を吸収する能力をもつのこと。 大気中に存在するとをもたらすのでこの呼び名がある。 おもな温室効果ガスとしては, CO 2,,(),ガス,六フッ化硫黄 SF 6,水蒸気,のなどがある。 各気体の温室効果の強さは,CO 2を基準にした地球温暖化係数 global warming potential; GWPによって示される。 IPCC第5次評価報告書によると 100年間で計算した GWP 100は,CO 2を 1として,メタンが 28,SF 6が 2万3500,フロンの一種(ハイドロフルオロカーボン HFC。 大気中の濃度は CO 2が最も高いが,フロンやメタンなどの微量気体の温室効果は CO 2よりも強く,温暖化を防ぐためには微量気体の削減も重要となる。 地球の大気に含まれている二酸化炭素(CO 2)、メタン(CH 4)、オゾン、一酸化二窒素(N 2O)、クロロフルオロカーボン(CFC)などの気体の総称であり、それらの気体は、赤外線を吸収し、また、再放射する性質を有する。 そのため、太陽に暖められた地球表面から放射される赤外線の多くが、熱として大気に蓄積され地球に戻ってくる。 その戻ってきた赤外線が、地球の表面付近の大気を暖め、温室効果、すなわち、地球温暖化をもたらす。 気候変動枠組み条約においては、温室効果ガスとは、大気を構成する気体(天然のものであるか人為的に排出されるものであるかを問わない)であって、赤外線を吸収しおよび再放射するものをいう(1条5項)と定義されている。 京都議定書においては、具体的な規制対象とされる温室効果ガスは、その付属書Aに掲げられており、それらは、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)および六フッ化硫黄(SF 6)である。 ただし、これらのガスのうち、モントリオール議定書によって規制されているものおよび人為的な排出でないものは、義務の対象から除かれている(2条、5条、7条および10条)。 なお、2011年12月に南アフリカ共和国のダーバンで開かれた京都議定書の第7回締約国会合(MOP7)において、その第2約束期間に向けて付属書Aに三フッ化窒素(NF 3)を追加する改正案が採択された。 また、カナダ、日本およびロシアは、第2約束期間には参加しないこととなった。 他方、地球温暖化対策推進法(平成10年法律第117号)の第2条は、「地球温暖化とは、人の活動に伴って発生する温室効果ガスが大気中の温室効果ガスの濃度を増加させることにより、地球全体として、地表及び大気の温度が追加的に上昇する現象をいう」と定め、また、温室効果ガスとしては、京都議定書と同じ6ガスを掲げている。 [磯崎博司].
次の地球温暖化を話し合うCOP25が開幕 地球温暖化対策を話し合う国連の会議COP25の閣僚級会合が、12月10日始まる。 石炭火力発電所の新設・増設を進める日本の姿勢に批判が強まるなか、開催国のスペインに到着した小泉進次郎環境相は丁寧な説明を行う姿勢を強調した。 小泉進次郎環境相: 厳しい批判に対しては、誠実に逃げることなく丁寧な説明をし、このCOPの場を最大限日本にとってプラスになるように活かしていきたい 閣僚級会合の2日目に予定されている小泉大臣の演説で、温暖化対策の強化にどこまで踏み込めるかが注目されている。 「ステーキ食べたい」小泉環境相発言が批判されるワケ そんな小泉大臣だが今年9月のこんな発言が海外で波紋を呼んだ… 小泉進次郎環境相: ステーキ やっぱりステーキ食べたいですね。 毎日でも食べたいね 実は美味しそうなこの牛肉をめぐっても、地球温暖化防止の観点からは環境に優しくないと批判の声がある。 そもそも家畜の飼育は温室効果ガスを増やす上、とくに 牛は、鶏や豚に比べて、排出する温室効果ガスが多く、国連食糧農業機関のデータでは6倍以上だという。 その理由は、 牛は食べたエサを胃の中の微生物の力で発酵させることで消化しやすくしていて、その際に発生する温室効果ガスの一つメタンガスを大量にゲップとして大気中に排出するからだ。 イギリスの名門大学では学食での牛肉料理提供を中止 こうしたことからイギリスの名門ケンブリッジ大学では、全ての学生食堂で3年前から牛肉と羊の肉を使った料理を提供することをやめたという。 ケンブリッジ大学・学生食堂責任者: 一番下に豚肉はあるが、冷蔵庫の中に羊肉や牛肉は一切入っていません これは温暖化の防止に貢献しようとするもので、大学によると 温室効果ガスの削減量は、1年間でおよそ500トンにのぼったという。 温室効果ガス500トンは、乗用車で地球を94周回る際の排出量に匹敵するという。 ケンブリッジ大学の環境問題担当者: ここまでの削減になるとは思っておらず、ワクワクしました 一方、こうした大学の取り組みに対し、地元の畜産業者は猛反発している。 イギリスの牧場経営者: 人々は責任転嫁先を探しているのだと思う 牧場経営者によると、この牧場では加工したエサは使わず、全て牧場で栽培した草を牛に与えていて、車を使った牛の運搬も最小限にしているので温室効果ガスの排出は少ないはずだと主張している。 牧場経営者: 車や飛行機など利用する人間こそが汚染の原因なのではないか… しかしながら学生食堂で牛肉を使ったメニューをやめる動きはイギリスのほかの大学にも広がりつつある。 牛肉と温暖化を巡る議論は今後も続きそうだ。 (Live News days 12月10日放送分より).
次の太陽放射は大気にあまり吸収されずに地表面に達するが,地表面からの長波長放射(赤外放射)は大気中の水蒸気,二酸化炭素により吸収される。 大気のこのような作用は大気や地表面の放射冷却を和らげる効果があり,温室のガラスの作用に相当するため,温室効果と呼ばれる。 大量に使用されるのため大気中の二酸化炭素の量が増加し,温室効果が増大して地球の平均気温が上昇する傾向(地球)にある。 砂漠の増大や海面上昇などの可能性があり,対策が国連環境会議で検討されている。 なお,二酸化炭素,水蒸気のほか温室効果をもつメタン,一酸化二窒素,フロン,オゾンなどを含めて温室効果気体という。 すなわち、大気自身は太陽からの可視部の短波放射に対しては透明であり、大気を通り抜けたこの放射は地表に吸収される。 これに対して、地表から放出される長波放射(赤外線)の一部は大気に吸収され、その大気自身も長波を放出し、この放出されたものの一部は地表に戻ってくる。 このような働きを温室のガラスに例えた場合、ガラスは光線を通すが、内部の熱を逃がさないために保温効果があるということと似ているので、この現象を温室効果という。 大気中の成分でもっとも温室効果の大きいのは水蒸気と二酸化炭素である。 化石燃料の消費や農耕地の拡大などが原因で二酸化炭素は年を追って増大しつつあり、そのための温室効果によって地球全体の気温上昇が観測されている。 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第四次評価報告書(2007)によると、今後約100年の間に気温が上昇する範囲は1. 8~4. 人間が大気という自然に与えている影響として、二酸化炭素の増加による温室効果の増大は無視できない問題となってきている。 そのため温室効果をもたらす二酸化炭素の排出量削減に関する問題が、1992年に「環境と開発に関する国連会議」(地球サミット)で討議され、気候変動枠組み条約(気候変動に関する国際連合枠組み条約)が成立した。 1997年には京都で、地球温暖化防止京都会議が開催され、地球温暖化防止対策と措置を定めた京都議定書が採択された。 しかしその後も、温室効果の増大は、懸案の重要問題であり、さらに効果的な地球温暖化対策のための国際的枠組み合意に向けて国際交渉が進められている。 また,大気汚染物質,とくに炭酸ガスの増加は,地表面から大気中への放熱を妨げ,気温を上昇させることになる。 都心部の密集住居群にあっては,風通しの悪さに加えてコンクリートやアスファルトなどの熱容量の大きな人工構築物が夜間の冷却を妨げ,熱が何日も累積した地表面では露点温度以上の日が続き,地中温度をも異常な高温状態にして地中の生物を死滅させる。 出典| 株式会社平凡社 世界大百科事典 第2版について.
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