イタチが追い詰められたとき、悪臭を放つことを示し、転じて、 せっぱ詰って最後に非常手段に訴えるという意味です。 肛門にある臭腺から放たれるかなり臭い分泌物は、 マーキングや糞ににおいをつけることで個体間のコミュニケーションに使われていると考えられています。 ところで、一般に「イタチ」といっても、日本には2種のイタチが生息しています。 ただ姿を見ただけではほとんど区別がつきません。 もともと北海道を除く日本本土にはニホンイタチが生息し、 チョウセンイタチは対馬にのみ生息していました。 北海道には明治の開拓とともに定着するとともに、 ニホンイタチはネズミの天敵として全国に放された歴史があります。 チョウセン イタチは1930年ごろ毛皮養殖のために阪神地方に持ち込まれたものが逃げ出して西日本に広がっていきました。 九大新キャンパスに生息するのはすべてチョウセンイタチであることが分かっています。 西日本の都市部でチョウセンイタチがニホンイタチと置き換わったことにおいて、 2種の競争関係はあったのでしょうか。 それは明確には分かっていません。 ただ、チョウセンイタチは幅広い食性を持っており、ネズミ、昆虫からパン、 砂糖菓子まで大きく変えることができ、人間と同じ場所で生活できる"神経の太さ"を持っているようです。 そのためニホンイタチが逃げ出した都市部に入り込むことができ、 農漁村では体の大きいチョウセンイタチがニホンイタチを直接追い出したのかもしれません。 チョウセンイタチはあまり魚を捕食することはないようですが、河沿いに生息するニホンイタチは泳ぎが得意で、 魚も重要な餌となっています。 この能力のおかげで何とか生き残っている場所もあるようです。 現在、チョウセンイタチの他にもアライグマやミンク、マングース、ハクビシンなど さまざまな外来種がペット、害獣の天敵として持ち込まれ野生化しています。 イタチの例から学べるように、 不用意に外来種を野に放してしまうと、日本固有の動植物の生息が脅かされることになります。 外来種の移入には十分注意し、ペットの飼い主は責任ある行動をとりましょう。 自然界は機械装置のように壊れた部分だけをヒトが修理することだけでは元に戻らないのです。 4〜0.
次の「」も参照 分布地域は、、など。 また駆除を目的としてなどの部には人為的に移入された。 の場合は、北海道本島ではの移入、本島周辺部では人為的な移入である。 形態 [ ] 成獣の大きさはとで異なり、オスはメスより大きい。 は、オスが27-37 、メスが16-25 cm。 尾長は、オスが12-16 cm、メスが7-9 cm。 は、オスが290-650 、メスが115-175 g。 毛色は個体により様々だが、は茶褐色から黄褐色である。 鼻筋周辺は暗褐色。 の色は躯体とほぼ同色。 数は、が上6本下6本、が上2本下2本、が上6本下6本、が上2本下4本、合計34本。 数は、は無し、2対、2対、合計8個。 数(の数)は、が5本、が5本、合計20本。 の大きさは、が約8-12 g。 生態 [ ] 本種は冬眠はしないで1年中活動し、その活動時間帯は特に定まっておらず、昼夜活動する。 期以外は基本的に単独で行動する。 本種の手足の指の間には(みずかき)があり、泳ぎが得意である。 期にもに入り、潜ることもある。 主な活動地域はや、、などのであるが、水辺から離れた地帯にも生息しており、に登ることもある。 本種は用心深く 、で2本足立ちして周囲を見回すことがある。 この行動を目蔭(まかげ)という。 は、既存のや隙間を使用する。 の活動領域はオスの領域よりも狭く、の活動領域は複数のメスの活動領域にまたがる。 は主にで、や、、、、、、、動物の死体など。 また、や、、、コクワ()のなどの植物質のものも食べる。 カエルを捕獲するニホンイタチ 繁殖と子イタチの独立 [ ] 期は、では年に2回あり、1回の出産の産仔数は1 - 8匹で、平均は3 - 5匹。 での繁殖は年に1回で、期は4月中旬から6月上旬。 期間は、1937年の記録によると、されていた個体では37日間という記録がある。 はだけで行う。 新生子の体毛は薄く、はない。 生後約5週目で視力を得て、期は生後8 - 10週目、10週目頃から自身でを捕獲するようになり、に親離れする。 翌年にはできる個体が多い。 北海道への移入 [ ] 本種の本州から本島への移入 は偶然の産物であった。 (Inukai, 1932; 犬飼、1934年)によると、初期に以南から出港したに侵入していた個体がからし、化した。 なお、昭和初期までの北海道の文献にエゾイタチと書かれているのは、ほとんどの場合のことである。 本種の北海道本島での拡散状況は次の通り。 明治初期 - に上陸。 1914年(大正3年)- (ばんなぐろ、現)で確認。 1934年(昭和9年)- 以外の北海道に拡散。 その後 - 根室地方で確認され、北海道本島全域で野生化。 北海道本島への移入は偶然の出来事であったが、本島周辺の部では駆除目的で人為的に移入された。 1933年(昭和8年)-。 1940年(昭和15年)-。 1948年(昭和23年)- (犬飼、1949年)。 1952年(昭和27年)-。 チョウセンイタチの侵入 [ ] 日本におけるの分布地域はのみであるが 、現在はのと、、、そしてにも生息し、本種の生息地域を侵食している。 本節では外来種としてのチョウセンイタチについて説明する。 これらの地域に生息するチョウセンイタチは、1949年(昭和24年)頃にに侵入した個体が拡散したものと考えられているが 、前にしていたという情報もある。 1931年(昭和6年)9月の以後にとしての生産が奨励されたため、毛皮目的で本種のが行われていたので 、チョウセンイタチも毛皮目的で養殖していた可能性はある。 によると、チョウセンイタチの生息域拡大は、チョウセンイタチと本種との間の生存競争に本種が負けたためと推考される。 またこの研究では、チョウセンイタチは部など人の生活地域での生息が多く、地帯の急斜面の地形がチョウセンイタチの侵出を抑えているというデータが得られている。 したがって山岳地帯が開発されて人が暮らしやすいように斜面の緩やかな地形になると、それに合わせてチョウセンイタチの侵出もそこに及ぶと推考される。 チョウセンイタチは、の特定外来生物の対象外とされている。 種の保全状況評価 [ ] (IUCN)により、からの(NT)の指定を受けている。 日本では以下ので、レッドリストの指定を受けている。 により、の指定を受けている。 絶滅危惧II類 - 、• 準絶滅危惧 - (と北多摩地区)、、(平野部の生息域が外来種のチョウセンイタチにおびやかされつつある。 ) 、 、、 、 、(平野で減少し、代わりにチョウセンイタチが広く分布するようになっている。 ) 、 、• その他• 情報不足 - 、 、、• 地帯別危惧 - 、• 分布特性上重要 - 脚注 [ ] []• 2016年10月13日閲覧。 2012年5月13日閲覧。 『』(p380)より。 [ — ]• 環境省. 1 2011年7月1日. 2013年3月18日閲覧。 「」より。 本節は特記以外、『』(p381, p382)を参考文献とする。 鳥取県. 33 2002年. 2013年3月18日閲覧。 島根県 2002年3月. 2013年4月23日時点のよりアーカイブ。 2013年3月18日閲覧。 山口県 2002年. 2013年3月18日閲覧。 香川県 2004年3月. 2013年3月18日閲覧。 福岡県 2011年. 2013年3月18日閲覧。 - 2001年版では絶滅危惧II類。 熊本県. 248 2009年. 2013年3月18日閲覧。 [ ]• 大分県. 316 2000年. 2013年3月18日閲覧。 環境省 2011年7月1日. 2009年11月6日時点のよりアーカイブ。 2013年3月18日閲覧。 (エンビジョン環境保全事務局). 2013年3月18日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。 佐賀県. 40 2003年. 2013年3月18日閲覧。 [ ]• 大阪府. 2019年1月16日閲覧。 大阪府. 2015年1月8日時点のよりアーカイブ。 2019年1月16日閲覧。 群馬県. 1 2012年. 2013年3月18日閲覧。 岡山県. 38 2009年. 2013年3月18日閲覧。 埼玉県. 103 2008年. 2010年1月3日時点のよりアーカイブ。 2013年3月18日閲覧。 参考文献 [ ]• 「」『侵入生物データベース』、、2010年1月19日 火 閲覧。 「」『[III]賞田の動物たち』2005年(平成17年)2月10日、賞田町内会、2010年1月19日 火 閲覧。 「」『狩猟界』1997年7月号()掲載、、2010年1月12日 火 閲覧。 、「」『成果報告』1995年度、、2010年1月19日 火 閲覧。 出版物• 『野生動物調査痕跡学図鑑』、2009年10月20日。 「イタチ」『日本の哺乳類』 監修、 編集、、2008年7月5日 第1刷発行、改訂2版。 外部リンク [ ] ウィキスピーシーズに に関する情報があります。 ウィキメディア・コモンズには、 に関連するカテゴリがあります。 - 太田川河川事務所• - 山口県.
次のイタチは西日本を中心に生息。 特に大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀、和歌山、岡山、鳥取などの関西エリアは特に駆除依頼の多い地域です。 彼らはハクビシンなどと比べると 非常に獰猛で肉食性が強い動物です。 見た目は可愛らしいですが、むやみに手を出すのは禁物です。 ネズミやモグラなどの小動物、カニなどの甲殻類、昆虫、また時には池の鯉やニワトリなど自分よりも大きなものまで襲って食べることもあります。 そのため排泄物には動物の骨や殻が混じることもあり、ハクビシン等の糞よりもにおいが強い傾向にあります。 ただ肉食のみというわけでもないので、農作物を荒らすという被害も報告されています。 イタチのオスとメスの違い イタチはオスとメスで体の大きさに明確な違いがあり、オスはメスの1. 5~2倍ほど大きくなります。 またニホンイタチもチョウセンイタチもメスは共に非狩猟獣のため捕獲は禁止されています。 毛色はオスもメスも同色。 全体的に山吹色のような鮮やかな黄色で顔は茶色をしています。 イタチの種類 チョウセンイタチは1930~1950年頃に日本に入ってきたと言われています。 船の積み荷と混じって朝鮮半島から持ち込まれた説や、毛皮業者が養殖のために持ち込んだイタチが逃げて野生化した説などがあります。 ニホンイタチとチョウセンイタチでは、チョウセンイタチの方が優勢のためニホンイタチを山間部に追いやっています。 『鼬 いたち の最後っ屁』ということわざがあるように、イタチは追いつめられた際に肛門付近の臭腺から悪臭を放ち、敵が怯んでいるうちに逃げます。 対馬に生息するツシマテンは国の天然記念物であり非狩猟獣。 北海道に生息するクロテンも非狩猟獣です。 2010年佐渡市の佐渡トキ保護センターで飼育中のトキ9羽が死んだニュースがありました。 その後の調査の結果、襲ったのはテンだったという衝撃の事実が判明し、テレビでも連日この話題が報道されていました。 このニュースからも見て取れるように、見た目の可愛らしさとは裏腹にテンは肉食であり、時に 自分よりも体の大きな動物も襲うこともあるのです。 テンとイタチの違い 通常は単独で生活しますが、出産のために木造家屋の天井裏に侵入するケースもあります。 オスとメスで体の大きさが違い、オスの方がメスよりも大きい。 一度に複数匹出産します。 またテンの毛皮はミンクなどと同様に高級品としても知られています。 イタチとは違い、毛色は夏と冬で色が変わるという特殊な種類です。 夏はやや黒ずんだ黄褐色で顔は黒、冬は明るい黄褐色ないし黄色で顔は白となります。 毛色により呼称が2種類あり、黄色い個体をキテン、くすんでいる個体をスステンとも呼びます。 関西地方はスステンが多い傾向にあります。 テンは何を食べる? テンの食性は雑食。 ネズミやリスなどの小動物や鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類など何でも食べます。 植物質のものは果実を好みます。 秋には糞の中にマタタビやサルナシの種が混ざることが多くなります。 そのため農作物が荒らされたり、池の鯉が食べられる、飼育しているニワトリが襲われるなどの被害も報告されています。 テンの言い伝え 余談になりますが、テン 貂 は昔からあまり良くないイメージの伝承も数多く残っており、 「テンが目の前を横切ると縁起が悪い 石川県、秋田県 」「テンは雪崩による死者が化けたもの 福島県 」「テンは殺すと火難に遭う 広島県 」という言い伝えがあります。 その画図の中では、絡み合ったテンが家のそばに現れると、その家は火災に遭うと恐れられていたそうです。 どうやらテンは昔から恐れられていたようですね。 イタチ・テンによる主な被害 イタチは本来平野部から低山にかけて、テンは低山から亜高山 標高500~1500m にかけて生息し、沢や水田、池沼などで見かけることの多い動物でした。 しかし近年では住宅街に姿を現すことも多く、木登りも得意な為民家へ侵入し棲みつくケースが増えてきています。 見た目は可愛らしい動物ですが、彼らにより「農作物を荒らされた」「池の鯉が食べられた」「飼育しているニワトリが襲われた」などの被害も報告されています。 その中でも、民家の天井裏や床下に侵入されたケースの被害についてご説明します。 出産・営巣 テンの赤ちゃん イタチに荒らされた屋根裏の断熱材 イタチやテンは建物に侵入すると、基本的に住みついてしまいます。 出たり入ったりを繰り返しますが、 自然に出て行くことはありません。 ふかふかのマットのようなものなので、巣にされやすいグラスウールという素材が多く採用されています。 この素材を巣にすることが多く、この上で出産することも頻繁に見受けられます。 夜になると天井や壁の中でガタガタコトコト…。 ひどい時はドタバタと…。 毎晩この音のせいで 不眠症やノイローゼになる依頼者も多くいらっしゃいます。 出産時には幼獣の鳴き声がすることもあります。 被害が進行すると天井が抜け落ちることもあります。 イタチやテンは肉食性が強い傾向にあるので、果実を中心に食べるハクビシンなどと比べると、糞の臭いも強く、イタチやテン独特の獣臭と排泄物の悪臭による 健康被害に繋がる可能性もあります。 この臭いがまた新たに 別の動物を寄せ付ける原因にもなりますので、消臭作業が必要です。 ダニ・ノミ被害 野生動物には必ずと言っていいほどダニやノミが寄生しています。 吸血性のダニやノミが彼らに寄生すると、巣や天井裏にも潜みます。 そのダニやノミが室内にまで降りてくると人間も刺し、特に肌の柔らかい、女性や赤ちゃんが刺されやすいといわれています。 ノミは膝から下を中心に刺され、ダニはお腹や二の腕など体の柔らかい箇所を刺されることが多く、刺されると1週間以上激しい痒みに襲われます。 またダニの死骸はアレルゲンとなり、 アトピーや喘息 ぜんそく の原因にもなるので注意が必要です。 菌の媒介 野生動物はさまざまな菌を媒介します。 食中毒の原因となるサルモネラ菌やレプトスピラ菌、ペストなど数多くの菌や病気を媒介するのです。 菌は目には見えませんし、健康被害も懸念されます。 イタチやテン自体の駆除のみならず、きちんとした消毒作業が必要です。
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