こんにちは。 今日は以前読んだ、 さんの 『ポイズンドーター・マザー』に関する感想や考察を書いていこうと思います! この前の『』の感想はネタバレありませんでしたが、 本日はネタバレありますので、注意してください。 本のタイトル『ポイズンドーター・マザー』は、当作品の最後の短編「ポイズンドーター」「マザー」の二つからきている。 収録作品は以下の6つ。 「マイディアレスト」 「ベストフレンド」 「罪深き女」 「優しい人」 「ポイズンドーター」 「マザー」 一つずつ考察していきます。 作品を読んでいる前提の考察になってしまいますがお許しください。 それぞれの作品の概要は簡単に書きますね。 ネタバレがあるので、苦手な方はここで読むのをお控えください。 「マイディアレスト」 概要 事件に巻き込まれてしまった妹のことを話す、6つ年上の姉の目線で物語が進む。 妹は妊娠していたが、町で妊婦を狙った暴行事件が多発していたその時期に、深夜外出中に殺害されてしまう。 」 この言葉がすべての真相といっても過言ではない。 親に厳しく育てられた姉と、甘やかされて育った妹。 男性との交際を許されてこなかった姉は、家族といても疎外感を感じている。 唯一の癒しはネコのスカーレット。 通称、スカ。 姉はスカの蚤取りをよくしてあげている。 特に、卵で腹を膨らませた蚤をつぶすのは、プチンとはじける音が心地いいので夢中になってやってしまう。 事件のあった夜、妹と一緒に散歩に行くと、部屋にいるはずのスカがなぜか外にいた。 妹がスカを外に出してあげたのだった。 姉が知らない間に、スカにも愛すべき猫(恋猫とでもいうべきか)ができていた。 ちょうど交尾に出くわしてしまったのである。 スカが襲われていると思った姉は近くの角材を拾ったが、妹に「スカはちっとも嫌がってないよ」と言われてしまう。 姉はスカーレットがそんなことをするはずがないと思った。 しかし指先に力が入らなかった。 唯一の理解者だと思っていたスカに裏切られたことがわかって、絶望していたのだろう。 「あーあ、スカーレットに先越されちゃったね」 そう言ったのは、 巨大な蚤(=妹)だった。 角材を思い切り振り上げて、蚤の腹に打ち込んだ。 そして、最後に頭を潰した。 あの夜、姉は確かに「蚤取りをしてい」たのである。 感想・考察 怖いですよね~(笑) 読んでいる最中に、もしかして姉が…と思ったのですが、それでもゾッとしました。 マイディアレスト()。 意味は、「親愛なる人」とでも訳せるのでしょうか。 ・妹を殺す最中も、姉はスカーレットのことを考え、力をもらっていること ・妊婦である妹を殺害したことを「蚤取り」と言っていること これらのことから想像すると「マイディアレスト」はスカーレットのことなのでしょう。 そして、いくつか前のページで、スカーレットに「害虫は取り除いてやるからね」と言っている姉。 これは妹も「害虫」ということですよね。 物語中によく出てくる「般若」というのは、おそらく長年自分のことを馬鹿にしてきた妹と母親の像。 この般若が出てきたとき、姉は衝動的な行動をとりがちです。 妹を殺した時もそうでした。 自分を苦しめてきた妹や母親の像が般若となり、病気的に愛猫の蚤取りをしている姉。 理解者であると思っていた愛猫の交尾に遭遇し、妹に馬鹿にされた姉は衝動的に妹を殺してしまいます。 姉は、かなりプライドが高い人物として描かれています。 36)からでしょう。 「ベストフレンド」 概要 脚本家を目指す作家3人の話。 脚本新人賞 最優秀賞 「サバイバル・ゲーム」大豆生田薫子(まみゅうだ・かおるこ) 優秀賞 「月より遠い愛」漣涼香(さざなみ・すずか) 「それからの秋、終わりの冬」直下未来(そそり・みらい) 漣涼香の目線で語られる物語で、この新人賞受賞式をきっかけに3人は連絡先を交換する。 涼香は最優秀賞を取った大豆生田に、敵対心を持ちつつもメールではいい人を装って交流していた。 大豆生田は、デビュー当初の成長は芳しくなかったものの、賛否両論を生む結末で話題になり、徐々に有名になっていった。 涼香はそんな大豆生田の姿を妬ましく思う。 大豆生田脚本の映画が賞という賞を受賞し、その映画祭の帰り道に事件が起こる。 涼香は大豆生田が空港のロビーに出てくるのをみると、バラの花束を胸の前に抱え直して大豆生田の前に駆け寄った。 その刹那、後ろに気配を感じ視線をやると、ナイフがちらついた。 ナイフを持っていたのは直下未来だったのである。 涼香はとっさに大豆生田をかばうようにして倒れた。 大豆生田に伝えたいことがあったが、それを言う間もなく死んでしまった。 そして、大豆生田の回想が始まる。 をしたら、「月にほえろ」というタイトルのブログで自分に対する誹謗中傷を見つけたこと。 そのブログの内容から、勝手に漣涼香のものであると断定してしまったこと(実際は直下のものだった)。 最後に罪滅ぼしのように、涼香本人のブログの記事を取り上げている。 (以下引用) 『悔しい、悔しい、悔しい。 だが、この悔しさが私を脚本の世界に留めてくれている。 夢をあきらめるなと誰よりも強く語りかけてくれるのは、大豆生田薫子なのだ。 親友とは、このような存在のことをいうのではないか。 親友を得たことを心の底から幸せに思う。 この思いを伝えるために、彼女に花を届けよう。 そして言うのだ。 出会ってくれてありがとう、と』 感想・考察 この物語は 直下が大豆生田に恨みをもって殺そうとしていた。 そこに涼香が現れ、殺されてしまった。 という解釈ができますね。 とても単純です。 しかし、この物語の作者はさんです。 直下さんの話はあまり物語中に出てこなかったので、殺そうとした人が直下さんであることには少し驚きましたが、それでも直下さんがいつか出てくるだろうな、くらいのことは予測はできたはず。 さんの物語だから何か裏があるはず! そう思っていろいろ考えました。 するとある一つの可能性にたどり着きました。 結論を急げば、 直下は漣涼香を殺す目的で、事件当日もあの場所に来ていたのではないかと思うのです。 以下に自分の考察を落とします。 物語の間あいだには、誰のものかはわからないが大豆生田に対する侮辱的で冷酷な一言がいくつか挟まれています。 具体的には、『田舎者はさっさと諦めろ』『プロットの書き方がわかんないとか、脚本家、舐めてんの?』などといった言葉です。 これは読者が想像するしかないのですが、おそらく直下のブログに書かれてあったのでしょうね。 作中には、大豆生田と涼香がメールでやり取りする場面ももちろんありますが、直下と大豆生田が連絡を取っていることが垣間見える内容が、大豆生田から送られてきたメールで判明します。 大豆生田は涼香に、直下と連絡を取っていることをわざわざ話しているということは、つまり、 大豆生田は直下にも涼香の近況を伝えている可能性があるのです。 大豆生田は最優秀賞に選ばれ新人プロとして活躍、涼香はプロットを会議に持ち込んでもらえたりと、順調な様子を知った直下は、一人劣等感を抱えたのではないでしょうか。 自分で推測しておいてなんですが、直下が涼香を殺す動機は正直判りません。 (笑) でも、大豆生田と涼香、どちらでもよかった、あるいはどちらにも苦しみをみせたかったと考えると、 大豆生田は有名になりすぎてが整っている。 彼女を殺すことはできないが、その状況を利用して涼香を殺そうとした。 つまり、ブログも涼香が書いたように見せかけて大豆生田をあおるような文章を書きつつ、涼香本人のブログも特定し、読んでいたのではないでしょうか。 だから、涼香の感情の変化と、直下のブログ(と思われる)の冷酷な一言が妙にぴったりと当てはまっていた。 涼香のブログを読んでいれば、おのずと映画祭後の空港に涼香が来ることも分かったのであろう。 直下は屈辱を晴らそうと、あえて大豆生田と涼香の二人がそろったところで犯行をおこなった。 大豆生田を標的にしていたら、直下は涼香のあとを走ってきて殺さないと思うんです。 涼香は大豆生田に覆いかぶさるようにして倒れたとありますが、それさえも直下の計算下にあったら…と考えました。 私の考察はこんなところです。 真相はわかりませんが、この物語は単純に解釈するべきものではないと感じます。 涼香にとって大豆生田は本当にベストフレンドだったのか。 今でも真相はわかりません。 罪深き女 概要 この物語は結構まとめるのが難しかったので簡単に書きます。 登場人物 黒田正幸:「ミライ電機」店内で無差別事件を起こし死傷者15名を出した容疑者。 天野幸奈:中学時代、黒田正幸と同じマンションで暮らしていた女 天野家の母親:シングルマザーで幸奈に男子との交際を認めない。 黒田家の母親:? 天野幸奈視点 幸奈が中学生の時の話。 黒田正幸はネグレクトを受けていて同情をしてしまう年下の男の子。 黒田家族が住む階上からは物音もしないから、母親も帰ってきていないようだ。 一方的に話しかけているうちに、すこしずつ正幸と打ち解けられた気がして、弟のような存在だと 勝手に思っていた。 正幸の母親は、子供を放っておく最低な母親だと思っていた。 だから、自分が正幸を助けるのだと、幸奈の母親の目を盗んでは世話を焼いていた。 ある正月の日、初詣で正幸がお母さんと手をつないで歩いているところに遭遇した。 正幸の母親は、幸奈の母親に「今度結婚することになって、引っ越すんです」という旨を伝えた。 そればらくして、正幸の母親が何者かに襲われて顔に重傷を負った。 幸奈は 因果応報だと思っていた。 幸奈が母親と喧嘩した日、外に出ると正幸がいた。 正幸に「助けて」といったら、その夜マンションが火事になった。 幸奈は寝ていたが、外から男の子の声で 「おねえちゃん!」という声が聞こえたから、正幸が助けてくれたのだと思った。 火事では、幸奈の母親と、正幸の母親が犠牲になった。 それから数年がたって、無差別事件が起こる数日前に「ミライ電機」で正幸と遭遇。 正幸に数年ぶりに出会えたうれしさに自分の幸せな近況ををぺらぺらと話してしまうが、正幸は幸せでなかったから 裏切られた気持ちになったに違いない。 もしかすると、 幸奈に恋心があって唯一信じられる人だったのに、その人に裏切られた絶望感から彼が今回の事件を起こしたのだと思う。 すべて悪いのは私だから、私を罰してください。 黒田正幸視点 中学生の時。 母親から放置されていたことは一度もない。 階下に住む天野幸奈の母親から執拗な嫌がらせを受け、 正幸の母親は気配を消して生活するようになったのである。 そして、正幸の母親の交際相手も、正幸を大切にしてくれていた。 優しかった母親が変貌したのは、顔に怪我を負わされた上、職場に母親と交際相手のを告発する文書が数回届いたことから、交際相手がノイローゼ気味になり婚約破棄になった頃からである。 この一連の犯人は幸奈の母親であると疑っている。 火事が起きた時、放火をしたのは正幸だが、母親からの暴力に耐えかねたことが理由であり、 幸奈は全く関係ない。 そしてついこの間、家電ストアで幸奈にあったことは覚えているが、幸奈だとは気づかず、頭のおかしい女が急に話しかけてきたと思っていた。 犯行の動機は「運の悪い人生に嫌気がさしたから」である。 考察・感想 この物語における天野家の娘と母親は、 思い込みが激しい部分があります。 幸奈は特に、一方的に想像しただけの正幸の境遇や気持ちを、まるでそれが正解のように語っています。 その姿にはかなり 気色の悪い印象を受けました。 幸奈視点と正幸視点で矛盾している点は数々挙げられますが、この主観同士のぶつかり合いでは、どこまでが本当でどこまでが嘘かはわかりません。 しかし、 正幸の人生は「女」によって変えられてしまっていることがわかります。 幸奈は正幸との関係を述べた最後に「私を罰してください」と言っていますが、絶対思ってないですよね(笑) 懐かしい、正幸との二人だけの思い出に酔っているようにみえます。 二人だけの秘密をこれ見よがしに話したいだけです、きっと。 疑いすぎですかね(笑) そして、この幸奈の一方的で気持ち悪い話を聞かされた正幸は、 取調室で唯一もっている権利「黙秘権」も剥奪されてしまいます。 変な言い方かもしれませんが、幸奈の話を聞くまで黙秘を続けていて、幸奈の話でどうしても訂正したい場所があって口を開いたということは、幸奈に黙秘権を剥奪されたとの解釈もできるのではないかと思います。 正幸の母親が暴力的になったのも、もしかすると天野家の母親のせいかもしれないし、その娘は気持ち悪いくらいの世話を焼いてくる。 そしてもう関係の途切れた数年後の取調室においてもまだ、天野家の人がかかわってくる。 完全に不運としか言えないですよね… タイトルの「罪深き女」。 それは正幸の母親のことではなく、 きっと天野家の母親のことであり、また、取調室まで間接的にでも付きまとってきた娘幸奈のことでもあるのでしょう。 それにしても、過去の人間に狂わされた正幸が無差別事件を起こした店の名前、 「ミライ電機」だなんて… 皮肉ですね。 それとも、一つ前の話の犯人「直下未来」さんと何か関係があるのでしょうか(まあ、ないでしょう)。 中編へ 長くなってしまいそうなので、まず初めの3つの物語について考察をしてみました。 続きは中編・後編で書きます! ここまで読んでいただきありがとうございました。 こちらの本は、かわいらしいクマの人形が印象的な表紙。 姉と妹、母と娘、男と女…それぞれの心情がエッセンスとなって、物語を深くしていきます。
次のどうも、夏蜜柑です。 WOWOWの連続ドラマ 「ポイズンドーター・ホーリーマザー」最終話(第6話)。 衝撃的なラスト、怖かったです。 ストーリーは同じなのに原作よりも不気味でショッキングでした。 原作にはないパン屋の店員の存在が効いていました。 淑子の閉ざされた世界を巧く表現していたと思います。 主人公が自分と同じ「長女」で「猫を飼っている」というだけで感情移入してしまっていたもんだから、どうにもやりきれなくて。 妹の「おかしい」という言葉にも、自分が言われているような、複雑な気持ちになりました。 キャラクター造形が類型的になっていたのは、あえてそうしたのかなぁ。 わたしが原作を読んだときの印象とは、少し違うような……。 伊藤歩さんと佐津川愛美さんはさすがの演技力で、見事に〝歪んだ姉妹〟を演じておられました。 実家で暮らす淑子(伊藤歩)は、一度も地元を離れたことがない40歳の独身女性。 現在は仕事に就かず、スカーレットと名付けた飼い猫だけに心を開いている。 町で妊婦が襲撃されるという事件が相次ぐ中、奔放な妹・有紗(佐津川愛美)が出産のため実家に帰ってくる。 自分には厳しい母親(梅沢昌代)だが、妹には甘い。 家族の中心である有紗が帰ってきたことで、家の中の空気も変わっていく。 ある日、淑子はパン屋の店員(ウダタカキ)に声を掛けられる。 その日から、淑子は彼に一方的な恋心を抱くようになる。 だが、淑子が店を訪れると彼の姿はなく、ほかの店員たちも「そんな人はいない」と言う。 有紗は淑子が読んでいるロマンス小説をバカにし、「35歳で処女ってありえなくない?」と笑う。 部屋にこもって猫の蚤ばかり取っている淑子を、有紗は「ちょっとおかしくない?」と母親に話す。 夜、スカーレットを探して外に出た淑子は、スカーレットが道端で雄猫と交尾をしているところを見てしまう。 有紗は「先越されちゃったね」と言い、動転した淑子は落ちていた角材を拾って有紗に振り下ろす。 取り調べ室で淑子に尋問している男は、パン屋の店員だった。 有紗が殺された時間、何をしていたのかと問われた淑子は、「蚤取りをしていました」と答える。 放送局:WOWOWプライム• 放送時間:8月10日(土)夜10時• 原作:湊かなえ『ポイズンドーター・ホーリーマザー』• 最終話脚本:吉川菜美 (「PとJK」「純平、考え直せ」)• 最終話監督:滝本憲吾 (「鈴木先生」「女はそれを許さない」)• 音楽:きだしゅんすけ/池永正二 登場人物(キャスト) 寺崎淑子(伊藤歩) 実家で両親と暮らす40歳無職の独身女性。 スカーレットと名付けた猫を飼っている。 恋愛経験に乏しく、ロマンス小説の世界に憧れている。 有紗(佐津川愛美) 年の離れた淑子の妹。 高校卒業後、東京で暮らしていた。 突然結婚と妊娠の報告をし、家族を驚かせる。 地元で出産するため実家に帰ってきた。 淑子と有紗の母(梅沢昌代) 世間体を重んじる厳格な母。 淑子に対する躾は厳しいが、有紗には甘い。 パン屋の店員(ウダタカキ) 商店街にある「スマイルパン」の店員。 淑子に声を掛けてくる。 最終話の感想 姉と妹の育て方の違い どうしても淑子に同情してしまいますね。 ラストを除いて。 わたしも妹に対しては思うところがあるし、両親の対応の違いに傷ついた経験もあるので、淑子の気持ちはよくわかる。 姉妹とか兄弟って難しいよなぁ。 親もたぶん同じように愛情を注いで育てたつもりなんだろうけど、どうしたって育て方に違いは出るよね。 姉妹と言っても別の人間だし、その時の状況も違うだろうし。 それが時に大きな差を生んでしまうこともあると思う。 今は子育ての本がたくさん出ていて、勉強しているお母さんたちが多いと思うけど、何が正解かはきっと今も昔もわからない。 ただ淑子の母親に限って言えば、彼女は自分が長女に対して支配的な態度を取ってきたことにも気づいてなさそうだった。 でも、淑子の怒りは母親ではなく、妹に向けられるんですよね……。 姉の罪、妹の罪、母親の罪 殺人は理解できないけど、有紗に怒りを覚える気持ちはわからなくもない。 ドラマに不満があるとすれば、そこの説得力が少し足りなかったところかな。 ドラマは淑子の異常性や狂気のほうを強く印象づける演出になっていて、淑子が殺害に至った経緯(母の差別的な態度や有紗の意地悪)がかなり省略されていました。 佐津川愛美さんはちょっとした目線や態度で、うまく表現されていましたが……。 だからと言って報復されてもいいとは決して思いませんが、ただ静かに息をして暮らしている人を、自己満足のためだけに容赦なく傷つける暴力的な人たちのことは、うやむやにしてほしくなかった。 ちなみにわたしはほかの妊婦殺しは淑子の犯行ではないと思っているのですが、これは願望。 もし彼女の犯行だとしたら、闇はもっと根深いのでしょうね。 わかりやすさの危険性 わたしがいちばん引っかかってしまったのは、淑子のキャラクター造形です。 彼女を視覚的にわかりやすいキャラクターにしたのは、意図的だったのかもしれませんが、わたしは〝平凡な40歳の独身女性〟として、フラットに描いてほしかったなぁ。 なんていうか……「猫を飼う40歳の独身女性」や「ロマンス小説を読む40歳の処女」に対する偏見が感じられるんですよね。 世間のイメージそのものなのかもしれませんけど、そういうの、もうぶっ壊してほしい。 やっぱりWOWOWは配役がうまいな~とあらためて。 またこういう企画をお願いしたいです。 できれば現代の女性が見て息苦しさを感じない、自由な生き方を描いたドラマがいいな。
次のこの記事で伝えたいこと• ポイズンドーター・ホーリーマザーを加入月無料で視聴する方法は? ポイズンドーター・ホーリーマザーは初回放送のみ無料放送されますが、2話以降はWOWOWの有料会員になる必要があります。 BSのアンテナを付けていない、光テレビなどの制約で、WOWOWを見られない・簡単には加入できない、という人は多いですよね。 そんな人に朗報です。 Paraviに加入していると、WOWOWの3チャンネルが視聴可能になるプランができました! 月額2300円の料金は通常の加入と同じようにかかりますが、スマホなどで見られること、また通常のBS経由のプランのように 加入月は無料で見られるのは、お得ですね。 全6編を順番だけ入れ替えて、6話それぞれの主演女優を立てて、ドラマ化されています。 この短編集でも「病んでいるの?普通なの?」と、ナゾ解きが終わるまで頭をひねってしまうような、闇を抱える登場人物が出てきます。 ゆがんでるのは娘か母か、受け取る人によって違ってくるところがポイントです。 (年に一回か二回の刊行で)バラバラなものを書いている感覚だったんです。 でも、まとめてみると全体に通じるものがある作品集になったのかなと思いました。 子供、特に娘にとっては支えであり、足かせでもありうる母の教育が、各話それぞれ母親役の女優によって描かれます。 母、もしくは娘の立場の、どちらの視聴者にも訴えかけてきますね。 ポイズンドーター・ホーリーマザー オセロのように世界を反転させる名手が、娘を真綿で支配する母親「毒親」などをテーマに描いた短編集。 この人の話は、読者に自分の身に置き換えて考えさせる力がある。 私の親は毒親ではないと言い切れるけど、私はいつか、こうならないと言えるだろうか。 — Bookworm 読書 Bookwoooorm 『ポイズンドーター・ホーリーマザー』 湊かなえ イヤミスの短編集📚 「毒親」のような母親が多く登場するため、なぜ子供にこんな言い方をするんだ?と子供側に同情しながら読んでいましたが、最後の話は…グサッときました。 視点というか立場によって見えるものはまったく違うのだなと。 ミステリ風でありながら、社会に警報を鳴らすような作品です。 寺島しのぶとW主演の足立梨花は、「意地悪な役が得意な女優」などと言われたりしますが、どのような毒娘を演じるのか、興味津々です。 ) 無差別に大量殺人を行った男と、その幼なじみの女性のストーリーです。 警察に「自分の罪」としてイロイロ語る女性の告白には一点の曇りもないように思えますが…それではすまないのが、この話の顛末です。 思い込みの強い女ということで、ひょっとしたら、この話が1番演じる女優としては難しいといえるかもしれませんね。 ヒロイン・幸奈を演じるのは 清原果耶、NHKのドラマ 「透明なゆりかご」で大注目を浴びた演技派女優です。 現在 朝ドラ「なつぞら」にヒロインの妹・千遥役として出演していますね。 また、ネットでは 相手役・ジャニーズJr. 髙橋優斗の出演も大注目を浴びています。 草刈正雄さんと千遥役・清原果耶さんを休憩スペースでパチリ。 2人の間にあるライバル心は健全なものか、ゆがんだのものか。 エンディングに向かってスリルが高まっていくのですが、読後に「やられた!」との感想を持つ人が多いようですね。 脚本家としての受賞シーンについてなどは、湊かなえ自信の経験を生かした内容といえるかもしれません。 中村ゆりはドラマ 「パーフェクトワールド」のヘルパー・葵役など、おとなしい役柄が似合う感じなのですが、怪演の呼び声高い 山田真歩とどう渡り合うのか興味津々です。 どんなドラマも看護師役は中村ゆりさん希望。 犯人は彼女だ、なんて悪い女なんだろう…と話が進んでいくと思ったら、大どんでん返しが待っているという設定です。 一体悪人は誰なのか、何故殺人にまでこじれることになったのか。 人間関係の本質なんて、意外に周囲には何も見えていないんだな…と安心するべきなのか怖がるべきなのか、迷うところです。 個性あふれる 倉科カナと浜野謙太が、「優しい人」のはずだったのに何故…と周囲が動揺するような心の闇を演じます。 主演の伊藤歩は 映画「昼顔」の妻・乃里子役や、前シーズンの 「坂の途中の家」などWOWOWドラマに連続して出演している、ドロドロはベテランの女優さんですね。 登場人物の立場が変わると、ここまで事件が一変するんだ!と驚きもするのですが、逆にストンと腑に落ちる部分もあり、面白いです! ネットにあげられている感想はどんな感じでしょうか。 「ポイズンドーター・ホーリーマザー」読み終わった! 6つの短編集。 個人的には「優しい人」がよかった。 それどころか深く傷つけたり人生を狂わせるきっかけとなったり。 怖い本でした。 自分はどうなの?と聞かれているようで夢中で読みました。 — aremo*読書 yoiyo49 『ポイズンドーター・ホーリーマザー』 湊かなえ 優しさと親切と思いやりの違いとは、と考えます。 相手の為を思ってする事が必ずしも、その人の為にはならないという悲しい現実があります。 ちょうどいい匙加減で、誰かの為になる事が、出来る人間になりたいです。 親子、男女、母子、様々な関係性で括られた不幸な人間模様を描く短編集。 湊さんの作品読んで思い浮かぶのはルービックキューブです。 角度が変われば、色が変わる。 捉える人が変われば、真実が変わる。 イヤミス感も満載。 どろっと溶け込む毒薬ですね。 人間の、結局は自己中心的な考え方をする部分が滲み出ている作品。 主観が変わるだけでこんなにも見方が違うのか。 自分も何か思い込みで、人に迷惑をかけていたりして…と考えてしまいます。 6人の主演女優たちに期待が高まりますね! 「ポイズンドーター・ホーリーマザー」はParaviで見られる? WOWOWと提携していることでよく注目されるVODのParavi。 例えばドラマ「アフロ田中」は、WOWOWとのコラボでParaviへの月会費のみで視聴可能なのですが…。 残念ながら「ポイズンドーター・ホーリーマザー」はParavの独占配信にはなりませんでした。 「ポイズンドーター・ホーリーマザー」をParavi経由で視聴する場合には、WOWOWへの申し込みが必要です。 その代わりアンテナの設置は不要、スマホなどで見られる点は便利ですね。 小説ですからフィクションなわけですが「自分の周りに起こりうるかも」とつい考えてしまうような、リアルで身近な内容がにじみ出ていて、惹きつけられますね。 連続ドラマ 「ポイズンドーター・ホーリーマザー」はWOWOWにて7月6日から、毎週土曜夜10時、全6話で放送です!.
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