国民健康保険料はどのように決まるの? 国民健康保険料(税)の計算を始める前に、まず「国民健康保険料はどのように決まるのか?」についてご説明していきます。 国民健康保険料(税)は、下の図のように「医療分」「支援分」「介護分」の3つ区分から構成されて、加入者の所得や、世帯人数を基に計算されています。 「医療分」とは 国保加入者の医療費などに充てられる保険料で、国保に加入している人全員が負担する保険料です。 (年間の医療分保険料には各市区町村ごとに最高限度額が設定されています。 ) 「支援分」とは 後期高齢者の医療費の一部を負担するために、国保に加入している人全員(0歳から74歳まで)が負担する保険料です。 (年間の支援分保険料には各市区町村ごとに最高限度額が設定されています。 ) 「介護分」とは 介護保険制度(お年寄りや寝たきりの方など、介護が必要になった方が安心して介護サービスを利用できるようにする制度)の介護納付金として、40歳から64歳までの方が負担する保険料です。 (年間の介護分保険料には各市区町村ごとに最高限度額が設定されています。 ) 「均等割」とは 国保に加入している人が均等に負担する金額です。 国保には「扶養」という概念がないので、収入のない専業主婦や子ども、無職の方でも、国保に加入している場合は負担することになります。 金額は各市区町村ごとに設定されていますので、お住まいの市区町村ホームページなどで確認することができます。 「所得割」とは 国保に加入している人の所得に対して負担する金額で、金額を計算する「所得割率」は、各市区町村ごとに設定されています。 専業主婦や子供、無職の方など所得がない場合は負担なしです。 ) 「平等割」とは 国保に加入している世帯ごとに負担するものです。 (例、1世帯つき〇〇円) ただし、平等割は負担しない市区町村もありますので、お住まいの市区町村ホームページなどで確認してみてください。 この3つの区分の「均等割」「所得割」「平等割」を計算し、最後に合計することで保険料が決まる仕組みになっています。 計算例があった方がわかり易いと思いますので、ここから以下のモデルケースでご説明していきます。 <Aさん家族の場合> 家族構成:夫35歳、妻32歳、子供3歳の3人家族 国保加入者人数:3人 所得:夫350万円(給与のみ)、妻0円、子供0円 住まい:東京都渋谷区在住 国民健康保険料は加入者ごとに計算し、世帯で合算しますので、今回のAさん家族の場合は、夫の所得から保険料を計算する基礎となる額を求め、夫、妻、子供の保険料を計算していきます。 給与所得の確認方法は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」で確認することができます。 計算方法は「所得の合計-33万円=所得割算定基礎額」です。 今回の夫の所得は給与所得のみなので、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「33万円」を引いて計算していきます。 2,270,000円-33万円=1,940,000円 所得割算定基礎額は 1,940,000円となりました。 複数の収入がある場合は? 所得の合計とは、各種収入金額から必要経費を引いた額で、複数の収入がある場合はその合計金額となります。 また、ここからは、夫、妻、子どもの3人分を計算していきます。 (渋谷区の場合、医療分の「平等割」は設定されていませんので、「均等割額39,900円」「所得割率7. 14%」で計算をします。 さきほど計算した夫の「所得割算定基礎額」に市区町村で決められている「所得割率」を掛けて計算していきます。 14%= 138,516円 夫:138,516円 妻:所得はありませんので0円です。 子:所得はありませんので0円です。 なので、「均等割」と「所得割」をそれぞれを計算していきます。 (渋谷区の場合、支援分の「平等割」も設定されていませんので、「均等割12,900円」「所得割2. 29%」で計算していきます。 さきほど計算した夫の「所得割算定基礎額」に市区町村で決められている「所得割率」を掛けて計算していきます。 29%= 44,426円 夫:44,426円 妻:所得はありませんので0円です。 子:所得はありませんので0円です。 1ヶ月あたりの保険料は28,445円となりますが、国保の場合、1年間の保険料を10回で納めることになりますので、月々約34,100円ほどになりますね。 国民健康保険に月の途中から加入する場合、保険料はいつから支払うのか?調べている方がいたら、こちらの記事を参考にしてみてください。 ただし、「収入の少ない世帯」や「会社の倒産や解雇などで失業でした人」には、保険料の負担を減らしてくれる軽減制度があります。 「収入の少ない世帯」の国保の軽減については、こちらの記事で詳しく解説していますので、是非、参考にしてみてください。
次の国民健康保険料の計算方法とは 世帯収入を調べる 国民健康保険料のうち所得割を計算する際には、総世帯収入を大元の数字として使用するため、まずは総世帯収入から算出します。 算出する際には扶養者だけでなくアルバイトやパートである被扶養者の収入も計上します。 次に収入から経費を除いた所得金額を算出します。 個人事業主や自営業者の場合は、総収入から諸経費を引き、アルバイトなどの場合は総収入から所得控除額分を減額します。 この2つを足すと総所得額になります。 基準額を計算 基準額は所得金額を使用して算出します。 算出の際には所得金額から基礎控除額分を減額しますが、基礎控除額は対象者すべてに33万円が適用されます。 つまり、基準額を算出する際の式は以下のようになります。 所得が一定以上の人に対して適用されるため、基準額が0円以下には所得割がかかりません。 資産割は、世帯が保有する固定資産を元にした固定資産税額に料率を掛けて算出します。 3つ目の均等割には料率はなく、世帯人数に定められた均等割額を掛けます。 最後の平等割は1世帯当たりで金額が設定されています。 なお、算出に使用した料率や金額などは市町村ごとに異なるため、詳しい数値を知りたい場合には問い合わせる必要があります。 また各金額は医療分と後期高齢者支援分、さらに介護分の3つから構成されており、それぞれに料率や金額が設定されています。 国民健康保険料をシミュレーション ここでは両親と子供1人の家庭を想定してシミュレーションをします。 なお、世帯の基準額は100万円とし、式の左側の項から順に医療分、後期高齢者支援分、介護分とし、介護保険加入者は1人とします。 資産割額と平等割額は市区町村ごとに設定されている場合とそうでない場合があり、千代田区では設定されていません。 そのため、1年の保険料総額は88,600円と132,900円を足した221,500円となります。 大阪府の場合、資産割額は設定されていないため、1年の保険料総額は150,620円・91,868円・54,581円を合計した297,069円となります。 国民健康保険料はなぜ高いのか? 加入者の平均所得が低い 国民年金保険制度によって支払われる保険金の多くは、被保険者が納める保険料によって賄われています。 被保険者は自営業者や個人事業主の他、無職の人などの低所得者によって構成されており、十分な保険料を支払えない人や未納の人も少なくありません。 そのため、中所得者の負担が大きくなる傾向にあります。 保険料に上限がある 国民年金保険料には上限が設けられており、どれほど所得の高い人であっても一定以上の保険料は払わなくて良い仕組みになっています。 そのため、中所得者が高所得者と同額の保険料を支払うことになるケースが考えられ、その場合の負担割合は高くなると言えます。 国民健康保険料を安くする5つの方法 確定申告して年収を減らす 確定申告を行うと、所得控除を受けられる場合があります。 社会保険料控除や生命保険料控除、寡婦控除などいくつかの項目があるため、該当するものについては確定申告で計上しましょう。 所得控除を受けると総所得の金額が小さくなるため保険料が抑えられます。 また、所得税や住民税の負担を軽減することにも繋がります。 世帯人数を減らす 前述した均等割額は「世帯の人数によって総額が決定する」という仕組みであるため、世帯を構成する人数が増えるほどその金額も増えるということになります。 つまり、世帯人数を減らせば均等割額による保険料を減らすことができます。 労働時間の調整によって会社の健康保険の被保険者になったり、既に被保険者である人の扶養に入ったりすることで保険料を抑えることができる場合があるため、確認してみましょう。 軽減措置を利用する 収入に対する保険料の負担割合が大きいと感じる場合には、保険料の軽減措置を取るという方法があります。 申請を行うには国民健康保険を運営する市区町村の役所を訪問し、担当課に相談しましょう。 申請が通れば、均等割額や平等割額が2割~7割の範囲で軽減されます。 保険を滞納すると保障を受ける権利を失う可能性もあるため、納付が難しい時には軽減措置を利用しましょう。 減免措置を利用する 保険料の納付が全く行えないという場合には、減免の措置も行われます。 ただし減免が適用されるためには以下の3点のうちいずれかに該当している必要があります。 天災による被害をはじめとした諸事情がある 2. 失業により収入が得られなくなった 3. 会社員など健康保険の被保険者が、後期高齢者医療制度に移行したことで、国民健康保険の被保険者に移行した65歳以上の人 保険料が安い地域に引っ越しする 国民健康保険制度を運営するのは各市区町村であるため、料率や金額は地域ごとに異なります。 料率や金額が安く設定されている地域に引っ越せば、保険料も安く抑えられます。 年額で数十万程度の差が発生する場合もあるため、引越しを検討している人は保険料について確認してみても良いかもしれません。 まとめ 国民健康保険料の計算方法を理解しておくと、毎年払っている保険料の内訳を算出することができます。 保険料が高いと感じる場合には負担を軽減できるケースもあるため、詳細については確認を行ったり、市区町村に問い合わせたりしてみましょう。 【保険ONLINE】の無料相談サービスです。 ご自宅でオンラインでお金・家計・生命保険などの相談が無料でできます。 対象は、20~59歳の方です。
次の令和2年度国民健康保険料の簡易試算ページ 以下の注意点についてご了承のうえ、下のリンクから簡易試算ページにお進みください。 【注意点】 必ずお読みください• 計算結果はあくまで試算であり、実際の保険料額とは異なる場合があります。 また、次のいずれかの項目に該当する場合は、保険料を正しく計算することができません。 年度の途中に新たに国民健康保険に加入する場合• 年度の途中に、世帯の国民健康保険の加入者数に変動がある場合• 令和2年1月2日から令和3年3月31日までの間に、40歳、65歳、75歳に到達する加入者がいる場合• 専従者給与がある場合• 事業所得等で専従者控除を必要経費に算定している場合• 分離課税所得(土地・建物・株式等の譲渡所得等)がある場合• 損失に係る繰越控除がある場合• 社会保険の被保険者が75歳到達により後期高齢者医療制度に移行し、その被扶養者であったものが国民健康保険に加入する場合• 国民健康保険の加入者が複数いる世帯で、加入者のうち1人が、75歳到達により後期高齢者医療制度に移行した場合• 国民健康保険料の減免が適用される場合• 非自発的失業に係る軽減制度に該当する場合• 上記のケースを含め、より詳細な保険料額をお知りになりたい場合は、お住まいの区役所区民生活課(中央区は窓口サービス課)保険料担当へお問い合わせください。
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