熊野 カルデラ。 世界遺産 鬼ケ城(おにがじょう・三重県熊野市)

世界遺産 鬼ケ城(おにがじょう・三重県熊野市)

熊野 カルデラ

熊野は紀伊半島南部の一帯を表します。 熊野詣では、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を回ることで、京都から300キロ、1ヶ月がかりの旅です。 それでも神々の住まうとされる熊野には、蟻の熊野詣でと例えられるほど人々が殺到。 なぜ熊野を、多くの人がめざしたのでしょうか? 熊野古道の大門坂 ブラタモリは、熊野古道の大門坂を登ります。 大門坂の石段は、屈指の人気観光スポット。 石段は、砂岩からできています。 このことが、熊野の地形を知るカギになります。 大門坂の途中にある十一文関跡からは、遠く那智の滝が見えます。 むかしは、通行料11文を支払って、那智の滝へ向かいました。 ブラタモリのルート概要:大門坂バス停から、古道(歩行者専用、石段)を経由し那智の滝まで歩く。 距離は約1.2キロ。 落差日本一の那智の滝:ブラタモリ熊野 ブラタモリは、飛瀧(ひろう)神社境内に当たる、那智の滝に到着! タモリさんも大感動。 国宝・那智瀧図の絵は、決して大げさではありませんでした。 那智の滝は、御神体、神様が住む場所です。 滅罪浄化の場所としても知られ、多くの人が滝をめざしました。 那智の滝を観察すると、さきほどの熊野古道の石畳の柔らかい砂岩ではありません。 岩肌は、流紋岩です。 マグマが冷えて固まった硬い石です。 落差日本一の那智の滝は、どのようにできたのでしょうか? 那智の滝は、流紋岩と砂岩の境目だったのです。 雨水は、砂岩を削り砂岩の場所は低くなり、那智の滝が誕生しました。 関連:華厳の滝() 熊野那智大社:ブラタモリ熊野 地図: 大門坂バス停から、古道(歩行者専用、石段)を経由し那智の滝までは、約1.2キロ(徒歩30分)。 那智の滝から熊野那智大社までは、0.9キロ(徒歩15分)。 観光時間を含みません。 熊野那智大社 熊野那智大社境内には、大きな石があります(一般非公開)。 神の遣いヤタガラスは、サッカー日本代表のシンボルマークにもなっています。 現在石になって休んでいるのです。 ヤタガラス … 天照大神が、天皇の軍を導くためにつかわした鳥。 熊野那智大社の不思議 熊野那智大社には、護摩木があります。 護摩木は、修行や仏への供物として使われる、お寺(仏教)のものですが、なぜここにあるのでしょうか? 青岸渡寺 熊野那智大社の隣には、 青岸渡寺(せいがんとじ)があります。 ふたつの寺社の社殿と仏殿の間は、もともとは渡り廊下があり、互いに行き来できました(現在、柱に修復の跡があります)。 神仏習合の痕跡です。 神社(青岸渡寺)の御神体である那智の滝と、お寺の三重の塔を一度に見ることができます。 神様は、現世の苦しみから人々を救ってくれるありがたい存在(滅罪浄化)。 仏様は、死後の苦しみから人々を救ってくれるありがたい存在。 互いに別々の役割があり、都から遠すぎず近すぎずという距離が、熊野のありがたさが増したのです。 鳥羽上皇の21回に見られるように、何度も訪れる人も多くいました。 (注)鳥羽上皇21回、後鳥羽上皇28回、後白河上皇33回 熊野三山は、もともと別のものでしたが、平安時代にまとまりました。 熊野古道を整備し、上皇を熊野に呼び寄せたのは、誰だったのでしょうか? 関連:(熊野詣を定例化した白河院は、それ以前には高野山にも訪れていた) 【後編】熊野の奇岩:ブラタモリ熊野 熊野の観光といえば、熊野三山への熊野詣で、それらを結ぶ熊野古道、さらに温泉も多くあります。 ブラタモリで紹介された主な観光地:獅子岩、花の窟、熊野川の舟下り、ゴトビキ岩、高池の虫喰岩、橋杭岩、古座川の一枚岩、那智の滝。 ブラタモリは橋杭岩からスタート。 橋杭岩は、和歌山の観光ガイドには必ず出てくる名所です。 橋杭岩は、どのようにしてできたのでしょうか? 橋杭岩は、地中でマグマが上昇し、泥岩層に貫入し冷えて固まり、波の浸食により柔らかい部分が削られたものです。 熊野の地形は、1400万年前の熊野カルデラの火山活動(東西23、南北40キロに渡る)によるものです。 古いカルデラのため、原型はとどめませんが、熊野の地形全体に影響があります。 アクセス:串本駅からバスで5分 川湯温泉:ブラタモリ熊野 写真:楽天トラベル ブラタモリは、山のなかの河原を訪ねます。 川の水面を見ると、川底から何かが沸いているのが分かります。 触ると暑く感じます。 川面を掘れば温泉が沸く、川湯温泉です。 アクセス:新宮駅からバスで約1時間 タモリさんが足を入れてみるとかなりの高温。 70度もあります。 川湯温泉では、川の水で埋めて温泉として利用するのです。 熊野は火山としては1400万年前のものですので、すでに熱源は衰えています。 なぜ川湯温泉は、これほどの高温なのでしょうか? 紀伊半島に沈み込んでいるフィリピン海プレートはまだ若く、海底の大山脈(海嶺)からおよそ300万年前に押し出されてきたものです。 そのため、まだ十分に熱量を持っています。 北米大陸から1億年かけて移動してくる太平洋プレートに比べ、比較的フレッシュなフィリピン海プレートが、川湯温泉を作っていたのです。 通常、地下を1キロ掘ると温度は30度上昇しますが、紀伊半島では40度上昇する場所が多いです。 そのため、雨水が2~3キロ回るだけで、高温の温泉が誕生します。 流紋岩の役割 川湯温泉の川岸には、橋杭岩と同じ流紋岩が目立ちます。 流紋岩は、地下で冷え固まるときに、多くの割れ目が生じています。 そのため、プレートの熱をよく通し、温泉の通り道にもなります。 湯の峰温泉:ブラタモリ熊野 ブラタモリは、小川に沿う、湯の峰温泉を訪ねます。 写真にある木の枠に囲まれた湯筒では、野菜を温めたり、ゆで卵を作ったりすることができます。 地元の人も観光客も利用できます。 タモリさんがゆで卵を試食すると、塩気を感じます。 海底のプレートに由来する温泉のため、塩気が残っているのです。 アクセス:新宮駅からバスで1時間15分。 湯筒のすぐ北につぼ湯。 ブラタモリは、湯の峰温泉の河原にあるごく小さな公衆浴場、つぼ湯を訪ねます。 2人しか入れない広さですが、世界遺産に認定されました。 つぼ湯の横には、熊野古道があります。 つぼ湯は、熊野古道と同時に世界遺産登録されています。 つぼ湯は、熊野本宮大社へ詣でる前に、身を清めるために使われていたのです。 熊野本宮大社:ブラタモリ熊野 熊野三山とは、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の総称。 ブラタモリは、熊野詣でに欠かせない、熊野本宮大社を訪ねます。 アクセス:紀伊田辺駅からバスで2時間 熊野本宮大社の参道には、一部熊野古道の原型が残っています。 ブラタモリは、熊野本宮大社の内部を見学します(一般非公開)。 社殿の下には、腰掛けがあります。 籠縁(こもりえん)は、ようやく熊野本宮大社にたどり着いた人が、一息つくための場所です。 タモリさんが腰掛けると、天井が低くどことなく落ち着く場所です。 頭上には、熊野の神々が鎮座します。 大斎原(おおゆのはら) 現在の社殿は洪水のために移転したもの。 もとの社殿があった場所には、大きな鳥居だけが残されています。 日本一の高さを誇ります。 川の中洲の真ん中にあたる場所は、大斎原(おおゆのはら)と呼ばれ、今でも熊野本宮大社の神事が行われます。 山中にぽっかりと奇跡のように広がった中洲と河原の存在が、この場所に神の存在を感じさせました。 ここは、川の中流域に当たる場所です。 川の下流は火山性の硬い流紋岩が広がり、川幅が狭くなるため、中流域に土砂が堆積し、中洲が生まれたのです。 ブラタモリ• … ブラタモリ現シリーズの記事の一覧です。 … いいねすると、記事完成時に連絡が行きます。 ツイッターもあります。 ブラタモリ熊野編(後編)のまとめです(日曜に完成) 熊野の奇岩、2つの温泉地、熊野本宮大社の秘密が紹介されました! — ブラタモリ buratamori2018.

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熊野がテレビに出ます!NHKの「ジオ・ジャパン~絶景列島を行く」4月18日

熊野 カルデラ

熊野観光に欠かせないの成り立ちに迫る一方で、熊野にかつて存在していたものにの注目が集まっている。 直線上に岩が立ち並ぶ姿が橋の杭のように見えるため、この名前で呼ばれている。 およそ0万年前、熊野の地下深くでは活発な火山活動が起きていたと考えられており、この時、泥や砂が固まった岩にが入り込んで冷えて固まった。 やがて地面が隆起し、海の波などの侵食を受けて現在のができたという。 この火山活動は、地面が陥没するほどの超巨大な「噴火」によるもの。 なお、とは火山活動によってできた大きな窪地のことだ。 かつて熊野には、東西が23キロ、南北が40キロほどある大きな熊野があった。 この大きさは阿蘇の倍にもなり、世界最大級の大きさ。 しかし、この熊野は風化してしまい、現在は残っていない。 だが、の形はないが、根っこの部分は今でも残っているという。 噴火!熊野!は無くなったが、根っこは残ってると。 だから色んな奇岩が残ってるのか。 ふかぁ〜居場所で起こった火山活動から出来たもの!凄い!! — miturum miturum に住んで60年近く、熊野の存在を初めて知りました。 — さーん! o 熊野でけえええええ 火山群があったんだなあ — 水崎 春 7ir 熊野。 日本各地には熊野以外にも、世界最大級の阿蘇や、複数の小規模なが侵食により繋がった箱根など、様々なが存在。 番組で紹介されたことにより、これからさらに興味を持つ人が増えるかもしれない。

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南紀熊野ジオパーク

熊野 カルデラ

鬼界カルデラは九州地方の縄文文化を壊滅させている 鬼界カルデラ(東西約20キロ、南北約17キロ)の縁にある薩摩硫黄島は近年も噴火を繰り返しているが、カルデラ中央部は海域にあり、大きな火山活動は観測されていなかった。 しかし、研究チームは一昨年からの調査で、溶岩が水中に流れて冷え固まった跡などを発見。 直径約10キロ、高さ約600メートルに及ぶ溶岩ドームの存在が明らかになったという。 体積は320億立方メートル以上で、琵琶湖の水量(275億立方メートル)をも上回る。 参照元:底火山「鬼界カルデラ」に巨大な溶岩ドーム(読売オンライン) 日本最強の海底火山である鬼界カルデラを調査したところ、凄まじく大きな溶岩ドームが発見された。 しかもその溶岩ドームの体積が320億立方メートル以上!! …なんかスゴイ。 だけど、この320億立方メートルをキロ立方メートルにすると 32km3になる。 こう表現すると、ちょっとだけ落ちつける気がする。 では32km3の体積を持つ溶岩が巨大噴火をした場合、日本はどうなってしまうのだろうか? それには、 7300万年前に発生した鬼界カルデラの噴火を知る必要があるだろう。 7300万年前、鬼界カルデラでは超巨大な噴火が起き、 当時の九州地方にあった縄文文化は軒並み壊滅したといわれている。 そのときの噴火での噴出物堆積は 170km3だ。 今現在、鬼界カルデラに溜まっているのは32km3の溶岩。 もちろん最低でも32km3なので、実際はもっと遥かに大量の溶岩が蓄積されているかもしれない。 とはいえ、7300万年前の170km3と比べると、その規模は 5分の1程度となる。 「な~んだ、じゃあ日本は大丈夫かな?」 そう思ったとしたら、その判断は間違っていると言わざるを得ないだろう。 20世紀最大のピナトゥボ火山噴火との比較 20世紀最大の大噴火といえば、1991年の ピナトゥボ山大噴火だ。 この大噴火でピナトゥボ山の頂上はぶっ飛んで消え去り、標高が1745メートルから1486メートルになってしまったというから、その恐ろしさが想像できるだろう。 ピナトゥボ火山の大噴火はフィリピンに大被害をもたらしたが、その影響は世界規模で発生した。 火山からの噴出物は成層圏まで届き、地球の平均気温が0. 4度も下げたという。 この20世紀最大のピナトゥボ巨大噴火での噴出物堆積は 10km3だ。 もう一度言おう、 10km3で地球規模の気候変動が巻き起こった。 鬼界カルデラには最低でもこの3倍の32km3の堆積物が眠っている。 もしこれが爆発したとしたら… 単純計算でピナトゥボ火山噴火時の3倍の被害が発生し、地球全体の気温が1. 2度下がるということになるだろう。 鬼界カルデラが噴火した場合に起こり得ること もし、鬼界カルデラが大噴火を起こしたら? 九州地方でとんでもない被害を受けるのはもちろん、関東地方に住んでいたからって安全とは言えない。 恐らく巻き起こった噴煙の影響は北海道まで届くだろう。 九州地方や沖縄は避難区域になり、住んでいる人たちは本州への移動を余儀なくされるかもしれない。 それに本州や四国だって安全とは言えない。 噴火の影響により、私たちの生活基盤は徹底的に破壊されてしまうだろう。 まず火山灰の影響で日本全体で飛行機の運行がストップする。 火山灰がエンジンに悪影響を及ぼすためだ。 鉄道も通常運転が難しくなるだろうし、道路状況もかなり悪化するだろう。 浄水場への降灰で飲み水が不足する、気温の低下、日照時間の低下で農作物が不作になる、火力発電や原子力発電にも悪影響を及ぼす。 また、日本全体に火山灰が降りかかることとなるので、健康被害も重大になる。 火山灰はトゲトゲしいフォルムの粒子なので、目に入ったら目を傷めるし、気管支炎やぜんそくの原因ものなり得るだろう。 もし鬼界カルデラが本気で噴火したら、日本で生活していくことが困難になるはずだ。 何年にわたって断続的に噴火した場合、復興への道はより困難になる。 鬼界カルデラが噴火する確率 鬼界カルデラが噴火したとしたら、日本国民が即座に壊滅するわけではないけれど、その被害は凄まじいものになるだろうし、日本で生活するのが困難な状況が数年は続く可能性がある。 では、鬼界カルデラはホントに噴火するのだろうか? センター長の巽好幸教授(マグマ学)は「日本列島で巨大カルデラ噴火が起きる確率は今後100年間に1%だが、最悪の場合、約1億人の犠牲者が出るとされる」と話し、噴火予測に向けてマグマだまりの可視化をめざす考えを示した。 参照元:(毎日新聞) 専門家曰く、鬼界カルデラの噴火が起きる確率は 今後100年で1%だという。 さらに最悪の場合は1億人の犠牲者がでる。 個人的には1億人の犠牲者は言いすぎな気がするが、長期的に見れば最悪それくらいは犠牲者が出るかもしれない。 少なくとも日本はまともな経済活動ができない国になるだろう。 100年の間に1%の確率。 これが高いのか低いのかはわからないけれど、今後の調査や研究によって巨大噴火の前兆を察知することは可能だろう。 そうすれば、事前に避難したり対策をすることで、被害を最小限にすることができるかもしれない!! たぶん私たちが生きている内は噴火しないだろう…そう祈りつつも、もし噴火してもきっと日本は被害を最小限にできるし、それを乗り越えられるのではないだろうか。

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