日本産婦人科専門医。 2008年東北大学医学部卒。 初期臨床研修を終了後は、東北地方の中核病院で産婦人科専門研修を積み、専門医の取得後は大学病院で婦人科腫瘍部門での臨床試験に参加した経験もあります。 現在は... 「基礎体温には高温期と低温期がある」こんな言葉を耳にしたことはあっても、実際にはどんな状態が良いのか、細かいことまでは知らない女性も多いかもしれませんね。 そこで今回は、基礎体温の低温期は何度なのか、高温期との差はどれくらいあるのかなどをご紹介します。 基礎体温とは? 基礎体温とは、人が生きるために必要最低限なエネルギーを使っているときの体温のことを指します。 女性の基礎体温は排卵によって左右され、約1ヶ月の周期の中で、低温期と高温期に分かれます。 その日の体調によっても基礎体温は左右されるので、正確な基礎体温を把握するには、目安として3周期(3ヶ月)ほど基礎体温を記録するようにしましょう。 関連記事 低温期と高温期に差がないのは異常?期間も重要? 低温期と高温期の温度差が低い、または期間が短いなど、基礎体温が乱れてしまうという人は注意が必要です。 低温期と高温期に差がない 基礎体温にほぼ差がなく、ずっと低温期が続いているような状態になっている女性は「無排卵月経」の可能性があります。 そのため、高温期が来ないということは、排卵していないケースも考えられます。 妊娠には排卵が必要なため、婦人科を受診し、治療の相談をしましょう。 測り方が間違っている可能性もあるので、数ヶ月間は基礎体温をしっかりつけてから受診することをおすすめします。 関連記事 低温期と高温期に差がないときの対処法は? 低温期と高温期に差が見られなかったり、基礎体温が上下したりする場合は、妊娠しやすい体づくりをするためにも、基礎体温を正しい形へと整えていくことが大切です。 基礎体温が乱れる原因は様々ですが、生活リズムの乱れや強いストレスなどが原因になり得ます。 例えば次のようなことに注意して、生活習慣を見直してみましょう。
次の基礎体温の正しいはかり方 基礎体温は正しく測らなければ意味がありません。 毎日測りつづけて、 最低2か月は続けなければ、 正確にはつかめないのです。 卵巣の働きが正常に働いていると、 通常基礎体温は、 「低温期と高温期」 の二相に分かれています。 低温期は、 生理から排卵までを起こす、 卵胞ホルモン(エストロゲン)が優位の時。 卵巣で成熟した卵胞が破裂し、 排卵が起きると卵胞は黄体になり、 黄体ホルモンの分泌が増加します。 そのため 体温が上がり、高温期に入ります。 正常な場合、高温期は約2週間続きます。 低温から高温期への移行は1~2日ほど。 低温期の体温は一般的には35. 2~35. 4度です。 しかし、この体温はあくまでも基準であり、 人によっては低温期が高かったり、 高温期が低かったりと、 かなりの個人差があります。 よく、「体温が高すぎるのではないか?」といった疑問を 見かけることがあります。 しかし、基礎体温で重要なのは、 体温の数値ではなく、 高温期と低温期の差が0. 3度以上あり、 きれいに2相に分かれているかどうかです。 基礎体温を測ったらきちんとグラフに付け、 自分の低温期と高温期を把握することが大切です。 毎日ほぼ同じ時間に測る 毎日同じ時間に測ることが一番理想的です。 もし起床時間が不規則な場合は、 朝一番初めに目が覚めた時にすぐ測るようにしましょう。 体を動かす前に測る 体を動かしてしまうと体温が上がり、 正確な体温が測れなくなってしまいます。 就寝前に、体温計を枕元に用意しておき、 安静な状態で測れるようにしておきましょう。 睡眠は5~6時間とる 夜更かしをしたり、極端に睡眠時間が短いと、 正確な体温にはなりません。 5~6時間の睡眠をとることが理想ですが、 最低でも4時間以上の睡眠は確保しましょう。 口の舌下で測り、計測中は口を開かない 基礎体温は脇の下ではなく、 舌下で測ることが基本です。 計測中に口を開いてしまうと正確に測れなくなってしまいますので、 計測中は静かにしていましょう。 測った後はすぐグラフに付け、 毎日管理することが大切です。 基礎体温に加えて、 その日の体調や気分も記録しておくといいでしょう。 [ad co-1] スポンサードリンク 基礎体温が高い場合は・・・? 基礎体温を測っていく中で、 「普段よりも低温期が高い」という場合には、 注意が必要です。 「普段と違う」ということは、 いつも正常に働いている体のリズムが、 何らかの原因によって乱されているということです。 低温期に体温が高い場合、以下のような原因が考えられます。 低温期から高温にならない• 高温期が9日以内と短い• 低温と高温が0. 3度以内• 低温期から高温期への移行が4日以上かかる• 高温期の途中で体温が下がる• 高温期の前半、または後半が低温になる このような基礎体温の場合は、 排卵がない、卵巣がうまく機能していないなどの 「黄体機能不全」が考えられます。 グラフをつけていても、 上がったり下がったりしていて 「M字状」のグラフになってしまったりと、 排卵日の特定が難しくなります。 基礎体温に変化がない• 低温期のまま月経が来た 基礎体温の変化がなく、 低温期のまま月経を迎えた場合、 「無排卵性月経」の可能性があります。 排卵がないので、妊娠もしません。 出血がある場合も、 熱くなりすぎた子宮内膜の表面がはがれて 出血となっているだけで、 通常の生理とは異なります。 「出血=月経」ではない場合もありますので、 出血の状態が普段と違わないかどうか、 常にチェックしましょう。 また、 卵胞ホルモンの分泌量の低下も考えられます。 精神的なストレスを抱えていたり、 貧血気味の方・長い間ホルモン治療を行っている方も、 このような基礎体温になりやすくなるといわれています。 高温期が3週間以上続いている 高温期は通常約2週間で終わり、 次の生理周期がはじまります。 しかし、この高温期が3週間以上続いている場合は、 妊娠の可能性があります。 「もしかして妊娠かも?」と気になる場合は、 妊娠検査薬でチェックしてみてもよいでしょう。 価格:288円(税込、送料別) 妊娠している場合、 高温期の8日~14日からでも反応が出る 可能性があります。 しかし、高温期が続いているからと言って 必ずしも妊娠しているわけではありません。 ひどく疲れていたり、 ストレスがたまっている場合も 高温期が長引くことがあります。 また、高温期が長く続いても 低温期が極端に短い場合は、 卵子が充分に成熟していないことも考えられます。 いずれも子宮に何らかの変化やトラブルが 起きている可能性がありますので、 早めに病院へ行くようにしましょう。 基礎体温に異常があっても、 医師に異常がないと診断されれば、 それほど心配する必要はないでしょう。 しかし、その時に異常がなくても 後々トラブルになるケースも少なくありません。 日ごろからストレスをためやすい• 暴飲暴食をしている• 睡眠不足• 消化不良を起こしている このような生活をしている場合にも、 低温期の体温が高い原因になります。 特に、精神的なストレスは、 基礎体温に大きく関係しています。 さまざまなトラブルを防ぐためにも、 日常の生活を見直し、 ストレスを上手に解消することは、 基礎体温を正常に保つことにとても大切です。 [ad ad-2].
次のこの記事の目次• 体温が高い6つの原因 人よりも体温が高いと感じている人は、体温が高い原因を確認しておきましょう。 体温が高い原因は6つあるんです。 病気 体温が高い原因の1つ目は、病気です。 風邪をひいたり、インフルエンザにかかっていたりすると、熱が出ますよね。 また、そのほかの様々な病気でも発熱することがあります。 「病気で熱がある時には咳が出たり、鼻水が出たり、頭痛があったりするんでしょ?」と思うかもしれません。 でも、熱が出るのは風邪やインフルエンザだけではありません。 そのほかの 細菌やウイルスに感染することで、発熱することがありますし、 がんでも微熱が出ることがあります。 また、 甲状腺機能亢進症でも発熱しますので、体温が高くなるのです。 ストレス ストレスも体温が高い原因です。 風邪のような症状はないのに、微熱がずっと続いているという時は、ストレスが原因で体温が高い可能性があります。 ストレスを感じると、交感神経が活発になって、体温が高くなるのです。 たとえば、細菌やウイルスが体内に侵入した場合は、それに対抗しようとして、免疫力を高くするために、交感神経を優位にして体温を高くします。 ストレスを感じると、それと同じメカニズムで、体温が高くなるのです。 ストレスは自律神経のバランスを乱して、自律神経失調症から体温を低くすることもありますが、交感神経が優位になりすぎて、体温を上げて、微熱が続くこともあるのです。 ストレスを感じていて、何の症状もないのに微熱が続くという場合は、ストレスが原因の可能性があります。 筋肉量が多い 体温が高い原因の3つ目は、筋肉量が多いことです。 筋肉質の人、筋肉量が多い人は、体温が高い傾向があります。 なぜなら、 筋肉は人体の中で最もたくさんの熱を産生する器官だからです。 そのため、筋肉量が一般の人よりも多い人は体温が高いんです。 普段からスポーツをしている人、体脂肪率が低い人は、体温が高いのが普通ですから、特に心配する必要はありません。 体に熱がこもっている 体温が高い原因の4つ目は、体に熱がこもっていることです。 私たちは、体の中で熱を作り、その熱を放散することで、体温を一定に保っています。 でも、熱を上手に放散できない場合、体に熱がこもりますので、体温が高くなってしまうんです。 一種の熱中症と同じような状態ですね。 熱を放散する方法は、汗をかくことですが、汗をほとんどかかない人っていますよね。 汗をかかない人は、体に熱がこもりやすいので、体温が高くなります。 体に熱がこもりやすい人は、熱中症になりやすいので、とても危険であり、注意が必要になります。 体質 体温が高い原因の5つ目は体質です。 子どものころから平熱が高めの人は、体質で体温が高い可能性が高いです。 体質で体温が高い人は、基礎代謝が高めですので、痩せている人、食べても食べても太らない人が多いと思います。 子どものころから平熱が高めで、痩せ型の人は、体質的に体温が高いと考えて良いでしょう。 高温期 体温が高い原因の6つ目は、高温期であることです。 ここ1~2週間、体温が高いという女性は、高温期が原因の可能性が高いと思います。 生理がある女性は、 生理周期の中で低温期と高温期に分かれることを知っていますか? 関連記事 ・ ・ 体温を下げる7つの方法 体温を下げるためにはどうしたら良いのでしょうか?1つ知っておいてほしいことは、体質で体温が高いことは、特に問題ではないことです。 体温が高いと、汗をいっぱいかくし、1人で暑がってしまうため、ちょっと恥ずかしいと思ってしまう人が多いと思います。 でも、 体温が高い人は、基礎代謝が高いため痩せやすく、たくさん食べても太りにくいというメリットがあります。 また、免疫力も高くなりますので、風邪やインフルエンザにもかかりにくくなります。 そのため、体質で体温が高い人は無理に下げる必要はありません。 ただ、 体温を下げる方法を知っておくと、夏でもエアコン控えめにして過ごせるようになりますし、熱中症予防にもなりますので、体温を下げる方法を確認しておきましょう。 ホルモンバランスを整える 体温を下げる方法の1つ目は、ホルモンバランスを整えることです。 体温が体質的に高いことは、問題ありません。 でも、女性の場合、低温期と高温期がしっかり分かれていることは大切です。 低温期は体温がある程度下がらないと、質の良い卵子が育ちにくいとされています。 そのため、低温期はしっかりと体温を下げて、低めに保つためには、ホルモンバランスを整えましょう。 女性ホルモンのバランスが整えば、低温期は体温が低めに、高温期は体温が高めに維持することができます。 ・規則正しい生活を送る ・早寝早起きをする ・ストレスをため込まないようにする ・1日3食しっかり食べる ・適度な運動をする このような生活を送るようにすると、ホルモンバランスが整いやすくなります。 また、大豆イソフラボンを積極的に摂取すると良いでしょう。 大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ていて、エストロゲンの働きを補助する作用がありますので、ホルモンバランスを整えやすくなるんです。 汗をかくようにする 体温を下げるためには、汗をかくようにしましょう。 普段汗をかく習慣がない人は、暑いと感じてもなかなか汗をかくことがないですよね。 汗をかかないことで、熱が体にこもり、体温が高くなるのです。 汗をかいて体温を下げるためには、汗腺を鍛えるようにしましょう。 汗腺を鍛えるためには、半身浴がおすすめです。 みぞおちのあたりまでお湯を張った湯船にゆっくり入ると、心臓に負担をかけずに、長時間体を温めることができます。 そうすると、少しずつ汗をかけるようになってきます。 半身浴は1回行っただけではダメです。 毎日継続して、半身浴を行うようにすると、汗腺が鍛えられて、汗をかけるようになります。 汗腺を鍛えて、汗をかけるようになると、ちょっと動いただけで汗をかき、体温を下げることができます。 汗をかけるようになることは、熱中症の予防にもなりますので、汗がかけないために、体に熱がこもって体温が高い人は、半身浴で汗腺を鍛えるようにしましょう。 冷たいものを食べる 体温を下げる方法3つ目は、冷たいものを食べることです。 体温が高い時には、冷たい飲み物、冷たい食べ物を食べることで、体を内側から冷やすことができますので、おすすめです。 ただ、 キンキンに冷えたものを一気に飲むと、胃腸に負担をかけてしまいますので、胃腸に負担をかけすぎないように、冷たいものを食べすぎ・飲みすぎるのはやめておいたほうが良いでしょう。 体を冷やす食べ物を食べる 体温を下げるためには、体を冷やす食べ物を食べましょう。 体を冷やす作用がある食品を食べることで、体を内側から冷やして、体温を下げることができます。 体を冷やす食品には、次のようなものがあります。 ・トマト ・きゅうり ・ゴーヤ ・バナナ ・ナス ・スイカ ・メロン ・梨 ・マンゴーなど南国フルーツ 夏野菜や夏が旬の果物、熱帯地方でよく食べられるフルーツなどは、水分とカリウムが多く含まれています。 カリウムは利尿作用があり、尿をたくさん出すことで、体の熱を一緒に逃がしてくれるので、体温を下げることができるのです。 水分をたくさん取る 体温を下げる方法の5つ目は、水分をたくさん摂ることです。 水分をしっかり摂ることで、熱中症予防になりますよね。 また、先ほども言いましたが、体温を下げるためには、尿をたくさん出す必要があります。 尿をたくさん出すためには、カリウムをたくさん摂ることも必要ですが、それ以上に水分をたくさん摂る必要があります。 また、水分をたくさん摂ると、汗をかきやすくなりますので、体温を下げたい場合は、水分をたくさん摂るようにしてください。 太い血管の近くを冷やす 体温を今すぐ下げたい場合は、太い血管の近くを冷やしましょう。 熱中症になってしまった、高熱が出た、汗をたくさんかいて恥ずかしいから、すぐに体温を下げたいという人は、氷嚢や冷却パッドなどを使って、太い血管の近くを冷やしましょう。 太い血管の近くを冷やすことで、血液を効率よく冷やすことができますので、体温を素早く下げることができるんです。 具体的には、次のような場所を冷やしましょう。 ・脚の付け根(大腿動脈) ・わきの下(腋下動脈) ・首筋(頸動脈) この場所に冷たいものを当てておくと、体温をスッと下げることができます。 病院を受診する 体温を下げる方法、最後は病院を受診することです。 これは、病気が原因で体温が高い時のための対処法ですね。 体温が高い以外にも、頭痛や咳、鼻水、体の痛み、腫れなどの症状が出てきたら、病気が原因で、体温が高い可能性があります。 病気が原因で体温が高い場合、それは体からのSOSですので、病院を受診して、病気を治しましょう。 「たかが微熱でしょ?」と思っていると、思わぬ重症の病気の可能性もありますので、過信せずに病院を受診して、きちんと検査しておいたほうが安心です。 体温が高い原因・下げる方法についての総まとめ ・体温が高い原因 「病気の可能性がある」「ストレスによる交感神経の活発化」「筋肉量が多い」「体に熱がこもっている可能性」「子供の頃から平熱が高めの人は体質」「女性は高温期の可能性」 ・体温を下げる方法 「ホルモンバランスを整える」「汗をかくようにする」「冷たいものや体を冷やす食べ物を食べる」「水分をたくさん摂る」「足の付根や脇の下、首筋など、太い血管の近くを冷やす」「病院を受診する」 体温が高い原因と体温を下げる方法をまとめました。 体質で体温が高い場合は、特に問題ではありません。 体温が高いと、痩せやすい体質になりますし、免疫力も高いので、健康にも良いからです。 ただ、体に熱がこもってしまったり、病気で熱がある時などは、早めに熱を下げるようにしましょう。 また、体質で体温が高い人も、暑い季節に体温を下げる方法を実践すると、熱中症になりにくく、クーラー控えめで快適に過ごすことができますので、ぜひ今年の夏は体温を下げる方法を実践して、快適な夏を過ごしましょう。
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