副鼻腔とは 鼻の中には、鼻腔(鼻の穴の中)だけでなく、副鼻腔という大きな空間があります。 副鼻腔は、鼻腔を取り囲むように、ほお骨の下や眉間の下にあり、自然口という小さな穴で鼻腔とつながっています。 副鼻腔は、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)の全4種類で、左右で合計8つあるそうです。 副鼻腔炎とは 文字どおり、8つの副鼻腔のどこかで炎症が起こるのが副鼻腔炎です。 炎症によって、副鼻腔に入った鼻水や膿がうまく外に出せずにたまってしまいます。 ひどくなると、発熱や頭痛、歯痛などの症状が現れます。 また、鼻水が鼻腔から出るだけでなく、のどに流れる「後鼻漏」を引き起こすといいます。 後鼻漏はサラサラな鼻水であれば、大きな問題はありませんが、ネバネバだと違和感が強くなります。 咳が続いて安眠を妨げるなど、不快な症状の原因となるのです。 副鼻腔炎と蓄膿症(ちくのうしょう)の違い 結論からいえば、副鼻腔炎と蓄膿症(ちくのうしょう)は同じ病気です。 蓄膿症は、文字通り膿がたまる病気ですが、CT(コンピューター断層撮影)の普及などにより、膿がたまっていなくても、炎症が起きていることがあるとわかったそうです。 そのため、炎症だけの人を含め、蓄膿症から副鼻腔炎に呼び名が変わりました。 急性副鼻腔炎の原因と症状 副鼻腔炎には、急性、慢性、好酸球性の3種類があります。 急性副鼻腔炎は、主に鼻かぜが原因で起こり、頭痛や発熱などの症状があります。 早期に治療すれば、症状に応じた薬を使ったり、膿を取り除いたりすることで治るケースがほとんどだそうです。 慢性副鼻腔炎の原因と症状 症状が3カ月以上続くと慢性副鼻腔炎と診断されます。 慢性化する主な原因は、「副鼻腔と鼻腔をつなぐ自然口がふさがる」「鼻水を排出する繊毛(細胞表面の細毛状の小器官)の働きが衰える」という2つ。 膿がうまく排出できなくなると、炎症が悪化する悪循環に陥るといいます。 慢性副鼻腔炎は、頭痛、歯痛や発熱のほか、ひどいときは嗅覚や味覚に障害が起こり、においや味がわからなくなることもあるようです。 好酸球性副鼻腔炎の原因と症状 好酸球性副鼻腔炎は、厚生労働省から難病に指定されている難治性の副鼻腔炎で、近年その患者数が増えているといわれています。 白血球の一種である好酸球が過剰に活動し、副鼻腔に炎症が起こります。 好酸球性副鼻腔炎は、鼻タケ(鼻ポリープ)が多発するのが特徴です。 鼻づまりがひどくなり、早い段階で嗅覚障害が起こるそうです。 局所療法や薬物療法などの保存療法 慢性副鼻腔炎の治療の柱は「局所療法」「薬物療法」「手術」の3つです。 そのうち、局所療法と薬物療法が保存療法と呼ばれます。 局所療法とは病院に行くとみなさんがよく受ける治療法で、鼻腔や服鼻腔にたまった膿や粘りけの強い鼻水を生理食塩水などで洗浄・除去したり、患部に抗菌薬を噴霧したり(ネブライザー治療という)します。 薬物療法は、主に抗生物質による治療が中心で、症状が軽ければ薬物療法でよくなるケースが多いといいます。 手術療法 局所療法と薬物療法で十分な作用が見られない場合は手術が検討されます。 もちろん、局所療法が困難な場合は先に手術療法を行う場合もあります。 以前は、副鼻腔炎の手術といえば上唇の裏側から歯茎を切開したりするなど、かなり大がかりなものでした。 しかし、最近は技術が進んで副鼻腔炎においても内視鏡を使った内視鏡下服鼻腔手術(鼻腔に内視鏡や手術器具を入れてモニターに映し出された画像を見ながら行う術式)が主流になりました。 それによって、以前は術後に何カ月も入院していたのが、内視鏡手術なら1週間程度で退院できる場合が多いようです。 内視鏡手術は器具の進歩も著しく、マイクロデブリッターという手術器具も登場しています。 この器具は、病変部の切除と出血などの吸い取りが同時にできるということで、手術時間も短縮できるようになったそうです。 器具が便利になっているとはいえ、その器具を使って手術を行う医師は人です。 やはり副鼻腔炎の手術件数が多い(ホームページなどで調べられる)医師や病院で手術をしてもらうことが重要ではないでしょうか。 セルフケアはもちろん大切ですが、みなさんは田七ニンジンという植物をご存知でしょうか? 高麗ニンジンなどと同じように、中国では漢方薬として使用されている植物で「カテキン」と「サポニン」の成分を多く含む食品です。 「茶カテキン」と言えば、聞いたことがある人もいるかもしれませんが、カテキンは健康維持への働きが期待されており、特に【ズルズルや詰まり】があって思ったような呼吸ができない人におすすめとされています。 また、サポニンはウコギ科の植物やマメ科の植物に多く含まれています。 含まれる植物によって構造が異なり、性質や働きに多少の違いがあるようですが、田七ニンジンや高麗ニンジン由来のものは「ニンジンサポニン」といい、詰まって黄色いネバネバの人、いつもすすっている人には有用な成分と考えられています。 カラダネ編集部は、これらの成分をしっかりと摂取できるお茶を見つけました。 それが 【白井田七。 茶】というお茶。 田七ニンジンに含まれるサポニンはもちろん、化学肥料を使用しない有機栽培された茶葉を使用しており、安心して飲むことができるのです。 お茶に含まれる茶カテキンもしっかりとれるのもうれしいポイント。 茶】も試してみてはいかがでしょうか。 鼻うがい 生理食塩水(血液や組織液と浸透圧が等しい約0. 9%の食塩水)を鼻から注入し、鼻腔内の鼻水や膿、細菌、花粉などの異物を取り除く鼻うがい。 鼻うがい用の器具は市販されていますが、100円ショップで売っているドレッシング容器とイヤホンパッド(シリコン製)でも作れます。 さらに、ネバネバ鼻水の人におすすめなのが重曹鼻うがいです。 重曹には、粘性を弱める働きがあり、鼻うがいの作用を高めるのです。 くわしくは下の記事をご覧ください。
次の慢性副鼻腔炎は自然治癒する? 軽症のであれば、薬を使わずに鼻うがいなどによって、自然 治癒することがあります。 特に、子供の場合は副鼻腔の発達と共にほとんどが自然治癒します。 ただし、鼻づまりや、後 鼻漏、 鼻汁などの症状が強い場合は自然治癒には期待しにくいです。 このため症状が悪化する場合やなかなか治らない場合には医療機関を受診して詳しく調べてもらい治療を受けるようにして下さい。 慢性副鼻腔炎の人が自宅でできることは? 慢性副鼻腔炎の家庭内治療の代表的なものに鼻うがい(鼻の洗浄)があります。 鼻うがいと病院での治療を組み合わせることで、早く治療効果がでる可能性があります。 鼻うがいとは? 塩水で鼻を洗浄する方法です。 鼻の中にある 膿を洗い流すことができます。 真水で洗浄すると鼻が痛くなるので、0. 9%の塩水(500mlの水に小さじ1の塩)を作って、これを用いて洗浄します。 必ずしも煮沸した水でなくても構いませんが、水道水を使う場合は、作ってから24時間以内に使い切るようにして下さい。 片方の鼻を押さえて、鼻から吸って口から水を出す行為を繰り返します。 慢性副鼻腔炎に鼻うがいは効く? 鼻うがいは慢性副鼻腔炎の多くの人に対して症状の改善効果があり、副作用や 合併症が少ないと報告されています。 鼻うがいには鼻水内の 細菌や 炎症を引き起こす物質を除去できる効果があります。 がない人に特に、鼻うがいの効果があります。 慢性副鼻腔炎にツボ押しは効く? 慢性副鼻腔炎に効果のあると言われているツボは下記です。 上星(じょうせい):頭の中央で、髪の毛の生え際から頭頂方面に2 cmほどの部位• 印堂(いんどう):眉間の中央• 迎香(げいこう):小鼻の左右の凹み• 鼻通(びつう):迎香の少し上• 合谷(ごうこく):手の甲の人差し指と親指の付け根• 内庭(ないてい):足の人差し指と中指の付け根• 太陽(たいよう):こめかみの目尻側 慢性副鼻腔炎そのものが治るというよりは、頭痛や頭重感、顔面痛などの症状が軽くなると考えられています。 病院での治療に並行して試してみてもいいかもしれません。 慢性副鼻腔炎で臭いが気になるときに自宅でできることは? 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に伴う臭いの原因は主に以下の2つです。 鼻水の悪臭• 慢性副鼻腔炎の場合、鼻水に膿が混じることが多いので悪臭を感じることが多いです。 膿を含んだ鼻水を少なくするためには自宅できる鼻うがいが有効です。 治療とともに鼻うがいも同時に行ってみて下さい。 口呼吸で口の中が乾燥すると、口の中の細菌が増えて、口臭の原因になります。 鼻詰まりに対しては治療をすることで良くなることが望め、同時に口が乾燥しないようにこまめな水分補給などを心がけることも大切です。 いずれも漢方薬をもとにして作られています。 漢方薬は、体質によって合うものが異なるため、いずれの市販薬の効果にも個人差がでます。 市販薬を購入する際には薬剤師に相談すると、自分にあった薬を選べるかもしれません。 病院では慢性副鼻腔炎に対してどんな治療をするのか? 病院で行う慢性副鼻腔炎の治療には鼻の処置や処方薬の内服、手術があります。 これらの治療を組み合わせて行うことで、症状の改善を行います。 これ以降では治療とともにかかるべき診療科や気になる点などについても説明します。 慢性副鼻腔炎は何科を受診すればいいのか? 慢性副鼻腔炎は耳鼻咽喉科で治療を行うので、受診する科として適切です。 大人の場合は耳鼻咽喉科を受診して下さい。 悩ましいのは子供の場合です。 であった場合には専門的な処置や検査ができる耳鼻咽喉科を受診するのがよいのですが、大人に比べて子供は症状を上手に伝えられなかったりすることもありを疑うのが難しいことがあります。 このため、まず小児科を受診して症状の原因が慢性副鼻腔炎かどうかを調べてもらうのはよい選択だと考えられます。 小児科で慢性副鼻腔炎と診断された場合には、その程度に応じてそのまま小児科で治療をする場合もあれば耳鼻咽喉科を紹介される場合もあります。 子供でも慢性副鼻腔炎の治療は同じ? 子供の慢性副鼻腔炎の特徴は以下の通りです。 細菌感染が多く、原因菌が大人と異なる• 症状の悪化を繰り返す• の 合併が少ない• 成長とともに自然治癒に至ることが多い 大人の慢性副鼻腔炎で最も異なる点は、鼻の奥にある アデノイドが関与することです。 アデノイドとは別名で 咽頭扁桃(いんとうへんとう)といい、鼻の奥の突き当たりの部分で、鼻からのどに移行する上咽頭という部分にあるリンパ組織の塊です。 鼻や口からはいる細菌や ウイルスと戦う物質を作ったり、戦う場となったりして、体内に細菌やウイルスが侵入することを防ぐ働きをしています。 アデノイドの細菌感染が長引くことで、慢性副鼻腔炎が治りにくくなると考えられます。 急性増悪を繰り返している場合は、原因菌を確認し、それに応じた 抗菌薬を用います。 マクロライド少量長期投与(マクロライド系抗菌薬を長期間にわたって内服する)は 耐性菌を考えて、特に子供の場合はあまり推奨されません。 小児の慢性副鼻腔炎は症状と経過、鼻の中の様子で診断されます。 X線検査や CT検査は必ず行うわけではありません。 そのため、治療の効果は鼻水や後鼻漏などの自覚症状に注目します。 慢性副鼻腔炎に処方される薬は? 慢性副鼻腔炎で処方される薬は下記のようなものがあります。 抗菌薬:マクロライド系など• 気道疾患治療薬• 抗 アレルギー薬• 副腎皮質ステロイド薬• 漢方薬 これらを組み合わせて治療を行います。 以下ではそれぞれの治療について解説します。 この治療方法は「マクロライド少量長期投与」、「マクロライド少量長期療法」、「マクロライド療法」などと呼ばれます。 この治療には、のない慢性副鼻腔炎で症状の改善に有効であった報告と、効果がないという報告の両方があります。 マクロライド系抗菌薬の耐性菌の増加の問題や、下痢の副作用が起こりやすい問題もあります。 現在、抗菌薬の不適切使用が問題となっており、治療により得られる症状改善などのメリットの大きさを考えて、マクロライド少量長期投与を行うか検討が必要です。 治療中にをひくと、悪化することがあり、症状が強い場合は、他の抗菌薬を用いることがあります。 ただし、抗菌薬が必要かどうかは慎重に判断されます。 安易な抗菌薬の使用は 耐性化につながることや下痢などの副作用もあるからです。 鼻汁の粘稠度(ねんちょうど:粘り気)を少なくする• 鼻水などの粘液を輸送する細胞の働きを改善する• 粘液貯留や粘膜肥厚を防いで気道粘膜を正常化する カルボシステインは副作用が少ないので長期間に渡って内服することもあれば、他の治療薬と一緒に使われることもあります。 好酸球性では、抗ロイコトリエン薬と呼ばれる、アレルギーを抑える作用のある薬が用いられます。 点鼻用の ステロイドはのないタイプの慢性副鼻腔炎には、症状の改善に有効な報告が多く見られます。 鼻の中に棒を入れる治療:副鼻腔自然口開大処置 慢性副鼻腔炎に対して鼻の中に棒を入れる治療が耳鼻咽喉科で行われることがあります。 この処置を副鼻腔自然口開題処置といいます。 慢性副鼻腔炎では炎症により分泌物の排泄や換気が悪くなり、さらに炎症が悪化する悪循環に陥っています。 この悪循環を改善する目的で分泌物の排泄や換気をしやすくする副鼻腔自然口開大処置を行います。 副鼻腔自然口開大処置で用いる長い綿棒には、局所麻酔薬(塩酸リドカインなど)と血管収縮薬(エピネフリンやナファゾリンなど)が塗り込んであります。 局所麻酔薬で鼻粘膜を麻酔し痛みをやわらげ、血管収縮薬で鼻の粘膜を縮めて、排泄経路を広くします。 棒を抜いた後に、鼻・副鼻腔にあったねばっこい鼻汁を、吸引して除去します。 この処置に加えて薬液を細かい霧状にして鼻や口から吸入するネブライザー療法を行なうことで、さらに症状を改善させる効果が知られています。 【参考】 耳展 2003 補1; 46: 28-33 慢性副鼻腔炎で点滴をすることはある? 慢性副鼻腔炎の治療で点滴をすることはほとんどありませんが、急激にが悪化した場合には必要なことがあります。 急激な慢性副鼻腔炎の悪化は、慢性副鼻腔炎急性増悪(きゅうせいぞうあく)と呼ばれます。 ねばっこい鼻汁や、色のついた鼻汁の量が増えたり、鼻づまりが悪化したり、頬や額、目の周囲が痛くなり、場所によっては歯痛として感じます。 細菌感染によって急性増悪が起きていると考えられる場合は、点滴の抗菌薬が使用されることがあります。 慢性副鼻腔炎の手術とは? 投薬治療や局所治療などを行っても、鼻づまりや粘っこい鼻汁、色のついた鼻汁、後鼻漏、頭痛などの症状が残る場合、手術が検討されます。 手術は 内視鏡を用いて、通常は 全身麻酔で行います。 鼻から内視鏡をいれて手術をするため、顔に傷がつくことはありません。 具体的には、内視鏡を見ながら鼻の中にあるポリープを除去したり、副鼻腔と鼻腔をつなぐ細い経路を大きく広げたりします。 日帰り手術を行なう病院もありますが、1週間前後の入院が必要になる病院が多いです。 慢性副鼻腔炎は内視鏡で治療できることが多いのですが、再発した慢性副鼻腔炎の場合は、歯茎や眉毛の下を切る手術が必要になることがあります。 慢性副鼻腔炎の治療は妊婦でもできる? 慢性副鼻腔炎でも症状が軽症であれば妊娠中でもそのまま経過をみることができます。 急激に悪化した場合は、ペニシリン系やセフェム系の抗菌薬を使用することがあります。 妊娠中に薬を使うことは赤ちゃんへの影響が心配になるところですが、ペニシリン系やセフェム系の抗菌薬は妊婦に使っても安全だとされています。 その他に、鼻うがいや、耳鼻咽喉科での鼻処置や副鼻腔自然口開大処置なども有効です。 漢方薬による治療も選択肢のひとつですが、自己判断で飲むのではなく医師から処方を受けてください。 日本で慢性副鼻腔炎の治療に多く用いられているマクロライド系抗菌薬は、妊婦に使用しても安全とされていました。 しかし、2015年に発表された論文は、ペニシリン系の抗菌薬を服用した例よりも、マクロライド系の抗菌薬を使用した例で、子供のやのリスクが増加していると報告しています。 1本の論文だけで結論は出せませんが、ペニシリン系やセフェム系の選択肢があるなら、念のためマクロライド系抗菌薬を避けるという考え方もできるでしょう。 (PLos One. 2015; 10 3 : e0122034 慢性副鼻腔炎の治療は授乳中でもできる? 慢性副鼻腔炎の治療で何を行っているかによりますが、鼻うがいや、耳鼻咽喉科での局所治療のみの場合は授乳も問題ありません。 一方で、慢性副鼻腔炎は薬を用いて治療することもあります。 日本で広く用いられているマクロライド系抗菌薬は、授乳中に使用しても安全とされています。 症状のある場合は授乳しながら治療しても安全です。 急性増悪時に用いられる、ペニシリン系やセフェム系抗菌薬も、授乳中も安全に使用できる薬剤として知られています。 慢性副鼻腔炎の治療費は? 慢性副鼻腔炎の治療は大きく分けて、投薬による治療と手術治療があります。 投薬治療では通院での初診料・再診料、処置料、薬剤料などがかかります。 画像検査をした場合は、その費用もかかります。 X線検査より、CT検査の方が高額ですが、より詳しく評価できます。 マクロライド少量長期投与で使用するクラリスロマイシンの薬価は、1日量として後発品で35円、先発品で75円程度です。 負担率などで詳細な費用は異なります。 外来通院でかかる保険点数の一例です• 初診料:時間内の一般・老人282点、乳幼児(6歳未満)357点• 再診料:時間内の一般・老人は73点、乳幼児(6歳未満)111点 時間外や休日、深夜の受診では初診料や再診料が高くなり、さらに加算点数が加わります。 処方せん料:7種類未満の投薬68点、7種類以上の投薬40点• 処置:鼻処置12点、副鼻腔自然口開大処置25点• ネブライザー:ネブライザー12点、超音波ネブライザー24点• ファイバー検査:嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部ファイバースコピー600点• 外科的処置:上顎洞 穿刺(片側)60点• 画像検査:CT撮影580点〜1000点、 MRI撮影920〜1600点、加えて診断料がかかります。 たとえば再診外来通院1回では3割負担で570円程度を窓口で支払うことになります。 再診料73点+鼻処置12点+副鼻腔自然口開大処置25点+ネブライザー12点+処方せん料68点の合計で190点となります。 1点あたり10円がかかる費用です。 そのうち1割から3割が自己負担となります。 つまり3割負担なら1900円のうち570円を支払います。 これにくわえて、薬剤料がかかります。 手術治療では手術内容や入院の有無などで、費用は異なりますが、約10万円から20万円程度です。 高額療養費制度の対象となることがあります。 費用について詳しく知りたい場合は、手術を行う病院に問い合わせてください。 行う予定の手術名や、高額療養費制度についてもあわせて質問するといいでしょう。 慢性副鼻腔炎の治療中に風邪を引いたら風邪薬を飲んでもいい?注意することはある? 慢性副鼻腔炎の治療中に、を引いた場合に薬を飲んで良いか悩むかもしれません。 人によっては、高血圧やなどの他の病気で飲んでいる薬があるかもしれません。 そのような場合は、薬の飲み合わせも考えなければなりませんので、薬局の薬剤師に相談もしくは内科や耳鼻咽喉科を受診して下さい。 をきっかけに慢性副鼻腔炎の急激な悪化(急性増悪)を起こす可能性があります。 急性増悪が起きると、鼻水がさらに黄色くなったり、ねばっこくなったり、量が多くなったりします。 鼻水以外の症状は、頭痛や歯痛、発熱などです。 慢性副鼻腔炎の急性増悪に対しては抗菌薬の追加などが必要なこともあります。 このため、症状の悪化や今までになかった症状の出現など急性増悪を疑わせる場合には耳鼻咽喉科を受診して下さい。 慢性副鼻腔炎の治療期間は?完治はするのか? 「長い治療期間」や「繰り返す再発」のために慢性副鼻腔炎は治りにくいまたは治らない病気というイメージを持たれているかもしれません。 実際に慢性副鼻腔炎は治りにくいのでしょうか。 治療期間と完治について説明します。 慢性副鼻腔炎の治療期間は? マクロライド少量長期投与を行った場合の治療期間は8-12週間が目安になります。 治療が有効だと判断される場合は6ヶ月まで治療期間を延長して経過をみることもあります。 途中で明らかに無効である場合は中止して、手術などの他の治療に切り替えます。 手術が上手く行けば治療はその時点で終了となります。 手術では病気を起こしている鼻の粘膜を切り取ったりするのでもとに近い状態になるには4週間程度かかるとされています。 「」で詳しく説明しているので参考にして下さい。 慢性副鼻腔炎は完治する? 慢性副鼻腔炎は鼻や副鼻腔の環境が改善すると完治します。 のない慢性副鼻腔炎に一定の効果があるとされてマクロライド少量長期投与は治療が有効であれば、8-12週間で完治するとされています。 しかし、慢性副鼻腔炎では一度完治しても、などをきっかけに再発することがあります。 以前にマクロライド系抗菌薬が有効であった人は、再発しても治療で完治が見込めます。 マクロライド少量長期投与について詳しくは「」で説明しているので参考にして下さい。 再発を繰り返す場合には手術も選択肢の1つです。 手術では副鼻腔と鼻をつなぐ経路を大きく広げたり、鼻内の骨で囲まれた複雑な空間を大きく1つにつなげて、副鼻腔内に炎症物質がたまることを防ぐようにします。 手術は有効な治療ですが、全員が完治するわけではなく再発する人もいます。 特に生まれつき、鼻・副鼻腔から肺などの呼吸器系の鼻水や痰を出す、線毛細胞の機能低下( 原発性線毛機能不全)がある場合は、手術をしても再発することが多いとされています。 子供が慢性副鼻腔炎になっても治る? 子供の慢性副鼻腔炎は完治が可能です。 特に、軽症であれば小児の慢性副鼻腔炎は成長とともに、自然治癒することが多いです。 このため、粘液溶解剤や鼻うがいや鼻処置、ネブライザー治療での局所治療で経過をみることが多いです。 一方で、成人と違って子供(特に幼児)はを引きやすいので症状の悪化(慢性副鼻腔炎急性増悪)を繰り返す場合もあります。 この場合、大人と同様にマクロライド少量長期投与が行われることがありますが耐性菌の問題や副作用の問題から、 第一選択の治療とはなりにくいです。 ねばっこい鼻汁が1-3ヶ月継続して、鼻づまりや鼻水によって、眠れないなどの強い症状が持続している場合にはマクロライド少量長期投与が検討されます。 (マクロライド少量長期投与については「」で詳しく説明しているので参考にして下さい。 ) 内服治療などを行っても治らない場合には手術が検討されることがあります。 慢性副鼻腔炎の手術については「」で詳しく説明しているので参考にして下さい。
次の杉原徳彦(すぎはら・なるひこ) 医療法人社団仁友会院長。 医学博士。 専門は呼吸器内科。 認定医、専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、全日本スキー連盟アンチドーピング委員。 著書に『つらいせきが続いたら鼻の炎症を治しなさい』(あさ出版)などがある。 副鼻腔炎の症状改善に「鼻うがい」が役立つ 長引く咳や、その原因となっている鼻の不調を改善・解消、あるいは予防するために、みなさんがご自分でできるセルフケアをご紹介しましょう。 慢性副鼻腔炎は、正直なところ、治りにくい病気ですが、その治療効果を高めてくれるセルフケアはあります。 それは、「鼻うがい」です。 当院でも、薬を使った治療と同時並行で、患者さんには鼻うがいをおすすめしています。 そして、それを習慣にするようになった方からは、副鼻腔炎の症状である痰がらみや後鼻漏などをあまり感じなくなった、という感想を数多くいただいています。 軽い副鼻腔炎の人の場合、鼻うがいだけで治るケースもあります。 そのため、妊娠中など、薬物治療を避けたほうがいい場合などで、症状の軽い患者さんの場合、食塩水による鼻うがいだけで治していただく場合もあります。 鼻うがいで副鼻腔炎の症状がやわらぐのは、1%の食塩水で鼻腔や咽頭あたりを洗うことで、炎症性の物質が薄まるからです。 その結果、副鼻腔炎で生じやすいネバネバした鼻水がすっきりしたり、後鼻漏をあまり感じなくなったり、といったことが起こるのです。 気管支等に流れ込む炎症性の物質が薄められることで、炎症の悪化を抑え、ぜんそく等の気管支や肺に関連する疾患の症状も、やわらげることができます。 そのほか、アレルギーの原因物質やウイルス・細菌なども除去することができ、アレルギー性鼻炎やぜんそくの症状の予防にもつながります。 一般的には、約0・9%の生理食塩水が用いられますが、私はそれよりもやや濃い1%の食塩水をおすすめしています。 塩による粘膜の引き締め効果をしっかり出すためです。 より効果を高めるには、行う「タイミング」も重要です。 おすすめしているのは、 「寝る前」と「起きた後」の2回です。 副鼻腔で産出される炎症性の物質を含んだ鼻水や膿は、寝ている間も上気道や下気道へと流れていきます。 そこで、寝る前の鼻うがいで、炎症性の物質を薄めておくのです。 そうすれば、鼻腔より下に炎症が飛び火するのを防ぎやすくなります。 また、1日の活動で鼻腔内に溜ったハウスダスト等を、鼻うがいで洗い流す効果もあります。 朝起きたあとにも鼻うがいをするのは、寝ている間に溜った炎症性の物質を洗い流していくためです。 2つのタイミングで行うことで、鼻腔内がよりきれいになり、その結果、上気道から下気道への炎症もやわらげることができます。 気軽に使えるスプレーの「鼻うがい」 また、最近は「スプレー」タイプのものもあります。 鼻の中にノズルで食塩水を流し込むのが苦手な 患者さんには、「サイナスミスト」(ニールメッド株式会社)のような、スプレータイプのものをおすすめしています(ネット通販で購入できるので、ぜひ試してみてください)。 この場合、手順が通常の鼻うがいとやや異なります。 まず、鼻の穴に液体をスプレーした後、頭のてっぺんを床側に向けるように深くおじぎをし、20秒ほど待ちます。 こうすることで、鼻腔の粘膜全体に液体を浸透させることができます。 そして、もとの姿勢に戻し、鼻をかんで鼻の中の液体を出します。 杉原家は江戸時代から続く医師の家系で、17代目の医師になるものとして生を受けるが、レールの敷かれた人生に反発し、高校時代は文系を選択。 部活のスキーの大会で肩関節を脱臼し手術を受けたことで、医師の仕事のすばらしさに目覚め医師を志す。 94年、杏林大学医学部を卒業。 2001年、同大学院修了。 東京都立府中病院(現・東京都立多摩総合医療センター)呼吸器科勤務を経て現職。 自らも喘息を患った経験があり、教科書通りの医療では良くならない患者がいることに疑問をもち、上気道と下気道の炎症に着目した独自の視点で喘息診療を行っている。 仁友クリニックを設立し、喘息治療で功績を残した杉原仁彦は祖父にあたる。
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