サムライチャンプルー。 アニメ「サムライチャンプルー」はセンスの塊!全力で推したい隠れ名作

【83.5点】サムライチャンプルー(TVアニメ動画)【あにこれβ】

サムライチャンプルー

2004年に放送されたテレビアニメ「サムライチャンプルー」。 アニメのジャンルは時代劇なんですが 「チャンプルー」の「混ぜる・混ぜこぜ」の如く なんでもアリなんですよ、このアニメ。 (ある意味混ぜるな危険とも…。 ) 大筋のストーリーは「ヒマワリの匂いのするお侍さんを探す」といったものの お侍さんが 超野球やったりタギング(ストリートアート)やったり もう何がなんだか…。 しかし!そうそうたる顔ぶれの製作陣と声優陣に 神がかったBGMと、ため息が出る程繊細な作画…。 ぶっちゃけ内容なんてどうでもいい! ガタガタ言うな。 黙って見やがれと本気がうかがえる。 まさにセンス・オブ・センスと言っていいほどの隠れた名作 サムライチャンプルーの魅力を語り尽くしたいと思います。 多少の古さはありますが、どうです? こんなスタイリッシュなOP、他に観たことあります? ストーリーはぶっちゃけ、どうでもいいんです。 いやいや、アニメを観る上でストーリーやあらすじはめちゃくちゃ重要やん! と思った皆さんに言いたい。 ぶっちゃけ、そういうアニメじゃない! だってストーリーよりも世界観に全振りしてるんだもん。 一応あらすじはこんな感じです。 現代より遥か昔、侍も平民も太平の世を謳歌していた江戸時代中頃の横浜。 天涯孤独の少女・フウは、「向日葵の匂いのする侍」の情報を求めて数多くのバイトをしていた。 そんなある日、ふとしたことで知り合った二人の男・ムゲンとジンを用心棒として、彼女は「向日葵の匂いのする侍」を探す旅に出ることを決意する。 成り行きと適当がすぎるでしょ? かっこよく言うと「筋書きのない物語」とも言えるんですが オチだけ決めてあとはみんなで回してストーリー決めよう!みたいな。 大体の話が2話ぐらいで終わるのでどの回から観ても楽しめるし ギャグ回やホラー回もあるので本当に飽きないです。 随所にスクラッチ音が響き渡り 町民がバリバリの現代語を使いこなし 奉行の役人がラジカセを担いでたり。 製作陣には豪華すぎる顔ぶれがズラリ。 サムライチャンプルーを観た人の感想に 「なんかカウボーイビバップみたいじゃない?」と言う人が多いです。 その通り。 手がけているのカウボーイビバップの渡辺信一郎監督。 サムライチャンプルーではHIPHOPやチルアウトをBGMに 様々なアーティストがトラックを提供しています。 他にも作画ではOP映像を細田守が別名義ながら手がけていました…。 最近まで知らなくてかなりビックリしました。 Nujabesの音楽でないとこのアニメは成立しない。 サムライチャンプルー=Nujabesのトラック と言っても過言ではないほど、彼のトラックを随所で聴くことができます。 海外で彼の評価は高く、36歳でこの世を去った今でも YouTubeで再生回数を伸ばしています。 中でもED曲でMINMIが歌う「 四季ノ唄」は サムライチャンプルーにおける神曲ではないでしょうか? 他にも23話における「 Aurarian Dance」もメチャクチャ良い! サムライチャンプルーにおける一番の神回です。 猛プッシュしたい回が野球回! え?サムライどこいったん? このアニメは「スポ根時代劇サムライチャンプルー」です。 物語も終盤に差し掛かる中、フウ一向はなんやかんやで野球に興じることに。 まあ、彼らの活躍のおかげで ペリーが来航するまで亜米利加が攻めてくることがなかった…とか。 第6話「赤毛異人」(Strenger Searching) サムライチャンプルーは登場人物が100人以上出てきます。 その各話で大物声優があてられたり。 第6話ではオランダ人に大塚芳忠が。 この回はいわゆる「大食い回」になります。 サムライの命である刀を担保にアナゴ丼大食い大会に出場することになったフウ一向。 大食いのサバイバル感はまさに死屍累々。 後半の茶屋と芝居小屋での斬り合いはさすが!と言わんばかり。 なんというか南蛮人版水戸黄門みたいな感じが良き! オランダ人ジョージが日本に来た理由がまたバカすぎる。 第22話「怒髪衝天」(The Cosmic Collisions) もうなんでもアリのホラー回です。 エンディングの最後の最後でびびらせやがって! 「サムライ+SF+ゾンビ」こんなカオスすぎるジャンルが観たい方は是非。 多分、唯一無二だと思うんだけど。 と言うかいろんなパロディを詰め込んだ結果収拾つかなくなって…。 絶対ふざけて作ったはず…。 第18話「文武両道」(War of the Words) いわゆる「タギング回」です。 タギングってなんだよ!って思いがちですがいわゆる ラクガキストリートグラフィティー。 ここまで紹介した中で一番のやりたい放題な回です。 ギャングは出てくるしナイフに釘バット、果ては時代に全くマッチしないタギング。 何がどうなったらこうなるの?観たく思えますが ムゲンが文字を覚えるあたりや所々に出てくる情緒溢れる風景が良き! サムライチャンプルーはある意味「大人の本気」 サムライチャンプルーは観る人を完全に選ぶと思うんですが なんと言うか「 大人が本気でふざけて作ったアニメ」と思って観れば また見方が違うんじゃないかと思います。 ストーリーの軸は時代背景からブレッブレで 時代劇のお約束はフル無視ですし、挙句野球までしちゃうあたり。 もうほんと各々が「こんなんやってみん?絶対おもろいって!」 と聞こえてきそう。 しかし、所々見える「やるからには本気」がいい味出してませんか? そして豪華な声優陣と製作陣が「オレらこんなん出来るけど?」と言わんばかり。 ゆえに第一話の ガタガタ言うな。 黙って見やがれ なるほど…。 ぐうの音も出ない。 ちなみになら全話見放題です。 それでは。

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サムライチャンプルー

チャンプルーなロードアニメ。 ひょんなことから旅の道ずれとなった三人組。 アクションとギャグを満載して、旅につきものの寄り道・脱線を繰り返し,その度に恥をかき捨てながら進行します。 と同時にこの旅は思いもよらぬ過酷な試練の始まりでもあり、これを乗り越えて新しい自分を発見する若者たちの開眼物語でもあります。 最初は随分と厨二病な設定だなと観続けるかためらいました。 しかし音楽も作画も凝っていて、時代もジャンルもチャンプルにした脚本や演出も興味深いので、試しに何編か視てみようと思いました。 結局、最終話まで26話の旅をしてきたさきに、心を揺すぶられている自分を発見してちょっと驚き、嬉しくなりました。 普段めったにアニメーションを見ない50代の男の感想です。 「ひまわりの匂いのする侍」を探す少女・フウと 成り行きで用心棒をする事になった二人の侍・ ムゲンとジンの珍道中を描いたチャンバラアクションです。 コミカルで時にシニカルな世界観で、ガラの悪いバカ・ むっつりメガネ・食いしん坊のお転婆が腹を空かせながら 旅をしてあちらこちらでトラブルを起こす、侍版「カウボーイ・ ビバップ」といった感じの作品です。 舞台は宇宙ではなく江戸時代の日本なので、ビバップと 比べるとやや地味、主役たちも若くシブさには欠けますが、 その分アクションとコメディのバカバカしさは抜群! 特に「走れメロス」のパロディ風の9話「魑魅魍魎」、 歴史初の日米対抗野球をする23話「 一球入魂」が 笑えました。 また江戸時代の性の解釈についても、昨今厳しくなる ばかりの規性に対する「日本人は元々エロいんだから、 良い子ちゃんぶってんじゃねーよ!」という監督の メッセージの様で思わずニヤリ。 他にもスパイクやジェット、ビシャス役の方々も 暑っ苦しい脇役を熱演されてます。 ヒップホップ風ですがクールな軽さはなく、良くも 悪くもビバップと同じ濃厚な世界観の爽快アクション作品、 ファンなら楽しめると思います! リアルタイムで視聴していましたが、Primeにて無料公開されている機会に再見。 NujabesのメロウなHIPHOPトラックが新鮮で、OPをチラ見した時にビビった記憶があります。 しかも、それを時代劇と併せる発想。 まずそこが凄いな、と。 アニメの出来も発想に負けていません。 一話の疾風怒濤からHIPHOPのスクラッチ 再生中のレコードを動かしてキュッキュ言わせるヤツです をアニメ的に解釈したフラッシュバック・カットバック表現を取り入れるなど実に面白い出来になっています。 しかも、それが主役三人のキャラ説明という意味で効果的に機能している。 お話の導入部に求められる要素を過不足なく新鮮に表現するのは凄い手腕だと思います。 もう一つ挙げたいのは監督:渡辺 信一郎氏のハードボイルド趣味について。 同氏の代表作『カウボーイ・ビバップ』では彼のハードボイルド趣味が前面に押し出されていました。 それとSF要素、一種の自己韜晦としてのおちゃらけが混じり合い独自の世界観を構築していた。 そのおちゃらけの先にあるシリアスなハードボイルド感が人を惹きつけていたと思います。 ただ、私にはそれがクドかった。 気恥ずかしさすら感じるほどに。 11話の堕落天使などは如何にも時代劇らしいハードボイルド感溢れる作品なのですが、実に良い後味を残して終わっている。 本作でナベシンは新境地を啓いたなと当時思っていたものです。 だからこそ、現状が悲しいのですが:制作会社Manglobeは解散、ナベシンもイマイチ 私個人としては、本作がナベシンの最高傑作だと思います。 アニメ初心者の方が取っ付き易いかどうかは判りませんが、少なくとも萌えアニメよりは取っ付き易いと思います。 是非、この機会にご視聴なさることをお勧めいたします。 2 2話:百鬼夜行 ジンを襲う暗殺者が不気味で良い味を出しています。 強さランキングでもワリと意見が分かれるキャラです。 3 11話:堕落天使 特にアニメが苦手で時代劇は好きな方におススメ出来ます。 4 23話:一球入魂 11話がハードボイルド全開なら、こっちはおちゃらけ全開です。 ステレオタイプなアメ公描写が笑えます。 5 26話:生死流転 其之参 最終話なのですが、ラストがとても清々しい。 この話を見るには全話通して見られることをおススメします。 彼らの旅の過程があってこそ引き立つラストです。 しかも出来が良い。 予算とスタッフが揃えば良いモノ作れるようで良かった。 見てない方は視聴おススメします。 『ブレードランナー』はもちろんのこと、『変種第2号』 映画名:『スクリーマーズ』 の人形とかP. ディックの他の映画へのリスペクトっぽいのも入っていて楽しいですよ 江戸時代のお話。 柄の悪いぼさぼさ頭で色々犯罪を犯していそうな男(ムゲン)と長髪にメガネ姿のちょっといい男(ジン)が、茶屋で働いていた娘(フウ)の依頼で『ひまわりの匂いのするお侍』を一緒に旅して探す物語です。 カウボーイビバップなどを撮った渡辺信一郎監督アニメの中では一番のお気に入りです。 気に入っているところは以下の通りです。 1.ヒップホップと融合したアニメーション。 特にオープニングが傑出している。 (アニメのサウンドトラック初めて買った。 )物語の進行にもヒップホップやテクノが流れる。 時には、ラップやボイスパーカッションが登場したり、それと相反してトラディショナルやコンテンポラリーミュージックも使われる。 2.ひまわりの匂いのするお侍という謎めいた言葉。 3.各エピソードは、当たり外れは多少あるものの、良くできている。 テーマの振り幅も広く遊び心があり、時には時系列を逆転させる。 ごちゃごちゃ考える必要もなく楽しめる。 4.スピード感のあるバトルアクションシーンがとにかくカッコいい。 チャンバラなのに、ムゲンはダンサーのような立ち回り。 5.江戸時代なのに現代風に喋るキャラクター達。 桁外れに強い敵キャラとか、個性的なサブキャラ、見どころ満載。 歴史上の人物、有名人、アート(絵画、映画等)、ムーブメント、カルチャーへのオマージュ、パロディー、ブラックユーモアが見え隠れする。 6.ロードムービーの常套手段。 旅とともに主人公達の源流を垣間見る。 ムゲン、ジン、フウ3人の会話とその距離、風景。 そして旅の終わりに近づく寂寥感。 続編作ってくれないかなあ。 作るの大変かもしれないけど、実写版でも結構ウケると思う。 サプライチャンプル-はただただ好きな作品。 時代考証なんて関係ない。 楽しいモノは楽しいんだと素直に思える作品です。 3人のキャラクターはそのままに、毎回、毎回新しい演出方法で見る者を笑顔にさせる作品ってのは中々ありません。 これはかなり挑戦的な作品ですね。 (ハイリスク、ハイリターン) 合わない人も居るのかも知れませんが、難しく考えずこのハチャメチャな時代劇をぜひ楽しんで欲しいです。 そもそも、時代劇にラップが出てくる点から、難しく考えるだけ損です。 ノコギリ万蔵を始め、毎回登場するサブキャラもいい味出してます。 でも、最後は3人の関わり具合をもう少し見ていたかった・・・ 2期は無いと分かってますが、その点だけが寂しいです。

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今更【サムライチャンプルー】グッとくるセリフまとめてみた~1話から12話まで~|ビバ!ミア・びぃた

サムライチャンプルー

『サムライチャンプルー』は、2004年の5月から地上波とBSを合わせて全26話で放送。 スタイリッシュな映像と、摩訶不思議な世界観の中で個性的なキャラクターたちが繰り広げる旅の物語は、目の肥えたアニメファンから注目されることになりました。 江戸時代が舞台なのにカタカナ言葉はもちろんラップまで飛び交い、ロードムービーなのに時にシリアス、時にコメディ、中にはホラーになってしまう回もあるなど、なんでもありのエピソードの積み重ねは衝撃的。 だからこそ、何度観ても新鮮で飽きない面白さに満ち溢れていると言えるでしょう。 独特なセンスが光る名匠、渡辺信一郎監督の新作情報が届いた今、改めてその代表作のひとつ『サムライチャンプルー』の魅力を、徹底的に紐解いてみたいと思います。 舞台は、現代カルチャーのエッセンスが濃厚に混ざっている架空の江戸時代。 人を探す少女フウと流れ者のムゲン、ジンが出会う横浜から物語が始まります。 フウに用心棒を頼まれたふたりですが、実はそれぞれにワケあり。 正体不明の組織から命を狙われながらの、危険に満ちた旅立ちでした。 横浜を経った一行は、フウが探す「向日葵 ひまわり の匂いのするお侍さん」の手がかりを求めて、まずは江戸へ。 そこから長崎へと向かうことになるのですが、なにしろ揃いも揃ってトラブルメーカー揃いですから、すんなりとは進めません。 途中でヤクザの抗争に巻き込まれたり、浮世絵師や南蛮人、エセ教祖に野球好きまで、あらゆる職種と人種の「変な」キャラクターたちとの出会いで騒ぎが起きます。 もちろん時には切ない恋模様も。 本作は、東から西日本を股にかけた壮大な寄り道の物語でもあるのです。 琉球からやってきた、腕自慢の流れ者。 旅の目的は、もっと強いヤツと戦うため。 と、聞くとサイヤ人に進化してしまいそうですが、そんな必要はないくらいに剣さばきと体術を合わせた豪快な喧嘩殺法で相手を圧倒します。 当面の最強ライバルは、ジン。 性格はとにかく粗暴です。 トラブルメーカーとしても天才的。 人を信用せず誰に対しても喧嘩腰なので、常に悶着を呼び寄せます。 女好きなところが問題を引き起こすこともしばしば。 ただし弱い者に対しては、ぶっきらぼうに振る舞いながらも不器用な優しさを見せる一面も。 声は、『ONE PIECE』でも強面の剣士ロロノア・ゾロを演じている中井和哉。 普段は粗野なのにボツリと名言をつぶやく時の低い声色が、強く印象に残ります。 無口でクール、眼鏡を掛けていることもあって知的な雰囲気まで漂わせている美剣士。 ムゲンとはあらゆる意味で正反対のキャラクターです。 無住心剣流の達人で、まさに電光石火のような鋭い剣を振るいます。 恩師を殺してしまったために、一門から追われる身に。 重い過去を背負っているワケあり感も、その優男ぶりに似合います。 しかし一方で、実はムッツリ。 どちらかと言えば熟女が好みらしく、遊女に身を落とした人妻を、後先を考えずに助けてしまうような突進型の顔も持っています。 テレビや舞台で活躍している佐藤銀平の声音は、感情の起伏を抑え気味。 ですが、ムゲンやフウとの掛け合いではクールな調子はそのままに、そうとうな迷言を吐きまくって笑わせてくれます。 「向日葵の匂いがするお侍さん」を探す少女。 ムゲンとジンとの出逢いをきっかけに旅立つ、本作のヒロインです。 ポジション的には昔懐かし「ドリカム編成」のセンターですが、扱われ方はきわめて邪険。 勝手気儘な用心棒どもに振り回される日々にうんざり。 それを実は楽しんでいる感があります。 特殊能力の持ち主で、満腹になると肥大化します。 常に空腹で多少食べても満たされることはないため、おおむね10代半ばの華奢で可憐な少女の風体を保っていますが、満腹時は『千と千尋の神隠し』に出てくる「坊」にうりふたつ。 ちなみにムゲンからは「軽くバケモノだな」との評が。 声を演じているのは、川澄綾子。 重い過去を背負いながらも、とことん前向きに生きようと頑張る少女を、熱演しています。 全26話のロードムービーながら、行く先々で出会う人々はとんでもない数。 シリーズ全般での出演キャラは、総勢100人を超えるそうです。 その中でも記憶に残るのは、レギュラーの3人が絡む恋模様や、強敵の存在でしょうか。 フウが心を通わせる新輔 第7話/声:渋谷茂 やオクル 第17話/大塚明夫 は、それぞれにタイプの違ういい男。 ジンが苦海から救い出す紫乃 第11話/鶴ひろみ や、ムゲンを「未来の旦那」に選んだ八葉 第15話/日高のり子 も魅力的でした。 強敵と言えば鬼若丸 第2話/佐々木誠二 や霞清蔵 第25-26話/中田浩二 が、圧巻。 ムゲンと哀感に満ちた死闘を繰り広げる最強の瞽女 ごぜ ・沙羅 第20-21話/玉川紗己子 も、強烈に記憶に残るゲストキャラです。 監督を務めた渡辺信一郎は、1998年のSFアクション『カウボーイビバップ』でさらに注目される存在になりました。 スタイリッシュな映像やこだわりの音楽など、『サムライチャンプルー』の原型的な作品と言えるかもしれません。 アメリカでも注目度は高くハリウッドからもオファーが。 2017年公開の『ブレードランナー2049』のプロモーションとなる短編WEBアニメ『ブレードランナー ブラックアウト2022』を手がけています。 ほかにも名うてのスタッフが揃っていますが、ちょっと面白いのが、武器を扱う「得物デザイン」。 担当した前田真宏はアニメーターや監督として活躍しながら、平成ガメラシリーズの怪獣デザイン、シン・ゴジラのコンセプトも手がけるマルチプレーヤーなのでした。 渡辺監督は、音楽による世界観の表現にも非常にこだわっています。 『カウボーイビバップ』では作曲家で音楽プロデューサーの菅野よう子と組んでジャズを使い、そのサントラ盤が「日本ゴールドディスク賞」を受賞しました。 『サムライチャンプルー』では、ヒップホップがコンセプト。 劇中でも積極的に使われています。 たとえば第8話では自称・将軍になる男、永光 山寺宏一 が文字どおり「ウォークマン」状態で自前のラッパーを引き連れ、BGM代りに歌わせていました。 オープニング曲「battlecry」など数曲のプロデュースを担当したNujabesは、日本を代表するヒップホップの第一人者。 36歳という若さで逝去した彼の楽曲もまた『サムライチャンプルー』を特別な作品にしているのです。 いわゆるアニメとは本来あまり関わりのないスペシャリストの「協力」もまた、作品世界を盛り上げる重要な要素となっています。 たとえばヒップホップ以外にも、多彩な音楽を劇中歌として採用しました。 第14話では奄美大島の島唄伝承者として知られる朝崎郁恵の唄声が響き、第16-17話ではアイヌの伝統音楽を継承する安東ウメ子ほかの演奏が使われています。 第20-21話で流れる「葛の葉子別れ歌」も、三味線奏者で瞽女唄を継承する月岡祐紀子が沙羅として歌っています。 ちなみにオープニングでキャラクターの背景で使われているニワトリや魚、野菜などの絵画は、すべて伊藤若冲の作品です。 江戸時代中期の絵師ですから、もしかするとフウたちが旅をしていた頃、ちょうど活躍していたのかもしれません。 セリフまわしの面白さもまた、『サムライチャンプルー』の醍醐味のひとつ。 時に無言で物を語る絵画のような演出が観られるかと思えば、時代を超越した?かのような軽妙洒脱なセリフまわしで、盛り上がるシーンもあります。 そこには数々の名言が。 たとえばジンが第11話で紫乃 鶴ひろみ に懇願するようにつぶやく「この雨が、ずっと止まなければいい……そうしたら、ずっとここにいられる」は、女性ファンのみならず男性ファンにもササりそう。 少しクサめぐらいが、ジンらしくて良いのです。 対女性ということなら、なにげなく味わい深い名言を連発しているのが、実はムゲン。 とくに第21話の18分37秒、暗殺者としての宿命とムゲンに対する想いに苦悩している沙羅との戦いに臨む時の言葉 「お前にそれしか道がねぇならよ、全部引き受けてやるよ」 は、文句なく究極の口説き文句でしょう。 そんな名言とは裏腹に、掛け合い漫才状態で交わされるセリフの応酬の中で思わず笑ってしまう迷言も数知れず。 いわゆる「番外編」となるコミカルなエピソードでの出現率がやはり多めですが、とくに第6話「赤毛異人」は秀逸。 タイトルどおり、変な日本語を話す丈二 大塚芳忠 という南蛮人が登場します。 数ある丈二の変な日本語の中でも、屋台の寿司を食べるシーンで「きっく〜!これがわびさびね〜」 正解はわさび)が、ツボ。 ほかにはジンの「私は江戸の観光地図と呼ばれた男だ」がヒット。 エンドロールの後、「第一部江戸編 完」のテロップが流れた瞬間のやはりジンの「初耳だ」の一言もスマッシュです。 実はジン、無口なようでいて掛け合いが得意。 ムゲン:てめぇ、そのうちぎゃふんと言わせてやるからな! ジン:ぎゃふんなどと本当に言う奴がいるか。 聞いたことがないわ。 野次馬 がムゲンを見て :何者だ、奴は? ジン(が冷たく):ばかものだ。 いかがでしょう。 なにしろタイトルが「チャンプルー」 「混ぜこぜにしたもの」という沖縄の方言 だけに、とても時代劇とは思えない展開を見せるエピソードもあります。 第22話ではホラーなストーリーを展開。 不死者が腐食防止のために殺菌効果に富んだ生わさびをかじるという、ブラックなギャグは見逃せません。 続く第23話は日米野球対決編。 ペリー来航のはるか以前の戦いが描かれています。 この時、登場するゲストキャラ影丸 古川登志夫 が哀川翔にそっくりという噂が一時期流れました。 2005年に発行された「サムライチャンプルー ロマンアルバム」という設定資料集で、それが事実であると証明されたそうです。 それにしても最終エピソードに向かって本来なら盛り上げまくるべきタイミングで、このユルさ。 さすがです。 ムゲンがアラレちゃんよろしく「キーン!」と八葉に迫ったり 第15話 、フウのペット、モモンガのももさんが障子を突き破ってムゲンの顔にへばりついたところがフェイスハガーそのものだったり 第19話 しても、もはや驚きません。 いかがでしたか?テレビ放送が終了してからすてに10年以上が過ぎてなお、新鮮な面白さを味わわせてくれる『サムライチャンプルー』。 ともすれば続編を期待したくなるところですが、どんなエピソードを追加したところで蛇足になりそう。 これ以上はない、というくらいに気持ちのよいエンディングを見終わって、もっとムゲンやジン、フウと旅を続けくなったなら、また最初から観てもいいかも。 新作としては、総監督を務めるテレビアニメ『キャロル&チューズデイ』も期待大。

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