茨城県守谷市の常磐自動車道で起きたあおり運転殴打事件では、傷害容疑で逮捕された大阪市東住吉区の会社役員、宮崎文夫容疑者(43)の車に同乗していた女として無関係の女性がインターネット上で名指しされ、誹謗(ひぼう)中傷を受けた。 女性が代表を務める会社には抗議の電話が相次ぎ、業務に影響が出ているといい、女性の代理人の小沢一仁弁護士(東京弁護士会)は産経新聞の取材に対し法的措置を検討すると明かした。 事件では宮崎容疑者を自宅にかくまったとして、犯人隠避などの疑いで交際相手の会社員、喜本(きもと)奈津子容疑者(51)も逮捕された。 宮崎容疑者の車に同乗し、一連の状況を携帯電話で撮影していたとされる。 小沢弁護士によると、喜本容疑者と間違われたのは、都内でウェブサイト製作などを手がける会社の代表を務める女性。 事件発生後、ネットの掲示板や会員制交流サイト(SNS)などで、喜本容疑者をこの女性とする虚偽情報が出回り、情報を収集・編集したウェブサイト「まとめサイト」などから拡散した。 女性の会社には17日午前から嫌がらせや批判の電話が相次ぎ、会社のホームページの一部の閉鎖を余儀なくされた。 PR 女性は宮崎容疑者らとの面識は一切ない。 にもかかわらず誤認されたのは、(1)宮崎容疑者が女性の写真共有アプリ「インスタグラム」のアカウントをフォローしていた(2)喜本容疑者の事件時の服装などが、女性が過去に着用していたものと似ていた-などが理由とみられる。 小沢弁護士は一連の行為を「事実無根で悪質」と非難。 虚偽情報の発信元などを特定し、法的手段を取る可能性を示唆した。 一方、すでに一部からは謝罪の申し出を受けているといい、一部サイトは「おわび」を掲載した。 小沢弁護士は「無関係の人が大きな不利益を被る危険性を認識する必要がある。 根拠の不確定な情報に惑わされないでほしい」と求めた。 ネット上の虚偽情報をめぐっては、東名高速道路であおり運転を受けた夫婦が死亡した平成29年の事故に関連し、被告の男=1審で懲役18年=と関わりがあるかのような情報を書き込んだとして、福岡県警が昨年6月、名誉毀損(きそん)容疑で11人を書類送検。 またデマを書き込まれた男性が、損害賠償を求めて提訴するなどしている。
次の常磐道のあおり運転殴打事件に絡み、誤って別の女性を容疑者扱いするツイッター記事(女性側代理人提供、一部、画像処理しています) 茨城県守谷市の常磐道で、乗用車の男性があおり運転を受け殴打された事件で、インターネット上で事件に関与したと間違って伝えられ、実名を公表された会社経営者の女性が23日、都内で会見した。 女性は「犯罪者扱いで名前と写真が流出し、信じられなかった」と話し、再発防止などを訴えた。 女性側は発信者を特定し、損害賠償を求める方針。 名誉毀損(きそん)による刑事告訴も検討するという。 事件では、停車させた車の運転手を殴ったとして傷害容疑で宮崎文夫容疑者(43)が、同容疑者をかくまったとして喜本奈津子容疑者(51)が犯人隠避容疑で、それぞれ逮捕された。 宮崎容疑者は16日に指名手配され、暴行の様子を捉えた映像はテレビやネットで繰り返し流された。 映像には顔をモザイク処理された女が携帯電話で様子を撮影する姿があったが、女性がこの女だとして17日未明、ツイッター上に女性の実名や写真が投稿された。 書き込みはネット掲示板などで広がり、女性のSNSには中傷する投稿が殺到。 経営する会社にも電話が相次いだ。 代理人によると、リツイート(拡散)は10万回を超えるとみられるという。 女性は会見で「ネットにはまだ名前が残っている。 安易に間違った情報を広めて責任が取れるのか」と批判。 再発防止のため、賠償請求は拡散に関与した人を広く対象にする方針で、代理人は「安易なリツイートが罪になることもある。 知らなかったでは済まない」と話した。
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