「やめろよ、急に慣れないことを言うと気持ち悪いぞ」 カエサル「うむ、その通りだな。 それもこれもこの私が貴様如き凡夫に仕えてやり、実に実に面倒ながら黄金剣を振るってやった結果なのだ。 当然の褒美である」 ぐだお「それはそれで腹が立つ」 呪腕のハサン「まあ、魔術師殿。 今回ばかりは彼奴の舌にも目を瞑ってやりましょうぞ」 マシュ「そうですね。 2000年以上の時を超えた再会である訳ですから」 小次郎「饒舌も上機嫌故と思えば微笑ましさすらある。 例え相手があの男であってもな」 ぐだお「うん。 その通りだ」 カエサル「はっはっは。 何だ? 何を話している貴様達。 特別に聞いてやるから私にも聞かせよ」 ハサン「……クク」 カエサル「なんだ、痩せ骨。 何がおかしい?」 ハサン「痩せ骨!?」 ぐだお「まあまあ。 カルデアでもハロウィンしたいなって話」 マシュ「えっ?」 カエサル「何と。 まだあの奇祭を続けたいのか? 2年連続、ロクな目に遭ってはおらぬというのに」 ぐだお「エリザベートに付き合わされただけだからね。 俺達もたまには緊張の糸とか緩めてさ、パッと仮装とかしたいじゃないか」 カエサル「ふむ。 まあ、その通りかもしれんな。 何よりあのドラ娘によるライブとやら……我らにとっては悪夢でしかないが。 あれも開催されておらぬ。 昨年に比べ体力にも余裕があるであろうしな」 ぐだお「そういうこと」 小次郎「フッ……我らが主殿も口が回るようになったことよ。 浮かれているとはいえ、あの弁舌家を納得させるとは。 先輩の喜びそうなものをそれとなく聞きださなくては…… コンコン マシュ「先輩、マシュ・キリエライトです。 ご在室ですか?」 マシュ「……返事がありませんが、扉が少し開いています」 マシュ「せんぱーい……いらっしゃいますかー……?」コソコソ ぐだお「フォウはモコモコのモフモフだなあ」 フォウ「フォーウ!」 マシュ あっ……あれは……! 先輩がベッドに寝転んで、両手でフォウさんを高く掲げてモミモミしている……! アステリオス「ますたー。 ぼくも、たぶん、もふもふ、もこもこしてる、よ」 ぐだお「本当だー。 これは仮想を選ぶ際に重要なキーワードになるでしょう」 マシュ「もふもふ……やはり動物系統で攻めるべきでしょうか?」 マシュ「もう少し情報が欲しいような気も……」 ダ・ヴィンチ「話は聞かせてもらった!」 マシュ「ダヴィンチちゃん!?」 ダ・ヴィンチ「ハロウィンの夜。 仮装でちょっぴり開放的に、大胆に。 仮装でちょっとだけ普段とは違う自分になって、気になるあの子の気を引きたい! うんうん、青春だねぇ純情だねぇ」 マシュ「あの、ダヴィンチちゃん。 どうして私の自室にいるのでしょうか?」 ダ・ヴィンチ「うん? ダ・ヴィンチちゃんは恋する乙女の味方だからかな。 マシュ、君がそのような気持ちを抱くにまで成長したことが私は嬉しい。 このグランド・オーダーが始まって以降、いやその前からこのカルデアでロクなことは起きないが、君の成長は私にとってほとんど唯一と言ってもいい嬉しい出来事だ」 マシュ「えっと、ありがとうございます、ダヴィンチちゃん。 ですが、確認しなくてはならないことが一つ」 ダ・ヴィンチ「うん、なんだい? この天才ダヴィンチちゃんになんでも聞いてくれたまえ」 マシュ「恋する乙女とは、私の事ですか?」 ダ・ヴィンチ「……これは天才としたことが驚かされてしまった。 君自身に自覚は無かったのか」 マシュ「……確かに、将来的には先輩と、アイコンタクトだけで戦闘、炊飯、掃除、談話ができる……そんな関係を目指していますが……その、私は先輩のサーヴァントですので、えっと……恋……なんて、そんな関係では……」 ダ・ヴィンチ「うん、まぁちょっとばかり言いたいこともあるけど、彼のことをそう認識しているだけで今は良しとしよう」 マシュ「……?」 ダ・ヴィンチ「そうか、そこで心底不思議そうな顔をするのか君は……どこで育ち方を間違えたかな」 マシュ「えっ!? 何かおかしなことを言いましたか!?」 ダ・ヴィンチ「うん、まぁ無害だとは思うから君はそのまま成長してくれたまえ。 そんなことよりも、君の衣装をデザインするとしよう」 マシュ「えっ!? ダヴィンチちゃんが!?」 ダ・ヴィンチ「そうとも。 君も知っている通り、私は万能で天才だからね。 ハロウィンの仮装用衣装をデザインするぐらい訳ないさ。 分かりやすい彼の好みを反映させた上で、ね」 マシュ「凄いです……! ダヴィンチちゃんデザインの衣装を着られるなんて、光栄です!」 ダ・ヴィンチ「ははは、もっと褒めてくれても構わないんだが、それは実物を見てからにして貰おう……ちょちょちょい、ちょいっとな。 さて、デザイン画だが、こんなもんでどうだろう?」 マシュ「こ、これは……!」 ダ・ヴィンチ「取り敢えず、動物、もふもふ、というキーワードは取り入れてある。 ハロウィンの晩にマッチするように、色は紫を基調とした。 君の髪色も映えるだろう」 マシュ「あ、ありがとうございます……確かにこれは素晴らしいデザインだと思うのですが……」 ダ・ヴィンチ「うん? 何か不満があったかい?」 マシュ「その……少々大胆過ぎると言うか、アダルティックが過ぎると言うか……」 ダ・ヴィンチ「露出の多さかぁ。 確かに君の性格、イメージからは少し離れているかもしれないが、そこは彼の趣味に合わせてみた」 マシュ「先輩の? ……どうでしょうか、ここまで露出が多いと驚かれるかもしれません」 ダ・ヴィンチ 君の最初の鎧姿は似たようなものだったけどね ダ・ヴィンチ と、思ったけどダ・ヴィンチちゃんは天才だから、口に出さない方が良いことぐらいは簡単に分かってしまうんだ マシュ「……! 待ってください、ダヴィンチちゃん」 ダ・ヴィンチ「ん? どうしたんだい?」 マシュ「声がします。 先輩がこの部屋の前を通ります」 ダ・ヴィンチ「えっ? 私は何も聞こえないけどなあ」 マシュ「……ドアを少しだけ開きます」 ~~ クー・フーリン「お前さん的にメドゥーサのあの服、どう思う?」 ぐだお「え? どうしたんだよ、急に」 クー・フーリン「あのライダーとはちょっとばかり縁があってよ。 同じ場所に召喚されたっつーだけの縁だが……あの時はもっと大人しいっつーか、まだ控えめな服だったワケよ。 だからあの格好見るとなんつーか……笑いそうになっちまってよ」 ぐだお「えぇ……」 クー・フーリン「いや、俺も悪いとは思ってる。 だからこそお前はどうなのかって話よ」 ぐだお「いいよね、あの服」 クー・フーリン「……まあ、それは否定しないがよ。 じゃああのちみっこくて白いライダーの服はどうだ?」 ぐだお「牛若丸のこと? いいよね」 クー・フーリン「鬼のアサシンは?」 ぐだお「いいよね」 クー・フーリン「お前……結構いい趣味してんな」 ぐだお「えっそう? 普通じゃない?」 ~~ マシュ「……」 ダ・ヴィンチ 私も露出増やしてみようかな マシュ「ダヴィンチちゃん」 ダ・ヴィンチ「はい、っと……余りの迫力に何十何百年ぶりか、下手をすれば生まれて初めて敬語を使ってしまった。 なんだい?」 マシュ「……もっと大胆に。 手足はしっかりロンググローブとハイソックスで隠しているのに他を殆ど隠していない。 なにかってまずお腹がいい。 普段のマシュよりちょっと……肉付きが良い。 お団子の食べ過ぎだろうか。 胸部の破壊力も凄まじい。 理解しているつもりではあったけど……まさか、あれで着痩せするタイプだったとは。 危険だ。 とても危険だ。 全体的なカラーも俺の好みだ。 その上に紫という色が持つ魅力はハロウィンの夜に相応しい。 高貴かつ淫靡かつ無垢。 もうこれはマシュ専用のエクストラクラスを作るべきだ。 これは正に……デンジャラス・ビースト……! マシュ「先輩。 トリック・オア・トリート?」 ぐだお「……えっ? あっ、ハロウィンか」 マシュ「トリック、オア、トリート?」 ぐだお「どうしたのマシュ、何か怖いんだけど……ごめん、予想してなかったからお菓子は無いよ」 マシュ「なるほど。 ではトリックの方ですね」 ぐだお「そうなる……ね。 お手柔らかにお願いしたいんだけど」 マシュ「そうはいきません。 今日の私は狼人間です。 ウルフです。 牙もちゃんと作っていただきました。 がおっ」 ぐだお いつもと違う挑戦的な笑み。 その口元から鋭い犬歯が姿を見せる。 長く鋭い爪を突き出す狼ポーズ。 可愛い マシュ「ライカンスロープ・キリエライトですので……お菓子を用意していなかった代償として、今から先輩を食べます」 ぐだお「えっ? 食べるの!?」 マシュ「はい。 この立派な牙で先輩の柔らかそうな首元をがぶり、です」 ぐだお「滅茶苦茶痛そうなんだけど……優しく噛んで欲しんだけど」 マシュ「先輩、ご存知ですか? 狼人間に噛まれた人間も、狼人間になるんですよ?」 ぐだお「うん、まあ、それぐらいは」 マシュ「今は私だけが狼人間ですので、先輩を抑え込んで食べちゃいますけど……先輩も狼人間になったら、私は敵わないかもしれませんね?」 ぐだお「うん……うん?」 マシュ「私はお菓子を頂くつもりであったので、当然お菓子は持っていません。 狼人間になって私よりも強くなったウェアウルフ先輩は……私にどんな悪戯をするんでしょうね?」 ぐだお「……」 マシュ「では、先輩。 これよりトリックの刑を執行します。 首筋に、がぶっ」 ぐだお「あいたっ」 マシュ「人肌はほんのり塩味なのですね。 また一つ賢くなりました」 ぐだお「自分の身体を噛まれた後に舌舐めずりされるととても恥ずかしい。 俺も一つ賢くなった」 マシュ「先輩、その……痛くなかったですか?」 ぐだお「ちょっとだけ。 犬歯がね」 マシュ「す、すみません……ダヴィンチちゃんがこれはどうしても必要なものだと言うので……」 ぐだお「ダヴィンチちゃんプレゼンツの衣装だったんだ。 そりゃセンスが良い訳だ」 マシュ「えっ? センス、良いですか?」 ぐだお「うん。 よく似合ってる。 ドキドキする。 可愛いよ、マシュ」 マシュ「あ……ありがとう、ございます……正直、やり過ぎてしまったかと思って心配だったので安心しました」 ぐだお「まぁ、マシュなら何を着ても似合うだろうけどね」 マシュ「そんな、私なんてそんな……」 ぐだお「……うーん」 マシュ「……先輩?」 ぐだお「狼人間マシュに噛まれてしまったから俺も狼人間になってしまったかもしれない。 いつもより力が強くなったような気がするし、毛深くなったような気がする」 マシュ「……はい。 私もなんだかそんな気がします」 ぐだお「それじゃあマシュ。 狼人間になってしまった俺からも、一つ」 マシュ「……はい。 どうぞ」 ぐだお「トリック・オア・トリート?」.
次の